| タイトル: | 公開特許公報(A)_アビエタン型キノンメチド化合物の製法 |
| 出願番号: | 2005367529 |
| 年次: | 2007 |
| IPC分類: | C07C 45/29,C07C 49/737 |
多田 全宏 石丸 宏策 JP 2007169202 公開特許公報(A) 20070705 2005367529 20051221 アビエタン型キノンメチド化合物の製法 国立大学法人東京農工大学 504132881 下田 昭 100110249 赤尾 謙一郎 100113022 小山 尚人 100102130 多田 全宏 石丸 宏策 C07C 45/29 20060101AFI20070608BHJP C07C 49/737 20060101ALI20070608BHJP JPC07C45/29C07C49/737 7 OL 19 特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年11月1日 日本化学会発行の「第49回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会講演要旨集」に発表 4H006 4H006AA02 4H006AC44 4H006BE90 4H006BJ30 4H006BR70 この発明は、フェルギノールやトタロール等のアビエタン型ジテルペン化合物からアビエタキノンメチド等のアビエタン型キノンメチド化合物を製造する方法に関し、より詳細には、抗菌物質として有用なアビエタン型キノンメチド化合物の大量生産に適した方法に関する。 近年、各種の抗生物質に対して耐性を有する細菌、中でもMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)による院内感染は医療現場で深刻な被害を与えており、強い抗MRSAや抗VRE活性を有する新規化合物の創製が望まれている。 本発明者らは、これまでに12種類のフエノール性アビエタン型−ジテルペンを全合成し、それらのMRSAやVREに対する構造活性相関を検討した結果、キノンメチドが新規の抗MRSA、抗VRE活性を有する抗菌物質であることを示した(特許文献1、2)。その中で、特に11-ヒドロキシ-12-オキソ-7,9(11),13-アビエタトリエンはMRSAやVREに対しても比較的強い活性を示したが、これはアフリカのシソ科植物より単離された寄生虫駆除薬でもあり、これまで慣用名がないアビエタン型キノンメチドであることから、以下アビエタキノンメチド(abietaquione methide)と呼ぶ。 これまでに本発明者らが報告したアビエタキノンメチドの合成法はステップ数が多く、収率も低かった(非特許文献1、2)。特開2002-80419特開2003-267910J. Chem. Soc. Perkin 2657-2664(2000)Bioorg. Med. Chem., 9(2), 347-356(2001) これまでに本発明者らが報告したアビエタキノンメチドの合成経路では、合成中間体であるフェルギノール(ferruginol)をポリエンの環化反応を経て全合成した(非特許文献1、2)。このフェルギノールのオルト位の酸化によるアビエタキノンメチドの合成は、Seによるフェルギノールの直接酸化、異性化による合成法もしくはフェルギノールを過酸化ベンゾイル(benzoyl peroxide, BPO)による酸化、還元、空気酸化による方法であった。しかし、Se酸化はセレン自体が毒物であり、BPOが扱い方によっては爆発するの可能性があり日本では製造中止になっていることから、より安全なオルト位酸化反応の開発する必要があった。更に、この合成法はステップ数が多く、全収率も0.4%と低かった。 本発明は、従来の方法より安全かつ簡便で収率が高いアビエタキノンメチドを含むアビエタン型キノンメチド化合物(quinone methide compound with abietane skelton)の合成法を提供することを目的とする。 本発明者らは、紙やプラスチックの添加剤や医薬などの工業原料として大量に生産され安価に入手できるデヒドロアビエチン酸を原料にしてフェルギノールを合成し、酸化剤としてハロゲン化過酸化ベンゾイルを用いてフェルギノールの酸化を行った。 その結果、高収率でアビエタキノンメチドを合成することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。 即ち、本発明は、液相で下記一般式(式中、R1〜R4は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸基、水酸基含有アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、R5及びR6は、いずれも水素原子である、一方が水素で他方が水酸基である、又は両者が結合する炭素原子と共にカルボニル基(=C=O)を形成する。以下「アビエタン型ジテルペン化合物I」という。)又は下記一般式(式中、R1、R3〜R6、は上記と同様に定義される。以下「アビエタン型ジテルペン化合物II」という。)で表されるアビエタン型ジテルペン化合物と下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化過酸化ベンゾイルを反応させる段階、及び前段階の生成物を還元剤と反応させその後酸化剤と反応させる段階から成るアビエタン型キノンメチド化合物の製法であって、該アビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物Iの場合には、該アビエタン型キノンメチド化合物が下記一般式(式中、R1〜R6は上記と同様に定義される。)で表され、該アビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物IIの場合には、該アビエタン型キノンメチド化合物が下記一般式(式中、R1、R3〜R6は上記と同様に定義される。)で表されるアビエタン型キノンメチド化合物の製法である。 また本発明は、液相で下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化過安息香酸と下記一般式 R7−N=C=N−R7(式中、R7は、同一であっても異なってもよく、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。)で表されるカルボジイミド化合物を反応させる段階、前段階の反応液に上記アビエタン型ジテルペン化合物を混合する段階、及び前段階の生成物を還元剤と反応させその後酸化剤と反応させる段階から成る上記アビエタン型キノンメチド化合物の製法である。 更に、本発明は、液相で上記ハロゲン化過安息香酸と上記カルボジイミド化合物を反応させる段階、前段階の反応液に下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化安息香酸を混合する段階、前段階の反応液に上記アビエタン型ジテルペン化合物を混合する段階、及び前段階の生成物を還元剤と反応させその後酸化剤と反応させる段階から成る上記アビエタン型キノンメチド化合物の製法である。 更にまた、本発明は、液相で上記ハロゲン化安息香酸と上記カルボジイミド化合物を反応させる段階、前段階の反応液に上記ハロゲン化過安息香酸を混合する段階、前段階の反応液に上記アビエタン型ジテルペン化合物を混合する段階、及び前段階の生成物を還元剤と反応させその後酸化剤と反応させる段階から成る上記アビエタン型キノンメチド化合物の製法である。 本発明の製法の生成物であるアビエタン型キノンメチド化合物は、MRSAやVREに対して優れた抗菌作用を有することが示されていたが(特許文献1、2)、天然物から抽出する場合にはその量が極めて少なく、またその合成法も大量生産には向かない方法であったため、MRSAやVREに対する抗菌物質が望まれているにもかかわらず、そのような用途に供給できない状態であった。しかるに本発明により、アビエタン型キノンメチド化合物を大量に生産できる方法が開発されたことにより、抗菌物質としての検討や評価が容易に行なえるようになり、MRSAやVRE又はその他の菌に対する抗菌物資として大量に供給することのできる途が開かれたといえる。 本発明の製法の出発物質であるアビエタン型ジテルペン化合物は下式のいずれかで表される。即ち、このアビエタン型ジテルペン化合物は下記一般式で表されるアビエタン型ジテルペン化合物I、及び下記一般式で表されるアビエタン型ジテルペン化合物IIを含む。アビエタン型ジテルペン化合物IIは、上記のアビエタン型ジテルペン化合物Iの水酸基と置換基R1が同様の位置関係を保ちながら転移したものであり、本発明における反応において同様の反応を行う(後述)。 R1は、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸基、水酸基含有アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、好ましくは、炭素数が4以下のアルキル基を表し、より好ましくはイソプロピル基を表す。 R2は、水素原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシメチル基、水酸基、水酸基含有アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、好ましくは、水素原子、アルキル基、又はシアノ基を表し、より好ましくは水素原子を表す。 R3は、水素原子、アルコキシカルボニル基、又はアシル基を表し、好ましくは水素原子を表す。 R4は、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸基、水酸基含有アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、好ましくは、メチル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシカルボニル基を表し、より好ましくはメチル基を表す。 ここで、アルキル基は、その炭素数が1〜10であり、直鎖状、分岐鎖状のものである。具体的には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、t−ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどの基を挙げることができる。 アリール基は、好ましくは置換基を有しても有さなくてもよいフェニル基又はナフチル基である。 水酸基含有アルキル基は、好ましくはヒドロキシメチル基又はヒドロキシエチル基である。 アルコキシカルボニル基は、−COOR8で表され、R8としてはアルキル基、好ましくは炭素数が4以下のアルキル基、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。 アシル基は、−COR9で表され、R9としてはアルキル基、好ましくは炭素数が4以下のアルキル基、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。 ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子又は臭素原子が好ましい。 R5及びR6は、いずれも水素原子である、一方が水素で他方が水酸基である、又は両者が結合する炭素原子と共にカルボニル基(=C=O)を形成する。R5及びR6は、好ましくは両者とも水素原子である。 本発明で用いるハロゲン化過酸化ベンゾイル(XBPO)は下記一般式で表される。 Xはハロゲン原子、好ましくは塩素原子を表す。 nは1又は2を表し、好ましくは1である。 ハロゲン原子は、n=1の場合にはイプソ(ispo)位炭素に対して3位にあることが好ましく、n=2の場合には、3位と5位にあることが好ましい。 このハロゲン化過酸化ベンゾイルは市販のものを用いてもよいし、合成して用いてもよい。合成する場合には、液相で下記一般式(式中、X及びnは上記と同様である。)で表されるハロゲン化過安息香酸と下記一般式 R7−N=C=N−R7(式中、R7は、同一であっても異なってもよく、好ましくは同一であり、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表し、好ましくはシクロヘキシル基を表す。)で表されるカルボジイミド化合物を反応させることにより合成できる。 また、この反応中に反応液に下記一般式(式中、X及びnは上記と同様である。)で表されるハロゲン化安息香酸を加えることによっても合成できる。 この場合、カルボジイミド化合物を含む反応液に、ハロゲン化過安息香酸及びハロゲン化安息香酸を加える順序はいずれが先でもよいが、これらを同時に加えるとこれらの間の反応によるものと思われるハロゲン化過酸化ベンゾイルの収率の低下が起こるため好ましくない。 本発明の生成物であるアビエタン型キノンメチド化合物は、反応の出発物質であるアビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物Iの場合には、下記一般式(式中、R1〜R6は上記と同様に定義される。以下「アビエタン型キノンメチド化合物I」ともいう。)で表され、反応の出発物質であるアビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物IIの場合には、下記一般式(式中、R1、R3〜R6、は上記と同様に定義される。以下「アビエタン型キノンメチド化合物II」ともいう。)で表される。 以下、本発明によるアビエタン型ジテルペン化合物からアビエタン型キノンメチド化合物を合成する方法の概略を説明する。本発明に於ては、下記のいずれかの方法によりアビエタン型キノンメチド化合物を合成する。簡単のため、アビエタン型ジテルペン化合物としてフェルギノールやトタロールを用い、ハロゲン化過酸化ベンゾイルとしてm-クロロ過酸化ベンゾイル(mCBPO)を用いて説明する。そのほか、説明に用いる化合物により本発明は限定されない。(1)この反応は液相の2段階の反応で行なわれる。反応機構を下式に示す。 アビエタン型ジテルペン化合物(例えば、フェルギノール)をmCPBOと反応させると、過酸エステルの生成、[3,3]シグマトロピー転位を経てアビエタン型ジテルペン化合物のオルト位が酸化された化合物8又は化合物8’が生成する。この際、化合物8からエステル交換により化合物9も生成する。エステル交換生成物の構造は化合物8,9のフェノールをアセチル化することによって確認することができる。次いで化合物8,9の混合物又は化合物8’を還元し、カテコール生成を経て、酸化することによりアビエタン型キノンメチド化合物が合成される。 一段目の反応(化合物8,9の混合物又は化合物8’の合成まで)において、溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム又はトルエンが好ましい。各反応物の濃度は、0.1〜0.05M程度である。反応温度は、15〜80℃である。反応時間は、4〜24時間程度である。 二段階目反応(化合物8,9の混合物又は化合物8’の還元反応以降)は、一段目の生成物を還元剤と反応させその後酸化剤と反応させる。一段目の生成物(下式の化合物8,9)は粉状の沈殿物であるため、一旦精製して用いることが好ましい。 還元剤としては、RnSnH4−n、RnSiH4−n、NaAlH4、LiAlHn(OR)m、LiAlH4-MXn(MXとしてはAlCl3、BF3、FeCl3)、LiAlH4、i-Bu2AlH、AlH3、LiBHR3、KBHR3、LiBH4、NaBH3CN、NaBH4-MXn(MXとしてはAlCl3、BF3、FeCl3)、NaBH4、BH3、BRn H3−n(式中、Rは適当な炭化水素基を表す。)等が挙げられる。これらは単独または組み合わせて用いることができる。 酸化剤としては以下のものが挙げられる。酸素(酸素雰囲気又は酸素の吹き込みで用いることができる。酸素を含む空気を用いてもよい。)、AgO、Ag2O、MnO2、Cu(OH)2、Fe2O3、MoO3、V2O5、CuCl2-PdCl2等が挙げられる。これらは単独または組み合わせて用いることができる。 酸化剤の投与時期は還元反応の後が好ましいが、必ずしも還元反応の後でなくともよく、反応の最初から酸化剤を投与しておいてもよい。例えば、反応液に酸素又は空気を吹き込んでおいてそこに還元剤を投与してもよい。 還元剤と酸化剤の使用量はそれぞれ0.1〜0.03M程度である。溶媒はテロラヒドロフラン(THF)を用いる。反応温度は20〜40℃である。 出発物質のアビエタン型ジテルペン化合物としてアビエタン型ジテルペン化合物I(化学式は上記参照、例えば、フェルギノール)を用いた場合の反応機構を下式に示す。 出発物質のアビエタン型ジテルペン化合物としてアビエタン型ジテルペン化合物II(化学式は上記参照、例えば、トタロール)を用いた場合の反応機構を下式に示す。(2)この方法はmCBPOの生成反応の際に生成する反応中間体であるmCBPA-DCC付加物を利用する。反応機構を下式に示す。 mCPBA-DCC付加物にアビエタン型ジテルペン化合物(例えば、フェルギノール)を加えると、化合物8,9又は化合物8’が生成する。得られた化合物8,9又は化合物8’を還元し、酸素雰囲気下でアビエタン型キノンメチド化合物が合成される。 この反応は液相で行なわれる。溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム又はトルエンが好ましい。各反応物の濃度は、0.1〜0.05M程度である。反応温度は、15〜80℃である。反応時間は、4〜24時間程度である。 2段目の反応は上記と同様である。(3)この(2)の反応において、ハロゲン化過酸化ベンゾイル(mCPBA)を用いる代わりに、上記のように、カルボジイミド化合物とハロゲン化過安息香酸との反応物や、カルボジイミド化合物とハロゲン化過安息香酸及びハロゲン化過安息香酸との反応物を用いてもよい。 上記の反応に用いるメタクロロ過酸化ベンゾイル(mCBPO)は以下のいずれかの方法で合成することができる。(1)溶媒中でm-クロロ過安息香酸(mCPBA)に対して縮合剤としてジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を反応させることにより、m-クロロ過酸化ベンゾイル(mCBPO)が結晶で得られる。このmCBPOが生成する反応機構は、下式に示すように、mCPBAとDCCからmCPBA-DCC付加物が生じ、その付加物と未反応のmCPBAとが反応し、mCBPOを生成する。 この反応において、溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム又はトルエンが好ましい。各反応物の濃度は、0.1〜0.05M程度である。反応温度は、15〜30℃である。反応時間は、15時間程度である。(2)溶媒中でm-クロロ過安息香酸(mCPBA)をジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)と反応させることにより、mCBPA-DCC付加物が生成するが、この付加物にm-クロロ安息香酸(mCBA)を加えることによりm-クロロ過酸化ベンゾイル(mCBPO)が合成される。反応機構を下式に示す。 この反応において、溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム又はトルエンが好ましい。各反応物の濃度は、0.4〜0.6M程度である。反応温度は、15〜30℃である。反応時間は、2〜3時間程度である。(3)溶媒中でジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)をm-クロロ安息香酸(mCBA)と反応させ、この反応物にm-クロロ過安息香酸(mCPBA)を加えて反応させることによりm-クロロ過酸化ベンゾイル(mCBPO)が合成される。反応機構を下式に示す。 この反応において、溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム又はトルエンが好ましい。各反応物の濃度は、0.4〜0.6M程度である。反応温度は、15〜30℃である。反応時間は、2〜3時間程度である。 以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。合成例1(フェルギノールの合成) 本合成の経路を下式に示す。 デヒドロアビエチン酸(化合物1)(和光純薬工業社製)(21.1039g, 70.24 mmol) を無水THF (50 ml) に溶解し、LAH (3.032 g, 79.87 mmol)を加え、アルゴン下、0℃で30分撹拌した後、更に室温で12時間撹拌した。EtOAc、水、1N HClを加えて反応を停止させ、EtOAcで液―液抽出した後、有機層を1N HCl、飽和NaHCO3、飽和食塩水で洗浄した。その後MgSO4で乾燥し、濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:EtOAc =3:1)で精製し、7-Isopropyl-1,4a-dimethyl-1,2,3,4,4a,9,10,10a-octahydrophenanthren-1-yl)-methanol(化合物2)(18.8480 g, 65.80 mmol)を94 %の収率で得た。 化合物2(30.2312 g, 105.54 mmol) をpyridine (100 ml) に溶解し、TsCl (26.157 g, 137.20 mmol) を加え、アルゴン下、室温で2時間撹拌した。氷冷中で1N HCl を加えて反応を停止させ、EtOAcで液―液抽出した後、有機層を1N HCl、飽和NaHCO3、飽和食塩水で洗浄した。その後MgSO4で乾燥し、濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane:EtOAc = 10 :1)で精製し、7-Isopropyl-1,4a-dimethyl-1,2,3,4,4a,9,10,10a-octahydrophenanthren-1-ylmethyl para-toluenesulfonate (化合物3)(43.4673 g, 98.64 mmol) を93 %の収率で得た。 化合物3(1.634 g, 3.708 mmol)を無水DMF (15 ml) に溶解し、NaI (4.058 g, 27.07 mmol) と亜鉛粉末 (1.891 g, 28.92 mmol) を4回に分けて加え、アルゴン下、100℃で28時間撹拌した。1N HClを加えて反応を停止させた後、亜鉛を濾過した。hexaneで液―液抽出し、有機層を1N HCl、飽和NaHCO3、 飽和食塩水で洗浄した。その後MgSO4で乾燥し、濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー (hexane:EtOAc = 100:1)で精製し、7-Isopropyl-1,1,4a-trimethyl-1,2,3,4,4a,9,10,10a-octahydro-phenanthrene (化合物4)(832.3 mg, 3.077 mmol) を83 %の収率で得た。 化合物4(500.0 mg, 1.85 mmol)を無水酢酸(5 ml) に溶解した。冷却しながら無水酢酸2.73 mlで希釈した濃硝酸270μlを加え、Ar下、室温で45分撹拌した。水100 mlに反応液を溶解後、EtOAcで液―液抽出し、有機層を1N NaOH、飽和NaHCO3、 飽和食塩水で洗浄した。その後MgSO4で乾燥し、濃縮した後、リカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane:EtOAc = 5:1)で精製し、2-Isopropyl-3-nitro-4b,8,8-trimethyl-4b,5,6,7,8,8a, 9,10-octahydro-phenanthrene(化合物5)と2-Isopropyl-1-nitro-4b,8,8-trimethyl-4b,5,6,7,8,8a,9,10-octahydrophenanthrene(化合物6)の混合物(410.0 mg, 1.30 mmol)を70 %の収率で得た。 化合物5と6の混合物を (29.8 mg, 0.0945 mmol) をEtOH (2 ml) に溶解し、Pd/C (10 %)を4 mg加え、水素下、室温で23.5時間撹拌した。Pd/Cを濾過後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane:EtOAc = 5:1)で精製し、2-Isopropyl-4b,8,8-trimethyl-4b,5,6,7,8,8a,9,10-octahydrophenanthren-3-ylamine(化合物7)(15.2 mg, 0.0532 mmol) を84 %の収率で得た。 化合物7(700.2 mg, 2.45 mmol) をトリフルオロ酢酸 (8 ml) に溶解し、isopentyl nitrite (2.43 ml, 14.7 mmol) を加え、アルゴン下、室温で3時間撹拌した。さらにMeOH (4 ml)、炭酸カリウムを加え、アルゴン下、室温で1時間撹拌した。氷冷中で3N HCl を加えて反応を停止させ、EtOAcで液−液抽出した後、有機層を1N HCl、飽和NaHCO3、飽和食塩水で洗浄した。その後MgSO4で乾燥し、濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane:EtOAc = 5:1)で精製し、フェルギノール(612.4 mg, 2.14 mmol) を87 %の収率で得た。colorless oil; 1H-NMR (CDCl3, 600 MHz)δ: 6.83 (1H, s), 6.63 (1H, s), 4.63 (1H, br), 3.11 (1H, sept, J = 7.0 Hz), 2.86 (1H, dd, J = 16.5, 6.6 Hz), 2.80-2.73 (1H, m), 2.19-2.14 (1H, m), 1.88-1.83 (1H, m), 1.75-1.56 (5H, m), 1.49-1.45 (1H, m), 1.41-1.35 (1H, m), 1.32 (1H, dd, J = 12.5, 2.2 Hz), 1.24 (3H, d, J = 7.0 Hz), 1.22 (3H, dd, J = 7.0 Hz) 1.17 (3H, s), 0.936 (3H, s), 0.914 (3H, s) ; 13C-NMR (CDCl3, 150 MHz)δ:150.67, 148.66, 131.34, 127.31, 126.61, 111.94, 50.36, 41.69, 38.87, 37.52, 33.45, 33.31, 29.76, 26.83, 24.77, 22.74, 22.54, 21.60, 19.36, 19.25; IR cm-1 (NaCl) 3396, 2960, 2941, 2922, 1713, 1616, 1506, 1548, 1416, 1373, 1230, 892; 合成例2(m-クロロ過酸化ベンゾイル(mCBPO)の合成−1) m-クロロ過安息香酸mCBPA(関東化学 Pr.G)(1.000g, 5.79mmol)を塩化メチレン(15ml)に溶解し、DCC(関東化学 特級)(621.1mg, 3.01mmol)を加え、アルゴン気流下室温で1時間45分撹拌した。反応液を濃縮した後にセライト(関東化学535)により、dicyclohexylureaを濾過した。残液を濃縮し、生じた結晶をヘキサンと少量のEtOAcで濾過し、mCBPO(620.0mg, 1,99mmol)を69%の収率で得た。m.p. 112-113℃; 1H-NMR (CDCl3, 600 MHz)δ: 8.06 (2H, t, J = 1.8 Hz), 7.98-7.95 (2H, m), 7.65 (2H, ddd, J = 8.1, 2.2, 1.1 Hz), 7.48 (2H, t, J = 8.1 Hz) ; 13C-NMR (CDCl3, 150 MHz)δ: 161.80, 135.18, 134.50, 130.25, 129.82, 127.90, 127.11; IR cm-1 (KBr) 3101, 3075, 1791, 1768, 1220, 1006, 811, 723; 合成例3(m-クロロ過酸化ベンゾイル(mCBPO)の合成−2) mCBPA(500.0mg, 2.90mmol)を塩化メチレン(8ml)に溶解し、DCC(310.9mg, 1.51mmol)を加え、アルゴン気流下室温で20分撹拌した。さらにmCBPA(500.0mg, 2.90mmol)を加え、アルゴン気流下室温で2時間撹拌した。反応液を濃縮した後にセライトにより、dicyclohexylureaを濾過した。残液を濃縮し、生じた結晶をヘキサンと少量のEtOAcで濾過し、mCBPO(621.3mg, 2.00mmol)を69%の収率で得た。合成例4(m-クロロ過酸化ベンゾイル(mCBPO)の合成−3) m-クロロ過安息香酸mCBPA(500.0mg, 2.90mmol)を塩化メチレン(5ml)に溶解し、DCC(598.0mg, 2.90mmol)を加え、アルゴン気流下室温で20分撹拌した。さらにmCBA(454.1mg, 2.90 mmmol)を加え、アルゴン気流下室温で2時間25分撹拌した。反応液を濃縮した後にセライトにより、dicyclohexylureaを濾過した。残液を濃縮し、生じた結晶をヘキサンと少量のEtOAcで濾過し、mCBPO(302.3mg, 0.972mmol)を67%の収率で得た。合成例5(m-クロロ過酸化ベンゾイル(mCBPO)の合成−4) DCC(682.5 mg, 3.3 mmol)を塩化メチレン(8 ml)に溶解し、mCBA (471.5 mg, 3.0 mmol)を加え、アルゴン下、室温で20分撹拌した。さらにmCPBA (523.7 mg,3.0 mmol)を加え、アルゴン下、室温で4時間撹拌した。反応液を濃縮した後にセライトとEtOAcを用いて、dicyclohexylureaを濾過した。残液を濃縮し、生じた結晶をhexaneと少量のEtOAcで洗浄し、mCBPO (500.1 mg, 1.6 mmol)を53%の収率で得た。実施例1 本実施例の合成経路は上記反応式(化8)に示したものである。 合成例1で得たフェルギノール(31.5mg, 0.110mmol)を塩化メチレン(3ml)に溶解し、合成例2で得たmCBPO(58.6mg, 0.188mmol)を加え、アルゴン気流下室温で4時間撹拌した。Na2S2O3(和光純薬 1級)を加えて反応を停止させ、EtOAcで液―液抽出した後、有機層をNa2S2O3及び飽和食塩水で洗浄した。その後MgSO4(関東化学 1級)で乾燥し、濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane:EtOAc = 5:1)で精製し、フェルギノールのオルト位酸化混合物(上記反応式(化8)の化合物8,9)(23.3mg, 0.0548mmol)を50%の収率で得た。 上記で得たフェルギノールのオルト位酸化混合物(20.9mg)をTHF(5ml)に溶解し、水素化リチウムアルミニウム(LAH、関東化学社製、24115-25)(6.3mg, 0.166mmol)を加え、酸素気流下室温で3時間撹拌した。EtOAc,、水、1N HClを加えて反応を停止させ、EtOAcで液−液抽出した後、有機層を1N HCl、飽和NaHCO3、飽和食塩水で洗浄した。その後MgSO4で乾燥し、濃縮した後にTLCプレート(hexane:EtOAc =30:1)で精製し、アビエタキノンメチド(11-Hydroxy-12-oxo-7,9(11),13-abietatriene)(3.4mg, 0.0113mmol)を23%の収率で得た。生成物のデータを以下に示す。colorless oil; 1H-NMR(CDCl3, 600 MHz)δ: 7.46(1H, s), 6.81(1H, dd, J = 7.0, 3.3 Hz), 6.78(1H, s), 3.07(1H, sept, J = 7.0 Hz), 3.02-2.98(1H, m), 2.58(1H, ddd, J = 20.9, 7.0, 3.7 Hz), 2.40(1H, ddd, J = 20.9, 12.1, 2.9 Hz), 1.71-1.56(4H, m), 1.49-1.44(2H, m), 1.19(3H, s), 1.15(3H, d, J = 7.0 Hz), 1.14(3H, d, J = 7.0 Hz), 0.977(3H, s), 0.933(3H, s); 13C-NMR(CDCl3, 150 MHz)δ: 181.42, 148.94, 143.86, 140.57, 136.10, 131.66, 127.33, 50.57, 41.76, 38.69, 36.82, 33.57, 33.30, 26.64, 25.85, 22.10, 21.82, 21.49, 18.94, 18.48実施例2 本実施例では、フェルギノールのオルト位酸化混合物を実施例1とは別の方法(上記反応式(化10)に示す。)によって合成したものを用いた。 mCBPA(19.9mg, 0.116mmol)を塩化メチレン(5ml)に溶解し、DCC(23.9mg, 0.116mmol)を加え、アルゴン気流下室温で20分撹拌した。これに、合成例1で得たフェルギノール(26.0mg, 0.0908 mmmol)を加え、アルゴン気流下室温で15時間撹拌した。反応液を濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane:EtOAc = 10:1)で精製し、フェルギノールのオルト位酸化混合物(22.3mg, 0.0525mmol)を58%の収率で得た。以下実施例1と同様な方法によって、アビエタキノンメチドを得た。実施例3 本実施例では、実施例1と同様の方法によってアビエタキノンメチドを合成した。 mCBPA(19.9mg, 0.116mmol)を塩化メチレン(5ml)に溶解し、DCC(23.9mg, 0.116mmol)を加え、アルゴン気流下室温で20分撹拌した。さらにフェルギノール(26.0mg, 0.0908 mmmol)を加え、アルゴン気流下室温で15時間撹拌した。反応液を濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(hexane:EtOAc = 10:1)で精製し、フェルギノールのオルト位酸化混合物 (22.3mg, 0.0525mmol)を58%の収率で得た。以下実施例1と同様な方法によって、アビエタキノンメチドを得た。液相で下記一般式(式中、R1〜R4は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸基、水酸基含有アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、R5及びR6は、いずれも水素原子である、一方が水素で他方が水酸基である、又は両者が結合する炭素原子と共にカルボニル基(=C=O)を形成する。以下「アビエタン型ジテルペン化合物I」という。)又は下記一般式(式中、R1、R3〜R6、は上記と同様に定義される。以下「アビエタン型ジテルペン化合物II」という。)で表されるアビエタン型ジテルペン化合物と下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化過酸化ベンゾイルを反応させる段階、及び前段階の生成物を還元剤と反応させその後酸化剤と反応させる段階から成るアビエタン型キノンメチド化合物の製法であって、該アビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物Iの場合には、該アビエタン型キノンメチド化合物が下記一般式(式中、R1〜R6は上記と同様に定義される。)で表され、該アビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物IIの場合には、該アビエタン型キノンメチド化合物が下記一般式(式中、R1、R3〜R6は上記と同様に定義される。)で表されるアビエタン型キノンメチド化合物の製法。前記ハロゲン化過酸化ベンゾイルが、下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化過安息香酸と一般式 R2−N=C=N−R2(式中、R2は、同一であっても異なってもよく、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。)で表されるカルボジイミド化合物を反応させることにより製造された請求項1に記載の製法。前記ハロゲン化過酸化ベンゾイルを製造する際に、更に下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化安息香酸を加えることから成る請求項2に記載の製法。前記ハロゲン化過酸化ベンゾイルが、下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化安息香酸と一般式 R2−N=C=N−R2(式中、R2は、同一であっても異なってもよく、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。)で表されるカルボジイミド化合物を反応させた後、ハロゲン化過安息香酸を加えることにより製造される請求項1に記載の製法。液相で下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化過安息香酸と下記一般式 R7−N=C=N−R7(式中、R7は、同一であっても異なってもよく、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。)で表されるカルボジイミド化合物を反応させる段階、前段階の反応液に下記一般式(式中、R1〜R4は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸基、水酸基含有アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、R5及びR6は、いずれも水素原子である、一方が水素で他方が水酸基である、又は両者が結合する炭素原子と共にカルボニル基(=C=O)を形成する。以下「アビエタン型ジテルペン化合物I」という。)又は下記一般式(式中、R1、R3〜R6は上記と同様に定義される。以下「アビエタン型ジテルペン化合物II」という。)で表されるアビエタン型ジテルペン化合物を混合する段階、及び前段階の生成物を還元剤と反応させその後酸化剤と反応させる段階から成るアビエタン型キノンメチド化合物の製法であって、該アビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物Iの場合には、該アビエタン型キノンメチド化合物が下記一般式(式中、R1〜R6は上記と同様に定義される。)で表され、該アビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物IIの場合には、該アビエタン型キノンメチド化合物が下記一般式(式中、R1、R3〜R6は上記と同様に定義される。)で表されるアビエタン型キノンメチド化合物の製法。前記ハロゲン化過安息香酸とカルボジイミド化合物を反応させた後に、更に下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化安息香酸を加えることから成る請求項5に記載の製法。液相で下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化安息香酸と下記一般式 R7−N=C=N−R7(式中、R7は、同一であっても異なってもよく、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表す。)で表されるカルボジイミド化合物を反応させる段階、前段階の反応液に下記一般式(式中、Xはハロゲン原子を表し、nは1又は2を表す。)で表されるハロゲン化過安息香酸を混合する段階、前段階の反応液に下記一般式(式中、R1〜R4は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸基、水酸基含有アルキル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子又はニトロ基を表し、R5及びR6は、いずれも水素原子である、一方が水素で他方が水酸基である、又は両者が結合する炭素原子と共にカルボニル基(=C=O)を形成する。以下「アビエタン型ジテルペン化合物I」という。)又は下記一般式(式中、R1、R3〜R6は上記と同様に定義される。以下「アビエタン型ジテルペン化合物II」という。)で表されるアビエタン型ジテルペン化合物を混合する段階、及び前段階の生成物を還元剤と反応させその後酸化剤と反応させる段階から成るアビエタン型キノンメチド化合物の製法であって、該アビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物Iの場合には、該アビエタン型キノンメチド化合物が下記一般式(式中、R1〜R6は上記と同様に定義される。)で表され、該アビエタン型ジテルペン化合物がアビエタン型ジテルペン化合物IIの場合には、該アビエタン型キノンメチド化合物が下記一般式(式中、R1、R3〜R6は上記と同様に定義される。)で表されるアビエタン型キノンメチド化合物の製法。 【課題】 抗菌物質として有用なアビエタン型キノンメチド化合物の大量生産に適した方法を提供する。 【解決手段】 液相でフェルギノール等のアビエタン型ジテルペン化合物又は転位アビエタン型ジテルペンをハロゲン化過酸化ベンゾイルを用いて酸化し、前段階の生成物を還元剤と反応させその後酸化剤と反応させることにより2段階でアビエタン型キノンメチド化合物を製造することができる。ハロゲン化過酸化ベンゾイルは、ハロゲン化過安息香酸とカルボジイミド化合物を反応させることにより合成することができ、この反応液にフェルギノール等のアビエタン型ジテルペン化合物又は転位アビエタン型ジテルペンを加えることにより1段階でアビエタン型キノンメチド化合物を製造することができる。 【選択図】 なし