生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_肌症状改善用組成物
出願番号:2006144991
年次:2007
IPC分類:A61K 8/35,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

三竿 京子 横幕 敦司 尾本 典隆 JP 2007314453 公開特許公報(A) 20071206 2006144991 20060525 肌症状改善用組成物 ライオン株式会社 000006769 小島 隆司 100079304 重松 沙織 100114513 小林 克成 100120721 石川 武史 100124590 三竿 京子 横幕 敦司 尾本 典隆 A61K 8/35 20060101AFI20071109BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20071109BHJP JPA61K8/35A61Q19/00 1 OL 21 4C083 4C083AC102 4C083AC211 4C083AC212 4C083AC482 4C083AD112 4C083BB41 4C083CC04 4C083DD23 4C083DD27 4C083EE06 4C083EE12 本発明は、ヘリオトロピンを含有する肌症状改善用組成物に関するものである。 女性にとって、「いつまでも美しく、若々しくありたい」という望みは普遍かつ永遠のものである。現在では男性にもその傾向があり、それに対する様々な製品が存在している。これまで化粧品業界では、これらの望みを叶えるべく、様々な成分を用いて肌荒れ、肌色改善、しわ改善等の試みがなされている。 また、香料成分により肌症状を改善する試みは、肌色改善(特許文献1:特開2004−175951号公報参照)、表情しわ抑制(特許文献2:特開2004−277407号公報参照)、皮膚免疫機能調節(特許文献3:特開2003−206237号公報参照)等種々なされているが、肌症状の改善効果は不十分であった。以上のことから、優れた肌症状の改善効果を有するものが望まれていた。特開2004−175951号公報特開2004−277407号公報特開2003−206237号公報 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、優れた肌症状の改善効果を有する肌症状改善用組成物を提供することを目的とする。 本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、ヘリオトロピンに、特に肌荒れ、肌の血色、肌のキメ状態に対して優れた改善効果があることを見出し、本発明をなすに至ったものである。 従って、本発明はヘリオトロピンを含有する肌症状改善用組成物を提供する。 本発明は、ヘリオトロピンを含有する肌症状改善用組成物とすることで、肌荒れ、肌の血色、肌のキメ状態に対して優れた改善を図ることができる。 本発明に用いられるヘリオトロピン(3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド)は香料成分であり、合成により得られたものでも、天然物からの抽出、精製により得られたものでもどちらでもよい。香料組成物中におけるヘリオトロピンの配合量は、効果が発現される濃度によって規定され、使用する形態によっても有効濃度が変化するが、香料組成物中に20質量%を超える量が好ましく、より好ましくは25質量%以上である。配合量が少なすぎると個人差又は使用する形態によっては効果が得られない場合がある。配合量の上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。なお、香料組成物とは、香料成分のみからなる組成物をいう。 肌症状改善用組成物中には、エタノール、ジプロピレングリコール等の香料用溶剤、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンEとその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等の香料安定化剤を配合してもよい。 香料組成物にはヘリオトロピン以外の香料成分を組合せて使用することができる。ヘリオトロピン以外の香料成分としては、天然香料でも合成香料でも使用することができる。特にクマリン、アンブロキサン、リモネン、アンブレトン、リナロール、フェニルエチルアルコール、安息香酸ベンジル、オイゲノール、サンタロール、酢酸リナリルを併用することが好ましく、より好ましくはクマリン、アンブロキサンである。ヘリオトロピンと上記香料成分との香料組成物中の濃度は、ヘリオトロピンが20質量%を超える量であり、上記香料成分80質量%未満が好ましく、より好ましくはヘリオトロピン25質量%以上であり、上記香料成分75質量%以下であり、さらに好ましくはヘリオトロピン30質量%以上であり、上記香料成分70質量%以下である。なお、上記香料成分の下限は特に限定されないが、0.001質量%を超える量が好ましい。 香料組成物の配合量は、肌症状改善用組成物に対して、0.01〜60質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜50質量%であり、さらに好ましくは0.1〜40質量%である。香料組成物の配合量が少なすぎると、個人差又は使用する形態によっては効果が得られない場合があり、また多すぎると、組成物中への溶解性、保存安定性等に問題が生じる可能性がある。 肌症状改善組成物中には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分以外の任意成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。例えば、エタノール、水、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、イソプロパノール等の溶剤、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤、糖系、アクリル系、ビニル系、メタクリル酸系等の天然又は合成の高分子化合物、オリーブスクワラン、オリーブ油、ヒマワリ油、亜麻仁油、椿油、スクワラン、流動パラフィン、ミツロウ、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、シア脂、カカオ脂等の油脂、シリコーン類等の油類、加水分解蛋白、リン脂質等の感触改善剤、ピロリドンカルボン酸塩やヒアルロン酸塩、トレハロース、アミノ酸誘導体、ベタイン、グルコシルルチン等の保湿剤、各種植物エキス、育毛や美白、抗酸化、しわ改善、抗炎症剤、フケ防止剤、リラックス剤、睡眠誘導剤、筋肉増強剤等の各種有効成分、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、着色剤、増粘剤、噴射用ガス等が挙げられる。 本発明に使用される香料成分の肌症状改善効果は、鼻粘膜、口腔粘膜、又は肺あるいは胃から吸収されることにより発現し、また安全性も高いため、本発明の肌症状改善用組成物は、そのような吸収方法を具現化する形態であれば特に制限されない。 従って、本発明の肌症状改善用組成物は、化粧料、口腔用組成物、衣料用組成物、住居関連製品として適用できる。化粧料としては、皮膚化粧料、毛髪用化粧料、入浴剤、香水、美爪剤等が挙げられる。皮膚化粧料としては、身体洗浄剤、制汗剤、化粧水、乳液、美容液、クリーム、ホワイトニング、しわ用美容液、パック、洗顔料、クレンジング剤、マッサージ剤、マスク、シート状マスク、ファンデーション、アイシャドー、リップクリーム、口紅、アイライナー、眉墨、化粧下地等が挙げられる。毛髪用化粧料としては、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアパック、ヘアメイク剤、染毛剤、ブリーチ剤、洗い流さないトリートメント剤、育毛剤、脱毛剤等が挙げられる。入浴剤としては、通常利用される粉末状、タブレット状、液状に加え、バスソルト、バスフラワー、バブルバス、バスオイル等が挙げられる。香水としては、オードパルファム、オードトワレ、スティックタイプ、パームタイプの香水等が挙げられ、美爪剤としては、マニキュア、爪保護剤、着け爪、除光液等が挙げられる。 口腔用組成物としては、歯磨き、歯ブラシ、歯間ブラシ、洗口液、ガム、義歯安定剤、食品用、経口薬剤又は飲料用のフレーバー、食品を調理する際に利用するスパイス等の添加剤、口あるいは鼻から吸引する薬剤等が挙げられる。 衣料用組成物としては、繊維及び皮革製品洗浄剤、しわ取り剤、消臭剤、殺菌抗菌剤、静電気防止剤、防水加工剤、アイロンがけ用品、リネン用処理剤、皮革トリートメント剤等が挙げられる。 住居関連製品としては、住居用洗浄剤、ワックス等のコーティング用製品、住居内の消臭用又は殺菌用製品、食器用洗浄剤等が挙げられる。 その他、一般に利用される芳香剤、アロマキャンドル、アロマオイル、車用芳香剤、トイレ用芳香剤等の芳香剤、線香に利用でき、虫除け、防虫又は殺虫を目的とする組成物にも利用できる。また、絆創膏用組成物、マスク用組成物としても利用可能である。 本発明の肌症状改善用組成物の剤型は制限されることはなく、固形、液状、ジェル状、クリーム状、泡状、霧状等の一般に使用される剤型で使用することができる。肌症状改善用組成物は、上記成分及び残部の水を混合し、各剤型の通常の方法に従って調製することができる。 本発明の肌症状改善用組成物に使用する容器材質又は容器形状についても特に制限は受けない。容器材質として、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ガラス、アルミニウム、ブリキ、アルミ蒸着プラスティックフィルム等が挙げられ、容器形状としては、ボトル容器、ジャー容器、ポンプ容器、チューブ容器、トリガータイプスプレー容器、エアゾールスプレー容器、エアゾールフォーム容器、ポーション容器、パウチ等が挙げられる。 以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%である。 [試験例1] 20代女性35名(平均年齢23.6歳)について、目視の診断で下記の通り「肌荒れスコア」、「肌の血色スコア」、「肌のキメスコア」の点数付けを行った。〈肌荒れスコア〉 5:肌荒れを認めない 4:かすかに肌荒れを認める 3:肌荒れを認める 2:ややひどい肌荒れを認める 1:ひどい肌荒れを認める〈肌の血色スコア〉 5:血色が非常に良い 4:血色が良い 3:血色は良くも悪くもない 2:血色が悪い 1:血色が非常に悪い〈肌のキメスコア〉 4:網目模様が整っている 3:網目模様がやや整っている 2:網目模様にやや方向性がある 1:網目模様に方向性がある 「肌荒れスコア」及び「肌の血色スコア」で4点以上、「肌キメスコア」で3点以上の条件を満たす被験者12名(肌状態良好群とする)と、全項目のスコアが2点以下の条件を満たす被験者10名(肌状態不良群とする)を抽出した。 各被験者に以下の項目の肌状態測定を実施し、各項目の肌状態良好群、不良群で平均値を比較すると表1の通りであった。各項目の測定条件は下記の通りである。なお、測定は20±1℃・55±5%RH下で行った。〈回復皮脂量〉 洗顔30分後の頬の皮脂量(μg/cm2)について、SKICOS−301((株)アミックグループ製)を用いて各3回測定し、平均値を「回復皮脂量」とした。〈重層剥離率〉 D−スクワム(テープストリッピング用テープ)を用いて頬の角質細胞を剥離し、ゲンチアナバイオレット・ブリリアントグリーン染色法により染色し、顕微鏡観察、写真撮影を行った。各テープにつき5視野ランダムに撮影し、写真一枚ごとに全細胞剥離面積、重層剥離部の面積を算出した。得られた面積から、下記式(1)に基づいて、重層剥離率(%)を算出した。結果は5視野の平均値で示した。 重層剥離率(%)=重層剥離部の面積/全細胞剥離面積×100 (1)〈赤み a*値〉 頬部について、簡易型分光色差計NF333(日本電色工業(株)製)を用いて各3回測定し、平均値をa*値とした。測定は、室内白熱灯の下、光源設定D65、視野10°の条件で行った。〈ヘモグロビン指数〉 上記条件にて簡易型分光色差計NF333(日本電色工業(株)製)を用いて測定した反射率の値を用い、下記式(2)に基づいてヘモグロビン指数を算出した。 〈キメの不規則性〉 シリコンレプリカ(SILFLO)により、頬部のレプリカを採取した。TalyScan(Taylor Hobson(株)製)により画像取り込み、TalyMap(Taylor Hobson(株)製)を用いて画像解析を行い、キメの不規則性(%)を算出した。 以上のように、目視の診断での肌状態は、回復皮脂量、重層剥離率(%)、赤み、ヘモグロビン指数、及びキメの不規則性(%)と相関性が見られた。 [実施例1] 下記組成の香料配合化粧水を調製した。肌状態不良群の被験者が、この香料配合化粧水を4週間使用した後、各肌状態を試験例1と同条件にて測定した。香料配合化粧水の使用方法は、朝晩1回ずつ、洗顔後、顔全体に適量塗布することとした。 以上の結果より、香料組成物中のヘリオトロピンが100%の香料組成物を含む化粧水の使用により、肌状態が改善し、肌状態良好群とほぼ同等の値に近づくことがわかった。 [実施例2〜4、比較例1,2] 表5に示す組成の香料配合化粧水を調製した。得られた香料配合化粧水について、下記評価を行った。 20代女性60名(平均年齢24.1歳)に対し、試験例1と同様の目視判定を行い、全項目のスコアが2点以下の条件を満たす被験者25名を抽出し、各5名ずつ1〜5群にわけ、試験例1と同条件で、回復皮脂量、重層剥離率(%)、赤み、ヘモグロビン指数、及びキメの不規則性(%)の各項目の測定を行った。 各群の被験者が、試験例1と同様に、比較例1,2、実施例2〜4の香料配合化粧水を4週間使用した後、各肌状態を試験例1と同条件で測定した。結果を表5に併記する。各群に使用した実施例対応表は、表4の通りである。 以上の結果より、ヘリオトロピンを香料組成物中に一定割合以上含む化粧水の使用により各肌症状が改善され、肌状態良好群とほぼ同等の測定値に近づくことがわかった。一方、ヘリオトロピンの香料組成物中の割合が少ないと、その効果の発現はみられないか、あるいは弱かった。 なお、比較例1,2、実施例2〜4の香料組成は、表5の香料組成物中ヘリオトロピン割合(%)になるように、ヘリオトロピンと表6〜17に示す香料を混合し、合計100%となるように調製したものを使用した。*1:[Flower oils and Floral Compounds In Perfumery] Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co. ヘリオトロピンを含有する肌症状改善用組成物。 【課題】優れた肌症状の改善効果を有する肌症状改善用組成物を提供する。【解決手段】ヘリオトロピンを含有する肌症状改善用組成物。【選択図】なし


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