タイトル: | 公開特許公報(A)_トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート及びその製造方法 |
出願番号: | 2005137252 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C07C 69/54,C07C 67/03,C07C 67/08,C07B 61/00 |
亀井 淳一 林 克則 小林 明洋 JP 2006315960 公開特許公報(A) 20061124 2005137252 20050510 トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート及びその製造方法 日立化成工業株式会社 000004455 亀井 淳一 林 克則 小林 明洋 C07C 69/54 20060101AFI20061027BHJP C07C 67/03 20060101ALI20061027BHJP C07C 67/08 20060101ALI20061027BHJP C07B 61/00 20060101ALN20061027BHJP JPC07C69/54 BC07C67/03C07C67/08C07B61/00 300 3 OL 8 4H006 4H039 4H006AA01 4H006AA02 4H006AB46 4H006AC48 4H006BA52 4H006BA66 4H006BJ30 4H006KA03 4H006KA06 4H039CA66 4H039CD30 本発明は、熱、紫外線照射、電子線照射等により容易に重合しうる新規なトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート及びその製造方法に関する。 紫外線硬化型または電子線硬化型樹脂には、硬化性成分として種々の(メタ)アクリル酸エステルが使用されている。これらの光硬化性樹脂組成物を利用した用途として、従来からプラスチック、紙、木、無機質素材等における塗料、インキ、接着剤として用いられている。最近では、半導体、液晶に代表される電子材料分野や光ファイバー、光学レンズ等に代表されるオプトエレクトロニクス分野、さらには医療分野等に拡大してきている。 そのような中で、特にジシクロペンタジエン誘導体のような脂環式骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルは、優れた硬化性、耐水性、可とう性、耐アルカリ性を有することで知られている。さらに、優れた硬化性を示すジシクロペンタジエンのジ(メタ)アクリル酸誘導体としては、現在までのところトリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレートのみが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。しかし,トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレートでは、必ずしも十分な硬化性、耐水性等を得られるとは言えない。特開平8−211130号公報特開2002−265886号公報 本発明は、上記の問題を解決し得る新規なトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートとその製造方法を提供するものである。 本発明は、[1] 一般式(I)で表されるトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートに関する。(一般式(I)中、R1は水素原子,又はメチル基を示す。) また、本発明は、[2] 下式(II)で表されるトリシクロデカンジオールと一般式(III)で表される(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルとを触媒存在下で反応させることを特徴とする上記[1]に記載の一般式(I)のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートの製造方法に関する。(一般式(III)中、R2は水素原子又はメチル基、R3は炭素原子数1〜5のアルキル基を示す。) また、本発明は、[3] 式(II)で表されるトリシクロデカンジオールと(メタ)アクリル酸とを触媒存在下で反応させることを特徴とする上記[2]に記載のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートの製造方法に関する。 本発明では、トリシクロデカンジオールを原料として用い、エステル交換法、脱水エステル化法のいずれかの方法により一般式(I)で表されるトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートを製造することができる。 エステル交換法及び脱水エステル化法では、重合禁止剤及び触媒存在下、式(II)で表されるアルコールと一般式(III)で表される(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸とを反応させる。 本発明のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートは、優れた硬化性、耐水性、可とう性、耐アルカリ性を有し、トリシクロデカンジオールと(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルとを触媒存在下で反応させて製造することができる。本発明のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートは、塗料・コーティング材料及び土木建築材料だけでなく、半導体・液晶に用いられる電子材料、また、光ファイバー、光学レンズ等に代表されるオプトエレクトロニクス材料、さらには医療材料として使用することができる。 本発明のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート及びその製造方法の実施の形態について詳細に説明する。 本発明のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートは、エステル交換法により式(II)で表されるトリシクロデカンジオールと一般式(III)で表される(メタ)アクリル酸エステルをエステル化反応させて製造することができる。反応に際しては、一般式(III)で表される(メタ)アクリル酸エステルを、式(II)で表されるトリシクロデカンジオールに対して過剰に使用することが、反応を短時間に終わらせるため及び反応転化率を向上させるために好ましい。また、一般式(III)で表される(メタ)アクリル酸エステルとして、アクリル酸及びメタクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチルエステル等が用いられる。このうち、メタクリル酸エステルの場合は、メチルエステルが好ましく、アクリル酸エステルの場合は、メチル、エチル、ブチルエステルの中から適宜選ばれる。 エステル交換法においては、トリシクロデカンジオール1モルに対して、(メタ)アクリル酸エステルを3〜15モルの範囲で使用することでき、好ましくは3〜12モル、より好ましくは4〜8モルの範囲で使用することができる。トリシクロデカンジオール1モルに対して、(メタ)アクリル酸エステルの使用量が3モル未満であると反応が遅くなり、未反応のトリシクロデカンジオールが残りやすい傾向がある。一方、(メタ)アクリル酸エステルの使用量が15モルを超えると生産性が悪くなり、反応終了後に過剰の(メタ)アクリル酸エステルを回収する工程に長時間を要する傾向がある。 このエステル交換反応に使用される触媒としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸化物、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミド、及びオルトチタン酸テトラメチル、オルトチタン酸テトラエチル、オルトチタン酸テトラプロピル、オルトチタン酸テトライソプロピル、オルトチタン酸テトラブチル等のオルトチタン酸アルキルがあげられる。これらの中でも、触媒の取り扱いの容易さからアルカリ金属アミドまたはチタン酸アルキル(炭素原子数1〜4のアルキル)が好ましい。 また、本発明のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートは、脱水エステル化法により式(II)で表されるトリシクロデカンジオールと一般式(III)で表される(メタ)アクリル酸をエステル化反応させて製造することができる。 このとき、トリシクロデカンジオール1モルに対して(メタ)アクリル酸を1〜3モルの範囲内で使用することが好ましく、1.2〜2モルの範囲内がより好ましい。アクリル酸が1モル未満であると反応が遅くなり、未反応のトリシクロデカンジオールが残る傾向にある。一方、(メタ)アクリル酸が3モルを超えると、生産性が悪くなる傾向にある。 脱水エステル化反応に使用される触媒としては、硫酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、イオン交換樹脂などの酸性触媒が使用できるが、合成時に副生成物がほとんど生じない点でパラトルエンスルホン酸が好ましい。 本発明における触媒の使用量は、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸とトリシクロデカンジオール(トリシクロデカノール)の合計量に対して0.01〜10重量%の範囲であることが好ましく、0.1〜5.0重量%の範囲であることがより好ましい。触媒の使用量が(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸とトリシクロデカンジオール(トリシクロデカノール)の合計量に対して0.01重量%未満であると反応の進行が遅くなる傾向があり、5.0重量%を超えても特に効果がない傾向がある。エステル交換反応において、特にオルトチタン酸テトラアルキル類を触媒として使用する場合には、反応系中の水分が多いと触媒活性が失われやすいので、予め触媒を加える前に反応混合物を加熱還流して系内の水分を少なくしておくか、反応中に水分混入を防ぐことが好ましい。 本発明の脱水エステル化反応では、有機溶剤としてベンゼン、トルエン、キシレンを単独または二種以上を組み合わせて用いることができ、取り扱いの点からトルエン単独が好ましい。また、エステル交換反応においても、不活性溶媒を適宜使用することができる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等の炭化水素類やジオキサン等のエーテル類などが挙げられる。 本発明の反応系においては、重合禁止剤を添加することが望ましい。重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、t−ブチルヒドロキンン、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−t−ブチル−p−クレゾール、パラベンゾキノン、2,5−ジフェニルパラベンゾキノン、フェノチアジン、ジフェニルアミン等が使用される。製品の貯蔵時及び使用時に着色の少ない重合禁止剤として、ヒドロキノンモノメチルエーテルが好ましい。 本発明における重合禁止剤の使用量は、トリシクロデカンジオールに対して5〜2000ppmが好ましく、10〜500ppmがより好ましい。重合禁止剤の使用量がトリシクロデカンジオールに対して5ppm未満であると重合禁止の添加効果が十分でない傾向があり、また、2000ppmを超えると製品(トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート)をポリマ化する際に、ポリマ化を阻害する傾向がある。 本発明においては、反応液の重合防止のために、分子状酸素を吹き込んで反応させることが望ましい。分子状酸素としては、希釈された状態で使用することが好ましく、好適なものとして空気が用いられる。また、分子状酸素の吹き込みは、原料の(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸が蒸発して蒸気として存在したり、上部の釜壁等に凝縮した(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸の重合を防止するためにも好ましい。分子状酸素の使用量としては、反応器の形状や攪拌動力によっても影響を受けるが、トリシクロデカンジオール1モルに対して5〜500ml/分(空気の場合、25〜2500ml/分)の速度で吹き込むことが好ましい。 反応は、常圧又は減圧下60〜130℃で行うことが好ましい。反応の形態としては、トリシクロデカンジオールと(メタ)アクリル酸を反応させる脱水エステル化、もしくはトリシクロデカンジオールと(メタ)アクリル酸エステルを反応させるエステル交換法等の当業者間で一般的に知られている方法を採用できる。脱水エステル化法では、原料アルコールの転化率を高めるために副生する水を共沸溶媒と共に除去する必要がある。この点で、油水分離装置を用いることが好ましい。また、エステル交換法では、原料アルコールの転化率を高めるため、副生する低級アルコールを系外に留去する必要がある。この点で、精留塔の付いた回分式反応槽を使用することが好ましい。 エステル交換法において、得られる製品の色相改善等のために反応終了後の反応液をアルカリ処理することもできる。アルカリ処理に使用するアルカリとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩等の塩基性化合物を固形のまま使用する方法と、水溶液として使用する方法とがある。また、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドを固形又はアルコール溶液として使用することもできる。さらには、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミドを使用することもできる。また、酸化マグネシウム、シリカマグネシア、塩基性イオン交換樹脂等の固形アルカリも使用することができる。 本発明の脱水エステル化法では、反応終了後の反応液から未反応のアクリル酸、触媒、不純物、着色成分等を除去するために中和洗浄される。中和洗浄は公知の方法を採用することができるが、本発明の化合物は特に中和時のエステル分解(ケン化)が起こりやすい。そこで、アルカリ水溶液で中和を行う前に、水又は中性塩水溶液で洗浄を行うことが好ましい。 脱水エステル化法において、中和の前に行う水洗には、食塩、硫安等の水溶液又は水が用いられ、この中で食塩水がより好ましい。中和の前に行う水洗に用いられる水溶液又は水の量は反応が終了した反応液に対して2〜30重量%で行うことが好ましく、5〜15重量%がより好ましい。さらに、この洗浄用の水溶液の濃度は0〜30重量%で行うことが好ましく、15〜20重量%がより好ましい。 脱水エステル化法における中和には例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ性の水溶液が用いられる。中和に用いられるアルカリ性物質はエステル化反応が終了した反応液の中和当量の1.01〜1.5倍として中和を行うことが好ましい。アルカリ性物質が、1.01倍未満であると中和が不十分である傾向があり、1.5倍を超えると廃水が増え、エステル分解(ケン化)が起こる傾向がある。ここで用いるアルカリ水溶液の濃度は1重量%以上で行うことが好ましく、5〜15重量%がより好ましい。 上記生成物の中和後、さらに反応液を水洗する。水洗の量はpHで管理し、pH8以下とすることが好ましい。pHの管理を怠ると、アクリル酸、触媒、不純物、着色成分等が完全に除去できないことがある。 本発明のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートは、放射線又は熱的手段による硬化性成分として有用である。放射線硬化は、イオン化または電子線のような微粒子照射、または紫外線放射のような化学線により行う。化学線により硬化する場合は、各種の光増感剤または光重合開始剤を包含させて行われる。また、熱硬化は一般的な方法により行われる。 本発明のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートは、単独又は他の単量体、例えば、脂肪族又は芳香族アクリレートや不飽和基含有樹脂、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートなどの樹脂と組み合わせて使用することができる。 本発明のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートは、塗料・コーティング材料及び土木建築材料だけでなく、半導体・液晶に用いられる電子材料、また光ファイバー、光学レンズ等に代表されるオプトエレクトロニクス材料、さらには医療材料として使用できる。 次に実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。<実施例1> 攪拌機、温度計、空気導入管、及び精留塔(15段)を取り付けた1リットルフラスコに、式(II)で表されるトリシクロデカンジオール350g(2.08モル)、一般式(III)で表される(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルとしてメタクリル酸メチル850g(8.50モル)、重合禁止剤としてヒドロキノンモノメチルエーテル0.13gを仕込み、常圧下、乾燥空気を100ml/分の速度で吹き込みながら加熱還流し、系内の水分を除去した。次に、触媒としてオルトチタン酸イソプロピル(チタンテトライソプロポキシド)3.5gを加え、エステル交換反応を行った。始めは反応混合物を加熱還流し、精留塔塔頂温度はメタクリル酸メチルの沸点である100℃であったが、反応の進行と共に、メタノールとメタクリル酸メチルの共沸混合物の沸点に近づいたので、塔頂温度が65℃になるように還流比を調節してメタノールをメタクリル酸メチルの共沸物として留去しながら反応を行った。触媒を加えて3時間程経過した頃から塔頂温度が上昇し始め約90℃まで上昇したので、それに合わせて還流比を徐々に大きくし、最終的には還流比を15にして反応を続けた。反応開始後5時間目の反応液をガスクロマトグラフィ分析したところ、原料であるトリシクロデカンジオールは検出されず、トリシクロデカンジオールモノメタクリレートが6%(面積%)、目的生成物であるトリシクロデカンジオールジメタクリレートが94%(面積%)となったので反応を終了した。反応液を75℃まで冷却し、17重量%食塩水120gを加えて触媒を加水分解し不溶化した。30分静置後、デカンテーションにより有機層を1リットルのナス型フラスコにとり、ロータリーエバポレーターを用いて過剰なメタクリル酸メチルを減圧下留去して吸引ろ過によりナスフラスコ内液をろ過したところ、淡黄色透明のトリシクロデカンジオールジメタクリレートを得た。この時、収量は595g(収率94%)であった。 これをNMRとフーリエ変換赤外線(FT−IR)を用いて分析した結果、下記のスペクトルが得られた。NMR(60MHz):1.69−2.54 (12H, m),4.69−5.14 (2H, m),5.61 (2H, m),6.18 (4H, m)IR(film): 2962, 1724, 1406, 1296, 1275, 1198, 1049, 984, 812 cm−2<実施例2> 攪拌機、温度計、空気導入管、Dean−Starkトラップ及び冷却管を取り付けた1リットルフラスコにトリシクロデカンジオール350g(2.08モル)、アクリル酸195g(2.70モル)、トルエン400g、パラトルエンスルホン酸35g及びヒドロキノンモノメチルエーテル0.17gを仕込んだ。系内の圧力を70.6KPaに調節し、乾燥空気を100ml/分の導入量で吹き込みながら昇温した。反応とともに生成する水を除去しながら反応温度を90℃に保つように圧力を調整した。5時間後、反応理論量の水が流出したため、ガスクロマトグラフィ分析を行ったところ、原料であるトリシクロデカンジオールは検出されず、トリシクロデカンジオールモノアクリレートが6%(面積%)、目的生成物であるトリシクロデカンジオールジアクリレートが94%(面積%)となったので反応を終了した。反応液を冷却し、40℃以下になったところで17重量%食塩水を100g仕込み300rpmで攪拌した。次いで有機層を分液ロートに移し、25重量%水酸化ナトリウム水溶液50g、17重量%食塩水70gを仕込み、中和水洗を行った。このとき、水層のpHは10であったので、水層抜出後、有機層をさらに17重量%食塩水200gで洗浄して水層のpHを7〜8とした。水層抜出後、有機層を1リットルのナス型フラスコにとり、ロータリーエバポレーターを用いてトルエンを減圧下留去して吸引ろ過によりナスフラスコ内液をろ過したところ、淡黄色透明のトリシクロデカンジオールジアクリレートを得た。この時、収量は512g(収率89%)であった。 これをNMRとフーリエ変換赤外線(FT−IR)を用いて分析した結果、下記のスペクトルが得られた。 NMR(60MHz):1.69−2.58 (18H, m),4.73−5.15 (2H, m), 5.40 (2H, s),5.91 (2H, s)IR(film): 2960, 1716, 1637, 1452, 1327, 1298, 1167, 874, 816 cm−1実施例1で製造されたトリシクロデカンジオールジメタクリレートのフーリエ変換赤外線(FT−IR)スペクトルである。実施例1で製造されたトリシクロデカンジオールジメタクリレートの核磁気共鳴スペクトル(NMR)である。実施例2で製造されたトリシクロデカンジオールジアクリレートのフーリエ変換赤外線(FT−IR)スペクトルである。実施例2で製造されたトリシクロデカンジオールジアクリレートの核磁気共鳴スペクトル(NMR)である。一般式(I)で表されるトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート。(一般式(I)中、R1は水素原子,又はメチル基を示す。)下式(II)で表されるトリシクロデカンジオールと一般式(III)で表される(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルとを触媒存在下で反応させることを特徴とする請求項1に記載の一般式(I)のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートの製造方法。(一般式(III)中、R2は水素原子又はメチル基、R3は炭素原子数1〜5のアルキル基を示す。)式(II)で表されるトリシクロデカンジオールと(メタ)アクリル酸とを触媒存在下で反応させることを特徴とする請求項2に記載のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートの製造方法。 【課題】 トリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートとその製造方法を提供する。【解決手段】 一般式(I)で表されるトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレート。(一般式(I)中、R1は水素原子,又はメチル基を示す。) トリシクロデカンジオール(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルとを触媒存在下で反応させる前記一般式(I)のトリシクロデカンジオールジ(メタ)アクリレートの製造方法。【選択図】 なし