タイトル: | 公開特許公報(A)_アンチトロンビンIII欠乏症の予防及び/又は治療のための医薬 |
出願番号: | 2006087835 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 36/896,A61P 43/00,A61P 1/16,A61P 7/02,A61P 13/12 |
山下 浩史 田辺 宗平 JP 2007261981 公開特許公報(A) 20071011 2006087835 20060328 アンチトロンビンIII欠乏症の予防及び/又は治療のための医薬 興和株式会社 000163006 特許業務法人特許事務所サイクス 110000109 山下 浩史 田辺 宗平 A61K 36/896 20060101AFI20070914BHJP A61P 43/00 20060101ALI20070914BHJP A61P 1/16 20060101ALI20070914BHJP A61P 7/02 20060101ALI20070914BHJP A61P 13/12 20060101ALI20070914BHJP JPA61K35/78 VA61P43/00 111A61P1/16A61P7/02A61P13/12 5 OL 7 4C088 4C088AB88 4C088BA07 4C088BA08 4C088MA02 4C088MA52 4C088MA55 4C088NA14 4C088ZA54 4C088ZA75 4C088ZA81 本発明は、アンチトロンビンIII欠乏症又はアンチトロンビンIII欠乏に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬に関する。 ニンニクより抽出された乾燥粉末には、強壮、健胃、整腸、及び疲労回復などの薬効が認められている。また、ニンニクに含まれるアリシン、アホエン、及び二硫化ニアリル(DADS)等の成分は、Bcl-2発現抑制及びBax発現誘導作用、caspase-3活性上昇によるアポトーシス亢進作用(Exp. Mol. Med. 32(3), pp.127-34, 2000; Leukemia, 16(1), pp.74-83, 2002)、ferritin及びTransferrin receptor発現誘導による生体内の鉄の恒常性への寄与(J. Nutr., 132(12), pp.3638-41, 2002)、及びMicrosomal triglyceride transfer protein遺伝子発現誘導による脂質低下作用(J. Nutr., 132(6), pp.1165-8, 2001)を有することが報告されている。 一方、アンチトロンビンIII(アンチトロンビン又は抗トロンビンIIIとも呼ばれる)は肝臓の実質細胞で産生される主要な抗凝固因子であり(World J. Gastroenterol.,11(32), p4997-5001, 2005)、血中でトロンビンや第IXa因子、第Xa因子などを不活性化して抗凝固作用を発揮する。本遺伝子は0.2〜0.4%の罹患率で常染色体性優性遺伝する先天性アンチトロンビンIIIヘテロ接合体欠損症(Blood, 78(4), 1027-32, 1991)やDIC(アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群)に代表されるアンチトロンビンIII産生レベルの低下による後天性欠乏症(メルクマニュアル第17版、第11節 血液疾患と腫瘍 血栓性疾患)の原因遺伝子であると考えられていることから、先天性アンチトロンビンIIIヘテロ接合体欠損症患者並びに後天性欠乏症患者において、アンチトロンビンIII遺伝子の発現を増加させることにより、アンチトロンビンIII欠乏症の治療が可能と考えられる。なお、ニンニク抽出物などのニンニク加工物がアンチトロンビンIII欠乏症の治療に有効性を示すことに関して従来報告はなく、アンチトロンビンIIIに対するニンニク加工物の作用についても従来全く報告がない。Exp. Mol. Med. 32(3), pp.127-34, 2000Leukemia, 16(1), pp.74-83, 2002J. Nutr., 132(12), pp.3638-41, 2002J. Nutr., 132(6), pp.1165-8, 2001World J. Gastroenterol.,11(32), p4997-5001, 2005Blood, 78(4), 1027-32, 1991メルクマニュアル第17版、第11節 血液疾患と腫瘍 血栓性疾患 本発明の課題は、アンチトロンビンIII欠乏症又はアンチトロンビンIII欠乏に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬を提供することにある。 本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ニンニク抽出物などのニンニク加工物がアンチトロンビンIII遺伝子の発現を増強する作用を有しており、アンチトロンビンIII欠乏症又はアンチトロンビンIII欠乏に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用であることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成された。 すなわち、本発明により、アンチトロンビンIII欠乏症又はアンチトロンビンIII欠乏に起因する疾患の治療のための医薬であって、ニンニク加工物を有効成分として含む医薬が提供される。 この発明の好ましい態様によれば、ニンニク加工物がニンニク抽出物である上記の医薬;及びニンニク加工物が乾燥形態のニンニク粉末である上記の医薬が提供される。アンチトロンビンIII欠乏症が先天性アンチトロンビンIIIヘテロ接合体欠損症又はアンチトロンビンIII後天性欠乏症である上記の医薬、及びアンチトロンビンIII欠乏に起因する疾患が血栓塞栓症、汎発性血管内凝固症候群(DIC)、肝疾患、又はネフローゼ症候群である上記の医薬も提供される。 別の観点からは、上記の医薬の製造のためのニンニク加工物の使用;及び、アンチトロンビンIII欠乏症の予防及び/又は治療方法であって、ニンニク加工物の予防及び/又は治療有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。さらに、ニンニク加工物を有効成分として含むアンチトロンビンIII発現増強剤、ヒトを含む哺乳類動物の生体内においてアンチトロンビンIIIの発現を増強する方法であって、ニンニク加工物の有効量をヒトを含む哺乳類動物に投与する工程を含む方法が本発明により提供される。 本発明の医薬はアンチトロンビンIII遺伝子の発現を増強する作用を有しており、アンチトロンビンIII欠乏症やアンチトロンビンIII欠乏に起因する疾患の予防及び/又は治療に有用である。 本発明の医薬の有効成分として用いられるニンニク加工物の種類は特に限定されず、ユリ科ネギ属にんにく(Allium sativuml.)の鱗茎を加工して得られるものであればいかなるものを用いてもよい。本明細書において、「加工」の用語は生のニンニクに加熱、乾燥、粉砕、又は抽出などの何らかの加工を施すことを意味しているが、加工の種類は特に限定されず、いかなる意味においてもこの用語を限定的に解釈してはならない。 加工には、例えば、生ニンニクを乾燥する処理若しくは乾燥後に粉末化する処理、生ニンニクを水蒸気蒸留する処理、生ニンニクを油、水、熱水、若しくは水溶性有機溶媒等で抽出する処理、又は生ニンニクを加熱する処理などが含まれ、特に水溶性有機溶媒で抽出する処理が好ましい。抽出に用いる油としては、例えば、菜種油、オリーブ油、又は大豆油等の食用植物油が挙げられ、水溶性有機溶媒としては、例えば、エタノール若しくはイソプロパノール等の低級アルコール;又はプロピレングリコール若しくはジエチレングリコール等のグリコール等が挙げられる。 ニンニク加工物としては、例えば、加工大蒜、ニンニク抽出液、ニンニクエキス、又は乾燥ニンニク等が好ましく、特に加工大蒜が好ましい。加工大蒜は、加熱処理ニンニク抽出液を低級アルコール抽出等の工程を経て調製されるニンニク粉末又はエキスを意味しており、例えば、オキソアミヂン(登録商標)(理研化学工業株式会社製)、オキソアミヂン(登録商標)末(理研化学工業株式会社製)、オキソレヂン(登録商標)(理研化学工業株式会社製)、又はオキソレヂン(登録商標)末(理研化学工業株式会社製)等が市販されている。ニンニクエキスとしては、例えば、ニンニクエキス(アルプス薬品工業株式会社製)又はニンニク流エキス(日本粉末薬品株式会社製)等が市販されている。乾燥ニンニクとしては、例えば、ガーリックパウダー又はローストガーリックパウダーEX(理研化学工業株式会社製)等が市販されている。これらのニンニク加工物のうち、オキソアミヂン(登録商標)(理研化学工業株式会社製)、オキソアミヂン(登録商標)末(理研化学工業株式会社製)、オキソレヂン(登録商標)(理研化学工業株式会社製)、又はオキソレヂン(登録商標)末(理研化学工業株式会社製)等が好ましい。 本発明の医薬の有効成分であるニンニク加工物は、以下の実施例に具体的に示すように、肝臓で産生され、血中に放出されることにより血液凝固の制御に重要な役割を果たしているアンチトロンビンIIIの発現を増強する作用を有している。本発明の医薬は、肝臓における本遺伝子の発現を増強することによりアンチトロンビンIII欠乏症に対して予防及び/又は治療効果を発揮することができる。 本発明の医薬の適用対象となるアンチトロンビンIII欠乏症の種類は限定されず、例えば、先天性アンチトロンビンIIIヘテロ接合体欠損症のほか、アンチトロンビンIII産生レベルの低下による後天性アンチトロンビンIII欠乏症などのいずれに対しても適用可能である。後天性アンチトロンビンIII欠乏症に起因する疾患としては、例えば、急性血栓症、深部静脈血栓症、肺梗塞などの血栓塞栓症、汎発性血管内凝固症候群(DIC)、肝疾患、又はネフローゼ症候群などを挙げることができ、本発明の医薬はアンチトロンビンIII産生レベルを上昇させることにより、その結果、これらの疾患の予防及び/又は治療を達成できる。 本発明の医薬としては、有効成分である上記のニンニク加工物をそのまま投与してもよいが、ニンニク加工物とともに1種又は2種以上の製剤用添加物を含む医薬組成物を調製して投与してもよい。本発明の医薬は、通常は経口により投与することが望ましいが、ニンニク加工物としてニンニク抽出液を用いる場合などには静脈内投与などの非経口投与を行なうことも可能であり、あるいは直腸内投与形態の医薬組成物を調製して非経口的に投与することも可能である。 経口投与に適する医薬組成物としては、固形又は液体の医薬組成物のいずれであってもよい。経口用の固形医薬組成物は、例えば、有効成分であるニンニク加工物に賦形剤を加え、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、又は矯味剤などの製剤用添加物を加えた後、常法により錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤として調製することができる。製剤用添加物としては、当該分野で一般的に使用されているものを用いることができる。例えば、乳糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、微結晶セルロース、珪酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ゼラチン液、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、ポリビニルピロリドン等の結合剤;カンテン末、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の崩壊剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等の滑沢剤;β−カロチン、黄色三二酸化鉄、カラメル等の着色剤;及び白糖、橙皮等の矯味剤を例示できる。 経口用の液体医薬組成物は、有効成分であるニンニク加工物に矯味剤、安定化剤、又は保存剤など製剤用添加物の1種又は2種以上を加え、常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等として調製することができる。製剤用添加物としては、当該分野で一般的に使用されているものを用いることができる。例えば白糖等の矯味剤;トラガント等の安定化剤;パラオキシ安息香酸エステル等の保存剤が挙げられる。 非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、点滴剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤などの製剤形態を例示することができる。注射剤は、例えば水性のニンニク抽出液に安定化剤又は等張化剤等などの製剤用添加物の1種又は2種以上を添加し、常法により皮下、筋肉、又は静脈内投与用の注射剤として製造することができる。製剤用添加物としては、当該分野で一般的に使用されているものを用いることができる。例えば、ピロ亜硫酸ナトリウム等の安定化剤;塩化ナトリウム等の等張化剤を例示できる。直腸内投与用の医薬組成物としては坐薬を挙げることができる。坐薬は、ニンニク加工物に担体及び界面活性剤などの製剤用添加物を加えて常法により製造することができる。製剤用添加物としては、当該分野で一般的に使用されているものを用いることができる。例えば、ポリエチレングリコール、ハードファット等の担体;ポリソルベート80等の界面活性剤を例示できる。 本発明の医薬の投与量は特に限定されず、患者の年齢、体重、及び症状、投与形態、投与経路、及び投与回数などによって適宜選択可能である。通常は、ニンニク加工物の質量として成人1日あたり0.1 mg〜10 g程度を投与することができる。本発明の医薬は1日1回又は数回に分けて経口投与又は非経口投与することができるが、投与回数も適宜選択可能である。 以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。例1(1)方法(a)被験物質:オキソアミヂン末(登録商標、理研化学工業株式会社製)媒体:生理食塩液、濃度:5 mg/mL(b)動物実験 一晩絶食させたラットにオキソアミヂン末を100 mg/kgとなるよう経口単回投与した(対照動物については媒体を経口単回投与)。24時間後、それぞれの動物について無麻酔下で断頭した後に肝臓を摘出し、液体窒素で凍結させた。凍結させた肝臓については次の操作まで−80℃で保存した。(c)Total RNAの抽出並びに蛍光標識 Total RNAの抽出にはSV total RNA isolation system(登録商標、Promega社製)を用いた。すなわち、凍結したサンプルを約30 mg秤量し、SV RNA Lysis Bufferを175μL 添加し、30分間の超音波処理並びに注射針(22G)により肝臓をホモジナイズし、SV RNA Dilution Bufferを350μL 添加して転倒混和させた。70℃で2分 インキュベートした後、10000×g、4℃で10分間の遠心分離を2回行い、上清を回収した。氷冷した95%エタノールを200μL添加し、ピペッティングにより混和した後、溶液をSpin BasketとCollection tubeからなるSpin Column Assemblyに移し、10000×g、4℃で1分間遠心分離した。Spin Column AssemblyにSV RNA Wash Solutionを600μL添加した後、10000×g、4℃で1分間遠心分離することにより洗浄した。予め調製したDNaseI反応液(Yellow Core Buffer 40μL 、MnCl2 5μL 、DNaseI 5μLを含む)を Spin Column Assemblyに添加し、室温で5分間静置した後、Spin Column AssemblyにSV DNase Stop Solutionを200μL添加して、10000×g、4℃で1分間遠心分離した。SV RNA Wash Solutionを250μL添加して洗浄した後、Nuclease-Free Waterを100μL添加して10000×g、4℃で2分間遠心分離することによりtotal RNAを溶出した。 得られたtotal RNAのうち400 ngを用いて、Low RNA Input リニア増幅&ラベル化キットによるラベリングを行った。すなわち、total RNAを400 ng、T7 promoter プライマーを1.2μL、Nuclease-free waterを混合して合計11.5μLとした後、65℃で10分間インキュベーションし、5分間氷冷後、予め65℃で加温した5×First strand bufferを4μL、0.1M DTTを2μL、10 mM dNTP mixを1μL、MMLV-RTを1μL、RNaseOUTを0.5μL添加して40℃で2時間インキュベートした。65℃で10分間インキュベートすることにより反応を停止した後、5分間氷冷した。氷冷後、Nuclease-free waterを15.3μL、4×Transcription bufferを20μL、0.1M DTTを6μL、NTP mixを8μL、予め40℃で加温した50% PEGを6.4μL、RNaseOUTを0.5μL、Inorganic pyrophosphataseを0.6μL、T7 RNA polymeraseを0.8μL添加し、混合した。混合後、オキソアミヂン末を投与した動物の肝臓由来のRNAについては10mM Cyanine 5-CTP(以下Cy5)を2.4μL、媒体を投与した動物の肝臓由来のRNAについては10 mM Cyanine 3-CTP(以下Cy3)を2.4μL 添加し、40℃で2時間、遮光下でインキュベートした。 反応終了後、RNeasy mini(QIAGEN社製)を用いて反応物(ラベル化cRNA)の精製を行った。すなわち、RLT bufferを350μL、エタノールを250μL添加し、混合後カラムに供し、10000×gで30秒間遠心した。カラムにRPE bufferを500μL添加し10000×gで30秒間遠心することでカラムを洗浄した。本洗浄操作は2回行った。RNase-free waterを30μL添加し、1分間静置した後10000×gで30秒間遠心することによりラベル化cRNAを溶出した。本溶出操作は2回行った。得られたラベル化cRNAを用いて、In situ hybridization kit plus(Agilent社製)によるrat microarray oligo(Agilent社製、以下ラットオリゴ)とのハイブリダイゼーションを行った。すなわち、Cy3 ラベル化cRNA 0.75μg相当とCy5ラベル化cRNA 0.75μg、10×コントロールターゲットを50μLとヌクレアーゼフリー水を混合して合計215μLとし、2×ターゲットソリューションを215μL、25×フラグメンテーションバッファを9μL添加し、60℃で30分間、遮光下でインキュベートした。2×ハイブリダイゼーションバッファを225μL添加して反応停止させた後、マイクロアレイ用チャンバー内でラットオリゴにアプライし、60℃で17時間ハイブリダイゼーションを行った。反応終了後、ラットオリゴを0.005% TritonX-102含6×SSC並びに0.005% TritonX-102含0.1×SSCで洗浄し、窒素ガスで乾燥させた。乾燥したラットオリゴをマイクロアレイスキャナー(Agilent社製)に供して画像を取り込んだ後、画像化ソフトFeature Extractionを用いてスポットの画像化並びにシグナル強度の数値化を行った。得られた数値について、Microsoft EXCEL にて解析を行った。(2)結果及び考察 ラットオリゴに搭載されているプローブのうち、コントロールプローブ並びにノイズにより測定値の信頼性が低いプローブを除去し、残りの約20000遺伝子について解析を行った。その結果、オキソアミヂン末投与により媒体投与に対して発現量が2倍以上増加したものが1464遺伝子、逆にオキソアミヂン末投与により媒体投与に対して発現量が1/2以下に減少したものが1714遺伝子であった。これらのうち、機能既知遺伝子については発現が増加したものが1113遺伝子、減少したものが1222遺伝子であった。発現が増加した遺伝子にはアンチトロンビンIII遺伝子が含まれており、この遺伝子の発現量は媒体投与時を1とした場合、3.87であった(表1)。 アンチトロンビンIII欠乏症発症時にはアンチトロンビンIIIが欠乏していることから、本遺伝子の発現を増強したオキソアミヂンは、アンチトロンビンIII欠乏症に対して治療効果を有するものと結論された。アンチトロンビンIII欠乏症又はアンチトロンビンIII欠乏に起因する疾患の治療のための医薬であって、ニンニク加工物を有効成分として含む医薬。アンチトロンビンIII欠乏症が先天性アンチトロンビンIIIヘテロ接合体欠損症又は後天性アンチトロンビンIII欠乏症である請求項1に記載の医薬。アンチトロンビンIII欠乏に起因する疾患が血栓塞栓症、汎発性血管内凝固症候群(DIC)、肝疾患、又はネフローゼ症候群である請求項1に記載の医薬。ニンニク加工物がニンニク抽出物である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の医薬。ニンニク加工物が乾燥形態のニンニク粉末である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の医薬。 【課題】アンチトロンビンIII欠乏症の予防及び/又は治療に有効な医薬を提供する。【解決手段】先天性アンチトロンビンIIIヘテロ接合体欠損症などのアンチトロンビンIII欠乏症又はアンチトロンビンIII欠乏に起因する汎発性血管内凝固症候群などの予防及び/又は治療のための医薬であって、ニンニク加工物、例えば乾燥形態のニンニク粉末を有効成分として含む医薬。