生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ヘアリンス剤組成物
出願番号:2005278716
年次:2007
IPC分類:A61K 8/00,A61Q 5/12


特許情報キャッシュ

中島 正浩 JP 2007055989 公開特許公報(A) 20070308 2005278716 20050825 ヘアリンス剤組成物 エステートケミカル株式会社 397031304 中島 正浩 A61K 8/00 20060101AFI20070209BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20070209BHJP JPA61K7/08 5 書面 9 4C083 4C083AC072 4C083AC122 4C083AC182 4C083AC422 4C083AC482 4C083AC691 4C083AC692 4C083AD151 4C083AD162 4C083AD172 4C083CC39 4C083EE06 4C083EE07 本発明は、高粘度シリコーンを含有するヘアリンスのすすぎ時における指通りを改善したヘアリンス剤組成物に関する。 高粘度シリコーンは、乾燥後の毛髪に優れた滑らかさを与えるため、ヘアリンス等の毛髪化粧料において重要な成分であることは公知であり、これに関する技術が多数公開されている。 例えば特許文献1にはジメチルシリコンガム(重合度n=4000〜9000)と単独の塩化又は臭化第4級アンモニウム塩の組み合わせ、特許文献2にはモノ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩の塩化物とガム状高分子量シリコーン(重合度n=3000〜20000)を含む組成物が提示されている。 ところが、これらの組成物のように高粘度シリコーンを配合したものは乾燥後の感触は前述の如く良好であるが、ヘアリンスのような洗い流すタイプの毛髪化粧料の場合、濡れた状態ではべたつくため、すすぎ時の指通りが悪く消費者に不快感を与えている。 そこで、特許文献3に記載の第4級アンモニウム塩の塩化物と重合度nがそれぞれ約900〜1300と約100〜300の範囲にある2種類のジメチルポリシロキサン又はメチルフェニルポリシロキサンを含有するヘアーリンス剤組成物のようにシリコーンを組み合わせるくふうがなされているが、重合度nが約2000未満であると乾燥後における良好なすべり感が得られない。 一方、第4級アンモニウム塩については炭素数12〜24のモノアルキルトリメチルアンモニウムクロライド又はジアルキルジメチルアンモニウムクロライドのような第4級アンモニウム塩の塩化物が単独又は組み合わせて使用されることが多く、同じ4級アンモニウム塩でも臭化物と組み合わせて使用されることは一般的ではなかった。 その少ない使用例として、特許文献4には塩化ジステアリルジメチルアンモニウムと臭化ステアリルトリメチルアンモニウムを含み、さらにアミノ変性シリコーンを含むヘアコンディショニング組成物が提示されているが、乾燥後の良好なすべり感は得られなかった。 また同様に、特許文献5には臭化セチルトリメチルアンモニウムと塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムを含む毛髪化粧料が提示され、更にメチルポリシロキサンを配合した毛髪化粧料が一例提示されている。しかしながらメチルポリシロキサンの重合度nに関する記述が無く、すすぎ時におけるべたつき感に関しても言及されていなかった。 そこで特許文献6では第4級アンモニウム塩に着目し、水溶性のものと油溶性のものを両方含有し、更に低分子量ポリジメチルシロキサンを配合しているが、ここでの低分子量ポリジメチルシロキサンは重合度nが10以下の線状または環状で、粘度が10センチストークス未満の揮発性であるため高粘度シリコーンのような持続性に優れた良好なすべり感が得られなかった。 以上のように従来の組成物においては、良好なすすぎ時の指通りと乾燥後のすべり感を併せ持つヘアリンスとはなりえなかった。 特開昭63−222109号公報 特開平4−305516号公報 特開平6−271431号公報 特開2003−113049号公報 特開2001−233748号公報 特開平3−58908号公報 本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、高粘度シリコーンを含有するヘアリンスについて、すすぎ時におけるべたつきを抑えスムーズな指通りを得ることにある。 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有することを特徴とする。(A)高粘度シリコーン。(B)中粘度シリコーン。(C)第4級アンモニウム塩の臭化物。(D)第4級アンモニウム塩の塩化物。 本発明の毛髪化粧料は、高粘度シリコーンを含有するヘアリンスであってすすぎ時におけるべたつきを抑えスムーズな指通りを得ることができる優れたものであった。 本発明に用いる高粘度シリコーンは、25℃において1,000,000センチストークス(以下「cs」と表す。)以上の粘度を有するシリコーン化合物で、例えば式(1)で表されるメチルポリシロキサン(別名:DIMETHICONE)が挙げられる。 この高粘度シリコーンはその高粘性故に単体では取り扱いが面倒なため、市販のものは低粘度のシリコーンで希釈するか、更に界面活性剤によりエマルジョンの形態としているものが多い。単体のものの例としては信越化学工業社製のKF−96H−100万cs、低粘度シリコーンや環状シリコーンで希釈したものの例としては東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のBY11−014、BY11−031、BY11−003、エマルジョンの形態のものの例としては東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のBY22−019、BY22−050Aなどが挙げられる。 なお、式(1)で表される高粘度シリコーンの粘度の上限は100億csを超えることが予測できるが、現在の市販品では1億csまでのものが入手可能である。粘度が1,000,000cs未満であると乾燥後の持続性の優れたすべり感が得られず、10,000,000cs〜30,000,000csが好ましい。 これらの高粘度シリコーンの配合量は0.01重量%〜3.0重量%が好ましく、さらに好ましくは0.05重量%〜1.0重量%である。0.01重量%より少ないと効果を発揮せず、3.0重量%より多く配合しても、効果はあまり変わらないので、不経済である。 本発明に使用する中粘度シリコーンは、25℃において50cs〜5,000csの範囲の粘度を有するシリコーン化合物で、代表的な物としては式(1)に準ずるメチルポリシロキサン(ただし、nは40〜600)が挙げられる。また、式(1)のメチル基の一部が水素やフェニル基に置換されたメチルハイドロジェンポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキサン等も使用可能である。これらの内25℃における粘度が、300cs〜3,000csのメチルポリシロキサンが好ましい。 中粘度シリコーンの具体的な例として単体のものでは、信越化学工業社製のKF−96A−300cs、同−500cs、同−1,000cs、同−3,000cs、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSH200C−350cs、同−500cs、同−1,000cs、SH200−3,000cs等が挙げられ、エマルジョンタイプの物としては東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のBY22−007等が挙げられる。 これらの中粘度シリコーンの配合量は0.1重量%〜10.0重量%が好ましく、さらに好ましくは1.0重量%〜5.0重量%である。0.1重量%より少ないと効果を発揮せず、10.0重量%より多く配合しても効果はあまり変わらないので、不経済である。 本発明における第4級アンモニウム塩の臭化物及び塩化物は、モノアルキルトリメチルアンモニウムハライド又はジアルキルジメチルアンモニウムハライドで、例えば式(2)で表される油溶性のカチオン性界面活性剤であり、ヘアリンス剤組成物の乳化剤及び帯電防止剤等の目的も兼ねている。 まず第4級アンモニウム塩の臭化物としては、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ミリスチルトリメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジセチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。これらのうち、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム及び臭化セチルトリメチルアンモニウムが、それぞれ東邦化学工業社製のカチナールSTB−70、同HTB−70ETとして市販されているので入手が容易であるため好ましい。なお、これらの製品は、溶剤としてイソプロパノールまたはエタノールを含んでいる。 これらの第4級アンモニウム塩の臭化物の配合量は純分で0.1重量%〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは1.0重量%〜5.0重量%である。0.1重量%より少ないと効果を発揮せず、10.0重量%より多く配合しても効果はあまり変わらないので、不経済である。 また第4級アンモニウム塩の塩化物としては、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、、塩化ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウム及び塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。これらの製品としては多くのメーカーが各種タイプを取り揃えているので入手が容易である。 具体的には例えば塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムとしてDEGUSSA社製のVARISOFT BT 85 FLAKE、クラリアントジャパン社製のGenamin KDM−P等、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムとして花王社製のコータミン86Pコンク、ライオン社製のアーカードT−800等、塩化セチルトリメチルアンモニウムとしてコグニスジャパン社製のデヒコート A、日光ケミカルズ社製のSWANOL CA−2330等、塩化ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウムとして竹本油脂社製のパイオニンB−8611、日本油脂社製のニッサンカチオンABT−450等、塩化ジステアリルジメチルアンモニウムとして花王社製のコータミンD86P、三洋化成工業社製のカチオンDS等が挙げられる。これらも上述の臭化物と同様に溶剤を含むものが多い。 これらの第4級アンモニウム塩の塩化物の配合量は純分で0.1重量%〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは1.0重量%〜5.0重量%である。0.1重量%より少ないと効果を発揮せず、10.0重量%より多く配合しても効果はあまり変わらないので、不経済である。なお、ジアルキルジメチルアンモニウムハライドのタイプは、モノアルキルトリメチルアンモニウムハライドのタイプよりも乳化力が弱い反面、すすぎ後の残留感が強いため、所望の感触に応じて補助的に用いるのが好ましい。 本発明によるヘアリンス剤組成物には、目的の効果が損なわれない範囲で通常のヘアリンス剤に用いられる任意の成分を配合することができる。例えば、溶剤、基剤、油剤、界面活性剤、保湿剤、防腐剤、pH調整剤、増粘剤、着色剤、着香剤、抗炎症剤、紫外線防止剤等が挙げられる。 次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は重量%とする。 本発明の実施例及び比較例をそれぞれ表1及び表2に示した。また評価方法については以下に示した。(評価方法)長さ約25cmの毛束(川村かつら社製)約5gをポリオキシエチレン(3E.O.)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの30%水溶液で洗髪し、温水洗後実施例及び比較例のヘアリンス剤組成物約3gを塗布して5分後に温水洗し、ここですすぎ時の指通りを評価した後、タオルドライの後ヘアドライヤーで乾燥し、乾燥後のすべり感を評価する。すすぎ時の指通り及び乾燥後のすべり感は、次の基準に基づき手触りによる官能試験により評価する。 すすぎ時の指通り ○:全くベタつかずストレス無く指が通る ×:ベタつくため指が通りにくい 乾燥後のすべり感 ○:サラサラで抵抗無くブラッシングできる ×:サラサラ感が弱くブラッシングに抵抗がある 実施例及び比較例における高粘度シリコーン−HAとしては、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のBY11−014を、高粘度シリコーン−HBとしては、信越化学工業社製のKF−96H−100万csを、中粘度シリコーン−MAとしては、同社製のKF−96A−1000csを、中粘度シリコーン−MBとしては、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSH200C−350csを用いた。又、比較例の環状シリコーン(デカメチルペンタシロキサン)としては同社製のSH245FLUIDを、アミノ変性シリコーンとしては同社製のSM8704C(40%エマルジョン)を用いた。なお、高粘度シリコーン−HAのBY11−014及びアミノ変性シリコーンのSM8704Cの組成は次のとおりである。 BY11−014 高粘度シリコーン(20,000,000cs) 15% 低粘度シリコーン(20cs) 85% SM8704C アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体 エマルション 40% 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 2% 塩化ジココイルジメチルアンモニウム 3% ポリオキシエチレン(25E.O.)ラウリルエーテル 0.5% 水 54.5% また、実施例及び比較例における第4級アンモニウム塩は次のものを使用した。 臭化ステアリルトリメチルアンモニウム:カチナールSTB−70 (東邦化学工業社製:C18=70%、イソプロパノール30%) 臭化セチルトリメチルアンモニウム:カチナールHTB−70ET (東邦化学工業社製:C16=55%、C18=15%、エタノール30%) 塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム: VARISOFT BT 85 FLAKE(DEGUSSA社製: C20=15%、C22=65%、イソプロパノール20%) 塩化ジステアリルジメチルアンモニウム:コータミンD86P (花王社製:C16+16=15%、C16+18=35%、 C18+18=25%、イソプロパノール=16%、水=9%) さらに、その他の成分については以下のものを使用した。 セタノール(基剤):カルコール6098(花王社製) ステアリルアルコール(基剤):カルコール8098(花王社製) グリセリン(保湿剤):日本薬局方濃グリセリン(ミヨシ油脂社製) 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン(ノニオン性界面活性剤): NIKKOL MGS−ASE(日光ケミカルズ社製) ポリオキシエチレン(20E.O.)ラウリルエーテル(ノニオン性界面活性剤) :NIKKOL BL−20(日光ケミカルズ社製) ポリオキシエチレン(2E.O.)ラウリルエーテル(ノニオン性界面活性剤): NIKKOL BL−2(日光ケミカルズ社製) メチルパラベン(防腐剤):(クラリアントジャパン社製) プロピルパラベン(防腐剤):(クラリアントジャパン社製) 実施例1〜4は、それぞれ成分(A)、(B)、(C)及び(D)を全て含む組み合わせで、すすぎ時の指通り及び乾燥後のすべり感はいずれも良好であった。 比較例1は、実施例1の臭化ステアリルトリメチルアンモニウムを塩化ジステアリルジメチルアンモニウムに置き換えた物で成分(C)を含まず、すすぎ時の指通りが悪かった。 比較例2は、実施例1の塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムを臭化セチルトリメチルアンモニウムに置き換えた物で成分(D)を含まず、すすぎ時の指通りが悪かった。 比較例3は、実施例1の高粘度シリコーンを揮発性の環状シリコーンに置き換えた物で成分(A)を含まず、すすぎ時の指通りは良好であったが、乾燥後のすべり感がなかった。 比較例4は、実施例1の中粘度シリコーンを揮発性の環状シリコーンに置き換えた物で成分(B)を含まず、乾燥後のすべり感は良好であったが、すすぎ時の指通りが悪かった。 比較例5は、実施例1の高粘度シリコーン及び中粘度シリコーンを全てアミノ変性シリコーンに置き換えた物で成分(A)及び(B)を含まず、すすぎ時の指通り及び乾燥後のすべり感はいずれも悪かった。 以上のように実施例1〜4に示す各ヘアリンス剤組成物は、いずれも良好なすすぎ時の指通りと乾燥後のすべり感を併せ持つ優れたヘアリンス剤組成物であった。 次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有することを特徴とする洗い流す用法のヘアリンス剤組成物。(A)高粘度シリコーン。(B)中粘度シリコーン。(C)第4級アンモニウム塩の臭化物。(D)第4級アンモニウム塩の塩化物。 (A)成分の高粘度シリコーンの25℃における粘度が1,000,000センチストークス以上で、かつジメチルポリシロキサンである請求項1に記載のヘアリンス剤組成物。 (B)成分の中粘度シリコーンの25℃における粘度が50〜5,000センチストークスで、かつジメチルポリシロキサンである請求項1又は請求項2に記載のヘアリンス剤組成物。 (C)成分の第4級アンモニウム塩の臭化物が、炭素数14以上のアルキル基を有する臭化アルキルトリメチルアンモニウムの1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載のヘアリンス剤組成物。 (D)成分の第4級アンモニウム塩の塩化物が、炭素数14以上のアルキル基を有する塩化アルキルトリメチルアンモニウム又は塩化ジアルキルジメチルアンモニウムから選ばれる1種又は2種以上からなることを特徴とする請求項1〜請求項4に記載のヘアリンス剤組成物。 【課題】 本発明のヘアリンス剤組成物は、高粘度シリコーンを含有し、洗い流す用法であってすすぎ時におけるべたつきを抑えスムーズな指通りを得ることにある。【解決手段】次の成分(A)、(B)、(C)及び(D)を含有することを特徴とする。(A)高粘度シリコーン。(B)中粘度シリコーン。(C)第4級アンモニウム塩の臭化物。(D)第4級アンモニウム塩の塩化物。【選択図】なし


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