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タイトル:公開特許公報(A)_含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート及び界面活性剤
出願番号:2006298988
年次:2008
IPC分類:C08F 20/36,C07C 271/16,C07C 269/02,C07B 61/00


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笹本 慎 小磯 彰宏 JP 2008115258 公開特許公報(A) 20080522 2006298988 20061102 含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート及び界面活性剤 大日本インキ化学工業株式会社 000002886 河野 通洋 100124970 笹本 慎 小磯 彰宏 C08F 20/36 20060101AFI20080425BHJP C07C 271/16 20060101ALI20080425BHJP C07C 269/02 20060101ALI20080425BHJP C07B 61/00 20060101ALN20080425BHJP JPC08F20/36C07C271/16C07C269/02C07B61/00 300 7 OL 32 4H006 4H039 4J100 4H006AA01 4H006AA02 4H006AA03 4H006AB46 4H006AB76 4H006AC56 4H006BA11 4H006BA32 4H006BB16 4H006BC14 4H039CA99 4H039CE10 4J100AL08P 4J100BA02P 4J100BA28P 4J100BA38P 4J100BA51P 4J100BA58P 4J100BB12P 4J100BB13P 4J100BB18P 4J100CA01 4J100CA04 4J100JA01 4J100JA60 本発明は、新規な含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートとそれを原料として合成される主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成型材料等に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として、好適に用いる事ができるフッ素系界面活性剤に関する。 ポリマー型フッ素系界面活性剤は、コーティング用組成物や成型用組成物等に添加する事で、優れた浸透性、濡れ性、レベリング性、表面機能性等を実現でき、これまでにも各種ポリマー型フッ素系界面活性剤が提案・開発されてきた。 近年、各種材料分野ではより精密に、より微細に加工を行うために、高性能なフッ素系界面活性剤の要求が一段と高まってきている。一般にポリマー型フッ素系界面活性剤は表面張力を低下させるための含フッ素基と、例えば該活性剤を添加剤として使用するコーティング剤や成型材等の各種組成物に対して親和性を有する親媒性基を構成成分としてなる。今後、より細分化された各種材料分野に適したポリマー型フッ素系界面活性剤を提供するためには、親和性基と親媒性基の組成のみならず、含フッ素モノマー自身を設計する必要がある。 一方、近年、フッ素化された炭素数が7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物が、細胞株を用いた試験管内試験において発ガン因子と考えられている細胞間コミュニケーションの阻害を引き起こすこと、かつこの阻害が官能基ではなくフッ素化された炭素鎖の長さにより決まり、長いもの程阻害力が高いことが報告され(例えば、非特許文献1参照。)、フッ素化された炭素数が長いものを含むフッ素系界面活性剤の使用が敬遠されるようになってきた。従って、従来から使用されているフッ素系界面活性剤と同等以上の界面活性効果を有し、パーフルオロアルキル基の炭素数が短いフッ素系界面活性剤が強く求められている。しかし、一般的にパーフルオロアルキル基の炭素数が少ない化合物からなるフッ素系界面活性剤は、十分な界面活性効果が得られていない。Bewd.Uphamら著、「Inhibitation of Gap Junctional Intercellular Communication by Perfluorinated Fatty Acids is Dependent on The Chain Length of The Fluorinated Tail」、ワイリー・インターサイエンス(International Journal of Cancer)発行、1998,vol.78,p.491−495 上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、パーフルオロアルキル基の炭素数が短いポリマー型フッ素系界面活性剤を製造するために必要なパーフルオロアルキル基の炭素数が短く設計の容易な新規含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートと、主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成型材料等に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いる事ができるフッ素系界面活性剤、特には、パーフルオロアルキル基中の炭素数が短いものからなる、前述の性能を有するフッ素系界面活性剤を提供することにある。 本発明者は、鋭意検討した結果、下記の知見を得た。 (I)下記一般式(I)の構造を有する含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは新規である。 (2)前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは、モノマー中のフッ素含量のコントロールが容易であり、また含フッ素基と炭化水素基を同時に導入することが容易である。 (3)前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは、後述する一般式(II)で表される含フッ素アルコールと下記一般式(III)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートとを反応させることで、効率よく製造できる。 (4)前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマーを重合性エチレン性不飽和モノマーの少なくとも1種類として用いて重合したフッ素含有ポリマーは、ポリマー型フッ素系界面活性剤として用いた場合、パーフルオロアルキル基の炭素数が少なくても、塗布性・レベリング性に優れる。 本発明は、このような知見に基づくものである。 即ち本発明は、下記一般式(I)で表される含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを提供する。 (一般式(I)中のR1は炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素原子数1〜20の部分フッ素化アルキル基、パーフルオロアルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20であるパーフルオロアルキル基、または部分フッ素化アルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20である部分フッ素化アルキル基を表し、R2はR1と同一の基、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が1〜10のアラルキル基、フェニル基を表す。また、R3は水素原子又はメチル基を表し、Aは、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−である二価の連結基であり、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)、(b)、または(c)で表される二価の連結基を表す。) (構造式(c)中のR4は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。) また、本発明は、前記一般式(I)で表される含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを重合性エチレン性不飽和モノマー類の必須成分として重合して得られる含フッ素ポリマー界面活性剤をも提供する。 また、本発明は、 下記一般式(II)(式中、R1は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、または主鎖に酸素原子が介入していても良いパーフルオロアルキル基または部分フッ素化アルキル基であり、R2はR1と同一の基、炭素数が1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、アラルキル基またはフェニル基であり、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)、(b)、または(c)で表される二価の連結基を表す。)で表される含フッ素アルコール(構造式(c)中のR4は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)と下記一般式(III)(ここで、R3は水素原子又はメチル基であり、Aは−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−の二価の連結基を表し。)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートとを反応させることを特徴とする含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法をも提供する。 本発明によれば、含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマー中にパーフルオロアルキル鎖の炭素数が6以下の短鎖のパーフルオロアルキル基を2本導入する事により炭素数7以上のパーフルオロアルキル鎖を有するモノマーと同等以上の性能を発揮することができる。またパーフルオロアルキル基の組み合わせによりモノマー中のフッ素含量をコントロールできる。さらにパーフルオロアルキル基と炭化水素基を同時にモノマー中に導入することも容易である。また、炭化水素基の種類やウレタン基由来の水素結合により樹脂や各種溶剤に対し相溶性に優れるフッ素系界面活性剤を得ることができ、高度なレベリング性を発揮することができる。特に薄膜コーティングであるレジスト組成物において、優れた塗布性を発現させることが可能である。 又、本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート及びフッ素系界面活性剤の一部は、エーテル結合で炭素数3のパーフルオロアルキル基が連結された構造を有するものであり、安全性が疑問視されている炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物とは全く異なるものであって、安全性への懸念が低い化合物であることが期待できる。 本発明の一般式(I)で表される含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、一般式(II)で表される含フッ素アルコールと一般式(III)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。 前記一般式(I)で表される単量体としては、例えば、具体的には下記構造式(I−1〜63)で表されるものを挙げることができる。 これらの含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの中でも、下記一般式(I)中の連結基Aがエチレン基(−CH2CH2−)であるもの、例えば、前記構造式(I−1)、(I−2)、(I−6)、(I−7)、(I−8)、(I−12)、(I−13)、(I−14)、(I−18)、(I−19)、(I−20)、(I−27)、(I−28)、(I−29)、(I−33)、(I−34)、(I−35)、(I−39)、(I−40)、(I−42)、(I−45)、(I−47)、(I−48)、(I−49)、(I−150)、(I−51)、(I−52)、(I−56)、(I−57)、(I−58)、(I−60)、(I−61)等の構造を有する化合物が好ましい。 本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法に用いる含フッ素アルコールとしては、前記一般式(II)で表される。(式中、R1は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、または主鎖に酸素原子が介入していても良いパーフルオロアルキル基または部分フッ素化アルキル基であり、R2はR1と同一の基、炭素数が1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、アラルキル基またはフェニル基であり、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)、(b)、または(c)で表される二価の連結基を表す。)(構造式(c)中のR4は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)と下記一般式(III) 前記一般式(II)中のR1Xとして具体的には、CF3CH2O-、C2F5CH2O-、C3F7CH2O-、C4F9CH2O-、C5F11CH2O-、C6F13CH2O-、C4F9CH2CH2O-、C6F13CH2CH2O-、C4F9CH2CH2S-、C6F13CH2CH2S-、CF3SO2N(CH3)-、CF3SO2N(C2H5)-、C2F5SO2N(C3H7)-、C3F7SO2N(C4H9)-、C4H9SO2NCH{(CH3)2}-、 C4H9SO2N(C5H11)-、C4H9SO2N(C6H13)-、C3F7OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2O-、 C3F7OCF(CF3)CH2CH2S-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2S-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2S-を挙げる事が出来る。またR2Yとして具体的には、CF3CH2O-、C2F5CH2O-、C3F7CH2O-、C4F9CH2O-、C5F11CH2O-、C6F13CH2O-、C4F9CH2CH2O-、C6F13CH2CH2O-、C4F9CH2CH2S-、C6F13CH2CH2S-、CF3SO2N(CH3)-、CF3SO2N(C2H5)-、C2F5SO2N(C3H7)-、C3F7SO2N(C4H9)-、C4H9SO2NCH{(CH3)2}-、 C4H9SO2N(C5H11)-、C4H9SO2N(C6H13)-、C3F7OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CH2CH2S-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2S-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2S-、CH3O-、C2H5O-、C3H7O-、C4H9O-、C5H11O-、C6H13O-、C7H15O-、C8H17O-、C9H19O-、C10H21O-、(CH3)2CHO-、CH3CH2CH2CH2CH(C2H5)CH2O-、(CH3)3CCH2O-、C6H5O-、C6H5CH2O-、CH3S-、C2H5S-、C3H7S-、C4H9S-、C5H11S-、C6H13S-、C7H15S-、C8H17S-、C9H19S-、C10H21S-、(CH3)2CHS-、CH3CH2CH2CH2CH(C2H5)CH2S-、(CH3)3CCH2S-、C6H5S-、C6H5CH2S-を挙げられる。前記一般式(II)で表される中間体アルコールは、より具体的には以下の構造式で表すことが出来る。 前記含フッ素アルコールの製造法としては、特に、限定されないが、例えば、特開平1−193236号公報、特開平9−67334号公報及び特開2002−3428号公報等の方法等により製造することができる。 本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法に用いる下記一般式(III)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートは、(式中、R3は水素原子又はメチル基であり、Aは−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−の二価の連結基を表し、Aは−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−の二価の連結基を表す。)で表される化合物である。 これらの例としては、下記構造式(III−1〜8)で表される物を挙げられる。特に、下記構造式III−1とIII−4は昭和電工株式会社よりカレンズAOI及びMOIとして工業的に入手可能である。 前記本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造方法においては、前記一般式(II)であらわされるアルコール誘導体と一般式(III)であらわされる(メタ)アクリロイルイソシアネート類とを反応させる際には、前記式(II)で表されるアルコール1モルに対して、(メタ)アクリロイルイソシアネート(III)を、0.80〜1.20モルになるように仕込むのが好ましく、より好ましくは0.98〜1.00モルとなるように仕込むのがよい。該反応(ウレタン化反応)においては、前記式(II)で表されるアルコール誘導体の2級水酸基と(メタ)アクリロイルイソシアネートの末端イソシアネート基の反応を促進させるために、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート等のジラウリレートを触媒として用いて行うことができる。触媒の添加量は、反応混合物全体に対して0.001〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜1.1重量%である。反応時間は1〜10時間が好ましい。また反応温度は30〜120℃が好ましく、より好ましくは30〜100℃である。 上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(I)の合成方法において、反応はいずれも無溶剤あるいは、イソシアネート基に不活性なアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の溶剤を反応溶剤として用いることができる。 本発明の含フッ素ポリマー界面活性剤は、前記一般式(I)であらわされる含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを重合性エチレン性不飽和モノマー類の必須成分として重合して得られる含フッ素ポリマー界面活性剤であり、後述する前記一般式(I)であらわされる含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート以外の単量体を併用してもよい。また、前記単量体としては、2種以上を混合して用いても良い。 本発明の含フッ素ポリマー界面活性剤は、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体由来の繰り返し単位をそれぞれ1種以上有する共重合体であるポリマーであること好ましい。更に、前記一般式(I)で表される単量体と、その他の単量体として、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)とそれ以外の単量体の3種以上の単量体を共重合させて得られる共重合体が好ましい。特に、得られる界面活性剤をフッ素系界面活性剤として用いた時の親水性、水溶性に優れる点からは、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)として、ポリオキシエチレン鎖及び/又はポリオキシプロピレン鎖を含有するものであることが好ましい。 前記一般式(I)で表される単量体と組み合わされるその他の単量体としては、前述の単量体(I)と共重合可能な単量体であれば良く、特に限定されるものではない。その他の単量体の具体的な例示は、Polymer Handbook 2nd ed., J. Brandrup, WileyInterscience (1975) Chapter 2, Page 1〜483に記載されている。 前記一般式(I)であらわされる含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート以外の単量体としては、得られる共重合体の親水性に優れる点、コーティング組成物中のフッ素系界面活性剤として用いた際の、該組成物中のその他の成分との相溶性に優れる点、得られる塗膜表面の撥水撥油性や防汚性等のフッ素原子由来の性能を発現させるために好適な分子形状を取りやすい点等の観点から、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)を含むことが好ましい。 前記ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)としては、分子中にエチレン性不飽和基とポリオキシアルキレン鎖とを含む化合物であれば特に制限はない。エチレン性不飽和基としては、原料の入手性、各種コーティング組成物中の配合物に対する相溶性、そのような相溶性を制御することの容易性、或いは重合反応性の観点から(メタ)アクリルエステル基及びその類縁基を含有するものが適している。 ポリオキシアルキレン鎖は(OR)xで表されるものを挙げることができ、Rは2〜4の炭素原子を有するアルキレン鎖であり、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2CH2−または−CH(CH3)CH(CH3)−、または−CH(CH2CH3)CH2−〔=エチルエチレン〕であることが好ましい。xは正の整数であり、好ましくは2〜50の整数であり、さらに好ましくは3〜30の整数である。前記のポリオキシアルキレン鎖中のオキシアルキレン単位はポリ(オキシプロピレン)におけるように同一のオキシアルキレン単位のみで構成されてもよく、また、オキシプロピレン単位とオキシエチレン単位とが連結したもののように、異なる2種以上のオキシアルキレン単位が規則的または不規則に連結したものであっても良い。 ポリオキシアルキレン鎖の末端に結合する原子又は基は、水素原子であっても他の任意の基であっても良いが、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、アリル基(好ましくは炭素数1〜20)、アリール基(例えば炭素数6〜10)であることが好ましい。アリール基は、アルキル基(例えば炭素数1〜10)、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。又、ポリオキシアルキレン鎖は1つまたはそれ以上の連鎖結合(例えば−CONH−Ph−NHCO−、−S−など:Phはフェニレン基を表す)で連結されていても良い。更に分岐鎖状のオキシアルキレン単位を供するため、連鎖結合部位に3またはそれ以上の原子価を有することもできる。 ポリオキシアルキレン鎖部分の分子量としては、連鎖結合部を含め250〜3000であることが好ましい。 前記ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)としては、例えば、下記一般式(IV)(化4)〔式中、X’は、酸素原子又は−NR7−(R7は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、または置換基を有してもよい炭素数6〜24のアラルキル基である。)であり、Y’は置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキレン鎖であり、R5は水素原子又はメチル基であり、R6は水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜24のアラルキル基であり、mは2〜100の整数である。〕で表される単量体を挙げることができる。 前記一般式(IV)中の各基における置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12のアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜12のアリール基)、スルホ基、カルボキシル基等が挙げられる。又、前記一般式(IV)中のY’としては、炭素数2〜4の直鎖又は分岐状のアルキレン鎖であることが好ましく、mとしては、2〜50であることが好ましく、特に、3〜30の整数であることが好ましい。 前記ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)の具体例として挙げられる、ポリオキシアルキレンアクリレート、又は、ポリオキシアルキレンメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名”プルロニック”[Pluronic(旭電化工業株式会社製)、アデカポリエーテル(旭電化工業株式会社製)”カルボワックス[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、”トリトン”[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))、P.E.G(第一工業製薬株式会社製)として販売されているものを種々の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリド、無水アクリル酸または無水メタクリル酸等と反応させることによって製造することができ、又、種々の製法で得られるポリオキシアルキレンジアクリレート等を用いることもできる。 市販品の単量体としては、例えば、日本油脂株式会社製の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPE−90、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーAE−90、ブレンマーAE−200、ブレンマーAE−400、ブレンマーPP−1000、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマーAP−150、ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーAP−800、ブレンマー50PEP−300、ブレンマー70PEP−350B、ブレンマーAEPシリーズ、ブレンマー55PET−400、ブレンマー30PET−800、ブレンマー55PET−800、ブレンマーAETシリーズ、ブレンマー30PPT−800、ブレンマー50PPT−800、ブレンマー70PPT−800、ブレンマーAPTシリーズ、ブレンマー10PPB−500B、ブレンマー10APB−500Bなどがあげられる。同様に日本油脂株式会社製のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマーPME−4000、ブレンマーAME−400、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマー50AOEP−800B、ブレンマーPLE−200、ブレンマーALE−200、ブレンマーALE−800、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマーASEPシリーズ、ブレンマーPKEPシリーズ、ブレンマーAKEPシリーズ、ブレンマーANE−300、ブレンマーANE−1300、ブレンマーPNEPシリーズ、ブレンマーPNPEシリーズ、ブレンマー43ANEP−500、ブレンマー70ANEP−550など、また共栄社化学株式会社製ライトエステルMC、ライトエステル130MA、ライトエステル041MA、ライトアクリレートBO−A、ライトアクリレートEC−A、ライトアクリレートMTG−A、ライトアクリレート130A、ライトアクリレートDPM−A、ライトアクリレートP−200A、ライトアクリレートNP−4EA、ライトアクリレートNP−8EAなどがあげられる。これらのポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)としては、1種類だけを用いても構わないし、2種類以上を併用しても良い。 また、前記の前記一般式(I)であらわされる含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート以外の単量体としては、更に、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物等が挙げられ、アクリル酸エステル類としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等、メタクリル酸エステル類としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等、アクリルアミド類としては、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等、メタクリルアミド類としては、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミド等、アリル化合物としては、アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノール等、ビニルエーテル類としては、アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等、ビニルエステル類:ビニルビチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等、イタコン酸ジアルキル類としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等、フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類としては、ジブチルフマレート等、その他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレン等も挙げられる。 前記共重合体を合成する際に、用いる単量体類の使用割合としては、特に限定されるものではないが、得られる化合物(A)の界面活性能と水溶性とのバランスに優れる点から、単量体類100重量部中、前記単量体(I)が5〜90重量部含まれていることが好ましく、特に10〜80重量部含まれていることが好ましく、10〜60重量部含まれていることが最も好ましい。又、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)が10〜95重量部含まれることが好ましく、特に15〜70重量部含まれていることが好ましい。 又、前記共重合体の重量平均分子量としては、3000〜100,000であることが好ましく、4,000〜80,000であることがより好ましい。共重合体としては、ブロック、ランダム、グラフトの何れの共重合体でもよいが、好ましくは、ランダム共重合体である。 なお、前記共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーショングラフによるもので、その測定条件は、実施例に記載されたものである。 前記共重合体の製造方法には何ら制限はなく、種々の方法、即ちラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、更にエマルジョン重合法等により製造できるが、特にラジカル重合法が簡便であり、工業的に好ましい。例えば先にあげた単量体(I)とその他の単量体(x1)の混合物を有機溶媒中、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造できる。用いる単量体の重合性等に応じ、反応容器に単量体類と開始剤とを滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成の共重合体を得るために有効である。 前記重合開始剤としては、種々のものを使用することができ、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ジアシル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物、Mn(acac)3等の金属キレート化合物、リビングラジカル重合を引き起こす遷移金属触媒等が挙げられる。更に必要に応じて、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、エチルチオグリコール酸、オクチルチオグリコール酸等の連鎖移動剤や、更にγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のカップリング基含有チオール化合物を連鎖移動剤等の添加剤を使用することができる。 また光増感剤や光開始剤の存在下での光重合あるいは放射線や熱をエネルギー源とする重合によっても本発明で用いる化合物(A)のランダムもしくはブロック共重合体を得ることができる。 重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいずれでも実施できるが、作業性の点から溶剤存在下の場合の方が好ましい。溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルアミルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセテート等のエーテル類、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びそのエステル類、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、更にパーフルオロオクタン、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類等が挙げられ、単独でも、2種以上を混合して用いても良い。 本発明のフッ素系界面活性剤を塗料用組成物、コーティング用組成物等の組成物に添加して使用する場合には、用途に応じて1種類だけを用いても構わないし、2種類以上を同時に用いても構わない。また、組成物中の配合物との相溶性向上等の目的により、種々の炭化水素系、その他のフッ素系、シリコーン系等の界面活性剤を併用することも可能である。 本発明のフッ素系界面活性剤を用いれば、高速、高剪断力を伴う塗工方法においても、優れたレベリング性を発現させると共に、水溶性を有するため、水溶性塗料などへのコーティング組成物を提供することが可能である。この様なコーティング組成物としては特に制限は無いが、有用なコーティング組成物として、例えば各種塗料用組成物、レジスト組成物等が挙げられる。 従来、塗料用組成物には、コーティング時のレベリング性を向上させるため、各種レベリング剤が使用されており、中でも表面張力低下能が低くレベリング効果の高いフッ素系界面活性剤が好適に用いられている。本発明のフッ素系界面活性剤を塗料用組成物に添加する割合の配合量としては、適用される系、目的とする物性、塗工方法、コスト等により異なるが、塗料用組成物100重量部に対して0.0001〜20重量部用いることが好ましく、より好ましくは0.001〜10重量部、更に好ましくは0.01〜7重量部である。 適用される塗料用組成物としては、特に制限はなく、天然樹脂を使った塗料、例えば石油樹脂塗料、セラック塗料、ロジン系塗料、セルロース系塗料、ゴム系塗料、漆、カシュー樹脂塗料、油性ピヒクル塗料等、また、合成樹脂を使った塗料、例えばフェノール樹脂塗料、アルキッド樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料、アミノ樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコーン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。 これらの塗料は水系、溶剤系、非水分散系、粉体系等の何れの形態でも適用でき、溶剤若しくは分散媒にも特に制限はない。溶剤、分散媒の具体例としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のエーテル類、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、更にパーフルオロメタン、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類が挙げられる。これらの中でも、本発明のフッ素系界面活性剤は水溶性に優れる点から、前記塗料も水性材料であることが好ましく、溶剤としても、親水性有機溶剤であることが好ましい。 また、これら塗料中には必要に応じて、顔料、染料、カーボン等の着色剤、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の無機粉末、高級脂肪酸、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリエチレン等の有機微粉末、更に耐光性向上剤、耐候性向上剤、耐熱性向上剤、酸化防止剤、増粘剤、沈降防止剤等の各種充填剤を適宜添加することが可能である。 更に、塗工方法についても特に限定されるものではなく、例えばロールコーター、静電塗装、バーコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ディピング塗布、スプレー塗布等の方法が挙げられ、特に本発明のフッ素系界面活性剤の効果が顕著に現れる点からは、薄膜コーティング用の塗装方法が好ましい。 本発明のフッ素系界面活性剤は、さらにはハロゲン化写真感光材料の製造、平版印刷版の製造、カラーフィルター用材料等の液晶関連製品の製造、PS版の製造、その他のフォトファブリケーション製造等に不可欠な単層、あるいは多層コーティング組成物に用いられる各種樹脂レベリング剤として添加することもできる。添加することによりピンホール、ゆず肌、塗りムラ、ハジキ等の無い優れた平滑性を発現する。 また更にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の汎用プラスチックからPPS、PBT等のエンジニアリングプラスチック、更には熱可塑性エラストマーの基礎物性を低下させずに得られた成形物の表面にこれまでにない非粘着性、低摩擦性、撥水撥油性、防汚性等の性能を発現させる樹脂改質剤としても使用することが可能である。 また、本発明のフッ素系界面活性剤は、水溶性を有するばかりでなく、被膜を形成させた場合、可塑剤なしでも柔軟性のある被膜を形成する特性があり、内分泌物質撹乱作用が懸念されている、フタル酸エステルなどを可塑剤として用いる必要もない。又、水溶性を有するため、製剤化にあたっては水を溶媒として用いることが出来、有機溶剤なしの組成物を作成することができる。従って、頭髪用化粧料、皮膚化粧料、爪用化粧料等の化粧料に配合できるほか、水性ペイントや金属、ガラス、繊維などの表面処理剤として使用することも可能である。この様に水溶性であって、且つ、乾燥、被膜形成後は疎水性と可塑性の被膜を形成することができる。また、被膜に対し高いレベルの撥水性を長期問に与えることができる。 以下本発明を実施例に基づいて更に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。 実施例1 〔化合物I−7の合成〕 メチルエチルケトン(MEK)200mlに化合物II−7(37.0g、0.06mol)、化合物III−1(8.47g、0.06mol、昭和電工株式会社製、カレンズAOI)、メトキノン0.05g及びジブチル錫ジラウ レート0.05gを加え、70℃で4時間反応した。減圧下MEKを留去し、目的物45.4g(0.06mol)を得た。 1H−NMR(CDCl3):δ2.37(4H、m)、3.50(2H、q)、3.63(4H、d)、3.76(4H、m)、4.25(2H、t)、4.99(1H、m)、5.11(1H、br)、5.86(1H、d)、6.12(1H、q)、6.43(1H、d) 実施例2 〔化合物I−23の合成〕 化合物II−13(51.01g、0.05mol)、化合物III−4(7.76g、0.05mol、昭和電工株式会社製、カレンズMOI)、メトキノン0.05g及びジブチル錫ジラウレート0.05gを加え、85℃で6時間反応した。ガスクロマトグラフィーで原料の消失を確認し、目的物58.77g(0.05mol)を得た。その他の本発明に関わるウレタン(メタ)アクリレートは実施例1または2と同様に合成した。 実施例3 含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(化合物I−8)30重量部とプロピレンオキシドを側鎖に持つモノアクリレート化合物(ブレンマーPP−1000、日本油脂株式会社製)70重量部を100重量部のMIBKに溶解し、7.5重量部の開始剤パーブチルO(日本油脂株式会社製)を加えた。その混合溶液を窒素雰囲気下で、100重量部のMIBK溶液に還流下2時間かけて滴下し、さらに17時間重合反応を行った。溶媒を減圧下留去し、共重合体を得た。この共重合体をゲルパーミエーショングラフ(以後GPCと略す)により分析した結果、重量平均分子量(Mw、東ソー(株)製標準ポリスチレン換算)=4700であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤1とする。 なお、GPCによるMwの測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。分離カラム:東ソー(株)製TSKgelSuperH−RCを2本、東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン流速:1.0ml/分試料濃度:0.1重量%試料注入量:100マイクロリットル検出器:示差屈折計 以下のGPC分析も同様の条件で重量平均分子量(以下、Mwと記す。)の分析を行った。 比較例1 実施例3で用いた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを〔(C4F9CH2CH2OCH2)2CHOCOCH=CH2〕で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレートに置き換えた以外は、実施例2と同様にしてフッ素系界面活性剤2を得た。GPCによるこの共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)はMw=4300であった。 比較例2 実施例3で用いた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを〔C8F17CH2CH2OCOCH=CH2〕で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレートに置き換えた以外は、実施例2と同様にしてフッ素系界面活性剤3を得た。GPCによるこの共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)はMw=5100であった。 本発明化合物Iの合成中間体である化合物IIの合成例を以下に示す。 参考例1〔II−7の合成〕 2−(パーフルオロブチル)−エタノール58.1g(0.22mol)、エピクロロヒドリン9.3g(0.10mol)、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド1.1g(0.005mol)及び水酸化ナトリウム6.0g(0.15mol)を65℃で6時間反応させた。反応終了後、ジイソピロピルエーテル100mlを加え不溶物をろ過した。ろ液を濃縮し、残分を減圧蒸留し無色油状の目的物37.0g(0.06mol)を得た。 参考例2〔II−9の合成〕1、3−ジブロモ−2−プロパノール50.0g(0.23mol)と2−(パーフルオロブチル)−エタンチオール128.5g(0.46mol)、及び炭酸カリウム31.7g(0.23mol)をMIBK460ml中で混合し、95℃で17時間反応させた。室温で4N塩酸70mlを滴下し、460mlの酢酸エチルを加え抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残分を減圧蒸留しアルコール体122.0g(0.20mol)を得た(8mmHg、140℃)。 参考例3〔II−13の合成〕 2−(2−ヘプタフルオロプロポキシ−1、1、2、3、3、3−ヘキサフルオロプロポキシ)−2、3、3、3−テトラフルオロプロパノール144.6g(0.30mol)とエピクロロヒドリン9.3g(0.10mol)、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド1.1g(0.005mol)及び水酸化ナトリウム6.0g(0.15mol)を65℃で6時間反応させた。反応終了後、ジイソピロピルエーテル100mlを加え不溶物をろ過した。ろ液を濃縮し、残分を減圧蒸留し無色油状の目的物86.0g(0.084mol)を得た(7mmHg、143〜145℃)。 参考例4〔II−39の合成〕 2−エチルヘキシルグリシジルエーテル18.6gと2−(パーフルオロオクチル)−エタンチオール38.2gを混合し、窒素雰囲気下110℃で3時間反応させて目的物を54.8g得た。 実施例4 実施例3及び比較例1、2で得られたフッ素系界面活性剤1〜3を用いて、以下のような評価を実施した。その結果を表1に記載する。 <レジスト組成物の調製方法と塗膜作成方法> フェノライトKA−105L(大日本インキ化学工業株式会社製)125重量部をプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート375重量部に溶解して樹脂溶液を調製し、これに合成例1〜3で得られたフッ素系界面活性剤を、該樹脂溶液中の固形分に対して0.4重量%の濃度になる様に添加し、0.1μmのPTFE製フィルターで精密濾過してレジスト組成物を調製した。このレジスト組成物を縦、横10×10cmのCr基板上に回転数500rpmでスピンコーティングした後、ホットプレート上にて90秒間加熱して溶媒を除去し、膜厚が1.5μmのレジスト膜を有する塗膜基板を得た。得られた塗膜の外観を目視にて評価した結果を表1に示す。<試験方法及び評価基準> ストリエーション:ナトリウムランプを使用して、ストリエーションの発生状況を目視にて観察した。 ○:ストリエーションの発生が認められないもの。 △:ストリエーションの発生がやや認められるもの。 ×:ストリエーションの発生が顕著に認められるもの。 モヤムラ:ナトリウムランプを使用して、モヤムラの発生状況を目視にて観察した。 ○:モヤムラの発生が認められないもの。 △:モヤムラの発生がやや認められるもの。 ×:モヤムラの発生が顕著に認められるもの。 チャック跡:ナトリウムランプを使用して、チャック跡の発生状況を目視にて観察した。 ○:チャック跡の発生が認められないもの。 △:チャック跡の発生がやや認められるもの。 ×:チャック跡の発生が顕著に認められるもの。下記一般式(I)で表される含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。(一般式(I)中のR1は炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素原子数1〜20の部分フッ素化アルキル基、パーフルオロアルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20であるパーフルオロアルキル基、または部分フッ素化アルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20である部分フッ素化アルキル基を表し、R2はR1と同一の基、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が1〜10のアラルキル基、フェニル基、また、R3は水素原子又はメチル基を表し、Aは、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−である二価の連結基であり、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)、(b)、または(c)で表される二価の連結基を表す。)(構造式(c)中のR4は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。) 前記連結基Aが−CH2−CH2−である請求項1記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。 前記一般式(I)中のR2がR1と同一である請求項1又は2記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。 R1がCnF2n+1基(n=1〜6の整数)、CnF2n+1CH2CH2基(n=1〜6の整数)、またはC3F7O(CF(CF3)CF2O)mCF(CF3)CH2基(m=0〜5の整数)である請求項3記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。 R1がC4F9CH2CH2基、C6F13CH2CH2基、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2基、C3F7O(CF(CF3)CF2O)2CF(CF3)CH2基である請求項3記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。 請求項1〜5の何れか1つに記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを重合性エチレン性不飽和モノマー類の必須成分として重合して得られる含フッ素ポリマー界面活性剤。 下記一般式(II)(一般式(I)中のR1は炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素原子数1〜20の部分フッ素化アルキル基、パーフルオロアルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20であるパーフルオロアルキル基、または部分フッ素化アルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20である部分フッ素化アルキル基を表し、R2はR1と同一の基、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が1〜10のアラルキル基、フェニル基、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)、(b)、または(c)で表される二価の連結基を表す。)(構造式(c)中のR4は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)で表される含フッ素アルコールと下記一般式(III)(ここで、R3は水素原子又はメチル基であり、Aは−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−の二価の連結基を表し。)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートとを反応させることを特徴とする含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法。 【課題】パーフルオロアルキル基の炭素数が短いポリマー型フッ素系界面活性剤用新規含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート、その製造方法、これを用いたフッ素系界面活性剤を提供する。【解決手段】下記一般式(I)で表される含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。(R1はC1〜20のパーフルオロアルキル基、C1〜20の部分フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基、R2はR1と同一の基、アルキル基、アラルキル基、フェニル基。R3は水素原子又はメチル基、Aは、C2〜4の二価の連結基、XとYは、それぞれ独立に、二価の連結基。)【選択図】なし


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特許公報(B2)_含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート及び界面活性剤

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート及び界面活性剤
出願番号:2006298988
年次:2012
IPC分類:C08F 20/36,C07C 271/16,C07C 269/02,C07B 61/00


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笹本 慎 小磯 彰宏 JP 4941821 特許公報(B2) 20120309 2006298988 20061102 含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート及び界面活性剤 DIC株式会社 000002886 河野 通洋 100124970 笹本 慎 小磯 彰宏 20120530 C08F 20/36 20060101AFI20120510BHJP C07C 271/16 20060101ALI20120510BHJP C07C 269/02 20060101ALI20120510BHJP C07B 61/00 20060101ALN20120510BHJP JPC08F20/36C07C271/16C07C269/02C07B61/00 300 C08F 20/00 − 20/70 C07C 269/02 C07C 271/16 B01F 17/34 特開昭61−093152(JP,A) 特開昭61−087655(JP,A) 特開平04−261132(JP,A) 特開平06−211935(JP,A) 特開2001−48856(JP,A) 7 2008115258 20080522 31 20091007 藤井 勲 本発明は、新規な含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートとそれを原料として合成される主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成型材料等に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として、好適に用いる事ができるフッ素系界面活性剤に関する。 ポリマー型フッ素系界面活性剤は、コーティング用組成物や成型用組成物等に添加する事で、優れた浸透性、濡れ性、レベリング性、表面機能性等を実現でき、これまでにも各種ポリマー型フッ素系界面活性剤が提案・開発されてきた。 近年、各種材料分野ではより精密に、より微細に加工を行うために、高性能なフッ素系界面活性剤の要求が一段と高まってきている。一般にポリマー型フッ素系界面活性剤は表面張力を低下させるための含フッ素基と、例えば該活性剤を添加剤として使用するコーティング剤や成型材等の各種組成物に対して親和性を有する親媒性基を構成成分としてなる。今後、より細分化された各種材料分野に適したポリマー型フッ素系界面活性剤を提供するためには、親和性基と親媒性基の組成のみならず、含フッ素モノマー自身を設計する必要がある。 一方、近年、フッ素化された炭素数が7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物が、細胞株を用いた試験管内試験において発ガン因子と考えられている細胞間コミュニケーションの阻害を引き起こすこと、かつこの阻害が官能基ではなくフッ素化された炭素鎖の長さにより決まり、長いもの程阻害力が高いことが報告され(例えば、非特許文献1参照。)、フッ素化された炭素数が長いものを含むフッ素系界面活性剤の使用が敬遠されるようになってきた。従って、従来から使用されているフッ素系界面活性剤と同等以上の界面活性効果を有し、パーフルオロアルキル基の炭素数が短いフッ素系界面活性剤が強く求められている。しかし、一般的にパーフルオロアルキル基の炭素数が少ない化合物からなるフッ素系界面活性剤は、十分な界面活性効果が得られていない。Bewd.Uphamら著、「Inhibitation of Gap Junctional Intercellular Communication by Perfluorinated Fatty Acids is Dependent on The Chain Length of The Fluorinated Tail」、ワイリー・インターサイエンス(International Journal of Cancer)発行、1998,vol.78,p.491−495 上記のような実情に鑑み、本発明の課題は、パーフルオロアルキル基の炭素数が短いポリマー型フッ素系界面活性剤を製造するために必要なパーフルオロアルキル基の炭素数が短く設計の容易な新規含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートと、主に印刷材料、感光性材料、写真材料、塗料、洗浄剤、光学材料、離型剤等の各種コーティング材料や成型材料等に容易に溶解し、浸透・濡れ性、レベリング性、表面機能性等を高めるための添加剤として好適に用いる事ができるフッ素系界面活性剤、特には、パーフルオロアルキル基中の炭素数が短いものからなる、前述の性能を有するフッ素系界面活性剤を提供することにある。 本発明者は、鋭意検討した結果、下記の知見を得た。 (I)下記一般式(I)の構造を有する含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは新規である。 (2)前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは、モノマー中のフッ素含量のコントロールが容易であり、また含フッ素基と炭化水素基を同時に導入することが容易である。 (3)前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマーは、後述する一般式(II)で表される含フッ素アルコールと下記一般式(III)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートとを反応させることで、効率よく製造できる。 (4)前記含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマーを重合性エチレン性不飽和モノマーの少なくとも1種類として用いて重合したフッ素含有ポリマーは、ポリマー型フッ素系界面活性剤として用いた場合、パーフルオロアルキル基の炭素数が少なくても、塗布性・レベリング性に優れる。 本発明は、このような知見に基づくものである。 即ち本発明は、下記一般式(I)で表される含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを提供する。(一般式(I)中のR1は炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素原子数1〜20の部分フッ素化アルキル基、パーフルオロアルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20であるパーフルオロアルキル基、または部分フッ素化アルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20である部分フッ素化アルキル基を表し、R2はR1と同一の基、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が1〜10のアラルキル基、フェニル基、また、R3は水素原子又はメチル基を表し、Aは、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−である二価の連結基であり、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)で表される二価の連結基を表す。) (構造式(c)中のR4は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。) また、本発明は、前記一般式(I)で表される含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを重合性エチレン性不飽和モノマー類の必須成分として重合して得られる含フッ素ポリマー界面活性剤をも提供する。 また、本発明は、 下記一般式(II)(式中、R1は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、または主鎖に酸素原子が介入していても良いパーフルオロアルキル基または部分フッ素化アルキル基であり、R2はR1と同一の基、炭素数が1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、アラルキル基またはフェニル基であり、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)で表される二価の連結基を表す。)で表される含フッ素アルコール(ここで、R3は水素原子又はメチル基であり、Aは−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−の二価の連結基を表し。)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートとを反応させることを特徴とする含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法をも提供する。 本発明によれば、含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートモノマー中にパーフルオロアルキル鎖の炭素数が6以下の短鎖のパーフルオロアルキル基を2本導入する事により炭素数7以上のパーフルオロアルキル鎖を有するモノマーと同等以上の性能を発揮することができる。またパーフルオロアルキル基の組み合わせによりモノマー中のフッ素含量をコントロールできる。さらにパーフルオロアルキル基と炭化水素基を同時にモノマー中に導入することも容易である。また、炭化水素基の種類やウレタン基由来の水素結合により樹脂や各種溶剤に対し相溶性に優れるフッ素系界面活性剤を得ることができ、高度なレベリング性を発揮することができる。特に薄膜コーティングであるレジスト組成物において、優れた塗布性を発現させることが可能である。 又、本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート及びフッ素系界面活性剤の一部は、エーテル結合で炭素数3のパーフルオロアルキル基が連結された構造を有するものであり、安全性が疑問視されている炭素数7以上のパーフルオロアルキル基を有する化合物とは全く異なるものであって、安全性への懸念が低い化合物であることが期待できる。 本発明の一般式(I)で表される含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、一般式(II)で表される含フッ素アルコールと一般式(III)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。 前記一般式(I)で表される単量体としては、例えば、具体的には下記構造式(I−1〜63)で表されるものを挙げることができる。 これらの含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの中でも、下記一般式(I)中の連結基Aがエチレン基(−CH2CH2−)であるもの、例えば、前記構造式(I−1)、(I−2)、(I−6)、(I−7)、(I−8)、(I−12)、(I−13)、(I−14)、(I−18)、(I−19)、(I−20)、(I−27)、(I−28)、(I−29)、(I−33)、(I−34)、(I−35)、(I−39)、(I−40)、(I−42)、(I−45)、(I−47)、(I−48)、(I−49)、(I−150)、(I−51)、(I−52)、(I−56)、(I−57)、(I−58)、(I−60)、(I−61)等の構造を有する化合物が好ましい。 本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法に用いる含フッ素アルコールとしては、前記一般式(II)で表される。(式中、R1は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、または主鎖に酸素原子が介入していても良いパーフルオロアルキル基または部分フッ素化アルキル基であり、R2はR1と同一の基、炭素数が1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、アラルキル基またはフェニル基であり、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)、(b)、または(c)で表される二価の連結基を表す。)(構造式(c)中のR4は、炭素原子数1〜6のアルキル基を表す。)と下記一般式(III) 前記一般式(II)中のR1Xとして具体的には、CF3CH2O-、C2F5CH2O-、C3F7CH2O-、C4F9CH2O-、C5F11CH2O-、C6F13CH2O-、C4F9CH2CH2O-、C6F13CH2CH2O-、C4F9CH2CH2S-、C6F13CH2CH2S-、CF3SO2N(CH3)-、CF3SO2N(C2H5)-、C2F5SO2N(C3H7)-、C3F7SO2N(C4H9)-、C4H9SO2NCH{(CH3)2}-、 C4H9SO2N(C5H11)-、C4H9SO2N(C6H13)-、C3F7OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2O-、 C3F7OCF(CF3)CH2CH2S-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2S-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2S-を挙げる事が出来る。またR2Yとして具体的には、CF3CH2O-、C2F5CH2O-、C3F7CH2O-、C4F9CH2O-、C5F11CH2O-、C6F13CH2O-、C4F9CH2CH2O-、C6F13CH2CH2O-、C4F9CH2CH2S-、C6F13CH2CH2S-、CF3SO2N(CH3)-、CF3SO2N(C2H5)-、C2F5SO2N(C3H7)-、C3F7SO2N(C4H9)-、C4H9SO2NCH{(CH3)2}-、 C4H9SO2N(C5H11)-、C4H9SO2N(C6H13)-、C3F7OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2O-、C3F7OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2O-、C3F7OCF(CF3)CH2CH2S-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2S-、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2CH2S-、CH3O-、C2H5O-、C3H7O-、C4H9O-、C5H11O-、C6H13O-、C7H15O-、C8H17O-、C9H19O-、C10H21O-、(CH3)2CHO-、CH3CH2CH2CH2CH(C2H5)CH2O-、(CH3)3CCH2O-、C6H5O-、C6H5CH2O-、CH3S-、C2H5S-、C3H7S-、C4H9S-、C5H11S-、C6H13S-、C7H15S-、C8H17S-、C9H19S-、C10H21S-、(CH3)2CHS-、CH3CH2CH2CH2CH(C2H5)CH2S-、(CH3)3CCH2S-、C6H5S-、C6H5CH2S-を挙げられる。前記一般式(II)で表される中間体アルコールは、より具体的には以下の構造式で表すことが出来る。 前記含フッ素アルコールの製造法としては、特に、限定されないが、例えば、特開平1−193236号公報、特開平9−67334号公報及び特開2002−3428号公報等の方法等により製造することができる。 本発明の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法に用いる下記一般式(III)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートは、(式中、R3は水素原子又はメチル基であり、Aは−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−の二価の連結基を表し、Aは−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−の二価の連結基を表す。)で表される化合物である。 これらの例としては、下記構造式(III−1〜8)で表される物を挙げられる。特に、下記構造式III−1とIII−4は昭和電工株式会社よりカレンズAOI及びMOIとして工業的に入手可能である。 前記本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物の製造方法においては、前記一般式(II)であらわされるアルコール誘導体と一般式(III)であらわされる(メタ)アクリロイルイソシアネート類とを反応させる際には、前記式(II)で表されるアルコール1モルに対して、(メタ)アクリロイルイソシアネート(III)を、0.80〜1.20モルになるように仕込むのが好ましく、より好ましくは0.98〜1.00モルとなるように仕込むのがよい。該反応(ウレタン化反応)においては、前記式(II)で表されるアルコール誘導体の2級水酸基と(メタ)アクリロイルイソシアネートの末端イソシアネート基の反応を促進させるために、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート等のジラウリレートを触媒として用いて行うことができる。触媒の添加量は、反応混合物全体に対して0.001〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.01〜1.1重量%である。反応時間は1〜10時間が好ましい。また反応温度は30〜120℃が好ましく、より好ましくは30〜100℃である。 上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(I)の合成方法において、反応はいずれも無溶剤あるいは、イソシアネート基に不活性なアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の溶剤を反応溶剤として用いることができる。 本発明の含フッ素ポリマー界面活性剤は、前記一般式(I)であらわされる含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを重合性エチレン性不飽和モノマー類の必須成分として重合して得られる含フッ素ポリマー界面活性剤であり、後述する前記一般式(I)であらわされる含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート以外の単量体を併用してもよい。また、前記単量体としては、2種以上を混合して用いても良い。 本発明の含フッ素ポリマー界面活性剤は、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体由来の繰り返し単位をそれぞれ1種以上有する共重合体であるポリマーであること好ましい。更に、前記一般式(I)で表される単量体と、その他の単量体として、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)とそれ以外の単量体の3種以上の単量体を共重合させて得られる共重合体が好ましい。特に、得られる界面活性剤をフッ素系界面活性剤として用いた時の親水性、水溶性に優れる点からは、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)として、ポリオキシエチレン鎖及び/又はポリオキシプロピレン鎖を含有するものであることが好ましい。 前記一般式(I)で表される単量体と組み合わされるその他の単量体としては、前述の単量体(I)と共重合可能な単量体であれば良く、特に限定されるものではない。その他の単量体の具体的な例示は、Polymer Handbook 2nd ed., J. Brandrup, WileyInterscience (1975) Chapter 2, Page 1〜483に記載されている。 前記一般式(I)であらわされる含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート以外の単量体としては、得られる共重合体の親水性に優れる点、コーティング組成物中のフッ素系界面活性剤として用いた際の、該組成物中のその他の成分との相溶性に優れる点、得られる塗膜表面の撥水撥油性や防汚性等のフッ素原子由来の性能を発現させるために好適な分子形状を取りやすい点等の観点から、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)を含むことが好ましい。 前記ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)としては、分子中にエチレン性不飽和基とポリオキシアルキレン鎖とを含む化合物であれば特に制限はない。エチレン性不飽和基としては、原料の入手性、各種コーティング組成物中の配合物に対する相溶性、そのような相溶性を制御することの容易性、或いは重合反応性の観点から(メタ)アクリルエステル基及びその類縁基を含有するものが適している。 ポリオキシアルキレン鎖は(OR)xで表されるものを挙げることができ、Rは2〜4の炭素原子を有するアルキレン鎖であり、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2CH2−または−CH(CH3)CH(CH3)−、または−CH(CH2CH3)CH2−〔=エチルエチレン〕であることが好ましい。xは正の整数であり、好ましくは2〜50の整数であり、さらに好ましくは3〜30の整数である。前記のポリオキシアルキレン鎖中のオキシアルキレン単位はポリ(オキシプロピレン)におけるように同一のオキシアルキレン単位のみで構成されてもよく、また、オキシプロピレン単位とオキシエチレン単位とが連結したもののように、異なる2種以上のオキシアルキレン単位が規則的または不規則に連結したものであっても良い。 ポリオキシアルキレン鎖の末端に結合する原子又は基は、水素原子であっても他の任意の基であっても良いが、水素原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、アリル基(好ましくは炭素数1〜20)、アリール基(例えば炭素数6〜10)であることが好ましい。アリール基は、アルキル基(例えば炭素数1〜10)、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。又、ポリオキシアルキレン鎖は1つまたはそれ以上の連鎖結合(例えば−CONH−Ph−NHCO−、−S−など:Phはフェニレン基を表す)で連結されていても良い。更に分岐鎖状のオキシアルキレン単位を供するため、連鎖結合部位に3またはそれ以上の原子価を有することもできる。 ポリオキシアルキレン鎖部分の分子量としては、連鎖結合部を含め250〜3000であることが好ましい。 前記ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)としては、例えば、下記一般式(IV)(化4)〔式中、X’は、酸素原子又は−NR7−(R7は水素原子、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、または置換基を有してもよい炭素数6〜24のアラルキル基である。)であり、Y’は置換基を有してもよい炭素数1〜5のアルキレン鎖であり、R5は水素原子又はメチル基であり、R6は水素原子又は置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数3〜12のシクロアルキル基、置換基を有してもよい炭素数6〜12のアリール基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜24のアラルキル基であり、mは2〜100の整数である。〕で表される単量体を挙げることができる。 前記一般式(IV)中の各基における置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、アルキル基(好ましくは炭素数1〜12のアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜12のアリール基)、スルホ基、カルボキシル基等が挙げられる。又、前記一般式(IV)中のY’としては、炭素数2〜4の直鎖又は分岐状のアルキレン鎖であることが好ましく、mとしては、2〜50であることが好ましく、特に、3〜30の整数であることが好ましい。 前記ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)の具体例として挙げられる、ポリオキシアルキレンアクリレート、又は、ポリオキシアルキレンメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(オキシアルキレン)材料、例えば商品名”プルロニック”[Pluronic(旭電化工業株式会社製)、アデカポリエーテル(旭電化工業株式会社製)”カルボワックス[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、”トリトン”[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))、P.E.G(第一工業製薬株式会社製)として販売されているものを種々の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリド、無水アクリル酸または無水メタクリル酸等と反応させることによって製造することができ、又、種々の製法で得られるポリオキシアルキレンジアクリレート等を用いることもできる。 市販品の単量体としては、例えば、日本油脂株式会社製の水酸基末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPE−90、ブレンマーPE−200、ブレンマーPE−350、ブレンマーAE−90、ブレンマーAE−200、ブレンマーAE−400、ブレンマーPP−1000、ブレンマーPP−500、ブレンマーPP−800、ブレンマーAP−150、ブレンマーAP−400、ブレンマーAP−550、ブレンマーAP−800、ブレンマー50PEP−300、ブレンマー70PEP−350B、ブレンマーAEPシリーズ、ブレンマー55PET−400、ブレンマー30PET−800、ブレンマー55PET−800、ブレンマーAETシリーズ、ブレンマー30PPT−800、ブレンマー50PPT−800、ブレンマー70PPT−800、ブレンマーAPTシリーズ、ブレンマー10PPB−500B、ブレンマー10APB−500Bなどがあげられる。同様に日本油脂株式会社製のアルキル末端ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしてブレンマーPME−100、ブレンマーPME−200、ブレンマーPME−400、ブレンマーPME−1000、ブレンマーPME−4000、ブレンマーAME−400、ブレンマー50POEP−800B、ブレンマー50AOEP−800B、ブレンマーPLE−200、ブレンマーALE−200、ブレンマーALE−800、ブレンマーPSE−400、ブレンマーPSE−1300、ブレンマーASEPシリーズ、ブレンマーPKEPシリーズ、ブレンマーAKEPシリーズ、ブレンマーANE−300、ブレンマーANE−1300、ブレンマーPNEPシリーズ、ブレンマーPNPEシリーズ、ブレンマー43ANEP−500、ブレンマー70ANEP−550など、また共栄社化学株式会社製ライトエステルMC、ライトエステル130MA、ライトエステル041MA、ライトアクリレートBO−A、ライトアクリレートEC−A、ライトアクリレートMTG−A、ライトアクリレート130A、ライトアクリレートDPM−A、ライトアクリレートP−200A、ライトアクリレートNP−4EA、ライトアクリレートNP−8EAなどがあげられる。これらのポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)としては、1種類だけを用いても構わないし、2種類以上を併用しても良い。 また、前記の前記一般式(I)であらわされる含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート以外の単量体としては、更に、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を少なくとも1個有する化合物等が挙げられ、アクリル酸エステル類としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等、メタクリル酸エステル類としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、クロルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等、アクリルアミド類としては、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等、メタクリルアミド類としては、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミド等、アリル化合物としては、アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノール等、ビニルエーテル類としては、アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等、ビニルエステル類:ビニルビチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等、イタコン酸ジアルキル類としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等、フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類としては、ジブチルフマレート等、その他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレン等も挙げられる。 前記共重合体を合成する際に、用いる単量体類の使用割合としては、特に限定されるものではないが、得られる化合物(A)の界面活性能と水溶性とのバランスに優れる点から、単量体類100重量部中、前記単量体(I)が5〜90重量部含まれていることが好ましく、特に10〜80重量部含まれていることが好ましく、10〜60重量部含まれていることが最も好ましい。又、ポリオキシアルキレン鎖含有エチレン性不飽和単量体(x1)が10〜95重量部含まれることが好ましく、特に15〜70重量部含まれていることが好ましい。 又、前記共重合体の重量平均分子量としては、3000〜100,000であることが好ましく、4,000〜80,000であることがより好ましい。共重合体としては、ブロック、ランダム、グラフトの何れの共重合体でもよいが、好ましくは、ランダム共重合体である。 なお、前記共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーショングラフによるもので、その測定条件は、実施例に記載されたものである。 前記共重合体の製造方法には何ら制限はなく、種々の方法、即ちラジカル重合法、カチオン重合法、アニオン重合法等の重合機構に基づき、溶液重合法、塊状重合法、更にエマルジョン重合法等により製造できるが、特にラジカル重合法が簡便であり、工業的に好ましい。例えば先にあげた単量体(I)とその他の単量体(x1)の混合物を有機溶媒中、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造できる。用いる単量体の重合性等に応じ、反応容器に単量体類と開始剤とを滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成の共重合体を得るために有効である。 前記重合開始剤としては、種々のものを使用することができ、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ジアシル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリフェニルメタン等のアゾ化合物、Mn(acac)3等の金属キレート化合物、リビングラジカル重合を引き起こす遷移金属触媒等が挙げられる。更に必要に応じて、ラウリルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、エチルチオグリコール酸、オクチルチオグリコール酸等の連鎖移動剤や、更にγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のカップリング基含有チオール化合物を連鎖移動剤等の添加剤を使用することができる。 また光増感剤や光開始剤の存在下での光重合あるいは放射線や熱をエネルギー源とする重合によっても本発明で用いる化合物(A)のランダムもしくはブロック共重合体を得ることができる。 重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいずれでも実施できるが、作業性の点から溶剤存在下の場合の方が好ましい。溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルアミルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−オキシプロピオン酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル等のモノカルボン酸エステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の極性溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール、エチルセロソルブアセテート等のエーテル類、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコール類及びそのエステル類、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、更にパーフルオロオクタン、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類等が挙げられ、単独でも、2種以上を混合して用いても良い。 本発明のフッ素系界面活性剤を塗料用組成物、コーティング用組成物等の組成物に添加して使用する場合には、用途に応じて1種類だけを用いても構わないし、2種類以上を同時に用いても構わない。また、組成物中の配合物との相溶性向上等の目的により、種々の炭化水素系、その他のフッ素系、シリコーン系等の界面活性剤を併用することも可能である。 本発明のフッ素系界面活性剤を用いれば、高速、高剪断力を伴う塗工方法においても、優れたレベリング性を発現させると共に、水溶性を有するため、水溶性塗料などへのコーティング組成物を提供することが可能である。この様なコーティング組成物としては特に制限は無いが、有用なコーティング組成物として、例えば各種塗料用組成物、レジスト組成物等が挙げられる。 従来、塗料用組成物には、コーティング時のレベリング性を向上させるため、各種レベリング剤が使用されており、中でも表面張力低下能が低くレベリング効果の高いフッ素系界面活性剤が好適に用いられている。本発明のフッ素系界面活性剤を塗料用組成物に添加する割合の配合量としては、適用される系、目的とする物性、塗工方法、コスト等により異なるが、塗料用組成物100重量部に対して0.0001〜20重量部用いることが好ましく、より好ましくは0.001〜10重量部、更に好ましくは0.01〜7重量部である。 適用される塗料用組成物としては、特に制限はなく、天然樹脂を使った塗料、例えば石油樹脂塗料、セラック塗料、ロジン系塗料、セルロース系塗料、ゴム系塗料、漆、カシュー樹脂塗料、油性ピヒクル塗料等、また、合成樹脂を使った塗料、例えばフェノール樹脂塗料、アルキッド樹脂塗料、不飽和ポリエステル樹脂塗料、アミノ樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ビニル樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、シリコーン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。 これらの塗料は水系、溶剤系、非水分散系、粉体系等の何れの形態でも適用でき、溶剤若しくは分散媒にも特に制限はない。溶剤、分散媒の具体例としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶剤、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトール等のエーテル類、1,1,1−トリクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、更にパーフルオロメタン、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン等のフッ素化イナートリキッド類が挙げられる。これらの中でも、本発明のフッ素系界面活性剤は水溶性に優れる点から、前記塗料も水性材料であることが好ましく、溶剤としても、親水性有機溶剤であることが好ましい。 また、これら塗料中には必要に応じて、顔料、染料、カーボン等の着色剤、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム等の無機粉末、高級脂肪酸、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリエチレン等の有機微粉末、更に耐光性向上剤、耐候性向上剤、耐熱性向上剤、酸化防止剤、増粘剤、沈降防止剤等の各種充填剤を適宜添加することが可能である。 更に、塗工方法についても特に限定されるものではなく、例えばロールコーター、静電塗装、バーコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、ディピング塗布、スプレー塗布等の方法が挙げられ、特に本発明のフッ素系界面活性剤の効果が顕著に現れる点からは、薄膜コーティング用の塗装方法が好ましい。 本発明のフッ素系界面活性剤は、さらにはハロゲン化写真感光材料の製造、平版印刷版の製造、カラーフィルター用材料等の液晶関連製品の製造、PS版の製造、その他のフォトファブリケーション製造等に不可欠な単層、あるいは多層コーティング組成物に用いられる各種樹脂レベリング剤として添加することもできる。添加することによりピンホール、ゆず肌、塗りムラ、ハジキ等の無い優れた平滑性を発現する。 また更にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の汎用プラスチックからPPS、PBT等のエンジニアリングプラスチック、更には熱可塑性エラストマーの基礎物性を低下させずに得られた成形物の表面にこれまでにない非粘着性、低摩擦性、撥水撥油性、防汚性等の性能を発現させる樹脂改質剤としても使用することが可能である。 また、本発明のフッ素系界面活性剤は、水溶性を有するばかりでなく、被膜を形成させた場合、可塑剤なしでも柔軟性のある被膜を形成する特性があり、内分泌物質撹乱作用が懸念されている、フタル酸エステルなどを可塑剤として用いる必要もない。又、水溶性を有するため、製剤化にあたっては水を溶媒として用いることが出来、有機溶剤なしの組成物を作成することができる。従って、頭髪用化粧料、皮膚化粧料、爪用化粧料等の化粧料に配合できるほか、水性ペイントや金属、ガラス、繊維などの表面処理剤として使用することも可能である。この様に水溶性であって、且つ、乾燥、被膜形成後は疎水性と可塑性の被膜を形成することができる。また、被膜に対し高いレベルの撥水性を長期問に与えることができる。 以下本発明を実施例に基づいて更に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。 実施例1 〔化合物I−7の合成〕 メチルエチルケトン(MEK)200mlに化合物II−7(37.0g、0.06mol)、化合物III−1(8.47g、0.06mol、昭和電工株式会社製、カレンズAOI)、メトキノン0.05g及びジブチル錫ジラウ レート0.05gを加え、70℃で4時間反応した。減圧下MEKを留去し、目的物45.4g(0.06mol)を得た。 1H−NMR(CDCl3):δ2.37(4H、m)、3.50(2H、q)、3.63(4H、d)、3.76(4H、m)、4.25(2H、t)、4.99(1H、m)、5.11(1H、br)、5.86(1H、d)、6.12(1H、q)、6.43(1H、d) 実施例2 〔化合物I−23の合成〕 化合物II−13(51.01g、0.05mol)、化合物III−4(7.76g、0.05mol、昭和電工株式会社製、カレンズMOI)、メトキノン0.05g及びジブチル錫ジラウレート0.05gを加え、85℃で6時間反応した。ガスクロマトグラフィーで原料の消失を確認し、目的物58.77g(0.05mol)を得た。その他の本発明に関わるウレタン(メタ)アクリレートは実施例1または2と同様に合成した。 実施例3 含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート(化合物I−8)30重量部とプロピレンオキシドを側鎖に持つモノアクリレート化合物(ブレンマーPP−1000、日本油脂株式会社製)70重量部を100重量部のMIBKに溶解し、7.5重量部の開始剤パーブチルO(日本油脂株式会社製)を加えた。その混合溶液を窒素雰囲気下で、100重量部のMIBK溶液に還流下2時間かけて滴下し、さらに17時間重合反応を行った。溶媒を減圧下留去し、共重合体を得た。この共重合体をゲルパーミエーショングラフ(以後GPCと略す)により分析した結果、重量平均分子量(Mw、東ソー(株)製標準ポリスチレン換算)=4700であった。この共重合体をフッ素系界面活性剤1とする。 なお、GPCによるMwの測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。分離カラム:東ソー(株)製TSKgelSuperH−RCを2本、東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン流速:1.0ml/分試料濃度:0.1重量%試料注入量:100マイクロリットル検出器:示差屈折計 以下のGPC分析も同様の条件で重量平均分子量(以下、Mwと記す。)の分析を行った。 比較例1 実施例3で用いた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを〔(C4F9CH2CH2OCH2)2CHOCOCH=CH2〕で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレートに置き換えた以外は、実施例2と同様にしてフッ素系界面活性剤2を得た。GPCによるこの共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)はMw=4300であった。 比較例2 実施例3で用いた含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを〔C8F17CH2CH2OCOCH=CH2〕で示されるフッ素化アルキル基含有アクリレートに置き換えた以外は、実施例2と同様にしてフッ素系界面活性剤3を得た。GPCによるこの共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)はMw=5100であった。 本発明化合物Iの合成中間体である化合物IIの合成例を以下に示す。 参考例1〔II−7の合成〕 2−(パーフルオロブチル)−エタノール58.1g(0.22mol)、エピクロロヒドリン9.3g(0.10mol)、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド1.1g(0.005mol)及び水酸化ナトリウム6.0g(0.15mol)を65℃で6時間反応させた。反応終了後、ジイソピロピルエーテル100mlを加え不溶物をろ過した。ろ液を濃縮し、残分を減圧蒸留し無色油状の目的物37.0g(0.06mol)を得た。 参考例2〔II−9の合成〕1、3−ジブロモ−2−プロパノール50.0g(0.23mol)と2−(パーフルオロブチル)−エタンチオール128.5g(0.46mol)、及び炭酸カリウム31.7g(0.23mol)をMIBK460ml中で混合し、95℃で17時間反応させた。室温で4N塩酸70mlを滴下し、460mlの酢酸エチルを加え抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残分を減圧蒸留しアルコール体122.0g(0.20mol)を得た(8mmHg、140℃)。 参考例3〔II−13の合成〕 2−(2−ヘプタフルオロプロポキシ−1、1、2、3、3、3−ヘキサフルオロプロポキシ)−2、3、3、3−テトラフルオロプロパノール144.6g(0.30mol)とエピクロロヒドリン9.3g(0.10mol)、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド1.1g(0.005mol)及び水酸化ナトリウム6.0g(0.15mol)を65℃で6時間反応させた。反応終了後、ジイソピロピルエーテル100mlを加え不溶物をろ過した。ろ液を濃縮し、残分を減圧蒸留し無色油状の目的物86.0g(0.084mol)を得た(7mmHg、143〜145℃)。 参考例4〔II−39の合成〕 2−エチルヘキシルグリシジルエーテル18.6gと2−(パーフルオロオクチル)−エタンチオール38.2gを混合し、窒素雰囲気下110℃で3時間反応させて目的物を54.8g得た。 実施例4 実施例3及び比較例1、2で得られたフッ素系界面活性剤1〜3を用いて、以下のような評価を実施した。その結果を表1に記載する。 <レジスト組成物の調製方法と塗膜作成方法> フェノライトKA−105L(大日本インキ化学工業株式会社製)125重量部をプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート375重量部に溶解して樹脂溶液を調製し、これに合成例1〜3で得られたフッ素系界面活性剤を、該樹脂溶液中の固形分に対して0.4重量%の濃度になる様に添加し、0.1μmのPTFE製フィルターで精密濾過してレジスト組成物を調製した。このレジスト組成物を縦、横10×10cmのCr基板上に回転数500rpmでスピンコーティングした後、ホットプレート上にて90秒間加熱して溶媒を除去し、膜厚が1.5μmのレジスト膜を有する塗膜基板を得た。得られた塗膜の外観を目視にて評価した結果を表1に示す。<試験方法及び評価基準> ストリエーション:ナトリウムランプを使用して、ストリエーションの発生状況を目視にて観察した。 ○:ストリエーションの発生が認められないもの。 △:ストリエーションの発生がやや認められるもの。 ×:ストリエーションの発生が顕著に認められるもの。 モヤムラ:ナトリウムランプを使用して、モヤムラの発生状況を目視にて観察した。 ○:モヤムラの発生が認められないもの。 △:モヤムラの発生がやや認められるもの。 ×:モヤムラの発生が顕著に認められるもの。 チャック跡:ナトリウムランプを使用して、チャック跡の発生状況を目視にて観察した。 ○:チャック跡の発生が認められないもの。 △:チャック跡の発生がやや認められるもの。 ×:チャック跡の発生が顕著に認められるもの。 下記一般式(I)で表される含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。(一般式(I)中のR1は炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基、炭素原子数1〜20の部分フッ素化アルキル基、パーフルオロアルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20であるパーフルオロアルキル基、または部分フッ素化アルキル基が酸素原子を介して連結されている炭素原子数の総数が1〜20である部分フッ素化アルキル基を表し、R2はR1と同一の基、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が1〜10のアラルキル基、フェニル基、また、R3は水素原子又はメチル基を表し、Aは、−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−である二価の連結基であり、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)で表される二価の連結基を表す。) 前記連結基Aが−CH2−CH2−である請求項1記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。 前記一般式(I)中のR2がR1と同一である請求項1又は2記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。 R1がCnF2n+1基(n=1〜6の整数)、CnF2n+1CH2CH2基(n=1〜6の整数)、またはC3F7O(CF(CF3)CF2O)mCF(CF3)CH2基(m=0〜5の整数)である請求項3記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。 R1がC4F9CH2CH2基、C6F13CH2CH2基、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2基、C3F7O(CF(CF3)CF2O)2CF(CF3)CH2基である請求項3記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレート。 請求項1〜5の何れか1つに記載の含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートを重合性エチレン性不飽和モノマー類の必須成分として重合して得られる含フッ素ポリマー界面活性剤。 下記一般式(II)(式中、R1は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、または主鎖に酸素原子が介入していても良いパーフルオロアルキル基または部分フッ素化アルキル基であり、R2はR1と同一の基、炭素数が1〜10の直鎖状または分枝状のアルキル基、アラルキル基またはフェニル基であり、XとYは、それぞれ独立に、下記構造式(a)で表される二価の連結基を表す。)で表される含フッ素アルコールと下記一般式(III)(ここで、R3は水素原子又はメチル基であり、Aは−CH2−CH2−、−CH2−CH2−CH2−、−CH2CH(CH3)−または−CH(CH3)CH2−の二価の連結基を表し。)で表されるイソシアネート(メタ)アクリレートとを反応させることを特徴とする含フッ素ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法。


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