タイトル: | 公開特許公報(A)_ポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法 |
出願番号: | 2006286218 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C07C 231/02,C07C 233/06,C07B 61/00 |
北川 幸緒 石川 雅英 木原 義博 徳保 栄次 帯田 美奈子 JP 2008100961 公開特許公報(A) 20080501 2006286218 20061020 ポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法 新日本理化株式会社 000191250 北川 幸緒 石川 雅英 木原 義博 徳保 栄次 帯田 美奈子 C07C 231/02 20060101AFI20080404BHJP C07C 233/06 20060101ALI20080404BHJP C07B 61/00 20060101ALN20080404BHJP JPC07C231/02C07C233/06C07B61/00 300 4 OL 15 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC53 4H006BA10 4H006BA29 4H006BA66 4H006BB11 4H006BB14 4H006BJ20 4H006BV24 4H039CA71 4H039CD90 本発明は、ポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法に関する。かかるポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)は、物性向上、加工性向上を目的とする樹脂改質剤、特にPP樹脂の透明化核剤等の樹脂添加剤として有用な化合物である。 従来、モノカルボン酸アミドやジカルボン酸アミドの製造方法の一般的製造方法としては、(a)カルボン酸とアミンとを加熱脱水する方法、(b)アルカリ触媒存在下、カルボン酸低級アルキルエステルとアミンとのエステル・アミド交換反応による方法、(c)カルボン酸無水物とアミンとを反応させる方法、(d)カルボン酸クロリドとアミンとを反応させる方法等が知られている(非特許文献1参照)。 しかし、これらの一般的製造方法が、3価又は4価のポリカルボン酸のアミドの工業的製造方法として適用可能かどうかについて記載も示唆もされていない。 このような状況の中、本発明者らは、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラメチルエステルとその3〜30当量倍の相当するシクロヘキシルアミン又は2−メチルシクロヘキシルアミンとを220℃で6時間エステル−アミド交換反応させることにより対応する1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(アルキル置換シクロヘキシルアミド)を得る製造方法を提案した(特許文献1参照)。 しかしながら、この方法は、沸点温度が200℃未満のシクロヘキシルアミンを用いた場合、高価な高圧反応設備が必要になるなど設備面で難点があり、工業的に必ずしも満足できる方法とは言い難い。そのためこの設備面での難点を解消した常圧で簡便にエステル・アミド交換反応できる改良方法の開発が強く望まれている。Michael B. Smith and Jerry March ,“March's advanced organic chemistry :reactions, mechanisms, and structure, 4th ed ”, Wiley-Interscience,New York,1992,pp.417-428.特開平07−309821号公報 本発明は、非常に優れた耐熱性を有すると共に、PP樹脂の透明化核剤を始めとして種々の用途が期待される3価又は4価のポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)を工業的に有利な条件で、高純度且つ高収率で製造しうる工業的に優れた製造方法を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、ポリカルボン酸エステルとアルキル置換シクロヘキシルアミンとのエステル・アミド交換反応において、ポリカルボン酸ポリアルキルエステルと比較してポリカルボン酸ポリアリールエステル又はポリカルボン酸ポリ複素環エステルが優れた反応活性を有し、ポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)が、反応温度が50〜180℃、反応圧力が常圧の反応条件下で、高純度、且つ高収率で得られることを見出し、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。 即ち、本発明は、以下のポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法を提供するものである。 [項1] 一般式(1)[式中、nは、3又は4の整数を表す。式中、R1は、炭素数3〜10のの飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の脂環族基又は炭素数6〜30の芳香族基を表す。式中、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]で表されるポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)を製造する方法であって、一般式(2)[式中、R1及びnは、一般式(1)と同義であり、R4は、炭素数6〜18の芳香族基又は炭素数6〜18の複素環基を表す。]で表されるポリカルボン酸ポリアリールエステルと一般式(3)[式中、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]で表されるアルキル置換シクロヘキシルアミンとを無触媒下又は酸触媒下で加熱してエステル・アミド交換反応せしめることを特徴とするポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法。 [項2] R4がフェニル基、1−メチルフェニル基、2−メチルフェニル基、又は3−メチルフェニル基である上記項1に記載のポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法。 [項3] 加熱温度が、50〜180℃である上記項1又は2に記載のポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法。 [項4] ポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)が、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(3−メチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)又は1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(3,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)である上記項1〜3に記載の製造方法。 本発明方法を適用することにより、工業的に有利な条件下で目的とするポリカルボン酸アミドを簡便、且つ効率的に収率よく高純度で製造することができる。 以下に本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。[ポリカルボン酸ポリアリールエステル] 下記一般式(2)[式中、R1及びnは、一般式(1)と同義であり、R4は、炭素数6〜18の芳香族基又は炭素数6〜18複素環基を表す。]で表されるポリカルボン酸ポリアリールエステルとしては、特に限定されず、市販されているものを用いることもでき、又、従来公知の方法に従って製造したものであってもよい。ポリカルボン酸ポリアリールエステルの製造方法としては、一般式(4)[式中、R1及びnは、一般式(1)と同義である。]で表されるポリカルボン酸と一般式(5)[式中、R4は、一般式(2)と同義である。]で表されるフェノール化合物との脱水縮合反応、ポリカルボン酸低級アルキルエステルとフェノール化合物とのエステル交換反応等の従来公知の方法(例えば、特開平2−124852号公報、特開2001−106651号公報、特開平09−214213号公報)法が例示される。 <ポリカルボン酸> 上記一般式(4)で表されるポリカルボン酸としては、飽和脂肪族ポリカルボン酸、脂環族ポリカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸が挙げられ、カルボキシル基の置換位置は特に限定されない。ここで、R1は、一般式(4)で表されるポリカルボン酸からn個のカルボキシル基を除いて得られるn価の有機基を指す。 脂肪族トリカルボン酸としては、直鎖状のものとして、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3−ブタントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,3−ペンタントリカルボン酸、1,2,4−ペンタントリカルボン酸、1,2,5−ペンタントリカルボン酸、1,3,4−ペンタントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボン酸、2,3,4−ペンタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,1,6−ヘキサントリカルボン酸、1,3,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,6−ヘキサントリカルボン酸、1,3,3−ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ヘキサントリカルボン酸、2,4,4−ヘキサントリカルボン酸、1,4,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3,4−ヘキサントリカルボン酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、2,3,5−ヘキサントリカルボン酸、1,4,8−オクタントリカルボン酸、1,5,10−ノナントリカルボン酸等が、分岐鎖状のものとして、2−カルボキシメチル−1,3−プロパンジカルボン酸、3−カルボキシメチル−1,5−ペンタンジカルボン酸、3−カルボキシエチル−1,5−ペンタンジカルボン酸、3−カルボキシエチル−1,6−ヘキサンジカルボン酸等があげられる。 脂肪族テトラカルボン酸としては、直鎖状及び分岐鎖状のものとして、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,2,3−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,5−ペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ヘキサンテトラカルボン酸、1,2,6,7−ヘプタンテトラカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、3−カルボキシ−3−(カルボキシメチル)ペンタン二酸等のテトラカルボン酸等のテトラカルボン酸が例示される。 脂環族ポリカルボン酸としては、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,3−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等のトリカルボン酸等の脂環族トリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸、5−(コハク酸)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸等のテトラカルボン酸等の脂環族テトラカルボン酸が例示される。 芳香族ポリカルボン酸としては、ヘミメリット酸、ピロメリット酸、トリメシン酸、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等の芳香族トリカルボン酸、又はメロファン酸 、プレーニト酸 、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、ジフェニルメタンテトラカルボン酸、ペリレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、ベンジジン−3,3'−ジカルボキシル−N,N'−四酢酸、ジフェニルプロパンテトラカルボン酸、フタロシアニンテトラカルボン酸等の芳香族テトラカルボン酸等が例示される。 これらポリカルボン酸の中でも特に、工業的に入手容易であり、最終的に得られるアミド化合物の有用性から、1,2,3−プロパントリカルボン酸、又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、トリメシン酸が好ましい。 <水酸基を有する化合物> 上記一般式(5)で表される水酸基化合物は、フェノール性水酸基を有する炭素数6〜18のフェノール化合物又は、水酸基を有する複素環化合物である。これら水酸基を有する化合物化合物は夫々、無置換、あるいはアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基等のその他の置換基を有してもよい。 上記フェノール化合物としては、エチルフェノール 、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール 、4−n−プロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、4−n−ブチルフェノール、4−イソブチルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−メトキシフェノール、4−フェニルフェノール、4−フェノキシフェノール、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2,4,6−トリニトロフェノール、ペンタフルオロフェノール、ナフトール等が例示される。 上記複素環化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジン、2−アミノ−3−ヒドロキシピリジン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N-ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、ハロゲン化ピリジノール等が例示される。 上記、一般式(5)で表される化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。上記フェノール化合物のなかでも、入手の容易さや、エステル化合物にした時の活性の観点から、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、及びp−クレゾールが好ましい。<好ましいポリカルボン酸ポリアリールエステル> 上記一般式(5)で表されるポリカルボン酸ポリアリールエステル化合物のなかでも、1,2,3−プロパントリカルボン酸エステルとしては、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリフェニルエステル、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルフェニルエステル)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(3−メチルフェニルエステル)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(4−メチルフェニルエステル)が好ましい。 上記一般式(5)で表されるポリカルボン酸ポリアリールエステル化合物のなかでも、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸エステルとしては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラフェニルエステル、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルフェニルエステル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−メチルフェニルエステル)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(4−メチルフェニルエステル)が好ましい。 上記一般式(5)で表されるポリカルボン酸ポリアリールエステル化合物のなかでも、トリメシン酸エステルとしては、トリメシン酸トリフェニルエステル、トリメシン酸トリス(2−メチルフェニルエステル)、トリメシン酸トリス(3−メチルフェニルエステル)トリメシン酸トリス(4−メチルフェニルエステル)等が好ましい。 <アルキル置換シクロヘキシルアミン> 本発明における下記一般式(3)[式中、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]アルキル置換シクロヘキシルアミンにおいて、R2、R3で表される炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基を例示できる。これらの中でも、炭素数1〜3のアルキル基、特に、メチル基、エチル基、n−プロピル、i−プロピル基が好ましい。 また、R2及びR3の一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜4のアルキル基、特にメチル基、エチル基、n−プロピル、i−プロピル基であるのが好ましい。その場合、アルキル基の置換位置は特に限定されないが、好ましくは、アミノ基に対して2位又は4位であるのが好ましい。また、R2及びR3の双方が水素原子であるのも好ましい。 これら一般式(3)で表されるアルキル置換シクロヘキシルアミンは、いずれも公知で入手容易であるか又は公知方法により容易に製造できる化合物である。 一般式(3)で表されるアルキル置換シクロヘキシルアミンとしては、アルキル基の置換位置は特に限定されることはなく、具体的には、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2,3−ジメチルシクロヘキシルアミン、2,4−ジメチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、3−エチルシクロヘキシルアミン、4−エチルシクロヘキシルアミン、2−n−プロピルシクロヘキシルアミン、3−n−プロピルシクロヘキシルアミン、4−n−プロピルシクロヘキシルアミン、2−iso−プロピルシクロヘキシルアミン、3−iso−プロピルシクロヘキシルアミン、4−iso−プロピルシクロヘキシルアミン、2−n−ブチルシクロヘキシルアミン、3−n−ブチルシクロヘキシルアミン、4−n−ブチルシクロヘキシルアミン、2−iso−ブチルシクロヘキシルアミン、3−iso−ブチルシクロヘキシルアミン、4−iso−ブチルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、3−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、4−tert−ブチルシクロヘキシルアミン、ドデシルシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルメチルアミン、2−メチルシクロヘキシルメチルアミン、3−メチルシクロヘキシルメチルアミン、4−メチルシクロヘキシルメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルメチルアミン、トリメチルシクロヘキシルメチルアミン、メトキシシクロヘキシルメチルアミン、エトキシシクロヘキシルメチルアミン、ジメトキシシクロヘキシルメチルアミン、メトキシシクロヘキシルエチルアミン、ジメトキシシクロヘキシルエチルアミン、メチルシクロヘキシルプロピルアミン等が挙げられ、なかでも特に、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミンが好ましい。尚、これらのアルキル置換シクロヘキシルアミンは、また立体異性体混合物のまま用いてもよく、特に限定されるものではない。 これらのアルキル置換シクロヘキシルアミンは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。従って、本明細書及び請求の範囲において、一般式(1)におけるn個のカルバモイル基は、同一又は異なっていてもよい。 [ポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)] 本発明方法により製造されるポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)として、具体的には、トリカルボン酸トリス(アルキル置換シクロヘキシルアミド)及びテトラカルボン酸テトラキス(アルキル置換シクロヘキシルアミド)が挙げられる。 トリカルボン酸トリス(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の好ましい具体例としては、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(3−メチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(3,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−ブタントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,3−ブタントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−ペンタントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,3−ペンタントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,4−ペンタントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,5−ペンタントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,5−ペンタントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,3,4−ペンタントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,3,4−ペンタントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ペンタントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,3,5−ペンタントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、2,3,4−ペンタントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、2,3,4−ペンタントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,1,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,1,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,3,5−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,3,5−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,3,3−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,3,3−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,4−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,4−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、2,4,4−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、2,4,4−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,4,5−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,4,5−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,3,4−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,3,4−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、2,3,5−ヘキサントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,4,8−オクタントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,4,8−オクタントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,5,10−ノナントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,5,10−ノナントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、トリメシン酸トリヘキシルアミド、トリメシン酸トリドデシルアミド、トリメシン酸トリオクタデシルアミド、トリメシン酸トリアニリド、トリメシン酸トリシクロヘキシルアミド、トリメシン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、トリメシン酸トリス(4−ブチルアニリド)等が挙げられる。 テトラカルボン酸テトラキス(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の好ましい具体例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,5−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3,5−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,5−ペンタンテトラカルボンテトラキス(シクロヘキシルアミド)酸、1,2,3,5−ペンタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,5,6−ヘキサンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)、1,2,5,6−ヘキサンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,6,7−ヘプタンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)、1,2,6,7−ヘプタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,2,3−プロパンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)、1,2,2,3−プロパンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)等が挙げられる。 これらのうち、工業的有用性を考慮すると、トリカルボン酸トリス(アルキル置換シクロヘキシルアミド)としては、具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(3−メチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(3,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)、中でも1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、トリメシン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、又はトリメシン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)が特に好ましい。 テトラカルボン酸テトラキス(アルキル置換シクロヘキシルアミド)としては、具体的には、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,5−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3,5−ジメチルシクロヘキシルアミド)が好ましく、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)が特に好ましい。[ポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法] 本発明のポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)は、ポリカルボン酸ポリアリールエステルとアルキル置換シクロヘキシルアミンとを無触媒下又は必要に応じて酸触媒下で加熱してエステル・アミド交換反応せしめることにより製造することができる。 アルキル置換シクロヘキシルアミンは、ポリカルボン酸ポリアリールエステルに対し、通常、3〜50倍モル、好ましくは3〜15倍モル程度用いられる。 本発明における反応は、無溶媒系でも行うことができるが、目的物の単離、精製が容易となることから、通常、反応溶媒中で行われる。 上記反応溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に限定されず、具体的には、ヘプタン、オクタン、デカンなどの飽和脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのベンゼン系炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、n−プロピルシクロヘキサン、エチルメチルシクロヘキサンイ等の脂環族炭化水素、ジオキサン、ジグライム、アニソールなどのエーテルの他、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が用いられ、特に脂環族炭化水素、ベンゼン系炭化水素が推奨される。 その溶媒量は、特に限定されるものではないが、通常、ポリカルボン酸ポリアリールエステルに対して0.5〜50倍重量、好ましくは1〜20倍重量程度用いられる。 又、上記反応溶媒の代わりに過剰量のアルキル置換シクロヘキシルアミン自体を溶媒として用いることもできる。このときのアミンの使用量はポリカルボン酸ポリアリールエステルに対し、通常、5倍〜50倍モル、好ましくは5〜10倍モル程度である。 反応温度としては、通常、50〜180℃であって、80〜170℃が好ましい。50℃未満では所定の反応が進みにくく、一方、180℃を越える温度では分子内イミド化反応が副反応として起きる結果、何れの場合も目的物の収率が低くなる傾向が認められる。 反応時間としては、通常、2〜30時間程度であって、10〜20時間程度が好ましい。反応は、加圧下又は減圧下でも実施できるが、通常、常圧下、窒素、アルゴンなど、不活性ガス雰囲気下又は気流下で行うことが好ましい。 又、上記エステル・アミド交換反応において、酸化スズ、テトラ−n−ブトキシチタネート、テトラ−iso−プロポキシチタネートなどの酸触媒を用いることもできるものの、無触媒系の方が生成物の着色などを惹起しないため有利である。 上記酸触媒の使用量は、ポリカルボン酸ポリアリールエステルに対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜1重量%程度である。 反応系内において析出したポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)を濾過後、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素、又はトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素(特に好ましくはアルコール系溶媒)で洗浄することにより、容易に高純度の目的物を得ることができる。これらの洗浄溶媒は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。さらに、金属触媒を用いた場合は、必要に応じて水又は水/アルコール混合溶媒を用いることもできる。 一方、目的物を濾過して得られた反応母液は、必要に応じて、ポリカルボン酸ポリアリールエステル又はアルキル置換シクロヘキシルアミンを加え、再びエステルアミド交換反応に供することができる。 以下、実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。尚、各例における反応生成物が目的とするポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)であることは、赤外吸収スペクトル分析、融点、有機元素分析によって確認した。1)赤外吸収スペクトル FT−IR装置(商品名「Spectrum One」、パーキンエルマー社製)を用いて、ATR(全拡散反射)法により測定した。 2)元素分析 CE Instruments社製EA1110型を用いて測定した。3)融点(℃) 示差走査熱量計(商品名「DSC−50」、島津製作所製)を用いて、以下の条件にて測定し、最大吸熱ピークのピークトップ温度とした。但し吸熱ピークが400℃以下で観測されなかった場合、融点を400℃以上とした。 窒素流量:30ml/分、昇温速度:10℃/分、試料重量:5mg、標準試料:シリカゲル5mg。4)GC(ガスクロマトグラフィー)純度(%) 装置:島津製作所製GC−17A カラム:J&W社製DB−1HT0.25mmi.d.×30m(膜厚0.1μm) カラム温度:初期温度250℃(保持時間5min)→10℃/min→300℃→20℃/min→380(保持時間15min) キャリアガス:He,150kPa スピリット比:1/30 検出器:FID インジェクション温度:350℃ 検出器温度:380℃ [実施例1] 温度センサー、攪拌装置を備えた300ml4つ口フラスコに1,2,3−プロパントリカルボン酸トリフェニルエステル20.2g(0.05モル)、シクロヘキシルアミン29.7g(0.3モル)及びトルエン100gを仕込み、反応温度80℃で24時間攪拌した。室温まで冷却後、濾過し、得られた白色固体をイソプロパノール150gで室温下、攪拌洗浄を行った。濾過後、120℃で減圧乾燥を行い、目的とする1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)(白色固体)10.2g(収率48.7%)を得た。得られた白色固体のGC純度は99.7%であり、以下の測定により目的物の構造を有していることを確認した。FT−IR(ATR法):1630、1545、3286cm−1元素分析:測定値 C 68.70、H 10.52、N 9.98計算値 C 68.68、H 10.86、N 10.06融点:309℃[実施例2] 反応温度を100℃、反応時間を8時間とした他は実施例1と同様の操作を行い、目的とする1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)17.3g(収率82.6%)を得た。得られた白色個体は実施例1で得られた白色固体と同等の分析値を示すことを確認した。[実施例3] シクロヘキシルアミン量を99g(1.0モル)に代えて、無溶媒とした他は実施例2と同様の操作を行い、目的とする1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)13.4g(収率64.0%)を得た。得られた白色個体は実施例1で得られた白色固体と同等の分析値を示すことを確認した。 [実施例4] 1,2,3−プロパントリカルボン酸トリフェニルエステルを1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(p−メチルフェニルエステル)22.3g(0.05モル)に変えた他は実施例2と同様に反応、後処理を行い、目的とする1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)12.8g(収率61.2%)を得た。得られた白色個体は実施例1で得られた白色固体と同等の分析値を示すことを確認した。 [実施例5] シクロヘキシルアミンを2−メチルシクロヘキシルアミン33.9g(0.3モル)に、溶媒をエチルシクロヘキサン100gに代えて、反応温度120℃、反応温度8時間とした他は実施例2と同様の操作を行い、目的とする1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)(白色固体)14.7g(収率63.8%)を得た。得られた白色固体のGC純度は99.5%であり、以下の測定により目的物の構造を有していることを確認した。FT−IR(ATR法):1643、1542、3302cm−1元素分析:測定値 C 70.44、H 10.22、N 9.13計算値 C 70.22、H 10.27、N 9.11融点:320℃ [実施例6] 温度センサー、攪拌装置を備えた300ml4つ口フラスコに1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラフェニルエステル26.9g(0.05モル)、シクロヘキシルアミン39.6g(0.4モル)及びトルエン100gを仕込み、反応温度80℃で24時間攪拌した。室温まで冷却後、濾過し、得られた白色固体をイソプロパノール150gで室温下、攪拌洗浄を行った。濾過後、120℃で減圧乾燥を行い、目的とする1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)(白色固体)11.8g(収率42.2%)を得た。得られた白色固体のGC純度は99.4%であり、以下の測定により目的物の構造を有していることを確認した。FT−IR(ATR法):1641cm−1(アミド第1吸収)、1548cm−1(アミド第2吸収) 元素分析: 測定値 C 68.8、H 11.8、N 10.0 計算値 C 69.1、H 10.9、N 9.95 融点:400℃ [実施例7] 溶媒をキシレン100gに代えて、反応温度を140℃、反応時間を8時間とした他は実施例6と同様に反応、後処理を行い目的とする1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)(白色固体)16.8g(収率60.3%)を得た。得られた白色個体は、実施例6で得られた白色固体と同等の分析値を示すことを確認した。 [実施例8] 触媒として、テトラ−n−ブトキシチタネート0.13g(0.5重量%/対アリールエステル)を添加した他は実施例6と同様に反応、後処理を行い、目的とする1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)(白色固体)20g(収率65.4%)を得た。得られた白色個体は、実施例6で得られた白色固体と同等の分析値を示すことを確認した。 [実施例9] シクロヘキシルアミンを2−メチルシクロヘキシルアミン45.2g(0.4モル)に代えて、溶媒をキシレン100g、反応温度を140℃、反応時間を8時間とした他は実施例6と同様に反応、後処理を行い、目的とする1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラキス(2−メチルシクロヘキシルアミド)17.3g(収率56.5%)を得た。得られた白色固体のGC純度は99.5%であり、以下の測定により目的物の構造を有していることを確認した。FT−IR(ATR法):1640cm−1(アミド第1吸収)、1542cm−1(アミド第2吸収) 元素分析:測定値 C70.7 H10.3 N 9.16 計算値 C70.4 H10.1 N 9.12 融点:373℃ [実施例10] 1,2,3−プロパントリカルボン酸トリフェニルエステルに代えて1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリフェニルエステル22.2g(0.05モル)を用いた他は実施例5と同様に反応、後処理を行い、白色固体の1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)15.4g(収率62.1%)を得た。FT−IR(ATR法):3284、1637、1545cm−1元素分析:測定値 C 70.74、H10.10、N 9.20 計算値 C 70.53、H 9.87、N 9.15融点:400℃以上[実施例11] 1,2,3−プロパントリカルボン酸トリフェニルエステルに代えてトリメシン酸トリフェニルエステル21.7g(0.05モル)とした他は実施例5と同様に行い、目的とするトリメシン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)14.9g(収率59.3%)を得た。FT−IR(ATR法):3221、3059、1631、1552cm−1元素分析:測定値 C 72.58、H 9.35、N 8.62計算値 C 72.67、H 9.16、N 8.48点:400℃以上 [比較例1] 温度センサー、攪拌装置を備えた300ml4つ口フラスコに1,2,3−プロパントリカルボン酸トリメチルエステル10.9g(0.05モル)、シクロヘキシルアミン29.7g(0.3モル)及びトルエン100gを仕込み、80℃で24時間攪拌した。反応液のGC及びFT−IR分析の結果、目的とする1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)は、ほとんど生成していなかった。 [比較例2] 1,2,3−プロパントリカルボン酸トリメチルエステルを1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラメチルエステルに代えた他は比較例1と同様に行った。反応液のGC及びFT−IR分析の結果、目的とする1,2,3,4−テトラカルボン酸テトラキス(シクロヘキシルアミド)は、ほとんど生成していなかった。 本発明の製造方法により、従来、その製造に際して非常に高価な高圧設備を用いる必要があったポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)を工業的に有利な条件下で、簡便、且つ効率的に収率よく高純度で製造することが可能となった。このポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)は、優れた熱安定性を示し、ポリプロピレン系樹脂に対して、透明化剤として作用し、優れた透明性を付与することができる。一般式(1)[式中、nは、3又は4の整数を表す。式中、R1は、炭素数3〜10の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の脂環族基又は炭素数6〜30の芳香族基を表す。式中、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]で表されるポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)を製造する方法であって、一般式(2)[式中、R1及びnは、一般式(1)と同義であり、R4は、炭素数6〜18の芳香族基又は炭素数6〜18複素環基を表す。]で表されるポリカルボン酸エステルと一般式(3)[式中、R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。]で表されるアルキル置換シクロヘキシルアミンとを無触媒又は酸触媒存在下で加熱してエステル・アミド交換反応せしめることを特徴とするポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法。R4がフェニル基、3−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、又は4−メチルフェニル基である請求項1に記載のポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法。加熱温度が、50〜180℃である請求項1又は2に記載のポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法。ポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)が、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(シクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(3−メチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2,3−ジメチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)又は1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(3,4−ジメチルシクロヘキシルアミド)である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。 【課題】 本発明は、非常に優れた耐熱性を有すると共に、PP樹脂の透明化核剤を始めとして種々の用途が期待される3価又は4価のポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)を工業的に有利な条件で、高純度且つ高収率で得ることができる製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリカルボン酸ポリアリールエステル又はポリカルボン酸ポリ複素環エステル、とアルキル置換シクロヘキシルアミンとを無触媒下又は酸触媒存在下で加熱してエステル・アミド交換反応せしめることを特徴とするポリカルボン酸ポリ(アルキル置換シクロヘキシルアミド)の製造方法。