生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アルキレンオキサイド付加物の製造方法
出願番号:2006003552
年次:2007
IPC分類:C07C 41/03,C07C 43/11,C07B 61/00


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竹田 勝紀 大橋 宏範 JP 2007186429 公開特許公報(A) 20070726 2006003552 20060111 アルキレンオキサイド付加物の製造方法 第一工業製薬株式会社 000003506 蔦田 璋子 100059225 蔦田 正人 100076314 中村 哲士 100112612 富田 克幸 100112623 夫 世進 100124707 竹田 勝紀 大橋 宏範 C07C 41/03 20060101AFI20070629BHJP C07C 43/11 20060101ALI20070629BHJP C07B 61/00 20060101ALN20070629BHJP JPC07C41/03C07C43/11C07B61/00 300 3 OL 6 4H006 4H039 4H006AA02 4H006AC43 4H006BA02 4H006BA29 4H006BA69 4H006BC40 4H039CA61 4H039CF90 本発明は、アルキレンオキサイド付加物の製造方法に関する。 活性水素含有有機化合物とアルキレンオキサイドを反応させることを特徴とするアルキレンオキサイド付加物の製造方法が従来より知られている(例えば、非特許文献1)。しかしながら、従来の製造方法には以下のような問題点があった。 例えば、高級アルコールを原料としたアルキレンオキサイドで、塩基性触媒を用いた場合、副生成物が少なく重合度が高い付加物が容易に得られるが、重合度分布が広くなり、未反応物である高級アルコールからアルキレンオキサイド重合度の高いものまで含む混合物になるという問題がある。未反応物が多いと重合物の臭気が強く、重合物の石油エーテル可溶分などの値が高くなるので、洗浄用の界面活性剤として使用するには問題があり、また、アルキレンオキサイドの重合度が高いものが多いと、疎水性と親水性のバランスが崩れるので界面活性剤としての性能低下などが問題となる。 一方、酸性触媒を用いた場合は、未反応物である高級アルコールの含有量は少なくなるが、ポリエチレングリコールやジオキサンなど望ましくない副生成物が多く生成する。また、酸性触媒は金属に対する腐食性が強いので、使用する装置が限定され、工業用触媒として不具合な点を有する。 また重合度分布が狭い付加物が得られる触媒として多くのものが提案されているが、触媒の除去などに複雑な工程が必要であった(特許文献1,非特許文献2)。特開平11−319556号公報石井義朗著「非イオン界面活性剤」誠文堂新光社、第2章「化学工学5 Vol.69 No.5 248−251」化学工学会 本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ポリエチレングリコールやジオキサン等の副生物を多く生成してしまうといった従来の酸性触媒使用時の問題がなく、またハイドロタルサイトのような特殊な触媒を使用したときに必要である複雑な触媒の調整、除去の工程も要さずに、得られるアルキレンオキサイド付加物の重合度分布を十分に狭くすることができるアルキレンオキサイド付加物の製造方法を提供することを目的とする。 本発明の製造方法は、活性水素含有化合物に対し、触媒を利用してアルキレンオキサイドを付加重合させることからなるアルキレンオキサイド付加物の製造方法であって、活性水素含有化合物として下記化学式(1)で示される化合物を使用するものとする。 R{(AO)n−OH}m …(1) Rはアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表す。nは1〜3の整数を示し、mは1〜8の整数を示す。 上記において、式(1)で示される活性水素含有化合物は、多分散度が1.000〜1.100であることが好ましい。 触媒としては塩基性触媒を用いることができる。 本発明の製造方法によれば、従来のものより重合度分布が狭いアルキレンオキサイド付加物が容易に製造可能となる。このため、重合物の臭気が弱く、アルキレンオキサイドの重合度が高いものも少ないので、疎水性と親水性のバランスが崩れることなく、界面活性剤としての性能低下などが生じない。 また本発明では、特殊な触媒ではなく、一般的に使用されている触媒が使用可能であるため、副生物も少なく、狭い重合度分布を持つアルキレンオキサイド付加物を製造できる。 本発明の製造方法で用いる活性水素含有化合物は、上記の通り化学式(1)で表される化合物である。 R{(AO)n−OH}m …(1) 式(1)におけるRは、好ましくは、炭素数1〜30の飽和又は不飽和の直鎖もしくは分枝構造のアルキル基、アルケニル基である。また、それらの中に芳香環やアリール基を含むものも含まれる。 AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、中でも炭素数2のエチレンオキサイドが好ましい。 nは1〜3の整数を示し、中でもn=1が好ましい。mは1〜8の整数を示し、中でもm=1が好ましい。 化学式(1)で表される化合物の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ドデシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−o−トリルエーテル、エチレングリコールモノ−m−トリルエーテル、エチレングリコールモノ−p−トリルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテルが挙げられる。また、エチレンオキシド付加物を分子蒸留することによって得られるエチレングリコールモノアルキルエーテル等も使用できる。 上記において、式(1)で示される活性水素含有化合物は、多分散度が1.000〜1.100であることが好ましい。 上記活性水素含有化合物に対し、アルキレンオキサイドを付加重合させることによりアルキレンオキサイド付加物を製造するに際において、触媒としては塩基性触媒を好適に用いることができ、その例としては、KOH、NaOH、LiOH、K2CO3、Na2CO3、Li2CO3、CH3ONa、C2H5ONa、CH3OLi、C2H5OLi、CH3OK、C2H5OK等のアルコキシル化用触媒が挙げられ、1種を使用してもよく、2種以上を使用することもできる。 本発明で用いられるアルキレンオキサイドは、活性水素を持つ化合物と反応して付加物を生成し得るものであればどのようなものでも良いが、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のオキシラン環を持つものが好ましく、特に好ましいのはエチレンオキサイドである。 本発明の製造方法によるアルキレンオキサイド付加物の製造は、オートクレーブ等の圧力反応器で、通常の操作手順および反応条件で容易に行うことができる。その際、反応温度は、80〜150℃であることが好ましく、より好ましくは100〜130℃である。 触媒の使用量は、特に限定されないが、活性水素含有化合物に対して、0.1〜5.0重量%であることが好ましい。 以下、本発明を実施例によってさらに具体的に示すが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。 なお、以下におけるEO付加モル数の測定はGPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)で行い、副生ポリエチレングリコール含量の測定はHPLC(液体クロマトグラフィー)で行った。測定条件はそれぞれ以下の通りである。〈GPC測定条件〉 カラム:Megapak GEL 201F(日本分光(株)製) 溶離液:テトラヒドロフラン(THF) カラム温度:25℃ 検出器:示差屈折計(RI)〈HPLC測定条件〉 溶離液:アセトニトリル/水 カラム:ODS−H、25℃ 検出器:示差屈折計(RI) また、多分散度の測定は、次の条件によるGPC測定を行うことにより、分子量分布の広狭の程度であるMw/Mnを求めた。 カラム:Megapak GEL 201FP×1、 Megapak GEL 201F×2(日本分光(株)製) 溶離液:THF(3mL/分) カラム温度:40℃ 検出器:RI サンプル注入:5重量%溶液100μL[実施例1] ステンレス製オートクレーブに、化学式(1)で示される化合物としてエチレングリコールモノドデシルエーテル(多分散度:1.00)を230g(1モル)と、触媒としてKOHを0.33g(0.006モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を130℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド(以下、EOと表記する場合もある)を176g(4モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。 得られたアルキレンオキサイド付加物は、平均EO付加モル数が5.0モルであり、多分散度は1.04であり、副生ポリエチレングリコールは0.5%であった。[実施例2] ステンレス製オートクレーブに、化学式(1)で示される化合物としてエチレングリコールモノヘキシルエーテル(多分散度:1.00)を151g(1モル)と、触媒としてKOHを0.33g(0.006モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を130℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイドを181g(4モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。 得られたアルキレンオキサイド付加物は、平均EO付加モル数が5.0モルであり、多分散度は1.05であり、副生ポリエチレングリコールは0.5%であった。[比較例1] ステンレス製オートクレーブに、ドデシルアルコールを186g(1モル)と、KOHを0.33g(0.006モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を130℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイドを220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。 得られたアルキレンオキサイド付加物は、平均EO付加モル数が5.0モルであり、多分散度は1.14であり、副生ポリエチレングリコールは0.5%であった。[比較例2] ステンレス製オートクレーブに、1−ヘキシルアルコールを102g(1モル)と、KOHを0.33g(0.006モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を130℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイドを220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。 得られたアルキレンオキサイド付加物は、平均EO付加モル数が5.0モルであり、多分散度は1.19であり、副生ポリエチレングリコールは0.5%であった。 本発明によって得られたアルキレンオキサイド付加物は、重合度分布が狭く、また未反応原料や副生成物が少ないので、家庭用洗剤や工業用界面活性剤、更にはアニオン・カチオン・両性界面活性剤の原料などとして広範な用途に利用することができる。 活性水素含有化合物に対し、触媒を利用してアルキレンオキサイドを付加重合させることからなるアルキレンオキサイド付加物の製造方法であって、 活性水素含有化合物として下記化学式(1)で示される化合物を使用することを特徴とするアルキレンオキサイド付加物の製造方法。 R{(AO)n−OH}m …(1)(Rはアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表す。nは1〜3の整数を示し、mは1〜8の整数を示す。) 式(1)で示される活性水素含有化合物の多分散度が1.000〜1.100であることを特徴とする、請求項1に記載のアルキレンオキサイド付加物の製造方法。 前記触媒が塩基性触媒であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアルキレンオキサイド付加物の製造方法。 【課題】活性水素含有化合物に対し、触媒を利用してアルキレンオキサイドを付加重合させることからなるアルキレンオキサイド付加物の製造方法であって、副生物を多く生成してしまうといった問題点がなく、複雑な触媒の調整や除去の工程も要さずに、得られるアルキレンオキサイド付加物の重合度分布を十分に狭くすることができる製造方法を提供する。【解決手段】活性水素含有化合物として下記化学式(1)で示される化合物を使用する。 R{(AO)n−OH}m …(1)(Rはアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表す。nは1〜3の整数を示し、mは1〜8の整数を示す。)【選択図】なし


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特許公報(B2)_アルキレンオキサイド付加物の製造方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_アルキレンオキサイド付加物の製造方法
出願番号:2006003552
年次:2013
IPC分類:C07C 41/03,C07C 43/11,C07B 61/00


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竹田 勝紀 大橋 宏範 JP 5160034 特許公報(B2) 20121221 2006003552 20060111 アルキレンオキサイド付加物の製造方法 第一工業製薬株式会社 000003506 蔦田 璋子 100059225 蔦田 正人 100076314 竹田 勝紀 大橋 宏範 20130313 C07C 41/03 20060101AFI20130221BHJP C07C 43/11 20060101ALI20130221BHJP C07B 61/00 20060101ALN20130221BHJP JPC07C41/03C07C43/11C07B61/00 300 C07C 41/03 C07C 43/11 C07C 43/10 特開2005−350402(JP,A) 特開平08−268919(JP,A) 特開2002−308811(JP,A) 特開2001−342156(JP,A) 特開平10−168014(JP,A) 1 2007186429 20070726 6 20080714 水島 英一郎 本発明は、アルキレンオキサイド付加物の製造方法に関する。 活性水素含有有機化合物とアルキレンオキサイドを反応させることを特徴とするアルキレンオキサイド付加物の製造方法が従来より知られている(例えば、非特許文献1)。しかしながら、従来の製造方法には以下のような問題点があった。 例えば、高級アルコールを原料としたアルキレンオキサイドで、塩基性触媒を用いた場合、副生成物が少なく重合度が高い付加物が容易に得られるが、重合度分布が広くなり、未反応物である高級アルコールからアルキレンオキサイド重合度の高いものまで含む混合物になるという問題がある。未反応物が多いと重合物の臭気が強く、重合物の石油エーテル可溶分などの値が高くなるので、洗浄用の界面活性剤として使用するには問題があり、また、アルキレンオキサイドの重合度が高いものが多いと、疎水性と親水性のバランスが崩れるので界面活性剤としての性能低下などが問題となる。 一方、酸性触媒を用いた場合は、未反応物である高級アルコールの含有量は少なくなるが、ポリエチレングリコールやジオキサンなど望ましくない副生成物が多く生成する。また、酸性触媒は金属に対する腐食性が強いので、使用する装置が限定され、工業用触媒として不具合な点を有する。 また重合度分布が狭い付加物が得られる触媒として多くのものが提案されているが、触媒の除去などに複雑な工程が必要であった(特許文献1,非特許文献2)。特開平11−319556号公報石井義朗著「非イオン界面活性剤」誠文堂新光社、第2章「化学工学5 Vol.69 No.5 248−251」化学工学会 本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ポリエチレングリコールやジオキサン等の副生物を多く生成してしまうといった従来の酸性触媒使用時の問題がなく、またハイドロタルサイトのような特殊な触媒を使用したときに必要である複雑な触媒の調整、除去の工程も要さずに、得られるアルキレンオキサイド付加物の重合度分布を十分に狭くすることができるアルキレンオキサイド付加物の製造方法を提供することを目的とする。 本発明の製造方法は、活性水素含有化合物に対し、触媒として水酸化カリウムを利用してアルキレンオキサイドを付加重合させることからなるアルキレンオキサイド付加物の製造方法であって、活性水素含有化合物として、エチレンオキサイド付加物を分子蒸留することによって得られる下記化学式(1)で示される化合物を使用するものとする。 R{(AO)n−OH}m …(1) Rはアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシエチレン基を表す。nは1を示し、mは1を示す。 本発明の製造方法によれば、従来のものより重合度分布が狭いアルキレンオキサイド付加物が容易に製造可能となる。このため、重合物の臭気が弱く、アルキレンオキサイドの重合度が高いものも少ないので、疎水性と親水性のバランスが崩れることなく、界面活性剤としての性能低下などが生じない。 また本発明では、特殊な触媒ではなく、一般的に使用されている触媒が使用可能であるため、副生物も少なく、狭い重合度分布を持つアルキレンオキサイド付加物を製造できる。 本発明の製造方法で用いる活性水素含有化合物は、上記の通り化学式(1)で表される化合物である。 R{(AO)n−OH}m …(1) 式(1)におけるRは、好ましくは、炭素数1〜30の飽和又は不飽和の直鎖もしくは分枝構造のアルキル基、アルケニル基である。また、それらの中に芳香環やアリール基を含むものも含まれる。 AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、中でも炭素数2のエチレンオキサイドが好ましい。 nは1〜3の整数を示し、中でもn=1が好ましい。mは1〜8の整数を示し、中でもm=1が好ましい。 化学式(1)で表される化合物の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−tert−ペンチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ドデシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−o−トリルエーテル、エチレングリコールモノ−m−トリルエーテル、エチレングリコールモノ−p−トリルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテルが挙げられる。また、エチレンオキシド付加物を分子蒸留することによって得られるエチレングリコールモノアルキルエーテル等も使用できる。 上記において、式(1)で示される活性水素含有化合物は、多分散度が1.000〜1.100であることが好ましい。 上記活性水素含有化合物に対し、アルキレンオキサイドを付加重合させることによりアルキレンオキサイド付加物を製造するに際において、触媒としては塩基性触媒を好適に用いることができ、その例としては、KOH、NaOH、LiOH、K2CO3、Na2CO3、Li2CO3、CH3ONa、C2H5ONa、CH3OLi、C2H5OLi、CH3OK、C2H5OK等のアルコキシル化用触媒が挙げられ、1種を使用してもよく、2種以上を使用することもできる。 本発明で用いられるアルキレンオキサイドは、活性水素を持つ化合物と反応して付加物を生成し得るものであればどのようなものでも良いが、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のオキシラン環を持つものが好ましく、特に好ましいのはエチレンオキサイドである。 本発明の製造方法によるアルキレンオキサイド付加物の製造は、オートクレーブ等の圧力反応器で、通常の操作手順および反応条件で容易に行うことができる。その際、反応温度は、80〜150℃であることが好ましく、より好ましくは100〜130℃である。 触媒の使用量は、特に限定されないが、活性水素含有化合物に対して、0.1〜5.0重量%であることが好ましい。 以下、本発明を実施例によってさらに具体的に示すが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。 なお、以下におけるEO付加モル数の測定はGPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)で行い、副生ポリエチレングリコール含量の測定はHPLC(液体クロマトグラフィー)で行った。測定条件はそれぞれ以下の通りである。〈GPC測定条件〉 カラム:Megapak GEL 201F(日本分光(株)製) 溶離液:テトラヒドロフラン(THF) カラム温度:25℃ 検出器:示差屈折計(RI)〈HPLC測定条件〉 溶離液:アセトニトリル/水 カラム:ODS−H、25℃ 検出器:示差屈折計(RI) また、多分散度の測定は、次の条件によるGPC測定を行うことにより、分子量分布の広狭の程度であるMw/Mnを求めた。 カラム:Megapak GEL 201FP×1、 Megapak GEL 201F×2(日本分光(株)製) 溶離液:THF(3mL/分) カラム温度:40℃ 検出器:RI サンプル注入:5重量%溶液100μL[実施例1] ステンレス製オートクレーブに、化学式(1)で示される化合物としてエチレングリコールモノドデシルエーテル(多分散度:1.00)を230g(1モル)と、触媒としてKOHを0.33g(0.006モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を130℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイド(以下、EOと表記する場合もある)を176g(4モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。 得られたアルキレンオキサイド付加物は、平均EO付加モル数が5.0モルであり、多分散度は1.04であり、副生ポリエチレングリコールは0.5%であった。[実施例2] ステンレス製オートクレーブに、化学式(1)で示される化合物としてエチレングリコールモノヘキシルエーテル(多分散度:1.00)を151g(1モル)と、触媒としてKOHを0.33g(0.006モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を130℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイドを181g(4モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。 得られたアルキレンオキサイド付加物は、平均EO付加モル数が5.0モルであり、多分散度は1.05であり、副生ポリエチレングリコールは0.5%であった。[比較例1] ステンレス製オートクレーブに、ドデシルアルコールを186g(1モル)と、KOHを0.33g(0.006モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を130℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイドを220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。 得られたアルキレンオキサイド付加物は、平均EO付加モル数が5.0モルであり、多分散度は1.14であり、副生ポリエチレングリコールは0.5%であった。[比較例2] ステンレス製オートクレーブに、1−ヘキシルアルコールを102g(1モル)と、KOHを0.33g(0.006モル)を添加後、オートクレーブ内を窒素で置換した。次に、温度を130℃、圧力0.2MPaに維持しながらエチレンオキサイドを220g(5モル)導入し、反応を行った。引き続き、同温で1時間熟成した後、60℃に冷却した。 得られたアルキレンオキサイド付加物は、平均EO付加モル数が5.0モルであり、多分散度は1.19であり、副生ポリエチレングリコールは0.5%であった。 本発明によって得られたアルキレンオキサイド付加物は、重合度分布が狭く、また未反応原料や副生成物が少ないので、家庭用洗剤や工業用界面活性剤、更にはアニオン・カチオン・両性界面活性剤の原料などとして広範な用途に利用することができる。 活性水素含有化合物に対し、触媒として水酸化カリウムを利用してアルキレンオキサイドを付加重合させることからなるアルキレンオキサイド付加物の製造方法であって、 活性水素含有化合物として、エチレンオキサイド付加物を分子蒸留することによって得られる下記化学式(1)で示される化合物を使用することを特徴とするアルキレンオキサイド付加物の製造方法。 R{(AO)n−OH}m …(1)(Rはアルキル基、アルケニル基、又はアリール基を表し、AOはオキシエチレン基を表す。nは1を示し、mは1を示す。)


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