生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ジエステル及びそれを含むクレンジング化粧料
出願番号:2006355913
年次:2012
IPC分類:A61K 8/37,A61Q 19/10


特許情報キャッシュ

苔口 由貴 渡邊 大輔 JP 4901464 特許公報(B2) 20120113 2006355913 20061228 ジエステル及びそれを含むクレンジング化粧料 高級アルコール工業株式会社 391066319 松井 光夫 100085545 苔口 由貴 渡邊 大輔 20120321 A61K 8/37 20060101AFI20120301BHJP A61Q 19/10 20060101ALI20120301BHJP JPA61K8/37A61Q19/10 A61K 8/37 A61Q 19/10 特開昭52−131513(JP,A) 国際公開第2007/074675(WO,A1) 4 2008162965 20080717 19 20091120 安田 周史本発明は新規なジエステル及び該ジエステルを含むクレンジング化粧料に関する。近年、ファンデーション、アイメイク、口紅等のメイクアップ化粧料の耐水性、耐汗性が向上し、いわゆる化粧持ちが良くなってきている。従って、これらのメイクアップ化粧料を洗い落とすために使用されるクレンジング化粧料も、油剤と界面活性剤とを組み合わせたオイル状のものが主流になりつつある。該クレンジング化粧料は通常、油剤、低HLB界面活性剤、高HLB界面活性剤及び精製水等を配合して製造される。従来のクレンジング化粧料は、水に濡れた皮膚に使用すると乳化物又は白濁物となり、また、水が混在すると油性汚れに対するクレンジング力が低下すると言う問題があった。従って、クレンジング化粧料は、浴室での使用には適していなかった。これらの欠点を解決すべく、皮膚が濡れた状態において、乳化物及び白濁物を生じることなく良好な効果を呈するクレンジング化粧料が提案されている(特許文献1〜8)。また、クレンジング化粧料に適度な粘性を付与して、塗布時の摩擦感を低減し使用感に優れたクレンジング化粧料を得る試みがなされている(特許文献9〜11)。これらのクレンジング化粧料は配合する界面活性剤及び増粘剤を改良するものであった。しかし、これらのクレンジング化粧料はメイクアップ化粧料を洗い落とすために十分であるとは言えなかった。従来、カプリル/カプリン酸の混合脂肪酸、ヘプタン酸、ラウリン酸、アクリル酸、ジエチルへキサン酸、ジカプリン酸又はイソステアリン酸とネオペンチルグリコールとから成るジエステル、及びネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸との縮合物とアクリル酸とから成るジエステルが化粧料の分野で知られている(非特許文献1及び2)。特開2004-2292号公報特開2004-26791号公報特開2006-22004号公報特開2004-75566号公報特開2006-176469号公報特開2006-176470号公報特開2006-22000号公報特開2004-277359号公報特開2005-2047号公報特開2003-252726号公報特開2003-267835号公報ICID、CTFA(The Cosmetic,Toiletry, and Fragrance Association)14102の化学商品、化学工業日報社本発明は、イソノナン酸とネオペンチルグリコールとから成る新規なジエステル(以下、「ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール」と言うことがある)を提供し、更には、該ジエステルを含むクレンジング化粧料を提供するものである。上記のように、従来、クレンジング化粧料の乳化及び白濁化を防止するため並びに塗布時の摩擦感を低減しかつ使用感を改善するために、クレンジング化粧料に配合する界面活性剤及び増粘剤が着目されていた。そして、これらに関する多数の研究がなされた。その一方、クレンジング化粧料に配合する油剤を改良して、メイクアップ化粧料を洗い落とす効果を改善しようとする試みは殆どなされていなかった。上記非特許文献1及び2に記載されているように、化粧料の分野において種々のジエステルが知られている。これらのジエステルは、所定の脂肪酸と二価アルコールとの比較的簡単な反応により製造することができる。従って、現在知られているこれらジエステル以外にも多くのジエステルを製造し得る可能性がある。しかし、分岐構造の相違を含めると膨大な種類のジエステルが予測される。また、ジエステルの用途は多岐に亘り、如何なる用途に利用するのが適切であるかを決定することも容易ではない。本発明者らは、このような膨大な数のジエステルの中から、クレンジング化粧料として優れているものがないか否かを検討した。その結果、分岐鎖のある脂肪酸から得られるエステル、とりわけ、イソノナン酸エステル類が、メイクアップ化粧料に使用する顔料の分散性に優れていることを見出した。しかし、例えば、イソノナン酸イソノニル等は安全性及び酸化安定性に問題があった。従来から知られているジエチルへキサン酸ネオペンチルグリコールは皮膚におけるすべり性に乏しく、クレンジング化粧料として不向きであった。しかし、これが比較的良好な顔料の分散性を有することを見出した。これらのことから、ジエステルがクレンジング化粧料として優れているためには、ジエステルがイソノニル基、分岐鎖及びある程度の炭素数を有することが必要であると言う結論に至った。本発明者らは、これに基づいて種々のジエステルとメイクアップ化粧料との関係を検討した。その結果、下記式(I)で示されるジイソノナン酸ネオペンチルグリコールを見出した。加えて、式(I)で示されるジイソノナン酸ネオペンチルグリコールを油剤として含むクレンジング化粧料が、メイクアップ化粧料を洗い落とす効果に著しく優れていることを見出したのである。即ち、本発明は、(1)下記式(I)で示されるジエステルを含有するクレンジング化粧料、(2)上記(1)記載のジエステルを、クレンジング化粧料100質量部に対して50質量部以上含むところのクレンジング化粧料、(3)上記(1)記載のジエステルを、クレンジング化粧料100質量部に対して50〜95質量部含むところのクレンジング化粧料、(4)上記(1)記載のジエステルを、クレンジング化粧料100質量部に対して60〜90質量部含むところのクレンジング化粧料、(5)上記(1)記載のジエステルを、クレンジング化粧料100質量部に対して65〜85質量部含むところのクレンジング化粧料、(6)更に、界面活性剤を含むところの上記(2)〜(5)のいずれか一つに記載のクレンジング化粧料、(7)上記界面活性剤含有量が、上記ジエステル100質量部に対して8〜70質量部であるところの上記(6)記載のクレンジング化粧料、(8)上記界面活性剤含有量が、上記ジエステル100質量部に対して11〜54質量部であるところの上記(6)記載のクレンジング化粧料、(9)上記界面活性剤含有量が、上記ジエステル100質量部に対して14〜41質量部であるところの上記(6)記載のクレンジング化粧料、(10)界面活性剤が非イオン界面活性剤であるところの上記(6)〜(9)のいずれか一つに記載のクレンジング化粧料、(11)非イオン界面活性剤が、ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル及び/又はトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルであるところの上記(10)記載のクレンジング化粧料、(12)(A)上記(1)記載のジエステル 100質量部、(B)イソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2及び(イソステアリン酸ポリグリセリル−2/ダイマージリノール酸)コポリマーより成る群から選ばれる少なくとも一つのヒドロキシ化合物 1〜40質量部(C)ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル及び/又はトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 8〜70質量部、及び(D)油溶性増粘剤 0.1〜14質量部を含むところのクレンジング化粧料、(13)(A)100質量部、(B)2〜33質量部、(C)11〜54質量部、及び(D)0.2〜11質量部を含むところの上記(12)記載のクレンジング化粧料、(14)(A)100質量部、(B)3〜25質量部、(C)14〜41質量部、及び(D)0.3〜10質量部を含むところの上記(12)記載のクレンジング化粧料、(15)(B)がイソステアリン酸ポリグリセリル−2及び/又は(イソステアリン酸ポリグリセリル−2/ダイマージリノール酸)コポリマーであるところの上記(12)〜(14)のいずれか一つに記載のクレンジング化粧料を挙げることができる。本発明のジイソノナン酸ネオペンチルグリコールは、適度な粘度、良好なすべり性(適度な摩擦感)、種々の油剤及び非イオン界面活性剤との良好な相溶性、並びに極めて良好な酸化安定性(色及び臭いの変化が少ない)を有する。従って、クレンジング化粧料のための油剤として非常に有用である。かかるジイソノナン酸ネオペンチルグリコールを含むクレンジング化粧料は使用感に優れている。即ち、適度な粘性を有する故に手にとった際に垂れ落ちることがなく、使用時の摩擦感が少なく、のびがよく、かつ高いクレンジング力を有し、更には、水洗後にオイルの残存感がなく、きれいに洗い流すことができる。また、本発明のクレンジング化粧料は保存安定性にも優れている。本発明のジエステルは式(I)で示される。該ジエステルは、公知のジエステル製造法を使用して製造することができる。例えば、イソノナン酸2モルとネオペンチルグリコール1モルとを反応器に仕込み、好ましくは常圧下で窒素バブリングを行いながら、好ましくは200〜220℃の加熱還流下において生成水の留出がなくなるまで、好ましくは10〜50時間反応させる。上記の反応に際しては、溶媒及び触媒を使用することが好ましい。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、パラトルエンスルホン酸、硫酸、塩酸等が挙げられる。反応終了後、反応器内容物を水で洗浄することにより触媒を除去する。水洗して得られた反応生成物を、減圧下、例えば、10 mmHgにおいて、例えば、120℃で30分間加熱して、溶媒を留去して乾燥する。次いで、得られた生成物を、例えば、窒素バブリングを行ないつつ3 mmHgの減圧下で蒸留することにより精製する。本発明のクレンジング化粧料は式(I)で示されるジエステルを含む。該ジエステル含有量の上限は、クレンジング化粧料100質量部に対して、100質量部、好ましくは95質量部、より好ましくは90質量部、更に好ましくは85質量部であり、下限は、クレンジング化粧料100質量部に対して、好ましくは50質量部、より好ましくは60質量部、更に好ましくは65質量部である。上記下限未満では油性メイクアップ化粧料の洗浄力に劣る。本発明のクレンジング化粧料は式(I)で示されるジエステルに加えて、更に、界面活性剤を含むことができる。該界面活性剤含有量の上限は、該ジエステル100質量部に対して、好ましくは70質量部、より好ましくは54質量部、更に好ましくは41質量部であり、下限は、該ジエステル100質量部に対して、好ましくは8質量部、より好ましくは11質量部、更に好ましくは14質量部である。上記上限を超えると他の油性基剤との相溶性に乏しくなり、上記下限未満では洗浄時のメイク汚れの水中への分散能に劣る。上記の界面活性剤としては、好ましくは非イオン界面活性剤を使用することができる。非イオン界面活性剤としては、好ましくはジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル及び/又はトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(C)を使用することができる。成分(C)は公知の物質であり、前者はイソステアリン酸2モルとポリオキシエチレングリコール1モルとを反応させることにより、後者はイソステアリン酸3モルとポリオキシエチレングリコール1モルとを反応させることにより製造することができる。成分(C)として、HLB値の上限が、好ましくは15未満、より好ましくは13であり、下限が、好ましくは10であるものが使用される。ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルとしては、例えば、ジイソステアリン酸PEG-20グリセリル(HLB値: 10)及びジイソステアリン酸PEG-30グリセリル(HLB値: 12)が好ましく、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルとしては、例えば、トリイソステアリン酸PEG-30グリセリル(HLB値: 10)及びトリイソステアリン酸PEG-30グリセリル(HLB値: 11)が好ましい。HLB値が上記上限を超えると、他の油剤との相溶性が悪くなり、上記下限未満では、洗浄時のメイク汚れの水中への分散能に劣る。成分(C)は1種又は2種以上を含んでいても良い。ここで、HLB値とは親水性親油性バランスを示し、下記式により算出される。本発明のクレンジング化粧料は、イソステアリン酸ポリグリセリル‐2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル‐2及び(イソステアリン酸ポリグリセリル‐2/ダイマージリノール酸)コポリマー(ダイマージリノール酸イソステアリン酸ポリグリセリル-2とも言う)より成る群から選ばれる少なくとも一つのヒドロキシ化合物(B)を含むことができる。好ましくは、イソステアリン酸ポリグリセリル-2が使用される。成分(B)は、成分(A)と(C)との間の相溶性を更に高めて、クレンジング化粧料の安定性を改善するために使用され、これにより、クレンジング化粧料の使用感が良好になる。該ヒドロキシ化合物(B)の含有量の上限は、該ジエステル100質量部に対して、好ましくは40質量部、より好ましくは33質量部、更に好ましくは25質量部であり、下限は、該ジエステル100質量部に対して、好ましくは1質量部、より好ましくは2質量部、更に好ましくは3質量部である。上記上限を超えると、洗浄後の肌にオイル残り感を強く感じ、上記下限未満では、成分(A)と(C)との間の相溶性が悪化し、クレンジング化粧料の安定感及び使用感が悪くなる。本発明のクレンジング化粧料は、油溶性増粘剤(D)を含むことができる。成分(D)としては、好ましくは、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン等のデキストリン誘導体、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、エステル末端ポリアミド、アミド末端ポリアミド、PEG-8ミツロウ等のポリアミド樹脂が使用される。より好ましくは、パルミチン酸デキストリン、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル、エステル末端ポリアミド樹脂、アミド末端ポリアミド樹脂、PEG-8ミツロウが使用される。成分(D)は1種又は2種以上を含んでいても良い。該油溶性増粘剤(D)の含有量の上限は、該ジエステル100質量部に対して、好ましくは14質量部、より好ましくは11質量部、更に好ましくは10質量部であり、下限は、該ジエステル100質量部に対して、好ましくは0.1質量部、より好ましくは0.2質量部、更に好ましくは0.3質量部である。上記上限を超えると、クレンジング化粧料の粘性が高くなり使用時の伸びが悪く、上記下限未満では、クレンジング化粧料の粘性が低くなり液垂れが生じ易く、またマッサージ効果が悪くなる。本発明のクレンジング化粧料には、上記成分(A)〜(D)に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、慣用の添加剤、例えば、1,2−ペンタンジオール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール類、エタノール等のアルコール類、ホホバ油等の植物油、スクワラン、流動パラフィン等の炭化水素油、エステル油、エキス類、薬効剤、殺菌剤、抗菌剤、酸化防止剤、キレート剤、香料、色素、水等のクレンジング化粧料に通常配合されている物質を含めることができる。本発明のクレンジング化粧料は、公知の方法で製造することができる。例えば、成分(A)〜(D)を混合し、次いで、加温溶解して全成分を均一混合し冷却することで容易に製造することができる。以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。合成実施例攪拌装置、温度計、窒素ガス導入管、ディーンスターク水分計及びコンデンサーを取り付けた2000 ミリリットルのガラス製4つ口フラスコにネオペンチルグリコール208.2 グラム(2.0 mol)、イソノナン酸632.4グラム(4.0 mol)、溶媒としてのトルエン100ミリリットル、及び触媒としてのパラトルエンスルホン酸0.8グラムを仕込んだ。次いで、常圧下、窒素を10ミリリットル/分で流しながら200℃に加熱した。該温度で加熱還流下、生成水を溶媒と共沸させながら留去しつつ10時間反応させた。生成水の留出が少なくなったところで温度を220℃に上げて更に反応を続け、生成水の留出がなくなったところで反応を停止した。ここまで反応開始から約20時間であった。得られた反応生成物を3000ミリリットル分液ロートに移し、水200ミリリットルで2回洗浄することにより、使用した触媒を除去した。その後、油相を、攪拌装置、温度計、窒素ガス導入管、ディーンスターク水分計及びコンデンサーを取り付けた2000ミリリットルのガラス製4つ口フラスコに移し、約10mmHgの減圧下120℃で30分間加熱することにより、溶媒であるトルエンと水を留去して乾燥した。目的物730グラム(収率 約95%)が得られた。得られた反応生成物730グラムを2000ミリリットルガラス製クライゼン型フラスコに仕込んだ。1ミリリットル/分の窒素バブリング下、3 mmHgで減圧蒸留した。160〜170℃の留分を回収することにより、目的物620グラム(収率85%)を得た。得られた生成物について、赤外吸収分析(使用機器:Spectrum One、Perkin Elmer社製、ATR法)及びガスクロマトグラフ分析(使用機器:Agilent 6850(Agilent);使用カラム:DB-1(Agilent)、内径:0.25 mm、長さ:15 m、膜厚:0.1 μm;注入法:スプリット法 50:1;カラム温度:100 ℃から 250℃まで5℃/分で昇温、 250℃で 5分間保持;注入口温度:250℃;キャリアガス:He;検出法:FID 230℃;注入量:1.0マイクロリットル)を実施した。その結果、赤外吸収分析から2960〜2870 cm-1付近、1735 cm-1付近、1475 cm-1付近及び1150 cm-1付近に、夫々、メチル基、メチレン基C-H伸縮、エステルC=O伸縮、メチレン基C-H変角及びエステルC‐O伸縮に帰属される吸収が認められた(図1)。また、ガスクロマトグラフ分析から、生成物は95%以上の純度を有することが認められた。これらから、上記の生成物がジイソノナン酸ネオペンチルグリコールであることが認められた。また、該生成物の酸価は1.0以下であり、けん化価は280〜300であり、かつ水酸基価は1.0以下であった。これらは、夫々、化粧品原料基準18.酸価測定法、16.けん化価測定法及び24.水酸基価測定法に準拠して測定したものである。合成実施例において得られたジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(NPDIN)について、下記の性状を測定した。<粘度>ブルックフィールド粘度計 DV‐II+ (スピンドルNo.2、12rpm、25℃)により測定した。また、比較として、下記の各種エステル油の粘度も測定した。イソノナン酸イソノニル(KAK 99):高級アルコール工業株式会社製、KAK 99(商標)イソノナン酸イソトリデシル(KAK 139):高級アルコール工業株式会社製、KAK 139(商標)エチルへキサン酸セチル(CEH):高級アルコール工業株式会社製、CEH(商標)ジエチルへキサン酸ネオペンチルグリコール(KAKNDO):高級アルコール工業株式会社製、KAK NDO(商標)ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(NPDC):高級アルコール工業株式会社製、NPDC (商標)結果を図2に示す。図2中の記号は上記の各種エステル油を示す略称である。ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(NPDIN)の粘度は23mPa・sであった。該粘度はクレンジング化粧料の粘度として適切な値であり、クレンジング化粧料として適切な使用感が得られた。ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(NPDC)は、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコールと比較して多少粘度が低く、クレンジング化粧料としての使用感に劣っていた。ジエチルへキサン酸ネオペンチルグリコール(KAK NDO)は更に粘度が低く、使用時に空すべりし易いなどクレンジング化粧料として適していなかった。<すべり性(摩擦感試験)>摩擦感テスター(KES-SE-STP摩擦感テスター、カトーテック社製)と検出部用治具(該テスターの付属品、人間の指を想定し、凸凹を施したシリコーンゴム)及び人工皮革(人工皮革サプラーレ、出光テクノファイン社製)を用いて測定した。人工皮革上に、油剤を0.1ミリリットル滴下した。上記治具を人工皮革の表面の油剤を滴下した部位に当てた。皮革、油剤及び治具の温度を恒温槽において25℃に調節した。次いで、該治具を1mm/秒の速度で同一部位を1往復し(治具の移動距離は1往復で約80mmである)、1往復の平均摩擦係数(MIU)及び平均摩擦係数の変動値(MMD)を測定した。該測定を3回実施しMIU及びMMDの平均値を求め、すべり性の指標とした。また、比較として、粘度測定に使用した各種エステル油のMIU及びMMDも測定した。結果を図3に示す。図3中の記号は上記の各種エステル油を示す略称である。MIUは、すべり易さの指標であり、平均摩擦係数を意味する。該値が大きいほど、摩擦抵抗が高く、すべり難い。MMDは、ざらつき感の指標であり、摩擦係数の変動値を意味する。該値が大きいほど、表面がざらざらしている。ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(NPDIN)は、粘度が高い割には滑り易い油剤であり、クレンジング化粧料として非常に適していることが分かった。ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(NPDC)は、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコールと比較して粘度が低いにもかかわらず、すべり性に著しく劣り、クレンジング化粧料として適していなかった。ジエチルへキサン酸ネオペンチルグリコール(KAK NDO)はすべり性には優れるが、粘度が低すぎるために空すべりし易い。<顔料分散性>顔料としては、ファンデーションに汎用される黄酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン及びタルクを使用した。各顔料1.5グラムをメノウ乳鉢に秤量した。ビュレットを用い、徐々に油剤を滴下し、顔料と油剤を練り、吸油点及び流動点を測定し、顔料分散性の指標とした。吸油点とは顔料と油剤が一塊になる点であり、顔料粒子表面を覆う油量と、顔料粒子の空隙を埋める油量の和である。流動点とは吸油量まで油を含んだ顔料にさらに油剤を添加し、その塊が流動性を持ち流れ出す(スラリー状となる)油量である。比較として、イソノナン酸イソノニル(KAK 99)、イソノナン酸イソトリデシル(KAK139)、ジエチルへキサン酸ネオペンチルグリコール(KAK NDO)及びジカプリン酸ネオペンチルグリコール(NPDC)についても顔料分散性を測定した。結果を表1に示す。表1中の記号は上記の各種エステル油を示す略称である。WPは吸油点を意味し、FPは流動点を意味する。吸油点(WP)が低い油剤ほど顔料への濡れが早く、流動点(FP)が低い油剤ほど顔料の分散性が高い。表1から、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(NPDIN)は顔料分散性に優れた油剤であることが分かった。<相溶性試験>ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(NPDIN)との相溶性試験を実施した物質は、化粧料として通常使用されている下記の油性基剤である。また、粘度測定に使用した各種エステル油との相溶性試験も実施した。エステル油リンゴ酸ジイソステアリル:高級アルコール工業株式会社製、ハイマートDISジイソステアリン酸ポリグリセリル-3:高級アルコール工業株式会社製、リソレックスPGIS32シリコーン油シクロメチコン:東レ・ダウコーニング株式会社製、DOWCORNING TORAY SH 245 FLUID(商標)フェニルトリメチコン:東レ・ダウコーニング株式会社製、DOW CORNING TORAY SH 556 FLUID(商標)ジメチコン:GE東芝シリコーン株式会社製、TSF451−10A(商標) 、粘度10cpsジメチコン:GE東芝シリコーン株式会社製、TSF451−100A(商標) 、粘度100cps炭化水素油流動パラフィン:カネダ株式会社製、ハイコールK280(商標) 、粘度2cpsスクワラン:高級アルコール工業株式会社製、オリーブスクワラン非イオン界面活性剤ジイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)グリセリル:HLB:7.0、日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−210EX(商標)ジイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル:HLB:10.0、日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−220EX(商標)ジイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)グリセリル:HLB:12.0、日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−230EX(商標)トリオレイン酸ポリオキシエチレン(30)グリセリル:日本エマルジョン株式会社製、エマレックス GWO−330EX(商標)イソステアリン酸ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油:日本エマルジョン株式会社製、エマレックス RWIS−140EX(商標)上記の各油性基剤(20質量%)に合成実施例で得られたジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(80質量%)を80〜90℃の湯浴中で約30分間攪拌しながら溶解した後、50℃まで攪拌しながら冷却し、25℃の恒温室に保存した。1週間後の状態を目視により評価した。また、比較として、粘度測定に使用した各種エステル油と非イオン界面活性剤との相溶性も調査した。結果を表2及び3に示す。表2は、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコールと各油性基剤との相溶性を示している。表3は、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール及び粘度測定に使用した各種エステル油と非イオン界面活性剤との相溶性を示している。評価結果は、相溶ありは「G」、濁り、あるいはやや分離ありは「M」、完全分離は「B」により示した。ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(NPDIN)は、いずれの油剤に対しても良好な相溶性を示した。イソノナン酸イソノニル(KAK 99)、ジエチルへキサン酸ネオペンチルグリコール(KAK NDO)、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(NPDC)及びエチルへキサン酸セチル(CEH)は、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油との相溶性が悪かった。従って、これらの油剤はクレンジング化粧料として好ましくないことが分かった。<酸化安定性>CDM(Conductmetric Determination Method)試験により評価した。CDM試験は、合成実施例で得られたジイソノナン酸ネオペンチルグリコールの酸化により生じた揮発性分解生成物を純水中に捕集し、そのときに生ずる導電率の変化を測定する方法である。CDM試験装置として、スイス国、Metrohm社製、Rancimat 743型(商標)を使用した。試料3.0グラムを反応容器に入れ、120℃一定に加熱しながら、その中に20リットル/時間で空気を送り込み、生じた揮発性分解物を水中に捕集し、捕集水の導電率が急激に変化する変曲点までの時間(誘導時間)を測定した。また、比較として、粘度測定に使用した各種エステル油の酸化安定性も測定した。結果を表4に示す。ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(NPDIN)は他のエステル油に比べて著しく高い酸化安定性を有することが分かった。以上の結果から、合成実施例において得られたジイソノナン酸ネオペンチルグリコール(NPDIN)は、他のエステル、とりわけ、化粧品分野において公知のジエステルであるジエチルへキサン酸ネオペンチルグリコール(KAK NDO)及びジカプリン酸ネオペンチルグリコール(NPDC)に比較して、クレンジング化粧料として著しく優れていることが分かった。実施例実施例において使用した成分は下記の通りである。成分(A):ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール:上記合成実施例で製造したもの成分(B):イソステアリン酸ポリグリセリル-2:(リソレックス PGIS21(商標)、高級アルコール株式会社製)ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2:(リソレックス PGIS22(商標)、高級アルコール株式会社製) (イソステアリン酸ポリグリセリル-2/ダイマージリノール酸)コポリマー:ハイルーセントISDA(商標)、高級アルコール株式会社製成分(C):ジイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル:HLB:10.0、日本エマルジョン株式会社製、エマレックス GWIS−220EX(商標)ジイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)グリセリル:HLB:12.0、日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−230EX(商標)成分(D):パルミチン酸デキストリン:(レオパール KL(商標)、千葉製粉株式会社製)(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン:(レオパール TT(商標)、千葉製粉株式会社製) (ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル:(ノムコート HK-G商標)、日清オイリオグループ株式会社製)エステル末端ポリアミド:(Uniclear100VG、米国Arizona CHEMICAL製)アミド末端ポリアミド:(SylvaclearA200V、米国Arizona CHEMICAL製)PEG-8ミツロウ:(リソレックス BW400(商標)、高級アルコール工業株式会社製)流動パラフィン:(ハイコール K−280(商標)、カネダ株式会社製)ホホバ油:(エコオイルRS、高級アルコール工業株式会社製)エチルへキサン酸セチル:(CEH(商標)、高級アルコール工業株式会社製)その他の成分:d‐δ‐トコフェロール:(イーミックス‐D、エーザイ株式会社製)クレンジング化粧料の性状、のびの良さ、メイク落ち、マッサージ性、水洗後のオイル残り感、保存安定性及び皮膚安全性は以下のようにして評価した。<性状>実施例において得られた各クレンジング化粧料をポンプ式の容器に充填した。該容器の容量は約80ミリリットルであり、かつ1回の吐出量は約2ミリリットルである。該容器の外観は、特開2003-252726号公報の図1に示されているものと同様である。評価結果は、ポンプから流出し易い場合を「G」、流出し難い場合を「B」で示した。<のびの良さ>クレンジング化粧料使用時の「のびの良さ」について、パネラー20名で評価を行った。クレンジング化粧料2ミリリットルを顔面に塗布した。評価結果は、20人中15人以上が「のびが良い」と回答した場合を「G」で示し、20人中6〜9人が「のびが良い」と回答した場合を「M」で示し、20人中5人以下が「のびが良い」と回答した場合を「B」で示した。<メイク落ち>マスカラ(メイベリン製、ワンダーカール マスカラ ウォータープルーフ)を人工皮膚[ビューラックス社製、バイオプレート(肌色)]に直径約2cmに薄く塗り、2時間放置して乾燥させた後、各クレンジング化粧料を約2ミリリットルのせ、指で軽く20回マッサージした。その後、流水で洗い流し、マスカラの残り具合を目視で観察した。評価結果は、クレンジング化粧料とメイクとがなじみ易く、メイク落ちが良好な場合を「G」で示し、クレンジング化粧料とメイクとがややなじみ易く、メイク落ちがやや良好な場合を「M」で示し、クレンジング化粧料とメイクとがなじみ難く、メイク落ちが不良な場合を「B」で示した。<マッサージ性>クレンジング化粧料使用時の「マッサージ性」について、パネラー20名で評価を行った。クレンジング化粧料2ミリリットルを顔面に塗布した。評価結果は、20人中15人以上が「塗布時の摩擦感がなく、マッサージ性が良い」と回答した場合を「G」で示し、20人中6〜9人が「塗布時の摩擦感がなく、マッサージ性が良い」と回答した場合を「M」で示し、20人中5人以下が「塗布時の摩擦感がなく、マッサージ性が良い」と回答した場合を「B」で示した。<水洗後のオイルの残り感>クレンジング化粧料2mLを前腕部に塗布し、ぬるま湯で洗い流したときのオイルの残り感を評価した。評価結果は、ぬめり感が早くなくなり、水洗後にオイル残り感が無い場合を「G」、水洗後にオイル残り感が無い場合を「M」、いつまでも肌に油が残り、オイル残り感が強い場合を「B」で示した。<保存安定性>実施例において得られた各クレンジング化粧料を、夫々、25℃及び45℃の恒温室に3ヶ月間保存した(恒温安定性試験)。別に、恒温室において、該化粧料を−5℃で1日、その後25℃で1日、更に45℃で1日保存し、この操作を5回繰返した(変温安定性試験)。評価は、25℃及び45℃における2点の恒温安定性試験、並びに変温安定性試験に基づいて、分離及び着色の外観を調べることにより実施した。評価結果は、全ての試験において異常が認められない場合を良好とし「G」で示し、いずれかの試験においてやや異常が認められる程度で実用上問題がない場合を「M」で示し、いずれかの試験において異常が認められる場合を不良とし「B」で示した。<皮膚安全性>被試験者は男子10名及び女子10名の合計20名である。前腕屈側部皮膚に、実施例において得られた各化粧の0.05グラムを、直径1.0cmのリント布の付いた円型パッチテスト用絆創膏を用いて24時間閉塞貼布する。絆創膏を除去した後の1時間及び24時間における被試験者20名の皮膚状態を、下記の評価基準に従い評価した。評価には、絆創膏除去後1時間後及び24時間後のうち、反応の強いほうを採用した。(−)が20名のときを「G」、(±)が1〜2名であり他の被験者が(−)のときを「M」、(±)が3名以上であり他の被験者が(−)のとき、又は(+)〜(+++)が1名以上のときを「B」で示した。(評価基準)(皮膚状態) (評価)紅斑、浮腫、水疱 : (+++)紅斑、浮腫 : (++)紅斑 : (+)軽微な紅斑 : (±)無紅斑、無浮腫 : (−)実施例1〜10表5及び6に示した各成分を所定量(質量部)で混合し、次いで、約100℃で攪拌しながら溶解して均一混合物を得た。該混合物を約25℃に冷却してクレンジング化粧料を得た。該クレンジング化粧料を使用して各評価試験を実施した。結果を表5及び6に示す。実施例1〜10のように、本発明のジエステルを含むクレンジング化粧料は良好な実用特性、保存安定性及び皮膚安全性を有することが分かった。本発明のジイソノナン酸ネオペンチルグリコールは、適度な粘度、良好なすべり性、種々の油剤及び非イオン界面活性剤との良好な相溶性及び極めて良好な酸化安定性を有する故に、クレンジング化粧料として非常に有用である。図1は、合成実施例で得られた物質の赤外吸収スペクトルを示す。図2は、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール及び各種エステル油の粘度を示すグラフである。図3は、ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール及び各種エステル油のすべり性を示すグラフである。下記式(I)で示されるジエステルを含有するクレンジング化粧料。請求項1記載のジエステルを、クレンジング化粧料100質量部に対して50質量部以上含むところのクレンジング化粧料。更に、界面活性剤を、上記ジエステル100質量部に対して8〜70質量部含むところの請求項2記載のクレンジング化粧料。(A)請求項1記載のジエステル 100質量部、(B)イソステアリン酸ポリグリセリル−2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−2及び(イソステアリン酸ポリグリセリル−2/ダイマージリノール酸)コポリマーより成る群から選ばれる少なくとも一つのヒドロキシ化合物 1〜40質量部(C)ジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル及び/又はトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 8〜70質量部、及び(D)油溶性増粘剤 0.1〜14質量部を含むところのクレンジング化粧料。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る