タイトル: | 公開特許公報(A)_ジテルペンフォルスコリン及びその誘導体で男性ホルモン及び女性ホルモンを生理学的に増大するための組成物 |
出願番号: | 2006060189 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61K 31/352,C07D 311/92,A61P 5/24,A61K 36/53 |
ヴラディミール バドマエフ ムハンメド マジード JP 2007210988 公開特許公報(A) 20070823 2006060189 20060207 ジテルペンフォルスコリン及びその誘導体で男性ホルモン及び女性ホルモンを生理学的に増大するための組成物 サビンサ コーポレーション 501394413 熊倉 禎男 100082005 小川 信夫 100084009 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 平山 孝二 100114007 ヴラディミール バドマエフ ムハンメド マジード A61K 31/352 20060101AFI20070727BHJP C07D 311/92 20060101ALI20070727BHJP A61P 5/24 20060101ALI20070727BHJP A61K 36/53 20060101ALI20070727BHJP JPA61K31/352C07D311/92A61P5/24A61K35/78 Q 10 OL 37 特許法第30条第1項適用申請有り 1. 2005年8月29日 ナーソ、ジ オベシティ ソサイエティ(NAASO,The Obesity Society)発行の雑誌 「Obesity Research」第13巻第1335〜1343頁 4C062 4C086 4C088 4C062HH55 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA08 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZC04 4C086ZC10 4C086ZC11 4C088AB38 4C088AC11 4C088BA09 4C088BA10 4C088CA06 4C088CA08 4C088CA10 4C088CA19 4C088NA14 4C088ZC03 殆どの体重損失医薬組成物及び栄養助剤は食物についての個体の食欲を低下し、個体における食物吸収の量を低減し、生体内の脂肪酸合成の速度を遅くし、又は脂肪酸の異化作用の速度を増大することにより個体中の体脂肪の量を低減するように設計される。以下は体重損失製品及びそれらのメカニズムの幾つかの例である。デクスフェンフルラミンは食欲を押えるセロトニン、神経伝達物質及び神経ホルモンの脳レベルを増大する。また、シブトラミンはセロトニンだけでなく、ノルアドレナリンのレベルを増大し、食欲を押えるように作用する。神経ペプチドYインヒビターは食欲を抑制するだけでなく、生体を刺激して一層多くの糖及び一層少ない脂肪を燃焼させる。ブロメリプチンは神経伝達物質ドーパミンを模倣し、血糖及び肝臓による脂肪生成を低下し得る。脂肪細胞により生成されるホルモンである、レプチンは、視床下部に影響する。ホルモン及び神経伝達物質である、コレシストキニンは、食欲を低下するように作用する。ブタビンジドはコレシストキニンを失活する酵素をブロックする。オルリスタットは膵臓リパーゼに干渉し、これが食事脂肪の不十分な吸収をもたらす。インスリノトロピンは胃の空化を遅延することにより肥満を予防するグルカゴン様ホルモンである。Bta-243は脂肪細胞のベータ-アドレナリン作用性受容体を刺激して、脂肪酸の燃焼の増大をもたらす。トログリタゾンは筋肉細胞にシグナルを送って、糖ではなく脂肪をエネルギーに利用させる合成ホルモンである。サイトカインレギュレーターはホルモン様サイトカインの活性を変化し、細胞間の連絡を変化して、体重損失をもたらす。ヒドロキシクエン酸は酵素シトレートリアーゼのインヒビターとして作用し、続いてそれは脂肪酸の合成を遅くし、脂肪酸が燃焼される速度を増大する。 米国の男性における体脂肪の平均の量は22〜25%であり、また米国の女性では、脂肪の平均の量は33〜35%である。これらの値は最適値(これらは20-29才の男性について15〜19%であり、また20-29才の女性について19〜23%である)よりもはるかに上である。40-49才についての相当する値は夫々、17〜21%及び21〜25%であり、また60才について、相当する値は夫々、19〜23%及び23〜27%である。高度に超過体重の個体では、脂肪組織が体重の70%までを構成し得る。 生体組成の残りの%は脂肪なし体重に相当する。脂肪なし体重は生体中の筋肉、生体器官、骨、結合組織及びその他の非脂肪組織、並びに生体水の殆どを含む。生体の代謝速度は脂肪なし体重の量に直接比例する。それ故、脂肪なし体重を考慮することが体重損失戦略に重要である。 上記重量コントロール手段は重量損失のプロセスで脂肪なし体重を維持又は増大することの重要性を考慮しない。実際に、体脂肪を減少するための養生法が脂肪なし体重の異化消耗にしばしば寄与する。増大された脂肪なし体重は生体代謝を調節し、体重を失うことを助けるだけでなく、達成された重量低減を維持する。一方で、減少された脂肪なし体重は生体代謝を遅くし、適当な、健康な体重を維持することの困難をもたらす。こうして、理想的な体重管理アプローチは脂肪の最適比率を脂肪なし体重に回復することにより体重を許容レベルに低下することであるべきである。脂肪なし体重を維持又は増大すると同時に体脂肪を減少することにより、重量損失養生法が個体の総合の健康を改善するという一般目的に利用できるであろう。 脂肪なし体重(例えば、骨格筋)の維持又は増大は重量損失戦略に重要な考慮の一つである。何とならば、脂肪なし体重は代謝の速度及び食物に対する生体の発熱応答を決定し、食物誘導熱発生及び代謝速度が、順に、体脂肪の異化作用の増大により体重をコントロールするからである。これは熱発生が体脂肪の貯蔵及び食物に由来する脂肪酸により優先的に支持されるからである。加えて、高速の熱発生は一層多くの食物が吸収されること及び脂肪組織ではなく、脂肪なし体重の優先的な蓄積に寄与する。 脂肪なし体重維持及び生体組成減少の防止の重要な成分の一つは内在性テストステロン、エストロゲン及びヒト成長ホルモンの充分な供給を有することである。テストステロン及びエストロゲンはソマトトロフ軸(somatotroph axis)中の幾つかのホルモンの反応の最終生成物である。例えば、テストステロンについてのソマトトロフ軸は視床下部により分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)で開始し、下垂体前葉による黄体形成ホルモン(LH)及び卵胞刺激ホルモン(FSH)の拍動分泌をコントロールする。黄体形成ホルモンは睾丸のライディヒ細胞によるテストステロンの生成及び分泌を調節し、FSHは精子生成を刺激する。 老化はソマトトロフ軸の減少、エストロゲン及びテストステロンの生成の減少、ホルモンの有害な形態、例えば、ジヒドロテストステロン(DHT)の増大−通常の老化の異化後遺症の多くを生じると考えられていたイベントと関連している。例えば、年齢による骨質量の損失(骨多孔症)が脂肪なし体重の損失の例であり、老人個体における生体組成の劣化をもたらす。GH(IGF-1、HGHに例示されるが、これらに限定されない、成長ホルモン)分泌の減少は代謝、骨、筋肉、心血管系、中枢神経系、免疫系及び幸福感の年齢に関係する変化を部分的に説明し得る。老化と成長ホルモン欠乏の間の臨床上の類似性のために、老人被験者の相対的GH不足がそれらのもろさに寄与する一つの重要な因子と仮定されていた。 生体組成における有害な変化の別の例は生殖腺の低機能にある。性機能低下及び低レベルの血清テストステロンを有する男性は生体組成の負の変化、例えば、減少された筋肉質量、増大された比率の体脂肪、及び体脂肪分布の変化を有する。性機能低下とは独立に、減少された脂肪なし体重、増大された体脂肪及び全体重がホルモンの不均衡及び低レベルの血清テストステロンに寄与する。加えて、テストステロン及びエストロゲンの血清レベルが、特に超過重量及び肥満の個体における、血清コルチゾルのレベルと負の相関関係がある。 本発明はミント科(Fam. Lamiaceae)の一員であるコレウス・フォルスコリ(Coleus forskohlii)、Briq.(Syn. C. バルバツス(barbatus) Benth., プレクトランサス・バルバツス(Plectranthus barbatus), Andr.、またP. フォルスコリ及びWilld., P. コモサス・ウィレムス(comosus Willemse.))の根から得られたジテルペンフォルスコリン及びその天然誘導体イソフォルスコリン及び7-デアセチルフォルスコリンを含む。フォルスコリンは坑高血圧活性、正の変力作用を有し、また血小板凝集を抑制すると報告されていた(de Souzaら, 1983; Ammon及びMuller, 1985)。フォルスコリンの作用のメカニズムは環状アデノシンモノホスフェート(cAMP)(これは幾つかの生物学的応答を媒介する)の細胞内レベルを増大する、アデニレートシクラーゼに対するその刺激作用に関係していると考えられている(de Souzaら, 1983; Ammon及びMuller, 1985; Dohadwalla, 1985; Seamon, 1985)。フォルスコリンの種々の作用に関する多くの薬理学的研究が局所、静脈内(i.v.)、動脈内、腹腔内(i.p.)、気管内(i.t.)、及び吸入の治療後に実験動物及びヒトで行なわれていた。cAMPの生理学的作用(これらはまたフォルスコリンにより実証されていた)として、血小板凝集の抑制、in vitroの増大された脂肪細胞リポリーシス、心臓筋肉に対する正の変力作用、膵臓によるインスリン分泌の強化、甲状腺ホルモンの増大された分泌、副腎による増大されたステロイド生成、下垂体による増大された副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)放出、及び局所適用における低下された眼内圧力が挙げられる(Dubeyら, 1981; Caprioli及びSears, 1983; Malaisse及びMalaisse-Lagae, 1984; Ammon及びMuller, 1985; Dohadwalla, 1985; Potterら, 1985)。老化したラットライディヒ細胞の分泌能はフォルスコリン刺激により、また刺激によらずに若いラットライディヒ細胞のそれよりも低いと判明された(Dengら, 2005)。フォルスコリンはまた重大な副作用を生じないでモルモット(10分間で体重1kg当り1mLの用量そして30μgのi.t.投与)及び喘息患者(乾燥粉末として、フォルスコリン1〜10mgの吸入)で気管支拡張を誘発すると報告されていた(Licheyら, 1984; Kreutnerら, 1985; Bauerら, 1993)。イソフォルスコリン及びフォルスコリンの両方がウサギで眼の高血圧に対して抑制作用を有する(Liら, 2000)。1-アセチル-7-デアセチルフォルスコリン フォルスコリンは培養されたヒト内皮細胞中でアデニリルシクラーゼを活性化し、一方、1-アセチル-7-デアセチルフォルスコリンは活性化しなかった(Sasakiら, 1995)。7-デアセチルフォルスコリンは強力な心臓作用のジテルペノイドフォルスコリンの水溶性誘導体を提供するために調製された(Khandelwalら, 1988)。イソフォルスコリン又は7-デアセチルフォルスコリンではなく、フォルスコリンがまた超過体重及び肥満のヒト被験者で脂肪なし体重を増大することが示されていた(Majeed、Badmaev、Rajendranの米国特許(1998年))。 本発明は最初に超過体重及び肥満の若い男性へのフォルスコリンの経口投与が血清テストステロンのレベルを増大することを実証する。 本発明はフォルスコリン、イソフォルスコリン又は7-デアセチルフォルスコリンを含む、テストステロン、エストロゲン又はHGHの血清レベルを生理学的に増大するための組成物に関する。また、本発明はコレウス・フォルスコリ又は関連種から抽出されたフォルスコリン、イソフォルスコリン又は7-デアセチルフォルスコリンをヒトに投与してテストステロン、エストロゲン、HGHの血清レベルを生理学的に増大することを特徴とする方法に関する。 更に、本発明はホルモン不足を有するもの又は超過体重及び肥満である恐れの高いものの中で、老化のプロセスに予想される生体組成劣化の阻止における血清テストステロン、エストロゲン及びHGHを増大する安全な、生理学的方法に関する。精神的及び肉体的スタミナを改善する方法が開示される。少なくとも一種の生理学上許される担体又は賦形剤と組み合わせて約1%から約95%未満までのフォルスコリン及び/又はその誘導体を含む、本発明に適した組成物がまた開示される。 コレウス・フォルスコリ植物からのフォルスコリン及びその誘導体の調製方法だけでなく、その方法により調製されたフォルスコリン及びその誘導体の組成物が更に開示される。 コレウス・フォルスコリ又は関連種から抽出されたフォルスコリン、イソフォルスコリン又は7-デアセチルフォルスコリンが使用されることが好ましい。 その組成物は約10mg〜約100mgの毎日の用量で投与される形態であることが好ましい。更に、組成物は約1%〜約100%のフォルスコリンを含むことが好ましい。好ましい量は約5%〜約20%、更に好ましくは約8%〜約15%、最も好ましくは約10%のフォルスコリンである。 本発明の組成物は必要な被験者の生体組成劣化の阻止、並びに精神的及び肉体的スタミナの改善に使用し得る。 本発明の更に別の主題は(a) 超臨界抽出方法でコレウス・フォルスコリ植物のフォルスコリン、イソフォルスコリン及び7-ジアセトフォルスコリン抽出物を得、(b) 水及び有機溶媒でコレウス・フォルスコリ植物から抽出されたイソフォルスコリン及び7-ジアセトフォルスコリンを得、(c) 工程(a)及び/又は(b)で得られた量のフォルスコリンを少なくとも一種の生理学上許される担体又は賦形剤と合わせて前もって決められたフォルスコリン含量を有するフォルスコリン組成物を生成することによりフォルスコリン組成物を調製することを特徴とする、コレウス・フォルスコリ植物のフォルスコリン抽出物からのフォルスコリン組成物の調製方法である。 また、本発明は上記方法から調製された組成物だけでなく、こうして調製された組成物の使用方法を含む。 更に、本発明は乾燥コレウス根を微粉砕し、水とアルコール、C1-C4アルコール、二塩化メチレン、トルエン、又はヘキサンの混合物から選ばれた溶媒で抽出し、抽出物を濃縮し、ヘプタン、ペンタン、ヘキサンから選ばれた無極性溶媒で沈殿させ、濾過し、水とアルコールの混合物で逆抽出し、アルコール中で結晶化することからなるイソフォルスコリンの商業的製造方法を開示する。 更に、本発明は乾燥コレウス根を微粉砕し、根粉末を45℃〜55℃の温度及び300バールの圧力で超臨界二酸化炭素及び補助溶媒エタノールで抽出し、エタノール中で結晶化することからなるイソフォルスコリンの商業的製造方法を開示する。 更に、本発明は乾燥コレウス根を微粉砕し、根粉末を45℃〜55℃の温度及び300バールの圧力で超臨界二酸化炭素及び補助溶媒エタノールで抽出し、リパーゼ酵素で加水分解し、エタノール中で結晶化することからなる7-デアセチルフォルスコリンの商業的製造方法を開示する。 更に、本発明は精油を除去するための乾燥コレウス根の商業的超臨界又は亜臨界抽出方法を開示する。 更に、本発明は超臨界ガス中に存在する種々の量のエタノールを含む超臨界二酸化炭素による商業的方法を開示する。その圧力は臨界温度以下で110バールから400バールまでの範囲であった。エタノールは溶媒改良剤として使用された。エタノール量が0.01モル%から10モル%まで変化された広範囲の組成物が使用された。実施例1.男性におけるフォルスコリン消費と関連するホルモン適合 本発明のランダム化、二重盲検臨床研究は30人の超過体重及び肥満の若い男性(フォルスコリン、n=15;偽薬、n=15)で12週にわたって10%のフォルスコリンビッド(セレウス・フォルスコリ根の標準化抽出物)250mgの経口摂取を調べた。超過体重及び肥満(BMI>26kg/m(2))の男性における生体組成、テストステロン、代謝速度、及び血圧に関するフォルスコリンの作用。フォルスコリンは偽薬グループと較べてDXAにより測定して体脂肪%(BF%)及び脂肪質量(FM)を有意に減少することにより生体組成の有利な変化を誘発すると示された(p<0.05)。更に、フォルスコリン投与は偽薬と較べて12週の試験について骨質量の有意な増大をもたらした(p<0.05)。偽薬と較べてフォルスコリングループにおける脂肪なし体重に有意な増大の傾向があった(p=0.097)。血清遊離テストステロンレベルは偽薬グループと較べてフォルスコリングループで有意に増大された(p<0.05)。表1及び表2を参照のこと。 生体組成及びフォルスコリン消費、Godard、Johnon、及びRichmond 前後の測定からの実際の変化及び変化%がまた含まれる。全ての値は平均-SDとして表される。 時間にわたるグループ間の有意差*及びグループ内の有意差†(p<0.05) 生体組成及びフォルスコリン消費、Godard、Johnon、及びRichmond 前後の測定からの実際の変化及び変化%がまた含まれる。全ての値は平均-SDとして表される。 *グループ間の有意差(p<0.05)参考例1.超過体重の女性におけるフォルスコリンの経口投与の臨床効果 二重盲検かつランダム化された様式で、23人の女性に12週にわたって1日当り2回でフォルスコリン(10%のコレウス・フォルスコリ抽出物250mg、n=7)又は偽薬(n=12)とともに彼女らの食事を補充した。生体組成(DEXA)、体重、及び心理測定器具を補充の0週、4週、8週及び12週に得た。有意差がカロリー摂取又はマクロ栄養摂取で観察されなかった。フォルスコリンは体重の獲得(-0.7±1.8、1.0±2.5kg、p=0.10)及びスキャンされた質量の獲得(-0.2±1.3、1.7±2.9kg、p=0.08)を軽減する傾向があった。フォルスコリングループ中の被験者は少ない疲れ(p=0.07)、空腹(p=0.02)、及び満腹(p=0.04)を報告する傾向があった。これらの結果はフォルスコリンが明らかに臨床上の重大な副作用なしに超過体重の女性の体重獲得を軽減することを助け得ることを示唆する。参考例2.肥満の動物モデルに関するイソフォルスコリン、7-デアセチルフォルスコリン及びフォルスコリン抽出物、並びにその組成物の比較効果 その研究を12の動物のグループに分けられた合計84匹の動物について、25-30週の年齢のスイス・アルビノマウス(ハフキン協会、ムンバイ、インド)で行なった。治療中のマウスに炭水化物及び脂肪に富む食事を与えた。食事は対照に対し信頼できる重量獲得を生じた。対照と治療マウスの体重の差が10gを超えた場合にのみ、薬物治療を開始した。夫々のグループ中のマウスに、1日2回の、胃挿管により、6週の期間にわたってイソフォルスコリン抽出物、10%の7-デアセチルフォルスコリン抽出物及びフォルスコリン抽出物(1mg/ml)の毎日の一定用量を与えた。6週の終了時に、体重測定及びフラブ(flab)測定を行なった後に、グループ当り6匹のマウスを眠らせた。血液を心臓穿刺により抜き取り、直ちに遠心分離して血漿を分離し、コレステロールレベル、トリグリセリドレベル、グルコースレベル、チロキシンT3、T4及びTSHレベルについて分析した。 腹部の脂肪及び甲状腺を組織病理学のために固定した。脂肪組織の別々のサンプルを集め、合計脂質含量について分析した。夫々のグループからの残りのマウスを治療の最初の6週中に与えられたのと同じ食事で続けた。このグループを更に6週にわたってこの様式で管理し、その終了時に非観血的パラメーター、例えば、体重及びフラブをもう一度評価した。結果:対照及び治療マウスの両方が6週の治療期間中の胃挿管の操作に耐えた。抽出物10%のイソフォルスコリン、10%の7-デアセトフォルスコリン及び10%のフォルスコリンがマウスの集団により良く寛容された。6週の終了時に、ランダムに選ばれた、夫々のグループからのマウスを眠らせ、切開して(a)組織病理学のための脂肪組織及び甲状腺を切除し、(b)一般解剖を調べ、器官、例えば、腸、心臓、肺、肝臓、膵臓、腎臓、生殖器等の何らかの変化を記録した。動物のいずれもが異常な解剖学的特徴を示さないことが観察された。 腹部の脂肪は異なるグループで興味のある特徴を示す。例えば、偽薬又は薬物治療中の対照グループのマウスは脂肪組織の両側の小葉中に腹部脂肪分布の良好な量を示した。肥満の偽薬グループからの動物はかなり多量の腹部脂肪を有し、両側の脂肪組織小葉が腹腔の1/3以上に延びていた。一方で、10%のイソフォルスコリン、10%の7-デアセチルフォルスコリン及び10%のフォルスコリンで治療された肥満グループの動物は実際に腹部脂肪を排出し、これは10%のフォルスコリン及び10%のイソフォルスコリンのグループで一層顕著であった。動物のこれらのグループでは、腹膜脂肪だけでなく、子宮と密接に関連する脂肪付着のかなりの損失があった。腎臓及び卵巣に近い脂肪組織が適切であることが明らかであったが、偽薬治療中の肥満グループと較べて少なかった。表3 実験マウスの体重の毎週の記録における治療の効果**分散の一方分析(ANOVA)による重量の有意な減少抽出物1:10%のフォルスコリンを含む抽出物2:10%の7-デアセトフォルスコリンを含む抽出物3:10%のイソフォルスコリンを含む 上記表に見られるように、全ての治療グループで合計体重の有意な減少があり、変化%はフォルスコリングループで最大である。表4 実験マウスの腹部フラブの毎週の記録における治療の効果**は分散の一方分析(ANOVA)における統計上の有意を示す抽出物1:10%のフォルスコリンを含む抽出物2:10%の7-デアセトフォルスコリンを含む抽出物3:10%のイソフォルスコリンを含む 上記表に見られるように、全ての治療グループで腹部フラブの有意な減少があり、変化%はフォルスコリングループで最大である。表5 6週の治療後の実験マウスの脂肪組織及び脂肪含量における治療の効果抽出物1:10%のフォルスコリンを含む抽出物2:10%の7-デアセトフォルスコリンを含む抽出物3:10%のイソフォルスコリンを含む参考例3.本発明のフォルスコリン(コレウス・フォルスコリ根の標準化10%抽出物)のin vitroの予備臨床及び臨床上の毒物学的研究急性毒性研究 急性毒性研究において、雄及び雌のウィスターラットに体重1kg当り2,000mgのフォルスコリンの単一経口用量を与えた(Graver, 2000)。死亡が生じなかった。しかしながら、下痢、肛門性器の領域の汚れ、並びに口及び肛門性器領域の湿潤が報告された。組織病理学的病変が検死後に観察されなかった。LD50は体重1kg当り>2,000mgであると報告された。de Sousaら(1983)による先の研究はフォルスコリンの急性LD50が夫々マウス及びラットで経口投与により3,100mg/kg及び2,550mg/kg、また腹腔内投与された場合には105mg/kg及び92mg/kgであると示した。ラットにおける亜慢性毒性研究 5匹のSDラット/性別のグループに28日の期間にわたって強制飼養により1日当り体重1kg当り0、100、300、又は1,000mgのC.フォルスコリ10%抽出物の用量を投与した(Bhide, 2004)。ラットの二つの追加のグループ(5匹/性別/グループ)に28日にわたって1日当り体重1kg当り0又は1,000mgの用量で抽出物を投与し、その後に14日の回復期間にわたって観察して可能な効果の可逆性を評価した。臨床上の徴候及び死亡率の毎日の観察、並びに体重及び食物消費の毎週の測定を行なった。眼の検査を投薬期間の開始時及び終了時並びに回復期間の終了時に行なった。血液学的パラメーター、生化学的パラメーター、及び尿パラメーターを投薬期間及び回復期間の終了時に評価した。全ての動物を検死にかけ、器官の組織病理学的試験を行なった。毒物学的作用がいずれの用量でも測定パラメーターのいずれにも観察されなかった。C.フォルスコリの10%抽出物の非観察作用レベル(NOEL)は試験した最高の用量である、1日当り体重1kg当り1,000mgであると考えられた。このNOELは意図されるヒト用量(1日当り体重1kg当り約8.3mg)の適切な高い倍量(120倍)に相当する。突然変異誘発性研究 本発明は5,000μg/プレートまでの用量で、代謝活性化の存在下及び不在下の両方で、サルモネラ・ティフィムリウム株TA98、TA100、TA1535、及びTA1537、並びにエシェリキア・コリ株WP2 uvrAを使用する独立の反復アッセイとともに細菌逆突然変異アッセイで突然変異誘発性ではないと報告された(Wagner及びKlug, 2001)。臨床研究 重量損失に関する本発明の効力を調べる幾つかの臨床研究が行なわれ、表1に要約される。安全性に関するパラメーターがまた監視されたことを注目することが重要であるが、効力がこれらの試験の主目的であった。臨床上重大な相互作用が代謝マーカー、血液脂質、筋肉及び肝臓の酵素、電解質、赤血球、白血球、ホルモン(インスリン、TSH、T3、及びT4)、心拍数、血圧、又は副作用の毎週の報告に見られなかった。a 甲状腺刺激ホルモンb トリヨードチロニンc チロキシンd 高密度リポタンパク質e 血清グルタミン酸-オキサロ酢酸トランスアミナーゼf 血清グルタミン酸-ピルビン酸トランスアミナーゼg 低密度リポタンパク質調製実施例1:イソフォルスコリンの商業的製造方法 本発明はまたコレウス・フォルスコリ植物のフォルスコリン抽出物からのイソフォルスコリン組成物の調製方法を含む。その方法はその植物の微粉砕された根を水、C1-C4アルコール、MDCのような塩素化溶媒、トルエンもしくはヘキサンから選ばれた溶媒で抽出することを伴い、又は溶媒は水とアルコールの混合物であり、その中で好ましい抽出媒体はトルエンである。濃縮されたトルエン抽出物を型ヘプタン、ペンタン、ヘキサンの一層無極性の溶媒で沈殿させ、濾過し、濾液を10:90〜90:10の比の水性アルコールの混合物で逆抽出して所望の分子イソフォルスコリンを得、更にそれをアルコールで結晶化して所望の純度を得る。調製実施例2:7-デアセチルフォルスコリンの商業的製造方法 上記実施例からの全抽出物を溶媒媒体(アルコール、トルエン又はヘキサンを含むが、これらに限定されない)に溶解し、12時間にわたって撹拌下で37℃で0.1-10%、好ましくは1-5%の濃度の固定酵素リパーゼで処理する。反応が一旦完結すると、その物質を10:90〜90:10の比の水性アルコールの混合物で逆抽出して所望の分子7-デアセチルフォルスコリンを得、更にそれをアルコールで結晶化して所望の純度を得る。調製実施例3:二酸化炭素抽出によるイソフォルスコリン及び7-デアセチルフォルスコリンの商業的製造方法 エタノール、アセトン又は酢酸エチルの如きエントレイナーを用いて、又は用いずに二酸化炭素を使用する超臨界流体抽出がイソフォルスコリン及び7-デアセチルフォルスコリンをコレウス植物の根から抽出することが記載される。抽出物を25℃から120℃まで、好ましくは45℃-55℃の範囲の温度で得、補助溶媒、好ましくは5%〜80%のエタノール、更に好ましくは30-100%のエタノールを使用し、又は使用しないで、抽出流体圧力を1-5時間、好ましくは3時間にわたって1-4kg/時間、好ましくは2kg/時間の二酸化炭素流量で100〜300バール、好ましくは300バールに維持した。得られた抽出物を液体媒体中でリパーゼ酵素で加水分解し、エタノールから結晶化して所望の純度の7-デアセチルフォルスコリンを得る。調製実施例4:二酸化炭素抽出によるフォルスコリン、イソフォルスコリン、7-デアセチルフォルスコリン、1-デオキシフォルスコリン、9-デオキシフォルスコリン及び1,9-ジデオキシフォルスコリンの商業的製造方法 コレウス・フォルスコリの根及び茎はフォルスコリン、イソフォルスコリン及び7-デアセチルフォルスコリンの豊富な源である。加えて、1-デオキシフォルスコリン、9-デオキシフォルスコリン及び1,9-ジデオキシフォルスコリンの如き少量成分がまた油とともに存在する。 超臨界方法は極性に依存するこれらの成分の差別的抽出に基づいている。二酸化炭素の極性は抽出方法で幾つかの重要なパラメーターを変えることにより変化し得る。二酸化炭素は73.8バールの臨界圧力及び31.06℃の臨界温度を有する。これが実験パラメーターの選択において可能な広い変化を可能にする。第一のパラメーターは圧力である。抽出ガスの圧力の変化が抽出溶媒の性質を変える。第二のパラメーターは温度範囲である。超臨界二酸化炭素の極性を変える際の第三の重要な変数は補助溶媒の添加である。幾つかの補助溶媒が可能であり、本作業で使用された。溶媒改良剤は約0.01モル%から10.0モル%までを構成し、MeOH、EtOH、PrOH、イソ-PrOH、BuOH、ベンジルアルコール、アセトン、アセトフェノン、N-メチル-2-ピロリドン、メチルエチルケトン、DMSO、DMF、エチレングリコール、及びアセトニトリルの如き溶媒を含んでいた。エタノールの使用が本作業において特に採用され、好ましい。また、ガスの流量だけでなく、植物物質の粒子サイズが抽出効率に影響する。補助溶媒が超臨界二酸化炭素の抽出能に最大の効果を有する。 植物の根又は茎の部分を水で良くきれいにし、次いで日光又は密閉オーブン中で乾燥させることにより水分を含まずに良く乾燥させた。 実際の方法では、植物の乾燥部分を最初に超臨界又は亜臨界二酸化炭素で抽出してその中に存在する油を除去する。得られる植物部分は非常に粉末状の外観であった。超臨界ガス中に存在するエタノールの量を変えて、これを超臨界二酸化炭素で再度抽出する。圧力は臨界温度以下で110バールから400バールまでの範囲であった。エタノールを溶媒改良剤として使用した。エタノールの量が0.01モル%から10モル%まで変化された広範囲の組成を使用した。 上記方法により調製されたフォルスコリン、イソフォルスコリン、7-デアセチルフォルスコリン、1-デオキシフォルスコリン、9-デオキシフォルスコリン及び1,9-ジデオキシフォルスコリン組成物は安定である。組成物を通常の周囲の貯蔵条件だけでなく、促進貯蔵条件に暴露することにより、組成物の安定性を測定した。この研究中、その品質を安定性指示パラメーターについて試験した。その研究につき、抽出物はそれが通常の周囲の貯蔵条件下で貯蔵される場合に、5年以上の期間にわたって安定である。 本発明はこの方法により製造された生成物(即ち、組成物)を含む。生成物は通常約1%から約40%までのフォルスコリンを含み得るが、100%までの純粋なフォルスコリンが可能である。好ましい量は約5%から約20%まで、更に好ましくは約8%から約15%まで、最も好ましくは約10%のフォルスコリンである。 本明細書に開示された本発明の妥当な改良は良く当業者の範囲内にあり、また本発明の範囲内にあることが意図されている。本発明の範囲は本明細書に示された特別の例により限定されないことが意図されているが、むしろ特許請求の範囲に従って解されるべきである。 フォルスコリン、イソフォルスコリン又は7-デアセチルフォルスコリンを含むことを特徴とする、テストステロン、エストロゲン又はHGHの血清レベルを生理学的に増大するための組成物。 テストステロン、エストロゲン又はHGHの標的組織レベルを生理学的に増大するのに使用される、請求項1記載の組成物。 1-デオキシフォルスコリン、9-デオキシフォルスコリン及び1,9-ジデオキシフォルスコリンを含む、請求項1又は2記載の組成物。 乾燥コレウス根を微粉砕し、水とアルコール、C1-C4アルコール、二塩化メチレン、トルエン、又はヘキサンの混合物から選ばれた溶媒で抽出し、抽出物を濃縮し、ヘプタン、ペンタン、ヘキサンから選ばれた無極性溶媒で沈殿させ、濾過し、水とアルコールの混合物で逆抽出し、アルコール中で結晶化することからなるイソフォルスコリンの商業的製造方法。 乾燥コレウス根を微粉砕し、根粉末を45℃〜55℃の温度及び300バールの圧力で超臨界二酸化炭素及び補助溶媒エタノールで抽出し、エタノール中で結晶化することからなるイソフォルスコリンの商業的製造方法。 乾燥コレウス根を微粉砕し、根粉末を45℃〜55℃の温度及び300バールの圧力で超臨界二酸化炭素及び補助溶媒エタノールで抽出し、リパーゼ酵素で加水分解し、エタノール中で結晶化することからなる7-デアセチルフォルスコリンの商業的製造方法。 精油を除去するための乾燥コレウス根の商業的超臨界又は亜臨界抽出方法。 臨界温度以下で110バールから400バールまでの範囲の圧力下で超臨界ガス中に存在する種々の量のエタノールを含む超臨界二酸化炭素による商業的方法。 組成物が約10mg〜約100mgの毎日の用量で投与される形態である、請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。 約1%〜約100%のフォルスコリンを含む、請求項1から3のいずれか1項記載の組成物。 【課題】テストステロン、エストロゲン又はHGHの血清レベルを生理学的に増大できる組成物を提供すること。【解決手段】有効量のフォルスコリン及び/又はその誘導体を含む、男性ホルモン及び女性ホルモン、例えば、テストステロン、エストロゲン及びHGHを生理学的に増大するための組成物が開示される。少なくとも一種の生理学上許される担体又は賦形剤と組み合わせて約1%から100%までのフォルスコリン及び/又はその誘導体を含む、本発明に適した組成物がまた開示される。コレウス・フォルスコリ植物からのフォルスコリン及びその誘導体の調製方法だけでなく、その方法により調製されたフォルスコリン及びその誘導体組成物が更に開示される。【選択図】なし