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タイトル:公開特許公報(A)_カナマイシン耐性を有してL−リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL−リジンを生産する方法
出願番号:2006319405
年次:2007
IPC分類:C12N 1/20,C12P 13/08,C12R 1/15


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パク ヤン フーン リン サン ジョ ムーン ジュン オク サン ジン サック JP 2007151550 公開特許公報(A) 20070621 2006319405 20061128 カナマイシン耐性を有してL−リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL−リジンを生産する方法 シージェイ コーポレーション 504309863 清水 初志 100102978 新見 浩一 100128048 パク ヤン フーン リン サン ジョ ムーン ジュン オク サン ジン サック KR 10-2005-0115905 20051130 C12N 1/20 20060101AFI20070525BHJP C12P 13/08 20060101ALI20070525BHJP C12R 1/15 20060101ALN20070525BHJP JPC12N1/20 AC12P13/08 AC12N1/20 AC12P13/08 AC12R1:15C12R1:15 4 OL 8 4B064 4B065 4B064AE25 4B064CA02 4B064CD22 4B064CE11 4B064DA01 4B064DA10 4B065AA24X 4B065AC10 4B065AC14 4B065BA18 4B065BA23 4B065BB26 4B065BD14 4B065CA17 4B065CA41 4B065CA44 本発明は、カナマイシン耐性を有してL-リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL-リジンを生産する方法に関する。 コリネ型細菌は、コリネバクテリウム(Corynebacterium)およびブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する微生物である。 L-リジンは、必須アミノ酸の一種であり、飼料、医薬品および食品などの分野に使われており、特に飼料用として使われるL-リジンは、2004年に約80万トンほどと推定され、今後も年平均約10%の持続的な需要増大が予想されている。L-リジンは、主に大腸菌やコリネ型細菌など、微生物を利用した直接発酵法により生産されているために、収率などの向上した生産菌株の開発、または発酵工程の改善によるL-リジンの生産性向上は、大きな経済的効果をもたらす。 L-リジンの製造方法には、コリネ型細菌において、各種栄養要求性菌株、各種薬剤耐性菌株、各種薬剤敏感性菌株、および各種抗生物質耐性菌株を利用する方法が知られている。それらの方法のうち、抗生物質耐性関連菌株としては、リファンピシンおよびストレプトマイシン以外の多数の抗生物質関連耐性(特許文献1参照)菌株などを利用する方法が知られている。 しかし、アミノグリコシド系抗生物質の一種であるカナマイシンに対する耐性を有するL-リジン生産菌株は、まだ報告されていない。 本発明者は、コリネ型細菌を利用して直接発酵法でL-リジンを生産することにおいて、生産コストを下げて収率を上げるために、L-リジンの製造方法について広範囲な研究を行い、その結果、コリネ型細菌にカナマイシンに対する耐性を付与することにより、L-リジン生産性を向上させることができるという事実を発見して本発明を完成した。米国特許4,623,623号明細書 本発明の目的は、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物を提供することである。 本発明の他の目的は、前記微生物を利用してL-リジンを高い生産性で生産する方法を提供することである。 前記課題を解決するために、本発明は、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物を提供する。 前記課題を解決するために、本発明は、前記微生物を培養する段階、および培養物中のL-リジンを回収する段階を含むL-リジンの生産方法を提供する。 本発明(1)は、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物である。 本発明(2)は、微生物は、S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性を有するコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881の変異株であり、カナマイシンに対する耐性を有する変異株であることを特徴とする、本発明(1)の微生物である。 本発明(3)は、コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103(受託番号KCCM-10707P)であることを特徴とする、本発明(2)の微生物である。 本発明(4)は、本発明(1)〜(3)のいずれか一発明の微生物を培養する段階、および培養物中のL-リジンを回収する段階を含む、L-リジンの生産方法である。 本発明の微生物は、向上したL-リジン生産能を有する。 本発明の方法によれば、L-リジンを高い生産性で生産できる。 本発明は、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物を提供する。 本発明において、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有しているものであるならば、任意のコリネ型微生物が含まれる。前記コリネバクテリウム属微生物は、例えば、それぞれカナマイシン耐性の付与された、コリネバクテリウム・グルタミクムATCC13032、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスFERM BP-1539、コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881およびコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC11001であり得るが、それらの例に限定されるものではない。 本発明の一具体例は、S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性を有するコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881の変異株であり、カナマイシンに対する耐性を有する変異株である。本具体例で、望ましくは、前記変異株は、コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103(受託番号KCCM-10707P)菌株である。 本発明の微生物は、従来公知の任意の突然変異誘発法により、L-リジン生産能を有したコリネ型微生物に突然変異を誘発し、カナマイシンの存在下で培養することによって得ることができる。前記突然変異誘発は、前記微生物を変異誘発剤、例えば、放射線または変異誘発化合物に曝露させて行うことができる。また、位置指向性突然変異誘発法(site directed mutagenesis)が使われ得るが、これらの例に限定されるものではない。 本発明の一具体例であるコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103(受託番号KCCM-10707P)菌株は、化学的変異誘発剤であるN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを使用してL-リジン生産能のあるコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881を母菌株として、前記母菌株にカナマイシン耐性を付与して製造され得る。 具体的に、カナマイシン耐性を有する変異株は、前記母菌株を突然変異誘発源であるN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを107-108/mlの母菌株に対し、30℃で最終濃度500μg/mlで30分間処理し、カナマイシンを5mg/lの濃度に含有した最小寒天平板培地で成長する菌株を分離して得ることができる。さらに、本発明の変異株は、得られたカナマイシン耐性を有する変異株を培養し、菌株間のL-リジン生産能を比較し、向上したL-リジン生産能を有する菌株を選別することによって得ることができる。 前記の母菌株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881、およびそれから誘導されたカナマイシン耐性変異株は、下記の特性を有する。 母菌株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881:S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性。 変異株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103:S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性ならびにカナマイシンに対する耐性。 本発明において、カナマイシンは、アミノグリコシド系抗生物質の一種であり、蛋白質生合成に関与するリボソームと結合して蛋白質合成を妨害し、抗生能を有する。 以上のような本発明の菌株は、カナマイシンに対する耐性を付与することにより、L-リジン生産能の向上した菌株である。母菌株にカナマイシン耐性を付与する過程で、メナキノン生合成に関連する遺伝子が不活性化され、その結果、電子伝達系の活性が低下した菌株が得られると見られる。電子伝達系の活性が低下した結果、酸素要求性も共に低下し、それによってL-アミノ酸の生産収率が向上すると見られる。しかし、本発明がかかる特定のメカニズムに限定されるものではない。 本発明はまた、本発明による微生物を培養する段階、および培養物中のL-リジンを回収する段階を含むL-リジンの生産方法を提供する。 本発明の方法において、コリネバクテリウム属微生物の培養は、当業界に公知の任意の培養条件および培養方法が使われ得る。コリネバクテリウム菌株培養のために使われ得る培地としては、例えば、Manual of Methods for General Bacteriology by the American Society for Bacteriology(Washington D.C., USA, 1981)に開示された培地が使われ得る。培地中で使われ得る糖源としては、ブドウ糖、サッカロース、乳糖、果糖、麦芽糖、澱粉、セルロースのような糖および炭水化物、大豆油、ひまわり油、ひまし油、ココナッツ油のようなオイルおよび脂肪、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸のような脂肪酸、グリセロール、エタノールのようなアルコール、酢酸のような有機酸が含まれる。これらの物質は、個別にまたは混合物として使われ得る。使われ得る窒素源としては、ペプトン、酵母抽出物、肉汁、麦芽抽出物、とうもろこし浸漬液、大豆ミール、および尿素または無機化合物、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムが含まれる。窒素源もまた個別にまたは混合物として使用され得る。使われ得るリン源としては、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二カリウム、または相応するナトリウムを含有する塩が含まれる。また、培養培地は、成長に必要な硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄のような金属塩を含有していなければならない。最後に、前記物質に加え、アミノ酸およびビタミンのような必須成長物質が使われ得る。また、培養培地に適切な前駆体が使われ得る。前記の原料は、培養過程で培養物に適切な方式により、回分式または連続式で添加され得る。 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのような塩基化合物、またはリン酸または硫酸のような酸化合物を適切な方式で使用し、培養物のpHを調節できる。また、脂肪酸ポリグリコールエステルのような消泡剤を使用して気泡生成を抑制できる。好気状態を維持するために、培養物内に酸素または酸素-含有気体(例、空気)を注入する。培養物の温度は、通常20℃ないし45℃、望ましくは、25℃ないし40℃である。培養時間は、所望のL-アミノ酸の生成量が得られるまで続けることができるが、望ましくは、10ないし160時間である。 本発明の方法において、培養は、バッチ工程、注入バッチおよび反復注入バッチの工程のような連続式または灰分式でなされ得る。かかる培養方法は、当業界に公知であり、任意の方法が使われ得る。 L-アミノ酸は、培養液を硫酸または塩酸により処理した後、陰イオン交換クロマトグラフィ、濃縮、塩析、等電点沈殿のような工程を併用して培養物から回収され得る。 以下、本発明を実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がそれらの実施例に限定されるものではない。実施例1:カナマイシン耐性コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881の変異株の製作 本実施例では、コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881を母菌株として、化学的変異誘発剤であるN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを使用し、カナマイシン耐性を有し、L-リジン生産能の向上したコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881の変異株を選抜した。 まず、107-108/mlの母菌株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881に突然変異誘発源であるN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを30℃で、最終濃度500μg/mlで30分間処理した。次に、変異処理された微生物を、カナマイシンを5mg/lの濃度に含有した最小寒天平板培地で培養し、成長する菌株を分離した。また、分離された変異株を培養し、L-リジン生産量を測定し、分離された変異株のうち、L-リジン生産能力の最も高い菌株を選別した。 このように得られたカナマイシン耐性変異株をコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103と命名し、2005年11月16日付けで韓国微生物保存センター(KCCM)に寄託し、受託番号第KCCM-10707P号を付与された。 本実施例で得られた変異株と母菌株は、下記のような特性を有する。 母菌株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881:S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性。 変異株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103:S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性ならびにカナマイシンに対する耐性。 次に、選抜されたカナマイシン耐性変異菌株であるKFCC10881-CJP5103と母菌株とのカナマイシンに対する耐性を試験した。まず、ルリアベルターニ(LB)液体培地で、前記微生物を16時間成長させた後、細胞を滅菌生理食塩水で2回洗浄した後で適当に希釈し、5mg/lカナマイシンを含有する最小寒天平板培地で4日間培養した後、各菌株の成長度を測定した。前記最小寒天平板培地の組成は、次の通りである:ブドウ糖10g、(NH4)2SO4 2g、尿素2g、KH2PO4 1.0g、K2HPO4 3.0g、MgSO4・7H2O 0.5g、FeSO4・7H2O 10mg、MnSO4・7H2O 10mg、ビオチン100μg、チアミン・HCl 100μg、CaCl2・2H2O 100μg、Na2B4O7・10H2O 80μg、(NH4)6MoO27・4H2O 40μg、ZnSO4・7H2O 10μg、CuSO4・7H2O 300μg、MnCl2・4H2O 10μg、FeCl3・6H2O 1mg、寒天20g、必要時にL-ロイシン0.1g、必要時にL-スレオニン0.1g、必要時にL-メチオニン0.1g、蒸溜水1リットル当たり(pH7.0)。変異株と母菌株とのカナマイシン含有培地での成長度の測定結果は、表1に表した。+++:十分な成長-:成長なし実施例2:コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103のL-リジン生産性の確認 下記のシード培地25mlを含有する250mlのコーナーバッフルフラスコにコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881およびKFCC10881-CJP5103を接種し、30℃で20時間220rmpで撹拌しつつ培養した。次に、得られた培養液1mlを下記の生産培地25mlを含有する250mlコーナーバッフルフラスコに接種し、32℃で96時間220rpmで撹拌しつつ培養した。 培養終了後、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によりL-リジンの生産量を測定した。コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881およびKFCC10881-CJP5103の培養物中のL-リジンの量は、塩酸塩で表し、それぞれ44.5g/lおよび48.1g/lであった。シード培地(pH7.0): 原糖20g、ペプトン10g、酵母抽出物5g、尿素1.5g、KH2PO4 4g、K2HPO4 8g、MgSO47H2O 0.5g、ビオチン100μg、チアミンHCl 1000μg、カルシウム-パントテン酸2,000μg、ニコチンアミド2,000μg(工程水1リットル基準)生産培地(pH7.0): 原糖100g、(NH4)2SO4 40g、大豆蛋白質2.5g、とうもろこし浸漬固体(Corn Steep Solids)5g、尿素3g、KH2PO4 1g、MgSO47H2O 0.5g、ビオチン100μg、チアミン塩酸塩1,000μg、カルシウム-パントテン酸2,000μg、ニコチンアミド3,000μg、CaCO3 30g、(工程水1リットル基準)実施例3:コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103の培養液からのL-リジンの分離 糖蜜および原糖の含有培地に菌株KFCC10881-CJP5103を利用して得たリジン発酵液1Lに、塩酸を使用してpHを2.0に調節し、Ca2+イオンをCaSO4、CaCl2形態とした。次に、前記培養物をアンモニウムイオン形態に再生された陽イオン交換樹脂(Diaion SK-L10)に上流側から流して吸着させた。次に、脱塩水で洗浄して樹脂層内に残存する菌体などを除去した後、2N水酸化アンモニウムで溶離を行い、リジン高濃度部分を回収した。回収された液を濃縮した後、塩酸でpH5.0に調節しつつ、20℃で冷却結晶化した。結晶化の完了したスラリを遠心分離し、一次ウェット製品を得て、母液は再度回分式で濃縮しつつ結晶化した後、二次ウェット製品を得た。一次および二次のウェット製品をいずれも加えて乾燥した結果、含有量98.5%のリジンドライ製品44gを得ることができた。実施例4:コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103の培養液からのL-リジンの分離 前処理糖蜜および原糖の含有培地に菌株KFCC10881-CJP5103を利用して得たリジン発酵液1Lに、硫酸を使用してpHを2.0に調整した後、アンモニウム形態に再生された陽イオン交換樹脂(Diaion SK-L10)に上流方向から吸着させた。次に、脱塩水で洗浄して樹脂層内に残存する菌体などを除去した後、2N水酸化アンモニウムで溶離を行い、リジン高濃度部分を回収した。回収された液は濃縮し、塩酸でpH5.0に調節しつつ20℃で冷却結晶化した。結晶化の完了したスラリを遠心分離して一次ウェット製品を得て、母液は再度回分式で濃縮しつつ結晶化した後、二次ウェット製品を得た。一次および二次のウェット製品をいずれも加えて乾燥した結果、含有量99%のリジンドライ製品45gを得ることができた。 本発明のカナマイシン耐性を有してL-リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL-リジンを生産する方法は、例えば、飼料関連の技術分野に効果的に適用可能である。 L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物。 微生物は、S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性を有するコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881の変異株であり、カナマイシンに対する耐性を有する変異株であることを特徴とする、請求項1記載の微生物。 コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103(受託番号KCCM-10707P)であることを特徴とする、請求項2記載の微生物。 請求項1〜3のいずれか一項記載の微生物を培養する段階、および培養物中のL-リジンを回収する段階を含む、L-リジンの生産方法。 【課題】カナマイシン耐性を有してL-リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL-リジンを生産する方法を提供する。【解決手段】L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物、およびそれを利用してL-リジンを生産する方法である。【選択図】なし


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特許公報(B2)_カナマイシン耐性を有してL−リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL−リジンを生産する方法

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タイトル:特許公報(B2)_カナマイシン耐性を有してL−リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL−リジンを生産する方法
出願番号:2006319405
年次:2010
IPC分類:C12N 1/20,C12P 13/08,C12R 1/15


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パク ヤン フーン リン サン ジョ ムーン ジュン オク サン ジン サック JP 4568713 特許公報(B2) 20100813 2006319405 20061128 カナマイシン耐性を有してL−リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL−リジンを生産する方法 シージェイ チェイルジェダン コーポレーション 508013124 清水 初志 100102978 刑部 俊 100119507 新見 浩一 100128048 小林 智彦 100129506 渡邉 伸一 100130845 井上 隆一 100142929 大関 雅人 100114340 パク ヤン フーン リン サン ジョ ムーン ジュン オク サン ジン サック KR 10-2005-0115905 20051130 20101027 C12N 1/20 20060101AFI20101007BHJP C12P 13/08 20060101ALI20101007BHJP C12R 1/15 20060101ALN20101007BHJP JPC12N1/20 AC12P13/08 AC12N1/20 AC12R1:15C12P13/08 AC12R1:15 C12N 1/00, 15/00 C12P 13/00 BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) 特開2001−161386(JP,A) 特表2004−516843(JP,A) 2 KCCM KCCM-10707P 2007151550 20070621 7 20061128 長井 啓子 本発明は、カナマイシン耐性を有してL-リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL-リジンを生産する方法に関する。 コリネ型細菌は、コリネバクテリウム(Corynebacterium)およびブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する微生物である。 L-リジンは、必須アミノ酸の一種であり、飼料、医薬品および食品などの分野に使われており、特に飼料用として使われるL-リジンは、2004年に約80万トンほどと推定され、今後も年平均約10%の持続的な需要増大が予想されている。L-リジンは、主に大腸菌やコリネ型細菌など、微生物を利用した直接発酵法により生産されているために、収率などの向上した生産菌株の開発、または発酵工程の改善によるL-リジンの生産性向上は、大きな経済的効果をもたらす。 L-リジンの製造方法には、コリネ型細菌において、各種栄養要求性菌株、各種薬剤耐性菌株、各種薬剤敏感性菌株、および各種抗生物質耐性菌株を利用する方法が知られている。それらの方法のうち、抗生物質耐性関連菌株としては、リファンピシンおよびストレプトマイシン以外の多数の抗生物質関連耐性(特許文献1参照)菌株などを利用する方法が知られている。 しかし、アミノグリコシド系抗生物質の一種であるカナマイシンに対する耐性を有するL-リジン生産菌株は、まだ報告されていない。 本発明者は、コリネ型細菌を利用して直接発酵法でL-リジンを生産することにおいて、生産コストを下げて収率を上げるために、L-リジンの製造方法について広範囲な研究を行い、その結果、コリネ型細菌にカナマイシンに対する耐性を付与することにより、L-リジン生産性を向上させることができるという事実を発見して本発明を完成した。米国特許4,623,623号明細書 本発明の目的は、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物を提供することである。 本発明の他の目的は、前記微生物を利用してL-リジンを高い生産性で生産する方法を提供することである。 前記課題を解決するために、本発明は、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物を提供する。 前記課題を解決するために、本発明は、前記微生物を培養する段階、および培養物中のL-リジンを回収する段階を含むL-リジンの生産方法を提供する。 本発明(1)は、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物である。 本発明(2)は、微生物は、S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性を有するコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881の変異株であり、カナマイシンに対する耐性を有する変異株であることを特徴とする、本発明(1)の微生物である。 本発明(3)は、コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103(受託番号KCCM-10707P)であることを特徴とする、本発明(2)の微生物である。 本発明(4)は、本発明(1)〜(3)のいずれか一発明の微生物を培養する段階、および培養物中のL-リジンを回収する段階を含む、L-リジンの生産方法である。 本発明の微生物は、向上したL-リジン生産能を有する。 本発明の方法によれば、L-リジンを高い生産性で生産できる。 本発明は、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネ型微生物を提供する。 本発明において、L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有しているものであるならば、任意のコリネ型微生物が含まれる。前記コリネバクテリウム属微生物は、例えば、それぞれカナマイシン耐性の付与された、コリネバクテリウム・グルタミクムATCC13032、コリネバクテリウム・サーモアミノゲネスFERM BP-1539、コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881およびコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC11001であり得るが、それらの例に限定されるものではない。 本発明の一具体例は、S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性を有するコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881の変異株であり、カナマイシンに対する耐性を有する変異株である。本具体例で、望ましくは、前記変異株は、コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103(受託番号KCCM-10707P)菌株である。 本発明の微生物は、従来公知の任意の突然変異誘発法により、L-リジン生産能を有したコリネ型微生物に突然変異を誘発し、カナマイシンの存在下で培養することによって得ることができる。前記突然変異誘発は、前記微生物を変異誘発剤、例えば、放射線または変異誘発化合物に曝露させて行うことができる。また、位置指向性突然変異誘発法(site directed mutagenesis)が使われ得るが、これらの例に限定されるものではない。 本発明の一具体例であるコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103(受託番号KCCM-10707P)菌株は、化学的変異誘発剤であるN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを使用してL-リジン生産能のあるコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881を母菌株として、前記母菌株にカナマイシン耐性を付与して製造され得る。 具体的に、カナマイシン耐性を有する変異株は、前記母菌株を突然変異誘発源であるN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを107-108/mlの母菌株に対し、30℃で最終濃度500μg/mlで30分間処理し、カナマイシンを5mg/lの濃度に含有した最小寒天平板培地で成長する菌株を分離して得ることができる。さらに、本発明の変異株は、得られたカナマイシン耐性を有する変異株を培養し、菌株間のL-リジン生産能を比較し、向上したL-リジン生産能を有する菌株を選別することによって得ることができる。 前記の母菌株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881、およびそれから誘導されたカナマイシン耐性変異株は、下記の特性を有する。 母菌株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881:S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性。 変異株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103:S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性ならびにカナマイシンに対する耐性。 本発明において、カナマイシンは、アミノグリコシド系抗生物質の一種であり、蛋白質生合成に関与するリボソームと結合して蛋白質合成を妨害し、抗生能を有する。 以上のような本発明の菌株は、カナマイシンに対する耐性を付与することにより、L-リジン生産能の向上した菌株である。母菌株にカナマイシン耐性を付与する過程で、メナキノン生合成に関連する遺伝子が不活性化され、その結果、電子伝達系の活性が低下した菌株が得られると見られる。電子伝達系の活性が低下した結果、酸素要求性も共に低下し、それによってL-アミノ酸の生産収率が向上すると見られる。しかし、本発明がかかる特定のメカニズムに限定されるものではない。 本発明はまた、本発明による微生物を培養する段階、および培養物中のL-リジンを回収する段階を含むL-リジンの生産方法を提供する。 本発明の方法において、コリネバクテリウム属微生物の培養は、当業界に公知の任意の培養条件および培養方法が使われ得る。コリネバクテリウム菌株培養のために使われ得る培地としては、例えば、Manual of Methods for General Bacteriology by the American Society for Bacteriology(Washington D.C., USA, 1981)に開示された培地が使われ得る。培地中で使われ得る糖源としては、ブドウ糖、サッカロース、乳糖、果糖、麦芽糖、澱粉、セルロースのような糖および炭水化物、大豆油、ひまわり油、ひまし油、ココナッツ油のようなオイルおよび脂肪、パルミチン酸、ステアリン酸、リノレン酸のような脂肪酸、グリセロール、エタノールのようなアルコール、酢酸のような有機酸が含まれる。これらの物質は、個別にまたは混合物として使われ得る。使われ得る窒素源としては、ペプトン、酵母抽出物、肉汁、麦芽抽出物、とうもろこし浸漬液、大豆ミール、および尿素または無機化合物、例えば、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムが含まれる。窒素源もまた個別にまたは混合物として使用され得る。使われ得るリン源としては、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二カリウム、または相応するナトリウムを含有する塩が含まれる。また、培養培地は、成長に必要な硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄のような金属塩を含有していなければならない。最後に、前記物質に加え、アミノ酸およびビタミンのような必須成長物質が使われ得る。また、培養培地に適切な前駆体が使われ得る。前記の原料は、培養過程で培養物に適切な方式により、回分式または連続式で添加され得る。 水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのような塩基化合物、またはリン酸または硫酸のような酸化合物を適切な方式で使用し、培養物のpHを調節できる。また、脂肪酸ポリグリコールエステルのような消泡剤を使用して気泡生成を抑制できる。好気状態を維持するために、培養物内に酸素または酸素-含有気体(例、空気)を注入する。培養物の温度は、通常20℃ないし45℃、望ましくは、25℃ないし40℃である。培養時間は、所望のL-アミノ酸の生成量が得られるまで続けることができるが、望ましくは、10ないし160時間である。 本発明の方法において、培養は、バッチ工程、注入バッチおよび反復注入バッチの工程のような連続式または灰分式でなされ得る。かかる培養方法は、当業界に公知であり、任意の方法が使われ得る。 L-アミノ酸は、培養液を硫酸または塩酸により処理した後、陰イオン交換クロマトグラフィ、濃縮、塩析、等電点沈殿のような工程を併用して培養物から回収され得る。 以下、本発明を実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それらの実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がそれらの実施例に限定されるものではない。実施例1:カナマイシン耐性コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881の変異株の製作 本実施例では、コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881を母菌株として、化学的変異誘発剤であるN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを使用し、カナマイシン耐性を有し、L-リジン生産能の向上したコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881の変異株を選抜した。 まず、107-108/mlの母菌株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881に突然変異誘発源であるN-メチル-N'-ニトロ-N-ニトロソグアニジンを30℃で、最終濃度500μg/mlで30分間処理した。次に、変異処理された微生物を、カナマイシンを5mg/lの濃度に含有した最小寒天平板培地で培養し、成長する菌株を分離した。また、分離された変異株を培養し、L-リジン生産量を測定し、分離された変異株のうち、L-リジン生産能力の最も高い菌株を選別した。 このように得られたカナマイシン耐性変異株をコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103と命名し、2005年11月16日付けで韓国微生物保存センター(KCCM)に寄託し、受託番号第KCCM-10707P号を付与された。 本実施例で得られた変異株と母菌株は、下記のような特性を有する。 母菌株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881:S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性。 変異株コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103:S-(2-アミノエチル)システイン-耐性、α-アミノ-β-ヒドロキシル吉草酸-耐性、メチルリジン-耐性、アジ化ナトリウム-耐性、ホモセリン流出性、およびロイシン要求性ならびにカナマイシンに対する耐性。 次に、選抜されたカナマイシン耐性変異菌株であるKFCC10881-CJP5103と母菌株とのカナマイシンに対する耐性を試験した。まず、ルリアベルターニ(LB)液体培地で、前記微生物を16時間成長させた後、細胞を滅菌生理食塩水で2回洗浄した後で適当に希釈し、5mg/lカナマイシンを含有する最小寒天平板培地で4日間培養した後、各菌株の成長度を測定した。前記最小寒天平板培地の組成は、次の通りである:ブドウ糖10g、(NH4)2SO4 2g、尿素2g、KH2PO4 1.0g、K2HPO4 3.0g、MgSO4・7H2O 0.5g、FeSO4・7H2O 10mg、MnSO4・7H2O 10mg、ビオチン100μg、チアミン・HCl 100μg、CaCl2・2H2O 100μg、Na2B4O7・10H2O 80μg、(NH4)6MoO27・4H2O 40μg、ZnSO4・7H2O 10μg、CuSO4・7H2O 300μg、MnCl2・4H2O 10μg、FeCl3・6H2O 1mg、寒天20g、必要時にL-ロイシン0.1g、必要時にL-スレオニン0.1g、必要時にL-メチオニン0.1g、蒸溜水1リットル当たり(pH7.0)。変異株と母菌株とのカナマイシン含有培地での成長度の測定結果は、表1に表した。+++:十分な成長-:成長なし実施例2:コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103のL-リジン生産性の確認 下記のシード培地25mlを含有する250mlのコーナーバッフルフラスコにコリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881およびKFCC10881-CJP5103を接種し、30℃で20時間220rmpで撹拌しつつ培養した。次に、得られた培養液1mlを下記の生産培地25mlを含有する250mlコーナーバッフルフラスコに接種し、32℃で96時間220rpmで撹拌しつつ培養した。 培養終了後、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)によりL-リジンの生産量を測定した。コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881およびKFCC10881-CJP5103の培養物中のL-リジンの量は、塩酸塩で表し、それぞれ44.5g/lおよび48.1g/lであった。シード培地(pH7.0): 原糖20g、ペプトン10g、酵母抽出物5g、尿素1.5g、KH2PO4 4g、K2HPO4 8g、MgSO47H2O 0.5g、ビオチン100μg、チアミンHCl 1000μg、カルシウム-パントテン酸2,000μg、ニコチンアミド2,000μg(工程水1リットル基準)生産培地(pH7.0): 原糖100g、(NH4)2SO4 40g、大豆蛋白質2.5g、とうもろこし浸漬固体(Corn Steep Solids)5g、尿素3g、KH2PO4 1g、MgSO47H2O 0.5g、ビオチン100μg、チアミン塩酸塩1,000μg、カルシウム-パントテン酸2,000μg、ニコチンアミド3,000μg、CaCO3 30g、(工程水1リットル基準)実施例3:コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103の培養液からのL-リジンの分離 糖蜜および原糖の含有培地に菌株KFCC10881-CJP5103を利用して得たリジン発酵液1Lに、塩酸を使用してpHを2.0に調節し、Ca2+イオンをCaSO4、CaCl2形態とした。次に、前記培養物をアンモニウムイオン形態に再生された陽イオン交換樹脂(Diaion SK-L10)に上流側から流して吸着させた。次に、脱塩水で洗浄して樹脂層内に残存する菌体などを除去した後、2N水酸化アンモニウムで溶離を行い、リジン高濃度部分を回収した。回収された液を濃縮した後、塩酸でpH5.0に調節しつつ、20℃で冷却結晶化した。結晶化の完了したスラリを遠心分離し、一次ウェット製品を得て、母液は再度回分式で濃縮しつつ結晶化した後、二次ウェット製品を得た。一次および二次のウェット製品をいずれも加えて乾燥した結果、含有量98.5%のリジンドライ製品44gを得ることができた。実施例4:コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103の培養液からのL-リジンの分離 前処理糖蜜および原糖の含有培地に菌株KFCC10881-CJP5103を利用して得たリジン発酵液1Lに、硫酸を使用してpHを2.0に調整した後、アンモニウム形態に再生された陽イオン交換樹脂(Diaion SK-L10)に上流方向から吸着させた。次に、脱塩水で洗浄して樹脂層内に残存する菌体などを除去した後、2N水酸化アンモニウムで溶離を行い、リジン高濃度部分を回収した。回収された液は濃縮し、塩酸でpH5.0に調節しつつ20℃で冷却結晶化した。結晶化の完了したスラリを遠心分離して一次ウェット製品を得て、母液は再度回分式で濃縮しつつ結晶化した後、二次ウェット製品を得た。一次および二次のウェット製品をいずれも加えて乾燥した結果、含有量99%のリジンドライ製品45gを得ることができた。 本発明のカナマイシン耐性を有してL-リジン生産能の向上したコリネ型微生物、およびそれを利用してL-リジンを生産する方法は、例えば、飼料関連の技術分野に効果的に適用可能である。 L-リジン生産能を有しており、カナマイシンに対する耐性を有するコリネバクテリウム属微生物であって、該微生物が、コリネバクテリウム・グルタミクムKFCC10881-CJP5103(受託番号KCCM-10707P)である、前記微生物。 請求項1記載の微生物を培養する段階、および培養物中のL-リジンを回収する段階を含む、L-リジンの生産方法。


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