| タイトル: | 再公表特許(A1)_キノン化合物の製造方法 |
| 出願番号: | 2006318138 |
| 年次: | 2009 |
| IPC分類: | C07C 46/06,C07C 46/08,C07C 50/14 |
富山 忠 雑賀 昭助 JP WO2007032378 20070322 JP2006318138 20060913 キノン化合物の製造方法 エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 506137147 稲葉 良幸 100079108 田中 克郎 100080953 大賀 眞司 100093861 大貫 敏史 100109346 内藤 和彦 100134120 富山 忠 雑賀 昭助 US 60/716950 20050915 JP 2005268750 20050915 C07C 46/06 20060101AFI20090220BHJP C07C 46/08 20060101ALI20090220BHJP C07C 50/14 20060101ALI20090220BHJP JPC07C46/06C07C46/08C07C50/14 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SV,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20090319 2007535501 14 4H006 4H006AA02 4H006BB31 4H006BE30 4H006BR80 本発明は、キノン化合物であるメナテトレノンの製造方法に関する。 メナテトレノンは下式(1)で表される化合物で、該化合物を有効成分としたビタミンK2製剤は、ビタミンK欠乏症の予防、治療に利用されるほか、骨粗鬆症予防剤、治療剤としても利用されている。 メナテトレノンは発酵食品である納豆等にも含まれるが、工業的製造方法としては化学合成によるものが主流である。 メナテトレノンの化学合成による製造方法は、いくつかのものが知られているが、そのうちの一つに前駆体であるハイドロキノン体を酸化し、目的とするキノン体であるメナテトレノンを得る方法が知られている(非特許文献1)。 前記の非特許文献1に開示された方法は酸化銀を用いる方法であるが、同様に二酸化マンガン、過酸化鉛(特許文献2)等の金属酸化物を用いる方法が知られている。 しかしながら、金属酸化物の使用は反応の制御が困難で副反応が生じるおそれがあることと、反応後に環境への悪影響を防止するための処理が必要になる等の不都合があった。 そこで、過酸化水素を用いる方法が開発された(特許文献1)。 しかしながら、過酸化水素は強力な酸化剤であって、大量に取り扱う場合には、安全面に配慮した特別な取り扱いが必要になるという問題点がある。 また、メナテトレノンと構造が類似するユビキノン類の製造方法については、より穏和な酸化剤である分子状酸素を使用する方法が知られている(特許文献3ないし6)。 しかしながら、ユビキノン類の製造方法において分子状酸素を使用する場合には、酸素単独では反応速度が著しく小さく、完全な酸化が望めないことが知られており(特許文献5、6)、かかる課題を克服するためには、塩基(特許文献4)、シリカゲル(特許文献5)、銅または銅イオンおよびアンモニアまたはアンモニウムイオン(特許文献6)等を反応溶液中へ添加することが必須であることが知られていた。このような酸化剤以外の添加剤を用いる方法は、添加剤存在下で副反応を起こすおそれがあり、また、反応後の処理が複雑になることでは前記のキノン体製造方法において金属酸化物を使用する場合と共通の問題がある。 また、メナテトレノンの製造方法として、分子状酸素を使用する具体的な方法は、まったく知られていなかった。Kozlov,E.I.,Meditsinskaya Promyshlennost SSSR (1965),19(4),16-21特開平48−49733特開平49−55650特公昭39−17514特開昭52−72884特開昭54−151932特開昭62−81347 したがって、本発明の目的は、環境へ悪影響を及ぼさず、大量に製造する際にも安全で、かつ操作も容易なメナテトレノンの製造方法を提供することにある。 前記のとおり、従来のメナテトレノンの製造方法には問題があり、本発明者らは、メナテトレノンの前駆体であるハイドロキノン体(2)の酸化方法を鋭意検討したところ、驚くべきことに、分子状酸素によって、添加剤をまったく用いることなく、また、重大な副反応を起こすことなく、十分な反応速度が得られ、酸化反応が完全に進行することを見出した。この点は、酸化剤として分子状酸素単独を使用する場合には、反応速度が著しく小さく、完全な酸化が望めないことが長い間技術常識であったことに照らすと、全く予想外であった。 また、反応溶液へ水を共存させることにより、酸化反応自体には影響を与えないものの、安全性を向上できることも見出した。かかる知見に基づき、環境へ悪影響を及ぼさず、大量に製造する際にも安全で、かつ操作も容易な方法によってメナテトレノンを製造できることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明の第一の態様は、下式(1)で表される化合物の製造方法であって、下式(2)で表される化合物を溶媒に溶解した溶液のみからなる反応溶液を、酸素源で処理することを特徴とする製造方法を提供するものである。 また、本発明の第二の態様は、下式(1)で表される化合物の製造方法であって、i)式(2)で表される化合物を水と混和しない有機溶媒に溶解した溶液、およびii)水または塩化ナトリウム水溶液、のみからなる反応溶液を、酸素源で処理することを特徴とする製造方法を提供するものである。 また、前記第一および第二の態様における酸素源は空気であることが好ましく、酸素源での処理は反応溶液中への酸素源の吹き込みであることが好ましい。 本発明によれば、環境へ悪影響を及ぼさず、大量に製造する際にも安全で、かつ操作も容易な方法によってメナテトレノンを製造することができる。 本発明で使用するメナテトレノンの前駆体であるハイドロキノン体(2)は公知物質であって、いくつかの合成方法が知られているが、例えば、非特許文献1に開示されている下記のルートにより合成できる。 上記のように、メナジオールモノアセテート(4)とオールトランス−ゲラニルリナロール(5)を縮合してクライゼンのアルカリ液で処理することによりハイドロキノン体(2)が合成できる。 メナジオールモノアセテート(4)とオールトランス−ゲラニルリナロール(5)の縮合反応は、非特許文献1にあるように、メナジオールモノアセテート(4)、塩化亜鉛、および三フッ化ホウ素をジオキサン中、50℃に加温し、オールトランス−ゲラニルリナロール(5)のジオキサン溶液を反応混合物に30分間で滴下し、その後30分間50℃に保持することで行うことができる。 この縮合反応に使用する溶媒は、反応を阻害しない溶媒であればジオキサン以外にも使用可能であって、例えば、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、n−ペンタン、n−ヘキサン、N,N−ジメチルホルアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、酢酸メチル、または酢酸エチル等が使用できる。これらは単独でも使用可能であるが、二以上を任意の割合で混合して使用することもできる。 また、上記縮合反応に使用する酸触媒は、上記の塩化亜鉛とBF3・OEt2以外にも使用可能であって、例えば、シュウ酸、硫酸カリウム、過硫酸カリウム、亜鉛(II)トリフラート、または硫酸銅(I)等の金属塩やパラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、スルホフタル酸、ヒドキシベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロベンゼンスルホン酸、ナフチルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、4,4’−ビフェニルジスルホン酸、またはフラビアン酸等のスルホン酸誘導体が使用可能である。 縮合反応で得られたモノアセチル体(3)は、非特許文献1にあるように、クライゼンのアルカリ(KOH35gを水25mLに溶解し、CH3OHで100mLに希釈して調製)を加え、ハイドロサルファイトの3%水溶液とエーテルを加えて、撹拌した後、分液し、ハイドロキノン体(2)のエーテル溶液として得ることができる。クライゼン処理後の抽出溶媒としては、エーテル以外にも使用可能であって、例えば、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、n−ペンタン、n−ヘキサン、N−メチルピロリドン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert−ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。これらは単独でも使用可能であるが、二以上を任意の割合で混合して使用することもできる。 次工程が、本発明製造方法の酸化反応である。本発明では、前工程で得られたハイドロキノン体(2)の抽出液をそのまま使用してもよく、また、減圧留去等で抽出溶媒を除いて溶媒変更してもよい。いずれにせよ、溶媒でハイドロキノン体(2)を溶解した溶液を調製すればよく、後述する水および塩化ナトリウム水溶液を加える場合を除き、他に添加剤を加える必要はない。溶媒としては、ハイドロキノン体(2)を溶解し、酸化反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、n−ペンタン、n−ヘキサン、N,N−ジメチルホルアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、tert−ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。これらは単独でも使用可能であるが、二以上を任意の割合で混合して使用することもでき、含水溶媒として使用することも可能である。 本発明は、溶媒でハイドロキノン体(2)を溶解した溶液のみを用いて実施できることが特徴である。すなわち、酸化反応を進行させて完了させるためには、他に添加剤を加える必要はない。ただし、安全面を考慮して、水または塩化ナトリウム水溶液を加えて2層系で実施することが好ましい。2層系で実施する場合は、水と混和しない有機溶媒、たとえば四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、n−ペンタン、n−ヘキサン、N−メチルピロリドン、ベンゼン、トルエン、キシレン、tert−ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、またはこれらの2以上の混合溶媒を溶媒として使用するのが好ましい。水または塩化ナトリウム水溶液のいずれを使用するかは、使用する溶媒によって適宜選択すればよい。例えば、反応後の分液時に有機層と水層の分離が良好な方を選択できる。 本発明で使用する酸素源とは、反応系中に分子状酸素を導入できるものをいい、例えば、酸素ガス、空気が挙げられる。酸素ガスや空気を酸素源として使用する場合は、本発明を阻害しない別の気体、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等との混合気体として使用してもよい。 反応溶液中の反応基質と、反応系中に導入される分子状酸素とは、酸素源の吹き込みにより効率的に接触させることが好ましい。例えば、反応溶液へ空気を吹き込む場合、ノズルから吹き込んだり、ノズルの先端に多孔状の部材を備えて泡状の空気を吹き込んだり、反応缶内に、リング状パイプで多数の穴を穿っているものを備えて、その多数の穴から空気が適度な大きさの泡となって吹き出るようにしてもよく、その他にも様々な装置的手段が取り得る。 本発明の酸化反応の温度条件は、使用する溶媒や酸素源との接触効率等を踏まえて効率的に反応が進行する温度を適宜選択すればよい。反応を進行させるためには、0℃〜溶媒の沸点までで実施可能であるが、反応時間やエネルギー効率等を考慮すると室温〜60℃が好ましく、さらに20〜50℃が好ましく、特に30〜40℃が好ましい。反応時間は、反応の終了をTLCまたはHPLCでモニターすることで適宜選択可能であり、好ましくは3時間から20時間であって、終夜で15時間程度反応させても副反応で収率が低下することはない。 酸化反応終了後は、常法により後処理および精製することによってメナテトレノンを得る。具体的には、反応溶液を減圧下等で濃縮して粗生成物を得た後、カラムクロマトグラフィーおよび/または再結晶法により精製すればよい。安全面からは反応溶液を水洗してから濃縮することが好ましく、かかる観点からも酸化反応に使用する溶媒は水と混和しない有機溶媒が好ましい。 以下に実施例を挙げて本発明を具体例に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。[実施例1]第1工程(縮合反応) メナジオールモノアセテート(4)28.8gを酢酸エチル67mLとn−ヘキサン67mLとの混合溶媒で溶解し、BF3−Et2O2.4gを添加した。この溶液を攪拌しながらオールトランス−ゲラニルリナロール(5)28.3gを45℃で1時間30分から2時間程度かけて滴下した後、同温で5時間反応させた。反応液を5%塩化ナトリウム水溶液20mLで4回洗浄した。有機層を10%水酸化カリウム水溶液40mLにハイドロサルファイトナトリウム2gを加えた溶液で4回洗浄した。さらに、5%塩化ナトリウム水溶液20mLで有機層を4回洗浄した。有機層を減圧下で濃縮した。第2工程(クライゼンアルカリ処理) 濃縮残渣をトルエン150mLで溶解し、ハイドロサルファイトナトリウム4g、水酸化カリウム23g、水17mL、およびメタノール40mLを加えて、攪拌した。トルエン層を分液で除き、水層をトルエン90mLで洗浄し、水層に酢酸エチル100mL、n−ヘキサン100mL、および水220mLを加えて抽出し、有機層を5%塩化ナトリウム水溶液20mLで2回洗浄した後、分液した。第3工程(酸化反応) 有機層に塩化ナトリウム水溶液(NaCL14gと水80mLから調製)およびn−ヘキサン200mLを加え、空気をバブリングしながら反応混合物を攪拌した。反応終了後、分液し、有機層を水30mLで3回洗浄し、濃縮した。濃縮残渣をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)に付し、目的物を含む画分を濃縮して粗メナテトレノンを油状物として得た。粗メナテトレノンをエタノールで結晶化して粗結晶を得た。さらに、粗結晶をエタノールで再結晶することによりメナテトレノン(1)を得た((5)より収率22%)。[実施例2]第1工程(縮合反応) メナジオールモノアセテート(4)26gをトルエン130mLで溶解し、50℃で撹拌下、オールトランス−ゲラニルリナロール(5)29gをトルエン10mLに溶解した溶液と、BF3−Et2O3.6gをトルエン20mLに溶解した溶液とを同時に30分間で滴下した。その後同温で30分反応させた。反応液を5%塩化ナトリウム水溶液40mLで2回洗浄した。有機層を10%水酸化カリウム水溶液60mLにハイドロサルファイトナトリウム2gを加えた溶液で2回洗浄した。第2工程(クライゼンアルカリ処理) 有機層に、ハイドロサルファイトナトリウム3g、水酸化カリウム23g、水17mL、およびメタノール40mLを加えて、反応混合物を攪拌した。トルエン層を分液で除き、水層をトルエン140mLで洗浄し、水層にトルエン200mL、酢酸30mL、および水220mLを加えて抽出し、有機層を5%塩化ナトリウム水溶液40mLで2回洗浄した後、分液した。第3工程(酸化反応) 有機層に水80mLを加え、空気を吹き込みながら攪拌した。反応終了後、分液し、有機層を水30mLで3回洗浄し、濃縮して粗メナテトレノンを得た。[実施例3]第1工程(縮合反応) メナジオールモノアセテート(4)30.5gとオールトランス−ゲラニルリナロール(5)28.3gをトルエン130mLで溶解し、45℃で撹拌下、BF3−Et2O 2.1gをトルエン20mLに溶解した溶液を30分間で滴下した。その後同温で60分間反応させた。反応液を5%塩化ナトリウム水溶液40mLで洗浄した。有機層を10%水酸化カリウム水溶液60mLにハイドロサルファイトナトリウム2gを加えた溶液で2回洗浄した。第2工程(クライゼンアルカリ処理) 有機層に、ハイドロサルファイトナトリウム4g、水酸化カリウム23g、水17mL、およびメタノール40mLを加えて、反応混合物を攪拌した。トルエン層を分液で除き、水層をトルエン100mLで洗浄し、水層にn−ヘキサン100mL、酢酸エチル100mL、および水220mLを加えて抽出し、有機層を5%塩化ナトリウム水溶液40mLで2回洗浄した後、分液した。第3工程(酸化反応) 有機層に、n−ヘキサン100mLと塩化ナトリウム水溶液(NaCL14gと水80mL)を加え、30〜35℃で空気をバブリングしながら反応混合物を攪拌した。反応終了後、分液し、有機層を5%塩化ナトリウム水溶液40mLで2回洗浄し、濃縮して粗メナテトレノンを得た。[実施例4]第1工程(縮合反応) メナジオールモノアセテート(4)30.5gをトルエン150mLで溶解し、メタンスルホン酸2mLを添加した。この溶液を攪拌しながらオールトランス−ゲラニルリナロール(5)27.7gを49〜51℃で45分間かけて滴下した後、同温で2時間55分間反応させた。反応液を5%塩化ナトリウム水溶液40mLで2回洗浄した。有機層を10%水酸化カリウム水溶液40mLにハイドロサルファイトナトリウム2gを加えた溶液で3回洗浄した。第2工程(クライゼンアルカリ処理) 有機層に、ハイドロサルファイトナトリウム4g、水酸化カリウム23g、水17mL、およびメタノール40mLを加えて、攪拌した。トルエン層を分液で除き、水層をトルエン75mLで洗浄し、水層に酢酸エチル100mL、n−ヘキサン100mL、および水220mLを加えて抽出し、有機層を5%塩化ナトリウム水溶液40mLで2回洗浄した後、分液した。第3工程(酸化反応) 有機層に塩化ナトリウム水溶液(NaCL14gと水80mLから調製)およびn−ヘキサン200mLを加え、25℃〜40℃で空気をバブリングしながら3時間反応混合物を攪拌した。反応終了後、分液し、有機層を水40mLで2回洗浄し、濃縮して粗メナテトレノンを得た。[実施例5]第1工程(縮合反応) 反応缶にメナジオールモノアセテート(4)260.2kgとトルエン1300Lを加え、トルエン100Lに溶解したオールトランス−ゲラニルリナロール(5)290.5kgおよびドデシルベンゼンスルホン酸3.5kgを投入した後、ジャケットに55℃の温水を通液し、内温50℃以上で反応混合物を8時間攪拌した。冷水で冷却後、再び温水50℃で加熱し、内温31.9℃で、水酸化カリウム70kg、ハイドロサルファイト40kgおよび水800Lで調製した水酸化カリウム/ハイドロサルファイト水溶液を412L加え、混合物を20分間攪拌した後、水層を分離し、廃棄した。さらに有機層に残りの水酸化カリウム/ハイドロサルファイト水溶液508Lと水400Lを加えて、混合物を20分間攪拌した後、水層を分離し、廃棄した。第2工程(クライゼンアルカリ処理) ハイドロサルファイト30kgを加え、窒素雰囲気下、60℃の温水で加熱した。内温30℃まで上昇した時点で温水を停止し、水酸化カリウム205kg、水185Lおよびメタノール389Lから調製した溶液を加え、反応混合物を30分間攪拌した後、撹拌を停止し、2時間静置した。有機層を分離後、水層にトルエン1300Lを投入し、混合物を5分間攪拌した後、有機層を分離し、廃棄した。トルエン2000Lと水2200Lとが入っている撹拌槽に、水層を加えて混合物を30分間攪拌した後、氷酢酸300kgを加えて、さらに混合物を30分間攪拌した。水層を分離後、有機層を10%塩化ナトリウム水溶液113Lと水100Lとから調製した塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに、10%塩化ナトリウム水溶液97Lと水100Lとから調製した塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。第3工程(酸化反応) 有機層に水800Lを投入後、60℃の温水をジャケットに通液し、窒素気流下(20Nm3/時間)、内温30℃で空気を20Nm3/時間で反応液に吹き込みながら、反応混合物を15時間撹拌した。水層を分離した後、有機層に水300Lを加え10分間攪拌した後、水層を分離した。水300Lによる水洗をさらに2回行った。トルエンを減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、溶離液を留去して粗メナテトレノン219kgを得た。 粗メナテトレノンに20%アセトン−エタノール2367Lを加えて加熱溶解後、冷却し、11℃で種結晶25g投入後−26.3℃まで冷却した。析出した結晶を濾取し、20%アセトン−エタノール704Lで洗浄後、60℃温水で加熱しながら窒素3.8Nm3/時間を20時間吹き込んで溶媒を除去し、メナテトレノン(1)121.71kgを得た。 下式(1)で表される化合物の製造方法であって、下式(2)で表される化合物を溶媒に溶解した溶液のみからなる反応溶液を、酸素源で処理することを特徴とする製造方法。 下式(1)で表される化合物の製造方法であって、i)式(2)で表される化合物を水と混和しない有機溶媒に溶解した溶液、およびii)水または塩化ナトリウム水溶液、のみからなる反応溶液を、酸素源で処理することを特徴とする製造方法。 酸素源が空気である請求項1または2に記載の製造方法。 下式(1) 【化11】で表される化合物の製造方法であって、下式(2) 【化12】で表される化合物を溶媒に溶解した溶液のみからなる反応溶液を、水または塩化ナトリウム水溶液以外の添加剤を加えることなく、酸素源で処理することを特徴とする環境へ悪影響を及ぼさず、大量に製造する際にも安全で、かつ操作も容易なメナテトレノンの製造方法。