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タイトル:特許公報(B2)_活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物及び皮膚貼付剤
出願番号:2005513470
年次:2010
IPC分類:A61K 9/70,A61L 15/58,A61K 47/30,A61P 29/00,A61F 13/02


特許情報キャッシュ

伊藤 賢司 神谷 大介 JP 4600283 特許公報(B2) 20101008 2005513470 20040827 活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物及び皮膚貼付剤 東亞合成株式会社 000003034 伊藤 賢司 神谷 大介 JP 2003303746 20030827 20101215 A61K 9/70 20060101AFI20101125BHJP A61L 15/58 20060101ALI20101125BHJP A61K 47/30 20060101ALI20101125BHJP A61P 29/00 20060101ALI20101125BHJP A61F 13/02 20060101ALI20101125BHJP JPA61K9/70 401A61L15/06A61K47/30A61P29/00A61F13/02 310J A61K 9/70 A61F 13/02 A61K 47/30 A61L 15/58 A61P 29/00 CA/REGISTRY(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特許第4259524(JP,B2) 特開昭63−066118(JP,A) 特開昭64−003116(JP,A) 特開昭61−205209(JP,A) 特開平11−124404(JP,A) 国際公開第00/032710(WO,A1) 7 JP2004012358 20040827 WO2005021042 20050310 27 20061027 清野 千秋 本発明は、特定のマレイミド基を2個以上有する化合物からなる活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物及び当該組成物から形成された粘着層を有する皮膚貼付剤に関するものであり、これらを利用する技術分野において賞用され得るものである。 貼付剤は、皮膚面の損傷部の保護や、疾患治療用の薬効成分を経皮吸収させ生体内へ投与する目的等に使用されている。具体的には、救急絆、磁気絆、サージカルテープ、促進創傷被覆材(ドレッシング材)、スポーツテーピング用テープ、テープ製剤、プラスター及びパップ剤等が知られている。 貼付剤に要求される性能としては、皮膚への接着性に優れ、剥離時に痛みや角質層の剥離を起こさないこと、さらに皮膚に直接貼付るために、低皮膚刺激性や安全性が高いこと等が挙げられる。 貼付剤で使用される粘着剤成分としては、通常、アクリル系重合体やゴム系樹脂を、有機溶剤に溶解させた溶剤系粘着剤が使用されている(例えば、特許文献1及び同2)。 しかしながら、溶剤系粘着剤は、貼付剤に加工する際等に発散する有機溶剤の環境への影響や、さらに粘着剤塗膜中の残留溶剤による安全性が懸念されるため、有機溶剤を使用しない粘着剤が近年要求される様になってきている。 溶剤系粘着剤の代替品としては、低粘度で扱いやすく、溶剤系の塗工装置が応用し易すく、耐水性に優れる等の理由で、紫外線や可視光線等の活性エネルギー線で硬化する活性エネルギー線硬化型粘着剤が検討されている。 活性エネルギー線硬化型粘着剤をはじめとする活性エネルギー線硬化型組成物は、通常、原料成分単独では架橋・硬化しない為に、光重合開始剤又は光増感剤(以下これらをまとめて光重合開始剤等という)を添加する必要がある。 光重合開始剤等は、その添加量を増やすと硬化が速く進行するため、添加量が多くなる傾向にある。ところが、光重合開始剤等は光を効率的に吸収する為に芳香環を有する化合物が用いられているため、これを原因として、得られる硬化塗膜が黄変してしまうという問題を有するものである。 又、光重合開始剤等は、重合反応を効率的に開始させるために、通常は低分子量化合物が使用される。しかしながら、当該組成物に活性エネルギー照射する際は重合熱により温度が上昇するが、低分子量の光重合開始剤等は蒸気圧が高いため、硬化時に顕著に悪臭が発生して作業環境の問題が発生したり、得られた製品を汚染する問題を有するものである。又、その硬化塗膜中には、未反応の光重合開始剤等の分解物が残存するので、この硬化塗膜に光又は熱が作用した際に、硬化塗膜が黄変したり、悪臭を発生するという問題点があった。 さらに、貼付剤に使用する場合においては、硬化塗膜が水で濡れたり、人体が発散する汗等に触れると、未反応の光重合開始剤等が多量にブリードするため、安全衛生面にも問題があった。 これら光重合開始剤等を含む活性エネルギー線硬化型組成物の欠点を改良するために、光重合開始剤等を含有せず、活性エネルギー線の照射により硬化し得る組成物が検討されている(例えば、特許文献3〜同6等)。 特開平7−69870号公報(特許請求の範囲)特開平11−12163号公報(特許請求の範囲)特開平11−124403号公報(特許請求の範囲)特開平11−124404号公報(特許請求の範囲)特開2001−219508号公報(特許請求の範囲)特開2001−220567号公報(特許請求の範囲) しかしながら、特許文献3及び同4には、マレイミド基を有する化合物を含む組成物の用途として、粘着剤が開示されているものの、二十数種の用途が列記された中で、これらと同列に開示されているに過ぎず、当然皮膚貼付の用途は全く開示されていない。 一方、特許文献5及び同6で開示されたマレイミド基を有する化合物を含む組成物は、いずれも接着剤であり、硬化塗膜は粘着性を有しないか、又は粘着性に乏しいものであり、粘着剤として使用し難いものであった。さらに、特許文献6に記載されたマレイミド基を有する化合物は、結晶性を有し融点が40℃以上であり常温で液状でないため、特に粘着性に乏しいものであり、粘着剤として使用し難いものであった。 本発明者らは、常温で液状であり、可視光線又は紫外線を照射した場合においても、光重合開始剤の非存在下で実用的な架橋性又は硬化性を有し、得られる硬化塗膜が、着色せず、各種粘着性能に優れるうえ、皮膚への貼付けと剥離を繰り返しても貼付部の痛みや角質層を痛めることがない適度な粘着性を有し、又耐水性にも優れる活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物を見出すため鋭意検討を行ったのである。 本発明者らは、上記課題を解決すべく種々の検討を行った結果、マレイミド基を2個以上有する化合物と油性成分又は水若しくは水溶性化合物を含有する皮膚貼付剤用組成物が、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。 以下、本発明を詳細に説明する。1.(A)マレイミド基を2個以上有する化合物 本発明の活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物は、マレイミド基を2個以上有する化合物(以下マレイミド化合物ともいう)を必須とするものである。 (A)成分におけるマレイミド基としては、種々の官能基が使用でき、下記式(1)〜式(4)で表されるものを使用する。 〔但し、式(1)において、R1はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はハロゲン原子を表す。〕 〔但し、式(3)において、R2及びR3はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はハロゲン原子を表す。〕 〔但し、式(4)において、R4は置換基を有することもあるプロピレン基又はブチレン基を表す。〕 前記式(1)及び式(3)において、R1〜R3のアルキル基としては、炭素数4以下のものが好ましく、特に好ましくはメチル基である。アリール基としてはフェニル基等を挙げることができる。アリールアルキル基としてはベンジル基等を挙げることができる。 R1〜R3としては、これらの中でもアルキル基が好ましく、炭素数4以下のアルキル基がより好ましく、特に好ましくはメチル基である。 前記式(4)において、R4の置換基を有することもあるプロピレン基又はブチレン基としては、入手が容易で、各種粘着性能に優れる点で、ブチレン基が好ましい。置換基を有するプロピレン基又はブチレン基の場合、置換基としては、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。置換基を有するプロピレン基又はブチレン基の具体例としては、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等が挙げられる。 本発明における(A)成分は、架橋又は硬化(以下、これらをまとめて「硬化」という)性能に優れ、得られた硬化膜が耐水性に優れるという理由で、下記(ア)成分又は(イ)成分から選択されるマレイミド化合物を必須とするものを使用する。(ア):前記式(1)で表されるマレイミド基を2個以上有する化合物(以下化合物1という)。(イ):(a)前記式(2)で表されるマレイミド基を2個以上有する化合物(以下化合物2という)及び(b)前記式(3)で表されるマレイミド基を2個以上有する化合物(以下化合物3という)又は/及び前記式(4)で表されるマレイミド基を2個以上有する化合物(以下化合物4という)。 本発明で使用する(A)成分は、マレイミド基を有するため、活性エネルギー線の照射によりマレイミド基が2量化して、化合物の分子同志を架橋する。又、当該マレイミド基は、紫外線又は可視光線で硬化させる場合においても、光重合開始剤等の配合なしか、又は少量の配合で、紫外線又は可視光線の照射により2量化反応を起こすことができる。 又、本発明における(A)成分としては、常温で液状のものを使用する。これにより、塗工作業等の取り扱いが容易になる。一方、常温で固体のものは、取り扱い難いうえ、硬化塗膜の弾性率が高くて粘着性能が不十分なものとなることがある。尚、本発明において常温とは、25℃を意味する。 (A)成分の分子量としては、数平均分子量で1,000〜2万が好ましく、より好ましくは2,000〜1万であり、さらに好ましくは2,000〜8,000である。数平均分子量が1,000に満たないと、硬化塗膜の粘着力及びタックが低下する場合があり、他方2万を超えると、組成物の粘度が高くなり過ぎ、塗工性が低下したり、(B)成分を配合しても常温で液状の組成物とならないことがある。 尚、本発明において、数平均分子量とは、溶媒としてテトラヒドロフランを使用し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(以下GPCと略す)により測定した分子量をポリスチレンの分子量を基準にして換算した値である。 又、(A)成分が水溶性の重合体である場合は、数平均分子量とは、溶媒としてリン酸緩衝液を使用し、GPCにより測定した分子量をポリエチレンオキサイドの分子量を基準にして換算した値である。 本発明で使用する(A)成分は、マレイミド基を有すものであれば種々の化合物が使用可能である。(A)成分は、種々の方法で製造されたものが使用できるが、次の3種の化合物が、製造が容易である点で好ましい。 [1]末端に2個以上のイソシアネート基を有するプレポリマーと、マレイミド基及び活性水素基を有する化合物の付加反応物(以下化合物[1]という)。 [2]末端に2個以上のカルボキシル基を有するプレポリマーと、マレイミド基及び活性水素基を有する化合物のエステル化反応物(以下化合物[2]という)。 [3]末端に2個以上の水酸基を有するプレポリマーとマレイミド基を有するカルボン酸のエステル化反応物(以下化合物[3]という)。 以下、化合物[1]〜[3]について説明する。 1−1.化合物[1] 化合物[1]は、末端に2個以上のイソシアネート基を有するプレポリマー(以下単にウレタンプレポリマーという)と、マレイミド基及び活性水素基を有する化合物(以下単にマレイミド活性水素化合物という)の付加反応物であり、ウレタンプレポリマー1モルに対してマレイミド活性水素化合物を2モル以上反応させ製造する。 以下、ウレタンプレポリマー及びマレイミド活性水素化合物について説明する。 A)ウレタンプレポリマー ウレタンプレポリマーとしては、分子の末端に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば種々の化合物が使用できる。 ウレタンプレポリマーとしては、2個以上の水酸基を有するポリオール(以下単にポリオールという)と、2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート(以下単にポリイソシアネートという)との反応物等が挙げられる。 a1)ポリオール ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、及びラジカル重合性単量体から製造されたポリマーポリオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルポリオール及びポリエステルポリオールが、得られる硬化塗膜が低粘度で、得られる粘着剤が粘着性に加え、耐水性にも優れるものとなる点で好ましい。 ポリオールとしては、必要に応じて2種以上を併用することができる。 a1−1)ポリエーテルポリオール ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール及びポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール;エチレングリコール、プロパンジオール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン及びジペンタエリスリトール等のアルキレングリコールの、エチレンオキシド変性物、プロピレンオキシド変性物、ブチレンオキシド変性物及びテトラヒドロフラン変性物;エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、プロピレングリコールとテトラヒドロフランの共重合体、エチレングリコールとテトラヒドロフランの共重合体;ポリイソプレングリコール、水添ポリイソプレングリコール、ポリブタジエングリコール及び水添ポリブタジエングリコール等の炭化水素系ポリオール;並びにポリテトラメチレンヘキサグリセリルエーテル(ヘキサグリセリンのテトラヒドロフラン変性物)等が挙げられる。 ポリエーテルポリオールとしては、これらの中でも、プロピレンオキサイド単位を必須とするものが好ましい。これにより、得られるマレイミド化合物を、液状のものとすることができる。 又、プロピレンオキサイド単位を必須とするポリエーテルポリオールとしては、(B)成分として油性成分又は水若しくは水溶性化合物のいずれかを配合するかに応じて、プロピレンオキサイド単位に、さらにエチレンオキサイド単位を有するものを使用し、プロピレンオキサイド単位の割合を調整して使用することができる。 プロピレンオキサイド単位及びエチレンオキサイド単位を有するポリエーテルポリオールを使用する場合において、プロピレンオキサイド単位の割合としては、油性成分を配合するときは、プロピレンオキサイド単位の割合が高いものが好ましく、具体的には、プロピレンオキサイド単位及びエチレンオキサイド単位の合計量を基準として、プロピレンオキサイド単位が30〜100質量%のものが好ましく、60〜100質量%のものがより好ましい。又、水若しくは水溶性化合物(以下これらをまとめて「水性成分」という)を配合するときは、具体的には、プロピレンオキサイド単位が1〜90質量%のものが好ましく、15〜90質量%のものがより好ましい。 a1−2)ポリエステルポリオール ポリエステルポリオールは、多価カルボン酸と多価アルコールとのランダム共縮重合物である。これらの中でも、脂肪族ポリエステルポリオールが組成物の活性エネルギー線による硬化性に優れるため好ましい。 ここで、多価カルボン酸としては、分子内に2個以上のカルボキシル基を有するものであれば種々のものが使用できる。具体的には、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコ酸二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、グルタル酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、マロン酸、フマル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、2,5−ノルボルナンジカルボン酸、1,4−テレフタル酸、1,3−テレフタル酸、ダイマー酸及びパラオキシ安息香酸等が挙げられる。 これらの中でも、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、より好ましくは、アジピン酸及びセバシン酸である。 多価カルボン酸は、必要に応じて2種以上を併用することができる。 多価アルコールとしては、分子内に2個以上の水酸基を有するものであれば種々のものが使用できる。具体的には、ブチルエチルプロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール及びポリエチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2デカンジオール、1,10−デカンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール及び1,4−シクロヘキサンジメタノール、ダイマー酸ジオール及び2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。 これらの中でも、脂肪族ジオールが好ましく、さらにブチルエチルプロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ダイマー酸ジオール及び2−メチル−1,8−オクタンジオールが、得られる組成物が、低粘度で、粘着性及び耐水性に優れるものとなるためより好ましい。 多価アルコールは、必要に応じて2種以上を併用することができる。 ポリエステルポリオールの製造方法としては、一般的なエステル化反応に従えば良く、触媒の存在下に、多価カルボン酸と多価アルコールを攪拌下に加熱する方法等が挙げられる。 前記触媒としては、エステル化反応で通常使用される触媒が使用でき、塩基触媒、酸触媒及び金属アルコキシド等が挙げられる。塩基触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の金属水酸化物、並びにトリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン及びトリフェニルアミン等のアミン類等が挙げられる。酸触媒としては、硫酸及びパラトルエンスルホン酸等が挙げられる。金属アルコキシドとしては、チタン、錫又はジルコニウムのアルコキサイドが好ましい。これら金属アルコキシドの具体例としては、テトラブチルチタネート等のテトラアルキルチタネート;ジブチルスズオキサイド及びモノブチルスズオキサイド等の錫のアルコキサイド;並びにジルコニウムテトラブトキサイド及びジルコニウムイソプロポキサイド等のジルコニウムのアルコキサイド等が挙げられる。 エステル化反応における反応温度及び時間としては、目的に応じて適宜設定すれば良い。反応温度としては、80〜220℃が好ましい。 脂肪族ポリエステルポリオールとしては、市販されているものを使用することができ、例えば、(株)クラレ製の“クラレポリオールP−5010”や“クラレポリオールP−5050”、協和発酵工業(株)製の“キョウワポール5000PA”や“キョウワポール3000PA”、デグサ ジャパン(株)製の“Dynacoll7250”等が挙げられる。 a1−3)ポリマーポリオール ラジカル重合性単量体から製造されたポリマーポリオールとしては、エチレン性不飽和基及び水酸基を有する単量体を必須成分とする重合体が挙げられる。より具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとこれ以外の(メタ)アクリレート等のラジカル重合性単量体を重合したもの等が挙げられる。 ポリマーポリオールの製造方法としては、ラジカル重合性単量体を溶液重合や高温連続重合法により製造する方法等が挙げられる。 a2)ポリイソシアネート ポリイソシアネートは、分子内に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば種々のものが使用可能であり、ジイソシアネートが好ましい。具体的には、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、1,5−オクチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイネシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート及びカルボジイミド変性4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。 これらの中でも、脂環族又は脂肪族のイソシアネートが、組成物の活性エネルギー線による硬化性及び硬化物の耐候性に優れる点で好ましい。脂環族又は脂肪族のイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート及びイソホロンジイソシアネートが好ましい。 ポリイソシアネートは、必要に応じて2種以上を併用することができる。 本発明において、ウレタンプレポリマーを製造する際のポリオールに対するポリイソシアネートの量は、基−NCO/基−OHの当量比が1〜3となる範囲が好ましく、より好ましくは1.5〜2.5であり、特に好ましくは1.8〜2.2である。 a3)ウレタンプレポリマーの製造方法 ウレタンプレポリマーの製造は常法に従えば良い。例えば、ポリオールとポリイソシアネートを、触媒の存在下に加熱する方法等が挙げられる。 触媒としては、一般的なウレタン化反応で使用される触媒が使用でき、例えば金属化合物及びアミン等が挙げられる。金属化合物としては、ジブチルスズジラウレート及びジオクチルスズジラウレート等のスズ系触媒;ジオクチル酸鉛等の鉛系触媒;K−KAT XC−4025、K−KAT XC−6212(KING INDUSTRIES,INC製)等のジルコニウム系触媒;K−KAT XC−5217(KING INDUSTRIES,INC製)等のアルミニウム系触媒;並びにテトラ2−エチルヘキシルチタネート等のチタネート系触媒が挙げられる。アミンとしては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリフェニルアミン及びトリエチレンジアミン等が挙げられる。 ウレタン化反応触媒の使用割合としては、皮膚への悪影響がない様に、極力少量使用することが好ましい。 又、ウレタンプレポリマー製造の際には、反応中のゲル化を防止する目的で、必要に応じてハイドロキノン及びトリエチルアミン等の一般的なラジカル重合禁止剤を用いることもできる。 さらに、ウレタンプレポリマー製造の際には、リン化合物を配合することができる。リン化合物を配合することにより、エステル化並びに開環重付加の際に使用した触媒の作用を停止させることができる。触媒の活性を失活させないと、得られたウレタンプレポリマーを水分の存在下で保管したり次の反応において水分の存在下に加熱した際、又は得られるマレイミド化合物及び組成物の硬化膜を、水分の存在下で保管した際に、エステル交換反応が起って、組成物の物性を著しく低下させてしまうことがある。 リン化合物としては、次の(イ)〜(ホ)で挙げる、無機又は有機リン化合物等が挙げられる。 (イ)リン酸及びそのアルキルエステル類 リン酸アルキルエステルとしては、トリアルキルエステルであるトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリノニルホスフェート及びトリフェニルホスヘート等が挙げられる。 (ロ)ホスホン酸有機エステル類 ジブチルブチルホスホネート等が挙げられる。 (ハ)亜リン酸 単独で使用するか、又は他のリン化合物と併用し、最も強力な色相安定効果、及び酸化分解防止効果を有する。 (ニ)亜リン酸の有機エステル類 ジブチル水素ホスファイト及びトリフェニルホスファイト等が挙げられる。但し、トリフェニルホスファイトは、マレイミド化合物中のポリエステル骨格の特性を低下させる場合もあり、その添加量に注意する必要がある。 (ホ)その他の無機リン化合物 ポリリン酸等が挙げられる。 リン化合物の使用量は、リン化合物の分子量(リン原子の含有率)に応じて適宜設定すれば良く、一般的にはポリエステルポリオール100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜1質量部である。リン化合物の使用量が0.001質量部未満では、添加の効果が認められず、3質量部より多い場合は効果が増すことがない。 B)マレイミド活性水素化合物 マレイミド活性水素化合物としては、マレイミド基を有するアルコール(以下マレイミドアルコールという)が好ましい。マレイミドアルコールとしては、下記式(5−1)〜式(5−4)のマレイミドアルキルアルコール等が挙げられる。 式(5−1)〜(5−4)において、R5はアルキレン基を表し、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキレン基が好ましい。式(5−1)、(5−3)及び(5−4)において、R1〜R4は前記と同様の基である。 C)(A)成分の製造方法 (A)成分の製造方法としては、ウレタンプレポリマーとマレイミド活性水素化合物を、一般的なウレタン化反応に従い製造すれば良い。具体的なウレタン化反応としては、前記と同様の方法が挙げられる。 (A)成分の製造においては、得られるマレイミド化合物の変色を防止するため、酸化防止剤の存在下に反応させることが好ましい。 酸化防止剤としては、一般に使用されるにフェノール系、亜リン酸トリエステル系及びアミン系酸化防止剤等が挙げられ、例えば特公昭36−13738号公報、特公昭36−20041号公報、特公昭36−20042号公報及び特公昭36−20043号公報に記載されている様な化合物を挙げることができる。 フェノール系酸化防止剤としては、種々のものが使用でき、ブチルヒドロキシトルエン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が特に好ましい。 フェノール系酸化防止剤には、その効果を高めるため、酸価亜鉛を併用することも出来る。 酸化防止剤の配合割合としては、ウレタンプレポリマー100質量部当り0.01〜2質量部が好ましい。この割合が0.01質量部より少ないと酸化防止剤の配合による十分な効果が発揮されない場合があり、又2質量部より多く配合しても、それ以上の効果が期待されず、コスト的に不利となる。 又、マレイミド化合物製造時には、前記したリン化合物を配合しても良い。 1−2.化合物[2] 化合物[2]は、末端に2個以上のカルボキシル基を有するプレポリマー(以下単にカルボン酸プレポリマーという)とマレイミド活性水素化合物のエステル化反応物である。 カルボン酸プレポリマーとしては、前記した多価カルボン酸とポリオール又は多価アルコールと同様のものを使用して製造されたもの等が挙げられる。 マレイミド活性水素化合物としては、前記と同様のものが挙げられる。 カルボン酸プレポリマーとマレイミド活性水素化合物のエステル化反応方法は、前記と同様の方法に従えば良い。 化合物[2]は、マレイミド化合物として、より低粘度のものが要求される場合に、好ましく使用できる。 1−3.化合物[3] 化合物[3]は、末端に2個以上の水酸基を有するプレポリマー(以下単にポリオールプレポリマーという)とマレイミド基を有するカルボン酸(以下マレイミドカルボン酸という)のエステル化反応物である。 ポリオールプレポリマーとしては、前記ポリオールと同様のものが挙げられる。 マレイミドカルボン酸としては、種々の化合物が使用でき、下記式(6−1)〜(6−4)で表される化合物が好ましい。 式(6−1)〜(6−4)において、いずれもR6はアルキレン基を表し、炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキレン基が好ましい。式(6−1)、(6−3)及び(6−4)において、R1〜R4は前記と同様の基である。 ポリオールプレポリマーとマレイミドカルボン酸のエステル化反応方法は、前記と同様の方法に従えば良い。 化合物[3]は、マレイミド化合物として、より低粘度のものが要求される場合に、好ましく使用できる。 1−4.好ましいマレイミド化合物 前記した化合物[1]〜[3]としては、化合物[1]が、化合物[2]及び[3]よりも反応速度が早く、収率が高く、簡便に製造できる点で好ましい。又、低粘度のマレイミド化合物が要求される用途の場合には、化合物[2]及び[3]が好ましい。 マレイミド化合物は、共重合組成を目的に応じて変化させることにより、組成物の粘度及び流動性、硬化塗膜の粘着力、保持力及びタック、(B)成分及び薬効成分の配合性、並びに皮膚貼付剤を皮膚に貼付する際の使用感及び剥離性を調整することができる。 本発明で使用する(A)成分としては、マレイミド基を有すものであれば種々の化合物が使用可能であるが、ポリエーテル骨格を有するもの及びポリエステル骨格を有するものが活性エネルギー線による硬化性に優れ、各種粘着性能に優れ、かつ硬化塗膜の耐水性に優れる点で好ましく、特に好ましくは、ポリエーテル骨格を有するものである。ポリエーテル骨格を有するマレイミド化合物は、粘着力が強過ぎることがなく、穏やかな粘着性能を示し、皮膚への貼付けと剥離を繰り返しても、貼付部の痛みや角質層を痛めることがない。 ポリエーテル骨格の中でも、プロピレンオキサイド単位を必須とするものが好ましい。 プロピレンオキサイド単位を必須とするポリエーテル骨格を有するマレイミド化合物としては、油性成分又は水性成分のいずれかを配合するかに応じて、プロピレンオキサイド単位に、さらにエチレンオキサイド単位を有するものを使用し、プロピレンオキサイド単位の割合を調整して使用することができ、その具体的な好ましい割合は、前記ポリエーテルポリオールの項で説明した通りである。 又、(A)成分としては、マレイミド基を2個有する化合物が、組成物の硬化塗膜の粘着力及びタックに優れるため好ましい。 2.(B)油性成分又は水若しくは水溶性化合物 本発明の組成物には、(B)成分の油性成分又は水若しくは水溶性化合物を配合する。これにより、皮膚への密着性を向上させ、皮膚貼付剤を剥がす際の皮膚の損傷を防止し、さらに後記する薬効成分を配合する場合は、薬効成分の組成物への可溶化を促し、薬効成分のキャリアとして作用し、さらに皮膚吸収性を向上させることができる。 (B)成分として、油性成分を配合するか、水若しくは水溶性化合物を配合するかの選択は、皮膚貼付剤の使用目的、使用する(A)成分の親水性及び親油性、薬効成分の親水性及び親油性に応じて選択すれば良い。 2−1.油性成分 油性成分としては、油性を示すものであれば種々のものが使用できる。 具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ネオデカン酸、トリメチルヘキサン酸及びネオヘプタン酸等の脂肪酸;ミリスチン酸イソプロピル等の前記脂肪酸のエステル;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール及びラウリルアルコール等の脂肪族アルコール;N−ラウリル−2−ピロリドン等の脂肪族ピロリドン、l−メントール、d−リモネン及びα−テルピネオール等のテルペン;ヘプタン、オクタン、ノナン及びデカン等のアルカン;並びにクロタミトン及びα−,β−,γ−シクロデキストリン等の薬効成分の可溶化剤及び経皮吸収促進剤として作用する物質等が挙げられる。又、これら以外にも、L−メントール、カンフル、チモール、ハッカ油、ヒマシ油、ウイキョウ油、ダイウイキョウ油、ケイヒ油、チョウジ油、チアミン油、テレピレン油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモン油、オレンジ油、ベルガモット油及びローズ油等の香料・清涼化剤として使用する物質等が挙げられる。 2−2.水若しくは水溶性化合物 水溶性化合物としては、水溶性を示すものであれば種々のものが使用できる。 具体的には、エタノール、プロパノール及びブタノール等のアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール及びグリセリン等のポリオール、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のアミン、並びにN−メチル−2−ピロリドン及び2−ピロリドン等のピロリドン等が挙げられる。 又、必要に応じて水溶性化合物を溶解させた水溶液を使用することもできる。この場合、水溶液中に水溶性化合物の割合としては、3〜80質量%であることが好ましい。 水若しくは水溶性化合物としては、水を単独使用するか、又は、水溶性化合物の水溶液を使用することが好ましい。 (B)成分としては、組成物が硬化性に優れたものとなる点で、365nmの波長における吸光度が1.0以下であるものが好ましい。この様な(B)成分としては、ミリスチン酸イソプロピル、N−メチル−2−ピロリドン、水及びエタノール等が挙げられる。 さらに後記する薬効成分を配合する場合は、薬効成分の組成物への可溶化を促し、薬効成分のキャリアとして作用し、さらに皮膚吸収性を向上させることができ、且つ、皮膚貼付剤を剥がす際の皮膚の損傷を防止することを満足できる点で、(B)成分として2種類以上の化合物を併用することが更に好ましい。この場合の化合物の選択は、薬効成分の溶解度、角質層への作用及び適度な粘着性に調整できること等を基準に、個々の目的に応じて適宜選択すればよい。例えば、薬効成分を溶解させ易い化合物と皮膚への適度な粘着性を発揮するための化合物を併用する例があり、具体的には、N−メチル−2−ピロリドンとミリスチン酸イソプロピルを併用する例等が挙げられる。 3.活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物 本発明の組成物は、(A)成分及び(B)成分を必須とし、常温で液状の組成物である。 (A)成分は、粘着剤成分として機能するものである。 (A)成分としては(ア)成分である化合物1、又は(イ)成分である(a)化合物2及び(b)化合物3又は/及び化合物4から選択されたものが好ましい。 (A)成分として(イ)成分を選択した場合、(a)成分及び(b)成分の割合としては、(a)成分及び(b)成分の合計量100質量部に対して、(a)成分が20〜40質量部で(b)成分80〜60質量部が好ましく、より好ましくは、(a)成分が25〜35質量部で(b)成分75〜65質量部である。(a)成分の割合が20質量部に満たないと、組成物の硬化性が低下したり、硬化塗膜の凝集力が低下することがある。一方、(a)成分の割合が40質量部を超えると、硬化塗膜の粘着性や耐水性が低下することがある。 (b)成分として、化合物3と化合物4を併用する場合は、化合物3及び化合物4の合計量100質量部に対して、化合物3が10〜90質量部で化合物4が90〜10質量部が好ましい。 (A)成分及び(B)成分の配合割合としては、目的に応じて適宜設定すればよい。(B)成分として油性成分を配合する場合は、(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、油性成分が0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは1〜30質量%である。又、水性成分配合する場合は、(A)成分及び(B)成分の合計量に対して、水性成分が0.1〜80質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜40質量%である。 本発明の組成物は、常温で液状でなければならない。これにより、塗工作業等の取り扱いが容易になる。一方、常温で固体のものは、取り扱い難いうえ、硬化塗膜の弾性率が高くて粘着性能が不十分なものとなる。 本発明の組成物には、前記必須成分に加え、必要に応じて種々の成分を配合することができる。以下それぞれの成分について説明する。 3−1.光重合開始剤等 本発明の組成物は、前記した通り、活性エネルギー線により容易に硬化し、さらに紫外線又は可視光により硬化させる場合でも、光重合開始剤を全く配合しないか又は少量の光重合開始剤等の配合で、優れた硬化性を有するものであるが、必要に応じて光重合開始剤等を配合することができる。 光重合開始剤を配合する場合において、光重合開始剤としては、ベンゾインとそのアルキルエーテル類、アセトフェノン類、アントラキノン類、チオキサントン類、ケタール類、ベンゾフェノン類及、キサントン類、アシルホスフィンオキシド類、α−ジケトン類等が挙げられる。 又、活性エネルギー線による感度を向上させるため、光増感剤を併用することもできる。 光増感剤としては、安息香酸系及びアミン系光増感剤等が挙げられる。これらは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの配合割合としては、(A)成分100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましい。 光重合開始剤としては、ベンゾフェノン類及びチオキサントン類のものが、組成物の硬化速度を向上させる効果が高く、好ましい。 3−2.反応性不飽和基を有する化合物 本発明の組成物には、硬化塗膜の粘着性能を高めるため、又は組成物の感度を調整するため、(メタ)アクリル系モノマー及び(メタ)アクリル系オリゴマー等の反応性不飽和基を有する化合物を配合しても良い。 (メタ)アクリル系モノマーとしては、アルキルアクリレート又はアルキルメタクリレート〔以下アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表す〕、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノールアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート、グリコールのモノ又はジ(メタ)アクリレート、ポリオールポリ(メタ)アクリレート及びポリオールアルキレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。 (メタ)アクリル系オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー及びエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー等を挙げることができる。 反応性不飽和基を有する化合物の配合割合としては、(A)成分100質量部に対して50質量部以下が好ましく、より好ましくは20質量部以下である。 3−3.重合体 本発明の組成物には、硬化前の粘度調整や硬化後の粘着性能を調整するために重合体を添加しても良い。当該重合体としては、特に限定しないが(メタ)アクリレート系重合体、ポリスチレン、ポリオレフィン等が挙げられる。これらの中でも、マレイミド基を有する(メタ)アクリレート系重合体が、硬化において本発明の(A)成分と架橋するため好ましい。 3−4.その他マレイミド化合物 本発明の組成物には、活性エネルギー照射による硬化性や、硬化塗膜の性能を阻害しない範囲で、マレイミド基を1個有する化合物を併用することができる。 当該化合物としては、上記と同様の骨格にマレイミド基を1個有する化合物及びマレイミド基とエチレン性不飽和基を有する化合物等を挙げることができる。 本発明の(A)成分が、前記したラジカル重合性単量体から製造されたポリマーポリオールを原料とした場合、当該ポリマーポリオールは、1分子中に2個以上の水酸基を有するものと1分子中に1個の水酸基を有するものとの混合物を使用することがある。この場合、得られる化合物は、マレイミド基を2個以上有する化合物とマレイミド基を1個有する化合物の混合物となるが、これをそのまま使用することができる。 マレイミド基を1個有する化合物の配合割合としては、(A)成分100質量部に対して80質量部以下が好ましく、より好ましくは50質量部以下である。 3−5.粘着性付与剤 本発明の組成物には、硬化塗膜のガラス転移温度(以下Tgと略す)を低下させたり、粘着性能を高めるために、粘着性付与剤を配合しても良い。 粘着性付与剤としては、種々のものが使用でき、例えば、ロジン系樹脂やテルペン系樹脂等の天然樹脂及びその誘導体、石油樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。これらの中でも、2重結合を有しないか、又は2重結合の比率の少ないものが、組成物の活性エネルギー線による硬化阻害が少ないため好ましい。 粘着性付与剤の配合割合としては、(A)成分100質量部に対して、20質量部以下が好ましく、より好ましくは10質量部以下である。粘着性付与剤の配合量が20部を超えると、組成物の粘度が高くなり過ぎて塗工性が低下する。 3−6.架橋剤 本発明の組成物には、凝集力を高めるために、高分子の分子間を架橋させる目的で、常温ですみやかに反応する架橋剤を添加して用いても良い。架橋剤としては、多価イソシアネート化合物、ポリオキサゾリン化合物、エポキシ樹脂、アジリジン化合物、ポリカルボジイミド樹脂及びカップリング剤等が挙げられる。 3−7.酸マスク剤 (A)成分として、ポリエステルを原料に使用した場合には、組成物に酸マスク剤を配合しても良い。 ポリエステルは、一般的に高温や多湿等の過酷な条件下で長期にわたり使用すると、加水分解して分子量が低下することが知られており、皮膚貼付剤でも保管する条件によっては粘着強度が低下したり、皮膚から剥がす際に膏体残りを生じる場合がある。 この場合、酸マスク剤を配合すれば、加水分解で生じたカルボキシル基をトラップし、更なる加水分解の進行を防止することができる。 酸マスク剤としては、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物及びエポキシ化合物等が挙げられる。 酸マスク剤の配合割合としては、(A)成分100質量部当り0.1〜2質量部が好ましい。 3−8.薬効成分 本発明の組成物を、医療用途等に使用する場合は、薬効成分を配合しても良い。 薬効成分としては、例えば、サリチル酸及び誘導体、インドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、チアプロフェン酸、ザルトプロフェン、プラノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アンピロキシカム、ピロキシカム、メロキシカム、ロルノキシカム、塩酸チアラミド、ジクロフェナクナトリウム、フェルビナク、ブフェキサマク及びメフェナム酸等の消炎剤;ニトログリセリン、硝酸イソソルビト及びピンドロール等の狭心症用薬剤;スコポラミン等の酔い止め剤;フェンタニル等の癌性疼痛剤;エストラジオール等のホルモン補充剤;塩酸クロニジン、メチルドパ、塩酸ヒドララジン、レシナミン、メシル酸ドキサゾシン、塩酸ブナゾシン、塩酸プラゾシン、カルベジロール、塩酸アロチノロール、塩酸ラベタロール、塩酸チリソロール、塩酸ベタキソロール、酒石酸メトプロロール、塩酸デラプリル、塩酸テモカプリル、カプトプリル、アラセプリル、塩酸ベナゼプリル、塩酸イミダプリル、マレイン酸エナラプリル、リシノプリル、ニフェジピン、塩酸マニジピン、塩酸ベニジピン、ニソルジピン及び塩酸ニカルジピン等の降圧剤;ニコチン等の禁煙補助剤;並びに塩酸ツロブテロール、硫酸オルシプレナリン、塩酸トリメトキノール、硫酸テルブタリン、硫酸イソプロテレノール、塩酸プロカテロール、テオフィリン、臭化イプラトロピウム、塩酸アゼラスチン、クロモグリク酸ナトリウム、イブジラスト、フマル酸ケトチフェン、オキサトミド及びトラニラスト等の喘息治療剤等が挙げられる。 薬効成分の配合割合は、目的に応じて適宜設定すれば良く、組成物中に0.1〜20質量%が好ましい。 3−9.その他 本発明の組成物には、着色や接着性能を高めるために充てん剤を添加しても良い。充填剤の具体的としては、各種シリカ類、染料、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄及びガラス繊維等が挙げられる。 又、用途に応じて、ハイドロキノン及びハイドロキノンモノメチルエーテル等のラジカル重合禁止剤を配合しても良い。 これら以外にも、消泡剤、染料及び顔料、増粘剤、潤滑剤、成膜助剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤、繊維助剤、洗浄剤、帯電防止剤、均染剤、分散安定剤、親水性樹脂、ラテックス、湿潤剤及びレベリング改良剤等の接着剤や粘着剤で使用される一般的な添加剤を、通常使用される割合で併用することができる。又、ジブチルヒドロキシトルエン及びブチルヒドロキシアニソール等の酸化防止剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等の防腐剤;並びに乳化剤等の皮膚貼付剤で使用される一般的な添加剤を、通常使用される割合で併用することができる。 又、粘度を調整するため、必要に応じて有機溶剤を配合することもできる。 さらに、前記したリン化合物及び酸化防止剤を配合することもできる。 4.皮膚貼付剤の製造方法 本発明の組成物は、皮膚貼付剤として、テープ、プラスター及びパップ剤等の種々の形態で使用できる。 本発明の組成物を使用した皮膚貼付剤の製造方法としては、常法に従えば良い。好ましい方法としては、例えば、支持体に本発明の組成物を塗工し、当該塗膜上に活性エネルギー線を照射して硬化させる等の方法が挙げられる。 得られ硬化塗膜は、粘着性を有し、プラスターやパップ剤のときの膏体層を形成する。 支持体としては、紙、布及びプラスチック等、並びにこれらを組み合せたもの等が挙げられる。布としては、織布、不織布及び編布等が挙げられる。プラスチックとしては、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン及びポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体等が挙げられる。 組成物の塗工方法としては、ロールコーティング、ダイコーティング及びナイフコーティング等が挙げられる。 支持体に対する組成物の塗工量は、使用する用途に応じて適宜選択すればよい。 好ましい塗工量は5〜200g/m2であり、より好ましくは10〜100g/m2である。5g/m2に満たないと粘着力が不足する場合があり、200g/m2を超えると、活性エネルギー線が深部まで到達し難いことにより目的とする性能が得られないことがある。 塗工処理の終了後に、活性エネルギー線を照射して、(A)成分のマレイミド基同士を架橋させて分子量を増大させ、得られる硬化塗膜の凝集力及び粘着力を向上させる。 この場合の活性エネルギー線の照射方法は、従来活性エネルギー線硬化型粘着剤で行われている方法に従えば良い。活性エネルギー線としては、可視光線、紫外線、X線及び電子線等が挙げられ、安価な装置を使用できることから、紫外線を使用することが好ましい。紫外線を使用する場合の光源としては、超高圧、高圧、中圧又は低圧水銀灯、メタルハライド灯、キセノンランプ、無電極放電ランプ及びカーボンアーク灯等が挙げられ、数秒乃至数分間照射すれば良い。 又、本発明の組成物の硬化塗膜のTgとしては、−10℃以下が好ましく、より好ましくは−30℃以下である。尚、本発明においてTgとは、動的粘弾性測定装置を使用し、温度依存性を測定して得られたtanδのピーク温度を意味する。 本発明の貼付剤の粘着力としては、10〜2200g/25mmが好ましく、より好ましくは10〜500g/25mmである。粘着力が10g/25mmに満たない場合は、皮膚への粘着性が不十分となることがあり、一方、2200g/25mmを超える場合は、皮膚への粘着性が強すぎ、角質層を痛めることがある。 5.用途 本発明の組成物から得られる皮膚貼付剤は、安全性が高く、種々の用途に使用可能である。 本発明の皮膚貼付剤は、前記した通り、テープ、プラスター及びパップ剤等の種々の形態で使用できる。 具体例としては、救急絆、磁気絆、サージカルテープ、促進創傷被覆材、スポーツテーピング用テープ及び経皮吸収貼付剤等が挙げられる。 サージカルテープは、カテーテルを体に固定する場合に使用されるものである。促進創傷被覆材は、ドレッシング材とも呼ばれ、傷をぴったりと覆うことで外部からの感染を防ぎつつ痛みを和らげ、傷を湿潤環境に保つ治癒に使用されるものである。スポーツテーピング用テープは、運動時の傷害予防、応急処置及び再発防止(リハビリテーション)等で関節や筋肉の傷害部分の保護と強化するものである。 本発明の組成物は、経皮吸収貼付剤、プラスター及びパップ剤として有用であり、これらの用途について、以下、詳細に説明する。 5−1.経皮吸収貼付剤 経皮吸収貼付剤は、薬効成分を皮膚から吸収させ、体内に導く経皮吸収治療システム(以下TTSという)で使用されるテープ製剤である。 本発明の組成物は、経皮吸収貼付剤で使用される、粘着成分の原料として使用することができる。 経皮吸収貼付剤の薬効成分としては、例えば、前記した薬効成分における、消炎剤、狭心症用薬剤、酔い止め剤、癌性疼痛剤、ホルモン補充剤、降圧剤、禁煙補助剤及び喘息治療剤等を主薬としたもの等が挙げられる。 経皮吸収貼付剤には、薬効成分の吸収促進のために、吸収促進剤を配合することが好ましい。薬効成分を角質層の脂質に作用する吸収促進剤としては、例えば、前記した油性成分の他、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、尿素、ジメチルアセタミド等のアミド、アミン、テルペン及び界面活性剤等が挙げられる。薬効成分のキャリアとして作用する吸収促進剤としては、前記油性成分で挙げたもの及び水溶性化合物等が挙げられる。 本発明の組成物は、リザーバー型TTS、マトリックス型TTS及び粘着剤型TTSで使用される、いずれの経皮吸収貼付剤にも使用可能である。 経皮吸収貼付剤の製造例を、粘着剤型TTSを例に挙げ説明すると、例えば、薬効成分及び吸収促進剤を含む組成物を、基材に塗工し、活性エネルギー線を照射して本発明の組成物を硬化させ、裁断する方法等が挙げられる。 5−2.プラスター プラスターは、常温固体の硬膏を、紙、布及びプラスチック等の支持体に伸ばし、皮膚に密着させて使用する外用剤である。 本発明の組成物は、プラスターで使用される、硬膏の粘着剤成分として使用することができる。 硬膏成分としては、脂肪、脂肪油、脂肪酸塩、ろう、樹脂、精製ラノリン及びゴム等が挙げられる。薬効成分としては、前記した薬効成分が挙げられる。 5−3.パップ剤 パップ剤は、薬効成分の粉末と精油成分を含むもので、布等の支持体に展伸成形した、湿布に用いられる外用剤である。 本発明の組成物は、パップ剤で使用される、膏体基剤の粘着剤成分として使用することができる。 パップ剤の製造例を、成形パップ剤を例に挙げ説明すると、例えば、薬効成分、精油成分及び膏体基剤を練合わせ、膏体とし、これを支持体に展伸し、活性エネルギー線を照射して本発明の組成物を硬化させ、この上にライナーで被覆し、裁断して製造される。 薬効成分としては、サルチル酸誘導体等を主として、前記した薬効成分が挙げられる。膏体基剤としては、本発明の組成物の他に、ポリアクリル酸ナトリウム、ゼラチン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール及び精製水等が挙げられる。ライナーとしては、ポリエステル、ポリエチレン及びポリプロピレン等が挙げられる。 本発明の組成物によれば、常温で液状であるため取り扱いが容易で塗工性に優れる。又、可視光線又は紫外線を照射した場合においても、光重合開始剤の非存在下で実用的な架橋性又は硬化性を有するため、臭気や毒性が少なく安全なものとなる。さらに得られる硬化塗膜は、着色せず、各種粘着性能に優れるうえ、皮膚への貼付けと剥離を繰り返しても貼付部の痛みや角質層を痛めることがなく、又耐水性に優れる性質を有する。 本発明の組成物は、前記(A)成分及び(B)成分を必須とすれば良いが、(A)成分として、以下のものが好ましい。 即ち、(A)成分としては、常温で液状のものが好ましい。さらに、(A)成分としては、前記(ア)成分又は(イ)成分が好ましい。又、(A)成分としては、ポリエーテル骨格及びポリエステル骨格を有するものが好ましく、ポリエーテル骨格を有するものが特に好ましい。さらに、数平均分子量として、1,000〜2万のものが好ましい。 さらに、組成物中に薬効成分を含むものが好ましい。 以下に、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。 尚、以下において、「%」とは、質量%を意味する。 ○製造例1 攪拌機、温度計及び冷却器を備えたフラスコに、室温でポリエーテルポリオールのアデカポリエーテルP−3000〔ポリプロピレングリコール、旭電化工業(株)製、以下P−3000という〕を270g仕込み、撹拌しながら温度を120℃まで上げ、減圧下で1時間脱水した。 脱水後、60℃まで冷却し、これにイソフォロンジイソシアネート(以下IPDIという)40.4g、及び、ジラウリン酸ジ−n−ブチル錫(以下DBTLという)0.050gを仕込み2時間反応させた。その後、80℃に昇温して更に30分間反応を継続した後、2−ヒドロキシエチルシトラコイミド〔下記式(7)の化合物。以下CM−ETAという。〕28.5gを仕込み2時間反応させてマレイミド化合物を得た。 この化合物の25℃における粘度は26,000mPa・sであり、数平均分子量(以下Mnと略す)は約3,800であった。この化合物をM1という。 ○製造例2〜9、比較製造例1 製造例1において、下記表に示す成分及び量で使用する以外は、製造例1と同様の条件でマレイミド化合物を製造した。 得られた化合物の粘度及びMnを表1に示す。 表1における略号は、以下の意味を示す。1)CM−294:ポリエーテルポリオール、旭電化工業(株)製アデカポリエーテルCM−2942)70−4000:ポリエーテルポリオール、三洋化成工業(株)製ニューポール70−40003)80−4000:ポリエーテルポリオール、三洋化成工業(株)製ニューポール80−40004)PR−2008:ポリエーテルポリオール、旭電化工業(株)製アデカポリエーテルPR−20085)5000PA:ポリエステルポリオール、協和発酵工業(株)製キョーワポール5000PA6)PE−68:ポリエーテルポリオール、三洋化成工業(株)製ニューポールPE−687)PPG:ポリプロピレングルコール、EO:エチレンオキサイド単位、PO:プロピレンオキサイド単位、DMPD:2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール8)単位:mPa・s9)ML−ETA:下記式(8)で表される化合物 10)DM−ETA:下記式(9)で表される化合物 11)HT−ETA:下記式(10)で表される化合物 ○実施例1〜13、比較例1〜7 上記製造例及び比較製造例で製造したマレイミド化合物を使用し、表2の配合処方で均一になるまで十分に混合後、脱泡して皮膚貼付剤用組成物を調製した。 支持体シートである厚さ50μmのポリエステルフィルムの表面に、膜厚が50μmになるように得られた組成物を塗布し、ベルトコンベアを有する紫外線照射装置を用いて、120W/cm集光型高圧水銀灯(1灯、高さ10cm)下を10m/minのコンベアスピードで4パス通過して塗布面側から紫外線を照射(積算光量=1200mJ/cm2)し、組成物を硬化させ貼付剤を製造した。 尚、実施例10及び比較例6では、組成物を50℃に加温して塗布した。又、比較例7では、C1を80℃に加熱溶融して塗布した。 又、実施例11及び12では、組成物を積算光量=600mJ/cm2で硬化させ、実施例13では、組成物を積算光量=2400mJ/cm2で硬化させた。 得られた貼付剤を長さ方向200mm、幅方向25mmに切断し試験体とした。 得られた試験体について、以下の評価を行った。それらの結果を表2に示す。[1]粘着力 試験体の180度剥離強度について、23℃、65%RHの条件において、試験板としてベークライト板を使用し、その他はJIS Z−0237に準じて、ベークライト板に長さ100mm分を貼付けて荷重2kgのローラーで圧着し、30分間放置後(接着力1)と24時間放置後(接着力2)の剥離強度を測定した。 [2]タック JIS Z−0237の球転法に準じて、23℃、65%RH雰囲気下で測定した。 [3]ブリード 試験体の硬化塗膜(膏体層)を指触し、指先に残る油性成分又は水性成分等のブリードを、以下の3段階で評価した。 ○:ブリードなし、△:僅かにブリードあり、×:ブリードあり [4]膏体残り 前記[1]と同様の条件下で貼付け、24時間放置後の剥離強度を測定したときのベークライト板への膏体層の残存(投錨破壊又は凝集破壊による膏体残り)を目視及び指触して観察し、以下の3段階で評価した。 ○:なし、△:僅かにあり、×:あり [5]皮膚使用感 試験体を5名の手の甲に貼付けて、目視及び指触して観察し、皮膚への粘着性及び使用感を以下の4段階で評価した。 ◎:適度な粘着性であり、特に使用感に優れる。 ○:適度な粘着性であり、使用感に優れる。 △:粘着力が強過ぎて、使用感が悪い。 ×:粘着力が弱過ぎて、十分に貼付かない。 [6]皮膚剥離性 試験体を5名の手の甲に貼付け、30分間放置後にゆっくりと剥がしたときの糊面上に付着した剥れた角質の有無(角質層の破壊状態)を目視で観察し、以下の4段階で評価した。 ◎:全く破壊なし、○:殆ど破壊なし、△:破壊あり、×:著しく破壊あり 表2における略号は、以下の意味を示す。なお、カッコ内の値は、365nmの波長における吸光度(Abs)を示す。1)IPM:ミリスチン酸イソプロピル(Abs=0.01)2)OLA:オレイン酸(Abs=1.43)3)10%EtOH:10%エタノール水溶液(Abs=0.01以下)4)NMP:N−メチル−2−ピロリドン(Abs=0.03)5)CRT:クロタミトン(Abs=2.02)6)単位は、g/25mm ○実施例14〜24(薬効成分を含む貼付剤組成物) 上記製造例で製造したマレイミド化合物を使用し、表3の配合処方で均一になるまで十分に混合後、脱泡して皮膚貼付剤用組成物を調製した。 支持体シートである厚さ50μmのポリエステルフィルムの表面に、膜厚が表3に示す厚さになるように得られた組成物を塗布し、ベルトコンベアを有する紫外線照射装置を用いて、120W/cm集光型高圧水銀灯(1灯、高さ10cm)下を10m/minのコンベアスピードで通過して塗布面側から紫外線を照射(1パスの積算光量は300mJ/cm2)し、表3に示す積算光量になるまで照射を繰り返して組成物を硬化させて貼付剤を製造した。 得られた貼付剤を長さ方向200mm、幅方向25mmに切断し試験体とした。得られた試験体について、前記と同様の評価を行った。それらの結果を表4に示す。 表3における略号は、前記と同様の意味を示す。 表4における略号は、以下の意味を示す。1)単位は、g/25mm 本発明の活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物は、皮膚貼付剤を使用する種々の用途に利用できる。 (A)下記(ア)成分又は(イ)成分から選択される常温で液状のマレイミド基を2個以上有する化合物、及び(B)油性成分又は水若しくは水溶性化合物を含有してなる組成物であって(但し、アミノ基を有するたんぱく質又はアミノ基を有する多糖類を含まないものである)、常温で液状を有する活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物。(ア):下記式(1)で表されるマレイミド基を2個以上有しポリエーテル骨格又はポリエステル骨格を有する化合物。〔但し、式(1)において、R1はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はハロゲン原子を表す。〕(イ):(a)下記式(2)で表されるマレイミド基を2個以上有しポリエーテル骨格又はポリエステル骨格を有する化合物及び(b)下記式(3)で表されるマレイミド基を2個以上有しポリエーテル骨格又はポリエステル骨格を有する化合物又は/及び下記式(4)で表されるマレイミド基を2個以上有しポリエーテル骨格又はポリエステル骨格を有する化合物。〔但し、式(3)において、R2及びR3はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はハロゲン原子を表す。〕〔但し、式(4)において、R4は置換基を有することもあるプロピレン基又はブチレン基を表す。〕 前記(A)成分が、数平均分子量1,000〜2万を有するものである請求項1記載の活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物。 前記(A)成分が、下記[1]〜[3]のいずれかの化合物である請求項1又は請求項2のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物。[1]末端に2個以上のイソシアネート基を有するプレポリマーと、マレイミド基及び活性水素基を有する化合物の付加反応物。[2]末端に2個以上のカルボキシル基を有するプレポリマーと、マレイミド基及び活性水素基を有する化合物のエステル化反応物。[3]末端に2個以上の水酸基を有するプレポリマーとマレイミド基を有するカルボン酸のエステル化反応物。 前記(A)成分が、上記[1]の化合物である請求項3に記載の活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物。 前記(A)成分が、上記[1]の化合物であって末端に2個のイソシアネート基を有するプレポリマーと、マレイミド基及び活性水素基を有する化合物の付加反応物である請求項4に記載の活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物。 さらに薬効成分を含有してなる請求項1〜請求項5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型皮膚貼付剤用組成物。 支持体に、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の組成物を塗布した後、活性エネルギー線の照射により硬化させてなる皮膚貼付剤。


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