生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ポリウレタンにおけるアルコールウレタンの分析方法
出願番号:2006110127
年次:2007
IPC分類:G01N 30/06,G01N 33/44,G01N 30/88,G01N 30/60,G01N 30/54,G01N 30/10,G01N 30/72


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谷川 弥和子 細野 寛子 JP 2007285723 公開特許公報(A) 20071101 2006110127 20060412 ポリウレタンにおけるアルコールウレタンの分析方法 東洋製罐株式会社 000003768 小野 尚純 100075177 奥貫 佐知子 100113217 谷川 弥和子 細野 寛子 G01N 30/06 20060101AFI20071005BHJP G01N 33/44 20060101ALI20071005BHJP G01N 30/88 20060101ALI20071005BHJP G01N 30/60 20060101ALI20071005BHJP G01N 30/54 20060101ALI20071005BHJP G01N 30/10 20060101ALI20071005BHJP G01N 30/72 20060101ALI20071005BHJP JPG01N30/06 GG01N33/44G01N30/88 PG01N30/60 KG01N30/54 AG01N30/10G01N30/72 A 8 OL 12 本発明は、ポリウレタンにおけるアルコールウレタンの分析方法に関するものであり、より詳細にはポリウレタン中のアルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解して得られた生成物であるアルコールウレタン付加物として検出可能な分析方法に関する。 ポリウレタンは、少なくとも二個以上のイソシアネート基を持つ硬化剤と少なくとも二個以上の水酸基を持つポリオール化合物との反応により得られ、接着剤や塗料等に広く用いられている。ポリエステルボトルのラベル用の接着剤にもポリウレタン系接着剤が用いられており、このポリウレタン系接着剤では、ポリオール化合物としてポリエステルポリオールから成るポリウレタンが使用されている。 しかしながら、かかるポリウレタン系接着剤を用いてポリエステルボトルのラベルの接着を行った際に、接着不良が生じてラベルの剥離が生じるという問題が生じた。 かかる問題の原因について、本発明者等が研究を行ったところ、接着不良の原因はポリウレタン系接着剤の硬化不良に基づくものであり、硬化不良の原因は硬化に関与しないアルコールウレタン化合物の存在によるものであることが判明した。ここでいうアルコールウレタン化合物とは2つ以上のイソシアネート基を有する硬化剤にアルコールが結合したものである。 ポリウレタンの組成分析には、赤外吸収スペクトル、ガスクロマトグラフィー等種々の方法が知られており、例えば、下記非特許文献1には、熱分解ガスクロマトグラフィーによりポリウレタンのポリマーグリコール成分の分析について記載されている。 またアルコールウレタンを有する化合物を利用した分析方法として、フルオロアルコールウレタン誘導体を標準物質として核磁気共鳴分光法で測定し、合成樹脂中の末端イソシアネート基を定量する方法も提案されている(特許文献2)。日本ゴム協会誌 第64巻 第6号(1991) 「熱分解GCによるポリウレタンのポリマーグリコールの成分の分析」特開2004−205390号公報 しかしながら、IR等の従来公知のポリウレタンの分析方法では、ピークが重なるなどの理由から、ポリウレタン中のアルコールウレタン化合物のみを検出することは困難であり、上記特許文献1に記載された定量方法も、合成樹脂中のアルコールウレタン化合物の検出を目的とするものではなく、前述したようなポリウレタン系接着剤における硬化不良の原因となるアルコールウレタン化合物を検出し、硬化不良の原因を識別することはできなかった。 従って本発明の目的は、ポリウレタン中に存在するアルコールウレタン化合物を定量的に検出し得る分析方法を提供することである。 本発明の他の目的は、ポリウレタン系接着剤の硬化不良を識別する方法を提供することである。 本発明によれば、ポリウレタン系試料を235〜250℃の温度範囲で熱分解を行って、C1〜C12のアルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解することにより得られた生成物であるアルコールウレタン付加物として検出することを特徴とするポリウレタンの分析方法が提供される。 本発明のポリウレタンの分析方法によれば、1.ポリウレタン系試料が、ポリエステルポリオールにトリメチロール型の硬化剤を用いて合成されたものであること、2.トリメチロール型の硬化剤が、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成ること、3.熱分解が、熱分解ガスクロマトグラフィーにより行われること、4.ポリウレタン系試料が、接着剤であること、5.接着剤が、印刷されたフィルムに用いられるものであること、が好適である。 また本発明によれば、上記ポリウレタンの分析方法を用いた、ポリウレタン系接着剤の硬化不良を識別する方法が提供される。 本発明のポリウレタンの分析方法によれば、従来定量的な検出が困難であったポリウレタン中のアルコールウレタン化合物の定量分析が可能となった。 またポリウレタン系接着剤の硬化不良の原因となるアルコールウレタン化合物をアルコールウレタン付加物として検出することにより、接着剤の硬化不良を識別することが可能となった。 また本発明の接着剤の硬化不良を識別する方法によれば、ポリエステルボトルのストレッチラベルにおけるポリウレタン系接着剤の硬化不良によるラベル剥離の原因をアルコールウレタンの検出によって知ることができるため、材料変更等を行う際に、剥離を生じない、例えば、ラベル、印刷インキ、接着剤等の組み合わせを選択するのに有効に利用することができる。 本発明のポリウレタンの分析方法は、ポリウレタン系試料を235〜250℃の温度範囲で熱分解を行うことが重要な特徴であり、これによりポリウレタン系試料中に存在するC1〜C12のアルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解することにより得られた生成物であるアルコールウレタン付加物として検出し得ることが可能になり、従来困難であったアルコールウレタン化合物の定量的な検出を可能にしたものである。 前述したとおり、ポリウレタンは、少なくとも二個以上のイソシアネート基を持つ硬化剤と少なくとも二個以上の水酸基を持つポリオール化合物との反応により生成されるが、一般に、イソシアネート基末端プレポリマーを主剤とし、被着体或いは空気中の水分との反応によって硬化する一液型のものと、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー又はポリイソシアネート化合物から成るA剤と、高分子量のポリエステルポリオールから成るB剤を混合して用いる二液型のものが知られているが、いずれもポリエステルウレタンを形成して硬化される。 しかしながら、本発明者等の研究によると、硬化不良を生じたポリウレタン中には、ポリエステルウレタン以外に硬化に関与しないアルコールウレタン化合物が存在していることがわかった。 すなわち、下記式(1) R−N=C=O + R−OH → R−NH−CO−O−R ・・・(1)において、水酸基含有化合物(R−OH)がポリエステルポリオールの場合は、架橋構造を生じて硬化が進行するが、この(R−OH)がC1〜C12の1価アルコールである場合には、ウレタン結合を生じても架橋できないアルコールウレタン化合物になってしまい、このようなアルコールウレタン化合物の生成により、ポリエステルウレタンの生成が阻害され、硬化不良が引き起されてしまうのである。 ウレタン結合は熱分解により原料のイソシアネート成分と水酸基含有成分に戻ることから、本発明においては、ポリウレタン試料を熱分解して硬化不良の原因となるアルコールウレタン化合物を検出することを試み、その際の温度範囲を235〜250℃の温度範囲とすることにより、試料中のC1〜C12の1価アルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解生成物、すなわちイソシアネート成分にC1〜C12のアルコール成分が付加されたアルコールウレタン付加物を検出し得ることを見出したのである。 高分子量のポリエステルポリオールが使用されているポリウレタンにおいて、水酸基含有成分であるポリエステルポリオールとイソシアネート成分により生成されるポリエステルウレタンを熱分解ガスクロマトグラフィーで分析する際、後述する実施例の結果から明らかなように、一般的なポリウレタン系試料の熱分解温度である300℃程度の温度でアルコールウレタン化合物を含むポリエステルウレタン系試料を熱分解すると、アルコールウレタン付加物以外に、ポリエステルウレタンの分解によるイソシアネート成分、ポリエステル成分、アルコールウレタン付加物の分解によるイソシアネート成分、アルコール成分などが検出され、アルコールウレタン化合物のみに由来する成分を検出して定量することができない。 また、235℃より低い温度では、後述する実施例の結果から明らかなように、アルコールウレタン化合物の熱分解が起こらないため、アルコールウレタン付加物を検出することができない。 従って本発明においては、熱分解における温度を235〜250℃の範囲とすることにより、アルコールウレタン化合物のアルコール成分、イソシアネート成分への分解を抑制し、アルコールウレタン化合物のみに由来する分解生成物、すなわちイソシアネート−アルコール付加物(アルコールウレタン付加物)として検出することが可能となり、硬化阻害の原因となるアルコールウレタン化合物の定量分析が可能となったのである。 尚、本発明の分析方法の対象となりうるアルコールウレタン化合物を形成する1価アルコールは、炭素数が1〜12個のものであり、特に炭素数が1〜4個のものは一般に塗料や印刷インク等の溶媒として使用されているものであり、例えばメタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール、ブタノール等を挙げることができる。 本発明のポリウレタンの分析方法においては、分解温度を235〜250℃の範囲とする以外は、従来公知の熱分解ガスクロマトグラフィーにより、C1〜C12の1価アルコールと結合したアルコールウレタン化合物の分析を行うことができ、分析に用いる熱分解ガスクロマトグラフ装置或いは設定条件も従来ポリウレタンの分析に使用されていたのと同様にして行うことができる。 図1は、本発明に好適に用いることができる装置の一例であり、熱分解装置1を接続したガスクロマトグラフ装置2及び質量分析装置3から成っている。 図1に示す装置において、まずポリウレタン試料を入れた試料カップ4を熱分解装置1の加熱部5に移動して235〜250℃の温度範囲で加熱して熱分解を行う。 熱分解装置においては、加熱部5の温度が初期温度40℃から150℃付近まで昇温する間、試料カップ4を加熱部5で保持し、この間に揮発する成分をガスクロマトグラフに注入する。次いで、加熱部5の温度が250℃に近い温度まで昇温され数分間保持された状態でポリウレタン試料を落下させ、瞬間的に熱分解し、分解生成物をガスクロマトグラフに注入することが好適である。このような多段階的な昇温条件とすることにより、アルコールウレタンの分解生成物を精度よく検出することが可能となる。(ポリウレタン) 本発明のポリウレタンの分析方法は、前述したように、少なくとも二個以上のイソシアネート基を持つ硬化剤及び少なくとも二個以上の水酸基を持つポリオール化合物から成るポリウレタン中に存在するアルコールウレタン化合物を分解生成物であるアルコールウレタン付加物の形で検出することができ、硬化剤及びポリオール化合物の種類を問わず分析することができるが、特にポリエステルポリオールと、硬化剤としてトリメチロール型のイソシアネート化合物から成るポリウレタンにおいて好適に分析できる。 トリメチロール型のイソシアネート化合物としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等とヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等から成るイソシアネート化合物を例示することができるが、特にトリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成るイソシアネート化合物を硬化剤として合成されたポリウレタンにおいて好適に用いることができる。 トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成る硬化剤とポリエステルポリオールから成るポリウレタンは、下記式(2)に示す反応により硬化する。 しかしながら、実際には、不純物として存在した1価アルコールと上記硬化剤も反応してしまい、下記式(3)〜(5)に示すように1価アルコールと反応したアルコールウレタン化合物が生成してしまうのである。 上記ポリエステルウレタン及び1価アルコールと反応したアルコールウレタン化合物を更に模式的に記載すると、図2のようになり、硬化剤のイソシアネート基のすべてが1価アルコールと反応してしまった上記式(3)のものはポリエステルポリオールと反応するイソシアネート基を全く有しないため硬化に全く関与せず、有効なイソシアネート基が減少して、硬化不良を引き起こしてしまうのである。 上述したトリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成るイソシアネート化合物を硬化剤として合成されたポリウレタンは、100℃以下の温度での硬化が可能であることから、特にポリエステルボトルに用いられるストレッチラベル用の接着剤として好適に使用し得るものであるが、硬化にある程度の時間を要することから、硬化途中に、ラベルに施された印刷インキ中の溶媒成分である1価アルコールと硬化剤のイソシアネート基が反応してアルコールウレタン化合物が形成されてしまい、その結果、硬化に関与し得るポリウレタンが減少し、硬化不良が生じて充分な接着力を示すことが困難になる場合がある。 本発明のポリウレタンの分析方法によれば、ポリウレタン中のアルコールウレタン化合物を分解生成物であるアルコールウレタン付加物として検出することが可能であり、ポリウレタン系接着剤における印刷インキなどの残留溶媒等の影響により生成された硬化不良の原因となるアルコールウレタン化合物を検出することが可能となる。(接着剤の硬化不良の識別方法) 本発明においては、上述したポリウレタン中のアルコールウレタン化合物の分析方法を用いることにより、ポリウレタン系接着剤における、硬化後のポリウレタン中に接着不良の原因となるアルコールウレタン化合物の存在を検出し、硬化不良を識別することが可能となる。 すなわち、ポリウレタンの硬化不良は、接着(硬化)直後の状態ではラベルが剥離することがない場合であっても、時間を経て外部からの刺激等を受けると剥離を生じる場合もあり、このような場合に、本発明の分析方法でアルコールウレタン化合物が形成されていることが確認されることにより硬化不良の識別が可能になるのである。 またポリエステルボトルのストレッチラベルにおけるポリウレタン系接着剤の硬化不良によるラベル剥離の原因をアルコールウレタンの検出によって知ることができるため、材料変更等を行う際に、例えばポリエステルボトルのラベル用接着剤においては、印刷インキとポリウレタン系接着剤を剥離を生じない組み合わせで選択するのに有効に利用することができ、或いはこの識別方法を抜き取り検査に用いる等によって、製品管理に利用することも可能になる。[サンプル作製方法]1.C1〜C12アルコールウレタンの作成 混合アルコールとして、表1に示す各1価1級アルコール(キシダ化学製、東京化成製)を等モルずつ混合した。トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成るイソシアネート化合物C−HL(日本ポリウレタン製)をバイアルビンに取り、その重量から計算されるイソシアネート基の量と1:1になる計算量の前記混合アルコールをこれに添加し、50℃のインキュベーター内に保管した。2.硬化不良サンプル 硬化不良サンプルは、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成るイソシアネート化合物とポリエステルから合成されるポリエステルウレタン接着剤が使用された内容量1500mlのポリエステルボトルのポリエチレン製ラベルで硬化不良により剥がれたものを用いた。(実施例1) 作成したC1〜C12アルコールウレタンを酢酸エチルで100倍程度に希釈し、その希釈液の1μL程を少量のグラスウールにしみ込ませ、このグラスウールを熱分解装置(ダブルショットパイロライザーPY2020D、フロンティア・ラボ社製)の試料カップに入れ、熱分解装置に装着した。なおグラスウールにしみ込ませる希釈液の量は、後述の熱分解を行った結果を見て適宜増減した。あらかじめ残留溶剤など不要成分を除くために熱分解装置の加熱炉温度を40℃に設定し炉内に試料カップを移動した後150℃まで加熱し、揮発した成分をガスクロマトグラフ質量分析装置(GCMS−QP2010、島津製作所社製)へ導入した。その後、熱分解を行うために熱分解装置の加熱炉温度を250℃に設定し、炉内に試料カップを落とし熱分解を行い、分解生成物をガスクロマトグラフ質量分析装置により測定した。図3に示すように、C1〜C12のアルコールウレタン付加物は全て検出された。 分析条件を以下に示す。 分析カラム:Rtx−20(レステック社製)30m×0.25mmID 0.5μm オーブン温度:40℃5分保持 昇温15℃/分 300℃7分保持 注入方法:スプリット法 スプリット比1/100 キャリアガス流量:35cm/秒 注入口温度:250℃ インターフェイス温度:270℃(実施例2) 熱分解温度を235℃とした以外は、実施例1と同様に分析を行った。図4に示すように、C1〜C12のアルコールウレタン付加物は全て検出された。(実施例3) サンプルとして、剥離したラベルに塗布されていた接着剤を、酢酸エチルをしみ込ませたグラスウールで拭き取り、このグラスウールの一部を試料とし、ガスクロマトグラフ質量分析装置を以下のように設定した以外は、実施例1と同様に分析を行った。図5に示すように、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノールのアルコールウレタン付加物が検出された。 分析条件を以下に示す。 分析カラム:Rtx−5ms(レステック社製)30m×0.25mmID 0.25μm オーブン温度:40℃5分保持 昇温10℃/分 300℃3分保持 注入方法:スプリットレス法 サンプリング時間0.5分 他は実施例1と同様の条件(比較例1) 熱分解温度を220℃とした以外は、実施例1と同様に分析を行った。図6に示すように、C1〜C12のアルコールウレタン付加物は検出されなかった。(比較例2) 分解温度を300℃とした以外は、実施例1と同様に分析を行った。図7に示すように、C1〜C12のアルコールウレタン付加物は検出されるが、アルコールウレタン化合物が分解された生成物が多く検出された。(比較例3) 分解温度を300℃とした以外は、実施例3と同様に分析を行った。図8に示すように、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノールのアルコールウレタン付加物が検出されたが、ポリエステルウレタンの分解に伴う分解生成物が多く検出された。本発明の分析方法に用いる熱分解GC/MS装置の一例を示す図である。ポリウレタンの構造を模式的に示すものである。実施例1のガスクロマトグラムを示す図である。実施例2のガスクロマトグラムを示す図である。実施例3のガスクロマトグラムを示す図である。比較例1のガスクロマトグラムを示す図である。比較例2のガスクロマトグラムを示す図である。比較例3のガスクロマトグラムを示す図である。 ポリウレタン系試料を235〜250℃の温度範囲で熱分解を行って、C1〜C12のアルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解することにより得られた生成物であるアルコールウレタン付加物として検出することを特徴とするポリウレタンの分析方法。 前記ポリウレタン系試料が、ポリエステルポリオールにトリメチロール型の硬化剤を用いて合成されたものである請求項1記載のポリウレタンの分析方法。 前記トリメチロール型の硬化剤が、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成る請求項2記載のポリウレタンの分析方法。 前記熱分解が、熱分解ガスクロマトグラフィーにより行われる請求項1乃至3の何れかに記載のポリウレタンの分析方法。 前記ポリウレタン系試料が、接着剤である請求項1乃至4の何れかに記載のポリウレタンの分析方法。 前記接着剤の硬化温度が100℃以下である請求項5記載のポリウレタンの分析方法。 前記接着剤が、印刷されたフィルムに用いられるものである請求項5又は6記載のポリウレタンの分析方法。 請求項5乃至7の何れかに記載のポリウレタンの分析方法を用いた、ポリウレタン系接着剤の硬化不良を識別する方法。 【課題】ポリウレタン中に存在するアルコールウレタン化合物を定量的に検出し得る分析方法を提供することである。【解決手段】ポリウレタン系試料を235〜250℃の温度範囲で熱分解を行って、C1〜C12のアルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解することにより得られた生成物であるアルコールウレタン付加物として検出することを特徴とするポリウレタンの分析方法。【選択図】なし


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特許公報(B2)_ポリウレタンにおけるアルコールウレタンの分析方法

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タイトル:特許公報(B2)_ポリウレタンにおけるアルコールウレタンの分析方法
出願番号:2006110127
年次:2012
IPC分類:G01N 30/06,G01N 33/44,G01N 30/88,G01N 30/60,G01N 30/54,G01N 30/10,G01N 30/72


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谷川 弥和子 細野 寛子 JP 4910460 特許公報(B2) 20120127 2006110127 20060412 ポリウレタンにおけるアルコールウレタンの分析方法 東洋製罐株式会社 000003768 小野 尚純 100075177 奥貫 佐知子 100113217 谷川 弥和子 細野 寛子 20120404 G01N 30/06 20060101AFI20120315BHJP G01N 33/44 20060101ALI20120315BHJP G01N 30/88 20060101ALI20120315BHJP G01N 30/60 20060101ALI20120315BHJP G01N 30/54 20060101ALI20120315BHJP G01N 30/10 20060101ALI20120315BHJP G01N 30/72 20060101ALI20120315BHJP JPG01N30/06 GG01N33/44G01N30/88 PG01N30/60 KG01N30/54 AG01N30/10G01N30/72 A G01N 30/06 G01N 30/10 G01N 30/54 G01N 30/60 G01N 30/72 G01N 30/88 G01N 33/44 JSTPlus(JDreamII) 特開平11−296848(JP,A) 特開平02−268269(JP,A) 特開2006−030534(JP,A) 特開2002−367155(JP,A) 8 2007285723 20071101 11 20090325 柏木 一浩 本発明は、ポリウレタンにおけるアルコールウレタンの分析方法に関するものであり、より詳細にはポリウレタン中のアルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解して得られた生成物であるアルコールウレタン付加物として検出可能な分析方法に関する。 ポリウレタンは、少なくとも二個以上のイソシアネート基を持つ硬化剤と少なくとも二個以上の水酸基を持つポリオール化合物との反応により得られ、接着剤や塗料等に広く用いられている。ポリエステルボトルのラベル用の接着剤にもポリウレタン系接着剤が用いられており、このポリウレタン系接着剤では、ポリオール化合物としてポリエステルポリオールから成るポリウレタンが使用されている。 しかしながら、かかるポリウレタン系接着剤を用いてポリエステルボトルのラベルの接着を行った際に、接着不良が生じてラベルの剥離が生じるという問題が生じた。 かかる問題の原因について、本発明者等が研究を行ったところ、接着不良の原因はポリウレタン系接着剤の硬化不良に基づくものであり、硬化不良の原因は硬化に関与しないアルコールウレタン化合物の存在によるものであることが判明した。ここでいうアルコールウレタン化合物とは2つ以上のイソシアネート基を有する硬化剤にアルコールが結合したものである。 ポリウレタンの組成分析には、赤外吸収スペクトル、ガスクロマトグラフィー等種々の方法が知られており、例えば、下記非特許文献1には、熱分解ガスクロマトグラフィーによりポリウレタンのポリマーグリコール成分の分析について記載されている。 またアルコールウレタンを有する化合物を利用した分析方法として、フルオロアルコールウレタン誘導体を標準物質として核磁気共鳴分光法で測定し、合成樹脂中の末端イソシアネート基を定量する方法も提案されている(特許文献2)。日本ゴム協会誌 第64巻 第6号(1991) 「熱分解GCによるポリウレタンのポリマーグリコールの成分の分析」特開2004−205390号公報 しかしながら、IR等の従来公知のポリウレタンの分析方法では、ピークが重なるなどの理由から、ポリウレタン中のアルコールウレタン化合物のみを検出することは困難であり、上記特許文献1に記載された定量方法も、合成樹脂中のアルコールウレタン化合物の検出を目的とするものではなく、前述したようなポリウレタン系接着剤における硬化不良の原因となるアルコールウレタン化合物を検出し、硬化不良の原因を識別することはできなかった。 従って本発明の目的は、ポリウレタン中に存在するアルコールウレタン化合物を定量的に検出し得る分析方法を提供することである。 本発明の他の目的は、ポリウレタン系接着剤の硬化不良を識別する方法を提供することである。 本発明によれば、ポリウレタン系試料を235〜250℃の温度範囲で熱分解を行って、C1〜C12のアルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解することにより得られた生成物であるアルコールウレタン付加物として検出することを特徴とするポリウレタンの分析方法が提供される。 本発明のポリウレタンの分析方法によれば、1.ポリウレタン系試料が、ポリエステルポリオールにトリメチロール型の硬化剤を用いて合成されたものであること、2.トリメチロール型の硬化剤が、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成ること、3.熱分解が、熱分解ガスクロマトグラフィーにより行われること、4.ポリウレタン系試料が、接着剤であること、5.接着剤が、印刷されたフィルムに用いられるものであること、が好適である。 また本発明によれば、上記ポリウレタンの分析方法を用いた、ポリウレタン系接着剤の硬化不良を識別する方法が提供される。 本発明のポリウレタンの分析方法によれば、従来定量的な検出が困難であったポリウレタン中のアルコールウレタン化合物の定量分析が可能となった。 またポリウレタン系接着剤の硬化不良の原因となるアルコールウレタン化合物をアルコールウレタン付加物として検出することにより、接着剤の硬化不良を識別することが可能となった。 また本発明の接着剤の硬化不良を識別する方法によれば、ポリエステルボトルのストレッチラベルにおけるポリウレタン系接着剤の硬化不良によるラベル剥離の原因をアルコールウレタンの検出によって知ることができるため、材料変更等を行う際に、剥離を生じない、例えば、ラベル、印刷インキ、接着剤等の組み合わせを選択するのに有効に利用することができる。 本発明のポリウレタンの分析方法は、ポリウレタン系試料を235〜250℃の温度範囲で熱分解を行うことが重要な特徴であり、これによりポリウレタン系試料中に存在するC1〜C12のアルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解することにより得られた生成物であるアルコールウレタン付加物として検出し得ることが可能になり、従来困難であったアルコールウレタン化合物の定量的な検出を可能にしたものである。 前述したとおり、ポリウレタンは、少なくとも二個以上のイソシアネート基を持つ硬化剤と少なくとも二個以上の水酸基を持つポリオール化合物との反応により生成されるが、一般に、イソシアネート基末端プレポリマーを主剤とし、被着体或いは空気中の水分との反応によって硬化する一液型のものと、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー又はポリイソシアネート化合物から成るA剤と、高分子量のポリエステルポリオールから成るB剤を混合して用いる二液型のものが知られているが、いずれもポリエステルウレタンを形成して硬化される。 しかしながら、本発明者等の研究によると、硬化不良を生じたポリウレタン中には、ポリエステルウレタン以外に硬化に関与しないアルコールウレタン化合物が存在していることがわかった。 すなわち、下記式(1) R−N=C=O + R−OH → R−NH−CO−O−R ・・・(1)において、水酸基含有化合物(R−OH)がポリエステルポリオールの場合は、架橋構造を生じて硬化が進行するが、この(R−OH)がC1〜C12の1価アルコールである場合には、ウレタン結合を生じても架橋できないアルコールウレタン化合物になってしまい、このようなアルコールウレタン化合物の生成により、ポリエステルウレタンの生成が阻害され、硬化不良が引き起されてしまうのである。 ウレタン結合は熱分解により原料のイソシアネート成分と水酸基含有成分に戻ることから、本発明においては、ポリウレタン試料を熱分解して硬化不良の原因となるアルコールウレタン化合物を検出することを試み、その際の温度範囲を235〜250℃の温度範囲とすることにより、試料中のC1〜C12の1価アルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解生成物、すなわちイソシアネート成分にC1〜C12のアルコール成分が付加されたアルコールウレタン付加物を検出し得ることを見出したのである。 高分子量のポリエステルポリオールが使用されているポリウレタンにおいて、水酸基含有成分であるポリエステルポリオールとイソシアネート成分により生成されるポリエステルウレタンを熱分解ガスクロマトグラフィーで分析する際、後述する実施例の結果から明らかなように、一般的なポリウレタン系試料の熱分解温度である300℃程度の温度でアルコールウレタン化合物を含むポリエステルウレタン系試料を熱分解すると、アルコールウレタン付加物以外に、ポリエステルウレタンの分解によるイソシアネート成分、ポリエステル成分、アルコールウレタン付加物の分解によるイソシアネート成分、アルコール成分などが検出され、アルコールウレタン化合物のみに由来する成分を検出して定量することができない。 また、235℃より低い温度では、後述する実施例の結果から明らかなように、アルコールウレタン化合物の熱分解が起こらないため、アルコールウレタン付加物を検出することができない。 従って本発明においては、熱分解における温度を235〜250℃の範囲とすることにより、アルコールウレタン化合物のアルコール成分、イソシアネート成分への分解を抑制し、アルコールウレタン化合物のみに由来する分解生成物、すなわちイソシアネート−アルコール付加物(アルコールウレタン付加物)として検出することが可能となり、硬化阻害の原因となるアルコールウレタン化合物の定量分析が可能となったのである。 尚、本発明の分析方法の対象となりうるアルコールウレタン化合物を形成する1価アルコールは、炭素数が1〜12個のものであり、特に炭素数が1〜4個のものは一般に塗料や印刷インク等の溶媒として使用されているものであり、例えばメタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール、ブタノール等を挙げることができる。 本発明のポリウレタンの分析方法においては、分解温度を235〜250℃の範囲とする以外は、従来公知の熱分解ガスクロマトグラフィーにより、C1〜C12の1価アルコールと結合したアルコールウレタン化合物の分析を行うことができ、分析に用いる熱分解ガスクロマトグラフ装置或いは設定条件も従来ポリウレタンの分析に使用されていたのと同様にして行うことができる。 図1は、本発明に好適に用いることができる装置の一例であり、熱分解装置1を接続したガスクロマトグラフ装置2及び質量分析装置3から成っている。 図1に示す装置において、まずポリウレタン試料を入れた試料カップ4を熱分解装置1の加熱部5に移動して235〜250℃の温度範囲で加熱して熱分解を行う。 熱分解装置においては、加熱部5の温度が初期温度40℃から150℃付近まで昇温する間、試料カップ4を加熱部5で保持し、この間に揮発する成分をガスクロマトグラフに注入する。次いで、加熱部5の温度が250℃に近い温度まで昇温され数分間保持された状態でポリウレタン試料を落下させ、瞬間的に熱分解し、分解生成物をガスクロマトグラフに注入することが好適である。このような多段階的な昇温条件とすることにより、アルコールウレタンの分解生成物を精度よく検出することが可能となる。(ポリウレタン) 本発明のポリウレタンの分析方法は、前述したように、少なくとも二個以上のイソシアネート基を持つ硬化剤及び少なくとも二個以上の水酸基を持つポリオール化合物から成るポリウレタン中に存在するアルコールウレタン化合物を分解生成物であるアルコールウレタン付加物の形で検出することができ、硬化剤及びポリオール化合物の種類を問わず分析することができるが、特にポリエステルポリオールと、硬化剤としてトリメチロール型のイソシアネート化合物から成るポリウレタンにおいて好適に分析できる。 トリメチロール型のイソシアネート化合物としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等とヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等から成るイソシアネート化合物を例示することができるが、特にトリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成るイソシアネート化合物を硬化剤として合成されたポリウレタンにおいて好適に用いることができる。 トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成る硬化剤とポリエステルポリオールから成るポリウレタンは、下記式(2)に示す反応により硬化する。 しかしながら、実際には、不純物として存在した1価アルコールと上記硬化剤も反応してしまい、下記式(3)〜(5)に示すように1価アルコールと反応したアルコールウレタン化合物が生成してしまうのである。 上記ポリエステルウレタン及び1価アルコールと反応したアルコールウレタン化合物を更に模式的に記載すると、図2のようになり、硬化剤のイソシアネート基のすべてが1価アルコールと反応してしまった上記式(3)のものはポリエステルポリオールと反応するイソシアネート基を全く有しないため硬化に全く関与せず、有効なイソシアネート基が減少して、硬化不良を引き起こしてしまうのである。 上述したトリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成るイソシアネート化合物を硬化剤として合成されたポリウレタンは、100℃以下の温度での硬化が可能であることから、特にポリエステルボトルに用いられるストレッチラベル用の接着剤として好適に使用し得るものであるが、硬化にある程度の時間を要することから、硬化途中に、ラベルに施された印刷インキ中の溶媒成分である1価アルコールと硬化剤のイソシアネート基が反応してアルコールウレタン化合物が形成されてしまい、その結果、硬化に関与し得るポリウレタンが減少し、硬化不良が生じて充分な接着力を示すことが困難になる場合がある。 本発明のポリウレタンの分析方法によれば、ポリウレタン中のアルコールウレタン化合物を分解生成物であるアルコールウレタン付加物として検出することが可能であり、ポリウレタン系接着剤における印刷インキなどの残留溶媒等の影響により生成された硬化不良の原因となるアルコールウレタン化合物を検出することが可能となる。(接着剤の硬化不良の識別方法) 本発明においては、上述したポリウレタン中のアルコールウレタン化合物の分析方法を用いることにより、ポリウレタン系接着剤における、硬化後のポリウレタン中に接着不良の原因となるアルコールウレタン化合物の存在を検出し、硬化不良を識別することが可能となる。 すなわち、ポリウレタンの硬化不良は、接着(硬化)直後の状態ではラベルが剥離することがない場合であっても、時間を経て外部からの刺激等を受けると剥離を生じる場合もあり、このような場合に、本発明の分析方法でアルコールウレタン化合物が形成されていることが確認されることにより硬化不良の識別が可能になるのである。 またポリエステルボトルのストレッチラベルにおけるポリウレタン系接着剤の硬化不良によるラベル剥離の原因をアルコールウレタンの検出によって知ることができるため、材料変更等を行う際に、例えばポリエステルボトルのラベル用接着剤においては、印刷インキとポリウレタン系接着剤を剥離を生じない組み合わせで選択するのに有効に利用することができ、或いはこの識別方法を抜き取り検査に用いる等によって、製品管理に利用することも可能になる。[サンプル作製方法]1.C1〜C12アルコールウレタンの作成 混合アルコールとして、表1に示す各1価1級アルコール(キシダ化学製、東京化成製)を等モルずつ混合した。トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成るイソシアネート化合物C−HL(日本ポリウレタン製)をバイアルビンに取り、その重量から計算されるイソシアネート基の量と1:1になる計算量の前記混合アルコールをこれに添加し、50℃のインキュベーター内に保管した。2.硬化不良サンプル 硬化不良サンプルは、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成るイソシアネート化合物とポリエステルから合成されるポリエステルウレタン接着剤が使用された内容量1500mlのポリエステルボトルのポリエチレン製ラベルで硬化不良により剥がれたものを用いた。(実施例1) 作成したC1〜C12アルコールウレタンを酢酸エチルで100倍程度に希釈し、その希釈液の1μL程を少量のグラスウールにしみ込ませ、このグラスウールを熱分解装置(ダブルショットパイロライザーPY2020D、フロンティア・ラボ社製)の試料カップに入れ、熱分解装置に装着した。なおグラスウールにしみ込ませる希釈液の量は、後述の熱分解を行った結果を見て適宜増減した。あらかじめ残留溶剤など不要成分を除くために熱分解装置の加熱炉温度を40℃に設定し炉内に試料カップを移動した後150℃まで加熱し、揮発した成分をガスクロマトグラフ質量分析装置(GCMS−QP2010、島津製作所社製)へ導入した。その後、熱分解を行うために熱分解装置の加熱炉温度を250℃に設定し、炉内に試料カップを落とし熱分解を行い、分解生成物をガスクロマトグラフ質量分析装置により測定した。図3に示すように、C1〜C12のアルコールウレタン付加物は全て検出された。 分析条件を以下に示す。 分析カラム:Rtx−20(レステック社製)30m×0.25mmID 0.5μm オーブン温度:40℃5分保持 昇温15℃/分 300℃7分保持 注入方法:スプリット法 スプリット比1/100 キャリアガス流量:35cm/秒 注入口温度:250℃ インターフェイス温度:270℃(実施例2) 熱分解温度を235℃とした以外は、実施例1と同様に分析を行った。図4に示すように、C1〜C12のアルコールウレタン付加物は全て検出された。(実施例3) サンプルとして、剥離したラベルに塗布されていた接着剤を、酢酸エチルをしみ込ませたグラスウールで拭き取り、このグラスウールの一部を試料とし、ガスクロマトグラフ質量分析装置を以下のように設定した以外は、実施例1と同様に分析を行った。図5に示すように、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノールのアルコールウレタン付加物が検出された。 分析条件を以下に示す。 分析カラム:Rtx−5ms(レステック社製)30m×0.25mmID 0.25μm オーブン温度:40℃5分保持 昇温10℃/分 300℃3分保持 注入方法:スプリットレス法 サンプリング時間0.5分 他は実施例1と同様の条件(比較例1) 熱分解温度を220℃とした以外は、実施例1と同様に分析を行った。図6に示すように、C1〜C12のアルコールウレタン付加物は検出されなかった。(比較例2) 分解温度を300℃とした以外は、実施例1と同様に分析を行った。図7に示すように、C1〜C12のアルコールウレタン付加物は検出されるが、アルコールウレタン化合物が分解された生成物が多く検出された。(比較例3) 分解温度を300℃とした以外は、実施例3と同様に分析を行った。図8に示すように、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノールのアルコールウレタン付加物が検出されたが、ポリエステルウレタンの分解に伴う分解生成物が多く検出された。本発明の分析方法に用いる熱分解GC/MS装置の一例を示す図である。ポリウレタンの構造を模式的に示すものである。実施例1のガスクロマトグラムを示す図である。実施例2のガスクロマトグラムを示す図である。実施例3のガスクロマトグラムを示す図である。比較例1のガスクロマトグラムを示す図である。比較例2のガスクロマトグラムを示す図である。比較例3のガスクロマトグラムを示す図である。 ポリウレタン系試料を235〜250℃の温度範囲で熱分解を行って、C1〜C12のアルコールと硬化剤が結合したアルコールウレタン化合物を分解することにより得られた生成物であるアルコールウレタン付加物として検出することを特徴とするポリウレタンの分析方法。 前記ポリウレタン系試料が、ポリエステルポリオールにトリメチロール型の硬化剤を用いて合成されたものである請求項1記載のポリウレタンの分析方法。 前記トリメチロール型の硬化剤が、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートから成る請求項2記載のポリウレタンの分析方法。 前記熱分解が、熱分解ガスクロマトグラフィーにより行われる請求項1乃至3の何れかに記載のポリウレタンの分析方法。 前記ポリウレタン系試料が、接着剤である請求項1乃至4の何れかに記載のポリウレタンの分析方法。 前記接着剤の硬化温度が100℃以下である請求項5記載のポリウレタンの分析方法。 前記接着剤が、印刷されたフィルムに用いられるものである請求項5又は6記載のポリウレタンの分析方法。 請求項5乃至7の何れかに記載のポリウレタンの分析方法を用いた、ポリウレタン系接着剤の硬化不良を識別する方法。


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