生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_耳垢型又は腋下臭症の評価方法
出願番号:2006135115
年次:2009
IPC分類:C12N 15/09,C12Q 1/68


特許情報キャッシュ

新川 詔夫 吉浦 孝一郎 JP WO2006135115 20061221 JP2006312673 20060619 耳垢型又は腋下臭症の評価方法 国立大学法人 長崎大学 504205521 小林 浩 100092783 片山 英二 100095360 小林 純子 100093676 大森 規雄 100120134 新川 詔夫 吉浦 孝一郎 JP 2005178563 20050617 C12N 15/09 20060101AFI20081205BHJP C12Q 1/68 20060101ALN20081205BHJP JPC12N15/00 AC12Q1/68 A AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20090108 2007521386 43 4B024 4B063 4B024AA11 4B024CA01 4B024HA08 4B024HA12 4B063QA17 4B063QA18 4B063QQ02 4B063QQ03 4B063QQ42 4B063QR08 4B063QR32 4B063QR42 4B063QR50 4B063QR55 4B063QR62 4B063QR66 4B063QR72 4B063QS25 4B063QS28 4B063QS34 4B063QS36 4B063QS39 4B063QX02 本発明は、ABCC11遺伝子の特定の一塩基多型を指標として、個体の耳垢型又は腋下臭症を評価する方法に関する。 耳垢は、外耳道アポクリン腺の分泌物であり、湿型及び乾型の2型からなるメンデル遺伝形質である。湿型耳垢は、ヒトにおける原型であり、明るい黄褐色から濃い茶色で樹脂様の粘り気のある耳垢として特徴づけられている。一方、乾型は耳垢を欠く形質である。湿型は乾型に対して完全優性である。 乾型耳垢は、モンゴル人、北中国人、韓国人、チベット人及び日本人(本土)を含む、東アジア人でかなり見られ(80−95%)、多数を占める(文献1〜8)。しかし、乾型は、北西ヨーロッパ人およびアフリカを起源とする人々ではほとんど存在しない(〜1%)。これに対し、南アジア(〜30%)、太平洋諸島(〜40%)、中央アジア(〜40%)、アジアの少数民族(〜30%)及び東ヨーロッパ(〜3%)の人種における乾型の頻度は、アジア系のアメリカ原住民(30−50%)及びイヌイット(〜50%)と同様、中間値を示す(文献1、9、10)。従って、これらの数字は、地理的勾配分布を示している。 本発明者は以前、日本人家系の連鎖解析により、耳垢遺伝子座を第16染色体(16q11.2−q12.1)の動原体付近に存在するD16S3093マーカーとD16S3117マーカーとの間の約5.9cM(センチモルガン)のゲノム領域に位置づけた(文献11)。しかし、耳垢型を決定している遺伝子やその多型は知られていなかった。文献: 1.Matsunaga E:The dimorphism in human normal cerumen.Ann J Hum Genet 25:273−286,1962 2.Petrakis NL,Molohon KT,Tepper DJ:Cerumen in American Indians:Genetic implications of sticky and dry types.Science 158:1992−1993,1967 3.Petrakis NL:Dry cerumen−a prevalent genetic trait among American Indians.Nature 222:1080−1081,1969 4.Martin LM and Jackson JF:Cerumen types in Choctaw Indians.Science 163:677−668,1969 5.Alfred BM,Stout T.D,Lee M,Birkbeck J,Petrakis NL:Blood groups,phosphoglucomutase,and cerumen types of the Anaham(Chilcotin)Indians.Am J Phys Anthropol 32:329−338,1970 6.Omoto K:Polymorphic traits in peoples of eastern Asia and the Pasific.Israel J Med Sci 9:1195−1215,1973 7.Patel S:Study on some genetic traits of Tibetans at a Chandragiri,district Ganjam,Orissa.Am J Phys Anthopol 38:755−756,1973 8.Norakmal I,Tan SG:Cerumen polymorphism in the three major ethnic groups of Malaysia.Jpn J Hum Genet 24:119−121,1979 9.Spitsyn VA,Afanas▲e▼va I:Genetic geography of inherited dimorphism of ear wax by its consistency.Genetika 25:1854−1860,1989 10.Petrakis NL,Pingke U,Petrakis SJ,Petrakis SL:Evidence for a genetic cline in earwax type in the Middle East and Southeast Asia.Am J Phys Anthropol 35:141−144,1971 11.Tomita H−A,Yamada K,Ghadami M,Ogura T,Yanai Y,Nakatomi K,Sadamatsu M,Masui A,Nanko S,Kato N,Niikawa N:Mapping of the wet/dry earwax locus to the pericentromeric region of chromosome 16.Lancet 359:2000−2002,2002 本発明は、ABCC11遺伝子の遺伝子変異(多型)を利用した個体の耳垢型(乾型又は湿型)を評価する方法、および腋下臭症の評価方法を提供することを目的とする。 本発明者は、上記課題を解決するために鋭意にゲノム医学的研究を行った。そして、ABCC11をコードする遺伝子において、第538番目の塩基配列の塩基置換変異(一塩基多型)及び第3939番目から第3965番目にわたる27塩基の欠失を見出した。前者の一塩基多型を「c.538G>A」という。この変異はABCC11のアミノ酸配列の第180番目のグリシンからアルギニンへの置換を生ずる多型であった。さらに、本発明者は、当該一塩基多型及び27塩基欠失は、ヒトの二型性の遺伝形質を直接的に決定するDNA多型であることを初めて明らかにし、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は以下の通りである。 (1)ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列のうち、第538番目の塩基の遺伝子多型と個体の耳垢の乾型又は湿型とを関連づけることを特徴とする、耳垢の評価方法。 (2)ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列のうち、以下の(a)又は(b)の遺伝子多型と個体の耳垢の乾型又は湿型とを関連づけることを特徴とする、耳垢の評価方法。 (a)第538番目の塩基の遺伝子多型及び第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失した遺伝子多型 (b)第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失した遺伝子多型 (3)上記(1)又は(2)において、第538番目の塩基の遺伝子多型は一塩基多型であることが好ましい。また、第538番目の塩基の遺伝子多型は連鎖不平衡ブロックを形成するものであってもよい。 上記(1)の方法において、耳垢の評価は、第538番目の塩基の遺伝子多型がGAのヘテロ接合又はGGのホモ接合のときは湿型であると診断し、AAのホモ接合のときは乾型であると診断することができ、また、上記(2)の方法において、耳垢の評価は、遺伝子多型が、第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失したアリルのホモ接合のとき、又は第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がAである接合のときは乾型であると診断し、第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がGである接合のときは湿型であると診断することができる。 (4)ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列のうち、第538番目の塩基の遺伝子多型と個体の腋下臭とを関連づけることを特徴とする、腋下臭症の評価方法。 (5)ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列のうち、以下の(a)又は(b)の遺伝子多型と個体の腋下臭とを関連づけることを特徴とする、耳垢の評価方法。 (a)第538番目の塩基の遺伝子多型及び第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失した遺伝子多型 (b)第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失した遺伝子多型 (6)上記(4)又は(5)において、第538番目の塩基の遺伝子多型は一塩基多型であることが好ましい。また、第538番目の塩基の遺伝子多型は連鎖不平衡ブロックを形成するものであってもよい。 (7)腋下臭症の評価は、上記(4)の方法において、第538番目の塩基の遺伝子多型がGAのヘテロ接合又はGGのホモ接合のときは腋下臭症であると推定することができ、AAのホモ接合のときは腋下臭症ではないと推定することができる。また、上記(5)の方法において、腋下臭の評価は、遺伝子多型が、第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失したアリルのホモ接合のとき、又は第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がAである接合のときは腋下臭ではないと推定し、第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がGである接合のときは腋下臭であると推定することができる。 (8)上記(4)〜(7)のいずれかの方法により評価された結果を指標として、個体に使用する腋下臭症治療用薬物又は化粧品の種類及び/又は量を決定する方法。 (9)ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列のうち、第538番目の塩基を含む少なくとも10塩基の配列又はこれに相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド。 (10)ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列のうち、第3939番目から第3965番目にわたる27塩基の欠失部位を挟みこむ少なくとも10塩基の配列又はこれに相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド。 本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば10〜50塩基の長さを有するが、これに限定されるものではない。(11)上記(9)又は(10)のオリゴヌクレオチドを含む、耳垢又は腋下臭の評価用キット。 図1は、各種アレルと表現型との関係を示す図である。 図2は、各種遺伝子におけるSNPマーカーとp値との関係を示す図である。 図3は、アレルAの様々な頻度をプロットした世界等高線地図における地理的勾配分布を示す図である。 以下、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施し得る。 なお、本明細書において引用された全ての先行技術文献、並びに公開公報、特許公報及びその他の特許文献は、参照として本明細書に組み入れられる。また、本明細書は、本願優先権主張の基礎となる特願2005−178563号明細書の全体を包含する。 本発明は、ABCC11をコードする遺伝子(「ABCC11遺伝子」ともいう)の塩基配列(例えば配列番号1)のうち、538番目の塩基置換(「c.538G>A(Gly180Arg)」又は「c.538G>A」という)、及び第3939番目から第3965番目にわたる27塩基の欠失を指標として、個体の耳垢型を評価する方法に関する。「評価」とは、ある遺伝子変異(本発明で明らかになった変異は遺伝子多型)と表現型とを結びつけて、ある遺伝子変異(多型)を有する場合は特定の表現型を有するものと、推定、決定、判定又は診断することを意味する。ここで遺伝子多型とは、遺伝子変異が一般集団中で1%以上の頻度でみられるものをいう。 本発明者は、上記538番目の塩基において、遺伝子型がAAのホモ接合のとき乾性耳垢型、GAヘテロ接合又はGGホモ接合のとき湿性耳垢型であることを見出した。また、本発明者は、アジア系のいくつかの個体にc.538G>Aとは独立した、ABCC11遺伝子のエクソン28中の第3939番目から第3965番目にわたる27塩基の欠失(Δ27)をも見いだした。さらに、ABCC11遺伝子の538番目の塩基がG[アリルG(湿型耳垢型)]またはA[アリルA(乾型耳垢型)]であるcDNAをLLC−PK1細胞に導入した機能解析アッセイにおいて、アリルA由来のアルギニン残基を有するLLC−PK1細胞が、アリルG由来のグリシンのものと比較して、細胞内から細胞外へのcGMP輸送能が低いことも見いだした。本発明は、これらの知見により完成されたものである。ABCC11遺伝子 ABCC11(ATP−binding casset,superfamily C,member 11)遺伝子は、ヒト第16染色体の16q12.1領域に位置する耳垢決定遺伝子である。ABCC11タンパク質をコードする遺伝子は、例えば配列番号1に示されるものであり、ABCC11は1,382アミノ酸残基のアミノ酸配列(配列番号2)からなる。ABCC11は多剤薬剤耐性−関連タンパク質8(multidrug resistance−associated protein 8(MRP8))ともいい、2つのATP−結合ドメイン及び12の膜貫通ドメインを含む(Yabuuchi et al.,2001;Tammur et al.,2001;Bera et al.,2001)。「ABCC11をコードする」とは、ゲノム配列のうちABCC11タンパク質への翻訳が行われるという意味である。 なお、ABCC11遺伝子は、配列番号1で示される塩基配列からなるDNAのほか、上記配列番号1で示される塩基配列からなるDNAに対し相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズ(分子雑種形成)し、かつABCC11として機能するタンパク質をコードするDNAであって、538番目の塩基はG又はAであるものを含む。ストリンジェントな条件としては、たとえば、ハイブリダイゼーションにおいて洗浄時の塩濃度が100〜900mM、好ましくは150〜300mMであり、温度が50〜70℃、好ましくは55〜65℃の条件が挙げられる。ハイブリダイズするDNAとしては、配列番号1に示される塩基配列に対して少なくとも50%以上、好ましくは70%、さらに好ましくは80%、より一層好ましくは90%(例えば、95%以上、さらには99%)の同一性を有する塩基配列を含むDNAが挙げられる。 ABCC11遺伝子は、当業者に公知の方法(例えばコロニーハイブリダイゼーション等の公知のハイブリダイゼーション法)により、cDNAライブラリーおよびゲノムライブラリーから得ることができる。また、ABCC11遺伝子はGenBankに登録されており、その配列情報は容易に入手することができる(Accession number AF367202)。なお、配列番号1で示される塩基配列は、上記Accession number AF367202に登録されている塩基配列のコード領域(第79番目〜4227番目)の塩基に対応する。遺伝子多型解析 本発明において、遺伝子多型は、ABCC11遺伝子の塩基配列のうち第538番目の塩基において主に一塩基多型(single nucleotide polymorphism,SNP)、及び挿入/欠失多型を含む。 SNPとは、遺伝子の特定の1塩基が他の塩基に置換することによる多型を意味する。但し、本発明においては、第538番目の塩基の置換による多型のほか、第538番目の塩基が欠失するか、あるいは第538番目に他の塩基が挿入する多型(挿入/欠失多型)も含まれる。なお、「第538番目」、「第3939番目から第3965番目」という位置は、ABCC11遺伝子の塩基配列のコード領域における位置を意味するものである。 また、本発明の遺伝子多型cSNP(c.538G>A)は、連鎖不平衡の領域に存在する。ここで、連鎖不平衡とは、多型と多型が緊密に連鎖しているためにメンデルの独立の法則による平衡状態から逸脱していることをいう。cSNPとはSNPのうち機能タンパク質への翻訳が行われるコード領域に存在するSNPという意味である。 本発明者は、上記SNPがハプロタイプ別に分類できることを見出した。ハプロタイプとは、同一染色体上で相互に近隣する遺伝子やSNPなどの対立遺伝子(アリル)の1組(遺伝的構成)を意味する。ゲノム上近接するSNPは、連鎖不平衡の強いブロック(連鎖不平衡ブロック)で遺伝する。いくつかのSNPが、ある表現型(例えば腋下臭症の発症)に関連して出現する場合には、個々のSNPを全てタイピングしなくても、連鎖不平衡ブロックを構成する代表的なSNPを解析することによって、患者の遺伝子型と表現型との関連を明らかにすることができる。本発明者は、ハプロタイプ解析の結果から、ABCC11遺伝子領域に強い連鎖不平衡ブロックを推定することができた。 そこで、本発明は、薬物の感受性を評価するのに用いる遺伝子多型として、上記のSNPだけでなく、ハプロタイプを利用した方法も提供する。 従って、本発明で明らかとなったcSNP(c.538G>A)又はハプロタイプを解析することによって、個々人耳垢型、腋下臭症であるか否かを評価することができる。また、ABCC11遺伝子はDNAアナログなどの抗がん剤に対する感受性・耐性に関与する遺伝子であるため、本発明のcSNP(c.538G>A)又はハプロタイプを用いて、抗がん剤に対する感受性を推定することもできる。この薬物感受性は、薬物の種類や量を決定する上で重要な情報となる。特に、抗がん剤は、使用方法によっては重篤な副作用を引き起こすなど、社会的な大きな問題を生じる可能性があるため、各個人に適切な投薬量を投薬前にあらかじめ知ることは極めて有用である。 本発明において、遺伝子多型情報を得る方法は、一般的な多型検出法を利用して得ることができる。例えば、ABCC11遺伝子中の塩基配列の538番目の塩基の一塩基多型であるcSNP(c.538G>A)は、塩基配列決定法、PCRによる方法、TaqMan PCR法、インベーダー法、DNAチップ法、プライマー伸長反応を利用する方法等が採用される。 SNPを代表とする多型情報解析には市販のキットを使用することができ、自動化も可能である。表現型解析 c.538G>Aは耳垢型の決定因子であり、耳垢表現型において、GGホモ接合及びGAヘテロ接合の遺伝子型は共に湿性耳垢型であり、AAホモ接合の遺伝子型は乾性耳垢型であるものと関連づけることができる。なお、c.538G>Aを含む3つの多型部位からなるハプロタイプは、日本人では、強固な連鎖不平衡ブロックを形成する。 c.538G>Aは、ABCC11(MRP8)タンパク質のアミノ酸180位でグリシン→アルギニン置換(Gly180Arg)が起こる。アミノ酸180位がアルギニン残基となったMRP8(細胞膜タンパク質)を有する細胞は、グリシン残基である細胞よりも、cGMPの分泌機能が低い。このアミノ酸置換部位は、MRP8の最初の膜貫通ドメインに位置し、グリシン→アルギニン置換は薬剤排出ポンプタンパク質としての機能障害の起因となることが推定される。 生体内におけるMRP8の生理学的基質は未だに不明であるが、最近の研究では、MRP8は両親媒性アニオン輸送タンパク質(トランスポーター)であり、かつ、cAMP及びcGMP等のプリン/ピリミジンヌクレオチド類縁物質の薬剤排出ポンプとして機能することが知られている(Guo et al.,2003;Chen et al.,2005)。本発明研究で見出されたMRP8の機能に関する知見は、以前報告された耳垢に関する研究結果、すなわち、湿型耳垢腺は明るい色調の分泌顆粒を含有すること(Shugyo et al.,1988)、耳垢は両親媒性及び芳香性の化合物を含有すること(Burkhart et al.,2001)、およびMRP8は多様な親油性物質を輸送することができること(Chen et al.,2005)とは矛盾がなく、ABCC11は耳垢を分泌する機能を有する耳垢型の決定因子であるといえる。 本発明の方法において、例えばABCC11遺伝子(配列番号1)のうち第538番目の塩基置換は、G(グアニン)/A(アデニン)の一塩基多型である。また、耳垢の評価は、第538番目の塩基の遺伝子型がGAのヘテロ接合又はGGのホモ接合のときは湿型であると診断し、AAのホモ接合のときは乾型であると診断することができる。 さらに、本発明においては、ABCC11遺伝子(配列番号1)のうち、第538番目の塩基及び第3939番目から第3965番目までの塩基の2箇所の多型(二重接合)を利用して、乾型であるか湿型であるかの診断をすることも可能である。 第538番目の塩基が「A」のアリルを「アリルA」、「G」のアリルを「アリルG」とし、第3939番目から第3965番目の27個の塩基が欠失していないアリルを「正常アリル」、欠失しているアリルを「Δ27アリル」とすると、乾型であるか湿型であるかの診断は、以下の通り行うことができる(図1)。 一方のアリルがアリルA又はアリルGとΔ27アリルとの組み合わせを有し、かつ、他方のアリルがアリルAと正常アリルとの組み合わせを有する二重ヘテロ接合の場合(図1の(a)):乾型 アリルA又はアリルGとΔ27アリルとの二重ホモ接合の場合(図1の(b)):乾型 一方のアリルがアリルA又はアリルGとΔ27アリルとの組み合わせであり、かつ、他方のアリルがアリルGと正常アリルとの組み合わせの場合(図1の(c)):湿型 すなわち、遺伝子多型が、第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失したアリルのホモ接合のとき(図1(b))、又は第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がAである接合の遺伝子多型を有するとき(図1(a))は乾型であると診断する。 また、第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がGである接合の遺伝子多型を有するとき(図1(c))は湿型であると診断することができる。 なお、Δ27アリルがホモ接合のときは、第538番目の塩基はA及びGのどちらでも乾型になるため、前述の耳垢の評価において、第538番目の塩基の遺伝子型がGAのヘテロ接合又はGGのホモ接合のときは湿型であると診断する点と矛盾を生じる。しかしながら、欠失アリルの頻度は非常に低いため、GAのヘテロ接合又はGGのホモ接合の場合でも乾型の表現型が現われたときに、Δ27アリルのホモ接合であるかどうかを調べれば足りるため、本発明の評価に支障を生ずることはない。耳垢型と腋下臭症の評価 腋窩腺、乳房腺及び耳道腺は全てアポクリン腺である。腋下臭症(臭汗症ともいう)は、湿型耳垢と関連しており、発汗により促進されることはよく知られている。臭汗症患者の腋窩皮膚の組織学的研究により、多数、かつ、大型のアポクリン腺が見出されている(Bang et al.,1996)。 湿型の個々のアポクリン汗腺により産生される脂肪族及び芳香族化合物等の様々な親油性物質は、その数及び大きさが増大すると、臭汗症の原因となりうる。これは、ABCC11遺伝子のアリルGを導入されたブタ由来のLCC−PK1細胞は、アリルAを導入された細胞と比較すると分泌機能が増大しているという本発明者の機能的研究により支持される。 従って、耳垢型決定方法により決定された耳垢型を指標として、腋下臭症を推定又は診断することができる。哺乳動物では、体臭等のアポクリン汗腺の分泌物はある種のフェロモンのような性的魅力の一因となりうる。本発明者のゲノム配列データベース及びPCRサーチによれば、チンパンジー、オランウータン、シロテテナガザル(white−handed gibbon)、ニホンザル及びイヌにはABCC11遺伝子があるが、マウス及びラットには存在しない。古代北方モンゴロイドは寒冷環境で生活していたと推測されており、寒冷気候への適応としてある選択的な優位性を獲得しえたのかもしれない。しかし、乾型人種は生殖適応度がより優れているという証拠は得られていない。 本発明においては、耳垢表現型でABCC11遺伝子の第538番目塩基がGAヘテロ接合又はGGホモ接合の遺伝子型を示すときは湿型の耳垢型であると関連づけ、このGAヘテロ接合又はGGホモ接合型の個体は腋下臭症の可能性があると推定することができる。また、AAホモ接合の遺伝子型を示すときは乾性耳垢型であると関連づけ、腋下臭症の可能性は少ないと推定することができる。 また、本発明においては、ABCC11遺伝子(配列番号1)の第538番目の塩基、及び第3939番目から第3965番目までの27個の塩基の欠失の2箇所の多型(二重接合)を利用して、乾型であるか湿型であるかの診断をすることも可能である。 図1(a)及び(b)に示す態様は乾型であり、これらのタイプでは腋下臭症の可能性は少ないと推定することができる。また、図1(c)に示す態様は湿型であり、腋下臭症の可能性があると推定することができる。 このように、耳垢型決定方法により決定された耳垢型を指標として、腋下臭症か否かを推定することにより、腋下臭症の程度が明らかになる。さらに、その結果を指標として、個体に投与する腋下臭症の治療のための薬物、あるいは化粧品の種類及び量を決定することが可能となる。 腋下臭症の集団において検出される臭いの原因となる化合物として、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和脂肪酸、アルデヒド及びアルコールが考えられ、特にn−ヘキサノイックアシッド、n−ヘプタノイックアシッド、n−オクタノイックアシッド、n−ノナノイックアシッド、n−デカノイックアシッド、n−ウンデカノイックアシッド、n−ドデカノイックアシッド、2−メチルペンタノイックアシッド、2−メチルヘキサノイックアシッド、2−メチルヘプタノイックアシッド、2−メチルオクタノイックアシッド、2−メチルノナノイックアシッド、2−メチルデカノイックアシッド、3−メチルペンタノイックアシッド、3−メチルヘキサノイックアシッド、3−メチルヘプタノイックアシッド、3−メチルオクタノイックアシッド、3−メチルノナノイックアシッド、3−メチルデカノイックアシッド、(Z)−3−メチル−2−ペンテノイックアシッド、(E)−3−メチル−2−ペンテノイックアシッド、(Z)−3−メチル−2−ヘキセノイックアシッド、(Z)−3−メチル−2−ヘプテノイックアシッド、(E)−3−メチル−2−ヘプテノイックアシッド、(Z)−3−メチル−2−オクテノイックアシッド、(E)−3−メチル−2−オクテノイックアシッド、3−ハイドロキシ−3−メチル−2−ペンテノイックアシッド、3−ハイドロキシ−3−メチル−2−ヘキセノイックアシッド、3−ハイドロキシ−3−メチル−2−ヘプテノイックアシッド、3−ハイドロキシ−3−メチル−2−オクテノイックアシッド、2−エチルヘキサノイックアシッド、4−エチルペタノイックアシッド、4−エチルヘキサノイックアシッド、4−エチルオクタノイックアシッド、4−エチルノナノイックアシッド、4−エチルデカノイックアシッド、5−ヘキセノイックアシッド、6−ヘプテノイックアシッド、7−オクテノイックアシッド、8−ノネノイックアシッド、9−デセノイックアシッド、10−ウンデセノイックアシッド、11−ドデセノイックアシッド等が推定される。これらの化合物は、汗腺から分泌され、又はその前駆体等が皮膚常在菌や光、空気等の作用により酸化、還元、分解若しくは反応することにより生成される。従って、これら化合物等の臭いを軽減若しくはマスキングする薬物、化粧品又は香料を使用するか、又はその前駆体等が皮膚常在菌や光、空気等の作用により酸化、還元、分解若しくは反応することを抑える薬物、化粧品又は香料を使用することにより、腋下臭症を回避することができる。本発明においては、ABCC11遺伝子の第538番目の塩基を調べることで、どのような薬物又は化粧品を使用すればよいかを判断することができる。 ところで、耳垢型と乳がん感受性との関連を示す研究が以前報告された(Petrakis,1971)。例えば、アジア人種(乾型耳垢型優位)は、白人や黒人(湿型耳垢型優位)よりも乳がんの発生率が低いことが知られている(Chen et al.,2004)。このことは、耳垢が湿型であるときは乳癌の発生率が高く、乾型であるときは、乳がんの発生率が低いと推定することができる。さらにABCC11遺伝子は、乳がん細胞において強く発現している(Bera et al.,2001;Bieche et al.,2004)。したがって、c.538G>A部位の遺伝子型、つまり耳垢表現型の違いにより、乳がん感受性を予測することが可能である。プローブまたはプライマーとしての使用 本発明は、上記した耳垢型を決定する方法等に用いる、耳垢型決定用ヌクレオチド、腋下臭症評価用オリゴヌクレオチドに関する。これらのオリゴヌクレオチドは、耳垢型又は腋下臭症評価用Taqmanプローブ又はPCRプライマーとして使用することができる。 腋下臭症の評価は、耳垢型を指標として行われる。従って、腋下臭症評価用オリゴヌクレオチドは、耳垢型評価用のオリゴヌクレオチドに準じるものであるので、耳垢型決定用Taqmanプローブ又はPCRプライマーについて以下に説明する。 腋下臭症評価のために使用される材料である被験対象者からのゲノムDNAサンプルは、血液、唾液、皮膚等から抽出することができるが、DNAサンプルを採取できるものであれば、これに限定されるものではない。ゲノムDNAの抽出及び精製法は周知の通りである。例えば、ヒトから採取した血液、唾液、皮膚等の検体から、フェノール・クロロフォルム法等を用いてゲノムDNAを精製する。その際、GFX Genomic Blood DNA Purification Kit等の市販のゲノムDNA抽出キットや装置を用いてもよい。 本発明の方法に使用されるオリゴヌクレオチドは、ABCC11遺伝子の塩基配列(例えば配列番号1)のうち、第538番目の塩基を含むオリゴヌクレオチド、又は第3939番目から第3965番目にわたる27塩基の欠失(Δ27)部位を含むように設計された少なくとも10塩基の配列、又は当該欠失部位を挟み込むように設計された少なくとも10塩基の配列からなるオリゴヌクレオチドである。 オリゴヌクレオチドの長さは少なくとも10塩基であれば特に限定されるものではなく、好ましくは10〜100塩基である。本発明のオリゴヌクレオチドは、配列番号1記載の塩基配列に基づいて通常の化学合成により得ることができる。 本発明においてプライマー及び/又はプローブとして使用されるオリゴヌクレオチドは、例えば第538番目の多型を検出するときは第538番目の塩基を含むように設計し合成する。また、本発明においてはこれらの配列の相補鎖(相補配列)も含まれる。 オリゴヌクレオチドは、多型部位が塩基配列の5’末端又は3’末端に存在するように設計する。但し、オリゴヌクレオチドは、多型部位が塩基配列の5’末端又は3’末端に存在するように設計したものに限定されず、5’又は3’末端よりも内側に存在するように設計してもよい。 作製されたオリゴヌクレオチドをプローブとして用いると、当該プローブが被験DNAにハイブリダイズしたかどうかを利用して多型を決定又は検出することができる。 Δ27の多型を検出するときは、オリゴヌクレオチドをプローブ又はPCR用プライマーとして使用することができる。 プローブは、配列番号1に示す塩基配列のうち、第3939番目から第3965番目の27塩基配列の一部からのみ構成されるように(つまり当該27塩基内の塩基から構成されるように)設計することができる(「プローブ27」とする)。また、配列番号1に示す塩基配列のうち、第3939番目から第3965番目の27塩基配列を含み、かつ、第3939番目の塩基よりも上流側の塩基及び第3965番目の塩基よりも下流側の塩基を含むように設計することもできる(「プローブ27α」とする)。あるいは、27塩基分の欠失を考慮して欠失部位の下流側の塩基と欠失部位の上流側の塩基で欠失部位を挟むように設計することもできる。この場合は、3938番目の塩基(配列番号1の3938番の「a」)と、27塩基が欠失したことにより新たに3939番目の塩基となった塩基(配列番号1の3966番の「a」)が連結される。このように27塩基の欠失を考慮して作製したオリゴヌクレオチドを「プローブΔ27」とする。そうすると、プローブ27及びプローブ27αは、正常の塩基配列(27塩基の欠失がない塩基配列)を有するDNAとハイブリダイズするため、バンドの有無によってアリルΔ27であるか否かを判断(検出)することができる。また、プローブΔ27は正常の塩基配列(27塩基の欠失がない塩基配列)とはハイブリダイズせず、欠失が生じた塩基配列とハイブリダイズすることができるため、これによりアリルΔ27であるか否かを判断(検出)することができる。 また、ABCC11遺伝子のエクソン28中の第3939番目から第3965番目にわたる27塩基の欠失(Δ27)の検出にはPCR法を用いることができ、欠失部位の両端に近接する塩基配列からPCRプライマーセットを設計して、作製する。 アリルΔ27を検出するためのプライマーとしてオリゴヌクレオチドを設計するときは、第3938番目の塩基よりも上流側から設計すると共に、3966番目の塩基(正常の遺伝子のときの塩基配列)よりも下流側から設計する。これにより、PCRで増幅された断片は、欠失の有無により検出される断片の大きさが27塩基分異なるため、断片の大きさの相違により欠失を検出することができる。プライマーの長さは、少なくとも15塩基、好ましくは15〜30塩基、さらに好ましくは18〜24塩基の長さとなるように設計する。このときのプライマー配列は、増幅断片が1000bp以下、好ましくは500bp以内、さらに好ましくは200bp以内(100〜200)bpとなるように鋳型DNAの領域から適宜選択する。 以上のように設計されたオリゴヌクレオチドプライマー又はオリゴヌクレオチドプローブは、公知の手段・方法により化学合成することができるが、一般には、市販の化学合成装置を使用して合成される。 なお、プローブには、予め蛍光標識(例えばFAM、VIC等)を付加して作業の自動化を図ることも可能である。 ABCC11遺伝子の第538番目の塩基置換、及び第3939番目から第3965番目にわたる27塩基の欠失に関するゲノム塩基配列解析については、PCR産物のシーケシング法を適用することができる。湿性及び乾型のDNAサンプルのうちの1つを適当なアニーリング温度にセットしてPCRの鋳型として用いることができる。PCRはExTaq Hot Start version(Takara,Otsu,Japan)を用いて、製造者の説明書に従って行えばよい。 PCR産物を電気泳動にかけ、エチジウムブロマイド染色で可視化すると、野生型アリルと欠失型アリルは、欠失断片に由来して異なるサイズの断片のバンドとして得られる。同様に、Δ27の検出は塩基配列決定でも可能である。 シーケンシングはExoSAP−IT処理後、BigDye Terminator version 3.1を用いて、Autosequencer Model 3100(AppliedBiosystems)で行うことができる。得られた配列をAutoAssembler(AppliedBiosystems)でアラインメントし、SNPs又は変異を可視化できる。 AA、GG及びGA遺伝子型を有する細胞の機能的アッセイは、以下のように行うことができる。すなわち、ヒトABCC11遺伝子のアリルA又はGを、適当な発現ベクターに組み込む。本発明に用いることができる発現ベクターとしては、例えばファルマシア社のpGEX等が挙げられる。プロモーターとしては、大腸菌等の宿主中で発現できるものであればいずれを用いてもよい。酵母を宿主として用いる場合は、発現ベクターとして、例えばYEp13、YCp50等が挙げられる。プロモーターとしては、例えばgal1プロモーター、gal10プロモーター等が挙げられる。哺乳類細胞を宿主として用いる場合は、発現ベクターとして、例えばpcDNA3.1−Hygro(−)、pcDNA3(Invitrogen Corporation,Carlsbad,California)等が挙げられる。 アリルA−又はG−を含んだcDNAを、適当な方法を用いて宿主に発現させる。発現方法は、リポフェクタミン試薬を用いる方法、エレクトロポレーション法、塩化カルシウム法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法などが挙げられるが、リポフェクタミン試薬(Invitrogen)が好ましい。 また、トランスフェクションに用いることのできる宿主として大腸菌(Escherichia coli)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等の細菌、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等の酵母、動物細胞、昆虫細胞などが挙げられる。 本機能アッセイは、宿主細胞に特に限定されるものではないが、動物細胞、例えばブタ近位尿細管由来上皮細胞であるLLC−PK1細胞(JCRB cell bank)が好ましい。この宿主細胞を適当な時間培養した後、細胞をヒグロマイシンB含有培養液に移し、さらに適当な時間培養した後に、ヒグロマイシンB耐性細胞のコロニーを単離し、アレルA又はアレルGの発現をRT−PCRで検出して確認する。その後、細胞を培養し大量の細胞から膜分画を抽出することにより、in vitroの実験としてcGMPなどの膜輸送の基質となる分子を加えることで輸送能を測定することができる。耳垢型評価法又は腋下臭症評価用キット 本発明において、ABCC11遺伝子の塩基配列のうち、コード領域の第538番目の塩基を含むオリゴヌクレオチド、及び第3939番目〜第3965番目にわたる27塩基欠失部位の両側に近接する塩基配列を含むオリゴヌクレオチドは、耳垢型決定のためのキットに含めることができる。 本発明のキットは、本発明を実施するために必要な1種以上の成分を含むものである。そのような成分としては、限定されるものではないが、例えば本発明のオリゴヌクレオチド、緩衝液、dNTP、コントロール用試薬(例えば、組織サンプル、ポジティブ及びネガティブコントロール用標的オリゴヌクレオチドなど)、標識用及び/又は検出用試薬、固相支持体、説明書などが挙げられる。また本発明のキットは、必要な成分のうちの一部のみを含む部分的キットであってもよく、その場合には、ユーザーが他の成分を用意することができる。 本発明のキットは、上記オリゴヌクレオチドを支持体に固定したマイクロアレイとして提供することもできる。マイクロアレイは、支持体上に本発明のオリゴヌクレオチドが固定されたものであり、DNAチップ、Geneチップ、マイクロチップなどを含む。 本発明のキットは、本発明において見出された遺伝子多型である、ABCC11遺伝子の塩基配列のうち、第538番目の塩基を含むオリゴヌクレオチド、及び第3939番目〜第3965番目にわたる27塩基欠失の両端に近接する塩基配列に対するオリゴヌクレオチドを含む。従って、例えば、腋下臭症の治療のための薬物を患者等に使用する前(例えば手術前等)に採血してDNAを抽出し、このDNAをキット中のオリゴヌクレオチドと反応させて遺伝子型を判定する。判定された遺伝子型から薬物の種類又は用量などの投与計画が作成される。その結果、個人に合った薬物効果を得ることができ、オーダーメイド医療に有用となる。 以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例1:耳垢決定遺伝子の決定 本発明者らが以前の研究で耳垢遺伝子座をマップした〜5.9−cM領域周辺には公知の多型マーカーが希少であったため、最初に、NCBI遺伝子バンク(Genbank,http://www.ncbi.nih.gov/GenBank)において、CA−反復マーカーを検索した。また同時に、JSNPデータベース(http://snp.ims.u−tokyo.ac.jp)において、当該耳垢遺伝子座が特定されているはずの2つのゲノム配列間(AC003034及びAC007728)に関する一塩基変異多型(SNP)を検索した。 Genbankに寄託されたゲノム配列に対応する134個の蛍光染色標識プライマーセットを設計し、AC003034及びAC007728の配列の間の区間のCA−反復マーカーを増幅した。この区間には、以前マッピングされたD16S3093、D16S3117及び耳垢遺伝子座位が含まれる(Tomita et al.,2002)。 次いでこれらのマーカーを用いて、118名のボランティア(64乾型個体及び54の湿型対照個体)の遺伝子型を決定し、症例(乾型個体)・対照(湿型個体)試験を行った。ボランティアのDNAサンプルは匿名の態様で収集し、その耳垢型は自己申告とした。サンプル中のPCR産物をGeneScanソフトウェア(AppliedBiosystems)を用いたAutosequencer Model 377(Applied Biosystems,Foster City,CA)で分離し、得られたアリルを、Genotyper(Applied Biosystems)を用いて解析し、カイ2乗検定を用いて統計学的に解析した。SNPの遺伝型決定は、ExoSAP−IT(Amersham Biosciences Corp.,Piscataway,NJ)で処理した後に、BigDye terminator ver 3.1を用いた、Autosequencer Model 3100(AppliedBiosystems)におけるダイレクトシークエンスにより行った。SNPデータはまた、カイ2乗検定により解析した。 その結果、12個のCA−反復マーカーがlog10<−2.3という有意なp−値を示した。ここでp値とは統計学的な有意水準を現す値である。第16染色体の長腕のCA−反復マーカーにおけるp−値は、短腕でのp−値よりも低かったが、当該マーカーでは、これ以上耳垢遺伝子座を特定できなかったので、本発明者は、ABCC12遺伝子を包含するCA−反復(Genbank accession No.AC007600(図2、「AC007600−M1」))周辺のシーケンシングを行うことにより、新たに、p−値がlog10<−2.3を示すSNPsを検索した。 この結果、同定した62個のSNP(16個が新規同定のSNPsであり、46個が登録されたSNPsであった)のうち、B−81540及びIMS−JST141676の2個は、各々4.0x10−9及び7.6x10−5という有意なp−値を示した(図2)。 さらに、この2つのSNPアリルに関して、試験された64名の乾型個体全てがホモ接合体であった。これらの知見は、乾型の劣性形質及び創始者効果と一致し、耳垢遺伝子座がこの領域内にあることを強く示唆した。Genbankのゲノム情報によれば、2つのSNP部位は互いに600kb離れており、この間にはABCC12(ABCC sub−family,member12)、ABCC11、LONP(peroxisomal LON protease gene)及びSIAH1(seven in absentia homologue 1)の4つの遺伝子が含まれていることが分かる(図2)。 ここで、本発明者は、当該4つの遺伝子領域に焦点を当て、湿型耳垢を有することが確実な8人について完全シークエンスを行った。ある遺伝子内の与えられたSNPが耳垢遺伝子座と密接に連鎖する場合、以前報告された日本人集団における耳垢の表現型のデータ(Matsunaga,1962;Omoto,1973)に照らせば、その8人は、80−90%ヘテロ接合性を示すことが予測される。本発明者は、そのようなSNPを当該領域に見出し、同様の上記と同一の118サンプルについて、再度症例(乾型個体)・対照(湿型個体)試験を行った。 3種のSNP、すなわち、ABCC11のエキソン4中のB357760(c.538G>A)、LONPのイントロン12中のB475340(IVS12+7508A>G)、及びLONPのイントロン14中のAlu−反復配列内のB482500(IVS14+320A>G)が最も低いp−値(<2.0x10−14)(図2)を示し、それらのSNPは日本人集団において強い連鎖不平衡(LD)(r2>0.97)にあった。 遺伝子型解析の結果、乾型と自己申告した64サンプルのうち、B357760遺伝子座では63サンプルはAAホモ接合体で、1サンプルはGAヘテロ接合体であった。B475340座では、62サンプルがAAであり、2サンプルがGAであり、B482500座では、63サンプルがAAであり、1サンプルがGAであった。残りの54人の湿型サンプルでは、3つの各遺伝子座で、6サンプルがそれぞれGG、GG及びGGホモ接合体であり、33サンプルが、それぞれGA、GA及びGAヘテロ接合体であり、15サンプルがAA、AA及びAAホモ接合体であった。 2つの主な3−遺伝子座ハプロタイプである、G−G−G及びA−A−Aが117サンプル中に見出され、1つの稀なハプロタイプであるA−G−Aが、乾型のサンプル中に見出された。これらのデータは、当該3つのSNPsのうちの1つが耳垢型を決定付ける変異であることを強く示唆したが、何人かのサンプルは耳垢型表現型と遺伝子型間に矛盾がみられた。 上記解析と並行して、3つのSNPをカバーするBAC(細菌人工染色体)及びコスミドライブラリーを、家系から判断して明らかにヘテロ接合体である1個体から構築し、各々湿性及び乾型のアレルに対応する2つのコンティグセットをシークエンスした。その結果、これらのクローンは、構造的にも異常はなく、他にいかなる新たな塩基の変化も見られなかった。 その後本発明者は、医師によって耳垢型が新たに同定された126人の日本人ボランティア(88乾型及び38湿型の個体)において、上記3種のSNP座に関する遺伝子型を決定した。最初の耳鼻科検査では、8個体の耳垢型は分類不能であったが、0.06(8/126)という数値は以前報告された0.05(Matsunaga,1962)に匹敵し、自己申告及び耳鼻科診断による耳垢型は真の表現型と一致するとは限らないという事実が導き出された。しかしながら、8人中6人は、綿棒で採取した耳垢を再度評価することにより湿性又は乾型かに明白に決定できた。他の2人は依然として分類できなかったが、家族構成員内の耳垢型の伝達パターンに基づき、最終的には乾型に分類された。結果をまとめると、B357760(c.538G>A)座の遺伝子型は、乾型の88個体のうち87がAAホモ接合体であり、湿型の38個体は全てGAヘテロ接合体又はGGホモ接合体であった(表1)。 例外は1人で、表現型(乾型)及び遺伝子型(GAヘテロ接合体)の間の不一致が見られた。しかし、この個体は、ABCC11中のGアリルにおけるG/A部位の下流にあるエクソン28内に第3939番目〜第3965番目の27塩基が欠失(3939−3965de127)していた。この欠失(△27)によりアリルGの機能障害がおこり、結果として乾性表現型となった。従って、日本の長崎在住者の間のアリルA頻度は、88人/126人、すなわち0.829と算出できる。 本発明者は、CEPH(西・北ヨーロッパ出身の先祖をもつ白人)家系由来のDNAにおけるB357760及びB475340の間に、いくつかの組換えアリルを見出したが、耳垢表現型が決定された126人の日本人中にはそのような組換え体は同定されなかった。当該データを他の118の一連の日本人由来のサンプルと組み合わせた場合、1つの組換え事象が明らかとなった。2つのマーカー間の間隔はほとんど完全な連鎖不平衡(r2▲=▼1.00、D’▲=▼1.00;及びr2>0.64、D’>0.84、各々、126名の日本人及び96名のCEPH家系構成員)を示したため、おそらく、A−Aハプロタイプ(乾型ハプロタイプ)は、創始者由来であると考えられる。2つの他のSNPsであるB334000及びB404940は各々、B357760に対して約24kbほど動原体寄り、及び約47kbほど末端寄りであり(図2)、各々のマイナーアリル頻度が0.3及び0.5である87の乾型サンプルの関連研究で、高いp−値(1.3x10−3及び1.5x10−3)を示した。この結果は、この2つのSNPは耳垢型決定に関与していないことを示す。 これらの解析結果を総合すると、B357760は耳垢型の決定因子であり、さらに、ABCC11中の他の部位の稀な変異もまた、個体の一部の乾型形成に寄与すると推定できる。実施例2:アレルA及び27塩基欠失をもつアリルの種々の集団における頻度分布 様々な集団間の乾性−耳垢表現型頻度における研究は多数行われている(Matsunaga,1962;Petrakis et al.,1967;Petrakis,1969;Martin and Jackson,1969;Petrakis et al.,1971;Alfred et al.,1970;Omoto,1973;Patel,1973;Norakmal and Tan,1979;Spitsyn and Afanas▲e▼va,1989)(table及びOnline table)。本発明者は、世界中の合計33集団(1つの国籍又は1つの国における1つの民族を1集団と数えた)の遺伝子型を直接シークエンスし、アリル“A”特異的Taqmanプローブを用いたリアルタイムPCR又は一本鎖多形性分析(SSCP)を用いて決定した。 以前の研究で示された乾性耳垢の表現型分布から予想されたように、東アジア人種はアリルA頻度が極めて高い。最高値(100%)は大邸(テグ)地方(韓国南東部)の韓国人、および北部中国人でみられ、ここの人々ではアリルGは皆無であり、GAもGG遺伝子型も存在しなかった(表1)。 次にアリルAが高い集団は、モンゴル人、北部中国人以外の中国人及び本土日本人(長崎在住者)であった。一方、アリルA頻度が最も低いのは、サハラ以南のアフリカの様々な国出身のアフリカ人及びアフリカ出身のアメリカ市民である。中間頻度は、アイヌ−及び沖縄−日本人、南アジア人、オセアニア人、南北アメリカ原住民、及びそれほど頻度は高くないがヨーロッパ出身のアメリカ人、及びヨーロッパ人、および他の人種で観察された。耳垢表現型において以前示されたように(Omoto,1973)、アリルAの様々な頻度をプロットした世界等高線地図では、韓国および北中国がピークであり、ユーラシア大陸における北−南及び東−西の下方の地理的勾配分布を示すことが明らかとなった(図3)。 一方、本発明者はまた、PCR及びその後のゲル電気泳動解析による27塩基欠失について様々な集団の個体の遺伝子型を決定した。 本発明者は、27塩基欠失の検出のためのPCRプライマーセットを設計した。PCRのプライマー配列、PCR反応組成液、サイクル条件は以下の通りである。プライマー(F):CATCAGATCATCCTTATCGATG (配列番号3)プライマー(R):CACAGTTCAGCACAGTGGTGA (配列番号4)反応液組成:10mM Tris−HCl(pH8.3、25℃) 50mM KCl 1.5mM MgCl2 200μM dNTP 0.5μM プライマーサイクル条件:(95℃×20秒、60℃×20秒、72℃×20秒)×35サイクル PCR産物を電気泳動にかけ、エチジウムブロマイド染色で可視化した。野生型アレルは143bpの大きさであったが、欠失型アレルは116bpであった。 意外にも、27塩基欠失は、日本人500人中1人(0.001)に加えてアメリカ原住民20人中2人(欠失アリル頻度が0.050)、アンデス山岳の人々10人中1人(0.050)、及びボリビア人30人中9人(0.150)、タイ人50人中1人(0.020)で見られた。27塩基欠失は、韓国人、中国人、モンゴル人、与那国島及びアイヌ系日本人、太平洋諸島の人々、CEPH家系、ウクライナ人、ロシア人、イベリア人、ユダヤ人、ハンガリー人、コロンビア人、ベネズエラ人、又はアフリカ系アメリカ人では全くみられなかった(表1)。27塩基欠失はB357760(c.538G>A)遺伝子座(1人のAA及び6人のGGホモ接合体、並びに4人のGAヘテロ接合体)での遺伝子型には依存せず、南北アメリカ原住民の一部において比較的頻出する欠失多型である。このように、27塩基欠失は稀であるが、アリルAと同様に、そのホモ接合体では、腋下臭がないものと考えられる。実施例3:ヒトABCC11遺伝子のアリルA又はアリルGを導入したLLC−PK1細胞における遺伝子発現およびcGMP輸送に関するアッセイ ヒトABCC11遺伝子のアレルA又はGをもつ完全長cDNAをプラスミドpcDNA3.1−Hygroに組込み、リポフェクチン(Invitrogen,Carlsbad,California)を用いて、製造者の指示書に従い、ブタ由来のLLC−PK1細胞(JCRB cell bank)へトランスフェクトした。48時間後、細胞を200μg/mlヒグロマイシンB含有培養液に移した。14日後にヒグロマイシンB耐性の細胞のコロニーを単離した。アリルA又はアリルGを発現する細胞から全mRNAを抽出し、7900HTSequence Detection System(Applied Biosystems)を用いたリアルタイムPCR(RT−PCR)法で発現量を定量した。ABCC11−mRNAとGAPDH(対照)の比を算出し、統計学的に比較した。その結果、導入された各アリルのコピー数は不明であるが、LLC−PK1細胞中のアリルA発現量はアリルGよりも3倍ほど高かった。 ヒグロマイシンB耐性細胞を5×108個になるまで培養し、細胞膜分画を回収して、以前報告された手法(Mitomo H,et al.,2003;Masuzaki et al.,2004)に従い、cGMPの膜輸送能を測定した。その結果、ABCC11がコードするMRP8タンパク質の輸送はATP依存性であることを確認し、さらに、グリシン−180残基(アリルG)をもつ細胞膜のcGMPに対する輸送能は、アリルAをもつ細胞膜および何も組み込んでいないベクターだけを導入した細胞膜に比べて高いことが示された。cGMPに対して算出したKm値は生体内の生理的な濃度に比べて高すぎたが、グリシン−180残基をもつMRP8は他の内因性基質を輸送しているのではないかと推定される。 参考文献 Yabuuchi,H.,Shimizu,H.,Takayanagi,S.& Ishikawa,T.Multiple splicing variants of two new human ATP−binding cassette transporters,ABCC11 and ABCC12.Biochem.Biophys.Res.Commun.288,933−939(2001). Tammur,J.et al.Two new genes from the human ATP−binding cassette transporter superfamily,ABCC11 and ABCC12,tandemly duplicated on chromosome 16q12.Gene 273,89−96(2001). Guo,Y.et al.MRP8,ATP−binding cassette C11(ABCC11),is a cyclic nucleotide efflux pump and a resistance factor for fluoropyrimidines 2’,3’−dideoxycytidine and 9’−(2’−phosphonylmethoxyethyl)adenine.J.Biol.Chem.278,29509−29514(2003). Chen,Z.S.,Guo,Y.,Belinsky,M.G.,Kotova,E.& Kruh,G.D.Transport of bile acids,sulfated steroids,estradiol 17−beta−D−glucuronide,and leukotriene C4 by human multidrug resistance protein 8(ABCC11).Mol.Pharmacol.67,545−557(2005). Shugyo,Y.et al.Morphological differences between scretory cells of wet and dry type of human ceruminous glands.Am.J.Anatom.181,377−384(1988). Burkhart,C.N.,Kruge,M.A.,Burkhart,C.G.& Black,C.Cerumen composition by flash pyrolysis−gas chromatography/mass spectrometry.Otol.Neurotol.22,715−722(2001). Bang,Y.H.et al.Histopathology of apocrine bromhidrosis.Plast.Reconstr.Surg.98,288−292(1996). Petrakis,N.L.,Pingke,U.,Petrakis,S.J.& Petrakis,S.L.Evidence for a genetic cline in earwax type in the Middle East and Southeast Asia.Am.J.Phys.Anthropol.35,141−144(1971). Chen,Z.et al.Does mammographic density reflect ethnic differences in breast cancer incidence rates?Am.J.Epidemiol.159,140−147(2004). Bera,T.K.,Lee,S.,Salvatore,G.,Lee,B.& Pastan,I.MRP8,a new member of ABC transporter superfamily,identified by EST database mining and gene prediction program,is highly expressed in breast cancer.Mol.Med.7,509−516(2001). Bieche,I.,Girault,I.,Urbain,E.,Tozlu,S.& Lidereau,R.Relationship between intratumoral expression of genes coding for xenobiotic−metabolizing enzymes and benefit from adjuvant tamoxifen in estrogen receptor alpha−positive postmenopausal breast carcinoma.Breast Cancer Res.6,R252−263(2004). Tomita,H−A.et al.Mapping of the wet/dry earwax locus to the pericentromeric region of chromosome 16.Lancet 359,2000−2002(2002). Matsunaga,E.The dimorphism in human normal cerumen.Ann.Hum.Genet.25,273−286(1962). Petrakis,N.L.,Molohon,K.T.& Tepper,D.J.Cerumen in American Indians:Genetic implications of sticky and dry types.Science 158,1992−1993(1967). Petrakis,N.L.Dry cerumen−a prevalent genetic trait among American Indians.Nature 222,1080−1081(1969). Martin,L.M.& Jackson,J.F.Cerumen types in Choctaw Indians.Science 163,677−668(1969). Alfred,B.M.,Stout,T.D.,Lee,M.,Birkbeck,J.& Petrakis,N.L.Blood groups,phosphoglucomutase,and cerumen types of the Anaham(Chilcotin)Indians.Am.J.Phys.Anthropol.32,329−338(1970). Omoto,K.Polymorphic traits in peoples of eastern Asia and the Pacific.Israel J,Med.Sci.9,1195−1215(1973). Patel,S.Study on some genetic traits of Tibetans at a Chandragiri,district Ganjam,Orissa.Am.J.Phys.Anthopol.38,755−756(1973). 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Masuzaki,H.et al.Detection of cell free placental DNA in maternal plasma:direct evidence from three cases of confined placental mosaicism.J.Med.Genet.41,289−292(2004). 本発明により、ABCC11遺伝子の塩基配列のうち第538番目の塩基置換又は第3939番目から第3965番目にわたる27塩基の欠失を利用して耳垢型の評価を行うことができ、また腋下臭症の評価を行うことができる。すなわち、本発明は、耳垢型を決定している、ABCC11遺伝子の塩基配列のうち、538番目の塩基の1ヶ所の多型部位の遺伝子型を調べるのみで、耳垢型(乾型又は湿型)を評価することができる。また、耳垢型は腋下臭症と密接に関連するため、本発明により腋下臭症の評価をすることができる。したがって、本発明の方法は、腋下臭に使用するための化粧品等の開発に有用である。 さらに、この538番目の塩基の多型部位の遺伝子型から、人種の起源が古代の北方モンゴロイド人種起源である可能性が非常に高いことが分かる。したがって、ABCC11遺伝子の538番目の塩基の多型部位は、従来の方法よりも極めて簡便な方法で人種の祖先を分類することを可能とする新しいマーカーとなり、考古学又は人類学の発展に寄与するものである。 配列番号3:プライマー 配列番号4:プライマー[配列表]ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列において、第538番目の塩基の遺伝子多型と個体の耳垢の乾型又は湿型とを関連づけることを特徴とする、耳垢の評価方法。ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列において、以下の(a)又は(b)の遺伝子多型と個体の耳垢の乾型又は湿型とを関連づけることを特徴とする、耳垢の評価方法。 (a)第538番目の塩基の遺伝子多型及び第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失した遺伝子多型 (b)第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失した遺伝子多型第538番目の塩基の遺伝子多型が一塩基多型である請求項1又は2記載の方法。第538番目の塩基の遺伝子多型が連鎖不平衡ブロックを形成するものである請求項1又は2記載の方法。耳垢の評価は、第538番目の塩基の遺伝子多型がGAのヘテロ接合又はGGのホモ接合のときは湿型であると診断し、AAのホモ接合のときは乾型であると診断するものである、請求項1記載の方法。耳垢の評価は、遺伝子多型が、第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失したアリルのホモ接合のとき、又は第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がAである接合のときは乾型であると診断し、第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がGである接合のときは湿型であると診断するものである、請求項2記載の方法。ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列において、第538番目の塩基の遺伝子多型と個体の腋下臭とを関連づけることを特徴とする、腋下臭症の評価方法。ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列において、以下の(a)又は(b)の遺伝子多型と個体の腋下臭とを関連づけることを特徴とする、耳垢の評価方法。 (a)第538番目の塩基の遺伝子多型及び第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失した遺伝子多型 (b)第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失した遺伝子多型第538番目の塩基の遺伝子多型が一塩基多型である請求項7又は8記載の方法。第538番目の塩基の遺伝子多型が連鎖不平衡ブロックを形成するものである請求項7又は8記載の方法。腋下臭症の評価は、第538番目の塩基の遺伝子多型がGAのヘテロ接合又はGGのホモ接合のときは腋下臭症であると推定し、AAのホモ接合のときは腋下臭症ではないと推定するものである、請求項7記載の方法。腋下臭の評価は、遺伝子多型が、第3939番目から第3965番目の27塩基が欠失したアリルのホモ接合のとき、又は第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がAである接合のときは腋下臭ではないと推定し、第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失アリルと正常アリルとのヘテロ接合であって当該正常アリルの第538番目の塩基がGである接合のときは腋下臭であると推定するものである、請求項8記載の方法。請求項7〜12のいずれか1項に記載の方法により評価された結果を指標として、個体に使用する腋下臭症治療用薬物又は化粧品の種類及び/又は量を決定する方法。ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列のうち、第538番目の塩基を含む少なくとも10塩基の配列又はこれに相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド。ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列のうち、第3939番目から第3965番目の27塩基の欠失部位を挟みこむ少なくとも10塩基の配列又はこれに相補的な配列からなるオリゴヌクレオチド。10〜50塩基の長さを有する請求項14又は15記載のオリゴヌクレオチド。請求項14〜16のいずれか1項記載のオリゴヌクレオチドを含む、耳垢又は腋下臭の評価用キット。 本発明は、耳垢型又は腋下臭症の評価方法に関し、ABCC11をコードする遺伝子の塩基配列において、第538番目の塩基の遺伝子多型と個体の耳垢の乾型又は湿型とを関連づけることを特徴とする、耳垢の評価方法を提供する。


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