タイトル: | 公開特許公報(A)_AMPK活性化剤 |
出願番号: | 2006144264 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 31/7048,A61K 31/352,A61K 31/353,A61P 43/00,A61P 3/10,A61P 3/04,A23L 1/30 |
村瀬 孝利 JP 2007314446 公開特許公報(A) 20071206 2006144264 20060524 AMPK活性化剤 花王株式会社 000000918 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 的場 ひろみ 100101317 守屋 嘉高 100121153 大野 詩木 100134935 松田 政広 100130683 野中 信宏 100140497 村瀬 孝利 A61K 31/7048 20060101AFI20071109BHJP A61K 31/352 20060101ALI20071109BHJP A61K 31/353 20060101ALI20071109BHJP A61P 43/00 20060101ALI20071109BHJP A61P 3/10 20060101ALI20071109BHJP A61P 3/04 20060101ALI20071109BHJP A23L 1/30 20060101ALI20071109BHJP JPA61K31/7048A61K31/352A61K31/353A61P43/00 111A61P3/10A61P3/04A23L1/30 Z 3 OL 10 4B018 4C086 4B018MD08 4B018ME03 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA08 4C086EA11 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZC20 4C086ZC33 4C086ZC35 本発明は、AMPK(AMP−activated protein kinase)活性化剤に関する。 現代社会においては、食生活の欧米化により脂質摂取量が増えると同時に、自動車の普及等により運動量が減少しエネルギー消費量が低下している。その結果として肥満人口が増大し、それに伴って肥満、糖尿病、高血糖、インスリン抵抗性及び高脂血症等のいわゆる生活習慣病が大きな社会問題となっている。 エネルギー代謝又は栄養代謝、肥満及び糖尿病発症の機構に関する研究が進み、AMPK(Adenosine monophosphate−activated protein kinase)がきわめて重要な働きをしていることが明らかになってきた(非特許文献1)。AMPKは、細胞内ATPレベルが低下するような状況下において活性化され、脂質や糖質代謝を促進してATP合成を促す“metabolic sensor”として機能することが知られている。さらに最近の研究によって、AMPKは、単に上記のような細胞内のエネルギーレベルにより調節されるだけではなく、さらに筋肉運動の他、レプチン(非特許文献2)、アディポネクチンのような脂肪細胞由来ホルモン(非特許文献3)、糖尿病治療薬であるメトフォルミン(非特許文献4)の物質等によっても活性化され、それらによって惹起される脂肪酸酸化やグルコース利用促進作用の細胞内メディエーターであると考えられている。 ここで、AMPKは、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)をリン酸化(Ser79)することにより、ACCの活性を抑制し、ACCの産生物であるマロニルCoA量を低下させることができる。その結果、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT−1)がマロニルCoAによる強い阻害を受けず、CPT−1の活性が亢進し、ミトコンドリア内に長鎖脂肪酸が取り込まれ、脂肪酸酸化を促進されると考えられている。 従って、AMPKの活性化は、脂質代謝促進、糖質代謝及び脂肪蓄積抑制等エネルギー代謝活性化、肥満や糖尿病等の生活習慣病の予防・改善に寄与すると考えられる。AMPKを活性化する化合物としては、上記のレプチンやアディポネクチン、メトフォルミン、AICAR(5−アミノイミダゾール−4−カルボキサミド)が知られている。 一方、構造によりフェノール類、フラボノイド類、リグナン類、スチルベン類及びタンニン類等に分類される植物ポリフェノールは、抗酸化作用、抗菌作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、肥満抑制等、多彩な作用が知られている(特許文献1、非特許文献5及び6)。 フラボノイド類は、さらにフラボン類、イソフラボン類、フラバン類、フラバノン類、カルコン類、アントシアニン類等に分類される。このフラボノイド類のうち、イソフラボンを含有する大豆エキス(特許文献2)、アントシアン類のシアニジン 3−グルコシド(特許文献3)が肥満抑制に有効なものとして知られており、また出願人はフラバン類のなかのカテキン類がAMPK活性化作用を有することを見出している(特許文献4)。また、フラボン類やフラバノン類には、エストロゲン受容体結合能(特許文献5)、骨芽細胞へのカルシウム沈着増強作用(特許文献6)、ウレアーゼ活性阻害作用(特許文献7)、8−OHdG産生抑制によるシミ・シワ防止効果(特許文献8)があることが知られている。 しかしながら、フラボン類及びフラバノン類のAMPKに対する作用は、これまで全く知られていない。特開2003−137803号公報特開2003−286180号公報特開2003−252766号公報特開2005−225804号公報特開2003−2830号公報特開2003−26572号公報特開2004−91338号公報特開2003−2819号公報Molecular Medicine,Vol.39,No.4,PP398−407、2002Nature,Vol.415,PP339−343,2002Nature,Vol.423,PP762−769,2003J.Clin.Invest.,Vol.108,PP1167−1174,2001石見佳子、植物ポリフェノールの機能性と安全性:食品と開発、35巻6号、5−7頁、2000下位香代子、植物フラボノイドの最新機能研究:食品と開発、35巻6号、8−10頁、2000 本発明の目的は、肥満や糖尿病等の生活習慣病の予防及び/又は改善に有効なAMPK活性化剤を提供することにある。 本発明者らは、AMPKの活性化に有効な成分の探索を行い、フラボン類及びフラバノン類に、体内のエネルギー代謝を促進するAMPK活性化作用があり、肥満、糖尿病、高血糖、インスリン抵抗性、高脂血症等の生活習慣病の予防及び/又は改善に有効であることを見出した。 すなわち、本発明は、フラボン類及び/又はフラバノン類を有効成分とするAMPK活性化剤を提供するものである。 また、本発明は、フラボン類及び/又はフラバノン類を含有し、エネルギー代謝活性化作用を有することを特徴とし、エネルギー代謝活性化作用を有する旨を表示した飲食品を提供するものである。 また、本発明は、フラボン類及び/又はフラバノン類を含有し、生活習慣病の予防・改善作用を有することを特徴とし、生活習慣病の予防・改善作用を有する旨を表示した飲食品を提供するものである。 本発明のAMPK活性化剤は、食経験が豊富であって安全性に優れ、脂質代謝促進、糖質代謝及び脂肪蓄積抑制等のエネルギー代謝の活性化を誘導し、肥満、糖尿病、高血糖、インスリン抵抗性、高脂血症等の生活習慣病の予防・改善に有効である。 本発明におけるフラボン類とは、フラボン(2−フェニルクロモン)並びに少なくとも一つの水素原子が水酸基及び/又はアルコキシ基に置換されたフラボン誘導体又はそれらの配糖体の総称である。 また、本発明におけるフラバノン類とは、フラバノン(2、3−ジヒドロフラボン)並びに少なくとも一つの水素原子が水酸基及び/又はアルコキシ基に置換されたフラバノン誘導体又はそれらの配糖体の総称である。 ここで、アルコキシ基としては、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルコキシ基が挙げられ、メトキシ基又はエトキシ基が好ましく、メトキシ基が特に好ましい。 配糖体を構成する糖残基としては、D−グルコース、L−ラムノース等の単糖残基又は斯かる単糖が2〜6個結合したオリゴ糖残基、例えばルチノースが挙げられる。当該配糖体は、多くの場合、胃液、小腸や肝臓の酵素或いは腸管内の微生物によって加水分解され、遊離体になりやすい。 当該フラボン誘導体又はそれらの配糖体としては、具体的には、クリシン(Chrysin:5,7-dihydroxyflavone)、アピゲニン(Apigenin:4',5,7-trihydroxyflavone)、アピゲトリン(Apigetrin:7-(β-D-glucopyranosyloxy)-4',5-dihydroxyflavone)、アピイン(Apiin:4',5-dihydroxy-7-([2-O-[3-C-(hydroxymethyl)-β-D-erythrofuranosyl]-β-D-glucopyranosyl]oxy)flavone)、アカセチン(Acacetin:5,7-dihydroxy-4'-methoxyflavone)、リナリン(Linarin:5-hydroxy-4'-methoxy-7-[(6-O-α-L-rhamnopyranosyl-β-D-glucopyranosyl)oxy]flavone、バイカレイン(Baicalein:5,6,7-trihydroxyflavone)、ルテオリン(Luteolin:3',4',5,7-tetrahydroxyflavone)、スクテラレイン(Scutellarein:4',5,6,7-tetrahydroxyflavone)、ペクトリナリゲニ(Pectolinarigenin:5,7-dihydroxy-4',6-dimethoxyflavone)、オイパトリン(Eupatorin:3',5-dihydroxy-4',6,7-trimethoxyflavone)が挙げられる。 また、当該フラバノン誘導体又はそれらの配糖体としては、具体的にはナリンゲニン(Naringenin:4',5,7-trihydroxyflavan-4-one)、ナリンギン(Naringin:4',5-dihydroxy-7-[(2-O-α-L-rhamnopyranosyl-β-D-glucopyranosyl)oxy]flavan-4-one)、サクラネチン(Sakuranetin:(2S)-4',5-dihydroxy-7-methoxyflavan-4-one)、サクラニン(Sakuranin:(2S)-5-(β-D-glucopyranosyloxy)-4'-hydroxy-7-methoxyflavan-4-one)、ヘスペリジン(hesperetin:3',5,7-trihydroxy-4'-methoxyflavanone)、 ヘスペレチン(hesperetin:3',5,7-trihydroxy-4'-methoxy-7-[(6-O-α-L-rhamnopyranosyl-β-D-glucopyranosyl)oxy]flavanone)、エリオジクチオール(Eriodictyol:(2S)-3',4',5,7-tetrahydroxyflavan-4-one)が挙げられる。 本発明で用いるフラボン類及びフラバノン類は、有機化学的合成やカルス又は微生物を用いた合成等公知の方法により製造することもできる(Carbohydr Res. 2006 Vol.341 No.8, PP964-970.、Bulletin of the Chemical Society of Japan. 1977 Vol.50, No.12, PP.3298-3301、Chem Pharm Bull (Tokyo). 2005 Vol 53 No.5, PP547-554.)。例えば、フラバノンは、フラボンを公知の還元法により製造することができる。 また、本発明で用いるフラボン類及び/又はフラバノン類は、上記合成の方法の他に当該フラボン類及び/又はフラバノン類を含有する天然物から公知の抽出方法により得ることもできる。斯かる天然物は、例えば、サクラソウ科Primula pulverulenta等の葉や果実、ミカン、レモン及びザボン等の柑橘類の果皮や果汁、リンゴ、トマト、ピーマン、セロリ、シュンギク、パセリ、ダイコン、ソバ、茶、タマネギ、ブドウ等が挙げられる。 例えば、フラボンはサクラソウ科Primula pulverulentaの葉や果実、アピゲニン及びこの配糖体であるアピインはセロリ、パセリ、ピーマン、ルテオリン及びこの配糖体はシュンギク、セロリ、パセリ、ピーマン(食品大百科事典:食品総合研究所編、朝倉書店、2001年刊、199-203頁。生化学事典:東京科学同人)、ナリンゲニン、エリオジクチオール及びヘスペレチン並びにこれらの配糖体であるナリンギン及びヘスペリジンはレモン果皮や果汁、ミカンの果皮、ザボンの果皮、ブンタンの果皮、ケルセチンはレタス、ブロッコリ、リンゴ果皮、イチゴ、タマネギ、茶及びソバ、ケフェロールはニラ、ブロッコリ、ダイコン、タマネギ及びグレープフルーツ、ミリセチンはクランベリー及びブドウ、ケルセチン及びこの配糖体であるルチンはソバから得ることができる。 フラボン類及びフラバノン類の天然物からの抽出手段としては、水や熱水、有機溶剤等を用いた一般的な溶剤抽出の他、蒸留、圧搾法が挙げられ、これに遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ等による分離・精製方法を適宜組み合わせることができる。有機溶剤としては、メタノールやエタノール等のアルコール系有機溶剤が好ましく、特にエタノールが好ましく、適宜水を加えて20〜95%(V/V)エタノール水としてもよい。 上記合成又は抽出により得られるフラボン類及びフラバノン類は、上記抽出等方法及び/又は分離・精製方法により医薬品上又は飲食品上許容し得る規格に適合し、本発明の効果を発揮するものであれば、粗精製物であってもよい。 また、単離されたフラボン類及びフラバノン類の各化合物を単独又は混合して用いてもよい。 後記実施例に示すとおり、フラボン及びフラバノンは、肝細胞や筋細胞において強いAMPK活性化作用を有するため、本発明のフラバン類及び/又はフラバノン類は、これらから選ばれる単独物又は混合物を有効成分とするAMPK活性化剤として使用することができ、またAMPK活性化剤を製造するために使用することができる。AMPKの活性化は、脂質酸化を促進し、エネルギー消費の促進をもたらす。また、AMPKの活性により、グルコース輸送体(GLUT)を介したグルコース取込みが増加し、グルコースの利用を促進する。 従って、本発明のAMPK活性化剤は、肥満、高脂血症、糖尿病、動脈硬化症等の生活習慣病の予防及び/又は改善に有用である。また、脂質代謝促進、糖質代謝促進、脂肪蓄積抑制及び運動代替等に有用である。 すなわち、本発明のAMPK活性化剤は、上記のAMPK活性化、代謝活性化、運動代替、生活習慣病の予防及び/又は改善等の効果を発揮する、ヒト及び動物用の飲食品、医薬品、ペットフード、医薬部外品等として使用可能である。さらに、本発明のAMPK活性化剤はそれらの製造のために使用可能である。また、飲食品とする場合は、エネルギー代謝活性作用並びに生活習慣病の予防及び/又は改善の生理機能をコンセプトとし、必要に応じてその旨の表示を付した美容食品、機能性飲食品、病者用食品、特定保健用食品とすることができる。ここで、エネルギー代謝活性作用とは、例えば、体内脂肪燃焼促進やスタミナ維持等が挙げられ、また生活習慣病としては、例えば肥満、糖尿病、高血糖、インスリン抵抗性、高脂血症等が挙げられる。 本発明のAMPK活性化剤を飲食品として使用する場合には、例えば、果汁飲料、炭酸飲料、茶系飲料、アルコール飲料、清涼飲料等の飲料、ゼリー状食品、各種スナック類、焼菓子、揚菓子、ケーキ類、チョコレート、ガム、飴、スープ類、麺類、米飯類等あらゆる飲食品形態とすることができる。 また、本発明のAMPK活性化剤を医薬品や医薬部外品として使用する場合、例えば、錠剤、顆粒剤等の経口用固形製剤や、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤とすることができる。 斯かるフラボン類及び/又はフラバノン類を含有する上記製剤は、それぞれ一般的な製造方法により、直接又は製剤上許容し得る担体とともに混合、分散した後、所望の形態に加工することができる。この場合、本発明に用いられるフラボン類及び/又はフラバノン類のほかに、かかる形態に一般的に用いられる動植物油等の油性基剤、鎮痛消炎剤、鎮痛剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤、ビタミン類、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート類、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等を本発明の効果を妨害しない範囲で適宜配合することができる。 これらのものに対するフラボン類及びフラバノン類の配合量は、その使用形態により異なるが、飲食品やペットフード等とする場合は、通常0.0001〜2重量%、更に0.001〜1質量%、特に0.05〜0.5質量%とするのが好ましい。更に上記以外の医薬品、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤等の経口用固形製剤、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤等の場合は、通常0.01〜95質量%、更に5〜95質量%、特に20〜90質量%とするのが好ましい。 本発明のAMPK活性化剤の投与量(有効摂取量)は、一日当り2〜2000mg/60kg体重とするのが好ましく、特に5〜1000mg/60kg体重、更に10〜500mg/60kg体重とするのが好ましい。実施例1 フラボン類及びフラバノン類のAMPK活性化作用は、肝細胞株(Hepa 1−6)を用い、AMPKα及びβのリン酸化を指標として、次法により評価した。 肝細胞株(Hepa 1−6)を25cm2フラスコにまき、DMEM(+10%FBS、+抗菌剤)中37℃で1〜2日培養した。サブコンフルエントになった時点で培養液を除去し、PBS(−)で洗浄後、DMEM(−FBS)に置き換え更に1日培養した。培養液を除去後、150μM(mol/L)のサンプル(フラボン:2−フェニルクロモン(フナコシ社))を含むDMEM(−FBS)を5mL加え、30〜60分間培養した。その後、培養液を除去、PBS(−)で洗浄後、細胞溶解液(10mM Tris(pH7.4)、50mM塩化ナトリウム、30mMピロリン酸ナトリウム、0.5質量%Triton X−100、proteaseinhibitor cocktail(SIGMA P2714)、phosphatase inhibitor cocktail−2(SIGMA P5726))を200μL添加し、セルスクレイパーで細胞溶解液を回収した。回収した細胞溶解液は、23Gの針付シリンジを3回通すことにより良くホモジナイズし、その後30分間氷上に放置した。15000r/minで15分間、4℃で遠心した後、その上清蛋白を以下の測定に用いた。 上清蛋白質の濃度を測定(BioRad社、DC Protein assay kit)後、サンプル間の蛋白濃度を所定の濃度範囲(1〜2mg/mL)で一定になるよう調整した。その四分の一量のSDSバッファー(250mM Tris、12.5質量%SDS、20質量%グリセリン)を加えた後、更に2−メルカプトエタノール及びブロモフェノールブルーを加え、95℃で熱変性、4℃で急冷し、電気泳動用のサンプルを調製した。 上記調整したサンプル(タンパク質量として約20〜40μg)をSDS−PAGE(12%ゲル)に供し、膜へ転写後、anti−phospho−AMPKα(Thr72)抗体(Cell Signaling社製)又はanti−phospho−AMPKβ(Ser108)抗体(Cell Signaling社製)を一次抗体、anti−rabbit−HRP抗体(アマシャム社製)を二次抗体、phototope−HRP Western Detection System (Cell Signaling社製)を検出試薬として用いて、phospho−AMPKα及びβを検出した。試料無添加の溶媒コントロール群を対象(コントロール)とした。 図1からフラボンは、強いAMPK活性化作用を有することがわかる。実施例2 フラボン類及びフラバノン類のAMPK活性化作用を、筋細胞株(C2C12)を用い、AMPKα及びβのリン酸化を指標として、次法により評価した。 筋細胞株(C2C12)を25cm2フラスコにまき、DMEM(+10%FBS、+抗菌剤)中37℃で1〜2日培養した。コンフルエントになった時点で培養液を除去し、PBS(−)で洗浄後、DMEM(2質量%Horse serum)に置き換え、2〜3日毎に培養液を交換しながら更に7〜8日培養した。その後培養液を除去し、PBS(−)で洗浄後、DMEM(−FBS)に置き換え、更に1日培養した。培養液を除去後、150μMのサンプル(フラボン:2−フェニルクロモン(フナコシ社)、フラバノン:2,3−ジヒドロフラボン(シグマアルドリッチ社))を含むDMEM(−FBS)を加え、60分間培養した。培養液を除去後、以後は上記実施例1に準じ、フラボン及びフラバノンを電気泳動用のサンプルとして調整し、さらにSDS−PAGE電気泳動を行い、phospho−AMPKα及びβを検出した。 図2からフラボン及びフラバノンは、筋細胞において強いAMPK活性化作用を有することがわかる。 以上の結果から、フラボン及びフラバノンは優れたAMPK活性化作用を有し、エネルギー代謝の活性化、肥満、生活習慣病の予防・改善に有効であると考えられる。 下記に本発明の代表的実施例を示すが、本発明はこれらに限られるものではない。実施例3生活習慣病予防・改善用カプセル剤 カプセル化剤中に下記組成物(300mg)を封入した。 フラボン 10質量% コーンスターチ 50質量% セルロース 20質量% トコフェロール 2質量% 乳糖 18質量%実施例4生活習慣病予防・改善用錠剤 下記組成物(1錠=250mg)を打錠し、錠剤を製造した。 フラバノン 20質量% コーンスターチ 20質量% セルロース 10質量% ビタミンC 20質量% 乳糖 30質量%実施例5生活習慣病予防・改善用錠剤 下記組成物(1錠=250mg)を打錠し、錠剤を製造した。 フラボン 20質量% コーンスターチ 10質量% セルロース 10質量% ビタミンC 20質量% 乳糖 20質量% カフェイン 20質量%実施例6エネルギー代謝活性化/肥満予防・改善/生活習慣病予防・改善用飲料下記組成物を混合し、果汁飲料を製造した。 フラボン 20mg ビタミンC 1000mg グレープフルーツ果汁 25mL 水 470mL 香料 若干量 アスパルテーム 2g肝細胞株(Hepa1−6)を用いたフラボンのAMPK活性化作用。筋細胞株(C2C12)を用いたフラボン及びフラバノンのAMPK活性化作用。 フラボン類及び/又はフラバノン類を有効成分とするAMPK活性化剤。 フラボン類及び/又はフラバノン類を含有し、エネルギー代謝活性化作用を有することを特徴とし、エネルギー代謝活性化作用を有する旨の表示を付した飲食品。 フラボン類及び/又はフラバノン類を含有し、生活習慣病予防・改善作用を有することを特徴とし、生活習慣病予防・改善作用を有する旨の表示を付した飲食品。 【課題】食経験が豊富で安全性が高く、入手が容易で加工性にも優れ、現実的にヒトへの利用が可能な天然物素材に含まれる成分を有効成分とする、AMPK活性化剤の提供。【解決手段】フラボン類及び/又はフラバノン類を有効成分とするAMPK活性化剤。【選択図】なし