生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_新規キノリン誘導体及びこれを含有する医薬
出願番号:2005309442
年次:2007
IPC分類:C07D 401/14,A61K 31/4709,A61P 7/02,A61P 9/10


特許情報キャッシュ

横山 融 小野木 和弘 當間 勉 JP 2007119353 公開特許公報(A) 20070517 2005309442 20051025 新規キノリン誘導体及びこれを含有する医薬 興和株式会社 000163006 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 浅野 康隆 100089048 的場 ひろみ 100101317 守屋 嘉高 100121153 大野 詩木 100134935 松田 政広 100130683 横山 融 小野木 和弘 當間 勉 C07D 401/14 20060101AFI20070413BHJP A61K 31/4709 20060101ALI20070413BHJP A61P 7/02 20060101ALI20070413BHJP A61P 9/10 20060101ALI20070413BHJP JPC07D401/14A61K31/4709A61P7/02A61P9/10 4 OL 10 4C063 4C086 4C063AA03 4C063BB08 4C063CC25 4C063DD14 4C063EE01 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086BC38 4C086GA07 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA14 4C086ZA39 4C086ZA40 4C086ZA54 本発明は、優れた血小板凝集能抑制作用を有する新規なキノリン誘導体化合物、その塩又はそれらの溶媒和物及び該物質を有効成分とする医薬に関する。 血小板は栓球とも呼ばれ、血液の重要構成成分粒子であり、通常は外傷の際に障害血管部位に集積し止血機能を発揮する。しかし、動脈硬化性疾患部位においては血管壁が血流、脂質沈着などにより障害を受け、血管破綻を引き起こしていることが多く、当該部位で活性化し、集積した血小板は、動静脈血管内での血栓の形成を誘発する。一方、抗血小板剤(血小板凝集能抑制剤)はこの血栓形成の引き金となる血小板凝集亢進を抑制する働きを有する。従って、抗血小板剤は動静脈血管内での血栓形成によって引き起こされる疾患、例えば虚血により生ずる脳、心臓及び他の臓器を含む末梢組織の酸素や栄養供給などの低下から致命的な症状に至る疾患の予防、治療に有効と考えられ、特に動脈硬化、糖尿病や高血圧に伴って発症する心筋梗塞、脳血栓症、末梢動脈閉塞症等の予防、治療に重要であると考えられている(非特許文献1〜4)。 かかる観点から、アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、シロスタゾール等の抗血小板剤は、血小板凝集能を抑制することにより血液凝固進展の場を減少させ、病的な血管障害部位での血栓及び血餅形成能を抑制させる目的で使用されている。しかし、アスピリンは消化管粘膜保護物質の生成を抑制することにより、重篤な胃腸障害を引き起こすと共に血管拡張作用物質の生成も抑制することにより血管系の障害を誘発することが知られている(非特許文献5、6)。さらにチクロピジンやクロピドグレルは顆粒球減少症を誘発することが知られ(非特許文献7〜9)、シロスタゾールは重い頭痛を惹起することなどが知られている(非特許文献10)。また、これらの薬剤に感受性の低い患者の存在も知られていることから(非特許文献11)、新たな抗血小板剤の開発が望まれている。松田保・延吉正清著、抗血栓薬療法、(株)南江堂、(1991)松田保著、止血と血栓の療法、(株)新興医学出版社、(1996)池田康夫ほか、血栓と循環 6:9 (1998)A. D. Michelson, Platelets,Academic Press, (2002)B. Cryer, N. Engl. J. Med. (2003) 352:3G. J. Hankey et al., BMJ (2004) 328:477S. Matetzky et al., Circulation (2004) 109:3171M. Cattaneo, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. (2004) 24:1980後藤文男他、第17回チクロピジンシンポジウムハイライト (2003) 第一製薬報K. Yamashita et al., Arzneim.-Forsch./Drug Res. (1990) 40(I) 587R. R. Gollapudi et al., JAMA (2004) 292:3017 したがって、本発明の目的は、血小板凝集能抑制作用を有する新規な化合物を得ることにある。 本発明者らは、斯かる実情に鑑み、鋭意研究した結果、一般式(1)(式中、R1は、低級アルキル基を示す)で表される新規化合物が、優れた血小板凝集能抑制作用を発揮することを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は、一般式(1)(式中、R1は、低級アルキル基を示す)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を提供するものである。 また、本発明は、上記化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする医薬、並びに上記化合物、その塩又はそれらの溶媒和物及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供するものである。 本発明の新規キノリン誘導体化合物、その塩又はそれらの溶媒和物は、血小板凝集能抑制作用に優れ、血小板凝集に起因する疾患、例えば、心筋梗塞、脳血栓症、末梢動脈閉塞症、虚血性疾患、閉塞性血栓血管炎の予防及び/又は治療に用いることができる。 一般式(1)のR1で示される低級アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、シクロプロピル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。 本発明の一般式(1)で表される化合物は、例えば、以下の反応工程式に示した製造方法により得ることができる。(式中R1は、前記と同じものを示し、Xはハロゲン原子を示す。)工程1:既知の方法(例えばAkira Iyobe et al., Chem. Pharm. Bull. 49(7) 822-829など)で得ることの出来る5−アルコキシ−2−ニトロベンズアルデヒド(I)のニトロ基を定法に従ってアミノ基へと還元することで2−アミノ−5−アルコキシベンズアルデヒド(II)が得られる。還元反応としては、例えば接触還元が挙げられる。より好ましくは、パラジウム炭素触媒下に水素を接触させることにより行われる。反応後は、定法に従って後処理、精製するか、未精製のまま次の工程で利用する。工程2:工程1で得られる2−アミノ−5−アルコキシベンズアルデヒド(II)とシアノ酢酸アルキルエステルとを加熱することにより、3−シアノ−6−アルコキシキノリン−2−オン(III)が得られる。より具体的には、化合物(II)と酢酸アルキルエステルとの混合物を無溶媒で、あるいはDMF、THFなどの溶液として加熱する事で化合物(III)が得られる。反応後は、抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの方法を用いて後処理及び精製する。工程3:既知の方法(例えば特開平9−323975製造例1など)で得ることの出来る3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルハライド(IV)とエチレンジアミンとを塩基の存在下で加熱することにより、N−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジル]エチレンジアミン(V)が得られる。より具体的には、化合物(IV)とエチレンジアミンとの混合物を無溶媒で、あるいはDMF、THF、エタノール、水などの溶液とし、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等の無機塩基、あるいはトリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基を添加して加熱する事で化合物(V)が得られる。反応後は、抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの方法を用いて後処理及び精製する。工程4:工程2で得られる3−シアノ−6−アルコキシキノリン−2−オン(III)と工程3で得られるN−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジル]エチレンジアミン(V)とを加熱することにより、本発明化合物6−アルコキシ−3−[1−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジル]−2−イミダゾリン−2−イル]キノリン−2−オン(1)が得られる。より具体的には、化合物(III)と化合物(V)との混合物を無溶媒で、あるいはDMF、THFなどの溶液として加熱する事で本発明化合物6−アルコキシ−3−[1−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジル]−2−イミダゾリン−2−イル]キノリン−2−オン(1)が得られる。反応後は、抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの方法を用いて後処理する。 本発明の一般式(1)で表される化合物は、さらに必要に応じて再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの通常の精製手段を用いて精製することができる。また必要に応じて、常法に従い前記した所望の塩;水和物、エタノール和物等の溶媒和物にすることもできる。ここで、塩としては、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸、等の鉱酸塩;クエン酸、酒石酸、乳酸、等の有機酸塩;ナトリウム、カリウム、カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属塩;アルミニウム、亜鉛などの両性金属塩等が挙げられる。 かくして得られる本発明の一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物は、後記実施例に示すように、ラット多血小板血漿を用いコラーゲンにより誘発される血小板凝集能を強力に抑制する作用を有する。従って、本発明の一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物は、血小板凝集に起因する疾患、すなわち、例えば動静脈血栓症;血管炎や血管インターベンション等に伴い発生する血管障害に基づく血栓症;動脈硬化、糖尿病や高血圧などに伴って発症する急性心筋梗塞症;脳梗塞症;一過性冠動脈;脳血栓症;末梢動脈閉塞症;閉塞性血栓血管炎;高血圧症、血管攣縮、動脈硬化及び糖尿病等の単独あるいは併発に伴う血管障害などに基づいて発症する虚血性疾患の予防及び/又は治療に用いることができる。 本発明の医薬組成物は、一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を含有するものであって、これらを単独で用いてもよいが、通常は薬学的に許容される担体、添加物等を配合して使用される。医薬組成物の投与形態は、特に限定されず、治療目的に応じて適宜選択できる。例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、吸入剤、点眼剤、点鼻剤、貼付剤等のいずれでもよい。これらの投与形態に適した医薬組成物は、公知の製剤方法により製造できる。 経口用固形製剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物に賦形剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。添加剤は、当該分野で一般的に使用されているものでよい。例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等が挙げられる。結合剤としては水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としては乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられる。滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等が挙げられる。矯味剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。 経口用液体製剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物に矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。矯味剤としては上記に挙げられたものでよく、緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。 注射剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉及び静脈内注射剤を製造することができる。pH調製剤及び緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が挙げられる。安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が挙げられる。 坐薬を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物に公知の坐薬用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライド等、更に必要に応じてツイーン(登録商標)等の界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。 軟膏剤を調製する場合は、一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物に通常使用される基剤、安定化剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。 上記以外に、常法により吸入剤、点眼剤、点鼻剤とすることもできる。 本発明の医薬の投与量は、症状により適宜選択されるが、本発明の一般式(1)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物として、1日当り1〜2000mg、好ましくは1〜500mg、更に好ましくは1〜200mg投与するのがよい。また、投与は、1日1回でもよいが、2回以上に分けて投与してもよい。 以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例1 2−アミノ−5−メトキシベンズアルデヒド(II)の合成 5−メトキシ−2−ニトロベンズアルデヒド(I)28.0g(155mM)をTHF300mLに溶かした。これに10%パラジウム炭素触媒12gを加えた後、反応系内を水素置換し氷浴下3時間攪拌した。 反応液より触媒をろ去し、触媒を少量のTHFで洗浄した。ろ液と洗液を合わせて30℃以下で減圧濃縮した。目的化合物(II)が不安定であるため溶媒を完全に留去することなく次の反応に利用することとした。実施例2 3−シアノ−6−メトキシキノリン−2−オン(III)の合成 実施例1で得られた粗2−アミノ−5−メトキシベンズアルデヒド(II)(THFとの混合物、理論量155mM)とシアノ酢酸エチル35.0g(309mM)との混合物を浴温150℃にて1時間攪拌した。 反応混合物を冷却後、ジエチルエーテルを加えて不溶物をろ取した。不溶物をジエチルエーテルで洗浄する事で18.53g(2段階の収率59.7%)の目的化合物(III)を黄色粉末として得た。1H-NMR(270MHz, DMSO-d6 )δ: 3.80(3H, s), 7.28(1H, d, J = 2.4 Hz), 7.31(1H, d, J = 8.8 Hz), 7.35(1H, dd, J = 8.8, 2.4 Hz), 8.67(1H,s), 12.38(1H, brs).実施例3 N−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジル]エチレンジアミン(V)の合成 3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジルクロライド(IV)8.56g(30.2mM)とエチレンジアミン7.26g(121mM)をDMF300mLに溶かし、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液30mLを加え、浴温80℃で3時間攪拌した。 反応液を濃縮後、2mol/L塩酸とクロロホルムを加え水層を分取した。水層に氷冷下、濃水酸化ナトリウム水溶液を滴下しアルカリ性とした後、クロロホルム−メタノール10:1の混液を加えて有機層を抽出した。これを無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧にて溶媒留去し、褐色油状物を得た。 これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル100g、溶出液 クロロホルム:メタノール 20:1〜クロロホルム:アンモニア飽和メタノール 20:1〜10:1)で精製し、対応するフラクションを減圧にて溶媒留去することで6.44g(収率69.4%)の目的化合物(V)を褐色油状物として得た。1H-NMR(270MHz, CDCl3)δ: 2.61-2.67(2H, m), 2.74-2.80(2H, m), 3.77(2H, s), 5.39(2H, s), 6.88-6.95(2H, m), 7.04(1H, m), 7.23(1H, t, J= 8.6Hz), 7.54(1H, ddd, J= 6.8, 6.8, 1.2Hz), 7.68(1H, d, J= 8.6Hz), 7.74(1H, ddd, J= 6.8, 6.8, 1.5Hz), 7.82(1H, d, J= 8.3Hz), 8.08(1H, d, J=8.6Hz), 8.18(1H, d, J=8.6Hz).実施例4 6−メトキシ−3−[1−[3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジル]−2−イミダゾリン−2−イル]キノリン−2−オン(1)の合成 実施例2で得られた3−シアノ−6−メトキシキノリン−2−オン(III)1.28g(6.39mM)と実施例3で得られたN−{3−(2−キノリニルメトキシ)ベンジル}エチレンジアミン(V)3.93g(12.8mM)との混合物をアルゴン雰囲気下、浴温150℃で16時間攪拌した。 反応混合物を冷却後そのままカラムクロマトグラフィー(シリカゲル200g、溶出液 クロロホルム:メタノール 50:1〜クロロホルム:アンモニア飽和メタノール 50:1〜20:1)で精製し、対応するフラクションを減圧にて濃縮後、再結晶(クロロホルム−ヘキサン−ジエチルエーテル)を2回行い1.00g(収率31.9%)の本発明化合物(1)を淡黄色結晶性粉末として得た。mp 195-197℃1H-NMR(270MHz, CDCl3)δ: 3.35(2H, t, J= 9.9Hz), 3.79(3H, s), 3.89(2H, t, J= 9.9Hz), 4.27(2H, s), 5.36(2H, s), 6.87-6.94(2H, m), 6.95(1H, d, J= 2.6Hz), 7.07(1H, m), 7.12(1H, dd, J= 9.2, 2.6Hz), 7.20(1H, d, J= 7.7Hz), 7.26(1H, d, J= 9.2Hz), 7.54(1H, ddd, J= 7.7, 7.0, 1.1Hz), 7.62(1H, d, J= 9.2Hz), 7.72(1H, ddd, J= 8.4, 7.0, 1.5Hz), 7.82(1H, d, J= 8.4Hz), 8.07(1H, J= 9.2Hz), 8.11(1H, s), 8.19(1H, d, J= 8.4Hz).IR(KBr): 1664, 1624, 1588, 1503, 1486, 1264, 1239, 1169, 1131, 1034, 820, 780, 744 cm-1.試験例 コラーゲンにより惹起されるラット血小板凝集能に対する抑制効果を次法に従って測定した。供試動物及び飼育環境 Wistar系雄性ラット(日本エスエルシー株式会社)8〜10週齢を供試した。実験期間を通じて、明暗サイクル(室内光による明るい期間:午前7時〜午後7時)、温度(23±3℃)、湿度(55±15%)が一定に維持された飼育室で飼育し、固形飼料(オリエンタル酵母工業、CE2)及び水道水を自由摂取させた。薬物調製 本発明化合物(1)及びシロスタゾールをそれぞれ10mMの濃度になるようにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。使用までの期間は冷凍庫(−30℃)内に遮光保存した。試験方法 試験例1で供試したラットをペントバルビタールナトリウム(東京化成、50mg/kg腹腔内投与)で麻酔し、腹部大静脈より1/10量のクエン酸ナトリウム(和光純薬)水溶液を含むように採血した。次いで、25℃、1,600回転/分で7分間遠心分離操作(国産遠心機、H500R)を行い、血液全体の約30%にあたる多血小板血漿分画(PRP)を採取した。残りの血液はさらに3,000回転/分で5分間遠心分離操作を行って血漿(PPP)を得た。 血小板凝集能測定はMCMヘマトレーサー313M(エムシーメディカル)を用いて行った。即ち、専用キュベットに0.1mLのPRPを加え、対照として0.2mLのPPPを加え、PRPに専用コラーゲン浮遊液(エムシーメディカル、MCMコラーゲン)を0.011mLずつ加えて血小板凝集能を10分間測定した。 各化合物の抗血小板作用は、終濃度で0.02mg/mLとなるようにコラーゲン浮遊液を添加した場合に生ずる最大凝集能(%)として求めた。試料は、化合物の終濃度が、0.1mM、及び0.03mMとなるように加えたものを使用した。データ処理法 抗血小板作用結果は、0.001mLのDMSO(1/100量)添加時の最大凝集能(%)(コントロール)に対する同用量の化合物DMSO溶液添加時(サンプル)の最大凝集能(%)の比較(以下の式で求められる凝集能抑制率(%))で示した。凝集能抑制率(%)=(1−(サンプル最大凝集能/コントロール最大凝集能))×100 また、試験化合物の終濃度が0.1mM、及び0.03mMでの凝集能抑制作用を測定し、それぞれの抑制率を以下の式にあてはめて50%抑制に要する化合物濃度(IC50)を求めた。IC50(M)=((0.0001×(50−I0.03)−(0.00003×(50−I0.1)))/(I0.1−I0.03))但し、I0.03(%)=化合物0.03mM添加時の抑制率I0.1(%)=化合物0.1mM添加時の抑制率 結果を表1に示す。なお、表1中の凝集抑制率は、終濃度0.1mMで化合物を用いた場合の抑制率である。試験結果 表1に示すように、本発明化合物は0.1mMにおいて血小板凝集能抑制作用を示し、比較化合物であるシロスタゾールと同等の、強力な抗血小板剤であることが確認された。 一般式(1)(式中、R1は、低級アルキル基を示す)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物。 請求項1記載の化合物、その塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする医薬。 血小板凝集に起因する疾患の予防及び/又は治療剤である請求項2記載の医薬。 請求項1記載の化合物、その塩又はそれらの溶媒和物及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。 【課題】血小板凝集能抑制作用を有する新規な化合物を得ること。【解決手段】一般式(1)(式中、R1は、低級アルキル基を示す)で表される化合物、その塩又はそれらの溶媒和物。【選択図】なし


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