生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_摩擦係数測定装置
出願番号:2006145242
年次:2007
IPC分類:G01N 19/02


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梶川 研二 JP 2007315893 公開特許公報(A) 20071206 2006145242 20060525 摩擦係数測定装置 三ツ星ベルト株式会社 000006068 梶川 研二 G01N 19/02 20060101AFI20071109BHJP JPG01N19/02 C 2 1 OL 6 本発明はVベルト、Vリブドベルト、平ベルト等の摩擦伝動ベルトの摩擦係数測定装置に係り、詳しくは伝動ベルトの状態で、且つ伝動ベルトとプーリ間のすべり速度を任意の速度に条件設定できる摩擦係数測定装置に関する。 従来技術の摩擦係数測定装置はベルトを無端状態で走行させ、このときの測定値に基づいて動摩擦係数を算出する動摩擦係数測定装置であって、特許文献1及び2に詳細に開示されている。 即ち、特許文献1に示した摩擦係数測定装置は、伝動ベルトを駆動プーリ、従動プーリ、アイドラープーリに懸架し、従動プーリの回転を固定(ロック)した状態で駆動プーリを回転させ、伝動ベルトと従動プーリ間に作用する摩擦負荷トルクを駆動プーリの軸と駆動源であるモータの間に配置したトルク検出器によって測定し、最終的には駆動プーリと伝動ベルト間の動摩擦係数を測定する装置である。 前記動摩擦係数の測定条件である駆動プーリと伝動ベルト間のすべり速度条件を求めるためには、駆動プーリの周速度とベルト速度を測定する必要がある。即ち、駆動プーリ及びアイドラープーリの回転速度を測定し、これをプーリ周速度及びベルト速度に換算し、この速度差をすべり速度とすることができる。 また、特許文献2に示した摩擦係数測定装置は、モータと駆動プーリ及びモータと従動プーリ間に設けた伝動装置の回転比に所定の差異を設定し、これによって駆動プーリと従動プーリの周速度を強制的に違える方法である。 その他、従来技術に係る摩擦係数測定装置としては、ベルトを所定の長さに切断し、切断されたベルトの一端を、ロードセルを介してフレームに固定し、もう一方のベルト端は回転可能なプーリに略直角に巻き掛け、その端末には重錘を吊り下げる構成の摩擦係数測定装置がある。しかし、この方法はプーリを任意の回転速度で回転させることを可能にするが、ベルトを切断しなければならない欠点がある。特開2000−105188号公報特願2000−105189号公報 しかし、特許文献1に示した摩擦係数測定装置は、2本のプーリの回転速度を測定し、減算によってすべり速度を求める方法であるから、この計算値は2本のプーリの回転数測定誤差を含む。しかも、この方法は速度差を計算して始めてすべり速度が判る方法であるから、事前に駆動プーリと伝動ベルト間のすべり速度を任意に条件設定することはできない問題があった。また、特許文献2に示した摩擦係数測定装置においても、従動プーリと伝動ベルト間のすべり速度を任意に設定することはできなかった。 更に、従動プーリの回転を固定(ロック)するために、伝動ベルトと従動プーリ間で発生した摩耗と摩擦熱がこの従動プーリの一ヶ所に集中し、従動プーリの表面層が剥離するという問題があった。 本発明は、このような問題点を改善するものであり、従動プーリと伝動ベルト間のすべり速度を任意に設定して、正確に動摩擦係数を測定することができる摩擦係数測定装置を提供することを目的とする。 即ち、本願請求項1記載の発明は、複数のプーリとそれに巻き掛けられて走行する伝動ベルトで構成される摩擦係数測定装置において、上記プーリは、駆動機構を備えるとともに負荷トルク(Tq)を測定できる従動プーリと、ベルト速度(Vi)を測定するアイドラープーリと、伝動ベルトの弛み側張力(T2)を設定するテンションプーリと、任意のベルト速度(Vi)で伝動ベルトを走行させる駆動プーリからなり、上記駆動プーリと従動プーリとを起動時そして/もしくは停止時に同期回転制御を可能として従動プーリと伝動ベルト間に滑りが生じないように、しかも駆動側を増速させた際に従動側を一定速に維持できるようにした構成からなり、テンションプーリで測定した弛み側張力(T2)と従動プーリで測定した負荷トルク(Tq)を求め、オイラーの公式を用いて従動プーリと伝動ベルト間の動摩擦係数(μ)を算出する摩擦係数測定装置にある。 本願請求項2記載の発明は、従動側を一定速に維持できるように、駆動機構としてギアードモータを使用する摩擦係数測定装置にある。 本発明の摩擦係数測定装置では、従動プーリに作用する摩擦負荷トルクを、従動プーリ軸に設けたトルク検出器によって測定するものであり、従動プーリに作用する負荷トルクを、そのまま従動プーリの伝達トルクにすることができる。そして、従動プーリに作用するベルト摩擦に起因する負荷トルクのみを従動プーリに具備したトルク検出器によって測定できるから、テンションプーリで弛み側張力(T2)を測定すれば、張り側張力(T1)が求まり、これとオイラーの公式から、伝動ベルトと従動プーリ間の動摩擦係数を容易且つ極めて正確に求めることができる。また、本装置の起動時および停止時においては駆動軸と従動軸を同期回転させることにより伝動ベルトと従動プーリ間に強制的な滑りを回避できるために、従動プーリ表面層の損傷を軽減できる。 そして、従動側を一定速に維持した状態で、駆動側を増速させることにより駆動側と従動側の相対速度が変化し、伝動ベルトと従動プーリ間のすべり速度を調節できる。このときのすべり速度は、アイドラープーリの回転速度(=換算ベルト速度)のみを測定すればその速度がすべり速度となる。よって、前記駆動側と従動側のモータの速度を制御することによって、任意のすべり速度を容易且つ正確に設定することが可能になる。 以下、図面に基づいて説明する。ここで図1は本発明に係る摩擦係数測定装置を示す概略図であり、図2は本発明に係る摩擦係数測定装置の駆動側と従動側における時間とプーリ速度の関係を示す。 ここで摩擦係数測定装置1は、ベルトを走行させる機械本体部2と、計測部(図示せず)と、動摩擦係数を算出する係数演算部(図示せず)とで構成される。 図1に示すように機械本体部2はベルト8を走行させる駆動プーリ30と、摩擦負荷によってベルト8に負荷トルク(Tq)を付与する従動プーリ40と、ベルト8に張力を付与するテンションプーリ70からなり、そしてアイドラープーリ50、60、80はプーリ30、40、70の各ベルト巻付角を調整している。また、重錘11はプーリ70に連結して弛み側張力T2を設定している。 従動プーリ40に掛かる負荷トルク(Tq)は従動プーリ40側に設けたトルク検出器13によって測定され、またベルト速度はアイドラープーリ80に設けた速度計によって測定される。 駆動プーリ30は任意の速度で回転させるモータ12を装着し、また従動プーリ40も一定速度で回転させるギヤードモータあるいはウオームギヤ等の駆動機構10を備えている。 ここにおいて、上記駆動プーリ30と従動プーリ40とは、本装置1の起動時および/もしくは停止時において同期回転制御が可能になり、これにより従動プーリ40は駆動プーリ30と同時に回転し、従動プーリ40とベルト8間に滑りが生じないようにしている。これはベルト8と従動プーリ40間の強制的な滑りを回避でき、従動プーリ40の表面層(メッキ層、塗布層)の損傷を軽減できるようになっている。 即ち、図2に示すように、予め駆動プーリ30と従動プーリ40とを同じ回転数で回して相対速度をゼロにしながら回転数を増加させた後、従動プーリ40の回転数を一定に維持しながら駆動プーリ30の回転数を増速させ、従動プーリ40とベルト8間に作用する負荷トルクをトルク検出器13で測定する。このときの負荷トルクは、以下の式(1)、(2)を満足させる条件に収束する。 即ち、(1)オイラーの式T1/T2=eμθ、及び(2)有効張力Fp=T1−T2 上記動摩擦係数(μ)は、プーリ70に具備された重錘の重量から、最初に弛み側張力T2(=W/2)が求まり、次いで有効張力(Fp)が、トルク検出器で測定した負荷トルクと(Tq)と従動プーリ40のピッチ径(D2)から、次式、Fp=2×Tq/D2、より求まる。更に、張り側張力(T1)は次式、T1=W/2+2×Tq/D2、より求まるから、最後にオイラーの式、(1)T1/T2=eμθに、ベルト張力T1、T2、及び従動プーリ40の巻付け角(θ2)を代入すれば、μ=(1/θ2)×LOGe(T1/T2)となって、動摩擦係数(μ)が演算で求まる。 このとき、従動プーリ40の回転速度(V2)は、一定速度に維持され、一方アイドラープーリ80は負荷が掛からないため、ノースリップで自由回転する。このアイドラープーリ80の回転数(Ni)とプーリのピッチ径(Di)が判れば、ベルト8の走行速度Vi(=π×Di×Ni)が求まる。従動プーリ40のプーリ外周面上においては、ベルト8とプーリ面のすべり速度(S)は、Vi−V2となる。 すべり速度(S)はベルト速度(Vi)と従動プーリ40のプーリ周速度の差で定義されるから、従動プーリ40の回転速度(V2)が一定となる本例の場合には、すべり速度(S)は、S=Vi−V2となる。 以上のことから、駆動プーリ30の回転数をモータ12の回転制御によって、所定の回転速度範囲に加減速運転すれば、従動プーリ40上での伝動ベルト8のすべり速度(S)と、このときの動摩擦係数(μ)の相関データを自動的に収集することができる。 本発明に係る摩擦係数測定装置は、Vリブドベルトで代表される摩擦伝動ベルトの動摩擦係数の測定に利用されるものであって、とりわけ、無端伝動ベルト状で動摩擦係数の測定を可能にし、且つ伝動ベルト状での走行時に任意のすべり速度(S)を設定することが可能であるから、ベルトを切断することなく、ベルト特性の経時的評価を可能にすると共に、正確且つ極めて容易にすべり速度と動摩擦係数の相関データの作成を可能にする。本発明に係る摩擦係数測定装置を示す概略図である。本発明に係る摩擦係数測定装置の駆動側と従動側におけるプーリ速度と時間の関係を示すグラフである。符号の説明1 摩擦係数測定装置2 機械本体部8 伝動ベルト10 駆動機構11 重錘12 モータ13 トルク検出器30 駆動プーリ40 従動プーリ50 アイドラープーリ60 アイドラープーリ70 テンションプーリ80 アイドラープーリT1 張り側張力T2 弛み側張力複数のプーリとそれに巻き掛けられて走行する伝動ベルトで構成される摩擦係数測定装置において、上記プーリは、駆動機構を備えるとともに負荷トルク(Tq)を測定できる従動プーリと、ベルト速度(Vi)を測定するアイドラープーリと、伝動ベルトの弛み側張力(T2)を設定するテンションプーリと、任意のベルト速度(Vi)で伝動ベルトを走行させる駆動プーリからなり、上記駆動プーリと測定対象となる従動プーリとを起動時および/もしくは停止時に同期回転制御を可能として従動プーリと伝動ベルト間に滑りが生じないようにし、しかも駆動側を増速させた際に従動側を一定速に維持できるようにした構成からなり、テンションプーリで測定した弛み側張力(T2)と従動プーリで測定した負荷トルク(Tq)を求め、オイラーの公式を用いて従動プーリと伝動ベルト間の動摩擦係数(μ)を算出することを特徴とする摩擦係数測定装置。従動側を一定速に維持できるように、駆動機構としてギアードモータを使用する請求項1記載の摩擦係数測定装置。 【課題】従動プーリと伝動ベルト間のすべり速度を任意に設定して、正確に動摩擦係数を測定することができる摩擦係数測定装置を提供することを目的とする。【解決手段】複数のプーリとそれに巻き掛けられて走行する伝動ベルトで構成される摩擦係数測定装置において、上記プーリは、駆動機構10を備えるとともに負荷トルク(Tq)を測定できる従動プーリ40と、ベルト速度(Vi)を測定するアイドラープーリ80と、ベルトの弛み側張力(T2)を設定するテンションプーリ70と、任意のベルト速度(Vi)でベルトを走行させる駆動プーリ30からなり、上記駆動プーリ30と従動プーリ40とを起動時もしくは停止時に同期回転制御を可能とし、しかも駆動側を増速させた際に従動側を一定速に維持できるようにした構成からなり、従動プーリ40と伝動ベルト8間の動摩擦係数(μ)を算出する。【選択図】図1


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特許公報(B2)_摩擦係数測定装置

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_摩擦係数測定装置
出願番号:2006145242
年次:2011
IPC分類:G01N 19/02


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梶川 研二 JP 4808078 特許公報(B2) 20110826 2006145242 20060525 摩擦係数測定装置 三ツ星ベルト株式会社 000006068 梶川 研二 20111102 G01N 19/02 20060101AFI20111013BHJP JPG01N19/02 C G01N17/00−19/10 G01N 3/00− 3/62 特開2002−236089(JP,A) 特開2000−105189(JP,A) 特開昭62−075330(JP,A) 2 2007315893 20071206 6 20090525 樋口 宗彦 本発明はVベルト、Vリブドベルト、平ベルト等の摩擦伝動ベルトの摩擦係数測定装置に係り、詳しくは伝動ベルトの状態で、且つ伝動ベルトとプーリ間のすべり速度を任意の速度に条件設定できる摩擦係数測定装置に関する。 従来技術の摩擦係数測定装置はベルトを無端状態で走行させ、このときの測定値に基づいて動摩擦係数を算出する動摩擦係数測定装置であって、特許文献1及び2に詳細に開示されている。 即ち、特許文献1に示した摩擦係数測定装置は、伝動ベルトを駆動プーリ、従動プーリ、アイドラープーリに懸架し、従動プーリの回転を固定(ロック)した状態で駆動プーリを回転させ、伝動ベルトと従動プーリ間に作用する摩擦負荷トルクを駆動プーリの軸と駆動源であるモータの間に配置したトルク検出器によって測定し、最終的には駆動プーリと伝動ベルト間の動摩擦係数を測定する装置である。 前記動摩擦係数の測定条件である駆動プーリと伝動ベルト間のすべり速度条件を求めるためには、駆動プーリの周速度とベルト速度を測定する必要がある。即ち、駆動プーリ及びアイドラープーリの回転速度を測定し、これをプーリ周速度及びベルト速度に換算し、この速度差をすべり速度とすることができる。 また、特許文献2に示した摩擦係数測定装置は、モータと駆動プーリ及びモータと従動プーリ間に設けた伝動装置の回転比に所定の差異を設定し、これによって駆動プーリと従動プーリの周速度を強制的に違える方法である。 その他、従来技術に係る摩擦係数測定装置としては、ベルトを所定の長さに切断し、切断されたベルトの一端を、ロードセルを介してフレームに固定し、もう一方のベルト端は回転可能なプーリに略直角に巻き掛け、その端末には重錘を吊り下げる構成の摩擦係数測定装置がある。しかし、この方法はプーリを任意の回転速度で回転させることを可能にするが、ベルトを切断しなければならない欠点がある。特開2000−105188号公報特願2000−105189号公報 しかし、特許文献1に示した摩擦係数測定装置は、2本のプーリの回転速度を測定し、減算によってすべり速度を求める方法であるから、この計算値は2本のプーリの回転数測定誤差を含む。しかも、この方法は速度差を計算して始めてすべり速度が判る方法であるから、事前に駆動プーリと伝動ベルト間のすべり速度を任意に条件設定することはできない問題があった。また、特許文献2に示した摩擦係数測定装置においても、従動プーリと伝動ベルト間のすべり速度を任意に設定することはできなかった。 更に、従動プーリの回転を固定(ロック)するために、伝動ベルトと従動プーリ間で発生した摩耗と摩擦熱がこの従動プーリの一ヶ所に集中し、従動プーリの表面層が剥離するという問題があった。 本発明は、このような問題点を改善するものであり、従動プーリと伝動ベルト間のすべり速度を任意に設定して、正確に動摩擦係数を測定することができる摩擦係数測定装置を提供することを目的とする。 即ち、本願請求項1記載の発明は、駆動プーリ、従動プーリ、テンションプーリ、そしてアイドラープーリと、これらの各プーリに巻き掛けられた状態で係合して走行する伝動ベルトで構成される摩擦係数測定装置において、上記プーリは、駆動機構を備えるとともに負荷トルク(Tq)を測定できる従動プーリと、ベルト速度(Vi)を測定するアイドラープーリと、伝動ベルトの弛み側張力(T2)を設定するテンションプーリと、任意のベルト速度(Vi)で伝動ベルトを走行させる駆動プーリからなり、上記駆動プーリと従動プーリとを起動時そして/もしくは停止時に同期回転制御を可能として従動プーリと伝動ベルト間に滑りが生じないように、しかも駆動側を増速させた際に従動側を一定速に維持できるようにした構成からなり、テンションプーリで測定した弛み側張力(T2)と従動プーリで測定した負荷トルク(Tq)を求め、オイラーの公式を用いて従動プーリと伝動ベルト間の動摩擦係数(μ)を算出する摩擦係数測定装置にある。 本願請求項2記載の発明は、従動側を一定速に維持できるように、駆動機構としてギアードモータを使用する摩擦係数測定装置にある。 本発明の摩擦係数測定装置では、従動プーリに作用する摩擦負荷トルクを、従動プーリ軸に設けたトルク検出器によって測定するものであり、従動プーリに作用する負荷トルクを、そのまま従動プーリの伝達トルクにすることができる。そして、従動プーリに作用するベルト摩擦に起因する負荷トルクのみを従動プーリに具備したトルク検出器によって測定できるから、テンションプーリで弛み側張力(T2)を測定すれば、張り側張力(T1)が求まり、これとオイラーの公式から、伝動ベルトと従動プーリ間の動摩擦係数を容易且つ極めて正確に求めることができる。また、本装置の起動時および停止時においては駆動軸と従動軸を同期回転させることにより伝動ベルトと従動プーリ間に強制的な滑りを回避できるために、従動プーリ表面層の損傷を軽減できる。 そして、従動側を一定速に維持した状態で、駆動側を増速させることにより駆動側と従動側の相対速度が変化し、伝動ベルトと従動プーリ間のすべり速度を調節できる。このときのすべり速度は、アイドラープーリの回転速度(=換算ベルト速度)のみを測定すればその速度がすべり速度となる。よって、前記駆動側と従動側のモータの速度を制御することによって、任意のすべり速度を容易且つ正確に設定することが可能になる。 以下、図面に基づいて説明する。ここで図1は本発明に係る摩擦係数測定装置を示す概略図であり、図2は本発明に係る摩擦係数測定装置の駆動側と従動側における時間とプーリ速度の関係を示す。 ここで摩擦係数測定装置1は、ベルトを走行させる機械本体部2と、計測部(図示せず)と、動摩擦係数を算出する係数演算部(図示せず)とで構成される。 図1に示すように機械本体部2はベルト8を走行させる駆動プーリ30と、摩擦負荷によってベルト8に負荷トルク(Tq)を付与する従動プーリ40と、ベルト8に張力を付与するテンションプーリ70からなり、そしてアイドラープーリ50、60、80はプーリ30、40、70の各ベルト巻付角を調整している。また、重錘11はプーリ70に連結して弛み側張力T2を設定している。 従動プーリ40に掛かる負荷トルク(Tq)は従動プーリ40側に設けたトルク検出器13によって測定され、またベルト速度はアイドラープーリ80に設けた速度計によって測定される。 駆動プーリ30は任意の速度で回転させるモータ12を装着し、また従動プーリ40も一定速度で回転させるギヤードモータあるいはウオームギヤ等の駆動機構10を備えている。 ここにおいて、上記駆動プーリ30と従動プーリ40とは、本装置1の起動時および/もしくは停止時において同期回転制御が可能になり、これにより従動プーリ40は駆動プーリ30と同時に回転し、従動プーリ40とベルト8間に滑りが生じないようにしている。これはベルト8と従動プーリ40間の強制的な滑りを回避でき、従動プーリ40の表面層(メッキ層、塗布層)の損傷を軽減できるようになっている。 即ち、図2に示すように、予め駆動プーリ30と従動プーリ40とを同じ回転数で回して相対速度をゼロにしながら回転数を増加させた後、従動プーリ40の回転数を一定に維持しながら駆動プーリ30の回転数を増速させ、従動プーリ40とベルト8間に作用する負荷トルクをトルク検出器13で測定する。このときの負荷トルクは、以下の式(1)、(2)を満足させる条件に収束する。 即ち、(1)オイラーの式T1/T2=eμθ、及び(2)有効張力Fp=T1−T2 上記動摩擦係数(μ)は、プーリ70に具備された重錘の重量から、最初に弛み側張力T2(=W/2)が求まり、次いで有効張力(Fp)が、トルク検出器で測定した負荷トルクと(Tq)と従動プーリ40のピッチ径(D2)から、次式、Fp=2×Tq/D2、より求まる。更に、張り側張力(T1)は次式、T1=W/2+2×Tq/D2、より求まるから、最後にオイラーの式、(1)T1/T2=eμθに、ベルト張力T1、T2、及び従動プーリ40の巻付け角(θ2)を代入すれば、μ=(1/θ2)×LOGe(T1/T2)となって、動摩擦係数(μ)が演算で求まる。 このとき、従動プーリ40の回転速度(V2)は、一定速度に維持され、一方アイドラープーリ80は負荷が掛からないため、ノースリップで自由回転する。このアイドラープーリ80の回転数(Ni)とプーリのピッチ径(Di)が判れば、ベルト8の走行速度Vi(=π×Di×Ni)が求まる。従動プーリ40のプーリ外周面上においては、ベルト8とプーリ面のすべり速度(S)は、Vi−V2となる。 すべり速度(S)はベルト速度(Vi)と従動プーリ40のプーリ周速度の差で定義されるから、従動プーリ40の回転速度(V2)が一定となる本例の場合には、すべり速度(S)は、S=Vi−V2となる。 以上のことから、駆動プーリ30の回転数をモータ12の回転制御によって、所定の回転速度範囲に加減速運転すれば、従動プーリ40上での伝動ベルト8のすべり速度(S)と、このときの動摩擦係数(μ)の相関データを自動的に収集することができる。 本発明に係る摩擦係数測定装置は、Vリブドベルトで代表される摩擦伝動ベルトの動摩擦係数の測定に利用されるものであって、とりわけ、無端伝動ベルト状で動摩擦係数の測定を可能にし、且つ伝動ベルト状での走行時に任意のすべり速度(S)を設定することが可能であるから、ベルトを切断することなく、ベルト特性の経時的評価を可能にすると共に、正確且つ極めて容易にすべり速度と動摩擦係数の相関データの作成を可能にする。本発明に係る摩擦係数測定装置を示す概略図である。本発明に係る摩擦係数測定装置の駆動側と従動側におけるプーリ速度と時間の関係を示すグラフである。符号の説明1 摩擦係数測定装置2 機械本体部8 伝動ベルト10 駆動機構11 重錘12 モータ13 トルク検出器30 駆動プーリ40 従動プーリ50 アイドラープーリ60 アイドラープーリ70 テンションプーリ80 アイドラープーリT1 張り側張力T2 弛み側張力 駆動プーリ、従動プーリ、テンションプーリ、そしてアイドラープーリと、これらの各プーリに巻き掛けられた状態で係合して走行する伝動ベルトで構成される摩擦係数測定装置において、上記プーリは、駆動機構を備えるとともに負荷トルク(Tq)を測定できる従動プーリと、ベルト速度(Vi)を測定するアイドラープーリと、伝動ベルトの弛み側張力(T2)を設定するテンションプーリと、任意のベルト速度(Vi)で伝動ベルトを走行させる駆動プーリからなり、上記駆動プーリと測定対象となる従動プーリとを起動時および/もしくは停止時に同期回転制御を可能として従動プーリと伝動ベルト間に滑りが生じないようにし、しかも駆動側を増速させた際に従動側を一定速に維持できるようにした構成からなり、テンションプーリで測定した弛み側張力(T2)と従動プーリで測定した負荷トルク(Tq)を求め、オイラーの公式を用いて従動プーリと伝動ベルト間の動摩擦係数(μ)を算出することを特徴とする摩擦係数測定装置。従動側を一定速に維持できるように、駆動機構としてギアードモータを使用する請求項1記載の摩擦係数測定装置。


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