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タイトル:特許公報(B2)_皮膚外用剤
出願番号:2005130730
年次:2011
IPC分類:A61K 31/56,A61K 9/06,A61K 9/08,A61K 31/573,A61K 33/30,A61K 47/36,A61K 47/38,A61P 1/00,A61P 1/02,A61P 17/00,A61P 17/02,A61P 17/04,A61P 17/14,A61P 17/16,A61P 29/00,A61P 31/04,A61P 37/08


特許情報キャッシュ

片野 高 村上 庸子 石井 強 本間 陽一 JP 4824337 特許公報(B2) 20110916 2005130730 20050428 皮膚外用剤 ロート製薬株式会社 000115991 長谷川 芳樹 100088155 清水 義憲 100128381 坂西 俊明 100176773 片野 高 村上 庸子 石井 強 本間 陽一 JP 2004138750 20040507 20111130 A61K 31/56 20060101AFI20111110BHJP A61K 9/06 20060101ALI20111110BHJP A61K 9/08 20060101ALI20111110BHJP A61K 31/573 20060101ALI20111110BHJP A61K 33/30 20060101ALI20111110BHJP A61K 47/36 20060101ALI20111110BHJP A61K 47/38 20060101ALI20111110BHJP A61P 1/00 20060101ALI20111110BHJP A61P 1/02 20060101ALI20111110BHJP A61P 17/00 20060101ALI20111110BHJP A61P 17/02 20060101ALI20111110BHJP A61P 17/04 20060101ALI20111110BHJP A61P 17/14 20060101ALI20111110BHJP A61P 17/16 20060101ALI20111110BHJP A61P 29/00 20060101ALI20111110BHJP A61P 31/04 20060101ALI20111110BHJP A61P 37/08 20060101ALI20111110BHJP JPA61K31/56A61K9/06A61K9/08A61K31/573A61K33/30A61K47/36A61K47/38A61P1/00A61P1/02A61P17/00A61P17/02A61P17/04A61P17/14A61P17/16A61P29/00A61P31/04A61P37/08 A61K 9/00− 9/72 A61K 31/00 33/44 A61K 38/00−49/22 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN) 特開昭61−212515(JP,A) 特開昭63−203613(JP,A) 特開2000−351738(JP,A) 特開2000−026299(JP,A) 特開2001−026551(JP,A) 特開平04−124134(JP,A) 11 2005343891 20051215 18 20080421 吉田 佳代子 本発明は、エステル化ステロイドと亜鉛化合物を配合してなる外用剤に関し、エステル化ステロイドを安定に保持する事のできる外用剤に関する。 ステロイド骨格を有する化合物は微量で高い生理活性を示すことが知られており、副腎皮質ホルモンは湿疹(アトピー性皮膚炎など)、痒疹(汗疹、じんましん、虫刺されなど)、皮膚炎、乾癬、膿疱などの治療に用いられている。ステロイド化合物は骨格上に二重結合を導入したり、置換基を様々に変化させることで作用を増強することなどが行われている。このためステロイド化合物は様々な誘導体が存在するが、エステル誘導体としては例えば、17位または21位にヒドロキシル基を有するステロイドがアセチル化やバレリル化されたものが挙げられる。これらのエステル化ステロイドは併用する化合物によって、製剤中で分解しやすくなることが知られており、安定化することが非常に重要な課題である。 エステル化ステロイドとの併用が難しい化合物としては、イミダゾール系抗真菌薬などの塩基性化合物、尿素、グリセリンなどが挙げられ、例えば、イミダゾール系抗真菌薬による不安定化には多価アルコールとHEC/HPC(特許文献1:特開平4−124134号公報)、尿素による不安定化には中性アミノ酸と無機塩(特許文献2:特開平7−97326号公報)を用いることによって、それぞれ安定化していることが報告されている。また、グリセリンによる不安定化、グリセリンとジフェンヒドラミンによる不安定化の促進を、極性油によって抑制していることも報告されている(特許文献3:特開2001−247463号公報)。 ところで、酸化亜鉛の患部の収斂・消炎・保護・緩和な防腐効果を期待して、エステル化ステロイドと酸化亜鉛などの亜鉛化合物を配合した皮膚外用剤が古くから市販されているが、近年エステル化ステロイドが酸化亜鉛との併用で分解することがわかってきた。酸化亜鉛との併用によるエステル化ステロイドの分解抑制は非常に重要な課題であるが、解決方法はいまだ報告されておらず、併用する亜鉛化合物の配合量を少量に限って外用剤としているのが現状である。 本発明は、亜鉛化合物の併用によるエステル化ステロイドの分解が抑制され、さらに高い抗炎症作用を有する皮膚外用剤を提供することを課題とする。 本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、エステル化ステロイドおよび亜鉛化合物3重量%以上を含有する組成物に、デンプン、結晶セルロースまたは水溶性高分子を配合することにより、エステル化ステロイドの製剤安定性が向上することを見出した。 すなわち、本発明は、以下の(1)〜(9)に示す液状又は半固形状皮膚外用剤である。(1)(A)エステル化ステロイド、(B)亜鉛化合物3重量%以上、および(C)デンプン、結晶セルロースおよび水溶性高分子からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する液状又は半固形状皮膚外用剤。(2)エステル化ステロイドがヒドロコルチゾン−21−酢酸エステル、プレドニゾロン−21−酢酸エステル、プレドニゾロン−17−吉草酸−21−酢酸エステルである(1)記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。(3)水溶性高分子が、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルピロリドン、キサンタンガム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである(1)または(2)記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。(4)さらに、塩基性有機化合物を含有する(1)〜(3)のいずれかに記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。(5)塩基性有機化合物が、リドカイン、ジブカイン、ベンゾカイン、プロカイン、メプリルカインおよびメピバカインからなる群より選ばれる1種又は2種以上である(1)〜(4)のいずれかに記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。(6)さらにキレート剤又は油性基剤を含有する(1)〜(5)のいずれかに記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。(7)実質的に無水である(1)〜(6)のいずれかに記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。(8)痔疾用である(1)〜(7)のいずれかに記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。(9)軟膏剤または液剤である(1)〜(8)のいずれかに記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 また、本発明は以下の(10)〜(13)に示すエステル化ステロイドの安定化方法をも包含する。(10)デンプン、結晶セルロースまたは水溶性高分子のいずれか1種以上、亜鉛化合物3重量%以上およびエステル化ステロイドを併用することを特徴とする、エステル化ステロイドの安定化方法。(11)さらに、塩基性有機化合物を併用する(10)記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。(12)さらにキレート剤および油性基剤のいずれかを併用する(10)または(11)記載のエステル化ステロイドの安定化方法。(13)実質的に無水である(10)〜(12)のいずれかに記載のエステル化ステロイドの安定化方法。 なお、本明細書中、特に言及しない限り、%は重量%を意味するものとする。 本発明では、亜鉛化合物およびエステル化ステロイドを含有する液状又は半固形状皮膚外用剤に、デンプン、結晶セルロースまたは水溶性高分子のいずれか1種以上を含有することによって、エステル化ステロイドの製剤安定性が向上する。このため、今まで少量の亜鉛化合物しか配合できなかった液状又は半固形状皮膚外用剤に対して3%以上の亜鉛化合物の配合が可能となった。発明の実施の形態 本発明においてエステル化ステロイドとは、水酸基を有するステロイドがエステル化されているものであれば特に制限されないが、17位または21位に水酸基を有するステロイドがエステル化されているものが好ましい。 ステロイドとしては、副腎皮質ホルモン、性ホルモンなどの生理活性ホルモンなどが挙げられ、具体的にはヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、クロベタゾン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルメタゾン、ベクロメタゾン、フルチカゾン、フルニソリドなどが挙げられ、好ましくはヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、クロベタゾンである。 エステル化するカルボン酸としては酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、安息香酸等が挙げられ、好ましくは酢酸、酪酸、吉草酸である。 エステル化ステロイドの具体例としては、例えば、ヒドロコルチゾン−21−酢酸エステル、ヒドロコルチゾン−17−酢酸エステル、ヒドロコルチゾン−17−酪酸エステル、ヒドロコルチゾン−17−吉草酸エステル、ヒドロコルチゾン−17−酪酸−21−プロピオン酸エステル、ヒドロコルチゾン−17−酪酸−21−プロピオン酸エステル、プレドニゾロン−21−酢酸エステル、プレドニゾロン−17−吉草酸−21−酢酸エステル、メチルプレドニゾロン−21−酢酸エステル、クロベタゾン−17−酪酸エステル、ベタメタゾン−21−酢酸エステル、ベタメタゾン−17−吉草酸エステル、ベタメタゾン−17−安息香酸エステル、ベタメタゾン−17,21−ジプロピオン酸エステル、ベタメタゾン−17−酪酸−21−プロピオン酸エステル、デキサメタゾン−21−吉草酸エステル、デキサメタゾン−21−酢酸エステル、デキサメタゾン−21−プロピオン酸エステル、フルメタゾン−21−酢酸エステル、フルメタゾン−21−ピバル酸エステル、プロピオン酸ベクロメタゾン等が挙げられ、特にヒドロコルチゾン−21−酢酸エステル(酢酸ヒドロコルチゾン)、プレドニゾロン−17−吉草酸−21−酢酸エステル(吉草酸酢酸プレドニゾロン)、クロベタゾン−17−酪酸エステル(酪酸クロベタゾン)が好ましい。 これらのエステル化ステロイドは単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤中におけるエステル化ステロイドの配合量は、効果を十分に発揮させつつ副作用の発現を回避でき、本発明の効果を奏する範囲であれば特に制限されない。具体的には、例えばヒドロコルチゾン−21−酢酸エステル、プレドニゾロン−17−吉草酸−21−酢酸エステルまたはクロベタゾン−17−酪酸エステルとして、液状又は半固形状皮膚外用剤全重量に対して各々通常0.001〜10%、好ましくは0.005〜5%、さらに好ましくは0.01〜1%である。 本発明に用いることができる亜鉛化合物は、医薬品または医薬部外品にて通常使用されているものであれば特に制限されないが、例えば、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛などが挙げられる。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤における亜鉛化合物の配合量は、3重量%以上で本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、皮膚外用剤全重量に対して3〜50%、好ましくは4〜30%、さらに好ましくは4〜15%、特に好ましくは10〜15%程度であれば良い。 また、本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤中において、エステル化ステロイドの製剤中の総量を1とすると、亜鉛化合物の重量配合比は、1〜300が好ましく、5〜200がより好ましく、10〜100が特に好ましい。 本発明に用いるデンプン、結晶セルロースおよび水溶性高分子は、医薬品または医薬部外品にて通常使用されているものであれば制限されない。特にデンプンおよび結晶セルロースは、医薬品添加物辞典に記載されている化合物である。 デンプンはアミロペクチンとアミロースの二成分から構成されるD−グルコースの重合体で、無味・無臭の白色粉末であり、具体的には例えば、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、カラスムギデンプン、タピオカデンプン、オオムギデンプン、溶性デンプン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン等が挙げられ、好ましくはトウモロコシデンプン、溶性デンプンである。 水溶性高分子は、比較的容易に水に溶解し分子の周りに多くの水を包含したヒドロゲルを形成する高分子であり、医薬品または医薬部外品にて通常使用されているものであれば特に制限されないが、具体的には例えば、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸アルキルコポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アルギン酸、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、デキストラン、ペクチンなどが挙げられる。これらはアルカリ金属塩でもよく、例えば、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。中でも好ましくは、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、ポリビニルピロリドン(K25、K30、K90)、キサンタンガム、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤中におけるデンプン、結晶セルロースおよび水溶性高分子の配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、液状又は半固形状皮膚外用剤全重量に対して通常0.001〜20%が好ましく、0.005〜18%がより好ましく、0.01〜15%がさらに好ましい。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤に、さらに塩基性有機化合物を配合することができる。塩基性有機化合物はエステル化ステロイドを不安定化するが、本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤では、エステル化ステロイドの安定性を保持することができる。 塩基性有機化合物は特に制限されないが、有機アミンであると好ましく、例えば、トルイジン誘導体、エタノールアミン誘導体、アリルプロピルアミン誘導体、エフェドリン誘導体、エチレンジアミン誘導体、イミダゾリン誘導体、プロカイン誘導体などの構造を有していると好ましく、具体的にはリドカイン、ジブカイン、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、ベンゾカイン、プロカイン、メプリルカインおよびメピバカインなどの局所麻酔剤、クロルフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、塩酸ジフェニルピラリン、イプロヘプチン、イソチペンジル、ジフェテロール、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジン等の抗ヒスタミン剤、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、エフェドリン、メチルエフェドリン、エピネフリン、メトキシフェナミン等の血管収縮剤、イトラコナゾール、塩酸アモロルフィン、塩酸クロコナゾール、塩酸テルビナフィン、塩酸ネチコナゾール、塩酸ブテナフィン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、シクロピロクスオラミン、硝酸イソコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、ビホナゾール、ピマリシン、フルコナゾール、フルシトシン、ミコナゾール、ラノコナゾール等の抗真菌剤等が挙げられる。 中でも、分子内に窒素原子を複数有しているリドカイン、ジブカイン、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、プロカイン、メプリルカイン、メピバカイン、プロカインアミドの他、エチレンジアミン誘導体、血管収縮剤・抗真菌剤などのイミダゾリン誘導体、プロカイン誘導体、さらにカルビノキサミン、ドキシラミン、クロルフェニラミン、トリプロリジンが好ましく、リドカイン、ジブカイン、塩酸リドカイン、塩酸ジブカイン、ベンゾカイン、プロカイン、メプリルカインおよびメピバカインが特に好ましい。 これらの塩基性有機化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤における塩基性有機化合物の配合割合は、液状又は半固形状皮膚外用剤全重量に対して通常0.001〜15%、好ましくは0.005〜10%、特に好ましくは0.01〜5%程度である。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤にさらにキレート剤を含有させると、エステル化ステロイドをより安定化できる。 本発明に用いることができるキレート剤は、医薬品または医薬部外品にて通常使用されているものであれば特に制限されないが、例えば、カルボン酸類(クエン酸、コハク酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸など)、リン酸類(メタリン酸、ポリリン酸、ピロリン酸、ヘキサメタリン酸、フィチン酸など)、ホスホン酸類(1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸など)、及びそれらの薬学上許容される塩類(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム・二水和物(エデト酸ナトリウム)、クエン酸ナトリウム、フィチン酸ナトリウム)などが挙げられる。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤中におけるキレート剤の配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、液状又は半固形状皮膚外用剤全重量に対して通常0.001〜1%、好ましくは0.005〜0.5%、特に好ましくは0.01〜0.1%程度であれば良い。0.001%以下では安定化効果が十分得られず、1%以上では安定化効果を損なうものではないものの、キレート剤が結晶で析出する等により液状又は半固形状皮膚外用剤としての品質が保てなくなる傾向にある。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤の基剤として油性基剤を用いると、エステル化ステロイドをより安定化できる。 本発明に用いることができる油性基剤は、医薬品または医薬部外品にて通常使用されているものであれば特に制限されないが、例えば、白色ワセリン、黄色ワセリン、流動パラフィン、パラフィン、スクワラン、スクワレン、ゲル化炭化水素、ハードファット、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシン、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピルなどの油分、高重合メチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、アルキル変性ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、メチルシクロポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、ステアロキシメチルポリシロキサン、セトキシメチルポリシロキサン、セチルジメチコン、セチルジメチコンコポリオール、ラウリルメチコンコポリオール、ステアリルジメチコンコポリオール、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーンなどのシリコーンなどがあげられ、好ましくは白色ワセリン、流動パラフィン、スクワラン、ゲル化炭化水素、ハードファット、マイクロクリスタリンワックスが挙げられる。 これらは、1種若しくは2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤中における油性基剤の配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、液状又は半固形状皮膚外用剤全重量に対して通常2〜95%、好ましくは5〜90%、特に好ましくは10〜85%の範囲から目的に応じて適宜選択、調製することができる。 また、本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤は、実質的に無水であるとよりエステル化ステロイドを安定化できるため、好ましい。ただし、マクロゴールやグリセリンなどの多価アルコールや植物抽出エキスなどの配合成分そのものに元来含まれている水については、製剤中に含有していても無水と判断する。具体的には、実質的無水とは、皮膚外用剤中の水の含有量が、通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であるものを指す。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤は、各種の用途を有する医薬品または医薬部外品の範疇に属するものであればよく、様々な症状の治療・予防剤として用いることができる。本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤の用途としては、例えば、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、丘疹、紅斑、湿疹(小児湿疹、主婦湿疹、脂漏性湿疹など)、かぶれ(おむつかぶれ、化粧かぶれ、かみそりまけ、うるしまけなど)、じんましん、虫刺され、しもやけ、あせも等痒みや炎症を治療するための皮膚炎治療剤、切傷、擦傷、股ずれ、靴擦れ、かき傷、さし傷、火傷、化膿性創傷、痔(内痔核、外痔核、裂肛、肛門周囲炎、痔瘻など)、ひび、あかぎれ等の治療や悪化を防止するための殺菌消毒剤や損傷治癒剤、水虫、ニキビ、とびひ等を治療するための感染性皮膚疾患治療剤又は抗菌剤、口唇炎、口角炎、口唇のひびわれ、ただれなどを治療するための口唇用治療剤、手指のあれ、ひじ・ひざ・かかと・くるぶし等の角化症、さめ肌を治療するための角質軟化剤、フケ、かゆみ、脱毛症の治療又は育毛のための毛髪用剤などの医薬品、手荒れ、肌荒れ、唇の荒れ、しもやけ・ひび・あかぎれ・ニキビ・かぶれの予防などに用いる医薬部外品、保湿などに用いる化粧品等が例示でき、特に好適な用途としては、アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、丘疹、紅斑、湿疹(主婦湿疹など)、かぶれ、じんましん、虫刺され、しもやけ、あせも等痒みや炎症を治療するための皮膚炎治療剤、痔等の治療や悪化を防止するための殺菌消毒剤や損傷治癒剤、水虫、ニキビ等を治療するための感染性皮膚疾患治療剤又は抗菌剤が挙げられる。中でも好ましくは痔の治療に用いる痔疾用である。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤は、顔、手、足、体など皮膚であればいずれにも適用でき、陰部周辺部、肛門部など、皮膚の角質が薄く、デリケートな部位においても問題なく使用することができる。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤は、必要に応じて種々の成分(薬理活性成分や生理活性成分を含む)を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。このような成分としては、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において一般的に外用剤に用いられる成分であれば特に制限されず、例えば、鎮痒剤、抗炎症剤、血管収縮剤、ビタミン剤、抗菌剤(にきび治療薬、腋臭防止薬などを含む)、抗ウイルス剤、抗真菌剤、創傷治癒剤、角質軟化剤、保湿剤、美白剤、収斂剤、抗酸化剤、発毛抑制剤、抗シワ剤などが挙げられる。本発明において好適な成分としては例えば、次のような成分が例示できる。 鎮痒剤:ノニル酸ワニリルアミド、サリチル酸、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、カプサイシン、カンフル、チモール、メントール、オイゲノール、ヒノキチオール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、コンフリーエキス、シソエキス、セージエキス、ボタンピエキス、ボダイジュエキスなど。 抗ヒスタミン剤:クロルフェニラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、塩酸ジフェニルピラリン、イプロヘプチン、イソチペンジル、ジフェテロール、トリプロリジン、トリペレナミン、トンジルアミン、プロメタジン、メトジラジン、カルビノキサミン、アリメマジンまたはこれらの塩など。 抗炎症剤:カンゾウ抽出物、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等のグリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、アラントイン又はその誘導体、インドメタシン、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ピロキシカム、ケトプロフェン、フェルビナク、サリチル酸メチル又はサリチル酸グリコール等のサリチル酸誘導体など。好ましくは、カンゾウ抽出物、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、アラントイン又はその誘導体など。 血管収縮剤:テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン、フェニレフリン、エフェドリン、メチルエフェドリン、エピネフリン、メトキシフェナミンまたはこれらの塩など。 ビタミン剤:レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のレチノール誘導体(ビタミンA類)、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、ビタミンA油、ビタミンA脂肪酸エステル等のビタミンA類、β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル等のニコチン酸類、アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビルなどのビタミンC類、メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類、フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類、γ−オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類、塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類、葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類、ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類、パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン、ビオチシン等のビオチン類、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類、そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子など。 抗菌剤:イソプロピルメチルフェノール、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム、ポリヘキサメチレンビグアニド、トリクロサン、トリクロロカルバニリド、クレゾールなど。 抗ウイルス剤:アシクロビル、ペンシクロビルなど。 抗真菌剤:イトラコナゾール、塩酸アモロルフィン、塩酸クロコナゾール、塩酸テルビナフィン、塩酸ネチコナゾール、塩酸ブテナフィン、クロトリマゾール、ケトコナゾール、シクロピロクスオラミン、硝酸イソコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、ビホナゾール、ピマリシン、フルコナゾール、フルシトシン、ミコナゾール、ラノコナゾールなど。 創傷治癒剤:アルミニウムクロロヒドロキシアラントイネート、酸化亜鉛など。 角質軟化剤:エチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、グリセリン、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、炭酸プロピレン、ヘキシルドデカノール、アラントイン、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、トリエタノールアミン、ジイソプロピルアジペート、エチルラウリレート、ラノリン、脂肪酸ジアルキロールアミド、サリチル酸、サリチル酸誘導体、尿素、イオウ、レゾルシン、グリコール酸、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど。 鎮痛剤:メフェナム酸、フルフェナム酸、インドメタシン、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、フェルビナク、アルクロフェナク、ブフェキサマク、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、プラノプロフェン、フェノプロフェン、フェングロフェン、フルルビプロフェン、ザルトプロフェン、ナプロキセン、フルビプロフェン、フルルビプロフェンアキセチル、フェンブフェン、リシプフェン、ピロキシカム、アンピロキシカム、テノキシカム、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、クロフェゾン、スリンダック、クリンダック、ベンザダック、L−メントール、カンファー、スルピリン、塩酸チアラミド、オルセノン、フェンチアザック、ベンタゾシン、メピリゾールなど。 保湿剤:グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングルコール、ポリエチレングリコール、ジグリセリントレハロースなどの多価アルコール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサンなどの高分子化合物、グリシン、アスパラギン酸、アルギニン等のアミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の天然保湿因子、セラミド、コレステロール、リン脂質などの脂質、カミツレエキス、アロエエキス、ハマメリスエキス、ローズマリーエキス、タイムエキス、チャエキス、シソエキスなどの植物抽出エキスなど。 美白剤:ビタミンA又はその誘導体、ビタミンC又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類、プラセンタ、アルブチン、コウジ酸、システイン、フィチン酸、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、カンゾウ、クチナシ、クジン、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、チョウジ等の植物に由来する成分、エキス及び精油など。 収斂剤:クエン酸、酒石酸、乳酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アラントインジヒドロキシアルミニウム、アルミニウムフェノールスルホン酸、アルミニウムクロロヒドロオキシド、タンニン、カフェイン、チャエキス、ハマメリスエキス、海藻エキスなど。 抗酸化剤:ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、エリソルビン酸、エデト酸ナトリウム、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、L−システイン塩酸塩など。 発毛抑制剤:イソフラボン、ダイズエキス、ヒオウギエキス、ドクダミエキス、イリス根エキス、パパイン酵素など。 抗シワ剤:ビタミンA及びその誘導体、グリコール酸、アシル化グルコサミン、カイネチン、ビタミンC、ビタミンE、アロエ、コラーゲン、ヒアルロン酸、トリペプチド、海藻エキス、マロニエエキス、ローズマリーエキス、ヤグルマソウエキスなど。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤は、保存安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野において一般的に用いられる各種の成分、例えば基剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料等を配合することができる。 基剤:ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、エタノール、マクロゴール、ポリエチレン末など。 界面活性剤:ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等のグリセリン脂肪酸類、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などの硬化ヒマシ油誘導体、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)などのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリンアルキルエーテルなど。 増粘剤:ポリエチレングリコール、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステルなど。 保存剤:安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなど。 pH調整剤:無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸など)、有機酸(乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、グルタミン酸、アミノエチルスルホン酸など)、グルコノラクトン、酢酸アンモニウム、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなど)、有機塩基(モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、リジンなど)など。 これらの成分は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。またそれらの配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、望ましくは薬事法上許容される上限配合量を限度に適宜選択使用することができる。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤は、種々の形態に調製することができる。例えば、軟膏剤、液剤(ローション状、乳液状、エアゾール状を含む)、ゲル剤、クリーム剤などの剤型が挙げられ、特に軟膏剤、液剤(ローション状、乳液状、エアゾール状を含む)に適用すると有用である。ゲル剤、軟膏剤とする場合、製剤中が実質的に無水であっても良い。 本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤の調製方法は、特に制限されず、通常の液状又は半固形状皮膚外用剤を調製するのに必要な各種成分などを適宜選択、配合して、常法により調製することができる。また、本発明の液状又は半固形状皮膚外用剤の外皮への適用量や用法は特に制限されず、通常、一日数回、適量を皮膚等の外皮に塗布するなどして用いることができる。 また、本発明は皮膚外用液剤も包含する。本発明の皮膚外用液剤において、亜鉛化合物が共存する製剤におけるエステル化ステロイドの安定化は、デンプン、結晶セルロースまたは水溶性高分子のいずれか1種以上を併用することによって達成できる。 本発明の皮膚外用液剤において、エステル化ステロイド、デンプン、結晶セルロース、水溶性高分子の配合量などは前記液状又は半固形状皮膚外用剤で用いたものと同様である。 また、本発明の皮膚外用液剤において、デンプン、結晶セルロースまたは水溶性高分子のいずれか1種以上、エステル化ステロイドおよび塩基性有機化合物は、同一製剤中に含有させても良いが、別製剤中に含有しているものを使用直前に混合、または相前後して使用することでも達成することができる。該組成物の製剤形態に応じて、1日あたり1回から数回に分けて、公知あるいは慣用されている方法にて用法・用量にて使用することができる。 また、本発明の皮膚外用液剤において、さらにキレート剤、油性基剤のいずれかを併用することができる。また本発明の方法において、実質的に無水として水を併用しないことができる。本発明の皮膚外用液剤において、キレート剤、油性基剤および実質的に無水とは前記液状又は半固形状皮膚外用剤で用いたものと同様である。 また本発明は、エステル化ステロイドの安定化方法をも包含する。本発明の方法において、亜鉛化合物が共存する製剤におけるエステル化ステロイドの安定化は、デンプン、結晶セルロースまたは水溶性高分子のいずれか1種以上を併用することによって達成できる。 本発明の方法において、エステル化ステロイド、デンプン、結晶セルロース、水溶性高分子の配合量などは前記液状又は半固形状皮膚外用剤で用いたものと同様である。 また、デンプン、結晶セルロースまたは水溶性高分子のいずれか1種以上、エステル化ステロイドおよび塩基性有機化合物を併用する方法については、同一製剤中に含有させても良いが、別製剤中に含有しているものを使用直前に混合、または相前後して使用することでも達成することができる。該組成物の製剤形態に応じて、1日あたり1回から数回に分けて、公知あるいは慣用されている方法にて用法・用量にて使用することができる。 また、本発明の方法において、さらにキレート剤、油性基剤のいずれかを併用することができる。また本発明の方法において、実質的に無水として水を併用しないことができる。本発明の方法において、キレート剤、油性基剤および実質的に無水とは前記液状又は半固形状皮膚外用剤で用いたものと同様である。 以下、実施例および比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。 試験例1 エステル化ステロイドのメタノール溶液中における安定化評価 表1に記載の処方に従って、精製水0.07mlおよびメタノール約20mlを混合した溶液に、酸化亜鉛0.4gと、トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはカルボキシビニルポリマーを投入して十分撹拌した後、ヒドロコルチゾン−21−酢酸エステルを加えて溶解させ、全量をメタノールで100mlとして製剤(液剤)を調製した。これを50℃の恒温槽にて保管し、96、300時間後にヒドロコルチゾン−21−酢酸エステルの残存率をHPLCにて定量した。 結果を表1に示す。 製剤4ではエステル化ステロイドの分解が速く、300時間後には約半分まで残存率が落ちているが、製剤1〜3においては分解速度が遅くなっており、96時間後には残存率89%以上、300時間後でも67%以上であった。特に製剤3のカルボキシビニルポリマーにおいては300時間後でも89%と高い残存率を示しており、本発明の有用性が示された。 このようにエステル化ステロイドが分解しやすい酸化亜鉛を含む溶液系において、ポリビニルピロリドン、トウモロコシデンプンまたはカルボキシビニルポリマーによって、エステル化ステロイドが顕著に安定化されていることが示された。 試験例2 エステル化ステロイドの製剤安定化評価 表2、3に記載の処方に従って、油性基剤および/またはマクロゴールに、前記基剤に溶解する成分(l−メントールを除く)を加温して溶解させた後、残りの成分を逐次添加してホモミキサーによる攪拌・分散を行い、撹拌しつつ30℃まで冷却して半固形状皮膚外用剤(軟膏剤)を調製した。これを40℃、湿度75%の恒温槽にて保管し、6ヶ月後に酢酸ヒドロコルチゾンの濃度をHPLCにて定量し、残存率(%)を算出した。また必要に応じて、3ヶ月後にも定量した。 結果を表2、3に示す。 表2から、10%の酸化亜鉛を含む製剤において、トウモロコシデンプン入りの実施例1では6ヶ月後でも残存率が約94%であるが、比較例1では6ヶ月後には約84%と実用に耐えないものであった。 また表3から、実施例2は6ヶ月後でも残存率がほぼ100%であり、実施例3〜5においても約90%の残存率であるのに対して、比較例2〜4では添加物や基剤について種々検討しているが、ステロイドエステルの安定化効果は不十分であることがわかった。 以上の結果から、亜鉛化合物を含有させる場合のエステル化ステロイドの分解を、デンプン、結晶セルロースおよびポリビニルピロリドンのいずれかを配合することで解決できることを知見し、3%以上の亜鉛化合物を含む製剤中で、エステル化ステロイドが安定化された製剤を得ることができることが示された。さらに、キレート剤を加えること、油性基剤を用いることでエステル化ステロイドの安定化をさらに向上させることができる。また、亜鉛化合物と塩基性化合物を併用した場合のエステル化ステロイドも安定化することができる。 試験例3 エステル化ステロイドおよび酸化亜鉛の併用による薬理評価 実施例1および実施例1から亜鉛を除いた比較例5の製剤を調製し、これらを試験製剤とした。 Wistar系ラットを、起炎処置前に36時間絶食を行い、起炎剤(6%クロトン油/エーテル混液:蒸留水:ピリジン:ジエチルエーテル=10:1:4:5)を綿棒に160μl浸し麻酔下で肛門部に10秒間差込み起炎させて、痔モデルラットを作成した。起炎4時間後に試験製剤150mgを肛門部から挿入し、アロンアルファおよびクリップで肛門部を閉じた。起炎24時間後に、直腸肛門部を摘出し、肛門上皮の生際から5mm〜20mmの15 mmの湿重量を測定し、直腸肛門係数(RAC:直腸肛門部の湿重量(g)/体重(g)×1000)を算出した。 また対照例として、製剤を投与しない無処置のラットのRAC、製剤を投与しない痔モデルラットの起炎24時間後のRACを算出した。 結果を表4に示す。 対照例2に比べて、実施例1は有意なRACの減少が認められ、無処置群の対照例1とほぼ同程度まで炎症が抑制された。比較例5では、対照例2に比べてわずかな減少傾向が認められにとどまった。これらの結果より、実施例1は痔に対して有効性が高いことが示された。 以下に製剤実施例を挙げる。なお、以下の実施例中の配合量は、特に単位の記載のないものについてはすべて重量%を表す。実施例6(軟膏) 吉草酸酢酸プレドニゾロン 0.15 酸化亜鉛 4.0 トウモロコシデンプン 5.0 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2 リドカイン 1.0 アラントイン 0.2 イソステアリルアルコール 3.0 オクチルドデカノール 2.0 セタノール 1.5 マクロゴール400 50 マクロゴール4000 残量 計 100%実施例7(軟膏) 酢酸プレドニゾロン 0.1 酸化亜鉛 10 結晶セルロース 5.0 塩酸リドカイン 1.0 パラフィン 8.0 流動パラフィン 2.0 白色ワセリン 残量 計 100%実施例8(軟膏) 酢酸ヒドロコルチゾン 0.5 酸化亜鉛 15.0 バレイショデンプン 3.0 塩酸ジブカイン 0.5 パラフィン 8.0 流動パラフィン 2.0 ゲル化炭化水素 残量 計 100%実施例9(液剤) 酪酸クロベタゾン 0.05 酸化亜鉛 3.0 カルボキシビニルポリマー 0.5 ヒドロキシエチルセルロース 0.3 クロタミトン 5.0 ジフェンヒドラミン 1.0 無水エタノール 35 プロピレングリコール 15 精製水 残量 計 100%実施例10(ゲル) 酢酸デキサメタゾン 0.5 酸化亜鉛 10 カルボキシビニルポリマー 1.0 カラギーナン 0.10 ジブカイン 1.0 無水エタノール 15 濃グリセリン 10 1,3-ブチレングリコール 5.0 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60 4.0 トリエタノールアミン 0.40 精製水 残量 計 100%実施例11(クリーム) 吉草酸酢酸プレドニゾロン 0.15 硫酸亜鉛 5.0 カルボキシビニルポリマー 1.0 キサンタンガム 0.3 アラントイン 0.2 1,3-ブチレングリコール 10 パルミチン酸イソプロピル 3.0 モノステアリン酸ソルビタン 3.0 モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 3.0 トリエタノールアミン 0.5 精製水 残量 計 100% (A)エステル化ステロイド、(B)亜鉛化合物3重量%以上、および(C)デンプンおよび結晶セルロースからなる群より選ばれる1種以上を含有する液状又は半固形状皮膚外用剤。 エステル化ステロイドがヒドロコルチゾン−21−酢酸エステル、プレドニゾロン−21−酢酸エステル、プレドニゾロン−17−吉草酸−21−酢酸エステルである請求項1記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 さらに、塩基性有機化合物を含有する請求項1又は2に記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 塩基性有機化合物が、リドカイン、ジブカイン、ベンゾカイン、プロカイン、メプリルカインおよびメピバカインからなる群より選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 さらに、キレート剤および油性基剤からなる群より選ばれる1種以上を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 実質的に無水である請求項1〜5のいずれか一項に記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 痔疾用である請求項1〜6のいずれか一項に記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 軟膏剤又は液剤である請求項1〜7のいずれか一項に記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 さらに、鎮痒剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、血管収縮剤、ビタミン剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、創傷治癒剤、角質軟化剤、鎮痛剤、保湿剤、美白剤、収斂剤、抗酸化剤、発毛抑制剤、抗シワ剤、基剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤およびpH調整剤からなる群より選択される1種又は2種以上を含有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 さらに、スクワラン、酢酸トコフェロール、アラントイン、メントール、イソプロピルメチルフェノール、マクロゴール、タルク、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリビニルピロリドン、プラスチベース、ワセリン、流動パラフィン、モノステアリン酸グリセリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、セタノール、パラフィン、ゲル化炭化水素、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、クロタミトン、ジフェンヒドラミン、エタノール、プロピレングリコール、カラギーナン、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、トリエタノールアミン、キサンタンガム、パルミチン酸イソプロピル、モノステアリン酸ソルビタンおよびモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンからなる群より選択される1種又は2種以上を含有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の液状又は半固形状皮膚外用剤。 デンプン又は結晶セルロースのいずれか1種以上、亜鉛化合物およびエステル化ステロイドを併用することを特徴とする、エステル化ステロイドの安定化方法。


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