タイトル: | 公開特許公報(A)_プローブ固定担体の製造方法 |
出願番号: | 2006135029 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | G01N 33/543,G01N 33/53,C12N 15/09 |
河村 政志 JP 2007304043 公開特許公報(A) 20071122 2006135029 20060515 プローブ固定担体の製造方法 キヤノン株式会社 000001007 宮崎 昭夫 100123788 石橋 政幸 100106138 緒方 雅昭 100127454 河村 政志 G01N 33/543 20060101AFI20071026BHJP G01N 33/53 20060101ALI20071026BHJP C12N 15/09 20060101ALN20071026BHJP JPG01N33/543 525UG01N33/53 MG01N33/543 525WC12N15/00 A 15 OL 23 1.バブルジェット 4B024 4B024AA20 4B024CA01 4B024CA09 4B024HA14 4B024HA19 本発明は、標的物質検出用のプローブの固定領域を基材上に形成することによる、プローブ固定担体の製造方法に関する。 核酸の塩基配列の決定、検体中の目的とする特定の塩基配列をもつ核酸の検出、各種細菌の同定を迅速、正確に行い得る技術のひとつとして、プローブが固相支持体(担体)に固定されたプローブ担体を用いる検出方法がある。固相支持体に固定されるプローブは、標的核酸とハイブリダイゼーション反応により特異的に結合する物質である。このプローブを固定した担体(プローブ固定担体)としては、多数種のプローブを基材上に並べたプローブアレイやDNAチップとしてなどの形態で提供されている。 プローブを固相支持体上に固定する方法としてはさまざまな方法が知られている。詳細には、固相支持体上においてプローブの逐次合成を行うことにより固定する方法(オン・チップ法)、予め用意されたプローブをピンもしくは、スタンプなどにより基材上に付与することにより固定する方法などがある。 米国特許第51438545号明細書には逐次合成法の具体例が開示されている。この方法では、まず、基体の選択された領域からアクチベーターによって保護基が除去される。次に、この保護基を除去することで活性化された基体の領域に、除去可能な保護基を有するモノマーを結合させる。更に、保護基の除去とモノマーの結合を繰返すことにより、基体上で種々の配列を有するポリマー(ポリヌクレオチド)が合成される。 特開平8−23975号公報には、共有結合を用いて生物学的に活性な物質を基材上に固定する方法が開示されている。この方法では、基材及び該基材上に担持されたカルボジイミド基を有する高分子化合物よりなる固定用の材料に、カルボジイミド基との反応性を有する生物学的に活性な物質を接触させることにより固定化が行われる。また、特開2001−178442号公報には、チオール基を利用してDNA断片を固相担体表面に固定化する方法が開示されている。この方法では、末端部にチオール基を有するDNA断片と、このチオール基と反応して共有結合を形成し得る反応性基を有する鎖状分子が一方の末端で表面に固定された固相担体と、を液相にて接触させる。この接触により、DNA断片と鎖状分子との間で共有結合を形成させて、DNA断片を固相担体表面へ固定する。一方、特開2000−295990号公報には、DNA断片と親水性ポリマーとを水性媒体に溶解あるいは分散してなる水溶液を、固相担体表面に点着することによって、DNA断片と固相担体表面との結合を安定化できることが開示されている。 このように作成されるプローブアレイは、一般に高感度である事が望まれる。それは、プローブアレイにより検出すべき標的物質の濃度が低い場合などは、S/N比などが低下して検出結果の信頼性に疑問が生じてしまうからである。そこで、プローブの濃度を高めて、基材上に固定されるプローブ量を多くする事で感度を向上させる方法が試される場合がある。しかし、そのようにして作成するプローブアレイは基材上のプローブと結合し得る反応性基に対してプローブの結合量が飽和状態になる事がある。そのような場合に、基材上に点着され、スポットやドットなどを形成しているプローブを含有する液滴に未反応のプローブが残存する事がある。そして、その状態のまま液滴を水または洗浄剤などの液相処理にて除去すると、未反応のプローブが点着された領域(スポットエリア)以外の部分へ流されることになる。この未反応プローブが、基材のスポットエリア(プローブ固定領域)ではない非固定領域の基材表面にある反応性基と反応すると、そこでも標的物質との反応が生じ、検出精度が低下する原因となる。 更に、異なるプローブのスポットエリアを基材上に配列する場合に、未反応プローブが、これと異なるプローブの固定領域に混入して固定された場合にも、検出精度の低下が生じる。例えば、未反応のプローブが点着した液滴に残存した状態で液滴を液相にて除去すると、流れ出したプローブが隣接のスポットエリアを汚染してしまい、1種類のプローブが固定されたスポットエリア内に、別種のプローブが混在してしまう事になり問題となる。 また、これらの問題点の他にも、プローブを結合する基材自体にも非特異吸着の原因となる要因があり問題を生じる事がある。それは、プローブアレイのバックグラウンドエリア全体に標的物質の固定が起きると、スポットとその周りのバックグランドとの境界が見えなくなり、検出シグナルであるかどうかの判断が出来なくなってしまうからである。これは例えば、基材上にアミノ基などの水溶液中で正電荷を示す反応性基が存在する場合、標的核酸の負電荷と静電吸着してしまう時などに生じる。 これらの問題を解決するために従来においても、プローブアレイにおいて標的物質のバックグラウンドエリアへの非特異的吸着を防ぐ方法が試みられている。具体的な標的物質のバックグラウンドエリアへの非特異的吸着を抑えるためのプローブアレイの処理については、スキムミルクなどを用いてブロッキング処理することが知られている。また、プローブを基材上に固定後した後で、水溶性高分子溶液に浸漬してブロッキング処理することが知られている。具体的には、特許第2794728号公報に記載されているように、プローブのニトロセルロース膜への固定後、PVA又は/及びPVPを含有する溶液に浸してブロッキング処理する方法である。米国特許第51438545号明細書特開平8−23975号公報特開2001−178442号公報特開2000−295990号公報特許第2794728号明細書 しかしながら、上述のブロッキング試薬を用いても、高感度化するためにスポット中でのプローブ濃度を、基材の反応活性基と反応できる飽和濃度以上となるまで高めた場合は、基材上のスポット中に未反応プローブが存在することになる。この未反応プローブがバックグランドエリアとしての非固定領域に固定されると、この非固定領域へのブロッキング処理における効果が低減することになる。 本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解消することにある。即ち、本発明は、標的物質(ターゲット)を検出するプローブ固定担体において、プローブ固定担体作成時のスポット間汚染やバックグラウンドエリアへのプローブ固定を防ぐ事が出来るプローブ固定担体の製造方法を提供することを解決すべき課題とした。 本発明にかかるプローブ固定担体の製造方法は、標的物質に対し特異的に結合可能であるプローブを基材上に固定したプローブ固定担体の製造方法において、(1)プローブを固定するための反応性基を有する基材に、プローブが固定された固定領域と、プローブが固定されていない非固定領域を形成する工程と、(2)前記固定領域内に存在し、かつ前記基材の反応性基と未反応のプローブを不活性化する工程とを有することを特徴とするプローブ固定担体の製造方法である。 従来のプローブ非固定領域(バックグラウンド)に特異的に吸着、結合させるブロッキング液を用いたブロッキング方法では、ブロッキング反応中にスポットされた未反応プローブが流されるため、これが非特異吸着の原因となる場合が多い。しかし、本発明によれば、スポット中の未反応プローブに対して特異的に不活性化が可能であるので、バックグラウンドに未反応プローブが固定されるのを防止する事が出来る。 本発明のプローブ固体担体の製造方法は、基材のプローブ固定領域に対して未反応プローブを不活性化する処理が行われる点に特徴を有する。プローブ固定領域は、プローブを含む液体を基材表面の区分された所定領域に付与して得られるもので、帯状、スポット状、ドット状などの所望とする形状で形成される。 プローブとしては、タンパク質(複合タンパク質を含む)、核酸、糖鎖(複合糖質を含む)、脂質(複合脂質を含む)等の生体高分子などを用いることができる。具体的には、酵素、ホルモン、フェロモン、抗体、抗原、ハプテン、ペプチド、合成ペプチド、DNA、合成DNA、RNA、合成RNA、PNA、合成PNA、ガングリオシド、レクチンなどがあげられる。プローブ側の反応性基(X)を基材側の反応性基と反応させることでプローブの基材へ固定化が可能である。このプローブ側の反応性基(X)としては、チオール基、アミノ基、マレイミド基、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、ホルミル基、カルボキシル基、アクリルアミド基およびエポキシ基を挙げることができる。 なお、プローブが基材との反応性基(X)を本来有しているものであれば、この反応性基(X)を利用して、あるいはプローブが反応性基(X)を本来有するものでない場合はプローブを反応性基で修飾して用いる。 例えば、プローブにチオール基を導入する際、例えば、自動合成するDNAをプローブとする場合にはDNA自動合成機での合成時にチオールモディファイア(Thiol−Modifier)(グレンリサーチ(GlenResearch)社製)を用いる事ができる。なお、チオール基の導入方法は、効率良くチオール基の導入することができれば、特に限定されるものではない。一方、プローブにアミノ基を導入する際、例えば、自動合成するDNAをプローブとする場合にはDNA自動合成機での合成時にアミノモディファイア(amino−Modifier)(グレンリサーチ(GlenResearch)社製)を用いる事ができる。なお、アミノ基の導入方法は、効率良くアミノ基の導入することができれば、特に限定されるものではない。 基材とはプローブの担体や支持体として機能するものであり、プローブを固定し、得られたプローブ固定基材を用いて検知物質(標的物質)を検出するのに支障のないものであれば特に限定されるものではない。例えば、ガラスなどの無機材料または各種樹脂などの高分子材料などがあげられる。また、プローブ固定密度を上げ感度を向上させるために、基材として、多孔質ガラス、紙、ニトロセルロース、アクリルアミド等の多孔質の材質からなるものを用いることができる。更に、基材は、各種の材料の表面にこれらの多孔質の物質が付与されたものでも良い。更に、基材用の材料としては、公知の手法を用いて表面にプローブ側の反応性基(X)と反応する反応性基(Y)として、アミノ基、マレイミド基、アクリルアミド基、N-ヒドロスクシンイミジルエステル基、ホルミル基、カルボキシル基またはエポキシ基などを導入した材料か、元来これらの反応性基を含む材料を選定する事が望ましい。また、これらの反応性基はこれに限定されるものではなく、プローブ側の反応性基(X)に応じて適宜選択される。XとYの組み合わせを挙げるならば、Xがアミノ基の時、YはN-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基である事が好ましい。また、Xがチオール基の時、Yはマレイミド基である事が好ましい。 基材の所定位置へのプローブ固定領域の形成には、プローブの水溶液などのプローブを含む液体を基材の所定位置に付与する方法が好適に利用できる。プローブを含む液体の基材上への付与には、DNAアレイの製造などにおいて用いられている種々の方法が利用できるが、プローブを含む液体を基材上の所定位置への点着を可能とする方法が好ましい。この点着方法としては、ピペット法、ピン法、ピン&リング法、インクジェット法などを挙げることができる。なかでも、インクジェット法は、基材上へ付与する液量及び付与位置の精密な制御が可能であり、高密度にプローブ固定領域を基材上に正確に配置することができるので特に好ましい。 基材表面にプローブの固定領域と非固定領域とが形成された段階で、基材の少なくともプローブの固定領域に対して未反応プローブの不活性化処理が行われる。この不活性化処理は、不活性化化合物を基材上に付与する方法が好ましい。 不活性化化合物での基材の処理は、不活性化化合物を基材に付与することにより行うことができる。不活性化合物の基材への付与には、点着法、塗布法、噴霧法、気相接触法などを用いることができる。 不活性化化合物の点着にも、ピペット法、ピン法、ピン&リング法、インクジェット法などを用いることができる。 これらの点着方法のなかでは、点着の際に基材に付与する液体量とその点着位置を精度好く制御できるインクジェット法が好適であり、プローブの固定領域の基材上での位置情報に基づいて固定領域への不活性化化合物の付与を行うことで、最小限の不活性化化合物の使用により、十分な不活性化効果を得ることが可能である。 なお、プローブを含む液体の基材への付与にインクジェット法を用い、その際に用いた各固定領域(スポット)の位置情報を、不活性化化合物のインクジェット法による付与に利すれば、不活性化化合物の基材への効率良い付与を行うことができる。 インクジェット法による基材へのスポッティングにおいて、プローブ溶液または不活性化化合物溶液に含まれる成分としては、プローブや不活性化化合物の所望とする機能を損なうような影響を実質的に与えないものが選択される。特に、インクジェットヘッドからの吐出時にプローブや不活性化化合物に実質的に影響を与えないものを選択する。 例えば、インクジェットヘッドが溶媒に熱エネルギーを付与して吐出させる機構を備えるバブルジェットヘッドである場合、グリセリン、チオジグリコール、イソプロピルアルコール、アセチレンアルコールを含む水性液媒体はプローブ用として好ましいものである。更に具体的に述べるのであれば、グリセリン5〜10wt%、チオジグリコール5〜10wt%、アセチレンアルコール0.5〜1wt%を含む水性液体がプローブ媒体として好適に用いられる。また、インクジェットヘッドが圧電素子を用いて溶液を吐出させるピエゾジェットヘッドである場合、エチレングリコール、イソプロピルアルコールを含む液体はプローブ溶媒に含まれる成分として好ましいものである。更に具体的には、エチレングリコール5〜10wt%、イソプロピルアルコール0.5〜2wt%を含む水性液体がプローブ溶媒として好適に用いられる。 このようにして得られたプローブ溶液をインクジェットヘッドより吐出させ基材上に付着させた時、スポットの形状が円形で、また吐出された範囲が広がることがない。高密度にプローブ溶液をスポッティングした場合にも、隣接するスポットとの連結を有効に抑えることができる。なお、本発明のプローブ溶液の特性は上記のものに限定されるものではない。 なお、基材上に形成されたプローブ固定領域(例えばスポット)に、不活性化合物を含有する液体を点着手段により付与する場合は、不活性化化合物を含む液体の付与によりプローブ固定領域が必要以上に広がらないようにすることが好ましい。 その理由として、次の事項を挙げることができる。例えば、プローブ固定領域の形成と不活性化化合物のプローブ固定領域へ付与を点着により行う場合は、基材上に残存するプローブを含む液滴と、そこに付与される不活性化合物を含む液滴との合計量が最終的な液滴の大きさ(スポットの大きさ)を決定する。プローブを含有する液滴の容量よりも、不活性化化合物を含有する液滴容量の方が過剰に大きいと、これらが混合された後に形成される液滴径は大きくなってしまう。その際、未反応のプローブと不活性化合物との反応が起きる前に、プローブが本来バックグランドと成るべき領域に結合してしまう恐れがある。そして、プローブのバックグラウンド領域(非固定領域)への結合により、プローブ固定領域は所定のサイズよりも大きくなってしまい、プローブ固定領域を高密度に配置する際の障害となり得る。 上述したプローブ固定領域の必要以上の広がりを防止するには、不活性化化合物の液体の付与量を調整する方法が好適である。プローブ固定領域の形成と不活性化化合物の付与とを基材への液滴付与によって行う場合は、これらの液滴の容量が同等となるように設定ることが好ましい。更に好ましくは、液滴径がほとんど変化しないようにするため、不活性化化合物の濃度を高濃度に設定し、不活性化合物を含有する液滴量を少なくする事で上記目的が達成され得る。ここで、未反応プローブの反応性基に対して、不活性化化合物の反応性基量を等モル以上に設定すれば、微小化液滴を付与できる手段にも依るが、不活性化化合物を含む液滴量は幾らでも少なくする事が出来る。この場合、不活性化化合物の濃度は溶解度の範囲内に設定する事が望ましい。 また、未反応プローブの活性基を出来るだけ全て不活性化するために、不活性化化合物を含有する液滴に含まれる不活性化物質の濃度を十分高める事が望ましい。 一方、不活性化化合物を基材に付与するために用いられる塗布法としては、スリットから流出させて基材上に塗布するスリットコート法やスピンコート法などを挙げることができる。噴霧法としてはスプレー法を挙げることができる。不活性化化合物は必要に応じて適当な溶媒に溶解または分散させてこれらの方法に用いることができる。 不活性化化合物を適当な溶媒に溶解して液体として塗布しなくても、不活性化化合物が比較的、低沸点物質である場合は、気相処理により、基材を処理する事が望ましい場合もある。気相処理については、常温または加熱器などによる熱で気化する化合物(例えば低分子化合物など)を用いる場合に特に有効である。密閉チャンバまたは加熱器付きの密閉チャンバ内に不活性化化合物と、プローブ固定領域が形成されている基材を導入して密閉し、一定時間放置する事で不活性化が達成され得る。また、噴霧処理については常温で気化しない不活性化化合物(例えば高分子化合物や分子間力が強い極性化合物)を用いる場合に特に有効であり、不活性化化合物を適当な溶媒に溶解してブロッキング液としたあと、スプレーなどの噴霧装置により、点着が完了したプローブ固定担体にブロッキング液を吹き付ける事で達成され得る。 特に、気化させた不活性化化合物による不活性化は、真空蒸着装置、またはポリカーボネート製の簡易的な真空デシケータでも構わないが、真空空間を生成出来る装置内で行う事が望ましい。それは沸点が高い液体状もしくは固体状の不活性化化合物を使用する場合、真空空間により、不活性化化合物の沸点を下げ、比較的低温でも不活性化化合物を蒸発させる事が出来るので、熱に弱い不活性化化合物においてこの方法は有効である。 噴霧処理については、スプレーノズルが組み込まれた製造ラインを構築し、ライン上でスプレーノズルから不活性化化合物を含む液体を噴霧して、プローブ固定領域が形成された基材に塗布するような工程で行う事が望ましい。この時、スプレーノズルから吐出される不活性化化合物を含む液体のミスト径は10μm〜20μm程度、理想的には1μm〜5μmである事が望ましい。それは、ミスト径が大きいとミストの痕跡が認められる場合があり、見た目に良くないからである。また、点着の場合のプローブを含有する液滴の直径は50μm〜500μm程度であるので、この大きさと同じ程度のミスト径だと物理的に点着された液滴の形状を変えてしまう事になり本発明意図の観点ではあまり好ましくない。 不活性化化合物は、未反応プローブの有する基材と反応する反応性基(X)を不活性化する作用を有するものが好ましい。この不活性化化合物としては、未反応プローブの反応性基(X)に結合してこれを不活性化するものを好適に利用できる。不活性化化合物のプローブへの結合様式としては、共有結合、静電結合、疎水結合、ファンデルワールス結合などが挙げられる。 また、不活性化化合物が、不活性化された未反応プローブが基材上に残存せずに基材から除去可能である場合は、固定領域に固定されているプローブの機能を損なわず、かつ、目的とする不活性化処理に必要な構造や特性を有するものであれば何でも良い。これに対して、不活性化した未反応プローブを基材上から除去せずにプローブ固定担体を検体との反応に用いる場合には、不活性化合物は、上記の基材から除去する場合における要件に加えて、検体中の標的物質とのプローブとの反応を阻害しないような分子構造を有している事が望ましい。これに関連して、不活性化物質の不活性化作用を有する活性基以外の具体的な化学構造としては、例えば、アルキル基、アルコキシル基、水酸基及びポリエチレングリコール鎖(PEG)を含む化学的構造、ペプチド鎖(−NH−CO−結合)を含む化学的構造などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。 不活性化化合物としては、例えば、以下に示す各化合物を挙げることができ、これは必要に応じて2種以上を組み合わせて用いても良い。(1)プローブの反応性基X=アミノ基;不活性化合物の反応性基Y=N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基の場合(2)プローブの反応性基X=チオール基;不活性化合物の反応性基Y=マレイミド基の場合 不活性化処理された基材は必要に応じて洗浄する。例えば、不活性化されたプローブが基材上から除去可能である場合は、出来るだけ不活性化された未反応プローブを除去する事が望ましい。それは、プローブの反応性基を不活性化しても、標的物質を捕獲するプローブ部分(この例ではDNA部分)と基材が静電吸着、ファンデルワールス力などの比較的弱い相互作用による結合で基材上に存在してしまう事があるからである。その状態で検体との反応を行うと、反応中の熱、または、反応溶液中に含まれる界面活性剤の作用により、これら弱い相互作用で結合している不活性化した未反応プローブが剥離してしまい問題を生じてしまうからである。その問題は、不活性化した未反応プローブでもプローブ部分は標的物質に対して活性を維持しているため、標的物質に対して、基材に固定されたプローブと剥離した未反応プローブ間で競合的に反応が起きてしまうことにより生じる。この競合反応が生じると、標的物質の検出結果として、反応溶液中に存在する標的物質の量を正確に見積もる事が不可能になってしまう。よって、定量などの高感度での検出を行う場合は、不活性化された未反応プローブは出来るだけ除去する事が望ましい。ここで、不活性化された未反応プローブの除去方法としては、検体とプローブ固定担体を反応させる際の反応溶液の溶媒で洗浄する方法が望ましい。具体的には、プローブがDNAプローブである場合、リン酸バッファー、トリス塩酸バッファー、トリス酢酸バッファー、HEPESバッファー、MOPSバッファー、酢酸ナトリウムバッファー、クエン酸ナトリウムバッファー、または、これらのバッファーに適宜、必要に応じて塩化ナトリウム等の塩、EDTA等のキレート剤、SDS等のアニオン性界面活性剤、BriJ58、Nonidet P−40、Triton X−100、Tween 20、Tween 80等の非イオン性界面活性剤を溶解したバッファーにて洗浄する。 また、不活性化処理後のプローブ固定担体には、標的物質の検出等を行う前に、標的物質のバックグラウンドへの非特異吸着を防止するため、必要に応じて、ブロッキングを行っても良い。ブロッキングは例えば、基材を1〜2重量%ウシ血清アルブミン水溶液中に、2時間程度浸すことにより行なうことができる。なお、このブロッキングの工程は必要に応じて行えば良く、例えばサンプルのプローブ固定基材への供給を各々のスポットに対して限定的に行い、スポット以外の部位へのサンプルの付着が実質的にない場合には行わなくても良い。 <実施例1>チオール標識DNAプローブを用いる場合の不活性化(i)プローブ合成および蛍光標識した標的物質(ターゲット)の合成 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブとして一本鎖DNAプローブを用いた。DNA自動合成機を用いて、以下の配列番号:1の配列からなる一本鎖核酸部分を有するプローブ1を合成した。この一本鎖DNA末端にはDNA自動合成機での合成時にチオールモディファイア(Thiol−Modifier)(グレンリサーチ(GlenResearch)社製)を用いる事によってメルカプト(SH)基を導入した。続いて通常の脱保護を行ない、DNAを回収し、高速液体クロマトグラフィーにて精製し、以下の実験に用いた。プローブ1の構造5'HS-(CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCCGTCGTTTTACA3' また、プローブ1の一本鎖DNAと相補的な塩基配列を有する一本鎖DNAをDNA自動合成機で合成し、5’末端にCy3を結合させて標識化した一本鎖DNA(ターゲット)を得た。(ii)プローブ固定担体の作成・基材の洗浄 プローブ固定担体の基材として、1インチ×3インチ角の合成石英ガラス基板を用いた。この石英ガラス基板の洗浄は以下の通り実施した。すなわち、純水ブラシ洗浄、純水リンス、アルカリ性洗剤超音波洗浄、純水リンス、純水超音波洗浄、純水リンス、窒素ブロー乾燥であり、これにより清浄面を有する石英ガラス基板を用意した。・表面処理 アミノシランカップリング剤(商品名:KBM-603;信越化学工業(株)社製)を1wt%になるように水に溶解し、30分間撹拌してメトキシ基を加水分解させた。この水溶液にスライドガラスを30分間浸漬(温浴にて80℃に加温)させた後、取り出して純水で洗浄し、オーブン中120℃で1時間ベーク処理を行った。次いで、N−マレイミドカプロイロキシスクシンイミド(Dojin社製;以後、EMCSと略す)を2.7mg秤量し、ジメチルスルホキシド(DMSO)/エタノールの1:1溶液に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を用意した。前記のベーク処理したアミノ基導入石英ガラス基板をこのEMCS溶液に室温で2時間浸漬して、表面にマレイミド基を導入した。EMCS溶液処理後、基板をDMSO/エタノール混合溶液、エタノールで順次洗浄し、窒素雰囲気下で乾燥させた。・プローブ固定 上記(i)で合成したプローブ1を用いてインクジェット用のプローブ溶液を調製した。溶媒としては、グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、アセチレンアルコール(商品名:アセチレノールE100;川研ファインケミカル(株)社製) 1.0wt%を含む水溶液を用いた。水溶液中のプローブ濃度として、8.75、26.25、43.75、61.25、87.5μMの5種類を調整した。ここで基板上のマレイミド基量に対し、チオール標識プローブの反応飽和濃度は50μM程度である事が分かっている。これらのプローブ含有溶液をそれぞれ個々に用いてインクジェット法により、EMCS溶液処理した基板にスポッティングした後、この基板を30分間、恒温恒湿チャンバー内に静置してプローブと基板に反応させて固定しプローブ固定担体とした。 (iii)未反応のチオール標識DNAプローブの不活性化 不活性化化合物として、式(1)の化合物:Maleimido−PEGs(商品名:SUNBRIGHT MEMAL−50.日本油脂(株)製)を用いて、未反応プローブの不活性化について検討した。この化合物は、DNAプローブの反応活性基であるチオール基と共有結合し得るマレイミド基を分子内に持つ分子量5、000の化合物である。 Maleimido−PEGsを用いてインクジェット用の溶液を調製した。液媒体としては、グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、アセチレンアルコール(商品名:アセチレノールE100;川研ファインケミカル(株)社製) 1.0wt%を含む水溶液を用いた。なお、前記水溶液中のMaleimido−PEGs濃度は100μMに設定した。 続いて、上記不活性化溶液を、上記(ii)で作成したプローブ固定担体上の未反応プローブが残存しているドットに、インクジェット法によりスポッティングして、基板を30分間、恒温恒湿チャンバー内に静置して未反応プローブチオール基失活反応を起こさせた。 なお、インクジェット法で用いた液滴吐出ヘッドについて、プローブ固定で使用したヘッドと、未反応プローブを不活性化する工程で使用したヘッドは同じ仕様のものであり、液滴量もほぼ同等(約8pl)である。(iv)未反応プローブの除去 次いで、1M NaCl/50mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)で洗浄し、純水で軽く洗浄した後、窒素ブロー乾燥してハイブリダイゼーション用のプローブ固定担体を得た。この際、比較として、上記(ii)で作成したプローブ固定担体を、上記(iii)の不活性化処理を行わず、上記(iv)の未反応プローブの除去を行ったプローブ固定担体も作成した。(v)ハイブリダイゼーションおよび蛍光評価 前記(i)で合成した蛍光標識した標的物質を1M NaCl/50mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)に最終濃度5nMとなるように溶解し、この溶液中に前記の洗浄済みのプローブ固定担体を浸漬し、温度45℃で2時間ハイブリダイゼーション処理を行った。処理後、プローブ固定担体を1M NaCl/50mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)により洗浄し、ハイブリダイズしなかった一本鎖DNAを洗い流した。次いで、純水で軽く洗浄し、塩分除去した後に、窒素ブローにて乾燥した。この乾燥処理したプローブ固定担体のスポットの蛍光強度を蛍光スキャナー(商品名:GenePix4000B/Axon Instruments , Inc.製)を用いて測定した。なお、測定条件は実施例、比較例とも同一とした(蛍光強度測定波長:532nm)。 (vi)結果 Maleimido−PEGsによる不活性化処理「あり」と「なし」でスポット周りの蛍光輝度(バッグラウンド)の平均輝度をプローブ濃度に対してプロットすると図1のような結果になった。なお、バックグラウンドの基準値をプローブ濃度が一番低い8.75μMで不活性化処理なしの条件に設定した。この結果より、不活性化処理なしの条件はプローブ飽和濃度以上である61.25μMで急激にバックグラウンドの上昇が見られる(蛍光画像ではスポット流れが激しく起きている事が確認されている)。一方、不活性化処理ありのほうは飽和濃度以上である61.25μM以上でもバックグランドの上昇は見られず、本発明特徴である未反応のプローブを不活性化し、バックグランドへのプローブの固定防止を達成している事が示された。 <実施例2>アミノ標識DNAプローブを用いる場合の不活性化(i)プローブ合成およびその相補鎖プローブおよび蛍光標識した標的物質(ターゲット)の合成 標的物質に対して特異的に結合可能なプローブとして一本鎖DNAプローブを用いた。DNA自動合成機を用いて、以下の配列番号:1の配列からなる一本鎖核酸部分を有するプローブ2を合成した。なお、この一本鎖DNA末端にはDNA自動合成機での合成時にアミノモディファイア(Amino−Modifier)(グレンリサーチ(GlenResearch)社製)を用いる事によってアミノ(NH2)基を導入した。続いて通常の脱保護を行ない、DNAを回収し、高速液体クロマトグラフィーにて精製し、以下の実験に用いた。プローブ2の構造:5'NH2-(CH2)6-O-PO2-O-ACTGGCCGTCGTTTTACA3' また、プローブ2の一本鎖DNAプローブと相補的な塩基配列を有する未標識の一本鎖DNAプローブをDNA自動合成機で合成した。さらに該一本鎖DNAプローブの5’末端にCy3を結合させて標識化した一本鎖DNA(ターゲット)を得た。(ii)プローブ固定担体の作成・基材の洗浄 プローブ固定担体の基材として、1インチ×3インチ角の合成石英ガラス基板を用いた。この石英ガラス基板の洗浄は以下の通り実施した。すなわち、純水ブラシ洗浄、純水リンス、アルカリ性洗剤超音波洗浄、純水リンス、純水超音波洗浄、純水リンス、窒素ブロー乾燥であり、これにより清浄面を有する石英ガラス基板を用意した。・表面処理 エポキシ基を結合したシラン化合物(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を含むシランカップリング剤(商品名:KBM403;信越化学工業株式会社製)を1wt%含有する50wt%メタノール水溶液を室温下で3時間攪拌した。この攪拌処理によりシラン化合物中のメトキシ基を加水分解した。ついでこの溶液を上記基板表面にスピンコーターで塗布し、100℃で5分間加熱、乾燥して基板表面にエポキシ基を導入した。・プローブ固定 NaClを50mMの濃度で含むTE溶液(pH8)に、先に調製したアミノ標識DNAプローブを最終濃度が200μMとなるように溶解し、アミノ標識DNAプローブ溶液を得た。これとは別に、NaClを50mMの濃度で含むTE溶液(pH8)に、未標識の配列番号:1の相補配列からなる一本鎖DNAを最終濃度が200μMとなるように溶解し、未標識一本鎖DNA溶液を調製した。そしてアミノ標識DNAプローブを含む溶液100μlに対して未標識の一本鎖DNA溶液を100μl加えて混合した。更に、この混合溶液を90℃から25℃まで直線的に2時間かけて冷却し、各々のDNAプローブと各々の一本鎖核酸とのハイブリッド体を形成させた。次に、このハイブリッド体を含む溶液を、グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、及びアセチレンアルコール(商品名:アセチレノールEH;川研ファインケミカル(株)社製)1wt%を含む水溶液に加えた。ハイブリッド体の最終濃度が8、24、40、56、72、88、104μMとなるように調整した(7種類の濃度で検討)。ここで基板上のエポキシ基量に対し、アミノ標識プローブの反応飽和濃度は65μM程度である事が分かっている。 これらのプローブ含有溶液をインクジェット法により、基材のエポキシ基を導入した表面にスポッティングした後、恒温恒湿チャンバー内に基板を12時間置き、プローブのアミノ基と基板のエポキシ基とを反応させ、プローブ固定担体とした。なおプローブの塩基のアミノ基は完全相補的な一本鎖DNAとハイブリッドを形成しているため、基板表面のエポキシ基と反応することはない。(iii)未反応のアミノ標識DNAプローブの不活性化 不活性化化合物として、式(2)の化合物:Carboxyl−PEGs(NHS active esters)(商品名:SUNBRIGHT ME−020AS.日本油脂(株)製)を用いて未反応プローブの不活性化について検討した。この化合物は、DNAプローブの反応活性基であるアミノ基と共有結合し得るNHS活性エステル基を分子内に持つ分子量5、000の化合物である。 Carboxyl−PEGs(NHS active esters)を用いてインクジェット用の溶液を調製した。液媒体としては、グリセリン7.5wt%、尿素7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、アセチレンアルコール(商品名:アセチレノールE100;川研ファインケミカル(株)社製) 1.0wt%を含む水溶液を用いた。なお、前記水溶液中のCarboxyl−PEGs濃度は100μMに設定した。 続いて、上記不活性化溶液を、上記(ii)で作成したプローブ固定担体上の未反応プローブが残存しているドットに、インクジェット法によりスポッティングして、基板を30分間、恒温恒湿チャンバー内に静置して未反応プローブのアミノ基失活反応を起こさせた。 なお、インクジェット法で用いた液滴吐出ヘッドについて、プローブ固定で使用したヘッドと、未反応プローブを不活性化する工程で使用したヘッドは同じ仕様のものであり、液滴量もほぼ同等(約8pl)である。(iv)未反応プローブの除去 次いで、基板を80℃の純水で10分間洗浄し、基板に結合しているプローブとハイブリッドを組んでいる相補鎖をプローブから解離させると共に洗い流し、不活性化した未反応プローブも共に洗い流し、窒素ブロー乾燥してハイブリダイゼーション用のプローブ固定担体を得た。 この際比較として、上記(ii)で作成したプローブ固定担体を、上記(iii)の不活性化処理を行わず、上記(iv)の未反応プローブの除去を行ったプローブ固定担体も作成した。(iv)ハイブリダイゼーションおよび蛍光評価 前記(i)で合成した蛍光標識した標的物質を1M NaCl/50mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)に最終濃度5nMとなるように溶解し、この溶液中に前記の洗浄済みのプローブ固定担体を浸漬し、温度45℃で2時間ハイブリダイゼーション処理を行った。処理後、プローブ固定担体を1M -NaCl/50mMリン酸緩衝溶液(pH7.0)により洗浄し、ハイブリダイズしなかった一本鎖DNAを洗い流した。次いで、純水で軽く洗浄し、塩分除去した後に、窒素ブローにて乾燥した。この乾燥処理したプローブ固定担体のスポットの蛍光強度を蛍光スキャナー(商品名:GenePix4000B/Axon Instruments , Inc.製)を用いて測定した。なお、測定条件は実施例、比較例とも同一とした(蛍光強度測定波長:532nm)。(vi)結果 Carboxyl−PEGs(NHS active ester)による不活性化処理「あり」と「なし」でスポット周りの蛍光輝度(バッグラウンド)の平均輝度をプローブ濃度に対してプロットすると図2のような結果になった。なお、バックグラウンドの基準値をプローブ濃度が一番低い8μMで不活性化処理なしの条件に設定した。この結果より、不活性化処理なしの条件はプローブ飽和濃度以上である72μMで急激にバックグラウンドの上昇が見られる(蛍光画像ではスポット流れが激しく起きている事が確認されている)。一方、不活性化処理ありのほうは飽和濃度以上である72μM以上でもバックグランドの上昇は見られず、本発明特徴である未反応のプローブを不活性化し、バックグランドへのプローブの固定防止を達成している事が示された。Maleimido−PEGsによる未反応プローブ不活性化効果を示す図である。Carboxyl−PEGs(NHS active ester)による未反応プローブ不活性化効果を示す図である。 標的物質に対し特異的に結合可能であるプローブを基材上に固定したプローブ固定担体の製造方法において、(1)プローブを固定するための反応性基を有する基材に、プロ−ブが固定された固定領域と、プローブが固定されていない非固定領域を形成する工程と、(2)前記固定領域内に存在し、かつ前記基材の反応性基と未反応のプローブを不活性化する工程とを有することを特徴とするプローブ固定担体の製造方法。 前記基板上から前記不活性化処理されたプローブを除去する工程を更に有する請求項1に記載の製造方法。 前記固定領域の形成は、プローブを含有する液体を点着によって前記基材上に点着することにより行われる請求項1または2の何れかに記載の製造方法。 前記未反応プローブの不活性化は、プローブを不活性化する事が可能な不活性化化合物を未反応プローブに作用させることにより行う請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。 前記不活性化化合物を含有する液体を点着によって前記基材上の未反応プローブを有する固定領域に点着することにより、前記未反応プローブに前記不活性化化合物を作用させる請求項4に記載の製造方法。 前記点着はインクジェット法による点着である請求項3または5に記載の製造方法。 前記不活性化化合物を含有する液体を、前記基材上の未反応プローブを有する固定領域に噴霧することにより、前記未反応プローブに前記不活性化化合物を作用させる請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。 前記不活性化化合物を含有する液体を、スリットより流出させて前記基材上に塗布することにより、前記未反応プローブに前記不活性化化合物を作用させる請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。 前記不活性化化合物を蒸発させ、気体成分として含有させた気相に前記基板を接触させることにより、前記未反応プローブに前記不活性化化合物を作用させる請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法。 前記プローブはオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド又はペプチド核酸である請求項1〜9の何れかに記載の製造方法。 該プローブはヌクレオチド誘導体もしくはその類縁体である請求項1〜9の何れかに記載の製造方法。 前記ブローブの基材に結合し得る反応性基がXである時、前記不活性化化合物は反応性基Xと反応して不活性化を行う活性基Yを分子内に含んでいる化合物である請求項4〜11の何れかに記載のプローブ固定担体の製造方法。 前記反応性基Xは、チオール基、アミノ基、マレイミド基、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、ホルミル基、カルボキシル基、アクリルアミド基またはエポキシ基である請求項12に記載の製造方法。 前記活性基Yは、チオール基、アミノ基、マレイミド基、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル基、ホルミル基、カルボキシル基、アクリルアミド基またはエポキシ基である請求項12に記載の製造方法。 不活性化化合物は標的物質に対し不活性である請求項4〜14に記載のプローブ固定担体の製造方法。 【課題】標的物質を検出するプローブ固定担体において、プローブ固定担体作成時のスポット間汚染やバックグラウンドエリアへのプローブ固定を防ぐ事が出来るプローブ固定担体の製造方法を提供すること。【解決手段】標的物質に対し特異的に結合可能であるプローブを固定させるための反応性基を含む基材を材料とするプローブ固定担体の製造において、基材上にプロ−ブが固定された固定領域と、プローブが固定されていない非固定領域を形成した後、プローブの固定領域に存在する未反応プローブを不活性化する。【選択図】なし配列表