タイトル: | 公開特許公報(A)_疲労度評価方法およびその利用 |
出願番号: | 2005330796 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | G01N 33/82,A61B 5/16,G01N 33/15,G01N 33/48 |
杉野 友啓 井上 正康 梶本 佳孝 梶本 修身 JP 2007114170 公開特許公報(A) 20070510 2005330796 20051018 疲労度評価方法およびその利用 株式会社総合医科学研究所 303030922 杉野 友啓 井上 正康 梶本 佳孝 梶本 修身 G01N 33/82 20060101AFI20070406BHJP A61B 5/16 20060101ALI20070406BHJP G01N 33/15 20060101ALI20070406BHJP G01N 33/48 20060101ALI20070406BHJP JPG01N33/82A61B5/16G01N33/15 ZG01N33/48 N 18 書面 19 特許法第30条第1項適用申請有り (発行者名)社団法人日本生化学会、(刊行物名)生化学(巻数、号数)Vol.77 No.8 2005(発行年月日)平成17年8月25日発行 2G045 4C038 2G045AA29 2G045AA40 2G045BB03 2G045CA25 2G045CB03 2G045CB07 2G045CB17 2G045DA57 2G045FB06 4C038PP01 本発明は、ヒトの疲労度を評価する方法およびその利用法に関し、より詳細には体液中のコエンザイムQの濃度変化を指標として、ヒトの疲労度を評価する方法およびその利用法に関するものである。 疲労は、日常生活において非常に身近な問題であり、ストレスの多い現代人の中では、慢性疲労に悩む人が多い。しかしながら、「疲労」に関する科学的・医学的研究は、断片的に行われていたに過ぎず、「疲労」という主観的症状をいかに定量的・客観的に表すかという決定的手段または定量尺度については、ほとんど研究されていない。 これまで「疲労」の代表的な例として、筋肉疲労が主に研究されており、その指標として、筋肉中の乳酸産生量の増加が注目されていた。しかし、本来乳酸は脳神経系にとって重要なエネルギー源であり、乳酸が筋肉活動を阻害するという説は、現在では否定的に捉えられている。その他、筋肉疲労にともなって、体液中のピルビン酸の上昇、およびpHが低下する現象が知られている。これらは筋肉への負荷という一定のストレスを与えたときには確かにみられる現象であるが、「疲労」は局部的な筋肉疲労とは異なり、生体に現れるもっと幅広い大きな生理現象と考えられている。 特許文献1では、唾液における、副腎性性ステロイドおよびその代謝物の濃度を指標とするストレスの定量法が開示されている。特許文献2および特許文献3では、血液中のタウリン、ロイシン、イソロイシンといったアミノ酸類を測定することにより、被験物質の抗精神疲労活性の評価方法が開示されている。これらの特許文献では生体液中の生体因子を指標として、ストレスや疲労を評価する方法が開示されているが、ヒトの日常生活における疲労を定量化できるまでは至っていない。 一方、コエンザイムQ(ユビキノン、ユビデカレノンまたは補酵素Qと称されることもある)は図1で示される化合物であり、生合成または化学合成によって得られ、広く生物界に分布していることが知られている。酸化型コエンザイムQと還元型コエンザイムQが存在し、ペンゾキノン体が還元型コエンザイムQであり、ヒドロキノン体が酸化型コエンザイムQである。イソプレノイド側鎖の長さ(n)の違いにより多数の同属体が存在するが(n=1〜12)、生合成されるため、主たる同族体は種で決まっている。哺乳類ではn=9,10が主であり、たとえばマウス、ラットではn=9が多く、ヒトではn=10である。 コエンザイムQを生体指標(バイオマーカー)とする研究も進んでいる。たとえば、健常者と肝炎患者、肝硬変患者および肝がん患者における総コエンザイムQ10に対する還元型コエンザイムQ10の比率は、健常者に対して肝炎患者、肝硬変患者および肝がん患者において有意に高値を示すことが見出されている(非特許文献1)。また、健常者と冠状動脈疾患患者における還元型コエンザイムQ10/酸化型コエンザイムQ10の比率は、健常者に対して冠状動脈疾患患者が有意に高値を示すことが明らかにされている(非特許文献2)。 特開平11−038004特開平11−304792特開平11−304793Yamamoto Y,Yamashita S,Fujisawa A,Kokura S,Yoshikawa T.著、「Oxidative stress in patients with hepatitis,cirrhosis,and hepatoma evaluated by plasmaantioxidants.、Biochem Biophys Res Commun.」、9;247(1)、P166−70、1998Lagendijk J, Ubbink JB, Delport R, Vermaak WJ, Human JA.著、「Ubiquinol/ubiquinone ratio as marker of oxidative stess in coronaryartery disease.」、Res Commun Mol Pathol Pharmacol.、95(1)、P11−20、1997Lagendijk J,Ubbink JB,Vermaak WJ.著、「Measurement of the ratio between the reduced and oxidized forms of coenzyme Q10 in human plasma as a possible marker of oxidative stress.」、J Lipid Res.、37(1)、P67−75、1996Edlund PO.著、「Determination of coenzyme Q10, −tocopherol and cholesterol in biological samples by coupled−column liquid chromatography with coulometric and ultraviolet detectio.」、J Chromatogr、 425、 P87−97、1998 上述のように、日常生活における疲労症状は、多くの日本人が感じているものであるにも関わらず、その客観的な評価方法について、ほとんど報告がなされていない。また、日常生活における疲労症状は、そのまま放置すると長時間過密の働きすぎによる突然死である過労死に直結するおそれもある。さらに、過労死の問題は医学的、経済的、社会的にも非常に重要であると認識されているにもかかわらず、その科学的メカニズムについてほとんど解明されていない。このため、近年、社会問題化している過労死を防止するためにも客観的疲労度の評価方法が必要とされている。 また、市場に氾濫する栄養ドリンクなどの医薬品または健康食品等の多くは、疲労を回復または抑制する機能性を売り物としたものであるため、その機能性に対する科学的な裏づけが消費者のみならず市場・社会全体において広く求められていた。 以上のように、運動負荷による疲労についての知見はあるものの、日常生活における身体疲労の評価方法は開発されていなかった。このため、簡便かつ客観的にin vivoにおける日常生活における身体疲労についての評価方法およびその利用法の開発が強く求められていた。本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便かつ定量的に疲労度、特に身体疲労の疲労度を評価する方法及び利用法を提供することにある。 本発明者は、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、体液中のコエンザイムQを測定・評価するだけで、日常生活の疲労、特に身体疲労負荷に対する疲労度を定量的に評価できることを独自に見出し、この実験系を利用して日常生活における身体疲労度を測定することができる本発明を完成させるに至った。 本発明に係る疲労度評価装置は、体液中のコエンザイムQの濃度を測定する測定手段と、上記測定手段の測定結果を指標として疲労度を評価する評価手段と、を備えることを特徴としている。 また、上記評価手段は、体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率を指標として疲労度を評価する評価手段を備えることを特徴としている。また、上記評価手段は、上記測定結果における体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率が所定の値より高ければ、疲労度が高いと評価するものであることが好ましい。また、上記評価手段は、上記測定結果における体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率が所定の値より高ければ、日常生活で生じる生理的急性疲労の蓄積による過労状態であると評価するものであることが好ましい。また、上記体液は、生物個体から分離した血液、唾液、脳脊髄液及び尿からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、上記疲労度の評価対象が、日常生活で生じる生理学的急性疲労であって、身体的疲労であることが好ましい。また、上記疲労度の評価対象が、日常生活で生じる生理学的急性疲労であって、紫外線照射による紫外線疲労であることが好ましい。また、上記測定手段は、被験者に対して疲労を負荷する前及び疲労を負荷した後のそれぞれにおける体液中のコエンザイムQの濃度を測定するものであって、上記評価手段は、上記測定手段の測定結果から、疲労負荷前と疲労負荷後との体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率の変化量を指標として、疲労度を評価するものであることが好ましい。 また、本発明にかかる疲労度評価方法は、上記の課題を解決するために、体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度を指標として疲労度を評価することを特徴としている。上記の方法では簡便かつ客観的にヒトの疲労度を評価でき、疲労回復又は抑制効果を持つ医薬品をはじめ、栄養ドリンクや健康食品といった栄養補助食品の効果効能を定量的に求めることも可能である。さらに、過剰な時間労働などで引き起こりやすい過労状態を簡便かつ客観的に発見することも可能である。 また、上記体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率が高ければ、疲労度が高いと評価することが好ましい。また、上記体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率が高ければ、日常生活で生じる生理的急性疲労の蓄積による過労状態であると評価することが好ましい。また、上記体液は、血液、唾液、脳脊髄液及び尿から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。また、上記疲労度の対象が日常生活で生じる生理的急性疲労であって、身体疲労負荷に対する疲労であることが好ましい。また、上記疲労度の対象が日常生活で生じる生理的急性疲労であって、紫外線照射に対する紫外線疲労であることが好ましい。さらに疲労負荷前および疲労負荷後のそれぞれにおける上記体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率の変化量を指標として疲労度を評価することであってもよい。 また、本発明にかかる疲労度評価キットは、上記の課題を解決するために、上述の疲労度評価方法を実施するためのものであることを特徴としている。 上記の疲労度評価キットによれば、例えば、被験者から体液を採取し、体液中の酸化型コエンザイムQの濃度を測定し、その濃度から総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率を算出するだけで、疲労抑制又は回復効果がある医薬品及び食品の効果効能を評価できる。すなわち、疲労抑制又は回復効果がある医薬品又は食品の生体における効果効能を簡便かつ定量的に求めることができる。 また、本発明にかかる抗疲労物質の抗疲労力測定方法は、上記の課題を解決するために、上述の疲労度評価方法および疲労度評価キットのいずれかを用いて、抗疲労物質の抗疲労力を測定することを特徴としている。 上記の方法によれば、抗疲労物質がどの程度、ヒトの疲労症状に対して改善効果を有するのか、すなわち、抗疲労物質の有する抗疲労力について、簡便かつ確実、さらに定量的に、測定することができる。 本発明は、日常生活における疲労度を簡便かつ定量的に測定・評価するための方法、キット及びその利用法を提供するものである。このため、本発明によれば、日常生活において、疲労度を客観的に知ることができ、疲労が知らず知らずのうちに蓄積して引き起こされる種々の疾患の発生を回避できる。さらに、疲労を意識せずに働き続けることにより発生する過労死の発生率を低下させることもできる。 また、本発明に係る方法は、抗疲労物質の抗疲労力を評価する方法であって、疲労状態の被験者に上記抗疲労物質を与える過程と、上記いずれかに記載の疲労度評価装置、疲労度評価方法又は疲労度評価キットにより、上記被験者の疲労が改善されたか否かを判断する過程と、上記被験者の疲労の改善の程度を指標として、上記抗疲労物質の抗疲労力を評価する過程と、を含むことを特徴としている。 また、本発明に係る疲労度評価システムは、上記いずれかに記載の疲労度評価装置であって、抗疲労物質を与えられた被験者の疲労度を評価する疲労度評価装置と、上記疲労度評価装置の評価結果における、上記被験者の疲労の改善の程度を指標として、上記抗疲労物質の抗疲労力を評価する疲労度評価装置と、を備えることを特徴としている。 また、本発明に係るスクリーニング方法は、抗疲労物質の候補物質をスクリーニングする方法であって、疲労状態のモデル動物に被験物質を与える過程と、上記いずれかに記載の疲労度評価装置、疲労度評価方法又は疲労度評価キットにより、上記モデル動物の疲労が改善されたか否かを判断する過程と、上記モデル動物の疲労が改善していることを指標として、上記被検物質が抗疲労物質の候補物質であると判定する過程と、を含むことを特徴としている。 なお、上記疲労度評価装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記疲労度評価装置をコンピュータにて実現させる疲労度評価装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。 さらに、本発明によれば、市場に数多く供給される、疲労回復、滋養強壮・栄養補給を謳う医薬品や食品がどの程度生体において抗疲労力を発揮するのか、といった情報を消費者及び社会に提供することができる。これらの情報は、消費者にとって、過労の予防や、滋養強壮に有効な抗疲労食品や医薬品を選択する際の一つの目安として利用することができるものであり、これらの点において、本発明は非常に有用かつ社会的インパクトの強い発明であるといえる。 また、本発明にかかる疲労度評価キットは、上記の課題を解決するために、上述の疲労度評価方法を実施するためのものであることを特徴としている。 以上のように、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キット、その利用方法によれば、被験者の体液を採取するだけで、被験者の当該疲労度が定量的に評価できるという効果を奏する。さらに、かかる方法及びキットは、いずれも簡便であるだけでなく、長時間にわたる拘束も必要としないため、被験者にとっては苦痛やわずらわしさを感じさせることがなく、また、方法等も実施者にとっても簡便であり、被験者及び実施者の両者にとって非常に取り扱いやすいものであるという効果を奏する。それゆえ、抗疲労物質のスクリーニング方法や、抗疲労能を謳った食品等のin vivo評価に利用することができ、非常に有用な技術である。 以下、本発明にかかる疲労度評価方法について説明し、次いでキット及び利用法について説明することとする。なお、本発明は、これに限定されるものではない。 以下、本発明にかかる疲労度評価方法について説明し、次いでキット及び利用法について説明することとする。なお、本発明は、これに限定されるものではない。 (1)疲労度評価方法 本発明者は、被験者の体液を採取し、体液中のコエンザイムQの濃度を測定することにより、ヒトの疲労度を簡便かつ定量的に測定することができることを見出した。この方法は、大掛かりな装置が必要ないだけでなく、体液の採取時間が短いことから、被験者にとって時間的拘束が少ないだけでなく、方法の実施者にとっても非常に簡便な方法である。 まず、本発明にかかる疲労度評価方法の概要を簡単に説明する。なお、ここで述べる方法の概要は、後述するキット及び利用方法にも共通する部分が多分に存在する。上記方法では、まず、被験者の体液を採取し、体液中のコエンザイムQの濃度を測定する。また、本発明でいうコエンザイムQとは、酸化型コエンザイムQと還元型コエンザイムQの総称を意味する。また、総コエンザイムQとは、酸化型コエンザイムQと還元型コエンザイムQを合わせたものをいう。体液は血液、唾液、脳脊髄液及び尿から選ばれる少なくとも一種以上であればよいが、好ましくは血液が好適である。 さらに、体液中のコエンザイムQの測定方法は従来公知の方法であればよく、具体的な手法、条件などは適宜設定可能である。例えば、体液を液体クロマトグラフィーにかけて、体液中の酸化型コエンザイムQおよび還元型コエンザイムQを測定する方法などが挙げられる(非特許文献3及び4参照) また、本発明でいう「疲労度」とは、過度の肉体的、精神的な活動により生じた独特の病的不快感と休養を求める欲求を伴う身体あるいは精神機能の減弱状態の度合いをいう。ここで身体あるいは精神機能の減弱状態とは、身体および精神作業能力の質的あるいは量的な低下を意味する。 本発明でいう「疲労」とは上述のとおり生理的疲労と病的疲労に分類され、上記「生理的疲労」は急性疲労と慢性疲労に分類される。さらに、「急性疲労」は精神疲労と身体疲労に分類される。一方、上記「慢性疲労」についても、上記急性疲労と同様に分類できる。また、本発明における疲労度の対象は生理的疲労の中でも急性疲労であることが好ましい。さらに、本発明における疲労度の対象は、遷延性疲労であってもよい。 本発明でいう「過労状態」とは、上記生理的疲労であって、慢性疲労である状態が持続した結果、生体リズムが崩壊し、生命を維持する機能に致命的破綻をきたした状態であって、病的疲労に至る状態を意味する。また、発明でいう「精神疲労」とは、複雑な計算や記憶、又は思考などの心理活動ばかりでなく、我慢や緊張又は時間に追われて作業をすることの焦操感など、感情や意思の活動が過度に要求された場合に生じる疲労である。本発明でいう「身体疲労」とは、肉体的作業の遂行によって起こる疲労である。本発明でいう「紫外線疲労」とは、紫外線照射によって起こる疲労である。本発明でいう「精神疲労負荷」とは、眼精疲労、心的ストレスを含む精神的疲労を与えることを意味する。 また、本発明に係る疲労度測定方法においては、上記体液中のコエンザイムQ濃度に対する酸化型コエンザイムQの比率が高ければ、被験者の疲労度が高いと評価することになる。これは、後述する実施例に示すように、被験者の疲労度が高まれば、それに応じて被験者の体液内のコエンザイムQ濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率が高くなることから導かれる。 さらに、本発明にかかる疲労度評価方法の一部あるいは全部をコンピュータ等の従来公知の演算装置(情報処理装置)を利用して行うことも可能である。例えば、本発明にかかる疲労度評価方法は、被験者から体液を採取する採取工程と、体液中のコエンザイムQの濃度を測定する測定工程と、体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率の算出結果に応じて被験者の疲労度を評価する評価工程とを含むと換言できるが、この中でも、特に評価工程に演算装置を利用することができる。 なお、本明細書では、本発明の対象として、主としてヒト(被験者)を観念しているが、これに限定されるものではなく、実験動物等の各種哺乳動物についても適用可能である。特に、マウス、ラット、ウサギ、サル等は実験動物として頻繁に利用されるものであるため、これらの生物に適用することは特に健康食品や医薬品の開発という面で有用性が高い。 (2)疲労度評価キット 次に、本発明にかかる疲労度評価キットについて説明する。本発明にかかる疲労度評価キットは、ヒトにおける疲労度を評価するキットである。すなわち、上記(1)欄で説明した本発明にかかる疲労度評価方法を実施するためのキットであればよい。さらに詳細には、例えば、被験者の体液を採取するための手段と、当該採取後の体液中のコエンザイムQの濃度を測定する手段とを有するキットであればよい。本発明における体液中のコエンザイムQの濃度を測定する手段としては、従来公知の測定方法を実施するために必要な手段であればよい。具体的には、例えば、上記(1)欄で説明した体液中のコエンザイムQの濃度を測定する方法を実施するために必要な試薬、器具、装置、触媒その他のものをいう。 さらに本発明にかかる疲労度評価キットは、コンピュータなどの従来公知の演算装置を用いてなるキットとなっていてもよい。 (3)疲労度評価方法及び疲労度評価キットの利用法 以上のように、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キットによれば、被験者が抗疲労物質を摂取する前後において、被験者の体液中のコエンザイムQの濃度を測定するだけで、当該抗疲労物質の被験者生体内における抗疲労力を定量的に測定・評価することができる。さらに、かかる方法、キットはいずれも簡便であるだけでなく、大掛かりな装置や長時間における拘束が必要ないため、被験者及び実施者の両者にとって非常に取り扱いやすいものであるという利点がある。 このため、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キットのいずれかを用いて、抗疲労物質の抗疲労力を測定する抗疲労力物質の抗疲労力測定方法も本発明に含まれる。また、かかる抗疲労力物質の抗疲労力測定方法は、例えば、被験者が抗疲労物質を摂取する前に、当該被験者の体液を採取し、体液中のコエンザイムQの濃度を測定する摂取前コエンザイムQの濃度測定工程と、被験者が抗疲労物質を摂取した後に、当該被験者の体液を採取し、体液中のコエンザイムQの濃度を測定する摂取後コエンザイムQの濃度測定工程と、上記摂取前コエンザイムQの濃度測定工程及び摂取後コエンザイムQの濃度測定工程によって得られた、当該抗疲労物質の摂取前後におけるコエンザイムQの濃度の変化の測定結果に基づき、当該抗疲労物質の摂取前後における体液中のコエンザイムQの濃度の変化を算出する濃度変化算出工程と、上記濃度変化算出工程によって得られた当該抗疲労物質の摂取前後における体液中のコエンザイムQの濃度変化に基づき、当該抗疲労物質の生体における抗疲労力を測定する抗疲労力測定工程と、を含む方法と換言することもできる。さらに、かかる抗疲労力物質を投与した被験者(投与群)と非投与群において、上記抗疲労力測定方法を実施する方法でもよい。 なお、上記抗疲労とは、疲労の回復及び抑制効果を意味する。また、抗疲労物質とは、疲労回復又は予防物質を含む。 また、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キットは、例えば、抗疲労物質のスクリーニング方法に利用することができる。すなわち、本発明にかかる抗疲労物質のスクリーニング方法は、上記疲労度評価方法、疲労度評価キットのいずれかを利用して、抗疲労物質をスクリーニングする方法であればよく、その具体的な方法、条件などは特に限定されるものではない。 上記スクリーニング方法によれば、例えば、抗疲労食品として利用可能と思われる食品群を被験者に経口摂取させて、実際にin vivoで優れた抗疲労能を示す食品を簡便かつ客観的に選択することができる。したがって、上記スクリーニング方法により得られた抗疲労物質や抗疲労食品は、生体における効果が証明されたものであり、市場において高い評価を獲得することができる。 なお、上記のスクリーニング方法により取得された抗疲労物質も本発明に含まれる。すなわち、本発明にかかる新規抗疲労物質は、上記スクリーニング方法により取得されたものであればよい。 また、疲労が社会問題化されるにつれて、抗疲労機能を謳った抗疲労物質、抗疲労食品が種類、数量とともに増加してきており、これらの食品の抗疲労力を適切に評価する方法の開発も強く求められているが、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キットおよびその利用法によれば、この要求にも応えることができる。 以下、添付した図面に沿って実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。 (身体作業による疲労負荷試験) (1)対象 健常男性8名及び健常女性9名(平均年齢38.0±9.9)を被験者とした。試験の実施に際しては、総合医科学研究所及び総医研クリニック合同審査委員会(委員長 井上昌治弁護士)の承認のもとに行われ、ヘルシンキ宣言(1964採択,′75,′83,′89,′96,2000修正)の主旨に従い、被験者に対しては研究内容、方法などについて医師より十分な説明を行い文書による同意を得て実施した。 試験の実施に際しては、総合医科学研究所及び総医研クリニック合同審査委員会(委員長 井上昌治弁護士)の承認のもとに行われ、ヘルシンキ宣言(1964採択,′75,′83,′89,′96,2000修正)の主旨に従い、被験者に対しては研究内容、方法などについて医師より十分な説明を行い文書による同意を得て実施した。 (2)試験方法図2に示すスケジュールにしたがって実施した。 (3)身体作業内容 身体作業負荷は、エルゴメーターを試験スケジュールに従い漕ぐことにより与えた。負荷強度はAT(anaerobic threshold)における心拍数の80%となる負荷強度(WattAT80%)とした。試験実施前にあらかじめエルゴメーター(コンビ(株)エアロバイク75XLII ME)および呼吸代謝測定システム(ミナト医科学(株)エアロモニタAE−300S)を用いてAT時のV02、心拍数を測定し負荷強度を算出した。試験日にはWattAT80%で2時間の2タームの負荷を与えた。 (4)回復期の設定 身体作業負荷4時間の負荷が終了した後、4時間(昼食時間を含む)の回復期を設定した。各被験者に1台のベッドを用意し、読書や音楽を聴いてもらい過ごしてもらった。 (5)その他の試験管理(a)試験期間前の管理 試験実施前7日間は暴飲暴食や過度な運動は禁止し、食事運動記録をつけてもらい、日常生活を把握した。 (b)試験実施期間の管理 食事、入浴、就寝時間などの生活習慣を含めた行動を試験スケジュールに従わせた。また、食事に関して、作業負荷前日および作業負荷当日の夕食は同一メニューで約800kcalとした。作業負荷当日の昼食は炭水化物が中心の内容で400kcal程度とした。水分補給はミネラルウォーターのみとした。水分摂取量についても制限はしなかった。入浴はシャワーのみとした。 (6)試験実施期間中の観察・調査、検査項目 試験当日は図2の試験スケジュールに従い次に示す検査(生理学的検査および採血など)を実施した。検査は負荷前(Before)、負荷4時間後(4h)、回復4時間後(After)の計3回実施した。負荷前検査と負荷開始の間にトレーランG75(グルコース75g)を1本摂取させた。 (7)検査内容(a)VAS(Visual Analogue Scale) VASとは、線分の両端に基準となる表現を記した紙を見せ、被験者は測りたい内容が、その線分のどのあたりに相当するかをチェックする評価方法である。線分の左端からの長さを測定することにより、質問項目に対して定量的に結果が出て、多くの人の結果を平均するなどの処理ができるという利点を持つ方法である。本実施例では、負荷2時間後においても検査をおこなった。実施例で使用したVAS試験用紙を図3に示す。 (b)血液中コエンザイムQ10濃度の測定 被験者の血液を図2に示すスケジュールで採血し、血液中の総コエンザイムQ10および酸化型コエンザイムQ10を測定した。測定は、日研ザイル株式会社(静岡県袋井市)にて行った。 (8)結果(a)VAS(Visual Analogue Scale) 負荷前(Before)、負荷2時間後(2h)、負荷4時間後(4h)及び回復4時間後(After)における結果を図4に示す。VASの疲労感に関する評価において、疲労負荷4時間中の変化量は、無負荷群と比較して有意に大きかった。被験者の主観的疲労感が高まっていることから、当該試験方法において疲労が負荷されていることが確認された。 (b)血液中コエンザイムQ10濃度 結果を図5および図6に示す。総コエンザイムQ10の濃度は、負荷前(Before)、負荷4時間後(4h)及び回復4時間後(After)において変化は認められなかった(図5)。一方、疲労負荷前における血液中の総コエンザイムQ10の濃度に対する酸化型コエンザイムQ10の濃度の比率は、無負荷群では1.06±0.82(%)であるのに対し、負荷4時間後(4h)では、1.74±0.96(%)であり、身体作業により血液中の総コエンザイムQ10の濃度に対する酸化型コエンザイムQ10の濃度の比率は有意に高くなっていた(図6)。上記(a)VASの検査によって、上記身体疲労負荷により被験者の疲労度は高まっていることが確認されていることから、血液中の総コエンザイムQ10の濃度に対する酸化型コエンザイムQ10の濃度の比率が高くなれば被験者の疲労度が高いと評価できることが明らかにされた。 (ラット疲労負荷モデルにおける血液中コエンザイムQ9の測定) (1)疲労負荷試験 7週齢の雄SDラットを水温23±1℃の1.5cm水深ゲージにて5日間飼育した(StressRat群)。また通常通り飼育したラットを対照とした(Control群)。なお、この環境下では水を忌避するラットにとって十分な睡眠や休息姿勢をとることが不可能であり、精神的にも肉体的にも常に休息できない状態となることが明らかとなっており、ラットを用いた疲労負荷モデルとして確立されている(参考文献1:田中雅彰著、過労死と疲労、週刊医学のあゆみ、Vol.205、No.5、P362−P364)。 (2)検査方法 疲労負荷試験後、Stress Rat群およびControl群の採血をおこない、血液中の総コエンザイムQ9および酸化型コエンザイムQ9を測定した。なお、測定方法は、非特許文献3及び非特許文献4に記載されている。 (3)結果 結果を図7および図8に示す。総コエンザイムQ9の濃度は、Stress Rat群およびControl群において群間差異は認められなかった(図7)。一方、血液中の総コエンザイムQ10の濃度に対する酸化型コエンザイムQ9の濃度の比率は、Control群では29.5±11.4(%)であるのに対し、Stress Rat群では、43.8±7.0(%)であり、疲労負荷により血液中の総コエンザイムQ9の濃度に対する酸化型コエンザイムQ9の濃度の比率は有意に高値を示した(図8)。これより、ラット等を用いた動物実験においても、血液中の総コエンザイムQ9の濃度に対する酸化型コエンザイムQ9の濃度の比率を基準として疲労度を評価できることが明らかになった。 (紫外線照射によるラット疲労負荷モデルにおける血液中コエンザイムQ9の測定) (1)疲労負荷試験 9週齢の雄ICRラットに紫外線を100秒間照射した。 (2)検査方法 紫外線照射前(Control群)、照射後4時間後(4h群)および照射後9時間(9h群)に採血をおこない、血液中の総コエンザイムQ9および酸化型コエンザイムQ9を測定した。なお、測定方法は、実施例2と同じである。 (3)結果 結果を図9および図10に示す。総コエンザイムQ9の濃度は、Control群、4h群および9h群において群間差異は認められなかった(図9)。一方、血液中の総コエンザイムQ10の濃度に対する酸化型コエンザイムQ9の濃度の比率は、Control群では23.6±7.6(%)であるのに対し、4h群では、51.0±9.1(%)であり、紫外線照射による疲労により血液中の総コエンザイムQ9の濃度に対する酸化型コエンザイムQ9の濃度の比率は有意に高くなっていた(図10)。これより、紫外線照射による疲労においても、血液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率を基準として疲労度を評価できることが明らかになった。 以上のように、本発明にかかる疲労度評価方法、疲労度評価キット、その利用方法によれば、被験者の血液を採取するだけで、被験者の当該疲労度が定量的に評価できるという効果を奏する。さらに、かかる方法及びキットは、いずれも簡便であるだけでなく、長時間にわたる拘束も必要としないため、被験者にとっては苦痛やわずらわしさを感じさせることがなく、また、方法等も実施者にとっても簡便であり、被験者及び実施者の両者にとって非常に取り扱いやすいものであるという効果を奏する。それゆえ、抗疲労物質のスクリーニング方法や、抗疲労能を謳った食品等のin vivo評価に利用することができ、非常に有用な技術である。 すなわち、本発明にかかる疲労度評価方法は、ストレスや疲労メカニズムの解明に利用することができ、ストレス解消方法の開発、疲労の程度評価をすることができる。また、本発明を利用することにより、市場に出回る抗疲労を謳う健康食品、特定保健用食品、栄養ドリンクなどの効果の定量化(評価)が可能になる。よって本発明は、医療業、製薬業、健康食品産業、健康機器産業等の広範な分野に利用が可能である。 コエンザイムQの構造式である。 本発明にかかる実施例1の試験スケジュールである。 本発明にかかる実施例1において用いたVAS用紙である。 本発明にかかる実施例1におけるVAS検査の結果である。 本発明にかかる実施例1における総コエンザイムQ10の測定結果である。 本発明にかかる実施例1における総コエンザイムQ10に対する酸化型コエンザイムQ10の比率の算出結果である。 本発明にかかる実施例2における総コエンザイムQ9の測定結果である。 本発明にかかる実施例2における総コエンザイムQ9に対する酸化型コエンザイムQ9の比率の算出結果である。 本発明にかかる実施例3における総コエンザイムQ9の測定結果である。 本発明にかかる実施例3における総コエンザイムQ9に対する酸化型コエンザイムQ9の比率の算出結果である。 体液中のコエンザイムQの濃度を測定する測定手段と、上記測定手段の測定結果を指標として疲労度を評価する評価手段と、を備えることを特徴とする疲労度評価装置。 体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率を指標として疲労度を評価する請求項1に記載の疲労度評価装置。 上記評価手段は、上記測定結果における体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率が所定の値より高ければ、疲労度が高いと評価するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の疲労度評価装置。 上記評価手段は、上記測定結果における体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率が所定の値より高ければ、日常生活で生じる生理的急性疲労の蓄積による過労状態であると評価するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の疲労度評価装置。 上記体液は、生物個体から分離した血液、唾液、脳脊髄液及び尿からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の疲労度評価装置。 上記疲労度の評価対象が、日常生活で生じる生理学的急性疲労であって、身体疲労であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の疲労度評価装置。 上記測定手段は、被験者に対して疲労を負荷する前及び疲労を負荷した後のそれぞれにおける体液中のコエンザイムQの濃度を測定するものであって、上記評価手段は、上記測定手段の測定結果から、体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率を指標として、疲労度を評価するものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の疲労度評価装置。 体液中のコエンザイムQの濃度を測定することを特徴とする疲労度評価方法。 上記体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率が高ければ、疲労度が高いと評価することを特徴とする請求項8に記載の疲労度評価方法。 上記体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率が高ければ、日常生活で生じる生理的急性疲労の蓄積による過労状態であると評価することを特徴とする請求項8又は9に記載の疲労度評価方法。 上記体液は、血液、唾液、脳脊髄液及び尿から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の疲労度評価方法。 上記疲労度の対象が、日常生活で生じる生理学的急性疲労であって、身体疲労であることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の疲労度評価方法。 疲労負荷前及び疲労負荷後のそれぞれにおける体液中のコエンザイムQの濃度を測定するものであって、濃度の変化量を指標として疲労度を評価することを特徴とする請求項8に記載の疲労度評価方法。 請求項8〜13のいずれか1項に記載の疲労度評価方法を実施するための疲労度評価キット。 請求項1〜14のいずれか1項に記載の疲労度評価装置、疲労度評価方法又は疲労度評価キットを用いて、抗疲労物質の抗疲労力を測定することを特徴とする抗疲労物質の抗疲労力測定方法。 抗疲労物質の抗疲労力を評価する方法であって、疲労状態の被験者に上記抗疲労物質を与える過程と、請求項1〜14のいずれか1項に記載の疲労度評価装置、疲労度評価方法又は疲労度評価キットにより、上記被験者の疲労が改善されたか否かを判断する過程と、 上記被験者の疲労の改善の程度を指標として、上記抗疲労物質の抗疲労力を評価する過程と、を含むことを特徴とする方法。 請求項1〜7のいずれか1項に記載の疲労度評価装置であって、抗疲労物質を与えられた被験者の疲労度を評価する疲労度評価装置と、上記疲労度評価装置の評価結果における、上記被験者の疲労の改善の程度を指標として、上記抗疲労物質の抗疲労力を評価する疲労度評価装置と、を備えることを特徴とする抗疲労力評価システム。 抗疲労物質の候補物質をスクリーニングする方法であって、疲労状態のモデル動物に被験物質を与える過程と、請求項1〜13のいずれか1項に記載の疲労度評価装置、疲労度評価方法又は疲労度評価キットにより、上記モデル動物の疲労が改善されたか否かを判断する過程と、上記モデル動物の疲労が改善していることを指標として、上記被検物質が抗疲労物質の候補物質であると判定する過程と、を含むことを特徴とする方法。 【課題】 ヒトにおける疲労度が簡便かつて医療的に評価できる方法、キット及びその利用法を提供する。【解決手段】 被験者の体液を採取し、体液中の総コエンザイムQの濃度に対する酸化型コエンザイムQの濃度の比率を算定することにより、日常生活や疾患にともなう疲労度を簡便かつ定量的に評価できる。さらに、抗疲労物質及び抗疲労食品の生体における抗疲労力を測定できる。【選択図】 なし