生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_キトサン配合組成物及び食品
出願番号:2005141083
年次:2006
IPC分類:A61K 31/722,A23L 1/30,A61K 36/18,A61K 36/48,A61P 3/06


特許情報キャッシュ

前崎 祐二 吉行 輝郎 JP 2006316006 公開特許公報(A) 20061124 2005141083 20050513 キトサン配合組成物及び食品 日本化薬株式会社 000004086 日本化薬フードテクノ株式会社 596015527 株式会社アートフーズ 500015652 佐伯 憲生 100102668 前崎 祐二 吉行 輝郎 A61K 31/722 20060101AFI20061027BHJP A23L 1/30 20060101ALI20061027BHJP A61K 36/18 20060101ALI20061027BHJP A61K 36/48 20060101ALI20061027BHJP A61P 3/06 20060101ALI20061027BHJP JPA61K31/722A23L1/30 BA23L1/30 ZA61K35/78 CA61K35/78 JA61P3/06 9 OL 10 4B018 4C086 4C088 4B018MD15 4B018MD41 4B018MD61 4B018ME11 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA23 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA04 4C086MA16 4C086MA35 4C086MA37 4C086MA41 4C086MA43 4C086MA52 4C086NA06 4C086ZC02 4C086ZC33 4C088AB12 4C088AB59 4C088AC04 4C088BA08 4C088MA02 4C088MA08 4C088MA16 4C088MA35 4C088MA37 4C088MA41 4C088MA43 4C088MA52 4C088NA06 4C088ZC02 4C088ZC33 本発明は、キトサン配合組成物及び食品、より具体的には配合成分として(1)キトサンと、(2)(a)麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスのいずれか一種若しくは両者、を含有することを特徴とする組成物及び食品に関する。 キトサンはカニ、エビ、オキアミなどの甲殻類の甲皮、カブトムシ、バッタなどの昆虫類の甲皮、イカの骨を希酸による脱カルシウム処理、希アルカリによる除たん白処理を行い得られたキチンを濃アルカリにより脱アセチル化処理して得られる多糖である。キトサンの構造はセルロース、ヘミセルロースに類似しており、食物繊維の定量法である酵素−重量法(プロスキー法)で定量するとその大部分は消化酵素で分解されず食物繊維として定量される。キトサンはヒトにおいて血清コレステロール値の改善(Biosci. Biotech. Biochem. , 57, 1439-1444,(1993)、キチン・キトサン研究、1(3)、175-183、(1995)、キチン・キトサン研究、2(1)、1-8、(1996)、健康・栄養食品研究、2(1)、27-36、(1999))及び腸内腐敗産物の抑制作用( Microbial Ecology in Health and Disease, 8, 15-21, (1995)等を持つことが報告されている。近年では、キトサンの持つこれら生体調整機能を期待した特定保健用食品や多くの栄養補助食品が発売されているため、キトサンを日常的に摂取する機会が増えてきている。キトサンは構造式にアミノ基を有しており、胆汁酸などの様々な酸性物質を吸着する働きがあり、この働きは降コレステロール薬剤であるコレスチラミンと同じものである。 生体内でキトサンと同じ作用を示すコレスチラミンは便秘の副作用を有しているが(アベンティスファーマ■、コレスチラミン製剤”クエストラン”貼付文章)、キトサンにおいても人により摂取後に便秘の症状を訴える人がみられる。便秘の症状を生じた場合は食餌療法としてとしてヨーグルトなどの乳酸菌の入った飲料や乳製品の摂取、又は、食物繊維が豊富に含まれている野菜を摂取し、同時に適度な運動により腸を活性化することが大切であるが、改善されない場合は下剤の服用が一般的である。キトサンを摂取して便秘の症状を訴えた場合も、これらの食物などを同時摂取することが推奨されるが、現在、流通しているキトサン食品は携帯に便利な錠剤やソフトカプセル等の形態が殆どであり、キトサンを摂取する度に便秘を予防するための上記の食品を同時に摂取することは、キトサン食品が実際に使用される場面においては難しい。食物繊維や乳酸菌を含有した健康食品を同時に摂取することも考えられるが、摂取粒数が多くなることや、経済的負担が増える等の問題がある。また、日常的な運動においても交通手段のIT化、機械化が進んだ現代社会において、特に都市部に住んでいる人にとっては実施することが困難である。 また、キトサンに、瀉下作用を有する物質を配合した食品としては、便秘の人の便性状改善に、アロエとキトサンを同時摂取することで、アロエの瀉下作用で、便秘改善をはかると共に、キトサンの作用で胃腸の調子を整えて下痢を伴なわず、便臭を軽減する便秘改善用食品が提案されている(特許文献1参照)。しかし、該便秘改善用食品はあくまで便秘の改善用であり、便秘でない人のキトサンの継続的摂取を目的としたものではなく、便秘でない人が摂取した場合には、人によっては、下痢等の症状を生じる怖れもあり、便秘でない人のキトサンの継続的摂取のためには適しているとは言い難い。例えば、該便秘改善用食品においては、キダチアロエエキス中のアロイン(バルバロイン)の瀉下作用により、人によっては便秘の人が、今度は逆に泥状や水状の下痢状便となる人が確認されている。従って、便秘を生ずること無しにキトサン摂取を継続的に出来るようにしたキトサン組成物は知られていない。特開2001−252046号公報 前記のように、キトサンはコレステロール調整作用等の有用な生理活性を有するにもかかわらず、上記のように、キトサンによる便秘の副作用が無く、且つ、配合する薬剤による下痢等の副作用生じない、継続的にキトサンの摂取可能な、安全なキトサン製剤若しくはキトサン含有食品は見いだされおらず、そのようなキトサン製剤若しくはキトサン含有食品の開発が望まれている。 そこで本発明者らは種々検討した結果、キトサンと麻の実油及び/又はケツメイシ若しくはケツメイシエキス(以下場合により単に、有効成分ともいう)を同時に摂取することで、キトサン摂取による便秘の副作用を防止出来ると共に、配合薬剤による下痢などの副作用も生じることがなく、キトサンを安全に且つ継続的に摂取可能なことを見出した。 本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。 即ち、本発明は、1.配合成分として下記(1)及び(2)(1)キトサン(2)(a)麻の実油及び、(b)ケツメイシ若しくはそのエキス、のいずれか一種若しくは両者、を含有することを特徴とする組成物、2.キトサン、麻の実油及びケツメイシを含有する請求項1に記載の組成物、3.キトサン、麻の実油及びケツメイシエキスを含有する請求項1に記載の組成物、4.キトサンが20mPa・s以上の高分子キトサンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物、5.組成物が液剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤又は錠剤である請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物、6.配合成分として下記(1)及び(2)(1)キトサン(2)(a)麻の実油及び、(b)ケツメイシ若しくはそのエキス、のいずれか一種若しくは両者、を含有することを特徴とする食品、7.キトサン、麻の実油及びケツメイシを含有する請求項6に記載の食品、8.キトサン、麻の実油及びケツメイシエキスを含有する請求項6に記載の食品、9.キトサンが20mPa・s以上の高分子キトサンである請求項6〜8のいずれか一項に記載の食品、に関する。 本発明の、キトサンと共に、麻の実油及び/又はケツメイシ若しくはそのエキスを含有した組成物は、キトサン摂取による便秘の副作用を防止すると共に、配合薬剤による下痢などの副作用も生じることがないことから、キトサンを、安全に且つ継続的に摂取することを可能にするものである。 本発明において使用されるキトサンは、通常、例えば、カニ、エビ等の甲殻類の甲皮等を原料とし、それを希アルカリ又は酵素で脱蛋白し、さらに希酸で脱カルシウムして灰分を取り除きキチンを得た後、キチンを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ剤中で脱アセチル化した後、数回水洗することによって得られるが、特にこの方法に限定されない。また、製造されたキトサンは、粘度として5mPa・s以上(0.5W/W%の0.5%酢酸水溶液)であれば凝集効果もあるので使用可能と考えられるが、キトサンのコレステロール調整効果の点から、20mPa・s以上が好ましく、より好ましくは100mPa・s以上の高分子がよい。本発明に用いられるキトサンは、例えば、日本化薬フードテクノ株式会社、株式会社キミカ、甲陽ケミカル株式会社、大日精化工業株式会社などのキトサンメーカーから購入する事が出来る。 本発明に使用する麻の実油(大麻油)は大麻(学名:Cannabis Sativa L.)の種子から得られる食用に適した油であれば特に制限はない。通常は該種子から機械的に圧搾して油を搾り出し、更に溶剤(食品添加物であるヘキサン)で残った油を抽出して得ることができる。また、圧搾を行わず最初から溶剤で油分を抽出してもよい。さらには、低温圧搾法(コールドプレス)を用いると成分の劣化が少ない良質の麻の実油を得ることができる。また、これらの油を以下の工程で精製して使用しても良い。すなわち、搾取した油に水を加えガム質を分離後、遠心分離機で除去し、原油を得た後、リン酸を加え残存するガム質を除去し、水酸化ナトリウムを加えて遊離している脂肪酸を除去後、水洗した後活性白土等を加えて撹拌し、葉緑素等の色素を吸着させ、ろ過をして白土を除去して脱色する。こうして得られた油を冷却し、析出する固体の油脂やロウ分を除去後、高温・真空下で水蒸気蒸留によって有臭成分を取り除き(脱臭)し精製する。なお、精製方法はこの方法に限定されるものではなく、カラム等を用いた精製法でも構わない。本発明における麻の実油の使用量は、キトサン10質量部に対して1質量部から100質量部(以下、部は特に断りのない限り質量部を表す)程度の範囲であれば良いが、好ましくは2部以上、より好ましくは5部以上、更に場合により8部以上で、かつ、50部以下、より好ましくは20部以下である。好ましい範囲としては5部〜20部以下である。本発明に用いられる麻の実油は、例えば、順成産業株式会社(商品名:麻の実油)から購入し入手する事が出来る。 本発明に使用するケツメイシはハブ茶の原料であるエビスグサ(学名:Cassia obtusifolia L.)またはCassia tora L.の成熟種子を乾燥したものであれば特に制限はなく、ケツメイシエキスはこれらの成熟種子、例えば乾燥物より、抽出されたエキスを含むものであれば特に制限はない。例えば抽出液、その濃縮エキス、乾燥粉末エキス等が挙げられる。通常熱水または冷水で抽出して得られるエキスを含むものが好ましい。また、乾燥粉末エキスは、例えばエキスを含む抽出液若しくはの濃縮液を凍結乾燥またはスプレードライで粉末化するか、又はエキスを含む抽出液若しくは濃縮液にデキストリン、還元麦芽糖、可溶性でんぷん、メチルセルロースなどの賦形剤を加えて粉末化しても良い。 本発明で用いるケツメイシ若しくはそのエキス量は、キトサン3500部に対して、ケツメイシエキス(乾燥物)換算で、1部から140部程度の範囲であれば良いが、好ましくは10部以上、より好ましくは20部以上で、100部以下、より好ましくは40部以下である。従って好ましい範囲としては、10部から100部、より好ましくは20部〜40部である。本発明に用いられるケツメイシは、例えば、丸善製薬株式会社(製品名:決明子エキスパウダーMF)から購入し入手する事が出来る。 本発明の組成物は、組成物中に、キトサンと共に、麻の実油又はケツメイシ若しくはそのエキスの少なくともいずれか一方を含めばよいが、より好ましい態様においては麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスの両者を含むものである。キトサンと共に、麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスの両者を含む組成物においても、麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスのキトサンに対する割合は上記の記載した割合でよい。 本発明の組成物は有効成分だけでなっていてもよいが、通常は賦形剤などの添加剤と共に製剤化された組成物又は、有効成分を配合した食品等である。 本発明の製剤化された組成物としては、ドリンク等の液剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤など常法で、賦形剤などの添加剤と共に製剤化されたものが挙げられる。また、食品としては、特に限定されないが通常は麺類、パン類、ハム、ソーセージ、かまぼこ又はハンバーグ等の肉加工品類、惣菜類、ビスケット等の菓子類、ジュース類などの飲み物類等が挙げられ、食品であれば何れでもよい。食品等にキトサンを添加する場合、キトサンは通常粉末状、フレーク状、有機酸水溶液に溶解した溶液状等で添加される。該組成物には、上記有効成分以外に、乳糖、デンプン、食用卵殻粉、ドロマイトなどの増量剤、メチルセルロース、可溶性デンプン、ゼラチンなどの結着剤、セルロース、粉砕小麦ふすま、寒天などの崩壊剤、グリセリン脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、セラック、メチルセルロース等のコーティング基剤、クエン酸、リンゴ酸、ビタミンCなどの酸味料、ショ糖、果糖、還元麦芽糖、ソルビトール、アスパルテームなどの甘味料、香料等の製剤用添加物及び/又は食品素材等を必要に応じて適宜含むことができる。これらの組成物中における含量は、キトサン、麻の実油、ケツメイシ若しくはそのエキスの含量を除いた残部となるが、その量は組成物中に通常0〜99.9%(質量:以下同じ)の範囲である。従って、本発明組成物における有効成分含量は100〜0.1%である。又、キトサンは粉末状、フレーク状、有機酸水溶液に溶解して添加してもよい。 本発明組成物における有効成分含量は上記の範囲であればいずれでも特に問題はないが、キトサンの1日の摂取必要量が、単回、若しくは複数回の摂取によって、摂取できるように含まれているのが好ましい。1日の摂取必要量はその目的等により異なるので、一概にいうことは難しいが、例えば、10mg〜9g/成人程度、好ましくは100mg〜5g/成人程度、より好ましくは500mg〜2g/成人程度十分に摂取できように含まれていることが好ましい。 健康食品などの製剤化されたサプリメント等の場合は、例えば、固形製剤中に、キトサンが、製剤全体に対して5〜80%、好ましくは10〜50%程度であり、場合により、20〜45%程度である。他の有効成分はキトサンを基準にして、前記した割合の範囲で含むようにすればよい。なおカプセル製剤における場合、上記の割合はカプセルに充填する内容物の組成割合である。また、食品等における場合にはキトサン含量が食品中において通常0.1%以上、好ましくは0.2%以上で、上限は上記と同程度になる範囲で、摂取量、味覚等を考慮して決定される。試験例 以下に試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。(1)テスト用ソフトカプセルの製造 本発明の効果を確認するためにヒト摂取試験を行なうにあたり、下の表1に示したとおり4種類のソフトカプセルを製造した。コントロール食はキトサンのみ配合したもの、処方1はコントロールにケツメイシエキスを配合したもの、処方2はコントロールに麻の実油を配合したもの、そして処方3はコントロールにケツメイシエキスと麻の実油の双方を配合したものである。各処方はカプセル原料を除いて均一に分散・混合し、内容量が300mgとなるようにソフトカプセルに充填した。(2)試験方法 20代から50代のランダムに選出した健康な男性8名、女性16名、計24名のモニターを性別、年齢が各グループに偏りがないように、4グループに分け、各グループそれぞれ1日当たりコントロールカプセル製剤10カプセルを1週間摂取させた後、グループ1には続けてコントロールカプセル製剤を、グループ2には処方1のカプセル製剤を、グループ3には処方2のカプセル製剤を、グループ4には処方3のカプセル製剤をそれぞれ1日10カプセル、21日間摂取させた。カプセルの摂取にあたっては1日摂取量10カプセルを自由な時間に水またはお湯で摂取させたが、まとめて10カプセルを摂取しても、数回に分けて摂取しても良いこととした。摂取前後の体調変化は摂取前、コントロールカプセル製剤摂取7日後、各試験カプセル製剤摂取7日後、14日後、21日後、摂取中止7日後の計6回、本人記入によるアンケートにより調査した。なお、本試験はヘルシンキ宣言の精神に則り、ボランティアには本試験の目的、内容、方法について十分に説明し、試験の参加の同意を得た上で実施した。(3)アンケート項目 アンケートの項目は下に示す下表2示す評価基準により点数化して記入させた。(4)試験結果 下表3に便量・便性スコアと排便回数を示す。キトサンのみを配合したコントロールカプセル製剤を1週間摂取すると、全てのグループで便量スコアは増加するが、便性は固く、排便回数も少なくなる傾向にあり、便秘の症状が出ていることを示している。しかしながら、この後に試験カプセル製剤を3週間摂取すると、コントロールにおいては便性や排便回数より便秘の傾向は改善されていないが、キトサンにケツメイシエキスを加えた処方1、キトサンに麻の実油を加えた処方2では、摂取7日後までは、便性と排便回数はほぼ、摂取前の状態に回復している。しかし、試験食を摂取しつづけると次第に便性・排便回数ともに便秘傾向を示すようになった。したがって、処方1及び処方2では一応の効果が認められるが長期にキトサンを摂取するには途中で摂取の中断等が必要なる可能性があり、より一層の改善の余地が認められた。一方、キトサンにケツメイシエキスと麻の実油を加えた処方3のカプセル製剤を摂取したグループ4においては、便性と排便回数は摂取前の状態を維持しており、キトサンによる便秘の副作用が抑制される共に、配合された麻の実油及び/又はケツメイシエキスによる泥状便等の副作用もなく、その効果が長期にわたって持続されることを示している。すなわち、この試験結果は、キトサンとケツメイシエキスの2種又はキトサンと麻の実油の2種を含む製剤においても一定の効果が認められ、一定期間の摂取のためには有効であるが、長期の継続的摂取のためにはキトサンと共に、麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスの両者を含む組成物が最も適していることを示している。 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 キトサン20.9kg、結晶乳糖20.9kg、結晶セルロース6.28kg、麻の実油10.47kg、ケツメイシエキス0.146kg、メチルセルロース1.19kgをスピードニーダーで混合後、水20kgを加え練合後、乾燥しスピードミルで整粒してキトサン顆粒を得た。 キトサン1g、小麦粉(中力粉)400g、麻の実油0.5g、ケツメイシエキス(2%品)粉末0.5g、塩5gをライカイ機で攪拌後、水200mlを加えてさらに攪拌して生地がまとまったら、製麺機で圧延し、12時間ねかしたあとに、切り出しを行なってキトサンうどんを得た。 キトサン23.3kg、ケツメイシエキス(2%品)10.0kg、麻の実油33.3kg、小麦胚芽油20.0kg、ビタミンB21.7kg、ビタミンB61.3kg、ビタミンE(67%品)2.0kg、ミツロウ6.7kg、グリセリン脂肪酸エステル1.7kgを混合し、その300mgをソフトカプセルに充填してキトサン粒を得た。 キトサン1.0g、小麦粉200.0g、バター70.0g、麻の実油1.0g、ケツメイシエキス0.01g、ショ糖80.0g、卵50.0gを混合し圧延後にカッティングし、200℃のオーブンで焼いてキトサン配合ハードビスケットを得た。 キトサン8.0g、豚ひき肉1000.0g、玉ねぎ(みじん切り)150.0g、麻の実油8.0g、ケツメイシエキス0.08g、塩20.0g、砂糖4.0g、こしょう3.5g、シーズニングスパイス10.0g、水120.0gを混合し、3時間4℃で放置した後に豚の腸の塩漬けに詰め、1本あたり約80gとなるように整形し、80℃の熱湯で20分過熱することでキトサン入りソーセージを得た。配合成分として下記(1)及び(2)(1)キトサン(2)(a)麻の実油及び、(b)ケツメイシ若しくはそのエキス、のいずれか一種若しくは両者、を含有することを特徴とする組成物。キトサン、麻の実油及びケツメイシを含有する請求項1に記載の組成物。キトサン、麻の実油及びケツメイシエキスを含有する請求項1に記載の組成物。キトサンが20mPa・s以上の高分子キトサンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。組成物が液剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤又は錠剤である請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。配合成分として下記(1)及び(2)(1)キトサン(2)(a)麻の実油及び、(b)ケツメイシ若しくはそのエキス、のいずれか一種若しくは両者、を含有することを特徴とする食品。キトサン、麻の実油及びケツメイシを含有する請求項6に記載の食品。キトサン、麻の実油及びケツメイシエキスを含有する請求項6に記載の食品。キトサンが20mPa・s以上の高分子キトサンである請求項6〜8のいずれか一項に記載の食品。 【課題】キトサンはコレステロール調整作用等の生理活性を有するにもかかわらず、人によっては便秘の副作用を生じるため、持続的な摂取が困難となるなどの問題点がある。また、キダチアロエエキスとキトサンを含む便秘改善食品等も知られているが、あくまで便秘改善のためのものであり、キトサン自体を持続的に摂取するためのものではなく、人によってはかえって軟便・下痢便になったりする等のアロエエキスによる副作用が生じることがある。したがって、キトサンを持続的に摂取しても便秘の副作用が生じず、かつ、配合する薬剤による下痢等の副作用もない安全で、長期的に摂取可能なキトサン組成物の開発が望まれている。【解決手段】本発明は、キトサンと共に、(a)麻の実油及び(b)ケツメイシ若しくはそのエキス、のいずれか一種若しくは両者を含有する組成物とすることにより、上記の問題を解決したものである。


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特許公報(B2)_キトサン配合組成物及び食品

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_キトサン配合組成物及び食品
出願番号:2005141083
年次:2011
IPC分類:A61K 31/722,A23L 1/30,A61K 36/18,A61K 36/48,A61P 3/06


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前崎 祐二 吉行 輝郎 JP 4830130 特許公報(B2) 20110930 2005141083 20050513 キトサン配合組成物及び食品 日本化薬株式会社 000004086 日本化薬フードテクノ株式会社 596015527 インターナショナルフーズ株式会社 511210981 佐伯 憲生 100102668 前崎 祐二 吉行 輝郎 20111207 A61K 31/722 20060101AFI20111117BHJP A23L 1/30 20060101ALI20111117BHJP A61K 36/18 20060101ALI20111117BHJP A61K 36/48 20060101ALI20111117BHJP A61P 3/06 20060101ALI20111117BHJP JPA61K31/722A23L1/30 BA23L1/30 ZA61K35/78 CA61K35/78 JA61P3/06 A61K 31/33〜33/44 A61K 36/00〜36/9068 A23L 1/27〜1/308 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開2001−178410(JP,A) 特開2000−041626(JP,A) 特開平04−281763(JP,A) 特開2001−136910(JP,A) 特表2004−500075(JP,A) 9 2006316006 20061124 10 20080324 福井 悟 本発明は、キトサン配合組成物及び食品、より具体的には配合成分として(1)キトサンと、(2)(a)麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスのいずれか一種若しくは両者、を含有することを特徴とする組成物及び食品に関する。 キトサンはカニ、エビ、オキアミなどの甲殻類の甲皮、カブトムシ、バッタなどの昆虫類の甲皮、イカの骨を希酸による脱カルシウム処理、希アルカリによる除たん白処理を行い得られたキチンを濃アルカリにより脱アセチル化処理して得られる多糖である。キトサンの構造はセルロース、ヘミセルロースに類似しており、食物繊維の定量法である酵素−重量法(プロスキー法)で定量するとその大部分は消化酵素で分解されず食物繊維として定量される。キトサンはヒトにおいて血清コレステロール値の改善(Biosci. Biotech. Biochem. , 57, 1439-1444,(1993)、キチン・キトサン研究、1(3)、175-183、(1995)、キチン・キトサン研究、2(1)、1-8、(1996)、健康・栄養食品研究、2(1)、27-36、(1999))及び腸内腐敗産物の抑制作用( Microbial Ecology in Health and Disease, 8, 15-21, (1995)等を持つことが報告されている。近年では、キトサンの持つこれら生体調整機能を期待した特定保健用食品や多くの栄養補助食品が発売されているため、キトサンを日常的に摂取する機会が増えてきている。キトサンは構造式にアミノ基を有しており、胆汁酸などの様々な酸性物質を吸着する働きがあり、この働きは降コレステロール薬剤であるコレスチラミンと同じものである。 生体内でキトサンと同じ作用を示すコレスチラミンは便秘の副作用を有しているが(アベンティスファーマ■、コレスチラミン製剤”クエストラン”貼付文章)、キトサンにおいても人により摂取後に便秘の症状を訴える人がみられる。便秘の症状を生じた場合は食餌療法としてとしてヨーグルトなどの乳酸菌の入った飲料や乳製品の摂取、又は、食物繊維が豊富に含まれている野菜を摂取し、同時に適度な運動により腸を活性化することが大切であるが、改善されない場合は下剤の服用が一般的である。キトサンを摂取して便秘の症状を訴えた場合も、これらの食物などを同時摂取することが推奨されるが、現在、流通しているキトサン食品は携帯に便利な錠剤やソフトカプセル等の形態が殆どであり、キトサンを摂取する度に便秘を予防するための上記の食品を同時に摂取することは、キトサン食品が実際に使用される場面においては難しい。食物繊維や乳酸菌を含有した健康食品を同時に摂取することも考えられるが、摂取粒数が多くなることや、経済的負担が増える等の問題がある。また、日常的な運動においても交通手段のIT化、機械化が進んだ現代社会において、特に都市部に住んでいる人にとっては実施することが困難である。 また、キトサンに、瀉下作用を有する物質を配合した食品としては、便秘の人の便性状改善に、アロエとキトサンを同時摂取することで、アロエの瀉下作用で、便秘改善をはかると共に、キトサンの作用で胃腸の調子を整えて下痢を伴なわず、便臭を軽減する便秘改善用食品が提案されている(特許文献1参照)。しかし、該便秘改善用食品はあくまで便秘の改善用であり、便秘でない人のキトサンの継続的摂取を目的としたものではなく、便秘でない人が摂取した場合には、人によっては、下痢等の症状を生じる怖れもあり、便秘でない人のキトサンの継続的摂取のためには適しているとは言い難い。例えば、該便秘改善用食品においては、キダチアロエエキス中のアロイン(バルバロイン)の瀉下作用により、人によっては便秘の人が、今度は逆に泥状や水状の下痢状便となる人が確認されている。従って、便秘を生ずること無しにキトサン摂取を継続的に出来るようにしたキトサン組成物は知られていない。特開2001−252046号公報 前記のように、キトサンはコレステロール調整作用等の有用な生理活性を有するにもかかわらず、上記のように、キトサンによる便秘の副作用が無く、且つ、配合する薬剤による下痢等の副作用生じない、継続的にキトサンの摂取可能な、安全なキトサン製剤若しくはキトサン含有食品は見いだされおらず、そのようなキトサン製剤若しくはキトサン含有食品の開発が望まれている。そこで本発明者らは種々検討した結果、キトサンと麻の実油及び/又はケツメイシ若しくはケツメイシエキス(以下場合により単に、有効成分ともいう)を同時に摂取することで、キトサン摂取による便秘の副作用を防止出来ると共に、配合薬剤による下痢などの副作用も生じることがなく、キトサンを安全に且つ継続的に摂取可能なことを見出した。 本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。即ち、本発明は、1.配合成分として下記(1)及び、(2)の(a)及び(b)(1)キトサン、(2)(a)麻の実油及び、(b)ケツメイシ若しくはそのエキス、を含有することを特徴とする組成物、2.キトサン、麻の実油及びケツメイシを含有する請求項1に記載の組成物、3.キトサン、麻の実油及びケツメイシエキスを含有する請求項1に記載の組成物、4.キトサンが20mPa・s以上の高分子キトサンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物、5.組成物が液剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤又は錠剤である請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物、6.配合成分として下記(1)及び、(2)の(a)及び(b)(1)キトサン、(2)(a)麻の実油及び、(b)ケツメイシ若しくはそのエキス、を含有することを特徴とする食品、7.キトサン、麻の実油及びケツメイシを含有する請求項6に記載の食品、8.キトサン、麻の実油及びケツメイシエキスを含有する請求項6に記載の食品、9.キトサンが20mPa・s以上の高分子キトサンである請求項6〜8のいずれか一項に記載の食品、に関する。 本発明の、キトサンと共に、麻の実油及び/又はケツメイシ若しくはそのエキスを含有した組成物は、キトサン摂取による便秘の副作用を防止すると共に、配合薬剤による下痢などの副作用も生じることがないことから、キトサンを、安全に且つ継続的に摂取することを可能にするものである。 本発明において使用されるキトサンは、通常、例えば、カニ、エビ等の甲殻類の甲皮等を原料とし、それを希アルカリ又は酵素で脱蛋白し、さらに希酸で脱カルシウムして灰分を取り除きキチンを得た後、キチンを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の強アルカリ剤中で脱アセチル化した後、数回水洗することによって得られるが、特にこの方法に限定されない。また、製造されたキトサンは、粘度として5mPa・s以上(0.5W/W%の0.5%酢酸水溶液)であれば凝集効果もあるので使用可能と考えられるが、キトサンのコレステロール調整効果の点から、20mPa・s以上が好ましく、より好ましくは100mPa・s以上の高分子がよい。本発明に用いられるキトサンは、例えば、日本化薬フードテクノ株式会社、株式会社キミカ、甲陽ケミカル株式会社、大日精化工業株式会社などのキトサンメーカーから購入する事が出来る。 本発明に使用する麻の実油(大麻油)は大麻(学名:Cannabis Sativa L.)の種子から得られる食用に適した油であれば特に制限はない。通常は該種子から機械的に圧搾して油を搾り出し、更に溶剤(食品添加物であるヘキサン)で残った油を抽出して得ることができる。また、圧搾を行わず最初から溶剤で油分を抽出してもよい。さらには、低温圧搾法(コールドプレス)を用いると成分の劣化が少ない良質の麻の実油を得ることができる。また、これらの油を以下の工程で精製して使用しても良い。すなわち、搾取した油に水を加えガム質を分離後、遠心分離機で除去し、原油を得た後、リン酸を加え残存するガム質を除去し、水酸化ナトリウムを加えて遊離している脂肪酸を除去後、水洗した後活性白土等を加えて撹拌し、葉緑素等の色素を吸着させ、ろ過をして白土を除去して脱色する。こうして得られた油を冷却し、析出する固体の油脂やロウ分を除去後、高温・真空下で水蒸気蒸留によって有臭成分を取り除き(脱臭)し精製する。なお、精製方法はこの方法に限定されるものではなく、カラム等を用いた精製法でも構わない。本発明における麻の実油の使用量は、キトサン10質量部に対して1質量部から100質量部(以下、部は特に断りのない限り質量部を表す)程度の範囲であれば良いが、好ましくは2部以上、より好ましくは5部以上、更に場合により8部以上で、かつ、50部以下、より好ましくは20部以下である。好ましい範囲としては5部〜20部以下である。本発明に用いられる麻の実油は、例えば、順成産業株式会社(商品名:麻の実油)から購入し入手する事が出来る。 本発明に使用するケツメイシはハブ茶の原料であるエビスグサ(学名:Cassia obtusifolia L.)またはCassia tora L.の成熟種子を乾燥したものであれば特に制限はなく、ケツメイシエキスはこれらの成熟種子、例えば乾燥物より、抽出されたエキスを含むものであれば特に制限はない。例えば抽出液、その濃縮エキス、乾燥粉末エキス等が挙げられる。通常熱水または冷水で抽出して得られるエキスを含むものが好ましい。また、乾燥粉末エキスは、例えばエキスを含む抽出液若しくはの濃縮液を凍結乾燥またはスプレードライで粉末化するか、又はエキスを含む抽出液若しくは濃縮液にデキストリン、還元麦芽糖、可溶性でんぷん、メチルセルロースなどの賦形剤を加えて粉末化しても良い。 本発明で用いるケツメイシ若しくはそのエキス量は、キトサン3500部に対して、ケツメイシエキス(乾燥物)換算で、1部から140部程度の範囲であれば良いが、好ましくは10部以上、より好ましくは20部以上で、100部以下、より好ましくは40部以下である。従って好ましい範囲としては、10部から100部、より好ましくは20部〜40部である。本発明に用いられるケツメイシは、例えば、丸善製薬株式会社(製品名:決明子エキスパウダーMF)から購入し入手する事が出来る。 本発明の組成物は、組成物中に、キトサンと共に、麻の実油又はケツメイシ若しくはそのエキスの少なくともいずれか一方を含めばよいが、より好ましい態様においては麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスの両者を含むものである。キトサンと共に、麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスの両者を含む組成物においても、麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスのキトサンに対する割合は上記の記載した割合でよい。 本発明の組成物は有効成分だけでなっていてもよいが、通常は賦形剤などの添加剤と共に製剤化された組成物又は、有効成分を配合した食品等である。 本発明の製剤化された組成物としては、ドリンク等の液剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤など常法で、賦形剤などの添加剤と共に製剤化されたものが挙げられる。また、食品としては、特に限定されないが通常は麺類、パン類、ハム、ソーセージ、かまぼこ又はハンバーグ等の肉加工品類、惣菜類、ビスケット等の菓子類、ジュース類などの飲み物類等が挙げられ、食品であれば何れでもよい。食品等にキトサンを添加する場合、キトサンは通常粉末状、フレーク状、有機酸水溶液に溶解した溶液状等で添加される。該組成物には、上記有効成分以外に、乳糖、デンプン、食用卵殻粉、ドロマイトなどの増量剤、メチルセルロース、可溶性デンプン、ゼラチンなどの結着剤、セルロース、粉砕小麦ふすま、寒天などの崩壊剤、グリセリン脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、セラック、メチルセルロース等のコーティング基剤、クエン酸、リンゴ酸、ビタミンCなどの酸味料、ショ糖、果糖、還元麦芽糖、ソルビトール、アスパルテームなどの甘味料、香料等の製剤用添加物及び/又は食品素材等を必要に応じて適宜含むことができる。これらの組成物中における含量は、キトサン、麻の実油、ケツメイシ若しくはそのエキスの含量を除いた残部となるが、その量は組成物中に通常0〜99.9%(質量:以下同じ)の範囲である。従って、本発明組成物における有効成分含量は100〜0.1%である。又、キトサンは粉末状、フレーク状、有機酸水溶液に溶解して添加してもよい。 本発明組成物における有効成分含量は上記の範囲であればいずれでも特に問題はないが、キトサンの1日の摂取必要量が、単回、若しくは複数回の摂取によって、摂取できるように含まれているのが好ましい。1日の摂取必要量はその目的等により異なるので、一概にいうことは難しいが、例えば、10mg〜9g/成人程度、好ましくは100mg〜5g/成人程度、より好ましくは500mg〜2g/成人程度十分に摂取できように含まれていることが好ましい。 健康食品などの製剤化されたサプリメント等の場合は、例えば、固形製剤中に、キトサンが、製剤全体に対して5〜80%、好ましくは10〜50%程度であり、場合により、20〜45%程度である。他の有効成分はキトサンを基準にして、前記した割合の範囲で含むようにすればよい。なおカプセル製剤における場合、上記の割合はカプセルに充填する内容物の組成割合である。また、食品等における場合にはキトサン含量が食品中において通常0.1%以上、好ましくは0.2%以上で、上限は上記と同程度になる範囲で、摂取量、味覚等を考慮して決定される。試験例 以下に試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。(1)テスト用ソフトカプセルの製造 本発明の効果を確認するためにヒト摂取試験を行なうにあたり、下の表1に示したとおり4種類のソフトカプセルを製造した。コントロール食はキトサンのみ配合したもの、処方1はコントロールにケツメイシエキスを配合したもの、処方2はコントロールに麻の実油を配合したもの、そして処方3はコントロールにケツメイシエキスと麻の実油の双方を配合したものである。各処方はカプセル原料を除いて均一に分散・混合し、内容量が300mgとなるようにソフトカプセルに充填した。(2)試験方法 20代から50代のランダムに選出した健康な男性8名、女性16名、計24名のモニターを性別、年齢が各グループに偏りがないように、4グループに分け、各グループそれぞれ1日当たりコントロールカプセル製剤10カプセルを1週間摂取させた後、グループ1には続けてコントロールカプセル製剤を、グループ2には処方1のカプセル製剤を、グループ3には処方2のカプセル製剤を、グループ4には処方3のカプセル製剤をそれぞれ1日10カプセル、21日間摂取させた。カプセルの摂取にあたっては1日摂取量10カプセルを自由な時間に水またはお湯で摂取させたが、まとめて10カプセルを摂取しても、数回に分けて摂取しても良いこととした。摂取前後の体調変化は摂取前、コントロールカプセル製剤摂取7日後、各試験カプセル製剤摂取7日後、14日後、21日後、摂取中止7日後の計6回、本人記入によるアンケートにより調査した。なお、本試験はヘルシンキ宣言の精神に則り、ボランティアには本試験の目的、内容、方法について十分に説明し、試験の参加の同意を得た上で実施した。(3)アンケート項目 アンケートの項目は下に示す下表2示す評価基準により点数化して記入させた。(4)試験結果 下表3に便量・便性スコアと排便回数を示す。キトサンのみを配合したコントロールカプセル製剤を1週間摂取すると、全てのグループで便量スコアは増加するが、便性は固く、排便回数も少なくなる傾向にあり、便秘の症状が出ていることを示している。しかしながら、この後に試験カプセル製剤を3週間摂取すると、コントロールにおいては便性や排便回数より便秘の傾向は改善されていないが、キトサンにケツメイシエキスを加えた処方1、キトサンに麻の実油を加えた処方2では、摂取7日後までは、便性と排便回数はほぼ、摂取前の状態に回復している。しかし、試験食を摂取しつづけると次第に便性・排便回数ともに便秘傾向を示すようになった。したがって、処方1及び処方2では一応の効果が認められるが長期にキトサンを摂取するには途中で摂取の中断等が必要なる可能性があり、より一層の改善の余地が認められた。一方、キトサンにケツメイシエキスと麻の実油を加えた処方3のカプセル製剤を摂取したグループ4においては、便性と排便回数は摂取前の状態を維持しており、キトサンによる便秘の副作用が抑制される共に、配合された麻の実油及び/又はケツメイシエキスによる泥状便等の副作用もなく、その効果が長期にわたって持続されることを示している。すなわち、この試験結果は、キトサンとケツメイシエキスの2種又はキトサンと麻の実油の2種を含む製剤においても一定の効果が認められ、一定期間の摂取のためには有効であるが、長期の継続的摂取のためにはキトサンと共に、麻の実油及びケツメイシ若しくはそのエキスの両者を含む組成物が最も適していることを示している。 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 キトサン20.9kg、結晶乳糖20.9kg、結晶セルロース6.28kg、麻の実油10.47kg、ケツメイシエキス0.146kg、メチルセルロース1.19kgをスピードニーダーで混合後、水20kgを加え練合後、乾燥しスピードミルで整粒してキトサン顆粒を得た。 キトサン1g、小麦粉(中力粉)400g、麻の実油0.5g、ケツメイシエキス(2%品)粉末0.5g、塩5gをライカイ機で攪拌後、水200mlを加えてさらに攪拌して生地がまとまったら、製麺機で圧延し、12時間ねかしたあとに、切り出しを行なってキトサンうどんを得た。 キトサン23.3kg、ケツメイシエキス(2%品)10.0kg、麻の実油33.3kg、小麦胚芽油20.0kg、ビタミンB21.7kg、ビタミンB61.3kg、ビタミンE(67%品)2.0kg、ミツロウ6.7kg、グリセリン脂肪酸エステル1.7kgを混合し、その300mgをソフトカプセルに充填してキトサン粒を得た。 キトサン1.0g、小麦粉200.0g、バター70.0g、麻の実油1.0g、ケツメイシエキス0.01g、ショ糖80.0g、卵50.0gを混合し圧延後にカッティングし、200℃のオーブンで焼いてキトサン配合ハードビスケットを得た。 キトサン8.0g、豚ひき肉1000.0g、玉ねぎ(みじん切り)150.0g、麻の実油8.0g、ケツメイシエキス0.08g、塩20.0g、砂糖4.0g、こしょう3.5g、シーズニングスパイス10.0g、水120.0gを混合し、3時間4℃で放置した後に豚の腸の塩漬けに詰め、1本あたり約80gとなるように整形し、80℃の熱湯で20分過熱することでキトサン入りソーセージを得た。配合成分として下記(1)及び、(2)の(a)及び(b)(1)キトサン、(2)(a)麻の実油及び、(b)ケツメイシ若しくはそのエキス、を含有することを特徴とする組成物。キトサン、麻の実油及びケツメイシを含有する請求項1に記載の組成物。キトサン、麻の実油及びケツメイシエキスを含有する請求項1に記載の組成物。キトサンが20mPa・s以上の高分子キトサンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。組成物が液剤、粉剤、顆粒剤、カプセル剤又は錠剤である請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。配合成分として下記(1)及び、(2)の(a)及び(b)(1)キトサン、(2)(a)麻の実油及び、(b)ケツメイシ若しくはそのエキス、を含有することを特徴とする食品。キトサン、麻の実油及びケツメイシを含有する請求項6に記載の食品。キトサン、麻の実油及びケツメイシエキスを含有する請求項6に記載の食品。キトサンが20mPa・s以上の高分子キトサンである請求項6〜8のいずれか一項に記載の食品。


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