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タイトル:特許公報(B2)_α−グリコシルイソクエルシトリン、並びにその製造中間体及び副生成物の調製方法
出願番号:2005514173
年次:2010
IPC分類:C12P 19/44,C12P 19/14,C12P 19/18,C07H 1/00


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森脇 将光 栄村 和浩 田中 久志 JP 4498277 特許公報(B2) 20100423 2005514173 20040910 α−グリコシルイソクエルシトリン、並びにその製造中間体及び副生成物の調製方法 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 000175283 三枝 英二 100065215 掛樋 悠路 100076510 中野 睦子 100108084 森脇 将光 栄村 和浩 田中 久志 JP 2003338689 20030929 20100707 C12P 19/44 20060101AFI20100617BHJP C12P 19/14 20060101ALI20100617BHJP C12P 19/18 20060101ALI20100617BHJP C07H 1/00 20060101ALI20100617BHJP JPC12P19/44C12P19/14 ZC12P19/18C07H1/00 C12P 19/44 CA/BIOSIS/MEDLINE(STN) JSTPlus(JDreamII) 特開平01−213293(JP,A) 特開2002−528133(JP,A) 12 JP2004013580 20040910 WO2005030975 20050407 16 20070517 松原 寛子 本発明は、酸化防止剤、退色防止剤、及び香味変化防止剤等として食品分野や香粧品分野で広く使用されている、α−グリコシルイソクエルシトリン及びその製造中間体であるイソクエルシトリンの製造方法に関する。α−グリコシルイソクエルシトリンは、水難溶性フラボノイドであるイソクエルシトリンを配糖化処理することによって水溶性を高めたものである。よってイソクエルシトリンは、α−グリコシルイソクエルシトリンの製造中間体として位置づけることができる。 さらに、本発明はイソクエルシトリンの製造において副産物として生成される、ラムノースの製造方法にも関する。 イソクエルシトリンは、イソクエルセチンとも呼ばれ、ドクダミ、ラフマ(ヤンロン茶)、キュウリ、ワタ、シロツメクサ、及びクワ等の植物に存在する化合物である。当該化合物は抗酸化作用(退色防止作用、香味変化防止作用)、紫外線防止作用、及び金属キレート作用に加えて、利尿作用、抗炎症作用、毛細血管強化作用、及びビタミンP様作用等の薬理学的作用もあるといわれており、着色飲料の退色防止剤や食品の香味変化防止剤としてのみならず、化粧品や健康食品の素材としても使用されている有用な化合物である。 イソクエルシトリンが退色防止作用や香味変化防止作用を発揮するためには、少なくとも0.001w/v%以上の濃度が求められるが、イソクエルシトリンは常温の水に対して最大0.001w/v%程度までしか溶けないため、水性の製品への適用は事実上難しい。 かかる問題を解消する方法として、従来より、糖転移酵素を用いて、基質のグルコース残基をイソクエルシトリンのグルコース残基部位に転移させることによって、イソクエルシトリンの作用を維持したままで、水易溶性を有するα−グリコシルイソクエルシトリンを調製する方法が提案されており(特開平01−213293号公報)、斯くして得られるα−グリコシルイソクエルシトリンは酵素処理イソクエルシトリンとして食品または香粧品、医薬部外品分野において広く使用されている。 かかるα−グリコシルイソクエルシトリンは、ルチンからイソクエルシトリンの生成を経て、次いで、上記糖転移酵素処理といった一連の反応によって調製されるが、その反応収率を更に向上させ、また製造の効率化を図ることは、当業者が今なお検討し、改良していかなければならない課題である。かかる方法として、有機溶媒混合物存在下で製造する方法(特表2002−528133号公報)、及びアルブミンやシルクタンパク等を用いて反応を促進する方法(Biocatalysis and Biotransformation,Vol.14,pp.113−123(1996))が提案されている。 本発明は、酸化防止剤、退色防止剤や香味変化防止剤などとして有用なα−グリコシルイソクエルシトリンを収率高く製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は当該α−グリコシルイソクエルシトリンの製造中間体であるイソクエルシトリンの収率の高い製造方法、イソクエルシトリンの生成に伴って副次的に生成するラムノースの収率の高い製造方法を提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討していたところ、ルチンをナリンギナーセ処理する際に、特定の可食性成分を共存させておくと、効率よく反応が進み、高い収率でイソクエルシトリン並びにラムノースが得られることを見いだした。前述するようにイソクエルシトリンは、α−グリコシルイソクエルシトリンの製造中間体である。よって、本発明者らは、上記反応を利用することによって、α−グリコシルイソクエルシトリンをも効率よく製造することが出来ることを確認した。 I. 本発明は、かかる知見に基づいて開発されたものであり、下記α−グリコシルイソクエルシトリンの製造中間体であるイソクエルシトリンの製造方法に関するものである:項1.ルチンを、ゼラチン、小麦グルテン、キトサン、レシチン、グリセロールの脂肪酸エステル、キサンタンガム、カラギナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カゼイン、酵素分解ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、コンニャクイモ抽出物、ジェランガム、グァーガム、大豆タンパク、寒天、ペクチン、酵母エキス、卵白ペプチド、クラスターデキストリン、アラビアガム、アルギニン、メタリン酸ナトリウム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ピロ燐酸ナトリウム、グルコサミン、キチン、グルタミン酸ナトリウム、デキストリン、及びトレハロースより選択される少なくとも1種の可食性成分の存在下でナリンギン分解活性を有する酵素で処理(以下、「ナリンギン分解酵素処理」ともいう)する工程、及び当該処理物からイソクエルシトリン画分を取得する工程を有する、イソクエルシトリンの製造方法。項2.グリセロールの脂肪酸エステルが、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、及びデカグリセリンステアリン酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種である項1に記載するイソクエルシトリンの製造方法。項3.ルチンを、クズ粉、片栗粉、及び穀類を原料とする食品素材から選択される少なくとも1種の可食性成分の存在下、ナリンギン分解活性を有する酵素で処理する工程、及び当該処理物からイソクエルシトリン画分を取得する工程を有する、イソクエルシトリンの製造方法。項4. 穀類を原料とする食品素材が、米、大麦、小麦、ライ麦、ライ小麦、エンバク、とうもろこし、ひえ、粟、もろこし、キビ、ハトムギ、豆類、及び蕎麦よりなる群から選択される穀類を原料とする食品素材である項3に記載するイソクエルシトリンの製造方法。項5. 穀類を原料とする食品素材が、小麦タンパク質、小麦粉、小麦フスマ、及び小麦胚芽よりなる群から選択される小麦を原料とする食品素材である、項3に記載するイソクエルシトリンの製造方法。 II. また本発明は、水易溶性のフラボノイドとして有用な、α−グリコシルイソクエルシトリンの製造方法に関する:項6. 上記項1乃至5のいずれかの製造方法で得られるイソクエルシトリンを糖転移酵素処理する工程を有する、下式(1):(式中、Glcはグルコース残基、nは1以上の整数を示す)で示されるα−グリコシフレイソクエルシトリンの製造方法。項7. 上記式(1)で示されるnが1〜7の整数である、項6に記載するα−グリコシルイソクエルシトリンの製造方法。 III. 前述するように、ルチンをナリンギン分解酵素処理することによって、上記イソクエルシトリンとともにラムノースが生成される。よって、本発明は、イソクエルシトリンの製造に際して副生成されるラムノースの製造方法に関する:項8. ルチンを、ゼラチン、小麦グルテン、キトサン、レシチン、グリセロールの脂肪酸エステル、キサンタンガム、カラギナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カゼイン、酵素分解ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、コンニャクイモ抽出物、ジェランガム、グァーガム、大豆タンパク、寒天、ペクチン、酵母エキス、卵白ペプチド、クラスターデキストリン、アラビアガム、アルギニン、メタリン酸ナトリウム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ピロ燐酸ナトリウム、グルコサミン、キチン、グルタミン酸ナトリウム、デキストリン、及びトレハロースを原料とする食品素材よりなる群から選択される少なくとも1種の可食性成分の存在下、ナリンギン分解活性を有する酵素で処理する工程、及び当該処理物からラムノース画分を取得する工程を有する、ラムノースの製造方法。項9.グリセロール脂肪酸エステルが、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、及びデカグリセリンステアリン酸エステルよりなる群から選択される少なくとも1種である項8に記載するラムノースの製造方法。項10. ルチンを、クズ粉、片栗粉、及び穀類を原料とする食品素材から選択される少なくとも1種の可食性成分の存在下、ナリンギン分解活性を有する酵素で処理する工程、及び当該処理物からラムノース画分を取得する工程を有する、ラムノースの製造方法。項11. 穀類を原料とする食品素材が、米、大麦、小麦、ライ麦、ライ小麦、エンバク、とうもろこし、ひえ、粟、もろこし、キビ、ハトムギ、豆類、及び蕎麦よりなる群から選択される穀類を原料とする食品素材である項10に記載するラムノースの製造方法。項12. 穀類を原料とする食品素材が、小麦タンパク質、小麦扮、小麦フスマ、及び小麦胚芽よりなる群から選択される小麦を原料とする食品素材である、項10に記載するラムノースの製造方法。 IV. さらに本発明は、下記の製剤に関する:項13. 上記項1乃至5のいずれかの方法によって得られるイソクエルシトリンを有効成分とするイソクエルシトリン製剤。項14. 上記項6または7のいずれかの方法によって得られるα−グリコシルイソクエルシトリンを有効成分とするα−グリコシルイソクエルシトリン製剤。 下式に示すように、本発明が対象とする、イソクエルシトリン(b)、ラムノース(c)並びにα−グリコシルイソクエルシトリン(d)は、いずれもルチン(a)を出発原料とする一連の反応によって製造取得することができる、食品分野並びに香粧品分野等において広く用いられている有用化合物である。なお、下記式で示される記号:「Glc」はグルコース残基、「Rha」はラムノース残基、及びnは1以上の整数を意味する。 この式を参照しながら、以下に本発明を詳細に説明する。 (I)イソクエルシトリンの製造方法、及びイソクエルシトリン製剤 上記式の反応1において、ルチン(a)にナリンギン分解活性を有する酵素(以下、「ナリンギン分解酵素」ともいう)を反応させると、ルチンからラムノース残基が脱離して、イソクエルシトリン(b)が生成する。本発明は、係る反応1において、ナリンギン分解酵素処理を特定の可食性成分の存在下で行うことを特徴とするイソクエルシトリンの製造方法である。 ここでナリンギン分解活性を有する酵素(ナリンギン分解酵素)とは、呼称の別に拘わらず、ルチンをイソクエルシトリンとラムノースに分解する活性を有する酵素を全て包含するものである。かかる活性を有する酵素としては、代表的にはナリンギナーゼを挙げることができるが、ラムノシダーゼ(α−L−ラムノシダーゼ:EC.3.2.1.40)、ヘスペリジナーゼ、及びペクチナーゼ等の中にも、上記ナリンギン分解活性を有するものが知られている。かかる酵素はいずれも商業的に入手できる酵素であり、例えば、ナリンギナーゼは、天野エンザイム(株)([日本]、例えば、商品名:ナリンギナーゼ“アマノ”)や田辺製薬(株)[日本]などから入手することができる。 これらの酵素は、必ずしも精製されている必要はなく、本発明の目的が達成できる限り、粗精製物であってもよい。例えば、ナリンギナーゼは、アスペルギルス・ニガー属やペニシリウム属などに属する微生物(ナリンギナーゼ生成菌)によって生産されることが知られている。このため、ルチンを加えた培地に、当該ナリンギナーゼ生成菌を植菌し、発酵法により反応を行ってイソクエルシトリンを生成してもよいし、またナリンギナーゼまたはナリンギナーゼ生産菌を固定化して、これをバッチ式若しくは連続式に、ルチンと反応させてイソクエルシトリンを生成してもよい。 本発明で用いられる特定の可食性成分としては、ゼラチン、小麦グルテン、キトサン、キサンタンガム、カラギナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、酵素分解ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、コンニャクイモ抽出物、ジェランガム、グァーガム、寒天、ペクチン、クラスターデキストリン、アラビアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、グルコサミン、キチン、及びデキストリンといった増粘剤;レシチン、及びグリセロールの脂肪酸エステル(例えば、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、及びデカグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステルなど)といった乳化剤;カゼイン、大豆タンパク、及び卵白ペプチドといった動植物性タンパク;アルギニン、及びグルタミン酸ナトリウムといったアミノ酸;メタリン酸ナトリウム、及びピロ燐酸ナトリウムといった無機塩(キレート剤);酵母エキス;トレハロース;クズ粉や片栗粉等の植物性澱扮;並びに穀類を原料とする各種食品素材を挙げることができる。これらの中で、好ましくはゼラチン、小麦グルテン、キトサン、レシチン、グリセロールの脂肪酸エステル(例えば、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステルなど)、キサンタンガム、カラギナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カゼイン、酵素分解ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、コンニャクイモ抽出物、ジェランガム、グァーガム、大豆タンパク、寒天、及び穀類を原料とする各種食品素材である。より好ましくはゼラチン、グリセロールの脂槻変エステル(例えば、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンステアリン酸エステルなど)、キサンタンガム、カラギナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カゼイン、酵素分解ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、コンニャクイモ抽出物、及び穀類を原料とする各種食品素材である。さらに好ましくはゼラチン、小麦グルテン、キトサン、レシチン、デカグリセリンステアリン酸エステル、キサンタンガム、カラギナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、及び穀類を原料とする各種食品素材である。さらにより好ましくはゼラチン、小麦グルテン、キトサン、レシチン、及び穀類を原料とする各種食品素材である。なお、上記グリセロールの脂肪酸エステルとしては、HLBが8〜11であるものがより好ましい。 ここで本発明でいう穀類とは、食用に供される禾穀類(イネ科作物)の種実、シュク穀類(マメ科作物)の種実、及び蕎麦の種実を意味する。食用に供される禾穀類(イネ科作物)の種実としては、例えばコメ、小麦(普通小麦、デュラム小麦)、大麦(裸麦を含む)、ライ麦、ライ小麦、エンバク、とうもろこし、ひえ、あわ、もろこし、きび、及びはとむぎを挙げることができる。食用に供されるシュク穀類(マメ科作物)の種実としては、大豆、小豆、緑豆、ささげ、ひよこ豆、及びレンズ豆などの豆類を挙げることができる。 本発明では、可食性成分として、これらの穀類をそのまま用いることを排除するものではないが、通常は、慣用の食品加工処理が施されて、一般的な食品素材としての形態または組成を有するものを用いることができる。 かかるものとしては、米粉、米タンパク質、米ぬか、米澱粉、及び全粒粉等のコメを原料とする各種食品素材;小麦粉(強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉)、小麦澱粉、小麦タンパク質(小麦グルテン、小麦グルテニン、小麦グルテリン)、小麦胚芽(脱脂胚芽を含む)、小麦ふすま及び全粒粉等の小麦を原料とする各種食品素材;大麦粉や全粒扮等の大麦を原料とする各種食品素材;ライ麦粉や全粒粉等のライ麦を原料とする各種食品素材;エンバク粉や全粒粉等のエンバクを原料とする各種食品素材;とうもろこし粉、トウモロコシ澱粉、コーングリッツ、コーングルテン等のとうもろこしを原料とする各種食品素材;ひえを原料とする各種食品素材;あわを原料とする各種食品素材;もろこしを原料とする各種食品素材;きびを原料とする各種食品素材:はとむぎを原料とする各種食品素材;大豆粉、大豆タンパク質、大豆レシチン、大豆カゼイン等の大豆を原料とする各種食品素材;小豆を原料とする各種食品素材;蕎麦分や全粒粉等の蕎麦を原料とする各種食品素材が例示できる。 なお、これらの食品素材は、本発明の効果を妨げないことを限度として、本発明において可食性成分として用いられる場合に、さらに任意の加工処理(粉砕、抽出、焙煎等)が施されていても良い。かかる穀類を原料とする各種食品素材のうち、好ましくは、小麦タンパク質(小麦グルテン、小麦グルテニン、小麦グルテリン)や大豆タンパク質等の植物性タンパク質;小麦粉(強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉)であり、より好ましくは小麦タンパク質である。 なお、これらの可食性成分は、1種単独で使用されても2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。 ナリンギン分解酵素の反応条件は、ルチン、ナリンギン分解酵素及び上記可食性成分との混合水系で、ナリンギン分解酵素がナリンギン分解活性を発揮する条件であればよい。ルチン1重量部に対するナリンギン分解酵素の使用量としては、例えば酵素比活性が約100単位〔規定のナリンギン溶液(pH3.5)において、30分間に1mgのラムノースに相当する還元糖を生成するときの酵素量を1単位とする)のナリンギン分解酵素の場合、0.01〜5重量部の範囲から適宜選択して使用することができる。好ましくは、0.02〜3重量部程度、より好ましくは0.05〜2重量部程度である。 可食性成分の使用量は、可食性成分の種類によって異なり、規定することはできないが、例えば、ルチン1重量部に対し、0.001〜20重量部、好ましくは0.002〜10重量部、より好ましくは0.005〜5重量部の範囲から適宜選択することができる。 なお、反応系中のルチンの量は、特に制限されないが、イソクエルシトリンを効率よく製造する目的からは、反応系100重量%中に、通常0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%の割合で存在させることが望ましい。 反応系の温度およびpH条件は、使用するナリンギン分解酵素の種類により変動するが、例えば、天野エンザイム株式会社製ナリンギナーゼ”アマノ”またはこれに準じるナリンギン分解酵素を使用する場合の温度は75℃未満であることが望ましい。この温度範囲内において、工業的には約40〜75℃、好ましくは約60〜75℃の範囲を用いることが有利である。またpH条件は通常pH8程度以下、好ましくはpH6〜4である。 反応は、静置または撹拌若しくは振盪しながら行うことができる。反応中の酸化を防止するために、反応系のヘッドスペースの空気を窒素等の不活性ガスで置換してもよく、またアスコルビン酸等の酸化防止剤を反応系に添加することも可能である。 斯くして、ルチンからラムノース残基が脱離し、ラムノースとともに、目的のイソクエルシトリンが生成される。 なお、所望に応じて、反応系からイソクエルシトリンを単離・精製することもできる。例えば、反応系を40℃以下に冷却することによって、水難溶性のイソクエルシトリンを析出沈殿させて単離することができる。イソクエルシトリンの精製方法は、特に制限されず、慣用の方法を任意に組み合わせて実施することができる。具体的には各種の樹脂処理法(吸着法、イオン交換法、ゲルろ過法など)、膜処理法(限外濾過膜処理法、逆浸透膜処理法、イオン交換膜処理法、ゼータ電位膜など)、電気透析法、溶媒分画法および活性炭処理法等を例示することができる。 斯くして得られるイソクエルシトリンは、それ自体、酸化防止剤、退色防止剤や香味変化防止剤等として食品や香粧品分野に用いられる他、後述するα−グリコシルイソクエルシトリンの製造原料(ルチンを出発原料とする場合は、α−グリコシルイソクエルシトリンの製造中間体)として使用することができる。なお、α−グリコシルイソクエルシトリンの製造原料または製造中間体として使用する場合、イソクエルシトリンは精製される必要はなく、粗精製物(例えば、上記沈殿物)であってよいし、また上記の反応混合物の状態であってもよい。 なお、イソクエルシトリンそれ自体を酸化防止剤、退色防止剤や香味変化防止剤等として用いる場合には、上記の単離若しくは精製したイソクエルシトリンに、さらに希釈剤、担体または添加剤等の成分を配合して、任意の製剤化処理を行い、製剤として調製される。 ここで希釈剤または担体としては、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されず、例えばシュクロース、グルコース、果糖、マルトース、トレハロース、乳糖、オリゴ糖、デキストリン、デキストラン、サイクロデキストリン、澱粉、水飴、及び異性化液糖などの糖類;エタノール、プロピレングリコール、及びグリセリン等のアルコール類;ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、ラクチトール、キシリトール、マルチトール、還元パラチノース、及び還元澱粉分解物等の糖アルコール類;トリアセチン等の溶剤;アラビアガム、カラギナン、キサンタンガム、グァーガム、ジェランガム、及びペクチン等の多糖類;または水を挙げることができる。また添加剤としては、キレート剤等の助剤、香料、香辛料抽出物、及び防腐剤などを挙げることができる。 使用上の利便等から、これらの希釈剤、担体または添加剤を用いて例えば酸化防止剤の液体製剤を調製する場合は、イソクエルシトリンが、製剤100重量%中に0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%の割合で含まれるように調製することが望ましい。 またかかる製剤は、その形態を特に制限するものではなく、例えば粉末状、顆粒状、及び錠剤状などの固体状;液状及び乳液状等の溶液状;またはペースト状等の半固体状などの、任煮の形態に調製することができる。(II)α−グリコシルイソクエルシトリンの製造方法、及びα−グリコシルイソクエルシトリン製剤 前述する式の反応2において、上記の方法で得られたイソクエルシトリン(b)をグルコース基転移酵素で処理することによって、イソクエルシトリン(b)のグルコシル残基に更に1以上のグルコシル基が結合して、α−グリコシルイソクエルシトリン(c)が生成する。本発明は、係る反応2において、前述する反応1によって生成されたイソクエルシトリン(b)を原料として用いることを特徴とするα−グリコシルイソクエルシトリンの製造方法である。 反応2の出発原料として用いるイソクエルシトリン(b)は、(I)において前述する製造方法で得られるものであればよく、その精製の程度は特に制限されるものではない。上記反応1から連続して行う場合には、反応1の結果得られる反応混合物を、例えば40℃以下に冷却することによって、析出沈殿したイソクエルシトリンを回収して、使用することができる。 イソクエルシトリン(b)からα−グリコシルイソクエルシトリン(c)を製造する方法は、特に制限されず、従来公知の方法または将来開発される方法がいずれも使用できる。通常は、イソクエルシトリン(b)にグルコシダーゼまたはトランスグルコシダーゼ等のグルコース残基転移酵素を用いて、グルコース残基を等モル以上転移させて配糖化させる(以下、配糖化と呼ぶ)ことによって実施される。 配糖化の際に用いられるグルコース源としては、そのグルコース残基の1分子以上がイソクエルシトリン(b)の1分子に転移されうるものであればよく、例えばグルコース、マルトース、アミロース、アミロペクチン、でん粉、でん粉液化物、でん粉糖化物、デキストリン、及びシクロデキストリンなどを用いることができる。グルコース源の使用量は、反応系に存在するイソクエルシトリン(b)1重量部に対して、通常0.1〜20重量部の割合、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の割合を挙げることができる。 グルコシダーゼとしては、例えばα−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1)、α−グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.20)、β−アミラーゼ(E.C.3.2.1.2)、グルコアミラーゼ(E.C.3.2.1.3)等を用いることができ、またトランスグルコシダーゼとしては、例えばシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ(E.C.2.4.1.19)(以下CGTaseと略記する)等を用いることができる。 CGTaseは、バチルス・サーキュランス、バチルス・マセランス、バチルス・ステアロサーモフィルス、バチルス・メガテリウム、バチルス・ポリミキサなどのバチルス属、クレブシーラ・ニューモニアエなどのクレブシーラ属などの細菌によって生産されることが知られており、いずれもこの発明に自由に使用することができる。 これらのグルコース残基転移酵素はいずれも商業的に入手できる酵素であり、簡便にはかかる市販の酵素剤(例えば、天野エンザイム(株)製、商品名:コンチザイム、日本)を使用することもできる。当該酵素は、必ずしも精製されている必要はなく、本発明の目的が達成できる限り、粗精製物であってもよい。例えば、イソクエルシトリン(b)を加えた培地に、当該グルコース残基転移酵素生成菌を植菌し、発酵法により反応を行ってα−グリコシルイソクエルシトリンを生成してもよいし、またグルコース残基転移酵素またはグルコース残基転移酵素生産菌を固定化して、これをバッチ式若しくは連続式に、イソクエルシトリン(b)と反応させてα−グリコシルイソクエルシトリンを生成してもよい。 グルコース残基転移酵素の反応条件は、イソクエルシトリン(b)、グルコース残基転移酵素及び上記グルコース源との混合水系で、グルコース残基転移酵素が作用する条件であればよい。グルコース残基転移酵素の使用量はイソクエルシトリン(b)1重量部に対し、グルコース残基転移酵素がCGTaseの場合〔酵素比活性約100単位(溶性デンプンからβ−シクロデキストリンを1分間あたり1mg生成する酵素量を1単位とする)〕0.001〜20重量部の範囲から適宜選択して使用することができる。好ましくは、0.005〜10重量部程度、より好ましくは0.01〜5重量部程度である。 なお、反応系中のイソクエルシトリン(b)の量は、特に制限されないが、配糖化を効率よく行う目的からは、反応系100重量%中に、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜10重量%の割合で含まれていることが望ましい。 この反応系の温度は、使用する酵素の種類により変動するが、約80℃以下の範囲を適宜選択して用いることができる。この範囲内において工業的に有利なのは約20〜80℃、好ましくは約40〜75℃である。またpH条件は通常pH3〜11程度以下、好ましくはpH4〜8である。 反応は、静置または攪拌若しくは振盪しながら行うことができる。反応中の酸化を防止するために、反広系のヘッドスペースを窒素等の不活性ガスで置換してもよく、またアスコルビン酸等の酸化防止剤を反応系に添加することも可能である。 なお、グルコース残基転移酵素は、グルコシダーゼまたはトランスグルコシダーゼの各々単独を用いて行うこともできるし、また両者を組み合わせて(同時または連続して)使用することもできる。 斯くして、イソクエルシトリンのグルコース残基にグルコース基が結合し、目的のα−グリコシルイソクエルシトリンが生成される。 なお、イソクエルシトリンのグルコース残基へのグルコース基の結合数(上記式(1)においてnの数)は、特に制限されないが、通常1〜30、好ましくは1〜12、さらに好ましくは1〜7である。かかるグルコース基の結合数(n数)は、任意に調整することができる。例えば、α−グリコシルイソクエルシトリン生成後に、各種のアミラーゼ(α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、及びマルターゼ等)を単独もしくは複数組み合わせて処理することにより、反応2(式(1))によって生じたα−グリコシルイソクエルシトリン分子中のグルコース糖鎖数を減少させて、任意のグルコース糖鎖長を持つα−グリコシルイソクエルシトリンを得ることもできる。 所望に応じて、反応2(式(1))の反応系または上記アミラーゼ処理の反応系からα−グリコシルイソクエルシトリンを単離・精製することもできる。かかる方法として、例えば、反応系を酸性に調整して冷却することによって、α−グリコシルイソクエルシトリンを析出沈殿させて単離する方法を挙げることができる。α−グリコシルイソクエルシトリンの精製方法は、特に制限されず、慣用の方法を任意に組み合わせて実施することができる。具体的には各種の樹脂処理法(吸着法、イオン交換法、ゲルろ過法など)、膜処理法(限外濾過膜処理法、逆浸透膜処理法、イオン交換膜処理法、ゼータ電位膜処理法など)、電気透析法、塩析、酸析、再結晶、溶媒分画法および活性炭処理法等を例示することができる。 斯くして得られるα−グリコシルイソクエルシトリンは、イソクエルシトリン(ケルセチン3−0−モノグルコサイド)のグルコース残基に更にグルコースが等モル以上量結合したフラボノール配糖体であって水易溶性のものである。このため、イソクエルシトリンが有する優れた機能(例えば、抗酸化作用、退色防止作用、香味変化防止作用)等を、水系の溶媒中で有効に発揮させることができる。よって水溶性の酸化防止剤、退色防止剤や香味変化防止剤等として食品や香粧品分野に好適に使用することができる。 α−グリコシルイソクエルシトリンは、酸化防止剤、退色防止剤や香味変化防止剤等として用いられる場合には、上記の単離若しくは精製したα−グリコシルイソクエルシトリンに、さらに希釈剤、担体または添加剤等の成分を配合して、任意の製剤化処理を行い、製剤として調製される。 ここで希釈剤または担体としては、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されず、例えばシュクロース、グルコース、果糖、マルトース、トレハロース、乳糖、オリゴ塘、デキストリン、デキストラン、サイクロデキストリン、澱粉、水飴、及び異性化液糖などの糖類;エタノール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール類;ソルビトール、マンニトール、エリスリトール、ラクチトール、キシリトール、マルチトール、還元パラチノース、及び還元澱粉分解物等の糖アルコール類;トリアセチン等の溶剤;アラビアガム、カラギナン、キサンタンガム、グァーガム、ジェランガム、及びペクチン等の多糖類;または水を挙げることができる。また添加剤としては、キレート剤等の助剤、香料、香辛料抽出物、及び防腐剤などを挙げることができる。 使用上の利便等から、これらの希釈剤、担体または添加剤を用いて上記製剤を調製する場合は、α−グリコシルイソクエルシトリンが製剤100重量%中に、0.01〜100重量%、好ましくは1〜100重量%の割合で含まれるように調製することが望ましい。 またかかる製剤は、その形態を特に制限するものではなく、例えば粉末状、顆粒状、及び錠剤状などの固体状;液状、及び乳液状等の溶液状;またはペースト状等の半固体状などの、任意の形態に調製することができる。(III)ラムノースの製造方法、及びラムノース製剤 前述する反応1において、ルチン(a)にナリンギン分解活性を有する酵素を反応させることによって、ルチンからイソクエルシトリン(b)とともにラムノースが生成する。ゆえに、本発明は、係る反応1において、ナリンギン分解酵素処理を特定の可食性成分の存在下で行うことを特徴とするラムノースの製造方法を提供するものでもある。 当該ラムノースの製造は、ルチン(a)を原料として、(I)で前述する反応1の方法に従って実施することができる。ナリンギン分解酵素処理によって、ラムノースを含む反応混合物(イソクエルシトリン、ラムノース、及び未反応ルチン)が得られるが、必要に応じてその混合物の中からラムノースを単離・精製することもできる。 例えば、反応混合物を40℃以下に冷却させることによって、水難溶性のイソクエルシトリンを析出沈殿させ、それを遠心分離またはろ過などの慣用の固液分離により除去し、得られた液相からラムノースを回収することができる。 回収したラムノースはさらに精製処理に供することもできる。ラムノースの精製方法は、特に制限されず、慣用の方法を任意に組み合わせて実施することができる。具体的には各種の樹脂処理法(吸着法、イオン交換法、ゲルろ過法など)、膜処理法(限外濾過膜処理法、逆浸透膜処理法、イオン交換膜処理法、ゼータ電位膜法など)、電気透析法、溶媒分画法および活性炭処理法等を例示することができる。 斯くして得られるラムノースは、例えば糖源、甘味料、食品添加物、医薬品添加物として食品分野、医薬品、医薬部外品分野、及び香粧品分野で利用される。また、例えばフラネオール等の香料製造の原料として、さらに医薬品、化粧品、及び各種化学物質製造の原料として好適に使用することができる。 本発明によれば、後述する実験例で示すように、ルチンから、α−グリコシルイソクエルシトリンの製造中間体であるイソクエルシトリンを高い収率で製造することができる。よって、本発明は、イソクエルシトリンの効率よい製造方法として有用であるだけでなく、α−グリコシルイソクエルシトリンの効率よい製造方法として有用である。また、ルチンからイソクエルシトリンが生成されるに伴い、ラムノースが生成される。よって、別の観点から、ラムノースの製造方法に係る本発明は、ルチンから、糖源であるラムノースを高い収率で製造できる方法として有用である。 以下、実験例及び実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。実験例1 水約90mLに、ルチン5gを分散し、これに表1に記載する各種の可食性成分(食品添加物素材)を0.05重量%又は0.5重量%の割合で添加して、溶解若しくは分散させた。次いで加温して温度を72℃に調整した。これをpH調整剤(硫酸、水酸化Na)を用いてpH4.7に調整するとともに、水で全量が100mLとなるように調整した。これに、ナリンギナーゼ(天野エンザイム(株)製、商品名:ナリンギナーゼ・アマノ)の水溶液(ナリンギナーゼ[比活性:3000U/g]0.02gを10mlの水に溶解して調整)1mLを添加し、反応を開始した。5時間後、反応液から4μLサンプリングして、1N水酸化ナトリウム水溶液を50μL添加して溶解し、さらに15容量%アセトニトリルと0.085w/v%リン酸の混合溶液を添加し(総量2mL)、反応を停止した。得られた反応液を、下記の条件のHPLCに供して、ルチンとイソクエルシトリンのピーク面積和に対するイソクエルシトリンのピーク面積比からイソクエルシトリンの生成量を算出し、イソクエルシトリンの生成収率(%)を求めた。なお、対照試験として、上記可食性成分を配合しない系(コントロール)で同様に反応させて、同様にイソクエルシトリンの生成収率(%)を求めた。 <HPLC条件> カラム:ODSカラム(東ソー、Super ODS φ4.6×100mm、日本) 移動相:15容量%アセトニトリルと0.085w/v%リン酸の混合溶液 流速 :0.8mL/min 検出 :UV350nm カラム温度:40℃ 結果を表1に併せて示す。<表1> その結果、上記可食性成分の存在下でルチンをナリンギナーゼ処理することによってイソクエルシトリンの生成量(生成収率)が増大することがわかった。実験例2 可食性成分として、表2に記載する食品素材を用いる以外は、実験例1と同様に試験を行い、HPLC分析によりイソクエルシトリンの生成量を算出し、その生成収率(%)を求めた。結果を表2に併せて示す。<表2> その結果、上記可食性成分の存在下でルチンをナリンギン分解酵素処理することによってイソクエルシトリンの生成量(生成収率)が増大することがわかった。[実施例1] 水100L(温度55℃)にルチン5kgを分散し、これにナリンギナーゼ(天野エンザイム株式会社、商品名ナリンギナーゼ”アマノ”、日本)10g及び上記表1及び2に記載する可食性成分(食品添加物素材、食品素材)をそれぞれ添加した。なお、各可食性成分の配合割合は、調製した混合物中における濃度が表1または2に記載する濃度(0.5重量%または0.05重量%)となるように設定した。この系のpHは4.7であった。これを24時間72℃に保持したのち、この反応液を30℃に冷却した。冷却して沈殿した成分を濾別し、固形分を水洗した後、乾燥しイソクエルシトリンを回収した。[実施例2] 上記実施例1で取得したイソクエルシトリン2kgに、100Lの水を加え、コーンスターチ8kgを添加し、均質にした。これにCGTase(天野エンザイム株式会社、商品名コンチザイム、日本)200mlを添加し、温度60℃、pH7.25にて26時間保持した。得られた反応溶液を吸着樹脂カラム(三菱化成(株)製ダイヤイオンHP−21、日本)に通してα−グリコシルイソクエルシトリンを吸着させ水洗した後、当該カラムに50容量%メタノール水溶液を通液して脱着させた。脱着液を濃縮後、噴霧乾燥して固形物を得た。 得られた固形物を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC、日本分光株式会社製、カラムODS、溶離液25容量%THF/0.01%リン酸水)にかけて、各ピーク画分(各構成成分)を分取し、次いで、得られた各成分を、質量分析装置(MS、株式会社日立製作所製、型式M−80B、日本)を使用して分析した。その結果、上記固形物は、未反応のイソクエルシトリン24モル%と、下式で示すα−グリコシルイソクエルシトリンの混合物からなることがわかった。(式中、Glcはグルコース残基、nは1以上の整数を示す。n=1の化合物:23モル%、n=2の化合物:17モル%、n=3の化合物:12モル%、n=4の化合物:9モル%、n=5の化合物:7モル%、n=6の化合物:4モル%、n=7の化合物:2モル%、n=8以上の化合物:2モル%)。[実施例3] 実施例1において得られた、ルチン、ナリンギナーゼ及び可食性成分との反応液からイソクエルシトリンを濾別した残りの濾液を用い、これを吸着樹脂カラム(三菱化成(株)製ダイヤイオンHP−21、日本)に通した。次に、分画分子量公称1万の限外ろ過膜にてろ過し、得られた分画分子量公称1万以下の画分を、さらにカチオン、アニオン混床イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製)に通液し、得られた溶出液を濃縮乾固することによって、ラムノースを採取した。[実施例4] 上記実施例1で取得したイソクエルシトリンを用いて、下記処方からなるイソクエルシトリン製剤(液体)を調製した: プロピレングリコール 97(重量%) イソクエルシトリン 3 総量 100 重量%[実施例5] 上記実施例2で取得したα−グリコシルイソクエルシトリンの混合物(固形物)を用いて、下記処方からなる酵素処理イソクエルシトリン製剤(液体)を調製した: プロピレングリコール 90(重量%) α−グリコシルイソクエルシトリンの混合物 10 総量 100 重量% 請求項1乃至5にかかる本発明の方法によれば、ルチンから、α−グリコシルイソクエルシトリンの製造中間体であるイソクエルシトリンを高い収率で製造することができる。よって、当該本発明は、イソクエルシトリンの効率よい製造方法として有用であるだけでなく、α−グリコシルイソクエルシトリンの効率よい製造方法として有用である。また、請求項6及び7にかかる本発明の方法は、α−グリコシルイソクエルシトリンの効率よい製造方法として有用である。 さらに、請求項1乃至5にかかる本発明の方法において、ルチンからイソクエルシトリンが生成されるに伴って、ラムノースが副次的に生成される。よって、別の観点から、本発明はラムノースの製造方法を提供するものである(請求項8〜12)。当該本発明は、ルチンから、糖源であるラムノースを高い収率で製造できる方法として有用である。 また、請求項13および14に記載するイソクエルシトリン製剤及びα−グリコシルイソクエルシトリン製剤は、食品分野や香粧品分野などにおいて、酸化防止剤、退色防止剤、及び香味変化防止剤などとして有用である。 ルチンを、ゼラチン、小麦グルテン、キトサン、レシチン、グリセロールの脂肪酸エステル、キサンタンガム、カラギナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カゼイン、酵素分解ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、コンニャクイモ抽出物、ジェランガム、グァーガム、大豆タンパク、寒天、ペクチン、酵母エキス、卵白ペプチド、クラスターデキストリン、アラビアガム、アルギニン、メタリン酸ナトリウム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ピロ燐酸ナトリウム、グルコサミン、キチン、グルタミン酸ナトリウム、デキストリン、及びトレハロースより選択される少なくとも1種の可食性成分の存在下でナリンギン分解活性を有する酵素で処理する工程、及び当該処理物からイソクエルシトリン画分を取得する工程を有する、イソクエルシトリンの製造方法。 グリセロールの脂肪酸エステルが、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、及びデカグリセリンステアリン酸エステルより選択される少なくとも1種である請求項1に記載するイソクエルシトリンの製造方法。 ルチンを、クズ粉、片栗粉、及び穀類を原料とする食品素材から選択される少なくとも1種の可食性成分の存在下でナリンギン分解活性を有する酵素で処理する工程、及び当該処理物からイソクエルシトリン画分を取得する工程を有する、イソクエルシトリンの製造方法。 穀類を原料とする食品素材が、米、大麦、小麦、ライ麦、ライ小麦、エンバク、とうもろこし、ひえ、粟、もろこし、キビ、ハトムギ、豆類、及び蕎麦から選択される穀類を原料とする食品素材である請求項3に記載するイソクエルシトリンの製造方法。 穀類を原料とする食品素材が、小麦タンパク質、小麦粉、小麦フスマ、及び小麦胚芽から選択される小麦を原料とする食品素材である、請求項3に記載するイソクエルシトリンの製造方法。 ルチンを、ゼラチン、小麦グルテン、キトサン、レシチン、グリセロールの脂肪酸エステル、キサンタンガム、カラギナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カゼイン、酵素分解ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、コンニャクイモ抽出物、ジェランガム、グァーガム、大豆タンパク、寒天、ペクチン、酵母エキス、卵白ペプチド、クラスターデキストリン、アラビアガム、アルギニン、メタリン酸ナトリウム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ピロ燐酸ナトリウム、グルコサミン、キチン、グルタミン酸ナトリウム、デキストリン、及びトレハロースから選択される少なくとも1種の可食性成分の存在下でナリンギン分解活性を有する酵素で処理する工程、及び当該処理物からラムノース画分を取得する工程を有する、ラムノースの製造方法。 グリセロールの脂肪酸エステルが、ヘキサグリセリンジステアリン酸エステル、テトラグリセリンモノオレイン酸エステル、テトラグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、及びデカグリセリンステアリン酸エステルより選択される少なくとも1種である、請求項6に記載するラムノースの製造方法。 ルチンを、クズ粉、片栗扮、及び穀類を原料とする食品素材から選択される少なくとも1種の可食性成分の存在下でナリンギン分解活性を有する酵素で処理する工程、及び当該処理物からラムノース画分を取得する工程を有する、ラムノースの製造方法。 穀類を原料とする食品素材が、米、大麦、小麦、ライ麦、ライ小麦、エンバク、とうもろこし、ひえ、粟、もろこし、キビ、ハトムギ、豆類、及び蕎麦から選択される穀類を原料とする食品素材である請求項8に記載するラムノースの製造方法。 穀類を原料とする食品素材が、小麦タンパク質、小麦粉、小麦フスマ、及び小麦胚芽から選択される小麦を原料とする食品素材である、請求項8に記載するラムノースの製造方法。 (i)ルチンを、ゼラチン、小麦グルテン、キトサン、レシチン、グリセロールの脂肪酸エステル、キサンタンガム、カラギナン、コンドロイチン硫酸ナトリウム、カゼイン、酵素分解ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、コンニャクイモ抽出物、ジェランガム、グァーガム、大豆タンパク、寒天、ペクチン、酵母エキス、卵白ペプチド、クラスターデキストリン、アラビアガム、アルギニン、メタリン酸ナトリウム、カラヤガム、ローカストビーンガム、ピロ燐酸ナトリウム、グルコサミン、キチン、グルタミン酸ナトリウム、デキストリン、及びトレハロースより選択される少なくとも1種の可食性成分の存在下でナリンギン分解活性を有する酵素で処理する工程、および(ii)上記で得られた処理物からイソクエルシトリン画分を取得する工程を経てイソクエルシトリンを製造し、(iii)上記で得られたイソクエルシトリンをグルコシダーゼまたはトランスグルコシダーゼで処理する工程、を有する、下式(1):(式中、Glcはグルコース残基、nは1以上の整数を示す)で示されるα−グリコシルイソクエルシトリンの製造方法。 上記α−グリコシルイソクエルシトリンが、上記式(1)においてnが1〜7の整数であるものである、請求項11に記載するα−グリコシルイソクエルシトリンの製造方法。


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