生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_バイオフィルム評価方法
出願番号:2005136341
年次:2006
IPC分類:G01N 21/64,G01N 21/78


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西岡 利明 森 孝 JP 2006313123 公開特許公報(A) 20061116 2005136341 20050509 バイオフィルム評価方法 株式会社三栄水栓製作所 000144072 藤本 英夫 100074273 西岡 利明 森 孝 G01N 21/64 20060101AFI20061020BHJP G01N 21/78 20060101ALI20061020BHJP JPG01N21/64 EG01N21/78 C 2 OL 4 2G043 2G054 2G043AA03 2G043BA17 2G043CA07 2G043EA01 2G043FA02 2G043GA07 2G043GB21 2G043KA02 2G043KA09 2G043LA01 2G054AA10 2G054AB10 2G054BB08 2G054BB13 2G054CA20 2G054CE02 2G054EA03 2G054FA20 2G054GA04 2G054GB10 この発明は、バイオフィルム評価方法に関するものである。 例えば浴室の洗い場に設けた排水口や、台所のシンクに設けた排水口等にはヌメリが発生する。 このヌメリの薄膜は、微生物が排出するスライムで囲まれた微生物の集合体であるバイオフィルムであることが分かっているが、このバイオフィルムの定量検査は未だなされていない。 この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、台所や洗面台などの一般的な生活環境におけるバイオフィルム形成菌を定量可能なバイオフィルム評価方法を提供することである。 上記目的を達成するために、この発明のバイオフィルム評価方法は、滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いて前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価することを特徴としている(請求項1)。 ここでバイオフィルムとは、微生物が排出するスライムで囲まれた微生物の集合体で、ヌメリの薄膜である。 また、この発明は、滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、前記バイオフィルム担体を別の滅菌シャーレに移し替え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、前記バイオフィルム担体の洗浄操作を行った後、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いて前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価することを特徴とするバイオフィルム評価方法を提供する(請求項2)。 この発明では、滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いるので、前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価することができる。 また、この発明では、滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、前記バイオフィルム担体を別の滅菌シャーレに移し替え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、前記バイオフィルム担体の洗浄操作を行った後、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いるので、前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価することができる。 以下、この発明の実施例について説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。 (1)使用菌株 バイオフィルム測定方法を行うにあたり、使用菌株として、台所や洗面台などの一般的な生活環境におけるバイオフィルム形成菌であるAlcaligenes xylosoxydans IFO 15126を供試菌として用いた。 (2)培養および菌懸濁液の調製 供試菌を、Nutrient Broth(Beef extract 0.3%、Peptone 0.5 %、pH 6.6-7.0)5mlに一白金耳(いちはっきんじ)植菌し、37℃、18時間静置培養を行った。この培養液を、20倍希釈したNutrient Broth-Sabouraud液体培地(1:1)混合培地で適宜希釈して、使用するまで氷冷しておいた。 なお、一白金耳(いちはっきんじ)とは、菌液または菌叢(コロニー)の「1白金耳量」を1単位分(一回分)ということを意味しており、「1白金耳量」とは、「白金耳(はっきんじ)」(植菌のための器具)の先端部の金属製の小さな輪(直径4ミリ程度)に菌液の液膜を張った状態、または菌叢の塊を付着させた状態で、新しい培地に1回移植した量のことを指す。ちなみに、従来、前記先端部の金属に白金線を使用していたので、白金耳という名称がついているが、最近ではニクロム線で代用することも多い。前記一白金耳(いちはっきんじ)は、JIS(Z2911、L1902)に掲載されているほか、臨床検査関係のマニュアルにも記載されている。 (3)使用薬剤 また、バイオフィルムの形成予防薬剤として、「お酢」を使用し、薬剤をカートリッジのままガラスシャーレに入れ、カートリッジがすべて浸るように300mlの蒸留水を加え、2あるいは12時間、静置した後、水をよくかき混ぜてサンプリングし、薬剤溶液とした。 (4)バイオフィルム担体 バイオフィルム担体は、表面粗さの異なる4種類のステンレス鋼製円盤(直径28mm、質量20g、1,▽▽▽ ;2,▽▽ ;3,▽ ;4,〜)とした。(5)バイオフィルム形成試験 乾熱滅菌したステンレス鋼製円盤をクリーンベンチ内で滅菌シャーレ(直径90mm、深さ20mm)に入れ、あらかじめ調製しておいた菌懸濁液(106 cells /シャーレ)を加えた。 なお、前記薬剤溶液を加える場合は、20倍希釈となるようにシャーレに加えた。そのシャーレを28℃、7日間培養した。 (6)バイオフィルム形成の観察 ステンレス鋼製円盤を、エタノール消毒したピンセットで取り出し、別の滅菌シャーレに移した。蛍光染色剤(臭化エチジウム水溶液、終濃度100μg /ml)をステンレス鋼製円盤の表面を覆うように加えて3分間静置した。滅菌シャーレにステンレス鋼製円盤が十分に浸るように蒸留水を加え、約5秒間穏やかに振盪し、着色した水を除去した。再び蒸留水を加え、同様にしてステンレス鋼製円盤の洗浄操作を5回繰り返した。ステンレス鋼製円盤の表面に触れないように注意して余分な水分を除去した後、下記の共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムでステンレス鋼製円盤表面の写真を撮影し、バイオフィルムの形成を観察した。また、同共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムのアプリケーションにより輝度計算を行った。コントロールとして、乾熱滅菌したステンレス鋼製円盤に同様の染色処理を施したものを観察に供した。 なお、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システム(BioRad、MRC-1024)は、顕微鏡としてECLIPSE E800(Nikon) 、励起光源として水銀ランプ(100W)を用い、励起フィルター、ダイクロイックミラーおよび吸収フィルターの組み合わせとして、Ex510-560 、DM575 、BA590 を使用した。 測定結果は以下のようになった。輝度測定結果(表1)より、ステンレス鋼製円盤の表面粗さは輝度に影響を及ぼし、また、表面が粗すぎる場合(4,〜)輝度は低くなることから、ある程度の粗さ(2,▽▽ ;3,▽)があった方が高い輝度、すなわち、バイオフィルム形成量が得られることが分かった。さらに、本方法でバイオフィルムの形成予防効果も確認することができた。 滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いて前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価することを特徴とするバイオフィルム評価方法。 滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、前記バイオフィルム担体を別の滅菌シャーレに移し替え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、前記バイオフィルム担体の洗浄操作を行った後、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いて前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価することを特徴とするバイオフィルム評価方法。 【課題】 台所や洗面台などの一般的な生活環境におけるバイオフィルム形成菌を定量可能なバイオフィルム評価方法を提供すること。 【解決手段】 滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いて前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価している。


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特許公報(B2)_バイオフィルム評価方法

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_バイオフィルム評価方法
出願番号:2005136341
年次:2010
IPC分類:G01N 21/64,G01N 21/78


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西岡 利明 森 孝 JP 4500206 特許公報(B2) 20100423 2005136341 20050509 バイオフィルム評価方法 株式会社三栄水栓製作所 000144072 藤本 英夫 100074273 西岡 利明 森 孝 20100714 G01N 21/64 20060101AFI20100624BHJP G01N 21/78 20060101ALI20100624BHJP JPG01N21/64 EG01N21/78 C G01K 1/00−19/00 G01N 21/64−21/74 G01N 21/75−21/83 G01N 33/48−33/98 C12Q 1/00− 3/00 JSTPlus/JST7580(JDreamII) 国際公開第03/095995(WO,A1) 特開2001−208690(JP,A) 特表2003−534235(JP,A) 特開平10−201496(JP,A) 特開2001−333796(JP,A) 特開2005−065624(JP,A) 特開2002−171970(JP,A) 1 2006313123 20061116 5 20071107 田中 洋介 この発明は、バイオフィルム評価方法に関するものである。 例えば浴室の洗い場に設けた排水口や、台所のシンクに設けた排水口等にはヌメリが発生する。 このヌメリの薄膜は、微生物が排出するスライムで囲まれた微生物の集合体であるバイオフィルムであることが分かっているが、このバイオフィルムの定量検査は未だなされていない。 この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、台所や洗面台などの一般的な生活環境におけるバイオフィルム形成菌を定量可能なバイオフィルム評価方法を提供することである。 上記目的を達成するために、この発明のバイオフィルム評価方法は、滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、前記バイオフィルム担体を別の滅菌シャーレに移し替え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、前記バイオフィルム担体の洗浄操作を行った後、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いて前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価するにあたり、 前記蛍光染色剤が臭化エチジウム水溶液である一方、 前記洗浄操作として、前記別の滅菌シャーレに前記バイオフィルム担体が浸るように蒸留水を加えて振盪し、着色した水を除去する操作を複数回繰り返す工程が施されることを特徴としている(請求項1)。 ここでバイオフィルムとは、微生物が排出するスライムで囲まれた微生物の集合体で、ヌメリの薄膜である。この発明では、滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、前記バイオフィルム担体を別の滅菌シャーレに移し替え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、前記バイオフィルム担体の洗浄操作を行った後、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いるので、前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価することができる。 以下、この発明の実施例について説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。 (1)使用菌株 バイオフィルム測定方法を行うにあたり、使用菌株として、台所や洗面台などの一般的な生活環境におけるバイオフィルム形成菌であるAlcaligenes xylosoxydans IFO 15126を供試菌として用いた。 (2)培養および菌懸濁液の調製 供試菌を、Nutrient Broth(Beef extract 0.3%、Peptone 0.5 %、pH 6.6-7.0)5mlに一白金耳(いちはっきんじ)植菌し、37℃、18時間静置培養を行った。この培養液を、20倍希釈したNutrient Broth-Sabouraud液体培地(1:1)混合培地で適宜希釈して、使用するまで氷冷しておいた。 なお、一白金耳(いちはっきんじ)とは、菌液または菌叢(コロニー)の「1白金耳量」を1単位分(一回分)ということを意味しており、「1白金耳量」とは、「白金耳(はっきんじ)」(植菌のための器具)の先端部の金属製の小さな輪(直径4ミリ程度)に菌液の液膜を張った状態、または菌叢の塊を付着させた状態で、新しい培地に1回移植した量のことを指す。ちなみに、従来、前記先端部の金属に白金線を使用していたので、白金耳という名称がついているが、最近ではニクロム線で代用することも多い。前記一白金耳(いちはっきんじ)は、JIS(Z2911、L1902)に掲載されているほか、臨床検査関係のマニュアルにも記載されている。 (3)使用薬剤 また、バイオフィルムの形成予防薬剤として、「お酢」を使用し、薬剤をカートリッジのままガラスシャーレに入れ、カートリッジがすべて浸るように300mlの蒸留水を加え、2あるいは12時間、静置した後、水をよくかき混ぜてサンプリングし、薬剤溶液とした。 (4)バイオフィルム担体 バイオフィルム担体は、表面粗さの異なる4種類のステンレス鋼製円盤(直径28mm、質量20g、1,▽▽▽ ;2,▽▽ ;3,▽ ;4,〜)とした。(5)バイオフィルム形成試験 乾熱滅菌したステンレス鋼製円盤をクリーンベンチ内で滅菌シャーレ(直径90mm、深さ20mm)に入れ、あらかじめ調製しておいた菌懸濁液(106 cells /シャーレ)を加えた。 なお、前記薬剤溶液を加える場合は、20倍希釈となるようにシャーレに加えた。そのシャーレを28℃、7日間培養した。 (6)バイオフィルム形成の観察 ステンレス鋼製円盤を、エタノール消毒したピンセットで取り出し、別の滅菌シャーレに移した。蛍光染色剤(臭化エチジウム水溶液、終濃度100μg /ml)をステンレス鋼製円盤の表面を覆うように加えて3分間静置した。滅菌シャーレにステンレス鋼製円盤が十分に浸るように蒸留水を加え、約5秒間穏やかに振盪し、着色した水を除去した。再び蒸留水を加え、同様にしてステンレス鋼製円盤の洗浄操作を5回繰り返した。ステンレス鋼製円盤の表面に触れないように注意して余分な水分を除去した後、下記の共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムでステンレス鋼製円盤表面の写真を撮影し、バイオフィルムの形成を観察した。また、同共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムのアプリケーションにより輝度計算を行った。コントロールとして、乾熱滅菌したステンレス鋼製円盤に同様の染色処理を施したものを観察に供した。 なお、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システム(BioRad、MRC-1024)は、顕微鏡としてECLIPSE E800(Nikon) 、励起光源として水銀ランプ(100W)を用い、励起フィルター、ダイクロイックミラーおよび吸収フィルターの組み合わせとして、Ex510-560 、DM575 、BA590 を使用した。 測定結果は以下のようになった。輝度測定結果(表1)より、ステンレス鋼製円盤の表面粗さは輝度に影響を及ぼし、また、表面が粗すぎる場合(4,〜)輝度は低くなることから、ある程度の粗さ(2,▽▽ ;3,▽)があった方が高い輝度、すなわち、バイオフィルム形成量が得られることが分かった。さらに、本方法でバイオフィルムの形成予防効果も確認することができた。 滅菌シャーレに入れたバイオフィルム担体に菌懸濁液を加え、前記バイオフィルム担体を別の滅菌シャーレに移し替え、蛍光染色剤を前記バイオフィルム担体の表面を覆うように加え、続いて、前記バイオフィルム担体の洗浄操作を行った後、共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡システムを用いて前記バイオフィルム担体表面のバイオフィルム形成量を測定してヌメリの発生を評価するにあたり、 前記蛍光染色剤が臭化エチジウム水溶液である一方、 前記洗浄操作として、前記別の滅菌シャーレに前記バイオフィルム担体が浸るように蒸留水を加えて振盪し、着色した水を除去する操作を複数回繰り返す工程が施されることを特徴とするバイオフィルム評価方法。


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