タイトル: | 公開特許公報(A)_銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置。 |
出願番号: | 2005258701 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | A61N 1/04,A61N 1/30,A61N 1/36,A61K 33/38,A61P 31/02,A61P 17/02 |
周 起煥 李 明鎬 チョン キ ハン 佐藤 計一 JP 2007068748 公開特許公報(A) 20070322 2005258701 20050907 銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置。 アイシーシー株式会社 598032597 宮本 隆司 100076783 周 起煥 李 明鎬 チョン キ ハン 佐藤 計一 A61N 1/04 20060101AFI20070223BHJP A61N 1/30 20060101ALI20070223BHJP A61N 1/36 20060101ALI20070223BHJP A61K 33/38 20060101ALN20070223BHJP A61P 31/02 20060101ALN20070223BHJP A61P 17/02 20060101ALN20070223BHJP JPA61N1/04A61N1/30A61N1/36A61K33/38A61P31/02A61P17/02 4 1 OL 9 4C053 4C086 4C053BB02 4C053BB24 4C053FF04 4C053JJ02 4C086AA01 4C086HA01 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA63 4C086NA05 4C086ZA90 本発明は、広くは医療装置に関するものであり、特に抗菌と殺菌の皮膚組織の再生装置に関するものである。就中、火傷や薬物耐性菌から生じる治療不能の慢性的な傷口に対して、抗菌・殺菌の皮膚組織の再生をする装置に関するものである。 従来、長期間の治療を必要とする火傷や大手術後の患者において、最も危険なことは皮膚組織を通した感染された薬物耐性の細菌である。近年、殆どの細菌は、抗生物質に対して薬物耐性をもっており、致死的なものになっている。黄色ブドウ状球菌などは、火傷や手術後の傷口からの感染にて、回復不能あるいは治療不能にさせる病原菌になり、高い致死性を持つことが指摘されている。このような薬物耐性菌に対して、銀イオンは強い抗菌・殺菌効果があることが知られている。 銀イオンの抗菌・殺菌効果に対する学問的な背景をみれば、銀イオンと微細電流を使った抗菌と殺菌効能に関する論文が医用材料研究学会誌に掲載され、幅広く紹介された(J. Spadaro : Journal of Biomedical Material Research, 20(5), 565-77, 1986)。その研究内容は ラットの背面に黄色ブドウ状球菌を注射し、背面の一箇所の皮膚表面に銀電極を入れ他の箇所にステンレス線電極を入れて、微細電流を三週間流した結果、ステンレス線の組織には、何にも変わらなかったが、銀電極下組織での細菌は非常に減少し、抗菌・殺菌されたということである。 そして、銀の大腸菌に対する抑制作用に関する研究として、生体金属学会誌に掲載されたが、銀イオンが伝染性大腸菌の増殖を完全に抑制するという研究結果であった(G. Zhao, Biometals, 11(1), 27-32, 1998)。さらに、大腸菌と黄色ブドウ状球菌に対する銀イオンの抗菌・殺菌メカニズムに関する研究内容が初めて報告された(Q.Feng,Journal of Biomedical Material Reserch,52(4),662-8,2000)。 銀イオンの細菌に対する抗菌作用を調査するために、電子マイクロスコピとX線マイクロ分析法を使って、細菌の形態的な変化を観察した結果、銀イオンに細胞が接触すると、細菌の細胞膜が細胞壁から分離されると同時に、細胞膜内(細胞質)での銀イオンと硫黄(sulfur)との結合である。銀イオンと硫黄の結合から、薬物耐性菌の増殖・拡散能力が喪失され、増殖細胞のDNAと蛋白質が非活動的な状態になることが確認された。 また、銀イオンが組織細胞の再生に重要な機能を持つ結果が神経再活学科誌に発表されたが、銀イオンを吸着したナイロン繊維を用いて、幹細胞移植に関する画期的な装置と方法が提案されたことがある(R. Becker, Neuro - Rehabilitation, 17(1), 23-31, 2002)。さらに、銀イオンに対する応用製品として、火傷治療用の銀イオン溶出パットやバンドが研究開発され、既に医療現場に使われている。 従来の銀イオン溶出パットやバンドは、含まれる銀成分が無毒性の純度99.99%以上の純銀ではなくて、蛋白質と合成した銀プロテインが主な成分であり、また、銀はとてもイオン化しにくい金属で、化学反応から溶出する銀イオン量の定量化が難しいという課題が指摘されている。 また、基礎研究段階では、微細電流と銀線電極を使った、抗菌・殺菌・組織再生装置があるが、入力される電圧の調整が難しいということで、実用化されていない。銀はとてもイオン化が難しい金属である。銀を抗菌・殺菌用に使うために、窒酸や硝酸と化学的に化合した窒酸銀溶液があるが、その化合物の毒性に関する心配が指摘されている。このために、化学的に化合させなくて、純粋な銀をイオン化し、定量的に溶出できる装置が要求される。J. Spadaro : Journal of Biomedical Material Research, 20(5), 565-77, 1986.G. Zhao, Biometals, 11(1), 27-32, 1998R. Becker, Neuro - Rehabilitation, 17(1), 23-31, 2002. 純度99.99%以上の純銀電極に低電圧電源を与えられる電気分解から生じた銀イオンは、飲用しても人体に無毒性であると知られている。銀イオンに対する世界的な標準許容量はないが、米国の食薬庁や米国の環境庁の基準によれば、静脈投与の場合は、一日、1000mgまで、飲用の場合、体重1kg当たり、0.014mg/lまで飲むことができると提案されている。さらに、アメリカでは、銀イオン溶液を健康補助食品として販売することが許可されている。また、米国の食薬庁は火傷治療と感染防止用の銀イオン溶出パットに対して、1999年から医薬品として製造及び販売を許可している。 日本では、現在、銀に対する特別な規制がないが、飲料水用の浄水器に使われる抗菌用の銀添活性炭フィルタなどの使用が許可されている。そして、銀成分を使った抗菌製品が幅広く使われているように、銀成分が抗菌や殺菌作用があることは認められている。本発明は、純度99.99%の純銀電極幕に安定的なパルス電圧を与えて、銀成分をイオン化や定量化することから、皮膚組織に対する抗菌効果、殺菌効果、再生作用をもつ装置を構成した。 本発明は、定量化ができるし安定的な銀イオンは流出することから、火傷や手術後に、薬物耐性菌により感染された皮膚傷口に、抗菌・殺菌及び組織の再生ができる皮膚組織再生装置を提供することを課題としている。 本発明にかかる銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置は、以上の課題を解決するために、安定化パルス電源に接続する純度99.99%の純銀幕を使用した一対の電極から成る。 以下に、本発明にかかる銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置の具体的な構成を詳細に記載する。最初に、本発明の請求項1に記載した発明の構成を説明する。この発明は、まず、安定化パルス電源がある。そして、一対の電極(純銀幕電極パット)がある。この一対の電極は、上記の安定化パルス電源に接続する純度99.99%の純銀幕使用のものである。 つぎに、本発明にかかる銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置の請求項2に記載した発明の構成を説明する。この発明はまず、安定化パルス電源がある。つぎに、一対の純銀リード線がある。この一対の純銀リード線は、上記の安定化パルス電源からのパルス電流を流すものである。そして、一対の電極がある。この一対の電極は、上記の一対の純銀リード線が接続するものであって純度99.99%の純銀幕使用のものである。 しかして、請求項3に関して、請求項1または2に記載の安定化パルス電源が、以下のものから構成されている。まず、ボタンバッテリーの電源部がある。つぎに、電圧調節部がある。この電圧調節部は、上記のボタンバッテリーの電源部の下流に結合し、安定的な供給電圧を調節するものである。最後に、パルス電圧発生部がある。このパルス電圧発生部は、上記の電圧調節部の下流に結合するものである。 さらに、請求項4に関して、請求項1または2または3に記載の純銀幕電極パットが、以下のものから構成されている。まず、純銀電極材としての厚さ0.02mm〜0.001mm程度の純銀膜がある。つぎに、接着部がある。この接着部は、上記の純銀幕を傷口のある皮膚部分に接着するものである。そして、銀添抗菌パットがある。この銀添抗菌パットは、上記の接着部と上記の純銀幕を装着するものである。 本発明にかかる銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置は、以上のごとくになしたゆえに、上記の課題を解決して以下のごとき多大な効果が生じた。すなわち、本発明の皮膚組織再生装置は、無毒性の純度99.99%以上に純銀製の電極に安定的なパルス電圧を与えることから、抗菌・殺菌作用及び細胞再生の効果が得られた。この発明の装置は、薬物耐性菌で、皮膚組織の化膿や損傷で、回復不能と診断された皮膚組織に、簡単に装着できるし、安定的に銀イオンを溶出させることができるという長所で、在宅治療や特別療養施設で利用することができる。 本発明は、安定的なパルス電圧から99.9+9%の純銀電極の銀イオンを溶出することによって、皮膚組織の抗菌・殺菌に伴う火傷や手術後の皮膚再生装置とした。すなわち、細菌の増殖を抑制することから抗菌及び殺菌することができる銀イオン成分を定量的に溶出するために一定的な電気刺激という手段を使ったものである。 しかして、本発明にかかる銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置をその具体的な実施例を用いて添付の図面と共に詳細に述べる。図1にその装置の構成を示すが、これは純度99.99%の純銀電極幕に定量化された安定的なパルス電圧を与えるために、以下のようになっている。まず、ボタンバッテリー電源B(BB=3V)と、スイッチSと、安定電圧調節チップC-MOSと、コンデンサC1、C2(共に10μF)で構成される安定電圧供給部1かある。つぎに、抵抗R1とR2とR3(R1 = 600Ω、R2 = 4KΩ、R3 = 4.7KΩ)と、コンデンサC3とC4(C3,C4 = 101μF)と、555タイミング調節チップ3と、発光ダイオードLDで構成されるパルス電圧発生部2がある。このパルス電圧発生部2と上記の安定電圧供給部1を外装電源ボックスに収納した安定化パルス電源4がある。そして、この外装電源ボックスの安定化パルス電源4からのパルス電圧を皮膚組織に放出するための、純度99.99%の純銀幕使用のもので構成されるプラス電極部(純銀幕電極パット)5とマイナス電極部(純銀幕電極パット)6がある。このプラス電極部5とマイナス電極部6に、上記の外装電源ボックスの安定化パルス電源4からのパルス電流を流す一対の純銀リード線4aがある。 図2と3と4は、そのプラス電極部5とマイナス電極部6の具体的な構成を示したものである。まず、純度99.99%の純銀幕10(厚さ0.1mm)と傷口のある皮膚部分に接着する接着部12が付いているナイロン系の銀添抗菌パット11がある。そして、この銀添抗菌パット11の銀電極幕10を、リード銀線15に連結するための銀電極コネクタ13がある。最後に、リード線キャップ14が、その銀電極コネクタ13に設けられている。 図5は、銀イオンによる殺菌及び組織再生メカニズムを示すものである。まず、電源ボックスの安定化パルス電源4から、傷がある皮膚表面8に接着されたプラス電極5に電流が流れ、銀(Ag)は銀イオン(Ag+)と電子(e−)になる。 Ag → Ag+ + e− 上記の外装電源ボックスの安定化パルス電源4からの安定的なパルス電圧を与え、純銀のみがイオン化されるだけでなく、その皮膚組織8にある水分子(H2O)が水素イオン(H+)と水酸基イオン(OH−)で、水素イオン(2H+)は電子(2e−)と結合しながら水素(H2)が生じる。発生された水素基イオン(4OH−)は、水分子(2H2O)と酸素((O2)と電子(4e−)を生成する。 H2 O → H+ + OH− 2H+ + 2e− → H2 40H− → 2H2O + O2 + 4e− パルス刺激から生じる銀イオンの生成量は、パラディの法則によって次ぎの式のように計算される。 銀イオン生成量 = (電流×時間 × 108)/9.65 × 107(mg) もし、0.1アンペアの直流定電流を10分間(600秒)を流したとすれば、銀イオンの生成量は0.00006715mgになる。 銀イオン生成量 = (0.1 × 600 × 108)/9.65 × 107 = 0.0006715mg = 0.00006715ppm 図5のように、銀イオンが細菌に与えられることから、細胞膜が細胞壁から分離され、細胞質で銀と硫黄が結合し、細菌の拡散能力が喪失され、細胞組織のDNAと蛋白質が非活動的な状態になる。 また、銀イオンの抗菌・殺菌の別のメカニズムは、銀イオンの微量動作用により、銀イオンが細胞質にある硫黄と結合することから、酸化還元系を阻害することから病原菌を殺菌することがある。一方、傷口のプラスの極電極部から溶出した銀イオンは、酵素と蛋白質と繊維芽細胞と結合しながら、胚細胞の形成のために細胞脱分化が起こる。さらに、銀イオンはコラーゲンと結合し、脱分化された細胞が活性化し、細胞芽体が発生する。 図6は、銀イオン発生装置を装着した実施例である。これは、傷口の部位に純度99.99%の純銀製のプラス電極(純銀幕電極パット)5とマイナス電極部(純銀幕電極パット)6とをプラス電極接着バンド20とマイナス電極バンド21とで固定し、電源ボックス装着バンド22で固定された電源ボックスの安定化パルス電源4につなげる構成を示す。図6の皮膚組織再生装置は、家庭や特別医療施設で、薬物耐性をもつ細菌から感染されて、慢性的な治療不能の高齢者や虚弱者に装着することができる。特に、プラス電極接着バンド20とマイナス電極接着バンド21を防水ビニル製にして、長期間使うこともできる構成にした。 図7は、本発明の皮膚組織再生装置である。純度99.99%以上の純銀製のプラス電極板5に3ボルト(100mA)のパルス電圧を与えたときに溶出する1cm2当たりの銀イオン濃度の変化を示したものである。入力してから30分後銀イオンは0.0007ppm溶出し始め、150分後には0.005ppm近くまでに至る。 図8は、本発明の皮膚組織再生装置から発生した、銀イオンが薬物耐性菌である黄色ブドウ状球菌に対する抗菌・殺菌作用を示したグラフである。これは、その装置を動作してから、30分後にその菌数が3分の1に低下して、60分後には90%、120分後には完全に殺菌することが観察できる。 火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生のぶんやが、銀イオンと電気刺激による方法の新しい分野に広がる。本発明にかかる銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置の電源部分の一実施例の電気回路図を示したものである。図1のものの電極部の側面図を示したものである。図2のものの平面図を示したものである。図2のものの底面図を示したものである。銀イオンによる抗菌・殺菌及び再生メカニズムを示す図面傷口がある足に装置を装着した実施例銀イオン濃度の変化銀イオンによる抗菌・殺菌効果符号の説明 1 安定電圧供給部 2 パルス電圧発生部 3 パルス発生チップ 4 安定化パルス電源 4a 純銀リード線 5 プラスの電極部(純銀幕電極パット) 6 マイナスの電極部(純銀幕電極パット) 7 電極リード線 8 皮膚 10 銀電極番 11 銀添抗菌パット 12 接着部 13 銀電極コネックット 14 リード線キャップ 15 リード銀線 20 プラスの電極装着バンド 21 マイナスの電極装着バンド 22 電源ボックス装着バンド 安定化パルス電源、該安定化パルス電源に接続する純度99.99%の純銀幕を使用の一対の電極パット、より構成されることを特徴とした銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置。 安定化パルス電源、該安定化パルス電源からのパルス電流を流す一対の純銀リード線、該一対の純銀リード線に結合する純度99.99%の純銀幕使用を使用の一対の電極パット、より構成されることを特徴とした銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置。 安定化パルス電源が、ボタンバッテリーの電源部、該ボタンバッテリーの電源部の下流に結合する安定的な供給電圧を調節する電圧調節部、該電圧調節部の下流に結合しパルス電圧発生部、より構成されることを特徴とした請求項1または2に記載の銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置。 純銀幕電極パットが、純銀電極材としての厚さ0.02mm〜0.001mm程度の純銀膜、該純銀膜を傷口のある皮膚部分に接着する接着部、該接着部と上記の純銀幕を装着する銀添抗菌パット、より構成されることを特徴とした請求項1または2または3に記載の銀イオンと電気刺激による火傷や手術後の抗菌・殺菌の皮膚組織再生装置。 【課題】 火傷や手術後の皮膚組織への薬物耐性の細菌の問題。【解決手段】 純度99.99%の純銀電極幕に定量化された安定的なパルス電圧を与える以下の電源。ボタンバッテリー電源Bと安定電圧供給部1かある。555タイミング調節チップ3と、発光ダイオードLLで構成されるパルス電圧発生部2がある。このパルス電圧発生部2と上記の安定電圧供給部1を外装電源ボックスに収納した安定化パルス電源4がある。この電源4からのパルス電圧を皮膚組織に放出するための、純度99.99%の純銀幕で構成されるプラス電極部(純銀幕電極パット)5とマイナス電極部(純銀幕電極パット)6がある。その電極部5と6の構成は、純度99.99%の純銀幕10と傷口のある皮膚部分に接着する接着部12が付いている銀添抗菌パット11の銀電極幕10を、リード銀線15に連結するための銀電極コネクタ13がり、リード線キャップ14が、銀電極コネクタ13に設けられている。【選択図】 図1