タイトル: | 公開特許公報(A)_有機EL素子 |
出願番号: | 2005334258 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | H01L 51/50,C09K 11/06,C07C 13/62,C07C 211/54 |
海老沢 晃 北川 寿美子 井上 鉄司 JP 2007142171 公開特許公報(A) 20070607 2005334258 20051118 有機EL素子 TDK株式会社 000003067 毛受 隆典 100109449 木村 満 100095407 海老沢 晃 北川 寿美子 井上 鉄司 H01L 51/50 20060101AFI20070511BHJP C09K 11/06 20060101ALI20070511BHJP C07C 13/62 20060101ALN20070511BHJP C07C 211/54 20060101ALN20070511BHJP JPH05B33/14 BC09K11/06 610C09K11/06 620C07C13/62C07C211/54 5 OL 17 3K007 4H006 3K007AB02 3K007AB03 3K007DB03 4H006AA03 4H006AB91 本発明は有機EL(電界発光)素子に関する。 有機EL素子は、例えば、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能であり、また、蛍光性有機化合物の種類を選択することにより種々の色の発光が可能なことから、様々な発光素子、表示素子等への応用が期待されている。しかし、有機EL素子は、一般に、発光輝度が低く、実用上十分とはいえなかった。このため、十分な発光輝度が得られるように、有機EL素子に用いる材料として、さまざまな材料が提案されている。例えば、特許文献1には、ベンゾジアセナフチレン誘導体を用いることが提案されている。また、特許文献2には、フルオランテノアセアントリレン誘導体を用いることが提案されている。特開平10−168445号公報特開平10−340782号公報 しかし、いずれの材料を用いた有機EL素子も十分な発光輝度が得られておらず、さらに発光効率に優れ、高輝度に発光する有機EL素子が求められている。 本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、発光効率に優れ、高輝度に発光する有機EL素子を提供することを目的とする。 上記目的を達成するため、本発明の有機EL素子は、 下記式(I)で表される化合物を含有する、少なくとも1層の有機化合物層を有する、ことを特徴とする。(式中、X1〜X14は、または、置換または無置換のアリール基を表し、アリール基は複素環アリール基であってもよく、X3,X4の少なくとも一方とX10,X11の少なくとも一方とは、置換または無置換のアリール基である) 前記置換または無置換のアリール基は、置換または無置換のフェニル基であることが好ましい。前記フェニル基は、置換または無置換の2−ビフェニル基であることが好ましい。 X3、X4、X10、及び、X11の置換または無置換のアリール基の少なくとも1つは、炭素数が12以上であることが好ましい。 X7及びX14が置換または無置換のアリール基であることが好ましい。 前記化合物は、その分子量が1000以下であることが好ましい。 前記化合物は、例えば、ドーパントである。また、前記化合物は、例えば、ホスト化合物である。 本発明によれば、発光効率に優れ、高輝度に発光する有機EL素子を提供することができる。 以下、本発明の具体的構成について説明する。本発明の有機EL素子は、下記式(I)で表される化合物を含有する、少なくとも1層の有機化合物層を有する。(式中、X1〜X14は、または、置換または無置換のアリール基を表し、アリール基は複素環アリール基であってもよく、X3,X4の少なくとも一方とX10,X11の少なくとも一方とは、置換または無置換のアリール基である) 式(I)で表される化合物は、X3,X4の少なくとも一方と、X10,X11の少なくとも一方とが、置換または無置換のアリール基である。このアリール基は複素環アリール基であってもよい。このため、アリール基には、例えば、フェニル基、ナフチル基などの炭素環式芳香族基の他に、例えば、フリル基、チエニル基、ピリジン基などの複素環式芳香族基が含まれる。 このように、例えば、発光層に、この化合物を含有させることにより、後述するように、飛躍的に蛍光強度が増加した有機EL素子を提供することができる。これは、アセナフトフルオランテンの両端のナフタレン環が何らかの理由で失活点となっており、この位置に置換または無置換のアリール基のような、嵩が高い置換基を配置することで失活を防いでいると考えられるためである。このため、X3、X4、X10、及び、X11の置換または無置換のアリール基の少なくとも1つは、炭素数が12以上であることが好ましい。ただし、この化合物は、昇華させることが前提となるため、その分子量が1000以下であることが好ましい。 置換または無置換のアリール基は、置換または無置換のフェニル基であることが好ましい。フェニル基は、置換または無置換の2−ビフェニル基であることが好ましい。 以下に、式(I)で表される本発明の化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。 上記化合物を含有する有機化合物層を少なくとも1層有する、本発明の有機EL素子の構成例としては、例えば、図1に示す有機EL素子1が挙げられる。 図1に示すように、有機EL素子1は、基板2上に、陽極3、正孔注入輸送層4、発光層5、電子注入輸送層6、陰極7を順次有する。 基板2は、透明または半透明の材料から形成されていることが好ましく、例えば、ガラス板、透明プラスチックシート、半透明プラスチックシート、石英、透明セラミックスあるいはこれらを組み合わせた複合シートがある。なお、基板2は、不透明な材料から形成されていてもよい。この場合、有機EL素子1は、図1に示される積層順序を逆にすればよい。さらに、基板2に、例えば、カラーフィルター膜、色変換膜、誘電体反射膜等を組み合わせることにより、発光色をコントロールしてもよい。 陽極3は、比較的仕事関数の大きい金属、合金または電気電導性化合物を電極物質として使用することが好ましい。陽極3に使用する電極物質としては、例えば、金、白金、銀、銅、コバルト、ニッケル、パラジウム、バナジウム、タングステン、酸化錫、酸化亜鉛、ITO(インジウム・ティン・オキサイド)、ポリチオフェン、ポリピロールなどがある。これらの電極物質は、単独で使用してもよく、複数併用してもよい。陽極3は、これらの電極物質を、例えば、蒸着法、スパッタリング法等の気相成長法により、基板2の上に形成することができる。また、陽極3は、一層構造であっても、多層構造であってもよい。 正孔注入輸送層4は、陽極3からの正孔(ホール)の注入を容易にする機能、注入された正孔を輸送する機能、および電子を妨げる機能を有する化合物を含有する層である。正孔注入輸送層4は、フタロシアニン誘導体、トリアリールメタン誘導体、トリアリールアミン誘導体、オキサゾール誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、ピラゾリン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール誘導体などを少なくとも1種用いて形成することができる。なお、正孔注入輸送機能を有する化合物は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。 発光層5は、正孔(ホール)および電子の注入機能、それらの輸送機能、正孔と電子の再結合により励起子を生成させる機能を有する化合物を含有する層である。式(I)で表される化合物は発光層5に用いることが好ましく、式(I)で表される化合物を含有する有機化合物層は発光層5であることが好ましい。 本発明では、発光層5に式(I)の化合物のほかに、他の蛍光性物質を含有させてもよい。蛍光性物質としては、例えば、キナクリドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールないしその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノリン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体、フェニルアントラセン誘導体、テトラアリールエテン誘導体等が挙げられる。 発光層5をホスト化合物とドーパント(ゲスト化合物)とにより構成し、式(I)の化合物を、ホスト化合物として用いて発光層5を形成したり、ドーパントとして用いて発光層5を形成してもよい。 式(I)の化合物をドーパントとして用いる場合、式(I)の化合物の含有量は0.01〜20wt%、さらには0.1〜15wt%であることが好ましい。ホスト化合物と組み合わせて使用することによって、ホスト化合物の発光波長特性を変化させることができ、長波長に移行した発光が可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上する。一方、式(I)の化合物をホスト化合物として用いる場合、式(I)の化合物の含有量は80〜99.99wt%、さらには85〜99.9wt%であることが好ましい。 電子注入輸送層6は、陰極7からの電子の注入を容易にする機能、電子を輸送する機能および正孔を妨げる機能を有するものである。電子注入輸送層6は、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールなしいその誘導体を配位子とする有機金属錯体などのキノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、ペリレン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレノン誘導体、チオピランジオキサイド誘導体などを少なくとも1種用いて形成することができる。 正孔注入輸送層4および電子注入輸送層6は、発光層5に用いる化合物の正孔注入、正孔輸送、電子注入、電子輸送の各機能の高さを考慮し、必要に応じて設けられる。例えば、発光層5に用いる化合物の正孔注入輸送機能または電子注入輸送機能が高い場合には、正孔注入輸送層4または電子注入輸送層6を設けずに、発光層5が正孔注入輸送層4または電子注入輸送層6を兼ねる構成とすることができる。また、場合によっては正孔注入輸送層4および電子注入輸送層6のいずれも設けなくてよい。 また、正孔注入輸送層4および電子注入輸送層6は、それぞれにおいて、注入機能を持つ層と輸送機能を持つ層とに別個に設けてもよい。例えば、電子注入輸送層6を電子注入層と電子輸送層とに分けて設層する場合は、電子注入輸送層用の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いることができる。このとき、陰極7側から電子親和力の値の大きい化合物の層の順に積層することが好ましく、陰極7に接して電子注入層、発光層に接して電子輸送層を設けることが好ましい。電子親和力と積層順との関係については電子注入輸送層を2層以上設けるときも同様である。 陰極7は、比較的仕事関数の小さい金属、合金または電気電導性化合物を電極物質として使用することが好ましい。陰極に使用する電極物質としては、例えば、リチウム、リチウム−インジウム合金、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、カルシウム、マグネシウム、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、インジウム、ルテニウム、チタニウム、マンガン、イットリウム、アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−カルシウム合金、アルミニウム−マグネシウム合金、グラファイト薄膜等を挙げることができる。これらの電極物質は、単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。陰極は、これらの電極物質を、例えば、蒸着法、スパッタリング法、イオン化蒸着法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法等の方法により、電子注入輸送層の上に形成することができる。また、陰極は一層構造であっても、多層構造であってもよい。なお、有機EL素子の発光を効率よく取り出すために、陽極3または陰極7の少なくとも一方の電極が、透明ないし半透明であることが好ましく、一般に、発光光の透過率が80%以上となるように陽極3の材料、厚みを設定することがより好ましい。 以下、本発明の具体的な実施例を比較例とともに示し、本発明をさらに詳細に説明する。<合成例1> 5.8g(27.5mmol)の1,3−diphenyl−propan−2−oneと、5g(27.5mmol)のacenaphthene−1,2−dioneとを、エタノールで還流しながらKOHのエタノール溶液を滴下し、5分間攪拌した。氷冷後にろ過し、水、エタノールで洗浄して7.8g(21.9mmol)の7,9−diphenyl−cyclopent[a]acenaphthylen−8−oneを得た。 次に、2g(5.6mmol)の7,9−diphenyl−cyclopent[a]acenaphthylen−8−oneと、0.91g(6mmol)のacenaphthyleneとを、キシレン中で12時間還流した後、DDQを加えさらに3時間還流した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1.4g(2.9mmol)の7,14−diphenyl−acenaphtho[1,2−k]fluorantheneを得た。 次いで、1.4g(2.9mmol)の7,14−diphenyl−acenaphtho[1,2−k]fluorantheneのクロロホルム溶液に臭素を滴下し3時間攪拌した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1.1g(1.7mmol)の3,10−dibromo−7,14−diphenyl−acenaphtho[1,2−k]fluorantheneと3,11−dibromo−7,14−diphenyl−acenaphtho[1,2−k]fluorantheneとの異性体混合物を得た。 続いて、0.5g(0.76mmol)の上記混合物と0.5g(2mmol)の2,4−diphenyl−phenylboronic−acidとをPd触媒存在下で、トルエン、エタノール、2M炭酸ナトリウム水溶液の混合溶媒中で12時間還流した。生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、異性体混合物である下記構造の化合物1を0.4g(0.43mmol)得た。 得られた化合物1をマススペクトル、赤外線吸収スペクトル、NMRを用いて同定した。<合成例2> 2,4−diphenyl−phenylboronic−acidの変わりに、2−biphenylboronic−acidを用いた以外は合成例1と同様の反応を行い、下記構造の化合物2を0.37g(0.47mmol)得た。 得られた化合物をマススペクトル、赤外線吸収スペクトル、NMRを用いて同定した。<蛍光強度の比較> 合成例1の化合物1に下記構造の化合物3〜5を加えた計4つの化合物について、蛍光強度の比較を行った。結果を図2に示す。なお、蛍光強度はトルエン溶液中で測定し、測定は極大吸収波長における透過率が40%となる濃度にて行った。 図2に示すように、アセナフトフルオランテンの3,4位と10,11位の置換基によって、大きく蛍光強度が異なることが確認できた。本発明の化合物1は無置換の化合物4、5に比べると約2倍もの蛍光強度を持っている。<実施例1> ガラス基板上にRFスパッタ法で、ITO透明電極薄膜を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。このITO透明電極付きガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。透明電極表面をUV/O3洗浄した後、真空蒸着装置の基板ホルダーに固定して、槽内を1×10−4Pa以下まで減圧した。 次に、減圧状態を保ったまま、下記構造のN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[N−(4−メチルフェニル)−N−フェニル−(4−アミノフェニル)]−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを蒸着速度0.1nm/secで50nmの膜厚に蒸着し、ホール注入層とした。 次いで、下記構造のN,N,N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを蒸着速度0.1nm/secで10nmの厚さに蒸着し、ホール輸送層とした。 さらに、減圧状態を保ったまま、下記構造のアントラセン系ホスト材料と、合成例1の化合物1をドーパントとして、質量比98:2で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し、発光層とした。 次に、減圧状態を保ったまま、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)を、蒸着速度0.1nm/secで15nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。 次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで0.5nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、保護電極としてAlを100nm蒸着し、最後にガラス封止して有機EL素子を得た。 この有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm2の電流密度で、駆動電圧が7.0V、1100cd/m2の緑色発光が確認できた。この素子に、10mA/cm2の一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度1100cd/m2で、輝度半減時間は1500時間以上であった。<実施例2> 実施例1において、発光層のドーパントを合成例2の化合物2に代えた以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。 得られた有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm2の電流密度で、駆動電圧が6.9V、950cd/m2の緑色発光が確認できた。この素子に、10mA/cm2の一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度950cd/m2で、輝度半減時間は2000時間以上であった。<実施例3> 実施例1において、N,N,N’,N’−テトラキス(m−ビフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを蒸着速度0.1nm/secで20nmの厚さに蒸着し、ホール輸送層とした。 さらに、減圧状態を保ったまま、実施例1の化合物1をホスト材料とし、下記構造のナフタセン系化合物ドーパントを、質量比98:2で、全体の蒸着速度0.1nm/secとして40nmの厚さに蒸着し発光層とした。 次いで、減圧状態を保ったまま、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(Alq3)を、蒸着速度0.1nm/secで30nmの厚さに蒸着し、電子注入輸送層とした。 次いで、LiFを蒸着速度0.1nm/secで0.3nmの厚さに蒸着して電子注入電極とし、保護電極としてAlを150nm蒸着し、最後にガラス封止して有機EL素子を得た。 得られた有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm2の電流密度で、駆動電圧が6.6V、900cd/m2の黄色発光が確認できた。この素子に、10mA/cm2の一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度900cd/m2で、輝度半減時間は3000時間以上であった。<実施例4> 実施例3において、発光層のドーパントを下記構造のナフタセン系化合物に代えた以外は実施例3と同様にして有機EL素子を得た。 得られた有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm2の電流密度で、駆動電圧が6.8V、870cd/m2の橙色発光が確認できた。この素子に、10mA/cm2の一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度870cd/m2で、輝度半減時間は2500時間以上であった。<実施例5> 実施例3において、発光層のドーパントを下記構造の化合物に代えた以外は実施例3と同様にして有機EL素子を得た。 得られた有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm2の電流密度で、駆動電圧が6.5V、750cd/m2の橙色発光が確認できた。10mA/cm2の一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度750cd/m2で、輝度半減時間は3000時間以上であった。<実施例6> 実施例3において、発光層のドーパントを下記構造の化合物に代えた以外は実施例3と同様にして有機EL素子を得た。 得られた有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm2の電流密度で、駆動電圧が6.6V、1200cd/m2以上の緑色発光が確認できた。この素子に、10mA/cm2の一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度1200cd/m2以上で、輝度半減時間は2000時間以上であった。<実施例7> 実施例3において、ドーパントを下記構造の化合物に代えた以外は実施例3と同様にして有機EL素子を得た。 得られた有機EL素子に直流電圧を印加し、初期には10mA/cm2の電流密度で、駆動電圧が6.5V、550cd/m2の赤色発光が確認できた。この素子に、10mA/cm2の一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度550cd/m2で、輝度半減時間は5000時間以上であった。<比較例1> 実施例1において、発光層のドーパントを下記構造の化合物とした以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。 この有機EL素子に直流電圧を印加したところ、初期には10mA/cm2の電流密度で、駆動電圧が7.2V、600cd/m2の緑色発光であった。このときのピーク波この素子に、10mA/cm2の一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度600cd/m2で、輝度半減時間は800時間であった。<比較例2> 実施例1において、発光層のドーパントを下記構造の化合物とした以外は実施例1と同様にして有機EL素子を得た。 この有機EL素子に直流電圧を印加したところ、初期には10mA/cm2の電流密度で、駆動電圧が7.1V、800cd/m2の緑色発光であった。この素子に、10mA/cm2の一定電流を流し、連続駆動したところ、初期輝度800cd/m2で、輝度半減時間は1000時間であった。本発明の有機EL素子の構成例を示す側面図である。本発明で合成した化合物の蛍光強度を示すグラフである。符号の説明1 有機EL素子2 基板3 陽極4 正孔注入輸送層5 発光層6 電子注入輸送層7 陰極 下記式(I)で表される化合物を含有する、少なくとも1層の有機化合物層を有する、ことを特徴とする有機EL素子。(式中、X1〜X14は、水素原子、または、置換または無置換のアリール基を表し、アリール基は複素環アリール基であってもよく、X3,X4の少なくとも一方とX10,X11の少なくとも一方とは、置換または無置換のアリール基である) 前記置換または無置換のアリール基は、置換または無置換のフェニル基である、ことを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。 前記フェニル基は、置換または無置換の2−ビフェニル基である、ことを特徴とする請求項2に記載の有機EL素子。 X3、X4、X10、及び、X11の置換または無置換のアリール基の少なくとも1つは、炭素数が12以上である、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機EL素子。 X7及びX14が置換または無置換のアリール基である、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機EL素子。 【課題】発光効率に優れ、高輝度に発光する有機EL素子を提供する。【解決手段】有機EL素子は、下記式(I)で表される化合物を含有する、少なくとも1層の有機化合物層を有している。(式中、X1〜X14は、水素原子、または、置換または無置換のアリール基を表し、アリール基は複素環を含んでいてもよく、X3,X4の少なくとも一方とX10,X11の少なくとも一方とは、置換または無置換のアリール基である)【選択図】なし