生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_医薬製剤およびその製造方法
出願番号:2005213744
年次:2006
IPC分類:A61K 9/26,A61K 47/26,A61K 47/32,A61K 47/38,A61P 1/04,A61P 43/00,A61K 31/4439


特許情報キャッシュ

ダニエル・コーンベシ ダーヴィード・コルヴェジエ アレクサンドル・ジル エマニュエル・ゲラン JP 2006036774 公開特許公報(A) 20060209 2005213744 20050725 医薬製剤およびその製造方法 アストラゼネカ・アクチエボラーグ 391008951 ASTRAZENECA AKTIEBOLAG 高木 千嘉 100091731 結田 純次 100127926 三輪 昭次 100105290 ダニエル・コーンベシ ダーヴィード・コルヴェジエ アレクサンドル・ジル エマニュエル・ゲラン EP 04291900.1 20040726 A61K 9/26 20060101AFI20060113BHJP A61K 47/26 20060101ALI20060113BHJP A61K 47/32 20060101ALI20060113BHJP A61K 47/38 20060101ALI20060113BHJP A61P 1/04 20060101ALI20060113BHJP A61P 43/00 20060101ALI20060113BHJP A61K 31/4439 20060101ALN20060113BHJP JPA61K9/26A61K47/26A61K47/32A61K47/38A61P1/04A61P43/00 111A61K31/4439 19 OL 19 4C076 4C086 4C076AA38 4C076AA41 4C076AA45 4C076BB01 4C076CC16 4C076DD41 4C076DD67B 4C076EE15J 4C076EE31J 4C076EE32J 4C076EE33J 4C076EE41 4C076FF04 4C076FF25 4C076FF31 4C076FF34 4C076FF52 4C076GG10 4C076GG12 4C076GG14 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC39 4C086GA07 4C086GA08 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA35 4C086MA52 4C086NA11 4C086NA12 4C086ZA68 本発明は、医薬活性物質の多数の小腸溶性被覆ペレットまたは粒子を含有する、多粒子型錠剤に関する。本発明の一つの観点によれば、活性物質は酸不安定なプロトンポンプ阻害剤化合物である。他の観点によれば、医薬活性物質を含有する多粒子型錠剤は、口腔中で崩壊する、経口崩壊錠剤である。本発明はまた、該錠剤の製造方法およびそれらの医薬としての使用にも関する。 医薬活性物質は、異なった物理化学的および生物薬剤学的性質を有しており、ある場合には、体内で活性物質の至適吸収を得るための、例えば、酸性の胃中で活性物質の分解の可能性を避けるための、物質の放出が目標となる。これは、胃内の酸性に感受性のある物質について、または、その吸収部位および/または作用部位にできるだけ近接した場所で放出される必要のある物質について、とりわけ真実である。 本特許出願において、用語「腸溶性重合体」、「腸溶性被覆」、「胃耐性重合体」および「胃耐性被覆」は、交換可能で用いられる。 腸溶性または胃耐性重合体の使用により、酸性胃液中を通過および/または貯留する間に活性物質が無傷のままでいられるように製剤化することを製薬技術者(Formulator)に可能とさせるのである。胃の通過には、最大で約2時間要するが、これはpHが約1〜3の媒質中に存在することを包含する。一旦小腸(十二指腸、空腸、および回腸を含む)に至れば、腸溶性被覆は速やかに溶解する。小腸は、pHが4.5より大きい媒質を含有し、その遠位部分ではpHが約7.2まで上昇する。 したがって、酸不安定性な活性物質は、酸性胃液により分解され、それゆえに、経口投与のためには胃での保護が必要とされる。また酸性に安定だが胃の粘膜を刺激する可能性があるために保護層を設けることで利益が得られる、いくつかの活性物質も存在している。したがって、異なったタイプの医薬活性物質のために、胃での保護、すなわち、腸溶性被覆の必要性が存在している。 経口投与のために、そうした活性物質を多数単位の投与剤形に製剤化することが、特に有利である。活性物質は、小粒子、例えば、ペレット、微小錠剤、スフェロイド(spheroids)、または顆粒剤として製剤化され、例えば、EP-A-247983が参照できるような、サブ被覆層および外部腸溶性被覆で被覆された小球形粒子が好ましい。 小粒子は、活性物質および/または製薬的に受容可能な構成成分を層としたシード(例えば、糖球)、または、製薬的に受容可能な構成成分と混合した活性物質のような、異なった原理により構成することができ、そして、粒子は、適切な製造機械を用いて、押出し成形(extrusion)/球状化(spheronisation)、丸薬化(balling)、または、圧縮成形により製造される。 小粒子、すなわち、活性物質を含有するコア物質は、サブ被覆層、および、少なくとも1個の腸溶性重合体より構成される外層により、被覆される。 被覆粒子は、続いて、カプセル、例えば硬質ゼラチンカプセルに封じられる。代替法として、セルロースカプセル、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのカプセルを用いることもできる。 代わりの多数単位の投与剤形では、被覆粒子は、製薬的に受容可能な錠剤用賦形剤と混合した後、圧縮成形して錠剤とされる。多数単位型錠剤を製造する場合、被覆粒子を含有する錠剤混合物に圧縮力を用いることは、被覆の強度に関する問題、ならびに、特に、胃での抵抗性、錠剤化後の錠剤および腸溶性被覆単位の完全さを維持する必要性を提示する。WO96/01624は、プロトンポンプ阻害剤化合物の胃耐性微小粒子を含有する多数単位型錠剤を開示しており、そこでは、腸溶性被覆は胃耐性を維持し、錠剤化中の圧縮力に耐えている。 一般的に粒子を被覆するために用いられるフィルム形成剤は、通常の条件下では、錠剤化の間に付される機械的ストレスを吸収することができないことが示されている(International Journal of Pharmaceutics、No.143、13-23、1996)。腸溶性重合体または共重合体のみから構成されたフィルムは、ただ月並みの機械的性質を有するのみで、錠剤化には耐えられない。そうした圧縮力の適用により、腸溶性被覆フィルムにひびを生じさせ、または割れ目を生じさせて、結果的にフィルム被覆の性能を部分的にまたは完全に失わせる。 先行技術は、例えば、錠剤化性能に関して、その機械的性質を、圧縮力の適用に対して耐えられるよう実質的に改良するために、腸溶性被覆フィルムの組成を修飾するという解決策を提供している。胃耐性の改良およびフィルム損傷の軽減化は、錠剤化中に可塑的に変形する賦形剤を用いても達成できる。 文献「Drugs made in Germany」, 37巻, 2号 (1994年), 53頁、は、該腸溶性被覆粒子を含有する多粒子型錠剤を製造するために、オイドラギッド(R)(Eudragit)L30Dおよびオイドラギッド(R)NE30Dを組み合わせることができると教示している。しかし、そうした方法は、全ての活性物質で、例えば酸性感受性化合物の被覆の場合には、機能しない。 WO 02/19991(Roehm)は、多粒子型錠剤および胃耐性の微小粒子に関しており、ここで、該微小粒子はメタクリル酸共重合体およびプロピレングリコールの腸溶性被覆を含んでいる。錠剤中の該粒子の割合は、錠剤の総質量に対して35〜90質量%、好ましくは40〜70質量%であり、残りは充填剤である。 代わりの解決策は、腸溶性被覆粒子を補助物質(この物質は、錠剤化中の物理的ストレスを吸収できる)で希釈し/混合することから成っている。この解決策は、しばしば、長時間の製剤操作を必要とし、および、全ての錠剤、例えば、水分散性錠剤、または口腔中で崩壊する錠剤であって、噛むものもしくは噛まないもの、には適していない。 口腔中で崩壊する、経口で崩壊可能な錠剤は、例えば、EP 548356、EP 1003484、EP 1126821、EP 1156786、WO 03/007917、WO 98/53798およびWO 00/78292に記載されている。 EP 1003484は、活性成分に、味覚マスキング被覆、少なくとも1個の崩壊剤、および、結合性を有する少なくとも1個の可溶性希釈剤を含む、錠剤用賦形剤を加えた組成物を記載している。WO 98/53798は、医薬活性成分、1個またはそれ以上の水溶性糖、および、7.0〜9.9質量%のヒドロキシ基含量を有する低置換型ヒドロキシプロピルセルロースを含有する固形製剤を記載している。WO 00/78292は、活性成分、平均粒子径が30μm〜300μmであるD−マンニトール、崩壊剤およびセルロースを含有している、即時崩壊型固形製剤を記載している。 驚くべきことに、少量の特異的な希釈剤を錠剤用賦形剤に加えることで、例えばプロトンポンプ阻害剤のような医薬活性物質(例えば、オメプラゾールおよびエソメプラゾール)を、被覆粒子の完全さに有害な作用を及ぼす可能性のある錠剤化圧力を用いずに、腸溶性被覆粒子の形態で、多粒子型錠剤を製造することが可能であることがわかった。本発明の多粒子型錠剤は、改善された胃耐性を示す。 驚くべきことに、また、予期せぬことに、キシリトールおよび/またはマルチトールが、それらの直接圧縮可能な形態で、および、非常に少量で、存在することにより、錠剤化される錠剤用賦形剤混合物の錠剤化能力が改善され、そして、腸溶性被覆で付与された胃での保護能が保持されることが、可能になった。 本発明の多粒子型錠剤由来の被覆粒子は、一旦崩壊しても、それぞれ独立して無傷のままで、保持されていることがわかった。プロトンポンプ阻害剤のような、医薬活性物質の腸溶性被覆粒子を含有する錠剤から得られた放出プロフィルは、被覆粒子、および、錠剤を圧縮成形する前の粒子から得られる放出プロフィルと、実質的に同一であった。 驚くべきことに、キシリトールおよび/またはマルチトールの存在は、それらの直接圧縮可能な形態で、および、非常に少量で、および、そうした直接圧縮可能な糖類を含まない錠剤で得られるものと同等の、官能的性質および崩壊速度を保持することを可能にする。それらの性質は、水分散性錠剤、および、錠剤を噛むまたは噛まずに口腔中で崩壊する、経口用崩壊錠剤のために、特に重要で必須である。 したがって、本発明は、腸溶性被覆粒子の形態での少なくとも1個の医薬活性物質、および錠剤用賦形剤の混合物で、該賦形剤混合物は、それぞれ直接圧縮成形可能な形で、キシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤、および少なくとも1個の他の希釈剤を含有する、改良された胃耐性を有する多粒子型錠剤に関する。a)キシリトールおよび/またはマルチトールとb)他の希釈剤との割合は、5/95(質量/質量)より少ない。「フィルムの完全性(integrity)の試験」の結果は、95%を超え、好ましくは97%を超え、より好ましくは99%を超え、および、「放出試験」の結果は、90%を超え、好ましくは95%を超える。 本発明の一様相によれば、多粒子型錠剤は、咀嚼することなく口腔内で、唾液との接触により、60秒未満および好ましくは40秒未満で、容易に飲み込める粒子懸濁液を生成する崩壊または溶解可能な口腔内分散錠剤であり、該錠剤は、少なくとも1個の腸溶性被覆粒子の形態の医薬活性物質、および、少なくともそれぞれ直接圧縮成形可能な形で、キシリトールおよび/またはマルチトールを含有する錠剤用賦形剤の混合物、崩壊剤、滑沢剤、および少なくとも1個の他の希釈剤を含有し、a)キシリトールおよび/またはマルチトールとb)他の希釈剤との割合は5/95(質量/質量)より少なく、ならびに、場合によっては膨潤剤、帯電防止剤、浸透化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、および色素を含有している。 崩壊時間は、錠剤が舌に置かれた瞬間から、錠剤の崩壊または溶解により生成した懸濁液が嚥下される瞬間までの時間に対応している。 本発明の他の様相では、医薬活性物質はプロトンポンプ阻害剤である。したがって、本発明は、オメプラゾールおよびエソメプラゾールのような少なくとも1個のプロトンポンプ阻害剤を、腸溶性被覆粒子の形態で、および、錠剤用賦形剤の混合物で、該賦形剤混合物は、それぞれ直接圧縮成形可能な形で、キシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤、および少なくとも1個の他の希釈剤を含有する、改良された胃耐性を有する多粒子型錠剤に関する。a)キシリトールおよび/またはマルチトールとb)他の希釈剤との割合は、5/95(質量/質量)より少ない。「フィルムの完全性の試験」の結果は、95%を超え、好ましくは97%を超え、より好ましくは99%を超え、および、「放出試験」の結果は、90%、好ましくは95%を超える。 この「フィルムの完全性の試験」および「放出試験」は、多粒子型錠剤の胃耐性を特徴付けることを可能にする。 これらの試験は以下のように行った:「フィルムの完全性の試験」 腸溶性医薬投与剤形(本発明による、多粒子型錠剤)を120分間、pHが1.2の溶解用媒質に放置する。この時間が終了後、被覆活性粒子を回収する。 つぎに、腸溶性被覆の中に残存している活性物質の量を測定し、これによりpHが1.2での不溶性腸溶性被覆フィルムの完全性を直接に評価することが可能になる。腸溶性被覆の有害な変化があった場合は、酸性媒質の中に放出された活性物質のいかなる量も、それ自身、媒質によって分解される。 結果は、活性物質の開始時の総量に対する質量%として表される。 本発明の多粒子型錠剤の場合は、後者が、pHが1.2の媒質中で崩壊し、被覆活性粒子を放出し、つぎに直接pHが1.2の媒質と接触し;この試験が終了時の腸溶性被覆粒子中に残存している活性物質の量は95%より多く、好ましくは97%より多く、さらに好ましくは99%より多い。「放出試験」 この試験は、例えば、米国薬局方(US Pharmacopeia、第20版)に記載された溶解プロフィル法に従って、腸溶性被覆粒子の溶解プロフィルを決定することより成る。 第一段階では、腸溶性医薬投与剤形を120分間、pHが1.2の溶解用媒質に放置する。つぎに、第二段階として、同じ腸溶性医薬投与剤形を30分間、第一段階の媒質にアルカリ性緩衝溶液を加えることでpHを6.8に上げた媒質中に設置する。 つぎに、pHが6.8の媒質中に30分後に放出されている活性物質の量を測定し、これにより腸溶性被覆粒子それ自体の完全性を直接に評価すること、および、活性成分が実際に第二媒質中へ速やかに放出されたことを確認することが可能になる。 結果は、活性物質の開始時の総量に対する質量%として表される。 本発明において、多粒子型錠剤はpHが1.2の媒質中で崩壊し、被覆活性粒子を放出し、つぎに直接pHが1.2の媒質と接触する(その中で腸溶性重合体は不溶性である)。つぎに、腸溶性被覆粒子は、pHが6.8の媒質と接触し、そのpHでは腸溶性重合体は可溶性であり、したがって、そのpHで活性物質は放出される。本発明の錠剤により、pHが6.8の溶解媒質中に、90%より多く、好ましくは95%より多く、30分後に放出された。 したがって、本発明は、腸溶性被覆粒子の形態での少なくとも1個の医薬活性物質、および錠剤用賦形剤の混合物を含有する、改良された胃耐性を有する多粒子型錠剤に関する。該賦形剤混合物は、それぞれ直接圧縮成形可能な形で、キシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤、および少なくとも1個の他の希釈剤を含有する。a)キシリトールおよび/またはマルチトールとb)他の希釈剤との割合は、5/95(質量/質量)より少なく、好ましくは3/97(質量/質量)以下であり、さらに好ましくは約1/99(質量/質量)である。 本発明の他の様相では、医薬活性物質はプロトンポンプ阻害剤である。したがって、本発明は、オメプラゾールおよびエソメプラゾールのような少なくとも1個のプロトンポンプ阻害剤を、腸溶性被覆粒子の形態で、および、錠剤用賦形剤の混合物を含有する、改良された胃耐性を有する多粒子型錠剤に関する。該賦形剤混合物は、それぞれ直接圧縮成形可能な形で、キシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤、および少なくとも1個の他の希釈剤を含有する。a)キシリトールおよび/またはマルチトールとb)他の希釈剤との割合は、5/95(質量/質量)より少なく、好ましくは3/97(質量/質量)と等しいかまたはそれ以下であり、さらに好ましくは約1/99(質量/質量)である。 本発明において、「直接圧縮成形可能な形」の粉末とは、100μm〜500μmの平均粒子直径を有する粉末であることを意味するものと理解される。 本発明に適した医薬活性物質には以下の: 胃耐性であることが利点になる医薬活性物質のタイプであって、例えば、胃腸の鎮静剤、酸中和剤、鎮痛薬、抗炎症薬、冠状血管拡張剤、末梢および脳血管拡張剤、抗感染薬、抗生物質、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗癌剤、不安緩解剤、神経遮断薬、中枢神経系興奮薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン剤、下痢止め剤、下剤、栄養補助食品、免疫抑制剤、低コレステロ−ル血症薬、ホルモン、酵素、鎮痙薬、抗狭心症剤、心拍数に作用する医薬、動脈性高血圧の治療用医薬、抗偏頭痛薬、血液凝固に作用する医薬、抗癲癇薬、筋肉弛緩剤、糖尿病の治療用医薬、甲状腺機能不全の治療用医薬、利尿剤、食欲抑制剤、抗喘息薬、去痰剤、鎮咳薬、粘液制御剤、抗鬱血薬、催眠薬、制吐薬剤、血液造成剤、尿酸排出促進薬、植物抽出物、造影剤、または、他の全ての化合物のファミリーが挙げられる。活性物質は、それ自体で、または製薬的に受容可能なその塩として、場合によっては、そのラセミ体として、または、その純粋なエナンチオマーとして、またはあらゆる多形で、提供される。「製薬的に受容可能なその塩」という表現は、全ての塩基性もしくは酸性塩、カルボン酸のような無機もしくは有機酸との塩、または、アミンとの塩; または、アルカリ性化合物との塩、または類似の誘導体を意味している。 本発明の特定の様相では、経口投与のために胃耐性が必要な医薬活性物質、例えばプロトンポンプを阻害する、酸不安定な化合物が適している。そうした物質は、例えばオメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、パリプラゾール、レミノプラゾール、および、ラベプラゾールである。それらの物質は、その中性型もしくはアルカリ金属塩の形態で、それらのラセミ体としてもしくはそれらの純粋なエナンチオマーの形態で、または全ての多形で、提供される。 プロトンポンプ阻害剤化合物である、オメプラゾール、および、その(S)−エナンチオマーであるエスオメプラゾールは良く認識されており、そして、それぞれ、商品名ロゼック(R)(Losec)およびネキシウム(R)(Nexium)として販売されている。 本特許出願において、「プロトンポンプ阻害剤」、「PPI」、および、「プロトンポンプを阻害する化合物」は、このファミリーに属する全ての化合物を示すために交換可能に使用される。これらの化合物は、その中性型もしくはアルカリ金属塩の形態で、それらのラセミ体としてもしくはそれらの純粋なエナンチオマーの形態で、または全ての多形で、存在する。 本発明に適した他のタイプの医薬活性物質は、胃粘膜を刺激する可能性のある化合物で、例えば、非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、ジクロフェナク;抗生物質、例えば、ドキシキシクリンまたはエリスロマイシンおよびそれらの誘導体;ならびに、遅延型放出性投与が必要になる物質が挙げられる。 活性物質は、活性物質の粉末もしくは微小結晶から製造できる、乾式もしくは湿式顆粒から製造された顆粒の形態で、または、不活性支持体および/または押出し成形/球状化に付着させることにより製造されたペレットもしくはスフェロイドの形態を用いていい、コア物質の形態で提供できる。I)最初の実施例では、活性物質を含むコア物質は、以下の段階に従った顆粒化により製造される: − 活性物質を、粉末または微小結晶の形態で、場合によっては希釈剤および帯電防止剤と共に、乾燥混合させる、 − 結合剤の溶液でスプレーして得られた混合物を顆粒化する、 − 乾燥する。 顆粒化のための汎用の機器には、高エネルギー顆粒化装置、プラネタリー(planetary)ミキサー、または、流動化空気床が用いられる。II)二番目の実施例では、活性物質を含むコア物質は、活性物質を例えば糖球(sugar sphere)のような不活性支持体に付着させて、以下の段階によって製造される: − 不活性支持体の上に、活性物質、溶解した結合剤、および、場合によっては、滑沢剤および帯電防止剤を含む溶液または懸濁液をスプレーする、 − 乾燥する。 スプレーのために用いる組成物は、状況により、懸濁液の形態で、溶液の形態で、または、水性もしくは有機媒質中の乳濁液の状態で、または融解状態で、提供することができる。 付着工程の第1の別形態では、活性物質は付着組成物中に組み込まれ、不活性支持体に適用される。 付着工程の他の別形態によれば、活性物質は、あらかじめ付着組成物で湿らせた不活性支持体に粉掛け(dusting)により適用される。 本発明の全ての製造工程は、被覆パン(coating pan)もしくは有孔パン(perforated pan)または流動空気床(fluidized air bed)のような汎用の機器を用いて行われる。III) 第三番目の実施態様によれば、活性物質を含有する粒子は押出成形/球状化(extrusion-spheronization)により製造される。 活性物質および製薬的に受容可能な賦形剤を含有する混合物は、十分な押出成形を可能にするために湿潤化または加熱され、次に、こうして得られた押出成形物は分級され、そして球状化される。 本明細書中で、「コア物質」または「活性粒子」という用語は、ペレット、粒子または微小錠剤として製造され、次に腸溶性被覆重合体で被覆される1個または他の形態であることを、区別することなく、示すために用いられる。 不活性支持体は、結晶または不定形性粒子形態で存在している、化学的および製薬学的に不活性ないずれかの賦形剤、例えば、乳糖、蔗糖、デンプン加水分解物(マルトデキストリン)またはセルロースのような糖誘導体、により構成することができる。蔗糖およびデンプンまたはセルロースをベースとした混合物のような、混合物も、また不活性球状支持体の製造に使用することができる。不活性支持体の単位粒子の大きさは、50μm〜1000μm、好ましくは200μm〜710μmであっていい。 コア物質または活性粒子は、追加で、1個またはそれ以上の、結合剤、希釈剤、帯電防止剤、および、周囲環境のミクロpH調節剤から成るグループから選ばれる賦形剤、ならびに、それらの全ての混合物を含有することができる。 結合剤は、被覆されていない粒子の質量に対して、15質量%までの範囲で、および、他の様相では10質量%まで、の割合で存在する。結合剤は、特に、セルロース重合体、アクリル性重合体、ポビドン、コポビドン、ポリ(ビニルアルコール)、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デンプン、予備ゲル化デンプン、糖類およびそれらの誘導体、グアールゴム、ポリ(エチレングリコール)、ならびにそれらの全ての混合物、から成るグルーブから選択することができる。結合剤の一つの働きは、活性物質の粉末を不活性支持体に、物質の損失なしにつなぎ止めることであり、または、活性物質の粉末または微小結晶および他の賦形剤を互いに「固定(stick)」することであり、それにより活性物質が均一に分布した均質なコア物質が提供される。 希釈剤は、コア物質の質量に対して、95質量%までの範囲で、および、他の様相では50質量%まで、の割合で存在し、特に、セルロース誘導体で好ましくは微結晶セルロース、ポリオールで好ましくはマンニトール、単独のデンプン、糖誘導体で例えば乳糖、およびそれらの全ての混合物、から成るグルーブから選択することができる。希釈剤の一つの働きは、コア物質の総容量を増加することであり、それにより被覆された均質なサイズの粒子集団を提供する。 帯電防止剤は、被覆されていない粒子の質量に対して、10質量%までの範囲で、および、他の様相では3質量%まで、の割合で存在し、特に、コロイド状シリカ、好ましくはアエロジル(R)(Aerosil)の商品名で販売されているもの、および、他の様相では、沈降シリカ、特にサイロイド(R)(Syloid)FP244の商品名で販売されているもの、微粉化タルク、非微粉化タルク、およびそれらの全ての混合物、から成るグルーブから選択することができる。 帯電防止剤は、流動空気床を用いた時、特に粉末化粒子の場合に、物質の流動性を改善する。 周囲環境のミクロpH調節剤は、酸性または塩基性化合物であっていい。医薬活性物質が例えばプロトンポンプ阻害剤のような、酸性で不安定な物質である時は、周囲環境のミクロpH調節剤は常に塩基化合物である。 酸性化剤は、遊離酸、酸無水物または酸塩の形態の、あらゆる無機または有機酸から構成することができる。 この酸は、特に、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸、α−ヒドロキシ酸、アスコルビン酸およびアミノ酸、ならびにそれらの酸の塩および誘導体、から成るグルーブから選択される。 塩基性化合物は、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウム、L−リシン炭酸塩、アルギニン炭酸塩、グリシン炭酸ナトリウム、アミノ酸の炭酸ナトリウム塩、無水過ホウ酸ナトリウム、沸騰性過ホウ酸塩、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過炭酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムおよびその任意の混合物からなる基、から成るグルーブから選択される。本発明の文脈の中では、炭酸塩は、例えば、炭酸塩、セスキ炭酸塩または炭酸水素塩である。 周囲のミクロなpHの調節剤の量は、被覆されていないコア物質または活性粒子に対して、0〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。 1個またはいくつかの任意の重合体層を、コア物質それ自体と腸溶性被覆重合体との間に適用でき、それにより、それぞれの部分の成分間で物理化学的な不適合が生じる可能性がある場合に活性コアを分離すること、または、胃耐性を強化するため、もしくは、製剤の安定性を改善することができる。 それぞれの任意の重合体層は、結合剤として用いられるものと同じ重合体から選ばれた、少なくとも1個のフィルム形成性重合化剤から構成される。フィルム形成性重合化剤は、結合剤としてまたは分離層として使用される。重合体の相対量は、最初の場合は、その任意の重合体層の乾燥質量に対して計算して、40質量%と同じかそれ未満である。第二の場合は、該層の乾燥質量に対して計算して、40質量%を超える量である。 任意の重合体層は、追加で、1個またはそれ以上の保護剤、例えば、マンニトールのような弱い吸湿剤、二酸化チタンのような不透明化剤(opacifying agent)、または、好ましくは局所的にミクロなpHを生成するために用いられたものから選ばれる、酸性もしくは塩基性物質、または、モノ−およびジ−アセチル化グリセリド(ミバセット(R)(Myvacet))、シリコンオイル(ジメチコーン(R)(Dimethicone))もしくはトリグリセリド(ゲルシーレ(R)(Gelucire))のような疎水性物質、を含有することができる。 任意の重合体被服層は、追加で、可塑剤、滑沢剤、または、腸溶性被覆層で用いられているもののようなタイプの補助剤を含有することができる。この場合、重合体は結合剤として用いられていたものと同じ重合体から選ばれる。 適用される重合体の量は、用いられた活性コアの質量に対して、1質量%から増加して10質量%、好ましくは2〜5質量%である。 活性物質を含有するコア物質または活性粒子は、次に、フィルムで被覆され、活性物質の胃保護作用を与え、このフィルムはフィルム形成性の腸溶性重合体および少なくとも1個の可塑剤を含んでいる。 腸溶性重合体は、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、酢酸トリメリテートセルロース、カルボキシメチルセルロース、セラックおよび他の腸溶性重合体、から成るグループから選ばれ、単独で、もしくは、混合物として、または、別々に組み合わせて使用される。本発明の一つの様相によれば、腸溶性重合体は、オイドラギッド(R)(Eudragit)L100およびオイドラギッド(R)L30Dの商品名で販売されている、メタクリル酸共重合体である。 腸溶性被覆組成物は、それぞれの活性粒子の表面全体を覆う連続的なフィルムを形成するために、スプレーによって適用される。腸溶性被覆層は、コア物質の表面条件および状況に依存して、活性物質の胃保護を与えるために、充分量で適用される。腸溶性被覆は、被覆される活性粒子の総量に対して質量を増加させて計算して、約50%までの範囲で、および、他の様相では約20%までの割合で存在する。 腸溶性重合体のスプレーのために選ばれる溶媒は、水、有機溶媒、例えばエタノール、イソプロパノールもしくはアセトン、またはそれらの溶媒のあらゆる混合物である。 腸溶性被覆重合体は、あらゆる溶媒もしくは溶媒の混合物中での、溶液、懸濁液またはコロイド性分散液の形態で製造される。好ましい実施態様では、腸溶性被覆重合体は水中のコロイド性分散液の形態で製造される。 場合によっては、腸溶性被覆重合体は、それ自体可溶性または不溶性であっていい、第二の重合体または共重合体、特にオイドラギッド(R)NE30Dの商品名で販売されているアクリル酸とメタクリル酸のエステルの中性共重合体と混合できる。 腸溶性被覆組成物への第二の重合体の添加は、この混合物からもたらされる腸溶性フィルムの機械的性質を改良することを可能にする。この場合、第二の重合体は、腸溶性重合体の乾燥重量に対して、重合体の乾燥重量で計算して、最大で100%の量、および好ましい実施態様では10%〜30%の割合で加えられる。 腸溶性被覆組成物は、また可塑剤を含むことができる。可塑剤は、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、トリアセチン、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、ポイエチレングリコール、ポリソルベート、モノ−およびジアセチル化グリセリド、ならびにそれらのあらゆる混合物から選ばれる。可塑剤の一つの働きは、フィルムのガラス転移温度を低下させることである。 可塑剤は、通常、重合体の乾燥質量に対して、総割合で多くて40質量%、好ましくは10〜30質量%で使用される。 腸溶性被覆組成物は、また、場合によっては、界面活性剤、帯電防止剤または滑沢剤を含むことができる。界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性または両性の界面活性剤から選ぶことができる。 帯電防止剤は、例えば、静電気に関連する問題を防ぐために用いられる。それは、微粉化タルク、非微粉化タルク、コロイド性シリカ(アエロジル(R)(Aerosil)200)、処理済シリカ(アエロジル(R)(Aerosil)R972)、沈降シリカ(サイロイド(R)(Syloid)FP244)、および、あらゆるそれらの混合物、から成るグループから選ばれる。帯電防止剤は、通常、最大で約10質量%、好ましくは0〜3%、好ましくは約1質量%未満の割合で使用される。 滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、微粉化ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、および、あらゆるそれらの混合物、から成るグループから選ばれる。 被覆粒子の粒子サイズは、多粒子型錠剤の製造において使用できるものでなくてはならない。このサイズは、汎用の方法、例えば、一組の較正されたメッシュサイズの篩を用いるか、レーザー解析法で測定することができる。粒子サイズの直径は0.1〜2mmの間、好ましくは0.3〜1mmの間、そして、さらに好ましくは0.5〜1mmの間である。 被覆粒子の製造方法の好ましい実施態様では、活性粒子を製造する全ての工程、および、被覆工程が、流動性空気床で行われる。流動性空気床はスプレーノズルを備えており、スプレーの位置および方向が選択できる。スプレーの方法は、トップスプレー、接線スプレー(tangential spray)のボトムスプレーとして、当業者の通常の用語法に従って、記載されている。 スプレー方法の選択は、活性物質の性質、スプレーした結合または被覆組成物、および、種々の工程のパラメーター(温度、空気圧、例えば、溶液の流速)に関連して、粒子の成長の動態学の制御、および、ステッキング(sticking)現象を防ぐことを可能にする。 腸溶性重合体で被覆された粒子に加えて、本発明の錠剤は、少なくとも1個の希釈剤、少なくとも1個の崩壊剤、少なくとも1個の滑沢剤、および、場合によっては、膨潤剤、帯電防止剤、結合剤、補助剤、ならびにそれらの混合物から成るグループから選ばれる賦形剤の混合物を含んでおり、該賦形剤混合物は、追加で、キシリトールおよび/またはマルチトールを、それぞれ直接に圧縮可能な形態で、他の希釈剤の量に対して、5/95(質量/質量)未満の比率で含んでいる。 多粒子型錠剤は、好ましくは、少なくともそれぞれ直接圧縮成形可能な形でのキシリトールおよび/またはマルチトール、少なくとも1個の崩壊剤、少なくとも1個の滑沢剤、および少なくとも1個の他の希釈剤であって、a)キシリトールおよび/またはマルチトールとb)他の希釈剤との割合は5/95(質量/質量)より少なく、ならびに、場合によっては膨潤剤、帯電防止剤、浸透化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、および色素を含有するグループから選ばれる錠剤化用賦形剤から成るグループから選ばれる錠剤化用賦形剤の混合物を含む、口腔内分散錠剤である。 キシリトールの量および/またはマルチトールの量と、他の希釈剤の量との割合は、3/97と同じか未満であること、好ましくは約1/99であることが有利である。 キシリトールおよび/またはマルチトールは、それぞれ直接圧縮可能な形態で供給され、すなわち、粒子の平均直径が100μmから500μmの間の粉末の形態である。 希釈剤は、蔗糖、乳糖、果糖、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、または、微小結晶セルロースから、単独で、または混合物として、直接圧縮可能な形態から、または、粒子の平均直径が100μm未満の粉末の形態から、選択することができる。 希釈剤はマンニトールであることが有利である。 希釈剤は、錠剤の質量に対して計算して、20〜90質量%の間、好ましくは25〜60質量%の間の割合で用いられる。 崩壊剤は、特に、クロスカルメロースという名前でよばれるカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドンという名前でよばれる架橋型ポリビニルピロリドン、およびそれらの混合物から成るグループから選ばれる。 崩壊剤は、錠剤の質量に対して計算して、20質量%までの範囲で、好ましくは1〜15質量%の間の割合で、用いられる。 膨潤剤は、微小結晶セルロース、ナトリウムデンプングリコレートまたはカルボキシメチルデンプンのような改質デンプン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびそれらの混合物から選ばれる。 この膨潤剤は、錠剤の質量に対して計算して20質量%まで、好ましくは1〜15質量%の範囲の割合で用いられる。 滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、製薬的に受容できる油、好ましくはジメチコンまたは液体パラフィン、およびそれらの混合物から成るグループから選ばれる。 滑沢剤は、常に、錠剤の中心部および/またはその表面のいずれかに存在し;錠剤の質量に対して計算して、2質量%までの範囲で、好ましくは0.02〜2質量%の間、より好ましくは0.5〜1質量%、の割合で用いられる。 帯電防止剤は、微粉化タルク、非微粉化タルク、コロイド性シリカ(アエロジル(R)(Aerosil)200)、処理済シリカ(アエロジル(R)(Aerosil)R972)、沈降シリカ(シロイド(R)(Syloid)FP244)、および、それらの混合物から成るグループから選ぶことができる。 帯電防止剤は、錠剤の質量に対して計算して、5質量%までの範囲の割合で用いられる。 結合剤は、乾燥形態で用いられ、デンプン、糖、ポリビニルピロリドン、または、カルボキシメチルセルロースを、単独で、または混合物としていい。 結合剤は、錠剤の質量に対して計算して、15質量%までの範囲で、好ましくは10質量%未満の割合で用いられる。 補助剤もまた錠剤化を意図している混合物に加えることができ、pH−調節剤、発泡(effervescence)生成を可能にするシステム、特に、pH−調節剤として用いることができるタイプの二酸化炭素生成剤、界面活性剤、甘味剤、矯味矯臭剤、色素および混合物からなるグループから選択できる。 腸溶性粒子を含む多粒子型錠剤の製造は、以下の工程を含む: − 被覆活性粒子と錠剤用賦形剤の乾燥混合、 − 単位形態を得るための混合物の錠剤化。 錠剤の製造のための有利な方法は、混合工程それ自体は、被覆活性粒子と内部滑沢剤以外の全ての錠剤用賦形剤とを混合することより成る、第一の工程、および、次の、滑沢剤を最初の混合物に全てまたは部分で加える第二の工程から成る二つの工程を含むものである。 後者の場合は、滑沢剤の残りの画分は打ち抜き型(die)の壁の上からスプレーし、そして錠剤化の間にパンチされるもので、滑沢剤をこうして粉末の形態で、例えば、ステアリン酸マグネシウムとして、または液体の形態で、例えば、液体パラフィンとして存在させるものである。 内部および/または外部相で用いられる滑沢剤の量は、錠剤内の、キャッピングエフェクター破損を導くことになる、錠剤中の粉末床の付着に悪影響を及ぼすような、過剰を防ぐように注意深く調整される。 他の有利な実施態様では、滑沢剤は全て、穴あけ器の上および/または錠剤化用打ち抜き型の内側表面の上にスプレーされ、混合の第二工程は、次に、もちろん、抑制される。 混合物の錠剤化は、交替型(alternating)または回転型の錠剤化機械によって行われる。 錠剤化工程の応力は、5kN〜50kNの範囲、好ましくは5kN〜15kNの間で変更できる。 そうした錠剤の硬度は、欧州薬局方(2.9.8)の方法に従って測定して、好ましくは、1〜10kpであり、より好ましくは1〜5kpであり、1kpは9.8Nに等しい。 好ましくは、多粒子型錠剤の硬度は、欧州薬局方の方法に従って測定して、2%未満の破砕性を得るように調整される。 錠剤は、形態が、球状、卵型または長円型であることができ、平坦、凹型または凸型表面を示すことができ、場合によって、彫り込みを表しまたは斜角をつけることができる。 錠剤は、一般に、0.1g〜2.0gの間の質量と、直径6mm〜18mmの間のサイズを有する。 本発明による錠剤の製造方法は、以下の工程を含んでいる: − 活性粒子、すなわち活性物質を含有する粒子を製造する、 − 活性粒子に腸溶性被覆を、場合によっては活性粒子の上に分離層を付した後で、付する、 − 腸溶性被覆粒子と、それぞれ直接圧縮成形可能な形のキシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤、および、少なくとも1個の他の希釈剤、場合によっては、膨潤剤、帯電防止剤、結合剤、補助剤およびそれらの混合物から選択される少なくとも1個の追加の賦形剤と一緒に、混合する、 − 場合によっては、錠剤化機械の中に滑沢剤を導入する、 − 腸溶性被覆粒子の混合物および錠剤用賦形剤の混合物を、圧縮成形し錠剤にする。 以下の実施例が本発明を説明する。用いた賦形剤 直接圧縮可能なマンニトール:パルテック(Parteck)M300(R)、メルク(Merck)より販売。 直接圧縮可能なキシリトール:キシリソルブ(Xylisorb)300(R)、ロケット(Roquette)より販売。 直接圧縮可能なマルチトール:マルチソルブ(Maltisorb)P200(R)、ロケット(Roquette)より販売。 直接圧縮可能なソルビトール:ネオソルブ(Neosorb)P60W(R)、ロケット(Roquette)より販売。 クロスポビドン:コリドン(R)(Kollidon)CL、BASFより販売。 アスパルターム:ヌトラスウイート(Nutrasweet)より販売。 アセスルファムカリウム:サンネット(Sunnett)より販売。 オレンジおよびペパーミント矯味矯臭剤:フィルメンチ(Firmenich)より販売。 ステアリン酸マグネシウム:ピーターグレーヴェン(Peter Graven)より販売。 クエン酸:ユングブンツラウアー(Jungbunzlauer)より販売。機器 混合機は、多数の回転軸を有し、0.5〜2Lの容量を有する、ターブラ(Turbula)から供給された反転型ミキサー。 錠剤化機器は、錠剤化のためのB型の6個のステーションを備えた、SVIAC回転型プレスである。方法 − 硬度:シュロイニガー(Schleuniger)硬度測定器具、EPの方法、第4版、2.9.8、 − フィルムの完全性の試験:二型パドル器具、USP、100回転/分、500mL 0.1N HCl溶媒(pH1.2)、 − 放出試験:二型パドル器具、USP、100回転/分、300mL 0.1N HCl溶媒(pH1.2)、次いで、1000mL、pH6.8、緩衝液(Na2HPO4・2H2Oの溶媒700mLを加えることによって)、 − HPLC(S)−オメプラゾールアッセイ:302nmにおけるUV検出。実施例1 腸溶性重合体で被覆された微小粒子は、(S)−オメプラゾール(エソメプラゾールMg)のマグネシウム塩を、活性物質として含む。 これらの微小粒子は、従来技術(WO96/01623)の教示するところに従って製造し、安定な製剤を作成する。WO96/01623の内容は参照によってここに組み込まれる。被覆微小粒子は、WO96/01623の実施例2に従って、オメプラゾールMgを(S)−オメプラゾールMgと置き換えることによって製造される。1)混合物 粉末の混合物は、表1の処方にしたがって製造された。 三種類のタイプの混合物を製造し、希釈剤のそれぞれの組成がそれぞれ異なっており: 最初のバッチ(A)はキシリトールを含まず、バッチ(B)は直接圧縮可能なキシリトールをマンニトール300Mに対して1/99の質量比で含んでおり、バッチ(C)は直接圧縮可能なキシリトールをマンニトールに対して5/95の質量比で含んでいる。 最初の混合物は、ステアリン酸マグネシウム以外の全ての処方成分を、表1に記載した割合で含んでおり、分当たり30回転で5分間にわたって、製造される。 滑沢剤は、そのようにして得られた混合物に、30回転/分の速度で1分間、混合する(滑沢化工程)ことによって、加えられる。2)錠剤化 上記の工程で得られた混合物を、それ自体、直径が12mmの球形、平面型および傾斜型穴あけ器を備えた、錠剤化機械の供給用ホッパーに導入する。 製造された錠剤は、理論的には650mgの質量を有し、エソメプラゾールとして計算して40mgの用量を含んでいる。 それらの錠剤は、下記の物理化学的性質を有する(表2):3)結論 処方(B)は、キシリトールをマンニトールに対して1/99の質量比で含んでおり、処方(A)および(B)より錠剤化により適切であることが示され;フィルムの完全さ試験では、腸溶性被覆フィルム中の望ましくない変化がないことを確認することができ、pH1.2の媒質中で放出され分解した(S)−オメプラゾールの量は、1%w/w未満である。 したがって、多粒子型錠剤の胃耐性は、改善された。 他方、キシリトール/マンニトールを5/95の割合で含む、処方(C)では、そうした効果は観察されなかった。実施例2 4つの錠剤処方が、下記の表3に記載の成分を用いて、実施例1のように製造された。 このようにして得られた錠剤の物理化学的性質は、実施例1のように測定され、結果を表4に示した(表4):4)結論 処方(E)と(G)は、それぞれキシリトールとマンニトールをマンニトールに対して1/99の質量比で含んでおり、処方(D)および(F)より錠剤化により適切であることが示され;フィルムの完全さ試験では、腸溶性被覆フィルム中の望ましくない変化がないことを確認することができ、pH1.2の媒質中で放出され分解した(S)−オメプラゾールの量は、1%w/w未満である。 したがって、多粒子型錠剤の胃耐性は、改善された。 他方、ソルビトールをソルビトール/マンニトールが1/99の割合で含む、処方(F)では、そうした効果は観察されなかった。 少なくとも1個の腸溶性被覆の形態の医薬活性物質および錠剤用賦形剤の混合物を含有し、ここで、該賦形剤混合物は、それぞれ直接圧縮可能な形態のキシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、潤滑剤および少なくとも1個の他の希釈剤を含み、a)キシリトールおよび/またはマルチトールの割合がb)他の希釈剤に対して5/95(質量/質量)未満であり、ならびに、「フィルムの完全性の試験」の結果が95%を超え、好ましくは97%を超え、そして、より好ましくは99%を超えており、また、「放出試験」の結果が、90%を超え、好ましくは95%を超えている、多粒子型錠剤。 医薬活性物質が、胃腸の鎮静剤、酸中和剤、鎮痛薬、抗炎症薬、冠状血管拡張剤、末梢および脳血管拡張剤、抗感染薬、抗生物質、抗ウイルス剤、抗寄生虫剤、抗癌剤、不安緩解剤、神経弛緩薬、中枢神経系興奮薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン剤、下痢止め剤、下剤、栄養補助剤、免疫抑制剤、低コレステロ−ル血症薬、ホルモン、酵素、鎮痙薬、抗狭心症剤、心拍数に作用する医薬、動脈性高血圧の治療用医薬、抗偏頭痛薬、血液凝固に作用する医薬、抗癲癇薬、筋肉弛緩剤、糖尿病の治療用医薬、甲状腺機能不全の治療用医薬、利尿剤、食欲抑制剤、抗喘息薬、去痰剤、鎮咳薬、粘液制御剤、抗鬱血薬、催眠薬、制吐剤、血液造成剤、尿酸排出促進薬、植物抽出物、造影剤、から選ばれる、請求項1に記載の多粒子型製剤。 少なくとも1個の腸溶性被覆の形態のプロトンポンプ阻害剤および錠剤用賦形剤の混合物を含有し、ここで、該賦形剤混合物は、それぞれ直接圧縮可能な形態のキシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤および少なくとも1個の他の希釈剤を含み、a)キシリトールおよび/またはマルチトールの割合がb)他の希釈剤に対して5/95(質量/質量)未満であり、ならびに、「フィルムの完全性の試験」の結果が95%を超え、好ましくは97%を超え、そして、さらに好ましくは99%を超えており、また、「放出試験」の結果が、90%を超え、好ましくは95%を超えている、多粒子型錠剤。 少なくとも1個の腸溶性被覆の形態の医薬活性物質および錠剤用賦形剤の混合物を含有し、ここで、該賦形剤混合物は、それぞれ直接圧縮可能な形態のキシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤および少なくとも1個の他の希釈剤を含み、a)キシリトールおよび/またはマルチトールの割合がb)他の希釈剤に対して5/95(質量/質量)未満である、多粒子型錠剤。 a)キシリトールおよび/またはマルチトールの割合がb)他の希釈剤に対して3/97(質量/質量)未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多粒子型錠剤。 a)キシリトールおよび/またはマルチトールの割合がb)他の希釈剤に対して約1/99(質量/質量)未満である、請求項5に記載の多粒子型錠剤。 少なくとも1個の腸溶性被覆の形態のプロトンポンプ阻害剤および錠剤用賦形剤の混合物を含有し、ここで、該賦形剤混合物は、それぞれ直接圧縮可能な形態のキシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤および少なくとも1個の他の希釈剤を含み、a)キシリトールおよび/またはマルチトールの割合がb)他の希釈剤に対して5/95(質量/質量)未満である、多粒子型錠剤。 a)キシリトールおよび/またはマルチトールの割合がb)他の希釈剤に対して3/97(質量/質量)未満である、請求項3または7に記載の多粒子型錠剤。 a)キシリトールおよび/またはマルチトールの割合がb)他の希釈剤に対して約1/99(質量/質量)である、請求項8に記載の多粒子型錠剤。 プロトンポンプ阻害剤が、オメプラゾールまたはエソメプラゾールの中性またはそのアルカリ性塩の形態であり、好ましくは、オメプラゾールまたはエソメプラゾールのマグネシウム塩である、請求項3または7に記載の多粒子型錠剤。 腸溶性被覆が、酢酸フタル酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、酢酸トリメリテートセルロース、カルボキシメチルセルロース、セラックおよび他の腸溶性重合体、から成る群から選ばれ、単独で、もしくは、混合物として、または、別々に組み合わせて使用される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の多粒子型製剤。 腸溶性被覆は、被覆される活性粒子の総量に対して質量を増加させて計算して、約50%までの範囲で、そして、好ましくは約20%までの量を適用される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の多粒子型製剤。 賦形剤混合物が、少なくとも1個の希釈剤、少なくとも1個の崩壊剤、少なくとも1個の滑沢剤、および、場合によっては、膨潤剤、帯電防止剤、結合剤、補助剤、およびそれらの混合物から成る群から選ばれ、該賦形剤混合物は、追加で、それぞれ直接圧縮可能な形態のキシリトールおよび/またはマルチトールを、他の希釈剤の量に対して、5/95(質量/質量)未満の比率で含んでいる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の多粒子型錠剤。 それぞれ直接圧縮可能な形態の少なくともキシリトールおよび/またはマルチトール、少なくとも1個の崩壊剤、少なくとも1個の滑沢剤、および、少なくとも1個の他の希釈剤から成るグループから選ばれる錠剤用賦形剤混合物を含有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の口腔内分散錠剤。 崩壊剤が、錠剤の総質量に対して計算して、1質量%〜20質量%、好ましくは5質量%〜15質量%存在する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の多粒子型錠剤。 希釈剤が、錠剤の総質量に対して計算して、20質量%〜90質量%、好ましくは25質量%〜60質量%存在する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の多粒子型錠剤。 下記の工程、 − 活性粒子、すなわち活性物質を含有する粒子を製造し、 − 活性粒子に腸溶性被覆を、場合によっては活性粒子の上に分離層を付した後で、付し、 − 腸溶性被覆粒子と、それぞれ直接圧縮成形可能な形のキシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤、および、少なくとも1個の他の希釈剤、場合によっては、膨潤剤、帯電防止剤、結合剤、補助剤およびそれらの混合物から選択される少なくとも1個の追加の賦形剤と一緒に、混合し、 − 場合によっては、錠剤化機械の中に滑沢剤を導入し、そして − 腸溶性被覆粒子の混合物および錠剤用賦形剤の混合物を、圧縮成形し錠剤にする、を含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の多粒子型錠剤の製造方法。 胃腸管疾患に効果的である、請求項3および7〜17のいずれか一項に記載の錠剤。 請求項3および7〜17のいずれか一項に記載の多粒子型錠剤をそれを必要とする患者に投与することを含む、胃腸管疾患の治療方法。 【課題】 本発明は、少なくとも1個の腸溶性被覆の形態の医薬活性物質、および、錠剤用賦形剤の混合物を含有し、改善された胃保護作用を有する、多粒子型錠剤に関する。本発明は、クレームした錠剤の製造方法およびその医薬としての使用をも包含する。【解決手段】 本多粒子型錠剤において、賦形剤混合物は、それぞれ圧縮可能な形態のキシリトールおよび/またはマルチトール、崩壊剤、滑沢剤、および、少なくとも1個の他の希釈剤を含み、a)キシリトールおよび/またはマルチトールの割合がb)他の希釈剤に対して5/95(質量/質量)未満であり、そして、「フィルムの完全性の試験」の結果が95%を超え、好ましくは97%を超え、および、さらに好ましくは99%を超え、また、「放出試験」の結果が、90%を超え、好ましくは95%を超えている。他の実施態様では、錠剤は崩壊性錠剤で、口腔中で、噛んでまたは噛まずに、崩壊する。【選択図】 なし


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