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タイトル:公開特許公報(A)_ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法
出願番号:2006112024
年次:2007
IPC分類:C07H 17/07,A61K 36/48,A61P 35/00,A61P 17/18,A61K 31/353


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下森 康玄 倉田 裕文 足立 勝 JP 2007284369 公開特許公報(A) 20071101 2006112024 20060414 ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法 株式会社下森建装 504200847 矢野 裕也 100086221 下森 康玄 倉田 裕文 足立 勝 C07H 17/07 20060101AFI20071005BHJP A61K 36/48 20060101ALI20071005BHJP A61P 35/00 20060101ALI20071005BHJP A61P 17/18 20060101ALI20071005BHJP A61K 31/353 20060101ALN20071005BHJP JPC07H17/07A61K35/78 JA61P35/00A61P17/18A61K31/353 2 1 OL 9 4C057 4C086 4C088 4C057KK08 4C086AA04 4C086BA08 4C086MA01 4C086MA04 4C086ZA89 4C086ZB26 4C088AB59 4C088AC03 4C088AC05 4C088BA14 4C088BA21 4C088CA05 4C088CA06 4C088CA14 4C088ZA89 4C088ZB26 本発明は、マメ科の植物、特にスイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上から、下記の式で表されるケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物を製造する方法に関する。 現在、スイートピーは観賞用花きが中心である。そのうち低品質の観賞用スイートピー、脇芽・撒きひげ・余分な葉については、破棄されているのが現状である。さらに、農薬・肥料など、環境に対する負荷を自ら管理・報告する花き生産者の認証プログラム(MPS:Milleu Programma Sierteelt)の導入の兆しもあり、今後さらに選別段階で破棄される量が増える可能性がある。 食歴がある花は、色々な治療目的に使用されている。例えば、クチナシの花びらは心配事やストレスで眠れない場合に、キクは血液の浄化作用、高血圧等に、桜は肝臓病に良いとされている。 ところで、上記式で表されるケンフェロール−3−O−ラムノシドは、スイレンに見出されており(非特許文献1参照)、スイートピーの粗ポリフェノールは、抗がん作用や抗酸化能を有することが知られている(非特許文献2参照)。Torgils Fossen et al., Flavonoids from blue flowers of Nymphaea caerulea. Phytochemistry., Vol. 51, pp.1133-1137(1999)倉田裕文ら、スイートピー花弁の生理活性物質に関する研究、園芸学会平成17年度秋季大会(宮城)講演要旨、p.239(2005) 現在、産業上利用されているポリフェノールは、原料植物から直接抽出した粗抽出物、若しくはある特定のポリフェノール類を分離、精製したものである。 最近の研究では、ポリフェノール中の各成分ごとの生理機能性が徐々に明らかにされつつある。産業上利用する際にも、特定の成分群のみを利用することによる利点も見い出されてきた。 従来、これらの成分を植物から単離するためには、高価な分取用カラムを装備した高速液体クロマトグラフィーによる精製が常法であり、生産量のスケールアップが困難であるのが現状である。加えて、純粋又は非常に高純度な単一成分としての天然物由来ポリフェノールは、一部の低分子成分のみが試薬用として市販されているだけである。 本発明は、上記従来の問題点を解消し、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物を簡便な方法で、かつ効率よく、換言すれば大量、迅速、かつ容易に、製造しうる方法を提供することを目的とするものである。 本発明者らは、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の効率的な取得方法について検討を行い、その過程で当該化合物がマメ科植物、特にスイートピーの花及び/又は葉に顕著に含有されることを見出した。 従って、本発明の目的は、上記実状に鑑み、バイオリサイクルの観点より、スイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉に含まれるケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法を提供することにある。併せて、商品にならずに破棄されているスイートピー未利用資源について、有効に活用しようとするものである。 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行い、マメ科植物、特にスイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上から吸着カラムによりケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を大量、迅速、かつ容易に製造できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。 請求項1に係る本発明は、マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノールを含有する濃縮液を水に溶解し、必要に応じて極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分或いは前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製することを特徴とする、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法を提供するものである。 また、請求項2に係る本発明は、マメ科の植物が、スイートピーである請求項1記載の製造方法を提供するものである。 マメ科の植物、特にスイートピーの粗ポリフェノール含有物は、抗酸化能や抗がん作用等の機能性を有していることが報告されている。 本発明によれば、観賞用のスイートピー花弁はもとより、バイオリサイクルの観点から、現在、商品にならず破棄されているスイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上からケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物が大量に、しかも迅速、かつ容易に製造可能となり、当該化合物に関する試験研究に貢献できる。 また、本発明によれば、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の各種薬理効果の探索並びにそれを利用した機能性食品、化粧品、試薬、医薬品等を提供できる。 以下、本発明を詳細に説明する。 請求項1に係る本発明は、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法に関し、マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノールを含有する濃縮液を水に溶解し、必要に応じて極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分或いは前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製することを特徴とするものである。 本発明における原材料は、マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上であり、これらを単独で、又はいずれか1以上を組み合わせて用いることができる。必要に応じて、脇芽、撒きひげを用いることもできる。 請求項1に係る本発明のケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物は、マメ科の植物の特に花弁に顕著に存在することから、少なくとも花弁を含むことが好ましく、この場合、作業性を考慮して開花前の花蕾及び/又は開花した花を用いることができる。 マメ科の植物としては、スイートピー(Lathyrus odoratus)をはじめとして、エンドウや大豆等を挙げることができるが、特にスイートピーが好ましい。 スイートピーの品種としては、ダイアナ、式部、逢初、シルキーチェリー、シルキーピーチ、キューピッド、ミランダ、ガラティアなど、通常栽培されている品種であれば特に制限はない。 スイートピーなど、マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉としては、新鮮な花蕾、開花した花、花弁、葉などの他に、これらを凍結又は凍結乾燥したもの、温風、天日若しくは遠赤外線により乾燥したもの、又は蒸煮したものなどを用いることができる。 次に、本発明によるマメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上からのケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の取得方法について説明する。 請求項1に係る本発明は、上記した如きマメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノールを含有する濃縮液を水に溶解し、必要に応じて極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分或いは前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製することを特徴とするものである。 即ち、上記した如きマメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出する。 アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。アルコールを水と混合して用いるときの含水率は特に制限されない。アルコールや含水アルコールなどによる抽出は、室温で行うことができる。 また、水としては蒸留水や水道水を用いることができ、温水としては、40〜70℃程度の温度の水を用いることができる。 抽出時間については、通常、1〜24時間であり、好ましくは8〜12時間である。抽出時間が1時間未満であると、抽出効率が低下するため好ましくない。 また、マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上に対する、アルコール、含水アルコール、水又は温水の使用量は、通常、前者1に対し、後者3〜10(v/w)の割合である。 得られた抽出液をろ紙、布などのろ材でろ過した後、残渣に上記と同量のアルコール、含水アルコール又は水、温水を加えて、上記条件で再抽出した後、抽出液をろ材でろ過する。ろ材としては、市販品を用いればよく、例えばミラクロス、ガーゼなどが挙げられる。 得られたろ液を合わせてエバポレーター等で濃縮した後、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノールを含有する濃縮液を、適当量の水(蒸留水や水道水)に溶解し、この水溶液に前記水と等量程度の極性有機溶媒を加えて分配する。なお、花弁のみを用いた場合は、極性有機溶媒を加えての分配を省略しても良い。 極性有機溶媒としては、ヘキサンやトルエン等が挙げられ、特にヘキサンが好ましい。極性有機溶媒の使用量は、通常、前記水と等量程度であるが、これに限定されるものではない。 次いで、分配して得た水層画分を、吸着カラムを使用し精製する。 なお、前記したように、花弁のみを用いた場合は、極性有機溶媒を加えての分配を省略してもよいので、この場合には、前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製する。 即ち、分配して得た水層画分或いは前記水溶液を、まず合成吸着剤に吸着させる。 ここで、合成吸着剤としては、例えばMCI gel CHP20P[三菱化学(株)製]、HP20[三菱化学(株)製]、セパビース SP825[三菱化学(株)製]、アンバーライト XAD2000(オルガノ製)、クロマトレックス ODS(フジシリシア製)等が挙げられ、特にMCI gel CHP20Pが好ましい。 ろ液は、吸着樹脂容量の2〜5倍容量の0〜10%アルコールで溶出することにより、非吸着夾雑物を除去する。即ち、水或いはアルコールで溶出し、非吸着夾雑物を除去する。アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。 次に、吸着樹脂容量の2〜5倍容量の35〜55%アルコールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール画分を得る。アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。 得られたアルコール画分をロータリーエバポレーター等で濃縮する。 このようにして得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の回収率は、例えばスイートピーポリフェノール含有物の回収率は、500gの花から3.3g〜5.75gである。 或いは、ろ液は、吸着樹脂容量の3〜5倍容量の30〜35%アルコールで溶出することにより、夾雑物を除去する。アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。 次に、樹脂容量の3〜5倍容量の35〜55%アルコールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシド画分を得る。アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。 得られたアルコールの画分をロータリーエバポレーター等で濃縮する。 このようにして得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドは、500gの花から0.72g〜1.62gで、純度は95〜98%である。 さらに、所望により、常法に従って精製することが出来る。 このようにして得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物、或いはケンフェロール−3−O−ラムノシドは、機能性食品、化粧品、試薬、医薬品等として利用することができる。 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例1(ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の製造) 図1に示したフローにより、本発明のケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を製造した。 即ち、スイートピーの花500gに、2000mLの100%エタノールを加えて室温で一晩室温放置し、抽出した。これをろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した後、残渣に2000mLの100%エタノールを加え、再び一晩室温で抽出した後、ろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した。得られたろ液を合わせてエバポレーターで濃縮し、200mlの蒸留水に溶解後、200mlのヘキサンで分配し、水層画分を得た。 この水層画分をMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィー[三菱化学(株)製]に吸着させた後、樹脂容量の3倍容の0%エタノール(蒸留水)で溶出することにより、夾雑物を除去した。 次に、樹脂容量の3倍容量の50%エタノールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を得た。 このようにして得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の回収率は、500gの花から3.51gであった。 なお、花弁のみを原料にし、極性有機溶媒(ヘキサン)による分配工程を省略した場合でも、上記と同様の結果が得られた。実施例2(ケンフェロール−3−O−ラムノシドの製造) 次に、本発明のケンフェロール−3−O−ラムノシドの製造法の一具体例について説明する。 スイートピーの花500gに、2000mLの100%エタノールを加えて室温で一晩室温放置し、抽出した。これをろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した後、残渣に2000mLの100%エタノールを加え、再び一晩室温で抽出した後、ろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した。得られたろ液を合わせてエバポレーターで濃縮し、200mlの蒸留水に溶解後、200mlのヘキサンで分配し、水層画分を得た。 この水層画分をMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィー[三菱化学(株)製]に吸着させた後、樹脂容量の5倍容の33%エタノールで溶出することにより、夾雑物を除去した。 次に、樹脂容量の3倍容量の45%エタノールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシド画分を得た。 このようにして得られてケンフェロール−3−O−ラムノシドの回収率は、500gの花から0.85g、純度は96%であった。 実施例2で得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドの精製状況を、高速液体クロマトグラフィーで確認したクロマトグラムを図2に示す。 なお、花弁のみを原料にし、極性有機溶媒(ヘキサン)による分配工程を省略した場合でも、上記と同様の結果が得られた。実施例3(葉からのケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の製造) 次に、葉からの本発明ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を製造した。 即ち、スイートピー葉500gに、2000mLの100%エタノールを加えて室温で一晩室温放置し、抽出した。これをろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した後、残渣に2000mLの100%エタノールを加え、再び一晩室温で抽出した後、ろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した。得られたろ液を合わせてエバポレーターで濃縮し、200mlの蒸留水に溶解後、200mlのヘキサンで分配し、水層画分を得た。 この水層画分をMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィー[三菱化学(株)製]に吸着させた後、樹脂容量の5倍容の34%エタノールで溶出することにより、夾雑物を除去した。次に、樹脂容量の3倍容量の37%エタノールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を得た。 このようにして得られた葉からのケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の回収率は、500gの葉から62.8mgであった。 本発明によれば、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物、特にケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を簡便な方法で、大量、迅速、かつ安価に製造することができる。 ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物、特にスイートピーポリフェノール含有物は、未だその研究報告は少なく、今後各種の薬理効果などが明らかにされることが予想される。特に例えば、抗糖尿病作用、抗アレルギー作用等などが期待される。 今後、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物に関する試験研究の促進に寄与するだけなく、本化合物を含有する試薬や機能性食品素材、化粧品、医薬品、飲食品などの開発への利用が期待できる。 更に、現在商品にならずに破棄されているスイートピー未利用資源の有効利用の途が開かれることとなった。本発明のケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物を製造する方法の一例を示すフロー図である。実施例2で得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドの精製状況を、高速液体クロマトグラフィによるクロマトグラムで示した図である。 図中、符号(1)はヘキサン分層後の水層スイートピー抽出液、(2)はMCI gel CHP20Pカラムに対し非吸着(蒸留水洗浄)分画の結果を示す。(3)はMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィーより得られた33%エタノール画分の結果を示す。(4)はMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィーより得られた45%エタノール画分の結果を示す。(5)はMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィーより得られた100%エタノール画分の結果を示す。 マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノールを含有する濃縮液を水に溶解し、必要に応じて極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分或いは前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製することを特徴とする、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法。 マメ科の植物が、スイートピーである請求項1記載の製造方法。 【課題】 ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物を簡便な方法で、かつ効率よく製造しうる方法を提供することを目的とする。【解決手段】 マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノールを含有する濃縮液を水に溶解し、必要に応じて極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分或いは前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製することを特徴とする、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法を提供する。【選択図】 図1


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特許公報(B2)_ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法

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タイトル:特許公報(B2)_ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法
出願番号:2006112024
年次:2012
IPC分類:C07H 17/07,A61K 36/48,A61P 35/00,A61P 17/18,A61K 31/7048


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下森 康玄 倉田 裕文 足立 勝 JP 5036210 特許公報(B2) 20120713 2006112024 20060414 ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法 株式会社下森建装 504200847 矢野 裕也 100086221 下森 康玄 倉田 裕文 足立 勝 20120926 C07H 17/07 20060101AFI20120906BHJP A61K 36/48 20060101ALI20120906BHJP A61P 35/00 20060101ALI20120906BHJP A61P 17/18 20060101ALI20120906BHJP A61K 31/7048 20060101ALI20120906BHJP JPC07H17/07A61K35/78 JA61P35/00A61P17/18A61K31/7048 C07H 1/00− 99/00 A61K 36/00− 36/9068 A61K 31/33− 33/44 A61P 1/00− 43/00 CA/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開2006−008523(JP,A) 特開2005−206500(JP,A) 1 2007284369 20071101 9 20090402 三上 晶子 本発明は、マメ科の植物、特にスイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上から、下記の式で表されるケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物を製造する方法に関する。 現在、スイートピーは観賞用花きが中心である。そのうち低品質の観賞用スイートピー、脇芽・撒きひげ・余分な葉については、破棄されているのが現状である。さらに、農薬・肥料など、環境に対する負荷を自ら管理・報告する花き生産者の認証プログラム(MPS:Milleu Programma Sierteelt)の導入の兆しもあり、今後さらに選別段階で破棄される量が増える可能性がある。 食歴がある花は、色々な治療目的に使用されている。例えば、クチナシの花びらは心配事やストレスで眠れない場合に、キクは血液の浄化作用、高血圧等に、桜は肝臓病に良いとされている。 ところで、上記式で表されるケンフェロール−3−O−ラムノシドは、スイレンに見出されており(非特許文献1参照)、スイートピーの粗ポリフェノールは、抗がん作用や抗酸化能を有することが知られている(非特許文献2参照)。Torgils Fossen et al., Flavonoids from blue flowers of Nymphaea caerulea. Phytochemistry., Vol. 51, pp.1133-1137(1999)倉田裕文ら、スイートピー花弁の生理活性物質に関する研究、園芸学会平成17年度秋季大会(宮城)講演要旨、p.239(2005) 現在、産業上利用されているポリフェノールは、原料植物から直接抽出した粗抽出物、若しくはある特定のポリフェノール類を分離、精製したものである。 最近の研究では、ポリフェノール中の各成分ごとの生理機能性が徐々に明らかにされつつある。産業上利用する際にも、特定の成分群のみを利用することによる利点も見い出されてきた。 従来、これらの成分を植物から単離するためには、高価な分取用カラムを装備した高速液体クロマトグラフィーによる精製が常法であり、生産量のスケールアップが困難であるのが現状である。加えて、純粋又は非常に高純度な単一成分としての天然物由来ポリフェノールは、一部の低分子成分のみが試薬用として市販されているだけである。 本発明は、上記従来の問題点を解消し、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物を簡便な方法で、かつ効率よく、換言すれば大量、迅速、かつ容易に、製造しうる方法を提供することを目的とするものである。 本発明者らは、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の効率的な取得方法について検討を行い、その過程で当該化合物がマメ科植物、特にスイートピーの花及び/又は葉に顕著に含有されることを見出した。 従って、本発明の目的は、上記実状に鑑み、バイオリサイクルの観点より、スイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉に含まれるケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法を提供することにある。併せて、商品にならずに破棄されているスイートピー未利用資源について、有効に活用しようとするものである。 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行い、マメ科植物、特にスイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上から吸着カラムによりケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を大量、迅速、かつ容易に製造できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。 請求項1に係る本発明は、スイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノールを含有する濃縮液を水に溶解し、必要に応じて極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分或いは前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製することを特徴とする、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法を提供するものである。 マメ科の植物、特にスイートピーの粗ポリフェノール含有物は、抗酸化能や抗がん作用等の機能性を有していることが報告されている。 本発明によれば、観賞用のスイートピー花弁はもとより、バイオリサイクルの観点から、現在、商品にならず破棄されているスイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上からケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物が大量に、しかも迅速、かつ容易に製造可能となり、当該化合物に関する試験研究に貢献できる。 また、本発明によれば、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の各種薬理効果の探索並びにそれを利用した機能性食品、化粧品、試薬、医薬品等を提供できる。 以下、本発明を詳細に説明する。 請求項1に係る本発明は、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法に関し、マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノールを含有する濃縮液を水に溶解し、必要に応じて極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分或いは前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製することを特徴とするものである。 本発明における原材料は、マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上であり、これらを単独で、又はいずれか1以上を組み合わせて用いることができる。必要に応じて、脇芽、撒きひげを用いることもできる。 請求項1に係る本発明のケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物は、マメ科の植物の特に花弁に顕著に存在することから、少なくとも花弁を含むことが好ましく、この場合、作業性を考慮して開花前の花蕾及び/又は開花した花を用いることができる。 マメ科の植物としては、スイートピー(Lathyrus odoratus)をはじめとして、エンドウや大豆等を挙げることができるが、特にスイートピーが好ましい。 スイートピーの品種としては、ダイアナ、式部、逢初、シルキーチェリー、シルキーピーチ、キューピッド、ミランダ、ガラティアなど、通常栽培されている品種であれば特に制限はない。 スイートピーなど、マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉としては、新鮮な花蕾、開花した花、花弁、葉などの他に、これらを凍結又は凍結乾燥したもの、温風、天日若しくは遠赤外線により乾燥したもの、又は蒸煮したものなどを用いることができる。 次に、本発明によるマメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上からのケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の取得方法について説明する。 請求項1に係る本発明は、上記した如きマメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノールを含有する濃縮液を水に溶解し、必要に応じて極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分或いは前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製することを特徴とするものである。 即ち、上記した如きマメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出する。 アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。アルコールを水と混合して用いるときの含水率は特に制限されない。アルコールや含水アルコールなどによる抽出は、室温で行うことができる。 また、水としては蒸留水や水道水を用いることができ、温水としては、40〜70℃程度の温度の水を用いることができる。 抽出時間については、通常、1〜24時間であり、好ましくは8〜12時間である。抽出時間が1時間未満であると、抽出効率が低下するため好ましくない。 また、マメ科の植物の花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上に対する、アルコール、含水アルコール、水又は温水の使用量は、通常、前者1に対し、後者3〜10(v/w)の割合である。 得られた抽出液をろ紙、布などのろ材でろ過した後、残渣に上記と同量のアルコール、含水アルコール又は水、温水を加えて、上記条件で再抽出した後、抽出液をろ材でろ過する。ろ材としては、市販品を用いればよく、例えばミラクロス、ガーゼなどが挙げられる。 得られたろ液を合わせてエバポレーター等で濃縮した後、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノールを含有する濃縮液を、適当量の水(蒸留水や水道水)に溶解し、この水溶液に前記水と等量程度の極性有機溶媒を加えて分配する。なお、花弁のみを用いた場合は、極性有機溶媒を加えての分配を省略しても良い。 極性有機溶媒としては、ヘキサンやトルエン等が挙げられ、特にヘキサンが好ましい。極性有機溶媒の使用量は、通常、前記水と等量程度であるが、これに限定されるものではない。 次いで、分配して得た水層画分を、吸着カラムを使用し精製する。 なお、前記したように、花弁のみを用いた場合は、極性有機溶媒を加えての分配を省略してもよいので、この場合には、前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製する。 即ち、分配して得た水層画分或いは前記水溶液を、まず合成吸着剤に吸着させる。 ここで、合成吸着剤としては、例えばMCI gel CHP20P[三菱化学(株)製]、HP20[三菱化学(株)製]、セパビース SP825[三菱化学(株)製]、アンバーライト XAD2000(オルガノ製)、クロマトレックス ODS(フジシリシア製)等が挙げられ、特にMCI gel CHP20Pが好ましい。 ろ液は、吸着樹脂容量の2〜5倍容量の0〜10%アルコールで溶出することにより、非吸着夾雑物を除去する。即ち、水或いはアルコールで溶出し、非吸着夾雑物を除去する。アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。 次に、吸着樹脂容量の2〜5倍容量の35〜55%アルコールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール画分を得る。アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。 得られたアルコール画分をロータリーエバポレーター等で濃縮する。 このようにして得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の回収率は、例えばスイートピーポリフェノール含有物の回収率は、500gの花から3.3g〜5.75gである。 或いは、ろ液は、吸着樹脂容量の3〜5倍容量の30〜35%アルコールで溶出することにより、夾雑物を除去する。アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。 次に、樹脂容量の3〜5倍容量の35〜55%アルコールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシド画分を得る。アルコールとしては、エタノール、メタノール等を用いることができる。 得られたアルコールの画分をロータリーエバポレーター等で濃縮する。 このようにして得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドは、500gの花から0.72g〜1.62gで、純度は95〜98%である。 さらに、所望により、常法に従って精製することが出来る。 このようにして得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物、或いはケンフェロール−3−O−ラムノシドは、機能性食品、化粧品、試薬、医薬品等として利用することができる。 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例1(ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の製造) 図1に示したフローにより、本発明のケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を製造した。 即ち、スイートピーの花500gに、2000mLの100%エタノールを加えて室温で一晩室温放置し、抽出した。これをろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した後、残渣に2000mLの100%エタノールを加え、再び一晩室温で抽出した後、ろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した。得られたろ液を合わせてエバポレーターで濃縮し、200mlの蒸留水に溶解後、200mlのヘキサンで分配し、水層画分を得た。 この水層画分をMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィー[三菱化学(株)製]に吸着させた後、樹脂容量の3倍容の0%エタノール(蒸留水)で溶出することにより、夾雑物を除去した。 次に、樹脂容量の3倍容量の50%エタノールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を得た。 このようにして得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の回収率は、500gの花から3.51gであった。 なお、花弁のみを原料にし、極性有機溶媒(ヘキサン)による分配工程を省略した場合でも、上記と同様の結果が得られた。実施例2(ケンフェロール−3−O−ラムノシドの製造) 次に、本発明のケンフェロール−3−O−ラムノシドの製造法の一具体例について説明する。 スイートピーの花500gに、2000mLの100%エタノールを加えて室温で一晩室温放置し、抽出した。これをろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した後、残渣に2000mLの100%エタノールを加え、再び一晩室温で抽出した後、ろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した。得られたろ液を合わせてエバポレーターで濃縮し、200mlの蒸留水に溶解後、200mlのヘキサンで分配し、水層画分を得た。 この水層画分をMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィー[三菱化学(株)製]に吸着させた後、樹脂容量の5倍容の33%エタノールで溶出することにより、夾雑物を除去した。 次に、樹脂容量の3倍容量の45%エタノールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシド画分を得た。 このようにして得られてケンフェロール−3−O−ラムノシドの回収率は、500gの花から0.85g、純度は96%であった。 実施例2で得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドの精製状況を、高速液体クロマトグラフィーで確認したクロマトグラムを図2に示す。 なお、花弁のみを原料にし、極性有機溶媒(ヘキサン)による分配工程を省略した場合でも、上記と同様の結果が得られた。実施例3(葉からのケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の製造) 次に、葉からの本発明ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を製造した。 即ち、スイートピー葉500gに、2000mLの100%エタノールを加えて室温で一晩室温放置し、抽出した。これをろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した後、残渣に2000mLの100%エタノールを加え、再び一晩室温で抽出した後、ろ紙(ADVANTEC社製)でろ過した。得られたろ液を合わせてエバポレーターで濃縮し、200mlの蒸留水に溶解後、200mlのヘキサンで分配し、水層画分を得た。 この水層画分をMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィー[三菱化学(株)製]に吸着させた後、樹脂容量の5倍容の34%エタノールで溶出することにより、夾雑物を除去した。次に、樹脂容量の3倍容量の37%エタノールで溶出し、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を得た。 このようにして得られた葉からのケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物の回収率は、500gの葉から62.8mgであった。 本発明によれば、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物、特にケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物を簡便な方法で、大量、迅速、かつ安価に製造することができる。 ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物、特にスイートピーポリフェノール含有物は、未だその研究報告は少なく、今後各種の薬理効果などが明らかにされることが予想される。特に例えば、抗糖尿病作用、抗アレルギー作用等などが期待される。 今後、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノール含有物に関する試験研究の促進に寄与するだけなく、本化合物を含有する試薬や機能性食品素材、化粧品、医薬品、飲食品などの開発への利用が期待できる。 更に、現在商品にならずに破棄されているスイートピー未利用資源の有効利用の途が開かれることとなった。本発明のケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物を製造する方法の一例を示すフロー図である。実施例2で得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドの精製状況を、高速液体クロマトグラフィによるクロマトグラムで示した図である。 図中、符号(1)はヘキサン分層後の水層スイートピー抽出液、(2)はMCI gel CHP20Pカラムに対し非吸着(蒸留水洗浄)分画の結果を示す。(3)はMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィーより得られた33%エタノール画分の結果を示す。(4)はMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィーより得られた45%エタノール画分の結果を示す。(5)はMCI gel CHP20Pカラムクロマトグラフィーより得られた100%エタノール画分の結果を示す。 スイートピーの花蕾、開花した花、花弁及び葉よりなる群から選ばれた1以上を、アルコール、含水アルコール、水又は温水を用いて抽出し、その抽出液を濃縮し、得られたケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするスイートピーポリフェノールを含有する濃縮液を水に溶解し、必要に応じて極性有機溶媒で分配し水層画分を得た後、当該水層画分或いは前記水溶液を、吸着カラムを使用し精製することを特徴とする、ケンフェロール−3−O−ラムノシドを主成分とするポリフェノール含有物の製造方法。


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