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タイトル:公開特許公報(A)_塩化アルキルの製法
出願番号:2006042900
年次:2006
IPC分類:C07C 17/16,C07C 19/01,B01J 31/02,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

クレメンス オスターホルト マンフレート ノイマン トーマス キューベルベック ケルスティン ボートマン JP 2006232830 公開特許公報(A) 20060907 2006042900 20060220 塩化アルキルの製法 デグサ アクチエンゲゼルシャフト 501073862 Degussa AG 矢野 敏雄 100061815 山崎 利臣 100094798 久野 琢也 100099483 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 ラインハルト・アインゼル 230100044 クレメンス オスターホルト マンフレート ノイマン トーマス キューベルベック ケルスティン ボートマン DE 102005008547.4 20050223 C07C 17/16 20060101AFI20060811BHJP C07C 19/01 20060101ALI20060811BHJP B01J 31/02 20060101ALI20060811BHJP C07B 61/00 20060101ALN20060811BHJP JPC07C17/16C07C19/01B01J31/02 102ZC07B61/00 300 14 OL 13 4G169 4H006 4H039 4G169AA02 4G169AA08 4G169BA21A 4G169BA21B 4G169BD12A 4G169BD12B 4G169BE14A 4G169BE14B 4G169BE33A 4G169BE33B 4G169BE38A 4G169BE38B 4G169CB25 4G169CB62 4G169CB68 4G169FA01 4H006AA02 4H006AC30 4H006AD18 4H006BA51 4H006BC10 4H006BC13 4H006BD80 4H006BE01 4H039CA52 4H039CD30 本発明は、触媒の存在において、相応するアルコールをガス状塩化水素と反応させることにより塩化アルキルを製造する方法に関する。 相応するアルコールから塩化水素との反応により非環式クロロ炭化水素を製造する方法は、有機化学の一般的な慣用の方法に属し、すでにGrignardおよびBaudによる“Traite de Chimie organique”(Paris 1935,Band III,p249)に記載されている。 公知技術水準において、この反応は触媒の使用下に実施される。ルイス酸、特に鉄、アルミニウム、ヒ素、アンチモン、スズまたは亜鉛の塩化物の形のルイス酸の他に、アミンハロゲン化水素、特に臭化水素酸アミン、および塩酸アミンも使用する。これらのアミンは、例えば、直鎖または分枝鎖の非環式または環式炭化水素を有する第1、第2または第3アミンであるか、または芳香族基を有するアミンである。特にヘテロ芳香族アミン、例えばアルキルピリジンであってよい。 EP0789013、DE10158376およびDE10247497は、アルコールと塩化水素とを触媒、例えばアルキルピリジン塩酸塩水溶液の存在下に反応させることにより、塩化アルキルを連続的に製造する方法を記載している。 特開昭53−015303号公報に関するDerwent−Abstractは、触媒としての第4アンモニウム化合物の存在下に、少なくとも炭素原子4個を有するアルコールとハロゲン化水素の水溶液との反応によりハロゲン化アルキルを製造する方法を記載している。特開昭53−015303号公報に関するケミカル・アブストラクトは触媒であるステアリルピリジニウムブロミドの製造を例として記載しており、その際、臭化ステアリル1モルとピリジン1モルとを温度80〜100℃で5時間撹拌している。塩化ラウリルの製造のためには、ラウリルアルコールと濃塩酸とからなる混合物を高めた温度で24時間加熱している。 Synthesis 11(1988)、868−871でJursicは第一アルコールと塩酸水溶液とをミセル(相間仲介剤として)、例えばヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドおよびヘキサデシルピリジニウムブロミド(セチルピリジニウムブロミド)の存在で反応させることを記載している。生じた塩化アルキルの単離は、費用のかかる石油エーテルでの抽出、シリカゲルを介しての濾過、および引き続く真空下での蒸留により行われる。その際、例として記載されている塩化オクチルは、単に純度96%で得られる。EP0789013DE10158376DE10247497特開昭53−015303号公報GrignardおよびBaud著“Traite de Chimie organique”(Paris 1935,Band III,p249)Synthesis 11(1988)、868−871、Jursic 本発明の課題は、短い反応時間、高い空時収率、並びに使用したアルコールに対して高い変換率により優れている、塩化アルキルの最適な技術的製法を提供することであった。特に、本発明の課題は、後処理および精製並びに使用した触媒の貯蔵を従来の水準の方法に比べて簡単にすることである。 意外にも、構造Iの化合物を有する触媒を使用する際に、アルコールおよびジオールとガス状塩化水素との反応は、塩酸ピリジニウムを触媒として使用する従来技術に対して、明らかに短い反応時間で、使用したアルコールに対して高い変換率が達せられる。このようにして、高い空時収率で塩化アルキルを連続的に製造する方法を達成することができた。本発明による方法は、この塩化アルキルの製造を慣用の工業用装置で実施することができるという利点を有する。触媒としてアルキルピリジン塩酸塩を使用する公知技術水準による方法に対して、本発明方法は使用する触媒の融点が明らかに低いので、技術水準においては必要である触媒の水溶液の使用および反応器以外の装置部分の加熱を回避することができるという利点を有する。本発明方法の特別な利点は、触媒と使用するアルコールとをほぼ独立して使用することができるということである。このことは、触媒の窒素原子のアルキル基が本発明による方法において十分に安定であるので、構造I中の窒素原子上のアルキル基R1はアルコールもしくは製造すべき塩化アルキルのアルキル基と一致する必要がないということを意味する。このことにより、本発明方法においては異なる塩化アルキルの製造のために1種の同じ触媒タイプを使用することができる。ガス状の塩化水素の使用により、本発明方法において生じる廃水量を、塩酸水溶液で作業する公知技術水準による方法に対して明らかに減らすことができる。更に、本発明方法は、塩素アニオンの代わりに臭素アニオンを有する構造Iの触媒を使用しないことにより、所望の塩化アルキルの他に臭化アルキルが形成される危険性がないという利点を有する。 本発明の対象は、相応するアルコールをガス状の塩化水素と触媒の存在下に反応させることにより塩化アルキルを製造する方法であって、この方法は、構造I:[式中、R1は炭素原子1〜20個を有する直鎖アルキル基を表し、R2、R3、R4は水素、炭素原子1〜20個を有するアルキル−、アルケニル−、アラルキル−またはアルキルアリール−基を表し、その際タイプR2、R3およびR4の置換基全てが同一であるか、全てが異なるか、またはタイプR2、R3およびR4の置換基の2つが同一である]の化合物を少なくとも1種有する触媒を使用することを特徴とする。 本発明方法は、炭素原子3〜20個、有利に4〜14個、特に有利に4〜8個を有する塩化アルキルを製造するために特に好適である。本発明の意味において、塩化アルキルとはモノクロロアルカンでもあり、ジクロロアルカン、特にα,ω−ジクロロアルカンでもあると理解される。本発明方法の特別な実施態様においては、ジクロロアルカン、有利に炭素原子3〜20個、特に4〜12個、および殊に4〜8個を有するジクロロアルカンが製造される。 本発明方法において使用される触媒は、少なくとも1種の構造Iの化合物を有し、この際、この化合物の融点は最高で100℃であるのが有利である。最高100℃の融点を有する構造Iの塩は、一般にイオン性液体と呼ばれる。 本発明方法において、構造II:[式中、R1は炭素原子1〜20個を有する直鎖アルキル基を表し、R2は水素、炭素原子1〜20個を有するアルキル−、アルケニル−、アラルキル−またはアルキルアリール−基を表す]の化合物を少なくとも1種有する触媒を使用するのが有利である。 アルキルアリール−基とは、本発明においてはアルキル基により置換されたアリール基、例えばH3C−CH2−C6H4−であり、かつアラルキル基とは、アリール基により置換されたアルキル基、例えばH5C6−CH2−CH2−であると理解される。 本発明による方法において、タイプR1の置換基が有利に炭素原子2〜13個、より有利には炭素原子3〜8個を有する構造IIの化合物を少なくとも1種有する触媒を使用するのが特に有利である。本発明による方法において、タイプR1の置換基としてn−ブチル−またはn−オクチル−基、特にn−ブチル基を有する構造IIの化合物を少なくとも1種有する触媒を使用するのが殊に有利である。構造IIの化合物を有する触媒は、タイプR2の置換基として有利にアルキル基、特に有利には炭素原子1〜8個、殊に有利には炭素原子4〜8個のアルキル基を有する。 本発明方法において、水素、メチル基またはエチル基から選択されるタイプR2の置換基を有する構造III:によるN−n−ブチル−アルキルピリジニウムクロリドを有する触媒を、特に使用する。 本発明方法において、水素、メチル基またはエチル基から選択される置換基R2を有する構造IV:によるN−n−オクチル−アルキルピリジニウムクロリドを有する触媒を、有利に使用する。 本発明方法の更なる実施態様において、少なくとも1種の構造V:[式中、R1は炭素原子1〜20個を有する直鎖アルキル基を表し、R2、R3、R4は水素、炭素原子1〜20個を有するアルキル−、アルケニル−、アラルキル−またはアルキルアリール−基を表し、その際タイプR2、R3およびR4の置換基全てが同一であるか、全てが異なるか、またはタイプR2、R3およびR4の置換基の2つが同一である]の化合物を少なくとも1種有する触媒を使用する。 本発明に方法において、タイプR1の置換基が有利に炭素原子2〜13個、より有利には炭素原子3〜8個を有するアルキル基を有する構造Vの化合物を少なくとも1種有する触媒を使用するのが有利である。本発明による方法において、タイプR1の置換基としてn−ブチル−またはn−オクチル−基を有する構造Vの化合物を少なくとも1種有する触媒を使用するのが特に有利である。タイプR1の置換基としてn−ブチル基を有する構造Vの化合物を少なくとも1種有する触媒が殊に有利である。構造Vの化合物は、タイプR2、R3およびR4の置換基として有利に炭素原子1〜8個、特に有利には炭素原子2〜4個のアルキル基を有する。 本発明方法の特別な実施態様においては、触媒として構造VI:[式中、R1=炭素原子1〜8個を有する直鎖アルキル基、R3=炭素原子1〜8個を有するアルキル基]の1−アルキル−3−アルキルイミダゾリウムクロリドを基礎とする化合物少なくとも1種を使用する。 タイプR1およびR3の置換基として炭素原子1〜4個のアルキル基を有する1−アルキル−3−アルキルイミダゾリウムクロリドを使用するのが有利である。タイプR1およびR3の置換基の両方のアルキル基が同一であっても、相互に異なっていてもよい。本発明方法において、触媒が少なくとも1−n−ブチル−3−メチル−イミダゾリウムクロリドを有するのが特に有利である。 本発明方法の有利な実施態様においては、アルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドおよび/またはアルキル化N−アルキルイミダゾリウムクロリドの混合物を触媒として使用するのが有利であり、この際触媒を前接続した方法工程で製造するのが有利である。本発明方法において触媒として使用する混合物はアルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドおよび/またはアルキル化N−アルキルイミダゾリウムクロリドの種々の異性体を有することにより際だっている。 本発明方法の特に有利な実施態様においては触媒として、アルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドの種々の異性体を有する混合物を使用する。触媒として使用した混合物がN−アルキル−メチルピリジニウムクロリドおよび/またはN−アルキルエチルピリジニウムクロリドの種々の異性体を有するのが特に有利である。使用した触媒が、N−アルキル−2−メチルピリジニウムクロリド、N−アルキル−3−メチルピリジニウムクロリド、N−アルキル−4−メチルピリジニウムクロリドおよび/またはN−アルキル−2−エチルピリジニウムクロリドからなる混合物を有するのが殊に有利である。触媒として使用した混合物は、モノ−アルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドの他に、窒素複素環上のタイプR2の複数の置換基を特徴とするポリアルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドを有してもよい。触媒としてはモノ−アルキル化および/またはポリアルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドの種々の異性体を有する混合物を使用するのが有利であり、その際ポリアルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドは窒素複素環上でタイプR2の複数の置換基により際だっている。本発明方法において、触媒として使用した混合物は、アルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドの他に、アルキル−および/またはジアルキルピリジン、特に2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、2,3−ジメチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、2,5−ジメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジンを有していてよい。この際、使用した触媒を前接続した方法工程で製造するのが特別である。 本発明方法において、特に、水素、メチル−またはエチル−基から選択されたタイプR2の置換基を有する構造IIIのN−n−ブチル−アルキルアルキルピリジニウムクロリドを有する触媒を使用する。特に、触媒がN−n−ブチルアルキルピリジニウムクロリドの種々の異性体からなる混合物を有するのが有利であり、この際、この混合物はポリアルキル化N−n−ブチルピリジニウムクロリドを含有していてよい。このポリアルキル化N−n−ブチルアルキルピリジニウムクロリドは窒素複素環上にタイプR2の複数の置換基により優れている。 出発物質としては、本発明による方法においてヒドロキシ基を1個または2個有するアルコールを使用することができる。有利に炭素原子3〜20個、特に有利に4〜14個および殊に有利に4〜8個を有するアルコールを使用する。使用するアルコールまたは使用するジオールは直鎖または分枝鎖であってよい。本発明方法において、ヒドロキシ基を1個有する直鎖アルコール、有利にn−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−テトラデカノール、n−オクタデカノールから選択されるヒドロキシ基を1個有する直鎖アルコールを使用するのが有利である。本発明方法の更なる実施態様においては、特にヒドロキシ基を1個有する分枝鎖アルコール、有利にイソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、2−エチルヘキサノールから選択されるヒドロキシ基を1個有する分枝鎖アルコールを使用する。その他の実施態様においては、本発明方法により、2個のヒドロキシ基を有するアルコールであるジオール、有利にはα,ω−ジヒドロキシアルカンおよび特に有利には1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび1,10−デカンジオールから選択されるジオールを使用する。 本発明方法においては、バッチ式、半連続式または連続式の方法で実施することができ、特に半連続式または連続式の方法として実施することができる。本発明による方法を連続的に、特に1つの反応器中で、特に有利にはカスケードの形で連結している複数の反応器中で実施するのが有利である。本発明による方法を少なくとも2つの反応器を有するカスケードで実施するのが特に有利である。炭素原子11〜20個を有する塩化アルキルの製造は半連続的方法として実施するのが有利である。 本発明方法において生じる反応生成物は、有利に蒸気状で載置したカラムなしにまたはカラムを介して蒸留し、かつ凝縮する。この際、反応の際に生じた水を生じた塩化アルキルと共沸蒸留するか、または直接蒸留により分離除去する。生じた相を分離し、別の後処理に供給する。下方の水相からはストリッパーカラムを介して有機成分を除去することができ、引き続きこの有機成分を新たに反応に戻すことができる。上方の有機相を有利に部分的にカラム還流として使用し、残りの部分を残りのアルコールを除去するためにアルカリ抽出し、苛性ソーダ上で乾燥することができる。この際塩化アルキルは99%を越える純度に達し、こうして蒸留を実施する必要はない。 本発明の方法において反応生成物を、側部に設置したオーバーフローを介して分離することができる。反応生成物の分離のために反応混合物の部分量を、例えば側部オーバーフローを介して取り出し、相分離のために静止容器中に導入する。下相である触媒相を分離し、反応器中に戻すことができる。上方の生成物相を塩化アルキルのそれぞれの種類により、更なる後処理、例えば洗浄および/または蒸留に供給することができる。この方法はより高い沸点の、すなわち高沸点塩化アルキル、炭素原子7〜20個を有する塩化アルキル、特に炭素原子7〜12個を有する塩化アルキルの製造の際に有利に好適である。 本発明方法の更なる実施態様においては、反応生成物を蒸気状で反応器から取り出す、特にこのことは塩酸との共沸混合物の形成により行う。引き続き、生成物を凝縮し、相分離により反応水を分離する。得られた有機相を、引き続き、熱的分離法により、特に蒸留により後処理することができる。この方法は炭素原子3〜10個を有する、特に炭素原子4〜8個を有する低沸点塩化アルキルのために特に好適である。 本発明方法のその他の実施態様においては、共沸蒸留の際に分離した目的生成物である塩化アルキルを相分離の後に反応器中に戻すが、このことを水分離装置(Wasserauskreiser)で行うのが有利である。 本発明方法を、特に温度60〜160℃で実施する。炭素原子3〜6個の塩化アルキルの製造のためには、本発明方法を有利に60〜160℃、特に有利に80〜150℃で実施し、炭素原子7〜10個の塩化アルキルの製造のためには有利に温度110〜160℃、特に有利には130〜150℃で実施する。本発明方法による炭素原子11〜20個を有する塩化アルキルの製造は、100〜170℃、特に140〜160℃の温度で実施するのが有利である。 本発明方法は大気圧で実施するのが有利である。 本発明方法に使用する触媒は、購入可能であるか、またはアルキルピリジンまたはアルキルピリジン混合物と塩化アルキルとを温度50〜150℃で反応させることにより、前接続されている反応において製造することもできる、この方法は例えば“Ionic Liquids in Synthesis”(P.Wasserscheid,Wiley−VCH−Verlag,2003)中の第9〜12頁に記載されている。引き続き、触媒相を分離し、水蒸気蒸留により溶けた塩化アルキルを除去する。触媒の費用のかかる単離および精製は必要ない。 触媒の製造は分離した方法でまたは本発明方法に前接続した方法工程でも行うことができる。本発明方法に使用する触媒を、前接続した方法工程で製造し、こうして更に精製することなく、直接使用するのが有利である。本発明方法の特別な実施態様において、触媒の製造はインサイチューで実施される。しかしながら、本発明方法において、市販の構造I〜VIの化合物を触媒として使用することもできる。 本発明方法の有利な実施態様においては、前接続した方法工程においてアルキル−およびジアルキルピリジンからなる混合物から触媒を製造する。 以下に実施例につき本発明方法を詳細に説明するが、本発明はこの実施態様に制限されるものではない。 例1:N−n−ブチル−アルキルピリジニウムクロリドの製造 アルキルピリジン混合物600gに塩化n−ブチル675gを添加し、80℃で70時間撹拌する。反応混合物は二相系を形成し、その際触媒は下相に存在する。主に過剰の塩化n−ブチルを有する上相は、相分離により分離される。塩化n−ブチルとは異なる塩化アルキルを製造するために触媒を使用する場合には、下相中に溶けている塩化n−ブチルを水蒸気蒸留により除く。 例2:N−n−オクチル−アルキルピリジニウムクロリドの製造 例1によるアルキルピリジン混合物1031gに塩化n−オクチル2180gを添加し、90℃で160時間撹拌する。反応混合物は二相系を形成し、その際触媒は下相に存在する。主に過剰の塩化n−オクチルを有する上相は、相分離により分離される。塩化n−オクチルとは異なる塩化アルキルを製造するために触媒を使用する場合には、下相中に溶けている塩化n−オクチルを水蒸気蒸留により除く。 例3a:塩化n−ブチルの連続的製造 ガラス製翼型攪拌機および出発物質配量用浸漬管(Tauchrohr)を有する1 l被覆ガラス反応器中に、N−n−ブチル−アルキルピリジニウムクロリド(例1により製造した)290.6gを触媒として装入し、温度135℃に調節し、かつ浸漬管を介して1時間当たりn−ブタノール50gおよびガス状塩化水素38gを配量供給する。その際生じた反応生成物を蒸気状で蒸留橋を介して取り出し、引き続き凝縮させる。二相の反応生成物を分離し、有機相を公知法で後処理する。複数回の洗浄および苛性ソーダ上での乾燥の工程の後塩化ブチルが純度>99.5%で得られる。 分析:− 相分配:上方の有機相:下方の水相=64.7:35.3質量%、− n−ブタノールに関する変換率:81% 比較例3b:塩化n−ブチルの連続的製造 例3aと同様に実施するが、但し触媒としてアルキルピリジン塩酸塩を使用する。 分析:− 相分配:上方の有機相:下方の水相=50:50質量%、− n−ブタノールに関する変換率:60%。 例4a:半連続法での塩化2−エチルヘキシルの製造 ガラス製翼型攪拌機および出発物質配量用浸漬管および載置した水分離装置を有する1 l被覆ガラス反応器中に、N−n−ブチル−アルキルピリジニウムクロリド(例1により製造した)200gを触媒として装入し、温度135℃に調節する。浸漬管を介して5時間で2−エチルヘキサノール519.8gを均一に供給する。全反応時間の間、ガス状塩化水素を同様に浸漬管を介して化学量論において僅かに過剰量(223g)で配量供給する。反応水を目的生成物と共に共沸蒸留し、水分離装置中で下相として分離除去し、上相を反応器中に戻す。22時間の全反応時間の後、2−エチルヘキサノールに対して変換率は99.3%である。 比較例4b:半連続法での塩化2−エチルヘキシルの製造 例4aと同様に実施したが、但し触媒としてアルキルピリジン塩酸塩を使用する。22時間の全反応時間の後、2−エチルヘキサノールに対して変換率は81.9%であり、34時間の全反応時間の後、変換率は93%であった。 例5a:カスケード法での塩化n−オクチルの連続的製造 2つの直列に接続した1 lガラス反応器に、側部に設けたオーバーフローで連結する。このオーバーフローは、上方の生成物相のみが後続の反応器に導入され、下方の触媒相が反応器中に残るように構成されかつ設置される。両方の反応器中にN−n−オクチル−アルキルピリジニウムクロリド(例2により製造した)460gを触媒としてオーバーフローまで装入し、温度135〜147℃に調節する。第1の反応器中にn−オクタノールおよびガス状塩化水素(それぞれのn−オクタノール供給により10〜50g/h)を連続的に浸漬管を介して配量供給する。第2の反応器中に第1の反応器の上方有機相を連続的に導入し、同様にガス状塩化水素(5〜15g/h)を浸漬管を介して連続的に供給する。反応の際に生じた反応水を両方の反応器中で水分離装置を介して共沸混合物として取り出し、この際上方の塩化n−オクチル相はそれぞれの反応器中に戻される。塩化水素は両方の反応器において化学量論において僅かに過剰量で添加する。n−オクタノールの供給量に依存して第1の反応器において、n−オクタノールに対して次の変換率が達成される: 比較例5b:カスケード法での塩化n−オクチルの連続的製造 例5aと同様に実施するが、触媒としてアルキルピリジン塩酸塩を使用する。n−オクタノールの供給量に依存して、第1の反応器において、n−オクタノールに対して次の変換率が達せられる: 例6a:半連続法での塩化n−テトラデシルの製造 ガラス製翼型攪拌機および出発物質配量用浸漬管および載置した水分離装置を有する1 l被覆ガラス反応器中に、N−n−オクチル−アルキルピリジニウムクロリド(例2により製造した)200gを触媒として装入し、温度150℃に調節する。浸漬管を介して4.5時間で2−テトラデカノール243gを均一に供給する。全反応時間の間、ガス状塩化水素を浸漬管を介して化学量論において僅かに過剰量で配量供給し、形成される反応水を蒸留により反応混合物から除去する。反応および後処理の実施を例4aと同様に実施する。7.5時間の全反応時間の後、n−テトラデカノールに対して変換率は99.5%である。 比較例6b:半連続法での塩化n−テトラデシルの製造 例6aと同様に実施したが、但し触媒としてアルキルピリジン塩酸塩を使用する。7.5時間の全反応時間の後、n−テトラデカノールに対して変換率は87.2%であり、15.5時間の全反応時間の後、変換率は99.2%である。 例7a:半連続法での塩化n−オクタデシルの製造 ガラス製翼型攪拌機および出発物質配量用浸漬管を有する1 l被覆ガラス反応器中に、N−n−オクチル−アルキルピリジニウムクロリド(例2により製造した)220gを装入し、温度150℃に調節する。浸漬管を介して5時間でn−オクタデカノール447gを均一に供給する。全反応時間の間、ガス状塩化水素を浸漬管を介して化学量論において僅かに過剰量で配量供給し、同時に形成される反応水を蒸留により除去する。反応および後処理の実施を例4aと同様に実施する。(3時間の後反応も含めて)8時間の全反応時間の後、n−オクタデカノールに対して変換率は99.8%である。 例7b:半連続法での塩化n−オクタデシルの製造 例7aと同様に実施したが、但し触媒としてアルキルピリジン塩酸塩を使用する。8時間の全反応時間の後、n−オクタデカノールに対して変換率は62.7%であり、39時間の全反応時間の後、変換率は99.4%である。 相応するアルコールをガス状の塩化水素と触媒の存在下に反応させることにより塩化アルキルを製造する方法において、構造:[式中、R1は炭素原子1〜20個を有する直鎖アルキル基を表し、R2、R3、R4は水素、炭素原子1〜20個を有するアルキル−、アルケニル−、アラルキル−またはアルキルアリール−基を表し、その際タイプR2、R3およびR4の置換基全てが同一であるか、全てが異なるか、またはタイプR2、R3およびR4の置換基の2つが同一である]の化合物を少なくとも1種有する触媒を使用することを特徴とする、塩化アルキルの製法。 構造:[式中、R1は炭素原子1〜20個を有する直鎖アルキル基を表し、R2は水素、炭素原子1〜20個を有するアルキル−、アルケニル−、アラルキル−またはアルキルアリール−基を表す]の化合物を少なくとも1種有する触媒を使用する、請求項1記載の製法。 構造:[式中、R1は炭素原子1〜20個を有する直鎖アルキル基を表し、R2、R3、R4は水素、炭素原子1〜20個を有するアルキル−、アルケニル−、アラルキル−またはアルキルアリール−基を表し、その際タイプR2、R3およびR4の置換基全てが同一であるか、全てが異なるか、またはタイプR2、R3およびR4の置換基の2つが同一である]の化合物を少なくとも1種有する触媒を使用する、請求項1記載の製法。 方法を連続的に実施する、請求項1から3までのいずれか1項記載の製法。 相互にカスケードの形で連結している複数の反応器中で実施する、請求項4記載の製法。 炭素原子3〜20個を有するアルコールを使用する、請求項1から5までのいずれか1項記載の製法。 n−プロパノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、n−テトラデカノール、n−オクタデカノールから選択される、ヒドロキシ基1個を有する直鎖アルコールを使用する、請求項6記載の製法。 イソプロパノール、イソブタノール、sec−ブタノール、2−エチルヘキサノールから選択される、ヒドロキシ基1個を有する分枝鎖アルコールを使用する、請求項6記載の製法。 1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールおよび1,10−デカンジオールから選択される、ヒドロキシ基2個を有するアルコールを使用する、請求項6記載の製法。 反応生成物を反応器から蒸気状で取り出す、請求項1から9までのいずれか1項記載の製法。 反応生成物を側部に設けたオーバーフローを介して分離する、請求項1から10までのいずれか1項記載の製法。 温度60〜160℃で実施する、請求項1から11までのいずれか1項記載の製法。 触媒として、モノアルキル化および/またはポリアルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドの種々の異性体を有する混合物を使用し、その際ポリアルキル化N−アルキルピリジニウムクロリドは窒素複素環にタイプR2の複数の置換基を特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の製法。 使用する触媒を、前接続した方法工程で製造する、請求項13記載の製法。 【課題】改善された塩化アルキルの製法の提供。【解決手段】相応するアルコールをガス状の塩化水素と触媒の存在下に反応させることにより塩化アルキルを製造する方法において、構造: 【化1】の化合物を少なくとも1種有する触媒を使用することを特徴とする、塩化アルキルの製法。【選択図】なし


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