生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ケラチノサイト収縮剤
出願番号:2006103180
年次:2007
IPC分類:A61K 8/97,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

中桐 頼子 亀山 明代 森 めぐみ JP 2007277121 公開特許公報(A) 20071025 2006103180 20060404 ケラチノサイト収縮剤 花王株式会社 000000918 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 的場 ひろみ 100101317 守屋 嘉高 100121153 大野 詩木 100134935 松田 政広 100130683 野中 信宏 100140497 中桐 頼子 亀山 明代 森 めぐみ A61K 8/97 20060101AFI20070928BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20070928BHJP JPA61K8/97A61Q19/00 1 OL 6 4C083 4C083AA111 4C083AA112 4C083AC102 4C083BB51 4C083CC02 4C083CC03 4C083DD23 4C083EE06 4C083EE12 4C083FF01 4C083FF04 本発明は、皮膚の表皮細胞に作用し、表皮ケラチノサイトを収縮させるケラチノサイト収縮剤に関する。 多くの女性は常に若く又は健康的に見せるために、毛穴の目立ちを目立たなくする又は改善するよう様々なスキンケアを日々行っている。かかる成分としては、個人差やその日の体調によって肌の状態が異なり易いため、スキンケアに際して安全性の高いものが望まれている。 毛穴の目立ちを目立たなくしたり又は改善したりするためのスキンケア剤の成分として、皮膚を構成する表皮ケラチノサイトを収縮させる作用を有する成分を用いることが知られている(特許文献1)。また、毛穴を目立たなくさせる方法としては、肌の表皮と真皮を双方から相乗的に収縮させることを目的とし、ケラチノサイト収縮剤と真皮引締め剤を配合することが知られている(特許文献2)。しかし、キハダの植物エキスがケラチノサイトの収縮を引き起こすことについては全く知られていなかった。特開2002−187817号公報特開2005−298403号公報 本発明は、安全性に優れた、ケラチノサイト収縮剤を提供することを目的とする。 本発明者らは、ケラチノサイトを収縮させる植物成分について、さらに探索したところ、ミカン科のキハダの抽出物に優れたケラチノサイト収縮作用があることを見出した。 すなわち、本発明は、キハダ又はその抽出物を有効成分とするケラチノサイト収縮剤を提供するものである。 本発明のケラチノサイト収縮剤は、皮膚の表皮細胞に作用して表皮ケラチノサイトを強く収縮するので、毛穴の目立ちを目立たなくしたり又は改善したりすることができる。 本発明で使用されるキハダは、ミカン科のキハダ(Ephellodendron amurense Bark)である。 本発明におけるキハダは、葉、茎、芽、花、木質部、木皮部(樹皮)等の地上部及び根、塊茎等の地下部、種子、果実、樹脂等の部分が使用可能であるが、木皮部(樹皮)を用いるのが好ましい。また、市場で流通しているオウバクを用いてもよい。 本発明におけるキハダは、植物そのまま若しくはそれを圧搾することにより得られる搾汁、植物自身を乾燥させた乾燥物若しくはその粉砕物、さらに或いはこれらの抽出物として用いることができるが、これらの抽出物が好ましく、乾燥物若しくはその粉砕物からの抽出物がより好ましい。また、これらの抽出物は、市販品のオウバク抽出物を用いても良い。 抽出物としては、キハダを常温又は加温下にて抽出するか又はソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出すること等公知の抽出方法により得られる各種溶剤抽出液、その希釈液、その濃縮液、その乾燥末又はペースト状が挙げられる。 公知の抽出方法としては、例えば、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超臨界抽出、超音波抽出及びマイクロ波抽出等が挙げられる。 当該抽出物を得るために用いられる抽出溶剤としては、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ピリジン類等が挙げられ、これらは単独又は混合物として用いることができる。このうち、極性溶剤を用いるのが好ましく、特に水−アルコール系溶剤(40%〜100%(v/v))を用いるのが好ましく、80〜100%(v/v)がより好ましい。ここで、アルコール系とは、上記アルコール類及び/又は多価アルコール類をいい、このうちアルコール類がより好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール等がより好ましく、エタノールが特に好ましい。 本発明の植物原体からの抽出は、例えば以下の様に行うことができる。すなわち、植物1質量部に対して1〜30質量部の溶剤を用いて、4〜100℃にて0.5時間〜30日間、好ましくは10〜70℃の温度で、0.5時間〜30日間、特に1〜15日間抽出すればよい。 また、上記キハダ抽出物は、液々分配、固液分配、濾過膜、活性炭、吸収樹脂、イオン交換樹脂等の公知の技術により不活性な夾雑物を除去して用いることが好ましい。このとき用いられる溶剤は上記抽出溶剤として例示のいたものを用いることができる。また、これらは、必要により公知の方法で脱臭、脱色等の処理を施してから用いてもよい。 また、本発明のキハダ抽出物は、上記溶剤抽出を組み合わせて行って得られる特定の抽出画分であってもよい。具体的には、例えば、キハダの水−エタノール系混合抽出物を、更にヘキサン、ジエチルエーテル、ベンゼン等疎水溶剤を用いて抽出して得られる疎水性画分が挙げられる。 後記実施例で示すとおり、キハダ抽出物は、表皮細胞に作用し、ケラチノサイトを収縮させる。表皮ケラチノサイトを収縮させることにより毛穴が収縮するため、従ってキハダ又はその抽出物は毛穴を収縮させ、毛穴の目立ちを目立たなくする又は改善するための化粧品、医薬部外品、医薬品等として使用可能なケラチノサイト収縮剤として用いることができる。当該製剤は、通常の皮膚表面の他に、脱毛処理後、さらには角層除去後に使用してもよい。 本発明のケラチノサイト収縮剤は、軟膏等の薬用皮膚外用剤や化粧用皮膚外用剤の形態、具体的には、乳化化粧料、クリーム、乳液、ローション、ジェル等の種々の形態で用いることがとりわけ好ましい。斯かる上記製剤は、それぞれ一般的な製造法により、直接又は製剤上許容し得る担体とともに混合、分散した後、所望の形態に加工することによって得ることができる。この場合、本発明のキハダ抽出物の他に、かかる形態に一般的に用いられる植物油、動物油等の油性基剤、鎮痛消炎剤、鎮痛剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤、ビタミン類、保湿剤、紫外線吸収剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素、香料等を本発明の効果を妨害しない範囲で適宜配合することができる。 また、本発明の上記製剤は、化粧料に限定されず、医薬品、医薬部外品、薬用化粧料等をも包含するものである。 本発明の上記製剤のキハダ又はその抽出物の配合量は、乾燥物として通常全組成の0.0001〜20質量%、特に0.001〜5質量%が好ましい。 以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。製造例1 キハダ抽出物の製造 キハダの樹皮1.0kgに95%(v/v)エタノール水溶液10Lを加え、室温で7日間抽出後、濾過して抽出液を得た(蒸発残分:1.2(w/v)。これを減圧濃縮し、さらに減圧乾燥して、キハダ抽出物を得た。製造例2 キハダ抽出物疎水性画分の製造 キハダの樹皮1.0kgに95%(v/v)エタノール水溶液10Lを加え、室温で7日間抽出後、濾過して抽出液を得た。この抽出液を減圧濃縮後、更にヘキサン0.6Lで抽出し、濾過して抽出液を得た。これを減圧濃縮し、さらに減圧乾燥して、キハダエキス疎水性画分を得た(蒸発残分:1.0(w/v)。実施例1:ケラチノサイトゲル収縮作用 I型コラーゲン(セルマトリックスType-IA:新田ゼラチン)、MCDB153培地(SIGMA:5倍濃度)、20mM HEPES(DOJINDO)および精製水を氷冷しながらよく混合した後、24穴プレート(ファルコン)に各ウェル500μLずつ注入し、インキュベーターで37℃に加温しゲル化させた。得られたコラーゲンゲルにケラチノサイト用培地(Epi Life:クラボウ)を用いてケラチノサイト(HEKn:Cascade Biologics)を2×104 cells/cm2で1mLずつ播種し、24時間培養した後、スクレーパーを用いてコラーゲンゲルを培養皿から剥離した。その直後、キハダ抽出物及びキハダ疎水性画分を最終濃度(固形分濃度)0.001%、0.01%で添加した。添加1時間後にミノルタα707-siカメラ、50macroレンズを用い収縮の様子を撮影した。写真現像後、収縮環をOHPシート用紙に写し取り、画像解析ソフトImage-Pro PLUS (Media Cybanetics社)により収縮環内の面積を求めた。 コントロール(ゲル剥離のみ)ゲルの面積を100%とした時の収縮率(%)(ゲル面積比)を求めた。結果を表に示す。 この結果から、キハダ抽出物は優れたケラチノサイト収縮活性を有し、疎水性画分ではより高いケラチノサイト収縮活性を有することがわかった。 キハダ又はその抽出物を有効成分とするケラチノサイト収縮剤。 【課題】安全性に優れた、ケラチノサイト収縮促進剤を提供すること。【解決手段】キハダ又はその抽出物を有効成分とするケラチノサイト収縮剤。【選択図】なし


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