生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_棒状化粧料
出願番号:2006345126
年次:2012
IPC分類:A61K 8/36,A61K 8/37,A61Q 1/10,A61Q 1/04,A61Q 1/00


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永廣 千加子 荻野 一紀 JP 4895289 特許公報(B2) 20120106 2006345126 20061222 棒状化粧料 株式会社トキワ 591147339 永廣 千加子 荻野 一紀 20120314 A61K 8/36 20060101AFI20120223BHJP A61K 8/37 20060101ALI20120223BHJP A61Q 1/10 20060101ALI20120223BHJP A61Q 1/04 20060101ALI20120223BHJP A61Q 1/00 20060101ALI20120223BHJP JPA61K8/36A61K8/37A61Q1/10A61Q1/04A61Q1/00 A61K 8 A61Q 1 CA/REGISTRY(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開昭61−056116(JP,A) 特開昭61−022004(JP,A) 特開昭60−255711(JP,A) 特開平01−013011(JP,A) 特開2003−160797(JP,A) 4 2008156257 20080710 8 20080403 馳平 裕美本発明は、経時での発粉現象を抑え、滑らかな使用性を与える棒状化粧料を提供する。アイライナーペンシル、アイブローペンシル、リップライナーペンシルやコンシーラーペンシル等の様々な棒状化粧料は、主に目元や口元のラインなどを描くために使用されてきている。これら棒状化粧料の芯は一般に押出成型や流し込み成型によって製造されるが、芯には適度な強度と成型性が求められる。これらの要求を満たすために、棒状化粧料にはモクロウやステアリン酸等の固形脂肪酸が使用されてきている。しかしながら、これらの成分を含有する棒状化粧料は、経時で白色粉や結晶が付着した状態を呈し、外観不良および使用性の劣化を起こすことが知られている。このような発粉現象を抑制するために、特公平5−64605号公報には、分子量600以上の液状油分を使用することが記載されている。また、特開平64−13011号公報には、モクロウおよびステアリン酸のかわりにベヘニン酸トリグリセリドおよびジステアリン酸エチレングリコールを使用することが記載されている。更に、特開2000−128761号公報では、モクロウおよびステアリン酸を使用せず、特定の脂肪酸のエチレングリコールエステルおよび脂肪族アルコールを使用している。特公平5−64605号特開平64−13011号特開2000−128761号しかしながら、これらの技術は充分に発粉現象を抑えきれなかったり、成型性、使用性が損なわれたりして、いまだ充分に満足する棒状化粧料が得られていない。本発明は、従来の棒状化粧料が抱えてきた問題点を解決することを課題とした。即ち、発粉が起こらず、且つ、成型性および使用性を満足する棒状化粧料を提供することを課題した。本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、モクロウのかわりに(A)ベヘン酸および(B)トリベヘン酸グリセリルを必須成分として使用することによって優れた棒状化粧料が得られることを見出した。本発明においては、(A)ベヘン酸および(B)トリベヘン酸グリセリルが化粧料全量のうちそれぞれ1重量%〜20重量%であることが好ましい。更には、常温で液状の油分を1重量%〜20重量%配合することが好ましい。更には、前記液状油のIOB値が0.1〜1.0であることが好ましい。本発明により、発粉が起こらず、且つ、成型性および使用性にも優れた棒状化粧料が得られ、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明により、発粉が起こらず、且つ、成型性および使用性にも優れた棒状化粧料を提供する。以下に本発明を実施するための最良の形態について詳述する。本発明の棒状化粧料は、必須成分として(A)ベヘン酸および(B)トリベヘン酸グリセリルを含有する。本発明に用いられるベヘン酸は市販のEDENOR C22−85JP GW(コグニスジャパン社製)、トリベヘン酸グリセリルは市販のエステライドG−B(ナショナル美松社製)を用いることができる。好ましくは、(A)ベヘン酸および(B)トリベヘン酸グリセリルは、棒状化粧料全量中にそれぞれ1重量%〜20重量%配合する。1重量%より少ないと発粉防止効果を発揮せず、また、20重量%を越えると化粧品として描ける質感のものが得られない。更には、常温において液状の油分を1重量%〜20重量%配合する。好ましくは1〜15重量%を配合する。1重量%より少ないと発粉防止効果が得られない。また、20重量%を越えると柔らか過ぎて押出成型することが困難となる。本発明に用いられる常温において液状である油分は、化粧品において通常用いられるものであれば特に限定されない。好ましくはIOB値が0.1〜1.0の常温で液状の油分であり、例を挙げれば、パルミチン酸オクチル、2−エチルヘキサン酸セチル、オクタン酸セチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、イソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、オリーブ油、マカデミアナッツ油などが挙げられる。これらの液状油分を1種又は2種以上を1〜20重量%配合する。IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性値/有機性値の比)の略であって、有機化合物の極性の度合いを示す指標であり、化粧品業界において汎用されている。なお、IOB値の算出方法については藤田著「化学の領域」第11巻、第10号、719〜725頁(1957年)などに記載されている。本発明の棒状化粧料には、更に任意成分として化粧料で通常使用される顔料、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、薬剤、増粘剤、香料等も適宜配合することができる。例えば、ワックス類として、固形パラフィン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、セレシン、コメヌカロウ、合成炭化水素ワックス、ワセリン、ラノリンおよびラノリン誘導体等を使用することができる。また、油分として、前記必須成分とともにシリコーン油も効果を損なわない範囲で配合することができる。具体的には、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸およびデカメチルシクロペンタシロキサン等を使用することができる。更に、顔料として、マイカ、タルク、セリサイト、無水ケイ酸、硫酸バリウム、合成樹脂系パウダー、無機顔料、有機顔料、パール顔料、カルミン等の天然色素等を使用することができる。これらの任意成分は1種又は2種以上を組み合わせて効果を損なわない範囲にて配合することができる。本発明の棒状化粧料の製造方法は、通常用いられる棒状化粧料の製造方法を適宜選択し、組み合わせることにより製造でき、特に制限されない。例えば必須成分であるベヘン酸およびトリベヘン酸グリセリルと任意成分を加熱溶解後、混合し、ローラー処理や押出成型を行うことによって棒状化粧料を製造することができる。本発明の棒状化粧料は、押出成型等の成型性が極めて良好であり、製造の取扱いが容易である。本発明について以下に実施例を挙げて更に詳述するが、本発明はこれにより限定されるものでない。配合量は、その成分が配合される系に対する重量%で示す。実施例に先立ち、各実施例で採用した各評価項目の評価方法について説明する。 [成型性] (評価法)(有)墨田製作所製の押し出し成型機を使用し、実際に成型し、芯のささくれや成型状態の均一性を目視観察により以下の基準で評価した。 ◎・・・成型性がよい。 △・・・成型性は良くないが成型できる。 ×・・・成型できない。 [使用性]作製した芯を、肌に使用し、その使用性を以下の基準で官能評価した。 ◎・・・なめらかに描ける。 △・・・若干描きにくいが描ける。 ×・・・描けない。 [発粉]作製したサンプルを室温やその他5℃、25℃、40℃、50℃、サイクル(5℃〜40℃)の恒温槽に静置し、芯の表面が発粉するかどうかを目視観察により以下の基準で評価した。◎ ・・・発粉を認めない。○ ・・・微発粉を認める。△ ・・・芯の色が確認できる程度の発粉を認める。×・・・芯の色が確認できない程度の激しい発粉を認める。表1、2に示す組成物からなるアイブローペンシルを調整し、これを評価試料として、前記評価方法に基づき、各評価項目の判定を実施した。結果を併せて表1、表2に示す。(調整法)実施例は、必須成分であるベヘン酸およびトリベヘン酸グリセリルと任意オイル・ワックス・粉体成分を加熱溶解後混合し、ローラー処理の後、押出成型を行うことによって製造した。比較例についても同様に、固形油分、液状油分、粉体成分を加熱溶解後混合し、ローラー処理の後、押出成型を行うことによって製造した。表1からわかるようにトリベヘン酸グリセリルおよびベヘン酸を含む実施例1は成型性、使用性、発粉ともに良好な結果が得られた。表2は、液状油分のIOB値による影響を調べたものであるが、IOB値が低い実施例6や高い実施例7では、使用性、発粉において充分満足するものが得られなかったが、実施例2〜5においては非常に良好な結果が得られた。以下に処方例として実施例8〜11を示す。 [実施例8] アイブローライナーペンシル(配合成分) (重量%)(1)トリベヘン酸グリセリル 5.00(2)ベヘン酸 12.00 (3)硬化ヒマシ油 7.00(4)硬化油 3.00(5)ポリエチレンワックス 2.00(6)セスキオレイン酸ソルビタン 1.00(7)天然ビタミンE 0.04(8)リンゴ酸ジイソステアリル 7.96(9)タルク 4.97(10)マイカ 4.00(11)ベンガラ 0.01(12)黄酸化鉄 0.01(12)黒酸化鉄 53.00(13)酸化チタン 0.01 (製法)必須成分であるベヘン酸およびトリベヘン酸グリセリルと任意オイル・ワックス・粉体成分を加熱溶解後混合し、ローラー処理の後、押出成型を行うことによって製造した。なお、実施例中のトリベヘン酸グリセリルはエステライドG−B(ナショナル美松社製)、ベヘン酸はEDENOR C22−85JP(コグニスジャパン社製)の各市販品を使用した。[実施例9] アイブローライナーペンシル (配合成分) (重量%)(1)トリベヘン酸グリセリル 4.00(2)ベヘン酸 4.00 (3)ステアリン酸 5.00(4)硬化ヒマシ油 7.00(5)硬化油 3.00(6)ポリエチレンワックス 3.00(7)セスキオレイン酸ソルビタン 1.00(8)天然ビタミンE 0.04(9)リンゴ酸ジイソステアリル 10.96(10)タルク 4.97(11)マイカ 4.00(12)ベンガラ 0.01(13)黄酸化鉄 0.01 (14)黒酸化鉄 53.00(15)酸化チタン 0.01 (製法)実施例8と同様の製法でアイブローライナーペンシルを製造した。[実施例10] リップライナーペンシル (配合成分) (重量%)(1)トリベヘン酸グリセリル 10.00(2)ベヘン酸 10.00 (3)硬化ヒマシ油 5.00(4)ショ糖脂肪酸エステル 5.00(5)硬化油 10.00(6)吸着精製ラノリン 6.00(7)天然ビタミンE 0.04(8)ステアリン酸オクチル 12.76(9)マイカ 17.60(10)ベンガラ 9.60(11)黄酸化鉄 6.00(12)黒酸化鉄 1.80 (13)酸化チタン 6.00 (14)赤色202号 0.20 (製法)実施例9と同様の製法でリップライナーペンシルを製造した。[実施例11] アイライナーペンシル (配合成分) (重量%)(1)トリベヘン酸グリセリル 12.00(2)ベヘン酸 10.00 (3)硬化ヒマシ油 5.00(4)ショ糖脂肪酸エステル 5.00(5)硬化油 10.00(6)吸着精製ラノリン 6.00(7)2-エチルヘキサン酸セチル 10.86(8)天然ビタミンE 0.04(9)タルク 1.00(10)マイカ 8.20(11)ベンガラ 1.00(12)黄酸化鉄 6.20(13)黒酸化鉄 7.20 (14)青色1号A1レーキ 1.70 (15)黄酸化鉄被覆雲母チタン 15. 00 (16)酸化チタン 0.80 (製法)実施例10と同様の製法でアイライナーペンシルを製造した。以上の実施例8、9、10、11のいずれも発粉が起こらず、且つ、成型性、使用性にも優れた棒状化粧料であった。本願発明は、発粉が起こらず、且つ、成型性、使用性にも優れた棒状化粧料を提供する。次の(A)および(B)を含有することを特徴とする棒状化粧料。(A)べヘン酸(B)トリベヘン酸グリセリル(A)ベヘン酸および(B)トリベヘン酸グリセリルを化粧料全量のうちそれぞれ1重量%〜20重量%配合することを特徴とする棒状化粧料。更に、(C)液状油を化粧料全量のうち1重量%〜20重量%配合する請求項1または請求項2記載の棒状化粧料。 (C)液状油のIOB値が、0.1〜1.0である請求項3記載の棒状化粧料。


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