タイトル: | 公開特許公報(A)_乳化型化粧料 |
出願番号: | 2005132064 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | A61K 8/06,A61K 8/30,A61K 8/55,A61K 8/58,B01F 17/14,B01F 17/18 |
秋山 智美 櫃田 廣子 JP 2006306793 公開特許公報(A) 20061109 2005132064 20050428 乳化型化粧料 株式会社ファンケル 593106918 児玉 喜博 100105061 長谷部 善太郎 100122954 秋山 智美 櫃田 廣子 A61K 8/06 20060101AFI20061013BHJP A61K 8/30 20060101ALI20061013BHJP A61K 8/55 20060101ALI20061013BHJP A61K 8/58 20060101ALI20061013BHJP B01F 17/14 20060101ALI20061013BHJP B01F 17/18 20060101ALI20061013BHJP JPA61K7/00 NA61K7/00 CA61K7/00 EB01F17/14B01F17/18 4 OL 11 4C083 4D077 4C083AB032 4C083AB051 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC092 4C083AC112 4C083AC122 4C083AC482 4C083AC901 4C083AC902 4C083AD042 4C083AD092 4C083AD112 4C083AD152 4C083AD332 4C083AD352 4C083AD571 4C083AD572 4C083AD662 4C083BB11 4C083CC05 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD31 4C083DD35 4C083EE01 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE10 4C083FF05 4D077AA09 4D077AB11 4D077AC01 4D077BA12 4D077DC38Y 4D077DC68Y 乳化型化粧料に関する。 レシチンは生物界に広く存在するリン脂質の混合物であり、主成分はC16〜C20の脂肪酸がエステル結合したホスファチジルコリンである。ホスファチジルコリン以外の成分としては、ホスファチジルエタノールアミン、少量のその他リン脂質、ステロール類を含有する。レシチンは乳化力を有するが、乳化力が弱いため、通常は乳化助剤としてポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤と併用されることが多い。 レシチンは食品にも使用される成分であり、安全性のイメージが高い。そこで、弱い乳化作用を持つレシチンを利用した乳化方法が研究され、合成界面活性剤を使用しない種々の乳化型化粧料が開示されている。例えば、レシチン、低級一価アルコール、多価アルコール、油分、水を含有する乳化皮膚化粧料(特許文献1:特開昭62−175414号公報)、レシチン、蛋白質を含有する化粧料(特許文献2:特開平1−52708号公報)、レシチン、高級アルコール、グリセリンを含有する乳化型化粧料(特許文献3:特開平5−4912号公報)、レシチン、水溶性高分子を含有するO/W型エマルション(特許文献4:特開平6−23256号公報)、レシチン、グルタミン酸ポリペプチドあるいはフルクタン、水溶性ポリヒドロキシ化合物含有水中油型乳化化粧料(特許文献5:特開平11−18697号公報)、レシチン、α−モノアルキルグリセリルエーテル、保湿剤を含有する化粧料組成物(特許文献6:特開2003−238381号公報)、水素添加レシチン、ペンチレングリコールあるいはイソプレングリコールを含有する水性化粧料(特許文献7:特開2004−51495号公報)が提案されている。しかしながら、いまだ、乳化安定性が十分とは言えず、新たな技術の開発が必要とされている。 また、大豆レシチン、卵黄レシチン等の天然リン脂質を加水分解して得られるリゾホスファチジルコリンに、C8〜C10の直鎖脂肪酸をエステル結合したホスファチジルコリンが開発され、化粧料に応用されている。前記ホスファチジルコリンで大豆油を乳化するとリゾレシチンあるいはレシチンよりも乳化安定性に優れることが開示されている(特許文献8:特開平2−174787号公報)。また、前記ホスファチジルコリンと増粘剤(特許文献9:特開2003−321319号公報)、スフィンゴ脂質(特許文献10:特開2003−321320号公報)、ムコ多糖類(特許文献11:特開2003−321339号公報)、アスコルビン酸類(特許文献12:特開2004−59496号公報)、トレハロース(特許文献13:特開2004−137205号公報)、硬タンパク質誘導体(特許文献14:特開2004−137206号公報)を含有する化粧料が開示されている。前記ホスファチジルコリンを用いた可溶化技術が開示されている(特許文献15:特開2003−342126号公報)。 これらの先行文献、先行発明にはレシチンあるいはホスファチジルコリンのもつ乳化作用についての記載が散見されるが、レシチンに関しては他の乳化助剤を併用した乳化型化粧料が開示されており、本発明者等もレシチン単独では十分な乳化性能を確認できていない。特開昭62−175414号公報特開平1−52708号公報特開平5−4912号公報特開平6−23256号公報特開平11−18697号公報特開2003−238381号公報特開2004−51495号公報特開平2−174787号公報特開2003−321319号公報特開2003−321320号公報特開2003−321339号公報特開2004−59496号公報特開2004−137205号公報特開2004−137206号公報特開2003−342126号公報 一般に乳化型化粧料ではPOE−ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤が汎用されているが、これらの界面活性剤を使用した乳化型化粧料は使用時に重たさやべたつき、違和感を感じることがある。レシチンは保湿成分としての機能性が高く、使用感が良いため、レシチンの弱い乳化力を用いた乳化方法が研究されているが、乳化安定性が不十分である。 本発明の課題は、従来の界面活性剤を使用する必要のない乳化型化粧料を提供することにある。特に、食品にも使用され、安全性の高い両親媒物質であるレシチンを使用し、一般の合成界面活性剤を使用しなくても安定性が高く、使用感の良い乳化型化粧料を提供することである。 本発明者らは、下記一般式(1)で表わされるホスファチジルコリンを20%以上含有するレシチンと下記一般式(2)で表わされるホスファチジルコリンとを併用することにより、安定な乳化型化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。 本発明の主な構成は、次のとおりである。1.油相成分と水相成分と乳化活性成分とを含有する乳化型化粧料であって、該乳化活性成分は一般式(1)で表わされるホスファチジルコリンを20%以上含有するレシチンと一般式(2)で表されるホスファチジルコリンであることを特徴とする乳化型化粧料。 一般式(1)(式中、R1、R2はC16〜C20の直鎖脂肪酸残基である) 一般式(2)(式中、R3はC14〜C22の直鎖脂肪酸残基であり、R4はC8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基である)2.油相成分として、炭化水素油及び/又は高級アルコールを含有することを特徴とする1.記載の乳化型化粧料。3.乳化粒径が5μm未満であることを特徴とする1.又は2.記載の乳化型化粧料。4.界面活性剤を含まないことを特徴とする1.〜3.いずれかに記載の乳化型化粧料。 それぞれ単独では十分な乳化作用を示さない一般式(1)で表わされるホスファチジルコリンを20%以上含有するレシチンと一般式(2)で表されるホスファチジルコリンを併用することにより、安全性、使用性に優れるリン脂質のみで、界面活性剤を使わずに安定な、乳化粒径の小さい乳化型化粧料を得ることができる。 一般式(1)で表わされるホスファチジルコリンを20%以上含有するレシチンと一般式(2)で表されるホスファチジルコリンを保湿剤、使用感改善剤などの化粧成分として作用させることができる。 使用感が非常によい乳化型化粧料を得ることができる。 本発明の技術を用いることで、併用する界面活性剤の使用量を減らすことができ、使用感に与えるマイナス要因を減らすことができる。 レシチン並びにホスファチジルコリンは保湿性、使用感に優れる成分であり、保湿成分のみで乳化したエマルジョンを提供できる。 レシチン並びにホスファチジルコリンは安全性が高い両親媒性物質である。 本発明で使用する下記一般式(1)で表わされるホスファチジルコリンを20%以上含有するレシチン(以下、本発明のレシチンと呼ぶ)は、卵黄や大豆等から採取されるリン脂質であり、主成分のホスファチジルコリン以外にホスファチジルエタノールアミン、少量あるいは微量のその他リン脂質、ステロール類を含有するものを用いることができる。レシチン中の不飽和炭素鎖は酸素、熱、光等により酸化され易いため、水素添加により不飽和結合を飽和結合に変えた水素添加レシチンを用いることが望ましい。本発明のレシチンは市販されているものを用いることができ、例えば、キューピー株式会社製卵黄レシチンPL−100、日光ケミカルズ株式会社製レシノールS−10、レシノールS−10M、レシノールS−10E、レシノールS−10EX、日清オイリオグループ株式会社製ベイシスLP−20H、ベイシスLS−60HRを使用することができる。 一般式(1)(式中、R1、R2はC16〜C20の直鎖脂肪酸残基である) 本発明で使用する下記一般式(2)で表わされるホスファチジルコリンは特許文献8〜15に記載された方法で合成することができる。合成方法の例を以下に示す。卵黄レシチン、大豆レシチンをホスホリパーゼAを用いて加水分解し、精製することにより、卵黄リゾホスファチジルコリン、大豆リゾホスファチジルコリンが得られる。これらリゾホスファチジルコリンの1位には、ほぼC14〜C22の直鎖脂肪酸がエステル結合している。これらリゾホスファチジルコリンの2位の水酸基にC8〜C10の直鎖脂肪酸をクロロホルム等の有機溶媒中でエステル結合させることにより本発明のホスファチジルコリンが得られる。エステル化反応の触媒として4−ジメチルアミノピリジン等、脱水剤としてN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド等を用いることができる。エステル化後、不溶物のろ過、イオン交換樹脂クロマトグラフィー、シリカゲルクロマトグラフィー等で精製することにより、本発明で使用する下記一般式(2)のホスファチジルコリンを得ることができる。 一般式(2)(式中、R3はC14〜C22の直鎖脂肪酸残基であり、R4はC8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基である) 本発明の乳化型化粧料の油相成分に含まれる油剤としては、炭化水素油系油性成分、高級アルコール系油性成分、植物油のような油脂系油性成分、シリコーン系油性成分等を用いることができる。特に炭化水素油、高級アルコールが安定な乳化型化粧料を得るために適している。 炭化水素油系油性成分としては、例えば、スクワラン、流動パラフィン、スクワレン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。 高級アルコール系油性成分として、例えば、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ラノリンアルコール、等の分枝鎖アルコール等が挙げられる。 油脂系油性成分としては、例えばツバキ油、月見草油、マカデミアナッツ油、(オリーブ油)、ナタネ油、トウモロコシ油、ゴマ油、ホホバ油、胚芽油、小麦胚芽油、トリオクタン酸グリセリン、等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ、モクロウ核油、硬化油、硬化ヒマシ油等の固体油脂、ミツロウ、キャンデリラロウ、綿ロウ、ヌカロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ等のロウ類が挙げられる。 高級脂肪酸系油性成分として、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)等が挙げられる。 シリコーン系油性成分として、例えば、鎖状ポリシロキサンのジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等、環状ポリシロキサンのデカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。 本発明の乳化型化粧料には、適用形態に応じて、多価アルコール、保湿剤、界面活性剤、防腐剤、糖類、金属イオン封鎖剤、水溶性高分子のような高分子、増粘剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、香料、pH調整剤等を含有させることができる。また、ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、美白剤、殺菌剤等の他の化粧成分や薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。 多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、イソプレングリコール等が挙げられる。 保湿剤として、例えば、キシリトール、マルチトール、マルトース、ソルビトール、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸、シクロデキストリン等が挙げられる。 界面活性剤は乳化の安定性を向上させる目的で少量添加することも可能である。従来用いられている界面活性剤の量よりは少量に押さえることができる。 界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。 非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類等が挙げられる。 アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシン酸、スルホコハク酸塩、N−アシルアミノ酸塩等が挙げられる。 カチオン界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。 両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン、アミドベタイン等のベタイン系界面活性剤等が挙げられる。 防腐剤として、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン等を挙げることができる。 金属イオン封鎖剤として、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、エデト酸、エデト酸ナトリウム塩等のエデト酸塩を挙げることができる。 水溶性高分子あるいは増粘剤として、例えば、アラビアゴム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、デキストラン、デキストリン、プルラン、カルボキシメチルデンプン、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、ベントナイト等を挙げることができる。 粉末成分としては、例えば、タルク、カオリン、雲母、シリカ、ゼオライト、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、セルロース粉末、無機白色顔料、無機赤色系顔料、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ等のパール顔料、赤色201号、赤色202号等の有機顔料を挙げることができる。 紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、等を挙げることができる。 紫外線遮断剤として、例えば、酸化チタン、タルク、カルミン、ベントナイト、カオリン、酸化亜鉛等を挙げることができる。 薬効成分としては、例えば、ビタミンA油、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩等のB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸モノパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシド等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、ビタミンD2、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類等のビタミン類を挙げることができる。プラセンタエキス、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ブナノキエキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等を挙げることができる。さらに、カミツレエキス、パセリエキス、ブナノキエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物を挙げることができる。 本発明の乳化型化粧料は、化粧水、乳液、クリーム、パック等の皮膚化粧料、メイクアップベースローション、メイクアップクリーム、乳液状又はクリーム状のファンデーションといったメイクアップ化粧料、ハンドクリーム、レッグクリーム、ボディローション等の身体用化粧料、入浴剤等とすることができる。 [実施例] 一般式(1)で表わされるホスファチジルコリンを25〜30%含有する水素添加レシチンとしてNIKKOL レシノール S−10を用いた。これを以下レシチン(A)とする。 一般式(2)で表わされるホスファチジルコリンとして、水素添加卵黄リゾホスファチジルコリンの2位の水酸基をn−オクタン酸でエステル化したものを用いた。これを以下ホスファチジルコリン(A)とする。 表1の処方で以下の手順により、実施例1〜3、比較例1〜3を調製した。まず、Aを80℃に加熱して撹拌しながら溶解する。Bを80℃に加熱してAに撹拌しながら徐々に添加する。次いで、80℃に加熱したCを撹拌しながら徐々に添加する。ホモミキサーで2500rpm5分撹拌後30℃に冷却する。 得られた乳化型化粧料の体積平均乳化粒径をMALVERN社のレーザ回折式粒度分布測定装置(MASTERSIZER2000)で測定した。 乳化粒径に基づき、乳化状態の良否を以下の基準により示した。 乳化状態 ◎:乳化粒子径 1μm未満 ○:乳化粒子径 1μm以上〜5μm未満 △:乳化粒子径 5μm以上〜10μm未満 ×:乳化粒子径 10μm以上 実施例1〜3の乳化粒径は5μm以下であり、安定な乳化型化粧料を得ることができた。特に、実施例1の乳化粒径は1μm未満であり、増粘剤なしで長期間安定な乳化状態を維持できる。レシチン(A)のみ、あるいはホスファチジルコリン(A)のみを使用した比較例1〜3の乳化粒径は10μm以上であり、乳化粒子が合一し易く不安定である。 処方例処方例1(乳液) 質量%1. 一般式(1)のホスファチジルコリンを 1.0 55〜65%含有する水素添加レシチン (NIKKOL レシノール S−10μ) 2. 一般式(2)のホスファチジルコリン 1.0 (ホスファチジルコリン(A))3. グリセリン 8.04. スクワラン 10.05. ヒアルロン酸ナトリウム 0.16. カルボキシビニルポリマー 0.17. キサンタンガム 0.18. メチルパラベン 0.29. 10%水酸化カリウム水溶液 0.210.精製水 残余(製法)1〜3を約80℃に加温溶解し、同じく約80℃に加温した4を添加する。これに、約80℃に加温した5〜8、10を加えてホモミキサーで撹拌後、9を加えて撹拌する。これを30℃まで冷却し、乳液を得た。処方例2(エモリエントクリーム) 質量%1. 一般式(1)のホスファチジルコリンを 2.0 25〜30%含有する水素添加レシチン (レシチン(A))2. 一般式(2)のホスファチジルコリン 1.0 (ホスファチジルコリン(A))3. グリセリン 10.04. 1,2−ペンタンジオール 2.05. PEG1500 2.06. 流動パラフィン 15.07. イソステアリルアルコール 5.08. ベヘニルアルコール 3.09. シリコーン 1.010.トコフェロール 0.111.カルボキシビニルポリマー 0.212.10%水酸化カリウム水溶液 0.513.精製水 残余(製法)1〜4を約80℃に加温溶解し、同じく約80℃に加温溶解した6〜10を添加する。これに、約80℃に加温した5、11、13を加えてホモミキサーで撹拌後、12を加えて撹拌する。これを30℃まで冷却し、エモリエントクリームを得た。 油相成分と水相成分と乳化活性成分とを含有する乳化型化粧料であって、該乳化活性成分は下記一般式(1)で表わされるホスファチジルコリンを20%以上含有するレシチンと下記一般式(2)で表されるホスファチジルコリンであることを特徴とする乳化型化粧料。 一般式(1)(式中、R1、R2はC16〜C20の直鎖脂肪酸残基である) 一般式(2)(式中、R3はC14〜C22の直鎖脂肪酸残基であり、R4はC8〜C10の直鎖飽和脂肪酸残基である) 油相成分として、炭化水素油及び/又は高級アルコールを含有することを特徴とする請求項1記載の乳化型化粧料。 乳化粒径が5μm未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の乳化型化粧料。 界面活性剤を含まないことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の乳化型化粧料。 【課題】従来の界面活性剤を使用する必要のない乳化型化粧料を提供する。【解決手段】油相成分と水相成分と乳化活性成分とを含有する乳化型化粧料であって、該乳化活性成分は一般式(1)で表わされるホスファチジルコリンを20%以上含有するレシチンと一般式(2)で表されるホスファチジルコリンであることを特徴とする乳化型化粧料。【選択図】 なし