生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_ファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置
出願番号:2005242946
年次:2007
IPC分類:G01N 21/45


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粥川 洋平 JP 2007057376 公開特許公報(A) 20070308 2005242946 20050824 ファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置 独立行政法人産業技術総合研究所 301021533 粥川 洋平 G01N 21/45 20060101AFI20070209BHJP JPG01N21/45 Z 5 1 OL 6 2G059 2G059AA02 2G059BB08 2G059EE10 2G059EE12 2G059GG01 2G059GG08 2G059HH02 2G059JJ17 2G059JJ21 2G059MM14 本発明は各種物体の屈折率を測定する屈折率測定装置に関し、特にファブリ・ペロー干渉計のフィルタ特性が、同干渉計を構成する2枚のミラーの間に介在する物質の屈折率によって決まることを利用して、屈折率を計測するファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置に関する。 屈折率は流体の場合、食品・飲料の糖度や塩分濃度の指標として用いられる。また化学プラントのインラインでの濃度管理や医療品の品質管理にも欠かすことができない。また、最近では精密な半導体リソグラフにおいて解像度を上げるために屈折率バッファとして用いられる水や有機液体の屈折率評価が注目されつつある。更に、固体の屈折率は各種光学材料の光学特性の評価に欠かせない物性である。 このような各種の物質の屈折率の測定には、プリズムなどを用いて屈折角を求める、最小偏角法やアッベ法などが利用されてきた。また、レーザーの発明以降、光波干渉を利用した測定法も考案されている。 なお、ファブリ・ペロー干渉計の反射鏡間隔の測定方法については下記特許文献1に記載されており、バリアブル・パス法を用いた空気屈折率の測定については下記非特許文献1に記載され、また、ファブリ・ペロー・エタロンを用いた空気屈折率変化の測定については下記非特許文献2に記載されている。特開平01−31004Fujii.et al., A New Refractometer by Combining Variable Lelson Interferometer., IEEETrans. Instrum. Meas., 46(2),191-195,1997.Fang, H. and Jundar, P., A New Simple Compadt RefractometerApplied to Measurements of AirDensity Fludtuation,Rev.Sci.Instrm.,70(7),3160-3166,1999. 前記のように、プリズムなどを用いて角度計測によって屈折率を求める場合、ビームスポットの位置検出精度や、角度計測の不確かさなどが影響し、屈折率の計測不確かさは10−5が限界になっていた。 また、バリアブルパス法と呼ばれる、流体および真空中を移動するミラーの位置変化を光波干渉により求め、それらの比から流体の屈折率を求める方法が、例えば前記非特許文献1に報告されている。しかしながら、この方法は分解能としては10−8にも到達するが、測定対象が流体に限られ、また液体の場合はサンプル液体の交換・洗浄が困難で、装置が大掛かりになるなど制約も多い。 さらに、屈折率は光の波長に依存するため、その波長依存性評価も重要であるが、光波干渉計測に必要なレーザーの発振波長は限定されており、近赤外・可視・紫外をカバーするためには多数の光源を用意する必要があった。 したがって本発明は、可動部が不要なファブリ・ペロー干渉計を用いて屈折率を高精度に検出することができるようにし、小型で流体以外の各種物体の屈折率をも測定することができ、且つ広帯域における屈折率分散の高精度な絶対測定を実現することができるファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置を提供することを主たる目的とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置は、前記課題を解決するため、対向する面に反射膜を付加した互いに平行な2枚のガラスの間で光の反射を繰り返し共振させて干渉を生じるファブリ・ペロー干渉計と、前記ファブリ・ペロー干渉計に広帯域の光周波数コムを入射する光照射手段と、上記ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数が、干渉計共振器の光学的長さに依存する現象により、前記光スペクトラムアナライザによって求められた光スペクトルの包落線から広い波長範囲にわたるファブリ・ペロー干渉計の一連の共振周波数を求め、被測定物質の屈折率における波長分散を絶対測定する測定手段とを備えたことを特徴とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置は、前記ファブリ・ペロー干渉計に入射する光周波数コムの中心周波数を掃引することにより、ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数の精度を向上させる測定手段を備えたことを特徴とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置は、前記ファブリ・ペロー干渉計に入射する光周波数コムのモード間隔を掃引することにより、ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数の精度を向上させる測定手段を備えたことを特徴とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置は、前記光スペクトラムアナライザによって求められた広い波長範囲にわたる光スペクトルの包落線から統計処理によって共振周波数を求め、被測定物質の屈折率分散を求める演算装置を備えたことを特徴とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置における光スペクトラムアナライザは、出射する光周波数コムを、無偏光マイケルソン干渉計に入射し、光路長差を掃引しながら干渉信号を高速フーリエ変換することにより入射光のスペクトルを求めることを特徴とする。 本発明は上記のように構成したので、広帯域で可干渉性を有する光周波数コムと、フィルタ特性が共振器間隔Lと共振器中の物質の屈折率に依存するファブリ・ペロー共振器を組み合わせることにより、広い波長範囲において高精度な屈折率の測定を可能にするものである。これにより、物質の屈折率の標準が実現し、また種々の物質の光学特性の評価が瞬時に行えるようになる。 本発明は、物質の屈折率の標準を実現し、また種々の物質の広帯域における光学特性の評価を瞬時に行うことができるようにする、という課題を、対向する面に反射膜を付加した互いに平行な2枚のガラスの間で光の反射を繰り返し共振させて干渉を生じるファブリ・ペロー干渉計と、前記ファブリ・ペロー干渉計に広帯域の光周波数コムを入射する光照射手段と、上記ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数が、干渉計共振器間隔の光学的長さに依存する現象により、前記共振周波数を測定するに際し、広い波長範囲にわたってファブリ・ペロー干渉計から出射する光スペクトルの包落線を求め、被測定物質の屈折率における波長分散を絶対測定する測定手段とを備えることにより実現した。 本発明は、ファブリ・ペロー干渉計の共振特性が、同干渉計を構成する2枚のミラーの間に介在する物質の屈折率によって決まることを利用して屈折率を計測するものであり、図1にそのシステム構成を示している。最初に本発明の屈折率測定の原理を説明すると、本発明で用いるファブリ・ペロー干渉計においては、ファブリ・ペロー干渉計の2枚の鏡、即ちエタロンの間隔Lおよびエタロンの間に介在する物質の屈折率をn(ν)とし、このファブリ・ペロー干渉計のミラーの間に存在できる定在波の共振周波数は、mを整数とすると ν=mc/(2n(ν)L) (1)と表せる。 したがってこのファブリ・ペロー干渉計は、前記(1)式に示す波長のみを選択的に透過させるフィルタとみることができる。このフィルタの透過スペクトルのピーク間隔は自由スペクトル領域(FSR)と呼ばれ、である。 またこの干渉計のエタロンの鏡面には、分散特性の良い金属膜を用いるとR=90%程度の反射率が得られる。この時、ファブリ・ペロー干渉計のフィネスは F=πR1/2/(1−R)≒30 (3)程度が得られる。したがってこのファブリ・ペロー干渉計の透過スペクトルは、図2に示 光源となる光周波数コムは、たとえば、単一波長のレーザ光が多重反射する光共振器中に、マイクロ波発生器によって駆動される電気光学素子を入れることにより得ることができる。また、モード同期レーザによる超短パルスは、光周波数軸上では等しいモード間隔で並んだ光周波数コムとして利用でき、これをフォトニック結晶ファイバに通すことで広帯域の光周波数コムを得ることができる。 前記光スペクトラムアナライザとして、たとえば無偏光マイケルソン干渉計の光路長差を掃引しながら干渉信号を高速フーリエ変換することにより入射光のスペクトルを求める方式が利用できる。 このようにして、広い波長範囲にわたってファブリ・ペロー共振器の一連の共振周波数が得られる。一方、共振器のエタロン間隔は、共振器内外を真空にすることで共振周波数から容易に求めることができ、または空気などの屈折率が良く知られている媒体を用いて校正することもできる。 固体試料の場合は上記のような校正方法によって共振器間隔を求めることはできないが、図5に示すように、固体試料をスペーサーとし、その位置をずらして別のファブリ・ペロー・エタロンを構成し、上記のような方法を用いることにより、必要な精度のエタロン間隔Lを求めることができる。本発明によるシステム構成の説明図である。ファブリ・ペロー干渉計の透過スペクトルの説明図である。ファブリ・ペロー干渉計を透過した光周波数コムのスペクトルの例を示す図である。中心周波数またはモード間隔を変化させたときの、ファブリ・ペロー干渉計を透過した光周波数コムのスペクトルの例を示す図である。固体試料の屈折率測定を行うときの説明図である。 対向する面に反射膜を付加した互いに平行な2枚のガラスの間で光の反射を繰り返し共振させて干渉を生じるファブリ・ペロー干渉計と、 前記ファブリ・ペロー干渉計に広帯域の光周波数コムを入射する光照射手段と、 上記ファブリ・ペロー干渉計から出射する光周波数コムを、隣り合うモードの周波数間隔よりも細かい分解能でスペクトルを測定する光スペクトラムアナライザを備え、 前記ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数が、干渉計共振器の光学的長さに依存する現象により、前記光スペクトラムアナライザによって求められた光スペクトルの包落線から広い波長範囲にわたるファブリ・ペロー干渉計の一連の共振周波数を求め、被測定物質の屈折率における波長分散を絶対測定することを特徴とするファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。 前記ファブリ・ペロー干渉計に入射する光周波数コムの中心周波数を掃引することにより、ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数の測定精度を向上させることを特徴とする請求項1記載のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。 前記ファブリ・ペロー干渉計に入射する光周波数コムのモード間隔を掃引することにより、ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数の測定精度を向上させることを特徴とする請求項1記載のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。 前記光スペクトラムアナライザによって求められた広い波長範囲にわたる光スペクトルの包落線から統計処理によって共振周波数を求め、被測定物質の屈折率分散を求める演算装置を備えたことを特徴とする請求項1記載のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。 前記屈折率計測装置における光スペクトラムアナライザは、出射する光周波数コムを、無偏光マイケルソン干渉計に入射し、光路長差を掃引しながら干渉信号を高速フーリエ変換することにより入射光のスペクトルを求めることを特徴とする請求項1記載のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。 【課題】 ファブリ・ペロー干渉計を用いて屈折率を高精度に検出することができるようにし、小型で流体以外の各種物体の屈折率を測定することができようにする。【解決手段】 対向する面に反射膜を付加した互いに平行な2枚のガラスの間で光の反射を繰り返し共振させて干渉を生じるファブリ・ペロー干渉計を用い、前記ファブリ・ペロー干渉計には広帯域の光周波数コムを入射し、上記ファブリ・ペロー干渉計から出射する光周波数コムを、隣り合うモードの周波数間隔よりも細かい分解能でスペクトルを測定する光スペクトラムアナライザを用い、上記ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数が、干渉計共振器の光学的長さに依存する現象により、前記光スペクトラムアナライザによって求められた光スペクトルの包落線から広い波長範囲にわたるファブリ・ペロー干渉計の一連の共振周波数を求めることにより、被測定物質の屈折率における波長分散を絶対測定する。【選択図】図1


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特許公報(B2)_ファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置

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タイトル:特許公報(B2)_ファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置
出願番号:2005242946
年次:2010
IPC分類:G01N 21/45


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粥川 洋平 JP 4411412 特許公報(B2) 20091127 2005242946 20050824 ファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置 独立行政法人産業技術総合研究所 301021533 粥川 洋平 20100210 G01N 21/45 20060101AFI20100121BHJP JPG01N21/45 Z G01N 21/00−21/01 G01N 21/17−21/61 G01J 3/00− 3/52 JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 特表平08−510831(JP,A) 特開平07−198604(JP,A) 特開平02−040537(JP,A) 特開2002−082045(JP,A) 特開2002−071518(JP,A) 特開平05−079974(JP,A) 5 2007057376 20070308 7 20070314 横井 亜矢子 本発明は各種物体の屈折率を測定する屈折率測定装置に関し、特にファブリ・ペロー干渉計のフィルタ特性が、同干渉計を構成する2枚のミラーの間に介在する物質の屈折率によって決まることを利用して、屈折率を計測するファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置に関する。 屈折率は流体の場合、食品・飲料の糖度や塩分濃度の指標として用いられる。また化学プラントのインラインでの濃度管理や医療品の品質管理にも欠かすことができない。また、最近では精密な半導体リソグラフにおいて解像度を上げるために屈折率バッファとして用いられる水や有機液体の屈折率評価が注目されつつある。更に、固体の屈折率は各種光学材料の光学特性の評価に欠かせない物性である。 このような各種の物質の屈折率の測定には、プリズムなどを用いて屈折角を求める、最小偏角法やアッベ法などが利用されてきた。また、レーザーの発明以降、光波干渉を利用した測定法も考案されている。 なお、ファブリ・ペロー干渉計の反射鏡間隔の測定方法については下記特許文献1に記載されており、バリアブル・パス法を用いた空気屈折率の測定については下記非特許文献1に記載され、また、ファブリ・ペロー・エタロンを用いた空気屈折率変化の測定については下記非特許文献2に記載されている。特開平01−31004Fujii.et al., A New Refractometer by Combining Variable Lelson Interferometer., IEEETrans. Instrum. Meas., 46(2),191-195,1997.Fang, H. and Jundar, P., A New Simple Compadt RefractometerApplied to Measurements of AirDensity Fludtuation,Rev.Sci.Instrm.,70(7),3160-3166,1999. 前記のように、プリズムなどを用いて角度計測によって屈折率を求める場合、ビームスポットの位置検出精度や、角度計測の不確かさなどが影響し、屈折率の計測不確かさは10−5が限界になっていた。 また、バリアブルパス法と呼ばれる、流体および真空中を移動するミラーの位置変化を光波干渉により求め、それらの比から流体の屈折率を求める方法が、例えば前記非特許文献1に報告されている。しかしながら、この方法は分解能としては10−8にも到達するが、測定対象が流体に限られ、また液体の場合はサンプル液体の交換・洗浄が困難で、装置が大掛かりになるなど制約も多い。 さらに、屈折率は光の波長に依存するため、その波長依存性評価も重要であるが、光波干渉計測に必要なレーザーの発振波長は限定されており、近赤外・可視・紫外をカバーするためには多数の光源を用意する必要があった。 したがって本発明は、可動部が不要なファブリ・ペロー干渉計を用いて屈折率を高精度に検出することができるようにし、小型で流体以外の各種物体の屈折率をも測定することができ、且つ広帯域における屈折率分散の高精度な絶対測定を実現することができるファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置を提供することを主たる目的とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置は、前記課題を解決するため、対向する面に反射膜を付加した互いに平行な2枚のガラスの間で光の反射を繰り返し共振させて干渉を生じるファブリ・ペロー干渉計と、前記ファブリ・ペロー干渉計に広帯域の光周波数コムを入射する光照射手段と、上記ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数が、干渉計共振器の光学的長さに依存する現象により、前記光スペクトラムアナライザによって求められた光スペクトルの包落線から広い波長範囲にわたるファブリ・ペロー干渉計の一連の共振周波数を求め、被測定物質の屈折率における波長分散を絶対測定する測定手段とを備えたことを特徴とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置は、前記ファブリ・ペロー干渉計に入射する光周波数コムの中心周波数を掃引することにより、ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数の精度を向上させる測定手段を備えたことを特徴とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置は、前記ファブリ・ペロー干渉計に入射する光周波数コムのモード間隔を掃引することにより、ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数の精度を向上させる測定手段を備えたことを特徴とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置は、前記光スペクトラムアナライザによって求められた広い波長範囲にわたる光スペクトルの包落線から統計処理によって共振周波数を求め、被測定物質の屈折率分散を求める演算装置を備えたことを特徴とする。 また、本発明に係る他のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率測定装置における光スペクトラムアナライザは、出射する光周波数コムを、無偏光マイケルソン干渉計に入射し、光路長差を掃引しながら干渉信号を高速フーリエ変換することにより入射光のスペクトルを求めることを特徴とする。 本発明は上記のように構成したので、広帯域で可干渉性を有する光周波数コムと、フィルタ特性が共振器間隔Lと共振器中の物質の屈折率に依存するファブリ・ペロー共振器を組み合わせることにより、広い波長範囲において高精度な屈折率の測定を可能にするものである。これにより、物質の屈折率の標準が実現し、また種々の物質の光学特性の評価が瞬時に行えるようになる。 本発明は、物質の屈折率の標準を実現し、また種々の物質の広帯域における光学特性の評価を瞬時に行うことができるようにする、という課題を、対向する面に反射膜を付加した互いに平行な2枚のガラスの間で光の反射を繰り返し共振させて干渉を生じるファブリ・ペロー干渉計と、前記ファブリ・ペロー干渉計に広帯域の光周波数コムを入射する光照射手段と、上記ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数が、干渉計共振器間隔の光学的長さに依存する現象により、前記共振周波数を測定するに際し、広い波長範囲にわたってファブリ・ペロー干渉計から出射する光スペクトルの包落線を求め、被測定物質の屈折率における波長分散を絶対測定する測定手段とを備えることにより実現した。 本発明は、ファブリ・ペロー干渉計の共振特性が、同干渉計を構成する2枚のミラーの間に介在する物質の屈折率によって決まることを利用して屈折率を計測するものであり、図1にそのシステム構成を示している。最初に本発明の屈折率測定の原理を説明すると、本発明で用いるファブリ・ペロー干渉計においては、ファブリ・ペロー干渉計の2枚の鏡、即ちエタロンの間隔Lおよびエタロンの間に介在する物質の屈折率をn(ν)とし、このファブリ・ペロー干渉計のミラーの間に存在できる定在波の共振周波数は、mを整数とすると ν=mc/(2n(ν)L) (1)と表せる。 したがってこのファブリ・ペロー干渉計は、前記(1)式に示す波長のみを選択的に透過させるフィルタとみることができる。このフィルタの透過スペクトルのピーク間隔は自由スペクトル領域(FSR)と呼ばれ、である。 またこの干渉計のエタロンの鏡面には、分散特性の良い金属膜を用いるとR=90%程度の反射率が得られる。この時、ファブリ・ペロー干渉計のフィネスは F=πR1/2/(1−R)≒30 (3)程度が得られる。したがってこのファブリ・ペロー干渉計の透過スペクトルは、図2に示 光源となる光周波数コムは、たとえば、単一波長のレーザ光が多重反射する光共振器中に、マイクロ波発生器によって駆動される電気光学素子を入れることにより得ることができる。また、モード同期レーザによる超短パルスは、光周波数軸上では等しいモード間隔で並んだ光周波数コムとして利用でき、これをフォトニック結晶ファイバに通すことで広帯域の光周波数コムを得ることができる。 前記光スペクトラムアナライザとして、たとえば無偏光マイケルソン干渉計の光路長差を掃引しながら干渉信号を高速フーリエ変換することにより入射光のスペクトルを求める方式が利用できる。 このようにして、広い波長範囲にわたってファブリ・ペロー共振器の一連の共振周波数が得られる。一方、共振器のエタロン間隔は、共振器内外を真空にすることで共振周波数から容易に求めることができ、または空気などの屈折率が良く知られている媒体を用いて校正することもできる。 固体試料の場合は上記のような校正方法によって共振器間隔を求めることはできないが、図5に示すように、固体試料をスペーサーとし、その位置をずらして別のファブリ・ペロー・エタロンを構成し、上記のような方法を用いることにより、必要な精度のエタロン間隔Lを求めることができる。本発明によるシステム構成の説明図である。ファブリ・ペロー干渉計の透過スペクトルの説明図である。ファブリ・ペロー干渉計を透過した光周波数コムのスペクトルの例を示す図である。中心周波数またはモード間隔を変化させたときの、ファブリ・ペロー干渉計を透過した光周波数コムのスペクトルの例を示す図である。固体試料の屈折率測定を行うときの説明図である。 対向する面に反射膜を付加した互いに平行な2枚のガラスの間で光の反射を繰り返し共振させて干渉を生じるファブリ・ペロー干渉計と、 前記ファブリ・ペロー干渉計に広帯域の光周波数コムを入射する光照射手段と、 上記ファブリ・ペロー干渉計から出射する光周波数コムを、隣り合うモードの周波数間隔よりも細かい分解能でスペクトルを測定する光スペクトラムアナライザを備え、 前記ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数が、干渉計共振器の光学的長さに依存する現象により、前記光スペクトラムアナライザによって求められた光スペクトルの包落線から広い波長範囲にわたるファブリ・ペロー干渉計の一連の共振周波数を求め、被測定物質の屈折率における波長分散を絶対測定することを特徴とするファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。 前記ファブリ・ペロー干渉計に入射する光周波数コムの中心周波数を掃引することにより、ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数の測定精度を向上させることを特徴とする請求項1記載のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。 前記ファブリ・ペロー干渉計に入射する光周波数コムのモード間隔を掃引することにより、ファブリ・ペロー干渉計の共振周波数の測定精度を向上させることを特徴とする請求項1記載のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。 前記光スペクトラムアナライザによって求められた広い波長範囲にわたる光スペクトルの包落線から統計処理によって共振周波数を求め、被測定物質の屈折率分散を求める演算装置を備えたことを特徴とする請求項1記載のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。 前記屈折率計測装置における光スペクトラムアナライザは、出射する光周波数コムを、無偏光マイケルソン干渉計に入射し、光路長差を掃引しながら干渉信号を高速フーリエ変換することにより入射光のスペクトルを求めることを特徴とする請求項1記載のファブリ・ペロー干渉計を用いた屈折率計測装置。


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