生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_シグナル増幅方法
出願番号:2005287170
年次:2007
IPC分類:C12Q 1/28,C12Q 1/68,C12Q 1/42,G01N 33/543,G01N 33/535


特許情報キャッシュ

野地 澄晴 櫻庭 春彦 JP 2007089548 公開特許公報(A) 20070412 2005287170 20050930 シグナル増幅方法 国立大学法人徳島大学 304020292 三枝 英二 100065215 掛樋 悠路 100076510 中野 睦子 100108084 野地 澄晴 櫻庭 春彦 C12Q 1/28 20060101AFI20070316BHJP C12Q 1/68 20060101ALI20070316BHJP C12Q 1/42 20060101ALI20070316BHJP G01N 33/543 20060101ALI20070316BHJP G01N 33/535 20060101ALI20070316BHJP JPC12Q1/28C12Q1/68 AC12Q1/42G01N33/543 545SG01N33/535 7 OL 14 4B063 4B063QA01 4B063QA18 4B063QQ42 4B063QQ52 4B063QR02 4B063QR13 4B063QR55 4B063QR58 4B063QS03 4B063QS24 4B063QS32 4B063QX01 本発明は、シグナル増幅法に関する。特に免疫反応や核酸の検出感度を高めるためのシグナル増幅法に関する。さらに、本発明は、当該シグナル増幅法に使用される試薬、およびこれを含むシグナル増幅試薬キットに関する。 免疫科学の進歩により、抗原抗体反応を用いて微量成分を感度よく検出する免疫測定法が広く用いられている。免疫測定の中で一般的なものとして、免疫組織染色および酵素免疫測定を挙げることができる。かかる免疫測定は、従来からより一層高感度に行うための方法が検討されており、かかる方法の一つとしてビオチン標識チラミドを利用する方法がある〔TSA(Tyramide Signal Amplification)増感システム)。これはCARD(Catalyced Reporter Deposition)法の原理に基づくシグナル増幅法であり(例えば、特許文献1〜3など参照)、 この方法によると免疫組織化学染色において、従来と同等の検出感度を維持しながら、一次抗体の使用量を格段に減らすことができることが知られている。また、酵素免疫測定において、ビオチン標識チラミド反応に基づく増感反応とアルカリフォスファターゼを用いる活性測定法とを組み合わせることによって、抗原の高感度測定が可能になることも知られている(例えば、特許文献4等参照)。また、かかるビオチン標識チラミドを用いたシグナル増幅法は、免疫測定法だけでなく、in situハイブリダイゼーションにおけるプローブのシグナル増幅にも用いることができ、これによればPCRによる増幅をすることなく、同等またはそれ以上の感度が得られることが知られている。 チラミド(Tyramide)は、アミノ基を有するp−フェノール誘導体であり、過酸化水素の存在下においてペルオキシダーゼの触媒作用によりラジカル化される特性を有している。このラジカルは近傍に豊富な電子をもつ芳香族化合物(チロシンやトリプトファンなどのアミノ酸)があるとき、これらと非特異的な共有結合を形成する。TSA(Tyramide Signal Amplification)法は、チラミドのこの性質を利用してシグナル増幅を行う方法である。米国特許第5,731,158号公報米国特許第5,583,001号公報米国特許第5,196,306号公報特開平6−109734号公報 上記のTSA法で使用される標識チラミドとしては、ビオチン標識チラミドや各種の蛍光色素で標識したチラミドが知られている。しかし、酵素で標識されたチラミド知られていない。そこで本発明の目的は、チラミドを利用したシグナル増幅法(TSA法)に有効に利用できる新規な酵素標識チラミドおよびその機能的同等物を提供し、さらに当該酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を用いたシグナル増幅法を提供することである。さらに、本発明は、当該酵素標識チラミドまたはその機能的同等物をシグナル増幅のための試薬として提供することを目的とする。 本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねていたところ、特定の耐熱性酵素によればチラミドやそれと機能同等なp−フェノール誘導体と結合させても失活せず、TSA法において酵素標識チラミドとしてシグナル増幅に有効に使用できることを見出し、本発明を完成するにいたった。 すなわち、本発明は下記の発明を提供するものである: シグナル増幅法−11.耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を用いることを特徴とした下記工程を有するシグナル増幅法: (1)標的分子を、当該分子と特異的に結合する一次標識分子と結合させる工程、(2)上記標的分子と結合した一次標識分子に、ペルオキシダーゼ標識一次結合体を結合させる工程、(3)過酸化水素の存在下で、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を反応させる工程、及び(4)上記耐熱性酵素を発色基質と反応させる工程。2.標的分子が抗原または抗体であって、当該標的分子と特異的に結合する一次標識分子が、標的分子と抗原抗体反応により結合する一次標識抗体または一次標識抗原であるか、または標的分子が核酸分子であって、当該標的分子と特異的に結合する一次標識分子が、標的分子にハイブリダイズする塩基配列を有する一次標識プローブである1に記載するシグナル増幅法。3.耐熱性酵素標識チラミドが、耐熱性アルカリフォスファターゼ標識チラミドまたは耐熱性ペルオキシダーゼ標識チラミドである1または2に記載のシグナル増幅法。 シグナル増幅法−21.耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を用いることを特徴とした下記工程を有するシグナル増幅法: (a)標的分子を、当該分子と特異的に結合するペルオキシダーゼ標識分子と結合させる工程、(b)上記標的分子と結合したペルオキシダーゼ標識分子に、過酸化水素の存在下で、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を反応させる工程、及び(c)上記耐熱性酵素を発色基質と反応させる工程。2.標的分子が抗原または抗体であって、当該標的分子と特異的に結合するペルオキシダーゼ標識分子が、標的分子と抗原抗体反応により結合するペルオキシダーゼ標識抗体またはペルオキシダーゼ標識抗原であるか、または標的分子が核酸分子であって、当該標的分子と特異的に結合するペルオキシダーゼ標識分子が、標的分子にハイブリダイズする塩基配列を有するペルオキシダーゼ標識プローブである1に記載するシグナル増幅法。3.耐熱性酵素標識チラミドが、耐熱性アルカリフォスファターゼ標識チラミドまたは耐熱性ペルオキシダーゼ標識チラミドである1または2に記載のシグナル増幅法。 耐熱性酵素標識チラミドおよびこれを含む試薬・試薬キット1.耐熱性アルカリフォスファターゼまたは耐熱性ペルオキシダーゼで標識されてなる、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物。2.1に記載する耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を含むシグナル増幅試薬、または当該試薬を含むシグナル増幅試薬キット。 本発明の酵素標識チラミドまたはその機能的同等物によれば、TSA法を利用したシグナル増幅を有効に行うことができる。かかる酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を用いたシグナル増幅法として、本発明は上記シグナル増幅法−1とシグナル増幅法−2を提供するが、これらの各シグナル増幅法の利点として下記のことを挙げることができる。 シグナル増幅法−1 本方法によれば、蛍光色素で標識したチラミド(蛍光色素標識チラミド)を用いた場合よりもさらにシグナルを増幅することが可能である。また、ビオチンチラミドを用いた場合には、その後の発色反応(シグナル増幅)のために、さらに酵素や色素で標識したアビジンを反応させる必要があるが、本法ではその工程を省略することが可能となるので、より簡単な処理工程で短時間にシグナル増幅を行うことができる。 シグナル増幅法−2 本方法によれば標的分子を、直接ペルオキシダーゼで標識された分子と結合させることができるので、ビオチンチラミドを用いた従来のシグナル増幅法や上記シグナル増幅法−1において必要なビオチン/アビジン(ストレプトアビジンを含む)の反応ステップを省略することができ、より簡単な処理工程で短時間にシグナル増幅を行うことができる。(I)耐熱性酵素標識チラミド 本発明の耐熱性酵素標識チラミドは、耐熱性酵素と下式で示されるp−チラミドとがアミド結合してなるものである: ここでp−チラミドと結合する耐熱性酵素としては、耐熱性ペルオキシダーゼおよび耐熱性アルカリフォスファターゼを挙げることができる。好ましくは耐熱性アルカリフォスファターゼである。 より具体的には、耐熱性ペルオキシダーゼとして、好ましくは60℃において10分間加温処理しても95%以上のペルオキシダーゼ残存活性を有するペルオキシダーゼを挙げることができる。かかる耐熱性ペルオキシダーゼとして、制限はされないが、例えば特開昭63−207384号公報や特開平2−268684号公報に記載される好熱菌バチルス・ステアロサーモフィラス由来のペルオキシダーゼを挙げることができる。 また耐熱性アルカリフォスファターゼとして、好ましくは60℃において10分間加温処理しても95%以上のアルカリフォスファターゼ残存活性を有するアルカリフォスファターゼを挙げることができる。具体的には、制限はされないが、例えばApplied and Environmental Microbiology 67,4504−4511(2001)に記載される超好熱菌パイロコッカス・フリオサス由来のアルカリフォスファターゼを挙げることができる。また、パイロコッカス・フリオサスと近縁のパイロコッカス・ホリコシに由来するアルカリフォスファターゼ(DNA Research 6,83−101(1999))を用いることもできる。 本発明において用いられる耐熱性酵素の調製は、例えばパイロコッカス・ホリコシ由来のアルカリフォスファターゼを1例として説明すると、パイロコッカス・ホリコシのゲノムDNAより上記アルカリフォスファターゼをコードする遺伝子を単離し、適切な発現ベクターに挿入して発現させることによって行うことができる。なお、ここで発現ベクターは、宿主においてアルカリフォスファターゼを発現するベクターであれば良く、市販の発現ベクターを使用することができる。例えばpET11a(Novagen社製)等を挙げることができる。このようにして得られたベクターを用いて任意の適切な宿主細胞を形質転換する場合、宿主細胞としては、細菌、酵母等、目的とする遺伝子を発現出来るものであればいずれも利用することができるが、取扱いの容易さから好ましくは大腸菌である。大腸菌株としては、例えばBL21[DE3]株(Novagen社製)等が挙げられる。形質転換等、遺伝子組換えの操作は、Molecular Cloning, A laboratorymanual, second edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)等に記載されている方法に準じて行うことができる。 さらに耐熱性酵素を単離取得する方法としては、上記形質転換された宿主細胞を適切な条件下で培養し、その培養物から、その酵素の酵素活性を指標として目的とする酵素を精製する方法が挙げられる。この際、当該耐熱性酵素は高い耐熱性を有するが故に、熱処理により宿主細胞由来の酵素を簡単に失活させ、また除去することができる。 耐熱性酵素とp−チラミドと結合反応は、耐熱性酵素とp−チラミド、及び、カルボジイミドとpH緩衝剤を含む水溶液中で実施される。カルボジイミドはカルボキシル基とアミノ基の脱水縮合反応を促進する縮合剤であれば良く、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(nakarai tesque 社製)等を挙げることができる。かかるカルボジイミドの作用により、耐熱性酵素のカルボキシル基が活性化されてアシル尿素誘導体が形成され、次いでこの誘導体にp−チラミドのアミノ基が求核攻撃してアミド結合が形成され、耐熱性酵素とp−チラミドとの結合物(耐熱性酵素標識チラミド)が生成する。なお、この際、カルボジイミドは水和されて尿素誘導体となる。 また、上記p−チラミドに代えてそれと機能が同等な化合物、すなわちp−チラミドと同様に、過酸化水素の存在下においてペルオキシダーゼの触媒作用によりラジカル化され、生じたラジカルがその近傍にある芳香族化合物(チロシンやトリプトファンなどのアミノ酸)と非特異的な共有結合を形成する機能を有する化合物を用いることもできる。かかる機能同等化合物としては、例えば米国特許第5,196,306号公報や同第5,863,748号公報に記載されているチラミド化合物やp−ヒドロキシケイ皮酸化合物などのアミノ基を有するp−フェノール誘導体を挙げることができる。これらの化合物も上記p−チラミドと同様の方法により耐熱性酵素に結合することができ、耐熱性酵素標識化合物(耐熱性酵素標識−チラミド機能同等化合物)として調製することができる。従って、本発明はかかる化合物を、耐熱性酵素標識チラミドとともにその機能的同等物として提供するものである。 (II)シグナル増幅法−1 本発明のシグナル増幅法−1は、上記耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を用いることを特徴とする方法であって、下記の工程を有するものである。 (1)標的分子を、当該分子と特異的に結合する一次標識分子と結合させる工程、(2)上記標的分子と結合した一次標識分子に、ペルオキシダーゼ標識一次結合体を結合させる工程、(3)過酸化水素の存在下で、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を反応させる工程、及び(4)上記耐熱性酵素を発色基質と反応させる工程。 ここで標的分子として、抗原または抗体を用いることができる。この場合、使用される一次標識分子は、標的分子(標的抗原または標的抗体)と抗原抗体反応により特異的に結合する一次標識抗体または一次標識抗原を挙げることができる。なお、抗体はモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよいが、好ましくはモノクローナル抗体である。また標的分子として、核酸分子を用いることもできる。この場合、一次標識分子は、標識分子(核酸分子)と特異的にハイブリダイズする塩基配列を有する一次標識プローブを挙げることができる。ここで標的核酸分子は、その長さは特に制限されず、またRNAであってもDNAであってもよい。また一本鎖であっても二本鎖であってもよいが、一次標識プローブとハイブリダイズさせるにあたり、予め定法に従って一本鎖に解離しておくことが好ましい。なお、一次標識プローブは、当該標的核酸分子の塩基配列の全部または一部とハイブリダイズする塩基配列を有しており、ハイブリダイズする塩基配列としては標的核酸分子の塩基配列と90〜100%の相同性をもって相補的な配列を挙げることができる。一次標識プローブが有する塩基配列の長さは、特に制限されないが、通常500〜1000塩基長を挙げることができる。 また上記抗原、抗体またはプローブの標識に使用される一次標識としては、ビオチン、ジゴキシゲニン、小麦胚芽レクチン、およびフルオレッセンなど、後述する一次結合体と特異的に結合する性質を有するものを挙げることができる。好ましくはビオチン、およびジゴキシゲニンである。 なお、抗体、抗原またはプローブの一次標識による標識、すなわち一次標識抗体、一次標識抗原または一次標識プローブの調製は、当業界の慣用に従って行うことができ、例えばビオチンによる標識は、Dojindo Labeling Kits(Dojin Molecular Technologies, Inc)を用いて、その使用書に従って行うことができる。 (1)における標的分子と一次標識分子との結合(抗原抗体反応またはハイブリダイゼーション)は、標的分子を溶液中に浮遊させた状態で行ってもよいし、また標的分子(抗原または抗体、核酸分子)を固相に保持または固定させた状態で行うこともできる。後者の場合、単純な洗浄により反応系から不要成分を容易に分離することができるという利点がある。なお、ここで固相には、標的核酸分子(RNAやDNA)を含む細胞や組織が含まれる(in situ Hybridization)。 また固相には人工的な支持体も含まれる。この場合、固相としては、特に制限されず、例えばニトロセルロース、アガロースビーズ、修飾セルロース繊維、ポリプロピレンなど、当該分野で用いられる固相を広く例示することができる。標的分子の固相への固定化方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、抗原−抗体、ビオチン−アビジン、チロキシン−チロキシン結合グロブリン、カルボヒドラート−レクチンなどの任意の配位子と受容体との結合、標的核酸分子の塩基配列との相補的配列を有する「捕獲プローブ」を用いた結合などを、制限なく例示することができる。なお、標的分子をかかる固相に固定化して用いる場合は、当該固相をブロッキング剤によりブロッキングして用いることが好ましい。かかるブロッキング剤としては、ウシ血清アルブミン、カゼイン、スキムミルクなどの蛋白質を挙げることができる。また市販のブロッキング剤(例えば、商品名:ブロックエース(雪印乳業(株)))を用いることもできる。 なお、抗原抗体反応は、通常4〜20℃、pH7〜8の条件で、またハイブリダイゼーションは15〜60℃、pH6〜8の条件で行うことができる。 次いで(2)の工程で、(1)の工程で標的分子に結合した一次標識分子に、ペルオキシダーゼ標識一次結合体を反応させて、一次標識と一次結合体とを結合させる。従って、一次結合体は、(1)の工程で使用される一次標識の種類に応じて選択される。例えば、一次標識がビオチンの場合はアビジンまたはストレプトアビジン;小麦胚芽レクチンの場合はN−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルノイラミン酸/シアル酸;ジゴキシゲニンの場合は抗ジゴキシゲニン抗体;フルオレッセンの場合は抗フルオレッセン抗体を挙げることができる。 一次標識と一次結合体との結合反応は、一次標識と一次結合体の種類に応じて、定法に従って行うことができる。例えば一次標識としてビオチンを用い、一次結合体としてアビジンを用いる場合、10〜20℃、pH7〜8の条件で反応することによって、ペルオキシダーゼ標識アビジンは上記標的分子を結合したビオチン標識分子と、ビオチンを介して選択的に結合することができる。 ペルオキシダーゼとして、好ましくは西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)である。かかるペルオキシダーゼ標識一次結合体(ペルオキシダーゼ標識アビジンなど)は、例えばタカラバイオ社等から商業的に入手することができる。 次に(3)の工程で、過酸化水素の存在下で、上記(I)で説明した本発明の耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を反応させる。この反応において、耐熱性酵素で標識されたチラミドまたはその機能同等化合物は、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下でラジカルとなり、ペルオキシダーゼ近傍のアミノ酸(チロシンやトリプトファンなどの芳香族化合物)に選択的に結合して沈着する。すなわち、チラミドまたはその機能同等化合物は、ペルオキシダーゼ近傍にある細胞または組織やブロッキング剤に含まれるアミノ酸とのみ結合して、ペルオキシダーゼ近傍、言い換えれば標的分子を中心とするその周辺に、耐熱性酵素で標識されたチラミドまたはその機能的同等物が集積することになる。なお、この反応は、TSA法に関する公知文献(例えば、J.Immunol. Methods 125, 279-285 (1989))に記載されている条件に従って行うことができ、例えば、4〜20℃、pH7〜8、過酸化水素濃度 0.03%〜0.1%を挙げることができる。 次いで(4)の工程で、標的分子を中心とするその周辺に集積された耐熱性酵素をその発色基質と反応させる。ここで用いられる発色基質は、使用される耐熱性酵素の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、耐熱性酵素としてアルカリフォスファターゼを用いる場合、発色基質としてNBT/BCIP(ロッシュ)やファーストレッド(シグマ)などを挙げることができる。好ましくはNBT/BCIPである。また、耐熱性酵素としてペルオキシダーゼを用いる場合、発色基質としてDAB(NEN)やニュートラルレッド(シグマ)などを挙げることができる。好ましくはDABである。 以上の一連の工程を、標的分子として核酸分子を例として、模試的に示した図を図1に示す。ここに示すように、上記の一連の工程により、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物が標的分子を中心とするその周辺に集積され(耐熱性酵素の集積)、そこで当該耐熱性酵素の発色基質を用いて酵素反応を行うことによって、標的分子を高感度に検出することが可能となる。 (III)シグナル増幅法−2 また本発明のシグナル増幅法−2は、上記耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を用いることを特徴とする方法であって、下記の工程を有するものである。 (a)標的分子を、当該分子と特異的に結合するペルオキシダーゼ標識分子と結合させる工程、(b)上記標的分子と結合したペルオキシダーゼ標識分子に、過酸化水素の存在下で、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を反応させる工程、及び(c)上記耐熱性酵素を発色基質と反応させる工程。 ここで標的分子として、シグナル増幅法−1と同様に、抗原または抗体を用いることができる。この場合、使用されるペルオキシダーゼ標識分子は、標的分子(標的抗原または標的抗体)と抗原抗体反応により特異的に結合するペルオキシダーゼ標識抗体またはペルオキシダーゼ標識抗原を挙げることができる。なお、抗体はモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよいが、好ましくはモノクローナル抗体である。 また標的分子として、シグナル増幅法−1と同様に、核酸分子を用いることもできる。この場合、ペルオキシダーゼ標識分子は、標識分子(核酸分子)と特異的にハイブリダイズする塩基配列を有するペルオキシダーゼ標識プローブを挙げることができる。ここで標的核酸分子は、その長さは特に制限されず、またRNAであってもDNAであってもよい。また一本鎖であっても二本鎖であってもよいが、ペルオキシダーゼ標識プローブとハイブリダイズさせるにあたり、予め定法に従って一本鎖に解離しておくことが好ましい。なお、ペルオキシダーゼ標識プローブは、当該標的核酸分子の塩基配列の全部または一部とハイブリダイズする塩基配列を有しており、ハイブリダイズする塩基配列としては標的核酸分子の塩基配列と90〜100%の相同性をもって相補的な配列を挙げることができる。ペルオキシダーゼ標識プローブが有する塩基配列の長さは、特に制限されないが、通常500〜1000塩基長を挙げることができる。 ペルオキシダーゼとして、好ましくは西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)である。 なお、ペルオキシダーゼ標識抗体またはペルオキシダーゼ標識抗原、およびペルオキシダーゼ標識プローブは、特に制限されないが、例えばN-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネートを用いるSPDP法に従って調製することができる(Carlsson, J., Drevin, H., and Axen, R. Biochem. J., 173, 723-730(1978);J Immunol Methods 111261-270(1988))。 例えば、SPDP法を用いてペルオキシダーゼ標識プローブを調製する方法としては、標的核酸分子の塩基配列とハイブリダイズする塩基配列(プローブ)の3’末端がチオール化してなるDNA(3’末端チオール化DNA)(プローブ)を、2−ピリジルジスルフィド基が導入されたペルオキシダーゼと窒素雰囲気下で低温で反応する方法を挙げることができる。なお、ここで2−ピリジルジスルフィド基が導入されたペルオキシダーゼは、ペルオキシダーゼをN-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネートと反応することによって調製することができる。また、3’末端チオール化DNAは、Nucleic Acids Res. 15. 5305-5321(1987)に記載の方法に従って行うことができる。なお、3’末端チオール化DNAは、外部機関に依頼製造することもでき、この場合は、ジスルフィド形成を防ぐために保護基が結合しているので、ジチオスレイトール(DTT)処理等の脱保護処理をすることによって調製することができる。 (a)における標的分子とペルオキシダーゼ標識分子との結合(抗原抗体反応またはハイブリダイゼーション)は、(II)で説明するシグナル増幅法−1と同様に、標的分子を溶液中に浮遊させた状態で行ってもよいし、また標的分子(抗原または抗体、核酸分子)を固相に保持または固定させた状態で行うこともできる。また同様に固相には、標的核酸分子(RNAやDNA)を含む細胞や組織が含まれる(in situ Hybridization)。 抗原抗体反応は、通常4〜20℃、pH7〜8の条件で、またハイブリダイゼーションは15〜60℃、pH6〜8の条件で行うことができる。 次いで(b)の工程で、過酸化水素の存在下で、(I)で説明した本発明の耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を反応させる。この反応において、耐熱性酵素で標識されたチラミドまたはその機能的同等物は、過酸化水素とペルオキシダーゼの存在下でラジカルとなり、ペルオキシダーゼ近傍のアミノ酸(チロシンやトリプトファンなどの芳香族化合物)に選択的に結合して沈着する。すなわち、チラミドまたはその機能同等化合物は、ペルオキシダーゼ近傍にある細胞または組織やブロッキング剤に含まれるアミノ酸とのみ結合して、ペルオキシダーゼ近傍、言い換えれば標的分子を中心とするその周辺に耐熱性酵素で標識されたチラミドが集積することになる。なお、この反応は、TSA法に関する公知文献(例えば、J.Immunol. Methods 125, 279-285 (1989))に記載されている条件に従って行うことができ、例えば、4〜20℃、pH7〜8、過酸化水素濃度0.03%〜0.1%を挙げることができる。 次いで(c)の工程で、標的分子を中心とするその周辺に集積された耐熱性酵素をその発色基質と反応させる。ここで用いられる発色基質は、(II)で説明するシグナル増幅法−1と同様に、使用される耐熱性酵素の種類に応じて適宜選択することができる。 以上の一連の工程を、標的分子として核酸分子を例として、模試的に示した図を図2に示す。ここに示すように、上記の一連の工程により、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物が標的分子を中心とするその周辺に集積され(耐熱性酵素の集積)、そこで当該耐熱性酵素の発色基質を用いて酵素反応を行うことによって、標的分子を高感度に検出することが可能となる。 (IV)シグナル増幅試薬および試薬キット 本発明はまた、前述する本発明の耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物をシグナル増幅試薬として提供する。なお、耐熱性酵素標識チラミドとして、好ましくは耐熱性ペルオキシダーゼ酵素標識チラミド、耐熱性アルカリフォスファターゼ標識チラミドである。 また本発明は、当該耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物をシグナル増幅試薬の一つとして含むシグナル増幅試薬キット提供する。 当該試薬キットは、少なくとも耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を含むものであればよい。具体的には、本発明のシグナル増幅法−1に好適に使用される試薬キットの成分として、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物の他に、一次標識分子(一次標識抗体、一次標識抗原、一次標識プローブ)、ペルオキシダーゼ標識一次結合体、過酸化水素、および発色基質を挙げることができる。なお、一次標識としては、前述するようにビオチン;小麦胚芽レクチン;ジゴキシゲニン;フルオレッセンなどを挙げることができ、また一次結合体としては、当該使用する一次標識と特異的に結合するアビジンまたはストレプトアビジン;N−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルノイラミン酸/シアル酸;抗ジゴキシゲニン抗体;抗フルオレッセン抗体を挙げることができる。 また本発明のシグナル増幅法−2に好適に使用される試薬キットの成分として、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物の他に、ペルオキシダーゼ標識分子(ペルオキシダーゼ標識抗体、ペルオキシダーゼ標識抗原、ペルオキシダーゼ標識プローブ)、過酸化水素、および発色基質を挙げることができる。 また本発明の試薬キットは上記各成分の他、必要に応じて抗原抗体反応用の試薬、ハイブリダイゼーション用の試薬、ブロッキング剤、緩衝液など、本発明の方法の実施に必要な他の試薬、器具(固相支持体、マオクロタイタープレート等)、プロトコール説明書などを適宜含んでいてもよい。 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。 実施例1 耐熱性酵素標識チラミドの調製 下記の方法に従って、アルカリフォスファターゼ標識チラミドを調製した。(1).1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)を、20mg/ml濃度となるように、50mM PKB (pH 6.0)に溶解してEDC溶液を調製した。(2).p-チラミドを1mg/ml濃度となるように、上記のEDC溶液に溶解した。(3).アルカリフォスファターゼ(ALP)を1mg/ml濃度となるように50mM Tri-sodium Citrate (pH 5.4)で希釈した。(4).上記で調製したALP溶液(1mg/ml)と、(2)で調製したp-チラミド含有EDC溶液とを、0.5mlずつ等量混合し、2時間、室温でゆっくり撹拌した(最終濃度:EDC 20mg/ml、ALP 0.5mg/ml、p-チラミド 0.5mg/ml)。 次いで反応後、反応液のALP活性を測定し、ゲルろ過クロマトグラフィーによりタンパク質画分と未反応の縮合剤を分離し、タンパク質画分がALP活性を持つことを確認する。さらにタンパク質画分から、DEAE等のイオン交換クロマトグラフィーを用いて縮合生成物(耐熱性酵素標識チラミド)を精製する。なお、ALP活性の測定は下記の方法により行うことができる。 <ALP活性の測定> 反応液(PNPP、CoCl2、Gly-NaOH (pH 10.0)を含む)にALP活性を測定する被験試料をいれて水で総量1000μlになるように調整し(最終濃度:25mM PNPP、0.5mM CoCl2、50mM Gly-NaOH (pH 10.0))、PNPP(p-nitrophenyl phosphate)の脱リン酸化により生成したPNP(p-nitrophenol)が持つ405nmの吸収を分光光度計を用いて測定する。 なお、縮合生成物(耐熱性酵素標識チラミド)の定量は、ペルオキシダーゼを用いて、チラミドのフェノール基と4-アミノアンチピリンの酸化縮合生成物であるキノンイミン色素が持つ500nmの吸収を分光光度計を用いて測定することによって行うことができる。 実施例2 西洋わさびペルオキシダーゼ標識プローブの調製 下記の方法に従って、西洋わさびペルオキシダーゼ標識プローブを作成する(図3参照)。(1)西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)のSPDP化 N−スクシンイミジル 3-(2-ピリジルジチオール)プロピオネート〔N-succinimidyl 3(2-pyridyldithio)propionate〕(SPDP)を、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)と25:1(モル比)になるようにエタノールに溶解する。これを30分間転倒混和して、HRPに2−ピリジルジスルフィド基を導入する。これをスピンカラムMicroconを用いて遠心分離(13,000rpm、5min、4℃)を行うことで精製して過剰量のSPDPを除去する。 (2)プローブの3’末端のチオール化 標的核酸分子の塩基配列と相同配列を有するプローブの3’末端のチオール化は、外部機関に製造委託する。入手した3’末端のチオール化プローブ1pmol/μlを、50mMのDTT(dithiothreitol)溶液(pH8.3-8.5)に溶解し、常温・暗所にて16時間反応する。反応液をりん酸カルシウム緩衝液で平衡化した脱塩カラム(ファルマシアNAP-5カラム)に通じて、過剰量のDTTを除去する。 (3)HRP標識プローブの調製 (1)で調製した2−ピリジルジスルフィド基を導入したHRPに、(2)で調製した3’末端チオール化プローブを添加して窒素雰囲気下で低温にて5時間攪拌する。これをスピンカラムMicroconを用いて遠心分離(13,000rpm、5min、4℃)を行うことで精製して未結合のプローブを除去して、標記のHRP標識プローブを得る。 実施例3 組織切片にプロテアーゼ処理の前に内因性のパーオキシダーゼ活性を除去するため、1%過酸化水素処理を加え、15分間反応させる。通常のin situ ハイブリダイゼーション(例えば、野地澄晴編集,「免疫染色・in situハイブリダイゼーション」1997.12.25出版、羊土社など)に従って、ジゴキシゲニン(DIG)でラベルしたしたプローブ(一次標識プローブ)をハイブリダイズする。TNBバッファー(0.1M Tris-HCl, 0.15M NaCl, 0.05%ブロッキング試薬, pH7.5)に室温にて30分間反応後,抗DIGペルオキシダーゼ標識抗体(100倍希釈)(ペルオキシダーゼ標識一次結合体)を室温にて30分間反応する。その後,TNTバッファー(0.1M Tris-HCl, 0.15M NaCl, 0.05%Tween20, pH7.5)で室温,5分間,3回洗浄する。耐熱性酵素標識チラミド(耐熱性アルカリフォスファターゼ標識チラミド)のTNT溶液(1マイクロg/ml)を室温にて30分間反応する。TNTバッファーで,室温,5分間,3回洗浄する。NBT/BCIPによるシグナルの検出をおこなう。 実施例4 組織切片にプロテアーゼ処理の前に内因性のパーオキシダーゼ活性を除去するため、1%の過酸化水素処理を加え、15分間反応させる。通常のin situ ハイブリダイゼーションにより、ペルオキシダーゼ標識したプローブをハイブリダイズする。その後、TNTバッファー(0.1M Tris-HCl, 0.15M NaCl, 0.05%Tween20, pH7.5)で室温下、5分間、3回洗浄する。耐熱性酵素標識チラミド(耐熱性アルカリフォスファターゼ標識チラミド)のTNT溶液(1マイクロg/ml)を室温にて30分間反応する。TNTバッファーで,室温,5分間,3回洗浄する。NBT/BCIPによるシグナルの検出をおこなう。 標的分子として核酸分子を例として、本発明のシグナル増幅法−1の反応ステップを示す模式図である。まず一次標識プローブ2が標的核酸分子1にハイブリダイズする。次いで、標的核酸分子1にハイブリダイズした一次標識プローブ2の一次標識に、ペルオキシダーゼ標識一次結合体3が一次結合体を介して結合する。ペルオキシダーゼおよび過酸化水素の存在下、耐熱性酵素標識チラミド4がラジカルとなり、ペルオキシダーゼ近傍の標的核酸分子に選択的に結合して沈着する。次いで標的核酸分子に集積沈着した耐熱性酵素標識チラミドを発色基質と反応させて発色させる。標的分子として核酸分子を例として、本発明のシグナル増幅法−2の反応ステップを示す模式図である。まずペルオキシダーゼ標識プローブ5が標的核酸分子1にハイブリダイズする。ペルオキシダーゼおよび過酸化水素の存在下、耐熱性酵素標識チラミド4がラジカルとなり、ペルオキシダーゼ近傍の標的核酸分子に選択的に結合して沈着する。次いで標的核酸分子に集積沈着した耐熱性酵素標識チラミドを発色基質と反応させて発色させる。ペルオキシダーゼ標識プローブの製造ステップを示す模式図である。図中、HRPはペルオキシダーゼを意味する。符号の説明 1.標的分子(標的核酸分子) 2.一次標識分子(ビオチン標識プローブ) 3.ペルオキシダーゼ標識一次結合体(ペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン) 4.耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能同等物(耐熱性酵素標識チラミド) 5.ペルオキシダーゼ標識分子(ペルオキシダーゼ標識プローブ) 耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能同等物を用いることを特徴とした下記工程を有するシグナル増幅法: (1)標的分子を、当該分子と特異的に結合する一次標識分子と結合させる工程、(2)上記標的分子と結合した一次標識分子に、ペルオキシダーゼ標識一次結合体を結合させる工程、(3)過酸化水素の存在下で、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能同等物を反応させる工程、及び(4)上記耐熱性酵素を発色基質と反応させる工程。 標的分子が抗原または抗体であって、当該標的分子と特異的に結合する一次標識分子が、標的分子と抗原抗体反応により結合する一次標識抗体または一次標識抗原であるか、または 標的分子が核酸分子であって、当該標的分子と特異的に結合する一次標識分子が、標的分子にハイブリダイズする塩基配列を有する一次標識プローブである請求項1に記載するシグナル増幅法。 耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能同等物を用いることを特徴とした下記工程を有するシグナル増幅法: (a)標的分子を、当該分子と特異的に結合するペルオキシダーゼ標識分子と結合させる工程、(b)過酸化水素の存在下で、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能同等物を反応させる工程、及び(c)上記耐熱性酵素を発色基質と反応させる工程。 標的分子が抗原または抗体であって、当該標的分子と特異的に結合するペルオキシダーゼ標識分子が、標的分子と抗原抗体反応により結合するペルオキシダーゼ標識抗体またはペルオキシダーゼ標識抗原であるか、または 標的分子が核酸分子であって、当該標的分子と特異的に結合するペルオキシダーゼ標識分子が、標的分子にハイブリダイズする塩基配列を有するペルオキシダーゼ標識プローブである請求項3に記載するシグナル増幅法。 耐熱性酵素標識チラミドが、耐熱性アルカリフォスファターゼ標識チラミドまたは耐熱性ペルオキシダーゼ標識チラミドである請求項1乃至4のいずれかに記載のシグナル増幅法。 耐熱性アルカリフォスファターゼまたは耐熱性ペルオキシダーゼで標識されてなる、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能同等物。 請求項6に記載する耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能同等物を含むシグナル増幅試薬、または当該試薬を含むシグナル増幅試薬キット。 【課題】チラミドを利用したシグナル増幅法(TSA法)に有効に利用できる新規な酵素標識チラミドを提供する。また当該酵素標識チラミドを用いたシグナル増幅法を提供する。【解決手段】チラミドを耐熱性アルカリフォスファターゼまたは耐熱性ペルオキシダーゼで標識して耐熱性酵素標識チラミドとする。本発明のシグナル増幅法の一つは、当該耐熱性酵素標識チラミドを用いて、下記工程によって行うことができる;(1)標的分子を、当該分子と特異的に結合する一次標識分子(例えばビオチン標識分子)と結合させる工程、(2)上記標的分子と結合した一次標識分子(例えばビオチン標識分子)に、ペルオキシダーゼ標識一次結合体を結合させる工程、(3)過酸化水素の存在下で、耐熱性酵素標識チラミドまたはその機能的同等物を反応させる工程、及び(4)上記耐熱性酵素を発色基質と反応させる工程。【選択図】なし


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