タイトル: | 特許公報(B2)_抗菌点眼剤 |
出願番号: | 2005136759 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | A61K 31/635,A61K 9/08,A61K 47/08,A61K 47/10,A61K 47/14,A61K 47/18,A61K 47/22,A61K 47/32,A61K 47/34,A61K 47/38,A61P 27/02 |
力石 正子 仁井 洋子 小池 哲央 JP 5513702 特許公報(B2) 20140404 2005136759 20050509 抗菌点眼剤 ロート製薬株式会社 000115991 特許業務法人三枝国際特許事務所 110000796 力石 正子 仁井 洋子 小池 哲央 JP 2004138426 20040507 20140604 A61K 31/635 20060101AFI20140515BHJP A61K 9/08 20060101ALI20140515BHJP A61K 47/08 20060101ALI20140515BHJP A61K 47/10 20060101ALI20140515BHJP A61K 47/14 20060101ALI20140515BHJP A61K 47/18 20060101ALI20140515BHJP A61K 47/22 20060101ALI20140515BHJP A61K 47/32 20060101ALI20140515BHJP A61K 47/34 20060101ALI20140515BHJP A61K 47/38 20060101ALI20140515BHJP A61P 27/02 20060101ALI20140515BHJP JPA61K31/635A61K9/08A61K47/08A61K47/10A61K47/14A61K47/18A61K47/22A61K47/32A61K47/34A61K47/38A61P27/02 A61K9/00-9/72 A61K31/00-33/44 A61K38/00-49/22 特開2003−55227(JP,A) 特開2003−183157(JP,A) 5 2005343894 20051215 14 20080421 2011026535 20111208 蔵野 雅昭 塩見 篤史 穴吹 智子 本発明は、スルファメトキサゾール等の抗菌薬の眼粘膜滞留性を高め抗菌力に優れた点眼剤に関する。また、本発明は、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する点眼剤において、スルファメトキサゾール等の結膜嚢内滞留濃度を顕著に増加させる方法に関する。 眼粘膜に適用される点眼剤においては、薬物の生物学的利用能を高めるために、眼粘膜への薬物滞留性を向上する必要がある。そこで、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース系粘稠化剤を配合して組成物に粘性をもたせることによって薬物滞留性を向上した製剤設計が行われている。 ところで、眼粘膜に起こる細菌感染症である結膜炎(はやり目)、ものもらい、眼瞼炎(まぶたのただれ)の治療には、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムなどの抗菌薬を含有する点眼剤を眼粘膜に適用するのが一般的である。しかしながら、点眼した点眼液は速やかに排出されてしまうため抗菌成分が十分に薬効を発揮することができないという問題があった。さらに、薬物滞留性を付与するために点眼剤の粘度を高めすぎるとべたつきを生じて反って不快感を生じるうえ、点眼剤の保存安定性(防腐性)を減弱せしめるという問題があった。 これまでに、例えばホスホリルコリン類似重合化合物が角膜上にスルファメトキサゾール等の薬物を長時間滞留させることが知られている(特許文献1)。しかしながら、いまだ実用化には至っていない。特開平11−335301号公報 抗菌薬の眼粘膜滞留性が高く抗菌力に優れた点眼剤を提供すること、また、薬物滞留性が付与されても、点眼剤の保存安定性(防腐性)が減弱しない使用感のよい点眼剤を提供することを課題とする。 本発明者らは、課題解決のために鋭意検討の結果、a)スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムから選ばれる少なくとも1種、b)非イオン性界面活性剤、c)酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールから選ばれる少なくとも1種、およびd)20℃、2%水溶液の粘度が100mPa・s〜50000mPa・sのヒドロキシエチルセルロース、平均分子量が5万〜50万のメチルセルロース、平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドン又は平均分子量が5万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース或いはその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する点眼剤において、スルファメトキサゾール等の抗菌薬の眼粘膜滞留性が格段に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。 本発明者は、かかる知見に基づいて開発されたものである。 すなわち、本発明は、下記(1)〜(7)に掲げる点眼剤である。(1) a)スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムから選ばれる少なくとも1種、b)非イオン性界面活性剤、c)酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールから選ばれる少なくとも1種、およびd)20℃、2%水溶液の粘度が100mPa・s〜50000mPa・sのヒドロキシエチルセルロース、平均分子量が5万〜50万のメチルセルロース、平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドン又は平均分子量が5万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース或いはその塩から選ばれる少なくとも1種を含有する点眼剤、(2)20℃での粘度が2mPa・s以上10mPa・s以下である(1)に記載の点眼剤、(3)酢酸トコフェロールが、0.0001〜10(w/v)%、酢酸レチノール又はパルミチン酸レチノールが0.01万〜50万単位/100mlである(1)又は(2)に記載の点眼剤、(4)非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類またはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤である(1)乃至(3)に記載の点眼剤、(5)さらに、エデト酸又はその塩、グリチルリチン酸又はその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン又はプロピレングリコールから選択される少なくとも1種を含有する(1)乃至(4)に記載の点眼剤、(6)さらに、メントール、ボルネール、カンフルから選択される少なくとも1種を含有する(1)乃至(5)に記載の点眼剤、(7)さらに、クロロブタノール、塩酸オキシブプロカイン、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パンテノールカルシウム、パンテノールナトリウム、アミノエチルスルホン酸、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ブドウ糖、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩化リゾチーム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン又は塩酸メチルエフェドリンから選ばれる少なくとも1種を含有する(1)乃至(6)に記載の点眼剤。 さらに、本発明は、下記(8)に掲げる方法である。(8) スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する点眼剤に、非イオン性界面活性剤とともに、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール又はパルミチン酸レチノールから選ばれる少なくとも1種、及び20℃、2%水溶液の粘度が100mPa・s〜50000mPa・sのヒドロキシエチルセルロース、平均分子量が5万〜50万のメチルセルロース、平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドン又は平均分子量が5万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース或いはその塩から選ばれる少なくとも1種を配合することによって、前記スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムの結膜嚢内滞留濃度を高める方法。 なお、本明細書中、特に言及しない限り、%はw/v%を意味するものとする。 本発明の点眼剤は、スルファメトキサゾール等の点眼剤に汎用される抗菌薬の眼粘膜への滞留性が格段に向上し優れた抗菌力を発揮することができる。また、点眼剤の保存安定性(防腐性)が減弱することがなく使用感に優れた点眼剤が提供される。 本発明では、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する点眼剤において、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムの眼粘膜での滞留性が高まり優れた抗菌点眼剤を提供することができる。これらのスルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムはすべて公知の化合物であり、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。 本発明の点眼剤中におけるこれらの薬物の含有量は、通常0.01〜10%程度であり、好ましくは0.1〜8%、より好ましくは0.5〜%、特に好ましくは1〜5%である。 本発明に用いる非イオン性界面活性剤としては、通常当業者が点眼剤に利用しうるものを用いることができ、例えばポリオキシエチレン(以下、POEともいう。)−ポリオキシプロピレン(以下、POPともいう。)ブロックコポリマー (例えば、ポロクサマー407 、ポロクサマー235 、ポロクサマー188 など) ;ポロキサミンなどのエチレンジアミンのPOE-POPブロックコポリマー付加物;モノラウリル酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20) ,モノオレイン酸POE(20)ソルビタン (ポリソルベート80) ,POEソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60),POEソルビタントリステアレート(ポリソルベート65) などのPOEソルビタン脂肪酸エステル類;POE硬化ヒマシ油5 ,POE硬化ヒマシ油10 ,POE硬化ヒマシ油20 ,POE硬化ヒマシ油40 ,POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60 ,POE硬化ヒマシ油100などのPOE硬化ヒマシ油類;POE(9) ラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4) セチルエーテルなどのPOE・POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテルなどのPOEアルキルフェニルエーテル類などが挙げられる。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。 なかでも好ましくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、POEソルビタン脂肪酸エステル類又はPOE硬化ヒマシ油類から選ばれる非イオン性界面活性剤であり、特に好ましくは、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60である。 本発明の点眼剤において非イオン性界面活性剤の含有量は、界面活性剤の種類などによって異なるので一概に規定できないが、通常0.001〜5%、好ましくは0.001〜1%、より好ましくは0.005〜0.5%程度で用いられる。 本発明に用いる酢酸トコフェロール、酢酸レチノール又はパルミチン酸レチノールとしては、d体又はl体、酢酸トコフェロールではα、β、γ−トコフェロール等のいずれの化合物も用いることができ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。本発明の点眼剤に含有する酢酸トコフェロールの含有量は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、通常0.0001〜10%、好ましくは0.001〜5%、より好ましくは0.005〜1%、さらに好ましくは0.01〜0.1%である。また、本発明の点眼剤に含有する酢酸レチノール又はパルミチン酸レチノールの含有量は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、通常0.01万〜50万単位/100ml、好ましくは0.1万〜10万単位/100ml、より好ましくは1万〜10万単位/100mlである。 本発明の点眼剤では、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムから選ばれる少なくとも1種を含有し、非イオン性界面活性剤の存在下で酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノールから選ばれる少なくとも1種と、特定の高分子化合物を併用することで、スルファメトキサゾールナトリウム等の眼内滞留性を改善することができる。本発明の特定の高分子化合物とは、20℃、2%水溶液の粘度が100mPa・s〜50000mPa・sのヒドロキシエチルセルロース、平均分子量が5万〜50万のメチルセルロース、平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドン、又は平均分子量が5万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース或はその塩から選ばれる少なくとも1種である。 本発明においては、点眼剤に用いる粘稠化剤として公知のヒドロキシエチルセルロースのうち、特に20℃、2%水溶液の粘度が100mPa・s〜50000mPa・sのものが用いられ、より好ましくは1000mPa・s〜50000mPa・s、特に好ましくは1000mPa・s〜30000mPa・sののヒドロキシエチルセルロースを用いる。かかるヒドロキシエチルセルロースは市販のものを利用することができ、例えば住友精化株式会社から販売されているHEC−CF−G(20℃、2%水溶液の粘度が300mPa・s〜600mPa・s)、HEC−CF−V(20℃、2%水溶液の粘度が5000mPa・s〜10000mPa・s)、HEC−CF−W(20℃、2%水溶液の粘度が10000mPa・s〜16000mPa・s)等が利用できる。 本発明において点眼剤中のヒドロキシエチルセルロースの含有量は、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.01〜10%、特に好ましくは0.1〜5%程度である。 本発明においては、点眼剤に用いる粘稠化剤として公知のメチルセルロースのうち、特に平均分子量が5万〜50万のものが用いられる。さらに好ましくは平均分子量10万〜50万であり、特に好ましくは20万〜50万のメチルセルロースを用いる。かかるメチルセルロースは市販のものを利用することができ、例えば、メトローズSMシリーズとして信越化学工業株式会社から販売されている、SM−15(平均分子量約7万)、SM−25(平均分子量約9万)、SM−50(平均分子量約11万)、SM−100(平均子量約12万)、SM−400(平均分子量約17万)、SM−1500(平均分子量約29万)、SM−4000(平均分子量約36万)等が利用できる。 本発明において点眼剤中のメチルセルロースの含有量は、好ましくは0.01〜10%、より好ましくは0.1〜10%、特に好ましくは0.1〜5%程度である。 本発明においては、点眼剤に用いる粘稠化剤として公知のポリビニルピロリドンのうち、特に平均分子量が1万〜15万のものが用いられる。さらに好ましくは平均分子量2万〜15万のポリビニルピロリドンを用いる。かかるポリビニルピロリドンは市販のものを利用することができ、例えば、コリドンシリーズとしてBASF株式会社から販売されている、コリドン12PF(平均分子量約0.2万)、コリドン17PF(平均分子量約9万)、コリドン25(平均分子量約3万)、コリドン30(平均子量約5万)、コリドン90(平均分子量約12万)等が利用できる。 本発明において点眼剤中のポリビニルピロリドンの含有量は、好ましくは0.001〜10%、より好ましくは0.01〜5%、さらに好ましくは0.05〜5%、特に好ましくは0.1〜3%程度である。 本発明においては、点眼剤に用いる粘稠化剤として公知のヒドロキシプロピルメチルセルロースのうち、特に平均分子量が5万〜50万のものが用いられる。さらに好ましくは平均分子量10万〜50万であり、特に好ましくは20万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いる。かかるヒドロキシプロピルメチルセルロースは市販のものを利用することができ、例えば、メトローズSHシリーズとして信越化学工業株式会社から販売されている、60SH−15(平均分子量約7万)、60SH−25(平均分子量約9万)、60SH−50(平均分子量約10万)、60SH−100(平均分子量約12万)、60SH−400(平均分子量約17万)、60SH−1500(平均分子量約20万)、60SH−4000(平均分子量約30万)、60SH−10000(平均分子量約50万)、65SH−50(平均分子量約10万)、65SH−400(平均分子量約11万)、65SH−1500(平均分子量約20万)、65SH−4000(平均分子量約30万)、90SH−100(平均分子量約12万)、90SH−400(平均分子量約11万)、90SH−4000(平均分子量約30万)等が利用できる。 本発明において点眼剤中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの含有量は、好ましくは0.01〜10%、より好ましくは0.1〜10%、特に好ましくは0.1〜5%程度である。 本発明においては、点眼剤に用いる粘稠化剤として公知のカルボキシメチルセルロース又はその塩を用いる。塩は生理学的に許容される塩であれば制限なく用いることができるが、なかでもカルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。本発明においては、カルボキシメチルセルロース或いはその塩は、好ましくは25℃、2%水溶液の粘度が20mPa・s〜8000mPa・sのものが用いられ、より好ましくは20mPa・s〜6000mPa・s、特に好ましくは20mPa・s〜3000mPa・sのカルボキシメチルセルロースナトリウムを用いる。カルボキシメチルセルロースナトリウムのエーテル化度は、通常0.1〜3.0の範囲を用いることができるが、本発明の点眼剤には、好ましくは0.6〜1.0、より好ましくは0.6〜0.9、特に好ましくは0.7〜0.9を用いるとよい。かかるカルボキシメチルセルロースナトリウムは市販のものを利用することができ、例えば第一工業製薬株式会社から販売されているセロゲン(登録商標)シリーズPR-S(25℃、2%水溶液の粘度が20mPa・s〜40mPa・s、エーテル化度0.70〜0.85)、P−715A(25℃、2%水溶液の粘度が80mPa・s〜140mPa・s、エーテル化度0.60〜0.70)、F−SC(25℃、2%水溶液の粘度が300mPa・s〜400mPa・s、エーテル化度0.70〜0.85)、AG−GUM(25℃、2%水溶液の粘度が900mPa・s〜1500mPa・s、エーテル化度0.70〜0.85)等、ダイセル化学工業株式会社から販売されているCMCダイセルシリーズ、日本製紙ケミカル株式会社から販売されているサンローズFシリーズ等が利用できる。 本発明において点眼剤中のカルボキシメチルセルロース又はその塩の含有量は、好ましくは0.01〜10%、より好ましくは0.1〜10%、特に好ましくは0.1〜5%程度である。 本発明のスルファメトキサゾールナトリウム等の薬物の眼内滞留性の改善効果は、点眼剤にメントール、カンフル又はボルネオールから選択される少なくとも1種を配合した場合に、更に顕著となる。これらの化合物はd体又はl体のいずれでもよい。 本発明の点眼剤においてこれらの化合物の含有量は、総量として通常0.0005〜3%、好ましくは0.001〜1%、特に好ましくは0.001〜0.5%程度である。 本発明のスルファメトキサゾールナトリウム等の薬物の眼内滞留性の改善効果は、点眼剤にエデト酸またはその塩、グリチルリチン酸又はその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン又はプロピレングリコールから選択される少なくとも1種を配合した場合に、更に顕著となる。 かかるエデト酸またはその塩としては、例えば、エデト酸(エチレンジアミン四酢酸,EDTA)、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)などが例示できる。これらは、1種又は2種以上配合でき、薬理学的に又は生理学的に許容される塩(例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等)として使用してもよい。なかでも好ましくは、エチレンジアミン四酢酸またはその塩であり、例えばエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物(以下、エデト酸ナトリウムともいう。)である。グリチルリチン酸又はその塩としては、グリチルリチン酸ジカリウムなどである。 本発明の点眼剤中におけるエデト酸またはその塩の含有量は分子量や種類などによって異なるので一概に規定できないが、例えば0.0001〜1%、好ましくは0.001〜0.5%、特に好ましくは、0.005〜0.3%程度である。 本発明の点眼剤中におけるグリチルリチン酸又はその塩の含有量は分子量や種類などによって異なるので一概に規定できないが、例えば0.01〜1%、好ましくは0.05〜0.75%、特に好ましくは、0.1〜0.5%程度である。 本発明の点眼剤中におけるイプシロンアミノカプロン酸の含有量は、通常0.01〜10%、好ましくは0.1〜10%、特に好ましくは、1〜8%程度である。 本発明の点眼剤中におけるアラントインの含有量は、通常0.005〜5%、好ましくは0.01〜1%、特に好ましくは、0.1〜0.8%程度である。 本発明の点眼剤中におけるプロピレングリコールの含有量は、通常0.01〜10%、好ましくは、0.05〜5%、より好ましくは0.1〜3%程度である。 本発明の点眼剤は、スルファメトキサゾールナトリウム等の滞留効果の観点から、適切な粘度を設計することが望ましい。例えば点眼剤では20℃における粘度が2mPa・s以上に保持して設計することが好ましく、2〜100mPa・s、より好ましくは、2〜50mPa・s、特に好ましくは2〜10mPa・s程度に設計する。本発明の点眼剤は、スルファメトキサゾールナトリウム等の抗菌薬以外にも、種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を組み合わせて含有するのに適している。点眼剤に通常用いられる充血除去成分、眼調節薬成分、抗炎症薬成分または収斂薬成分、抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分、ビタミン類、アミノ酸類、糖類などが例示できる。具体的には、以下に挙げる成分が例示できる。 充血除去成分:例えば、α−アドレナリン作動薬、具体的にはエピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸メチルエフェドリン、酒石酸水素エピネフリン、硝酸ナファゾリンなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。眼筋調節薬成分:例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤、具体的にはメチル硫酸ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン硫酸アトロピンなど。抗炎症薬成分または収斂薬成分:例えば、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アラントイン、イプシロン−アミノカプロン酸、インドメタシン、塩化リゾチーム、硝酸銀、プラノプロフェン、アズレンスルホン酸ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、ジクロフェナクナトリウム、ブロムフェナクナトリウム、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリンなど。抗ヒスタミン薬成分又は抗アレルギー薬成分:例えば、アシタザノラスト、アンレキサノクス、イブジラスト、トラニラスト、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸レボカバスチン、フマル酸ケトチフェン、クロモグリク酸ナトリウム、ペミロラストカリウム、マレイン酸クロルフェニラミンなど。ビタミン類:例えば、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、リン酸ピリドキサール、シアノコバラミン、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、アスコルビン酸、酢酸トコフェロールなど。 アミノ酸類:例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)、グルタミン酸、クレアチニン、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム混合物、グルタミン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウムなど。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。糖類:例えば単糖類、二糖類、具体的にはグルコース、トレハロースなど。 多糖類又はその誘導体:例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ポリビニルアルコール(完全又は部分ケン化物)など。 局所麻酔薬成分:例えば、塩酸オキシブプロカイン、塩酸コカイン、塩酸コルネカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸パラブチルアミノ安息香酸ジエチルアミノエチル、塩酸ピペロカイン、塩酸プロカイン、塩酸プロパラカイン、塩酸ヘキソチオカイン、塩酸リドカインなど。ステロイド成分:例えば、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、フルオロメトロン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、ヒドロキシメステロン(hydroxymesterone)、カプロン酸ヒドロコルチゾン、カプロン酸プレドニゾロン、酢酸コルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸プレドニゾロン、デキサメタゾンメタスルホベンゾエートナトリウム、デキサメタゾン硫酸ナトリウム、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾンリン酸ナトリウム、メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム、メチルプレドニゾロンなど。これらの成分のうち、本発明の点眼剤においては、クロロブタノール、塩酸オキシブプロカイン、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パンテノールカルシウム、パンテノールナトリウム、アミノエチルスルホン酸、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ブドウ糖、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩化リゾチーム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン又は塩酸メチルエフェドリンから選ばれる少なくとも1種を含有するのが特に好適である。 また、本発明の点眼剤には、発明の効果を損なわない範囲でその用途や形態に応じて、常法に従い、様々な成分や添加物を適宜選択し、一種またはそれ以上を併用して含有させてもよい。それらの成分または添加物として、例えば、半固形剤や液剤などの調製に一般的に使用される担体(水、水性溶媒、水性または油性基剤など)、増粘剤、糖類、界面活性剤、防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤、pH調節剤、等張化剤、香料または清涼化剤、緩衝剤、などの各種添加剤を挙げることができる。 以下に本発明の点眼剤に使用される代表的な成分を例示するが、これらに限定されない。 増粘剤:例えば、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸、ポリビニルアルコール(完全、又は部分ケン化物)、マクロゴール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムなど。 糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリンなど。 糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトールなど。界面活性剤:例えば、アルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型両性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩(具体的には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムなどの陽イオン界面活性剤など。なお、括弧内の数字は付加モル数を示す。 防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、ポリヘキサメチレンビグアニドなど)、グローキル(ローディア社製 商品名)など。 pH調整剤:例えば、塩酸、ホウ酸、アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ砂、トリエタノールアミン、モノエタノールアミンなど。 等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、グリセリン、プロピレングリコールなど。 香料又は清涼化剤:例えば、上記したメントール、カンフル、ボルネオール以外の、ゲラニオール、リュウノウ、ウイキョウ油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ水、ハッカ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、ローズ油など。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。 緩衝剤:アミノエチルスルホン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤など。具体的には、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂 、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなど。 安定剤:ジブチルヒドロキシトルエン、トロメタモール、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、トコフェロール、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノエタノールアミン、モノステアリン酸アルミニウムなど。 溶解剤、基剤:オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、パラフィン、ヒマシ油、プラスチベース、ラノリン、ワセリンなど。 本発明の点眼剤は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧に調整して用いる。浸透圧は、100〜1200mOsm、好ましくは100〜600mOsm、特に好ましくは150〜400mOsm程度であり、生理食塩液に対する浸透圧比は、通常、0.4〜4.1、好ましくは0.3〜2.1、特に好ましくは0.5〜1.4程度である。 本発明の点眼剤は、必要に応じて、生体に適用可能な範囲内の浸透圧に調整して用いる。pHは、通常、pH6.5〜10.0、好ましくは7.0〜9.5、特に好ましくは7.5〜9.0である。pHの調整は、緩衝剤、前記pH調整剤などを用いて行うことができる。 ここで、緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤などが挙げられる。好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤及びクエン酸緩衝剤である。特に好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤またはリン酸緩衝剤である。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸、ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩などのホウ酸塩、ホウ酸とホウ酸塩との組み合わせが挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸、リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩などのリン酸塩、リン酸とリン酸塩との組み合わせが挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的には、ホウ酸又はその塩 (ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウムなど) 、リン酸又はその塩 (リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムなど)、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムなど)、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなど)が挙げられる。緩衝剤として、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤を用いる場合、本発明の点眼剤中におけるこれらの緩衝剤の濃度は、例えば、0.0001〜10.0%程度である。 本発明の点眼剤は、公知の方法により製造できる。半固形剤、液剤は、基剤と各成分とを混合し、調製できる。さらに、必要により、ろ過滅菌処理工程や、容器への充填工程等を加えることができる。 また、本発明は、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムから選ばれる少なくとも1種を含有する点眼剤に、非イオン性界面活性剤とともに、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール又はパルミチン酸レチノールから選ばれる少なくとも1種、及び20℃、2%水溶液の粘度が100mPa・s〜50000mPa・sのヒドロキシエチルセルロース、平均分子量が5万〜50万のメチルセルロース、平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドン又は平均分子量が5万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース或はその塩から選ばれる少なくとも1種を含有することによって、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール又はスルフイソミジンナトリウムの結膜嚢内における濃度を高める方法である。ここで、本発明の方法における必須成分の種類や点眼剤中の含有量等は、本発明の点眼剤に関する前述の記載に従って行うことができる。 以下に、試験例及び実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例および比較例の調製 試験に用いた各実施例及び試験例の調製は、表1または表2に示す処方に従った。具体的には、実施例1の調製方法を示す。0.24gのヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズSH 65SH−4000)を100mlの精製水中にて攪拌溶解した(調製液A)。ヒドロキシプロピルメチルセルロース以外の成分を精製水50ml中にて攪拌溶解した(調製液B)。調製液Bを調製液Aに加え、さらに精製水を加えて全体を200mlとした(pH=8.5)。さらに実施例1に従い、他の実施例及び比較例も調製した。粘度測定 各実施例及び試験例の粘度測定は円すい一平板形回転粘度計を用いる方法(第十四改正日本薬局法に記載の、一般試験法、45.粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(3)円すい−平板形回転粘度計」の項に記載の方法)に従い、E型粘度計の1種であるTVE−20L形粘度計コーンプレートタイプ(トキメック(TOKIMEC)製、東機産業(日本))を用いて以下の測定条件の下で測定を行った。 TVE−20L形粘度計コーンプレートタイプに付属の標準コーンロータ(図1における円すい1に相当)(α=1°34'、半径(R)=2.4cm)をフルスケール・トルク67.37×10-6 Nm のスプリングを介してモータで回転させる。測定時、粘度計は回転軸が水平面に対して垂直になるように設置する。被検試料1mlをコーンロータの所定の位置(プレート、図1における平円板2に相当)に載置し、温度が20.0℃になるまで放置する。次いで、装置を被検試料の粘度に応じた回転数で回転させ、3分後に、表示された粘度を読み取る。高精度の測定結果を得るために、被検試料測定前に、JIS Z 8809 により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として用い、測定値が標準液の粘度に一致するように調整した。 使用ローター:標準ローター(1°34′、R=24mm) 回転数 :50rpm 試料量 :1ml 測定温度 :20℃ 時間 :3分間後の粘度を測定値とした。点眼剤防腐試験 各実施例および比較例10mlに、Staphylococcus aureus ATCC6583を1.6×104又はPseudomonas aeruginosa ATCC9027を2.5×104を接種し、室温で24時間インキュベートした後、菌数をカウントした。評価基準は、+:接種菌数の1/10以下に菌数が減少した。++:接種菌数の1/100以下に菌数が減少した。+++:接種菌数の1/1000以下に菌数が減少した。として三段階で評価した。結膜嚢内滞留濃度測定 家兎の眼にスルファメトキサゾールナトリウム含有点眼剤を点眼し、スルファメトキサゾールナトリウムの滞留性について試験した。試験溶液(表1に示す比較例又は実施例)を家兎の眼にそれぞれ30μlずつ点眼し、経時的にキャピラリーにより結膜嚢から涙液1μlをサンプリングした。そしてサンプリングした涙液中に含まれるスルファメトキサゾールナトリウムの濃度をHPLCで測定した(カラム、Inertsil OSD2)。試験は3回行い、平均測定値を表1又は表2に示す。点眼剤官能試験 試験溶液(表1に示す比較例又は実施例)を、無菌的に濾過し10mlずつ容器に充填して、専用パネラーによる使用感の官能試験を行った。点眼直後および点眼後3分後において使用感を評価した。評価基準は、◎:ねばつきがなく、瞬きに違和感がなく、目が潤う感じがする。○:ねばつきがなく、瞬きに違和感がない。△:ねばつきを、若干感じるが不快なほどではない。×:ねばつきを強く感じ、不快である。 試験の結果、表1に示すとおり、スルファメトキサゾールナトリウムの結膜嚢内滞留濃度は、非イオン性界面活性剤の存在下、酢酸トコフェロール又は酢酸レチノール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(平均分子量36万又は平均分子量11万)を含有することによって、顕著に増加することが確認された。また、本発明の実施例では、粘度が高く調整しても適用時のねばつきがなく使用感に優れていた。さらに、本発明の点眼剤は防腐性が減弱することなく保存安定性に優れていた。 さらに、表2に示すとおり、スルファメトキサゾールナトリウムの結膜嚢内滞留濃度は、非イオン性界面活性剤の存在下、酢酸トコフェロール又は酢酸レチノール、ヒドロキシエチルセルロース(20℃での粘度が5000mPa・s〜10000mPa・s)、ポリビニルピロリドン(平均分子量約3万又は平均分子量約12万)、メチルセルロース(平均分子量約36万又は平均分子量約11万)を含有することによって、顕著に増加することが確認された。また、本発明の実施例では、粘度が高く調整しても適用時のねばつきがなく使用感に優れていた。さらに、本発明の点眼剤は防腐性が減弱することなく保存安定性に優れていた。a)スルファメトキサゾールナトリウムb)ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60から選ばれる少なくとも1種、c)酢酸トコフェロールおよびパルミチン酸レチノールから選ばれる少なくとも1種、d)20℃、2%水溶液の粘度が100mPa・s〜50000mPa・sのヒドロキシエチルセルロース、平均分子量が5万〜50万のメチルセルロース、平均分子量が1万〜15万のポリビニルピロリドン又は平均分子量が5万〜50万のヒドロキシプロピルメチルセルロース又はカルボキシメチルセルロース或いはその塩から選ばれる少なくとも1種を含有し、20℃での粘度が2mPa・s以上10mPa・s以下である点眼剤。酢酸トコフェロールが、0.0001〜10(w/v)%、パルミチン酸レチノールが0.01万〜50万単位/100mlである請求項1に記載の点眼剤。さらに、e)エデト酸又はその塩、グリチルリチン酸又はその塩、イプシロンアミノカプロン酸、アラントイン又はプロピレングリコールから選択される少なくとも1種を含有する請求項1又は2のいずれか1項に記載の点眼剤。さらに、メントール、ボルネオール、カンフルから選択される少なくとも1種を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点眼剤。さらに、クロロブタノール、塩酸オキシブプロカイン、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パンテノールカルシウム、パンテノールナトリウム、アミノエチルスルホン酸、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ブドウ糖、アズレンスルホン酸ナトリウム、塩化リゾチーム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸テトラヒドロゾリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン又は塩酸メチルエフェドリンから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点眼剤。