生命科学関連特許情報

タイトル:再公表特許(A1)_ステビア甘味料
出願番号:2006093229
年次:2008
IPC分類:A01H 5/00,A23L 1/22,C07H 15/256,C12N 15/09


特許情報キャッシュ

守田 豊重 守田 幸司 駒井 功一郎 JP WO2006093229 20060908 JP2006303992 20060302 ステビア甘味料 守田化学工業株式会社 390000697 田村 恭生 100068526 鮫島 睦 100100158 新田 昌宏 100138900 守田 豊重 守田 幸司 駒井 功一郎 JP 2005060930 20050304 A01H 5/00 20060101AFI20080711BHJP A23L 1/22 20060101ALI20080711BHJP C07H 15/256 20060101ALI20080711BHJP C12N 15/09 20060101ALN20080711BHJP JPA01H5/00 ZA23L1/22 101AC07H15/256 AC12N15/00 A AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20080807 2007506004 17 2B030 4B024 4B047 4C057 2B030AA02 2B030AB02 2B030AD09 4B024AA07 4B024AA08 4B024CA01 4B024CA20 4B024HA11 4B047LG31 4B047LG37 4B047LP01 4C057AA06 4C057BB03 4C057BB04 4C057CC01 4C057DD01 4C057JJ53 本発明は、ステビオサイドに対してレバウディオサイドAの含有比率の高いステビア・レバウディアナ・ベルトニーの品種に属する植物体、該植物体および/またはその乾燥葉より抽出される甘味料の製造方法に関する。 本発明は、更に該甘味料から高純度レバウディオサイドAを製造する方法に関する。 ステビアは南米パラグアイを原産地とする菊科多年生植物で、学名をステビア・レバウディアナ・ベルトニー(Stevia Rebaudiana Bertoni)という。ステビアは砂糖の300倍以上の甘味を持つ甘味成分を含むので、この甘味成分を抽出して天然甘味料として用いる為に栽培されている。 ステビアの甘味成分としては、ステビオサイド(C38H60O18)、レバウディオサイドA(C44H70O23)、レバウディオサイドC、D、E、ズルコサイドA等が知られている。一般に栽培されているステビア品種では上記甘味成分の内ステビオサイド(ST)が主成分でレバウディオサイドA(RA)の含有量はステビオサイドの10分の3〜4程度、レバウディオサイドCの含量はそれよりやや少ないが、品種によってはレバウディオサイドCを主成分とするものなど種々である。 渋み、辛み等の舌で知覚される味の中でも甘みの質は非常に微妙である。ステビオサイドは砂糖の300倍の甘味度を有するので天然甘味料として食品工業界で用いられている。その甘味は比較的砂糖に似ているが、苦み等の不快味が後味に残るという欠点がある。それゆえステビオサイドを多量に含むことは甘味料として好ましいことではない。これに対して、レバウディオサイドAは良質の甘味質とステビオサイドの1.3倍〜1.5倍の甘味度を有する。 レバウディオサイドAの生産コストの削減と安定した乾燥葉の収穫量を保ち、甘味料原料として甘味質の優れたレバウディオサイドAを高含有したステビア品種を開発し、同時に、それらを継続維持し、それらを基に優れた甘味料を製造する必要がある。 本発明者らは従来品種から交配選抜を繰り返して品種改良を行い、ステビオサイド(ST)に対してレバウディオサイドA(RA)が高い含有比率を示すステビア品種を得、これらの植物から甘味成分を抽出しステビオサイドに対してレバウディオサイドAの含有比の高い優れた甘味料を製造してきた(後記特許文献1−1から1−3参照)が、更にレバウディオサイドAの安定的により含有比の高い優れた品種の開発が望まれた。 一方、ステビア植物の品種改良においてステビア植物を特定する方法が問題となる。改良されたステビア植物の識別方法として、草丈、葉形等による識別が考えられるが、ステビアは自家不和合性であり雑種になりやすく、草丈、葉形等による識別のみでは不可能である。 また、ステビア特有の病原菌による耐病性による比較特定もあるが、ステビア特有に発現する枯葉、黒斑点病はセプトリア菌、アルタナリア菌に起因して発生するが、それらの菌は土壌に生息する菌であり、これらの症状のみによる品種の特定は日本のみならず世界的に発生することからこれら特性のみで品種を特定するには不十分である。 甘味成分の含有量が高くステビオサイドに対してレバウディオサイドAの含有比率の高い改良品種においてはその含有比率による特定方法が考えられるが、生育期間の気象条件、収穫時期等により甘味成分比率が変動するのは避けられないから、この方法も現実性に乏しい。 最近、プライマーミックスを用いるRAPD法によって、DNA鑑定により識別を行う方法(後記特許文献2参照)も開発されたが、本発明の植物体の鑑定に適用できるかどうかは明らかでない。特開昭59−045848号公報特開昭60−160823号公報特開昭61−202667号公報特開2003−9878号公報 本発明は甘味成分含量と甘味成分含有比の優れた品種を創造し、その特徴を維持するためにRAPD法で遺伝子を識別することにより他系統、他品種のステビア植物と区別した上で、甘味質の優れた甘味料およびその製造方法を提供することである。 本発明の第1は、ステビオサイド1重量部に対してレバウデイオサイドAを4重量部以上含むステビア・レバウディアナ・ベルトニー品種である。このため、後述するように交配と選別を繰り返してステビオサイド1重量部に対してレバウデイオサイドAを少なくとも4重量部以上含むステビア・レバウディアナ・ベルトニー品種に属する新たな植物体を創造した。 本発明の第2は、ステビオサイド1重量部に対してレバウデイオサイドAを4重量部以上を含む甘味料の製造方法であり、前項の植物体またはその乾燥葉を水、または含水溶媒で抽出することを特徴とする。 本発明の第3は、ステビオサイド1重量部に対してレバウデイオサイドAを40重量部以上含む高純度甘味料の製造方法であって、前項で得られた甘味料を再結晶し、ステビオサイド1重量部に対してレバウデイオサイドAを40重量部以上含み、それらの含量が92%以上を含む甘味料の製造方法である。 交配と選別による品種改良においては、選別された品種の特定方法が重要な意味を持つ。本発明者らは、RAPD法によって、DNA鑑定による特定方法を検討した。 本発明によれば、甘味質の優れた甘味料およびその製造方法が提供される。守田品種、SSおよびSNのDNA塩基配列の電気泳動図である。矢印部分に特徴的な塩基配列が認められる。守田品種、およびSNのDNA塩基配列の電気泳動図である。矢印部分に特徴的な塩基配列が認められる。符号の説明 図1における記号a〜hはそれぞれ下記の通りである。 a:Hind IIIマーカー b、e:SN品種 c、f:守田品種 d、g:SS品種 h:1kbp DNA ラダーマーカー 図2における記号は以下の通りである。 守:守田品種 SN:SN品種 M:DNAマーカー(100bp ラダー) 本発明の識別に用いられるRAPD法(Random Amplified Polymorphic DNA method)はDNAの解析手法の1つであり、複数のプライマーを用いてPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を行うと、用いたプライマーと同一または類似の配列に挟まれたDNAの領域が増幅され、その増幅されたDNAのパターンを電気泳動で解析する方法である。また、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB:Cetyl Trimethyl Ammonium Bromide)は長鎖アルキル基をもつ第4級アンモニウム塩基であり、核酸のようなポリアニオンと不溶性の複合体を形成するために核酸の単離に利用することができる。 DNAの違いにより品種識別する手段はCTABにより植物体からゲノムDNAを単離し、リボ核酸(RNA)を除去し、プライマーミックスを用いてPCR法により得られたPCR増幅産物をアガロースゲル電気泳動法によって得られるDNAフィンガープリントの違いにより区別する。本発明の植物体の場合、後述するように2000bp下部に特徴的な塩基配列を示すことが確認された。 実際には、原料の植物体について、選択的に沈殿させたゲノムDNAを雛型とし、プライマーとして例えばA06(塩基配列;ACTGGCCGAGGG) とA48(塩基配列;CCGCAGGGACCA)のセットおよび rTaq(TAKARA)を用いて94度(30秒)、55度(30秒)、72度(120秒)で35サイクル反応を行った後、72度で10分間反応させる。その後、PCR増幅産物をアガロース電気泳動法によって確認し、特定のDNAバンドにより植物体が確認できる。 甘味料の製造には、当該植物体および/またはその乾燥葉から水、または含水有機溶媒にて抽出し、次いで抽出液をそのまま濃縮するか、または必要に応じて陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、活性炭でイオン性不純物を除去し、吸着樹脂に甘味成分を吸着させ親水性溶媒で溶離して溶離液を濃縮、乾燥して甘味料が得られる。甘味料の製造方法はその他脱色等の慣用精製手段を適宣施すことが出来、高純度レバウディオサイドAを得る方法は膜分離、アルコール抽出、結晶化等の慣用手段を適宜施すことができる。また、結晶化の方法は結晶溶媒としてエタノール、メタノール等の有機溶媒に要すれば水を加えて、適宣使用することができる。得られた甘味料は他の天然、人工甘味料、希釈剤等を加えることもできる。レバウディオサイドAを比較的高濃度で含有する品種の育種過程 育種はレバウディオサイドAを比較的高含有する品種のかけ合わせ選抜にて行い、まず、レバウディオサイドAを高濃度で含有するSF5−1、SF5−2(特開平10−271928号記載)を人工的に交配し、得られた種子からTD-1(特開2003−9878号記載)を選択して、それらを更に人工的に交配し、得られた種子から、セプトリア菌、アルタナリア菌に抵抗性を有する品種を選抜し、その甘味成分を分析し、ステビオサイドに対してレバウディオサイドAを4重量部以上含み、甘味含有量が高く、比較的耐病性に優れた株を選抜した。さらに、甘味成分含量、甘味成分比率、生育状況を繰り返し確認し、守田品種として、その遺伝子を検索した。 さらに出願人は、今回、本発明に係る守田品種について、既に国際寄託を完了した(受託番号FERM BP−10353)。従って、その寄託に係る守田品種の種子から、容易に本発明の植物体を容易に入手することができる。ステビアは自家不和合性であり、当該種子から常に目的の植物体が得られるとは限らないが、本願に記載されたDNA鑑定に従って目的物を容易に選別できる。また必要ならば、他の高品質ステビア種(例えばTD−1)と交配し、後記実施例1に準じて選別を行えば、レバウディオサイドAを高濃度で含有する植物体を極めて容易に入手することができる。これら植物体はすべて、国際寄託をした品種、即ち守田品種の種子から得られる植物体に含まれる。 以下に、育種過程およびその特性等を具体的に記載する。本発明は本育種過程、栽培方法に限定されるものでない。実施例1 レバウディオサイドAを比較的高濃度に含有する品種のかけ合わせで得られた種子より、1995年にレバウディオサイドAを含有するSF−1、SF5−2品種(特開平10−271928号記載)を新見工場内ビニールハウス内で人工的にかけ合わせ、得られた種子を96年3月に新見工場内のビニールハウスに播種、発芽した苗を育苗ポットに移植し、5月上旬に苗丈8cm程度以上の苗600本を工場内圃場に10アール当たり窒素、燐、カリの肥料成分各20kgを施肥し2週間後に移植した。7月上旬に追肥として10アール当たり窒素、燐、カリの肥料成分各10kgを追肥した。 9月上旬に調査し、その甘味成分を分析し、ステビオサイドに対してレバウディオサイドAを3倍以上含む株TD−1品種(特開2003−9878号記載)を選抜した。98年にTD-1品種を新見工場内ビニールハウス内で人工的にかけ合わせ、得られた種子を99年3月に新見工場内のビニールハウスに播種、発芽した苗を育苗ポットに移植し、5月上旬に苗丈7cm程度以上の苗300本を工場内圃場に10アール当たり窒素、燐、カリの肥料成分各20kgを施肥し2週間後に移植した。7月上旬に追肥として10アール当たり窒素、燐、カリの肥料成分各10kgを追肥した。 9月上旬に調査し、その甘味成分を分析し、ステビオサイドに対してレバウディオサイドAを4重量部以上含み株TD−1品種よりも耐病性に優れ、生育の良い株を選抜した。2000年4月中旬にそれらより萌芽した芽を100本挿し木した。5月上旬に同様に工場内圃場に植え付け7月末に耐病性、生育を再度調査し、甘味成分比、含量が優れている事を確認し、更に、2001年から3ヵ年間をかけて耐病性、甘味成分比、甘味成分含量、乾燥葉の収量が優れ、生育、成分に変化が無い事を確認し、守田品種とした。守田品種、TD−1、およびSNの比較試験1 守田品種との他品種の比較のために、2003年4月中旬にレバウディオサイドAを主成分とするTD−1(TD)、ステビオサイドを主甘味成分とし、レバウデイオサイドAを副甘味成分とする一般的なステビア品種(SN)各40本も同様に挿し木し、同様に工場内圃場に植え付けた。 上記の5月上旬に圃場に移植した挿し木により増殖させた守田品種の苗200本と、TD品種、SN苗各40本のうち、6月上旬に任意に選んだ各品種10本中での発病の有無を調査した後、守田、TD、SNの各品種を地上から15cmで刈り取り後、葉部を分離し、乾燥後分析試料とした。 分析結果は次のとおりであった。守田品種、TD、およびSNの比較試験2 7月中旬に追肥を行い、9月上旬に各品種1区画20株を選択しセプトリア菌、アルタナリア菌の発病状況を調査した後、各品種を地上部から刈り取った後、葉部を分離し、乾燥後分析試料とした。 分析結果は次のとおりであった。 守田品種は下葉黒斑点の発病割合は比較的低く、甘味成分含量、乾燥葉収量も他品種より優れていた。TD品種は守田品種よりもセプトリア菌により下葉黒斑点が多く、既に葉がセプトリア菌により黄色く変色し始めており、SN品種はセプトリア菌により下葉の3節までの部分でセプトリア菌による黄変が見られ、地上より1節の葉は枯れ葉となっていた。 04年3月に守田品種から萌芽した穂先を200本挿し木し、4月下旬に圃場に移植し、5月末、6月末、7月末、8月末、9月末、開花後の10月末に地上部を刈り取り、葉のみを分離した後、乾燥し、甘味成分含量を測定した。 甘味成分の測定は高速液体クロマトグラフィーにより行った。 守田品種は生育期間により甘味成分含量、甘味成分比が異なり、生育期間が長くなるにつれて甘味成分含量が増え、一方、ステビオサイド含量が減少する傾向が見られた。開花時期の10月末には甘味成分含量の減少がみられる。遺伝子塩基配列の特定(その1) 甘味成分含量、甘味成分比、収量から守田品種が最も優れていたことから、守田品種をPCR法により識別した。 乾熱滅菌した乳鉢に守田品種の葉を約0.2グラム入れ、液体窒素を加えて乳棒ですりつぶし、マイクロチューブにスパテュラで約0.05gづつ入れた。300μlの2%CTAB溶液(2%CTAB溶液(50ml):組成100mM、Tris−HCl(pH8.0)20mM、EDTA(pH8.0)、2% CTAB、1.4M NaCl)を加え、転倒混和した後、65℃に熱したヒートブロックにチューブを移し、30分間加温した。等量(300μl)のクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を加え、5分間穏やかに攪拌する。14000rpmで15分遠心分離した後、2層に分かれた内容物の上層の水層を新しいチューブに移す。 上記のクロロホルム/イソアルミアルコール以降の操作をもう一度繰り返し、水層を新しいチューブに移す。400μlの1%CTAB溶液(1%CTAB溶液(50ml):組成1M Tris−HCl 2.5ml、0.5M EDTA 1.0ml、1% CTAB 0.5g)を加え、15分転倒混和後、1時間室温で静置し、14000rpmで15分間遠心分離を行う。 上清を捨てて、400μlの1MCsClを加え、ピペッティングをして沈殿を完全に溶かす。900μlの100%エタノールを加え、転倒混和後、−20℃で20分以上静置し、14000rpmで15分間遠心分離を行なう。上清を捨て、沈殿に400μlの70%エタノールを加え14000rpmで15分間遠心分離を行い、この操作を繰り返した後に上清を捨て、沈殿を真空乾燥機で乾燥し、30μlの超純水に溶解する。溶液をアガロースゲル電気泳動し、DNAが単離されていることを確認した。 RNAを除去する為にRNase溶液500μl(組成:上記DNA単離溶液100μl、RNase(5g/ml) 5μl)で37℃にて1時間反応させ、反応液にPCI溶液(組成:フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール、25:24:1を穏やかに混合した後、13000rpmで5分間遠心し、水層を分離した溶液)を等量加える。蓋をして穏やかに混合した後、13000rpmで5分間遠心した。 水層(上層)を新しいマイクロチューブに移し、室温で保存していたCIA溶液(組成:クロロホルム/イソアミルアルコール、容量比24:1)を等量加え、穏やかに混合した後、15000rpmで3分間遠心し、水層を新しいマイクロチューブに移し、もう一度CIA処理を行い、得られた上清の1/10倍量の3M酢酸ナトリウムと2.5倍量の100%エタノールを加え、よく混ぜた後、−20℃で20分以上冷却し、15000rpmで15分間遠心し、DNAをペレットにし、上清を捨て、ペレットに冷却しておいた70%エタノールを1mlを加えた後、15000rpmで15分間遠心し、上清を捨て、もう一度冷却した70%エタノールを1ml加えた後、15000rpmで15分間遠心し、上清を捨て、減圧デシケーターを用いて5分間乾燥させた。 得られたゲノムDNAをテンプレートとしてPCR用組成物(表4)にて、94℃30秒、55℃30秒、72℃120秒35サイクル反応を行った後、72℃で10分間反応させる。反応後、4℃に保ちPCR増幅産物を得た。PCR増幅産物を1%アガロースゲル電気泳動でDNAバンドを確認すると、図1の守田が示すように、およそ2000bp下方に特徴的なDNA断片が確認できた。 同様に、ステビオサイドを主成分としレバウディオサイドAを副成分とするSN品種(SN)およびSS品種(SS)を上記と同様に処理したDNAバンドを図1に示す。 守田品種はおよそ2000bp下部に特徴的な塩基配列を有し、DNAをアガロースゲル電気泳動で検出することによって、他の品種と容易に区別することが出来る。遺伝子塩基配列の特定(その2) 上記と異なるプライマーを使用して、守田品種およびSN品種の比較を行った。<DNA抽出> DNA抽出はCTAB法により行った。守田品種、SN品種それぞれの葉、約0.5gを乳鉢中で液体窒素により凍結し、乳棒にて粉砕した。粉砕したサンプルは50mlファルコンチューブ中で20mlの2%CTAB溶液(100mM Tris−HCl pH8.0、20mM EDTA pH8.0、2% CTAB、1.4M NaCl、1% PVP)と混和し、65℃で30分インキュベートした。等量のクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)を加え、10分間撹拌した後、3500rpmで15分遠心分離し、水層を別の50mlファルコンチューブに移した。さらに等量の100%イソプロパノールを加え、3500rpmで15分遠心分離し、沈殿をホックで集め1.5mlマイクロチューブに移した。沈殿を75%エタノールでリンスした後、乾燥させ600μlのTEバファーで溶解した。RNase溶液(1mg/ml)を1μl加え、37℃で1時間インキュベートしたのち、等量のTE飽和フェノールを加え混和してから15000rpmで30分間遠心分離した。水層を別のマイクロチューブに移し1/10量の3M酢酸ナトリウムと等量のイソプロパノールを加え、混和し15000rpmで30分間遠心分離した。得られた沈殿を75%エタノールで2回リンスしたのち乾燥させ50μlのTEバファーに溶解しDNAサンプルとした。<PCR分析> 得られたDNAサンプルを鋳型として以下の反応液組成にてPCR反応を行った。PCRサイクルは96℃で30秒反応させた後、96℃10秒、42℃2分、72℃2分35サイクル、さらに72℃で4分反応させた。反応後、PCR産物は1.8%アガロースゲル電気泳動により分画し、EtBr染色後UV照射下にて撮影した。その結果、プライマーUBC−66において約2000bp付近に守田品種に特異的なバンドが確認できた。またプライマーUBC−72では約600bp付近に、UBC−106では約700bp付近にSN品種に特異的なバンドが確認された。この結果から守田品種とSN品種は遺伝的に異なる系統であり、RAPD分析により容易にその差異が検出できることが明らかとなった。反応液組成(50μl中)10 X PCR バファー 5μldNTP (2.0mM) 5μlRAPD プライマー *(10 mer) 5μl(5μM)ブレンド・タック(Blend Taq)(商標)(TOYOBO) 0.5μl(2.5U/μl)ステビアDNA 1μl(30ng/μl)滅菌水 33.5μl*プライマーとしては下記のUBC−66、UBC−72またはUBC−106を用いた。 UBC−66: GAGGGCGTGA UBC−72: GAGCACGGGA UBC−106: CGTCTGCCCG実施例2 甘味料の製造 9月末に得られた守田品種の乾燥葉20gを20倍量の水で甘味が感じられなくなるまで数回抽出し、抽出液を陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)20mlを充填したカラムおよび陰イオン交換樹脂(デュオライトA−4)20ml、粒状活性炭5mlを充填したカラムに通液し、通過液を吸着樹脂(ダイヤイオンHP−20)100mlを充填したカラムに通して甘味成分を吸着させ、十分水洗後エタノール300mlで溶離する。溶離液を減圧下に濃縮し、乾燥して淡黄白色の粉末を得た。比較のためにTD、SNからも同様の処理をして甘味成分を得、これを分析した。分析方法 高速液体クロマトグラフィー法使用カラム Hibar Licrosorb NH2 5μ 4mm(直径)×250mm流速 1.5ml/分展開溶媒 アセトニトリル:水=82:18測定波長 210nm 表5に抽出精製物の分析結果を示す。表中のSTはステビオサイド、RAはレバウディオサイドAである。官能試験1 実施例2で得られた守田、SNの淡黄色の粉末の各0.1%溶液を調製し、ステビア甘味料の味質に精通したパネラ−10人により苦み、渋み、甘味質を比較した。 各試料において守田品種は苦み、渋みが他の試料より改善されており、甘味質において優れていた。官能試験2 実施例2で得られた守田、TDの淡黄色の粉末の各0.1%溶液を調製し、ステビア甘味料の味質に精通したパネラ−10人により苦み、渋み、甘味質を比較した。 各試料において守田品種は苦み、渋みが他の試料より改善されており、甘味質において優れていた。実施例3 高純度レバウディオサイドA甘味料の製造 実施例2で得られた抽出精製物(守田品種)2gを10倍量の95%メタノールに加熱溶解した後に、4℃に6日間冷却放置し、得られた結晶を分離し、冷メタノールで洗浄後、減圧乾燥し、白色の結晶1.2gを得た。比較のためにTD、SNからも同様の処理をしてそれぞれ白色の結晶0.9gおよび0.6gを得、これを分析した。分析方法 高速液体クロマトグラフィー法使用カラム Hibar licrosorb NH2 5μ 4mm(直径)×250mm流速 1.5ml/分展開溶媒 アセトニトリル:水=82:18測定波長 210nm 表8に抽出精製物の分析結果を示す。表中のSTはステビオサイド、RAはレバウディオサイドAである。官能試験3 実施例3で得られたSN白色の粉末の各0.1%溶液を調製し、ステビア甘味料の味質に精通したパネラ−10人により苦み、渋み、甘味質を比較した。 各試料において守田品種は苦み、渋みが他の試料より改善されており、甘味質において優れており、高純度製品の回収率も優れていた。官能試験4 実施例3で得られたTDの白色の粉末の各0.1%溶液を調製し、ステビア甘味料の味質に精通したパネラ−10人により苦み、渋み、甘味質を比較した。 各試料において守田品種は苦み、渋みが他の試料より改善されており、甘味質において優れており、高純度製品の回収率も優れていた。実施例4 高純度レバウディオサイドA甘味料の製造 実施例2で得られた抽出精製物(守田品種)の2gを5倍量の75%メタノールに加熱溶解した後に、4℃に7日間冷却放置し、得られた結晶を分離し、冷メタノールで洗浄後、減圧乾燥し、白色の結晶0.9gを得て、分析した。 ステビオサイド1重量部に対してレバウデイオサイドAを少なくとも4重量部以上含むステビア・レバウディアナ・ベルトニー品種であって、RAPD法によるDNA解析において2000bp下部に特徴的な塩基配列を示す植物体。 国際寄託(受託番号FERM BP−10353)の種子より得られる、請求項1の植物体。 請求項1に記載の植物体またはその乾燥葉を水、または含水溶媒で抽出することを特徴とする甘味料の製造方法。 請求項2に記載の植物体またはその乾燥葉を水、または含水溶媒で抽出することを特徴とする甘味料の製造方法。 請求項3に記載の方法により得られる甘味料から、ステビオサイド1重量部に対してレバウデイオサイドAを少なくとも40重量部以上含み、かつ純度92%以上の高純度レバウデイオサイドAを得る方法。 請求項4に記載の方法により得られる甘味料から、ステビオサイド1重量部に対してレバウデイオサイドAを少なくとも40重量部以上含み、かつ純度92%以上の高純度レバウデイオサイドAを得る方法。 本発明により、ステビオサイド1重量部に対してレバウデイオサイドAを4重量部以上含むステビア・レバウディアナ・ベルトニー品種の新たな植物体が提供され、該植物体またはその乾燥葉より良質な甘味料が容易に製造できる。配列表


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