タイトル: | 公開特許公報(A)_浸漬型超音波探傷装置 |
出願番号: | 2005265602 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | G01N 29/04 |
山下 清貴 JP 2007078472 公開特許公報(A) 20070329 2005265602 20050913 浸漬型超音波探傷装置 株式会社アイ・エイチ・アイ・エアロスペース 500302552 的場 基憲 100102141 山下 清貴 G01N 29/04 20060101AFI20070302BHJP JPG01N29/04 503 2 1 OL 4 2G047 2G047AD04 2G047BB06 2G047BC07 2G047EA04 2G047GE02 2G047GJ30 本発明は、液槽に満たした液体の中に被検体とともに超音波探触子を浸漬させて超音波探傷検査を行うのに用いられる浸漬型超音波探傷装置に関するものである。 従来、上記した浸漬型超音波探傷装置としては、例えば、水槽と超音波探触子を具備して、水槽に満たした水の中に被検体とともに超音波探触子を浸漬させて超音波探傷検査を行う水浸型超音波探傷装置があり、この水浸型超音波探傷装置では、水槽の壁面を研磨紙で被覆して雑音エコー減衰用壁としている。特開平7−98300号 ところが、上記した水浸型超音波探傷装置において、水槽の壁面における反射超音波をある程度まで減衰させることはできるものの、超音波探傷検査に支障が生じないレベルにまで反射超音波を減衰させることはできないという問題があり、この問題を解決することが従来の課題となっていた。 本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたものであり、コストの上昇を抑えたうえで、超音波探傷検査に支障が生じないレベルにまで反射超音波を減衰させることが可能である浸漬型超音波探傷装置を提供することを目的としている。 本発明は、液槽及び超音波探触子を備え、液槽に満たした液体の中に被検体とともに超音波探触子を浸漬させて超音波探傷検査を行う浸漬型超音波探傷装置において、反射超音波を減衰させる減衰材で液槽の側壁面及び底面を被覆し、減衰材として人工芝,布,スポンジ及び網のうちの少なくともいずれか一つを用いた構成としたことを特徴としており、この浸漬型超音波探傷装置の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。 本発明の浸漬型超音波探傷装置では、液槽の側壁面及び底面を被覆する減衰材として、表面が粗い人工芝,布,スポンジ及び網のうちの少なくともいずれか一つを用いるようにしているので、液槽の側壁面及び底面の減衰材に到達した超音波は、高低差のある無数の凹凸で四方八方に散乱することによって小さい音圧に分散されることとなり、したがって、液槽の側壁面及び底面における反射超音波は、超音波探傷検査に影響が及ばないレベルにまで減衰したものとなる。 この際、減衰材としての人工芝,布,スポンジ及び網は、いずれも安く入手し易い部材なので、コストの上昇を少なく抑え得ることとなる。 本発明の浸漬型超音波探傷装置によれば、上記した構成としているので、コストの上昇を抑えつつ、反射超音波を超音波探傷検査に影響がでないレベルにまで減衰させることが可能であるという非常に優れた効果がもたらされる。 本発明の浸漬型超音波探傷装置において、液槽の側壁面及び底面を被覆する減衰材として人工芝を用いた場合、図2に示すように、側壁面及び底面の人工芝に到達した超音波は、無数の芝の葉によって四方八方に散乱することで小さい音圧に分散されることとなり、その結果、液槽の側壁面及び底面で反射した超音波は、超音波探傷検査に影響が及ばないレベルにまで減衰したものとなる。 また、本発明の浸漬型超音波探傷装置において、減衰材として複数に分割したタイプの人工芝を用いて液槽の側壁面及び底面を被覆した構成としてもよく、この場合には、液槽の側壁面及び底面に対する人工芝の着脱作業が簡単なものとなる。 さらに、本発明の浸漬型超音波探傷装置において、減衰材として用いられる網には、金属製及び布製のものを採用することができるほか、合成樹脂製のものも採用することが可能である。 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 図1及び図2は、本発明の一実施例による浸漬型超音波探傷装置を示しており、この実施例において、本発明の浸漬型超音波探傷装置が、水浸型超音波探傷装置である場合を示す。 図1に示すように、この水浸型超音波探傷装置1は、水槽(液槽)2と、ホルダ3により上下左右に移動可能に支持された超音波探触子4と、水槽2内において被検体Sを支持するベース5を備えており、水槽2に満たした水中に被検体Sとともに超音波探触子4を浸漬させて超音波探傷検査を行うようになっている。 水槽2の側壁面21及び底面22には、これらの側壁面21及び底面22に超音波探触子4から発せられた超音波Wが到達した段階において反射超音波WAの音圧を減衰させる減衰材が設けてあり、この実施例では、減衰材としてセパレートタイプの人工芝6を用いている。 上記したように、この実施例における水浸型超音波探傷装置1では、水槽2の側壁面21及び底面22を被覆する減衰材として、表面が粗い人工芝6を用いるようにしていることから、水槽2の側壁面21及び底面22の人工芝6に到達した超音波Wは、図2にも示すように、高低差のある無数の葉6aで四方八方に散乱することによって小さい音圧に分散されることとなり、したがって、水槽2の側壁面21及び底面22における反射超音波WAは、超音波探傷検査に影響が及ばないレベルにまで減衰したものとなる。 また、減衰材としての人工芝6は、比較的安価で入手し易い部材なので、検査コストの上昇を少なく抑え得ることとなる。 さらに、上記した水浸型超音波探傷装置1では、減衰材としてセパレートタイプの人工芝6を用いていることから、水槽2の側壁面21及び底面22に対する人工芝の着脱作業が簡単なものとなる。 水浸型超音波探傷装置1では、減衰材として人工芝6を採用した場合を例示したが、減衰材として、布,スポンジ及び網を採用することが可能であり、減衰材として用いる網には、金属製及び布製のものを採用することができるほか、合成樹脂製のものも採用することが可能である。本発明に係わる浸漬型超音波探傷装置の一実施例を示す水浸型超音波探傷装置の断面説明図である。(実施例1)図1の水浸型超音波探傷装置における水槽の側壁面の部分拡大断面説明図である。(実施例1)符号の説明 1 水浸型超音波探傷装置(浸漬型超音波探傷装置) 2 水槽(液層) 21 水槽の側壁面 22 水槽の底面 4 超音波探触子 6 人工芝(減衰材) S 被検体 W 超音波 WA 反射超音波 液槽及び超音波探触子を備え、液槽に満たした液体の中に被検体とともに超音波探触子を浸漬させて超音波探傷検査を行う浸漬型超音波探傷装置において、反射超音波を減衰させる減衰材で液槽の側壁面及び底面を被覆し、減衰材として人工芝,布,スポンジ及び網のうちの少なくともいずれか一つを用いたことを特徴とする浸漬型超音波探傷装置。 減衰材として複数に分割したタイプの人工芝を用いて液槽の側壁面及び底面を被覆した請求項1に記載の浸漬超音波探傷装置。 【課題】 コストの上昇を抑えたうえで、超音波探傷検査に支障が生じないレベルにまで反射超音波を減衰させることが可能である浸漬型超音波探傷装置を提供する。【解決手段】水槽2及び超音波探触子4を備え、水槽2に満たした水中に被検体Sとともに超音波探触子4を浸漬させて超音波探傷検査を行う水浸型超音波探傷装置において、反射超音波WAを減衰させる減衰材で水槽2の側壁面21及び底面22を被覆し、減衰材として人工芝6を用いた。【選択図】 図1