生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_水虫の治療薬
出願番号:2005188255
年次:2007
IPC分類:A61K 36/25,A61K 36/00,A61P 17/00,A61P 31/10,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

佐藤 博美 JP 2007008823 公開特許公報(A) 20070118 2005188255 20050628 水虫の治療薬 佐藤 博美 305010920 佐藤 博美 A61K 36/25 20060101AFI20061215BHJP A61K 36/00 20060101ALI20061215BHJP A61P 17/00 20060101ALI20061215BHJP A61P 31/10 20060101ALI20061215BHJP A61P 43/00 20060101ALI20061215BHJP JPA61K35/78 MA61K35/78 YA61P17/00 101A61P31/10A61P43/00 121 1 OL 4 4C088 4C088AB17 4C088AC06 4C088BA10 4C088CA06 4C088MA17 4C088MA63 4C088NA14 4C088ZA90 4C088ZC75 本発明は、皮膚疾患の一種類である水虫(汗疱状白癬)の治療薬に関するものである。 従来、水虫を治療するための外用薬としては、クロトリマゾール、ビホナゾール、硝酸ミコナゾール、硝酸エコナゾール、塩酸ネチコナゾール、ラノコナゾール、ケトコナゾール、硝酸スルコナゾール、塩酸クロコナゾール等のイミダゾール系抗真菌剤が広く用いられており、その他、塩酸アモロルフィン、塩酸テルビナフィン、塩酸ブテナフィン、トルナフタート、ピロールニトリンなどをそれぞれ主成分とする、多くの種類の水虫治療薬が外用剤として市販されています。内用薬としてはグリセオフルビン、イトリゾール、ラミシールの経口抗真菌剤があります。また、それらとは別に民間に伝わる伝承薬もあります。 水虫の治療については、常に手足などを清潔に保ち、高温多湿を避けて乾燥に心掛けること。それと併行して上記水虫の外用薬等を患部に広めに根気よく塗りなさいと言われてきました。しかしながら、薬剤によっては2〜3週間で水虫の症状が改善したかに見えても、皮膚の奥(角質層)に潜む白癬菌が完全には死んだわけではなく生存していることが往々にしてありました。また、冬になると水虫菌は活動を停止して、この間は水虫の症状も治まるので、直ったかもしれないと勘違いをして治療を止めてしまうことが少なくありません。そして、夏期の高温多湿の時期になると再発を繰り返してきました。また、足の裏などの角質層が厚い部分は半年から1年以上、場合によっては数年にわたって治療を続けないと完治しないと言われ、特に、爪にできた爪水虫は、爪の正常な形を崩して爪は厚くもろくなり、爪の色も白色から黄変して、見た目も悪く早く直したいと思うのが人情でしょう。ところが、爪水虫は頑固で直りにくく、外用薬のみでは治療の効果のほどは期待できなくて、内用薬も併用する治療方法が行われています。 このように、水虫は完治しにくい皮膚病の一種類とされており、現在までに効果的であるとして、様々な薬剤が続々と開発されて来たけれども、水虫の完治には長期間を要し、外用薬と内用薬を併用して水虫を治療するとしても、副作用として外用薬によるかぶれや、内用薬を服用することにより胃部不快感、下痢、悪心、腹痛などの消化器症状や少数ながら肝機能に対する影響あるいは貧血などの副作用も報告されています。しかも、完治したと思って治療を独自の判断で終えてしまった場合も、後日、高温多湿の環境で再発することがしばしば起こり、その結果、治療はするがその場しのぎの手当で、完治することをあきらめている人が圧倒的に多いのが現状であります。日本では、1999年から2000年にかけて、2万2000人を対象にした全国的な疫学調査によると、5人に1人が水虫持ちであり、そのうち45%に爪水虫が見つかったことにより、全国で爪水虫の患者は1100万人を超えると推計されるそうです。水虫で苦しんでいる人のなんと多いことでしょう。「水虫薬を発明すればノーベル賞に値する。」と、一時期は言われました。この言葉が示すように、今日まで、水虫に対する有効治療薬は存在しても、水虫を完治する副作用のない安全な薬は存在していないのです。 一方、エタノールは国際化学命名法の呼び名であり、アルコール、エチルアルコール、酒精と呼ばれて呼び方は違うけれども同じものであります。性質としては、お酒の成分と同じなので口に入っても安全で、無色透明で芳香があり、揮発しやすい液体であり、お酒と同じで致酔性があります。よく燃えますが、青白く見えにくい炎です。悪臭や煤を出しません。殺菌、消毒効果があり、防カビにも有効です。油をよく溶かし、水とよく混ざり、色や香りを抽出します。また、マイナス114度以下にならないと凍りません。アルコールは糖質やでんぷん質から作る発酵アルコールと、石油から得られるエチレンを原料として作る合成アルコールがあります。アルコールには前記の特徴がありますが、アルコール濃度が70v/v%前後が消毒や殺菌にもっとも適していると言われています{以上のアルコールの殺菌作用については、1997年6月刊、発行国は日本の、第9版「アルコールハンドブック」、通商産業省基礎産業局アルコール課監修(ただし、現在は経済産業省に改編している)、社団法人アルコール協会・財団法人バイオインダストリー協会編、技報堂出版の10ページ、11ページに詳しい}。アルコールと水分の割合が良くて、しみこんでいく速度や蒸発する時間が適度なので、殺菌効果が最もあがるのです。薬局方アルコールとは、国が制定した規格に合格したアルコールで、アルコールの濃度により分けた次の3種類です。無水エタノール(99v/v%)、エタノール(95v/v%)、消毒用エタノール(約80v/v%)です。これらは主に病気の予防や治療用の医薬品として病院等で使われています。また、薬局方アルコールは発酵アルコールから作られ安全です。 解決しようとする問題点としては、水虫治療薬は、外用薬や内用薬も含めて数多の水虫治療薬があるにもかかわらず、有効性はあっても完治することは難しく、今では日本国民の5人に1人が水虫の患者であり、世界でも水虫患者は減少することなく増え続けておる現状があること。次に、外用薬及び民間伝承薬に関しては、かぶれ等の副作用が発生すること。次に、内用薬に関しては、服用後に眠気を催したり、頭が痛くなるなどの神経症状、光過敏症、急性心不全、粘膜皮膚症候群、胃腸障害や肝機能障害等の種々障害の発生、飲み合わせの悪い薬を服用した場合の障害等の各種副作用が発生することにより、時々副作用チェックのため血液検査が必要であること並びに薬の値段が高いので、治療費がかさむこと。以上の問題点がありました。そこで、副作用が無く安全に水虫を完治する治療薬(外用剤)としての本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものであります。 タラの木の樹皮を消毒用エタノールに浸して、タラの木の樹皮に含まれる生薬有効成分をエタノールに溶出させることにより作成する水虫治療薬で、タラの木の樹皮に含まれる生薬有効成分と消毒殺菌作用のあるエタノールを利用することを特徴とする、水虫(汗疱状白癬)の治療薬である。 本発明は、従来、民間伝承薬として、タラの木の樹皮(主に根皮)が糖尿病、腎臓病、胃腸病に効果があるとして利用されていたが、そのタラの木の樹皮に含まれる生薬有効成分とアルコールとを合わせることにより、水虫の完全治療薬として発明したものであり、タラの木の樹皮もアルコールも共に人体に無害であり、副作用の恐れは皆無と言ってもよく、きわめて安全な水虫の治療薬である。 最初に樹皮の説明をします。樹木の茎は太くなるにつれて、元の表皮細胞はその成長に追いつくことができずに、やがて死んでしまいます。しかし、茎の外側には茎を保護するためのより堅い構造が形成されるようになります。樹木の最表面には「コルク層」と呼ばれる堅い層があり、この層は表皮の内側の細胞層や表皮細胞そのものから分化した、「コルク形成層」と呼ばれる細胞層の働きによってできます。コルク形成層は細胞分裂を行って、外側にコルク層をつくり、内側に「コルク皮層」をつくります。これらの組織をまとめて周皮と呼ばれます。つまり、一般に樹皮と呼ばれるものは、以上のように3つの部分に細分化できるということであります次に、本発明の水虫治療薬の作り方を説明します。最初に、タラの木の樹皮の内、表層部分のコルク層をナイフ等で削ぎ除く、次にコルク形成層とコルク皮層を同時にタラの木の茎よりナイフ等で削ぎ落とす。最初にコルク層を削ぎ落とす時に、タラの木の形状によっては、多少のコルク形成層やコルク皮層をも削ぎ落とすことがあるが、その部分も使用できるので、捨てずにまとめておく。この部分をここでは仮にコルク層部分と呼んでおく。本発明に主に使用するタラの木の樹皮は、前記の如く2回目に削ぎ落としたコルク形成層とコルク皮層の樹皮部分を使用する。エタノールについては、薬局方アルコールの消毒用エタノールを使用する。プラスチック等のエタノールと化学反応する恐れがある入れ物でなく、ガラス瓶や土瓶等のエタノールと化学反応する恐れが少ない入れ物を用意し、その中に消毒用エタノールを入れ、次に、前記の要領で2回目に削ぎ落としたタラの木のコルク形成層とコルク皮層の樹皮部分を入れて、エタノールに浸す。その割合は、タラの木の樹皮のコルク形成層とコルク皮層の樹皮部分の最低20グラム程度以上を、1リットルの消毒用エタノールに漬けて、期間は3ヶ月程冷暗所に保管すると、本発明の水虫治療薬が完成する。また、前出のコルク層部分と仮に呼んだ部分の樹皮であれば、3倍程度の量を使用する。つまり、60グラム程を1リットルの消毒用エタノールに漬けても同じ効果がある水虫治療薬ができる。以上の如くすれば、タラの木の樹皮に含まれる生薬有効成分が溶出し、エタノールと融合して本発明である水虫治療薬が完成する。本発明は、タラの木の樹皮の生薬有効成分を使用し、しかも、消毒用エタノールと併せて利用するところを最も主要な特徴とする。 タラの木の樹皮をエタノールに浸し、タラの木の樹皮に含まれる生薬有効成分をエタノールに溶出させることにより作成する水虫治療薬で、タラの木の樹皮に含まれる生薬有効成分とエタノールを利用することを特徴とする、水虫(汗疱状白癬)の治療薬。 【課題】安全で副作用の無い、水虫(汗疱状白癬)を完治できる水虫治療薬を提供する。【解決手段】タラの木の樹皮を消毒用エタノールに浸して、タラの木の樹皮に含まれる生薬有効成分をエタノールに溶出させることにより作成する水虫治療薬で、タラの木の樹皮に含まれる生薬有効成分と消毒殺菌作用のあるエタノールを利用することを特徴とする、水虫(汗疱状白癬)の治療薬である。【選択図】なし


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