生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_カチオン性化粧料用基剤
出願番号:2005125288
年次:2006
IPC分類:A61K 8/72,A61K 8/00,A61Q 5/00


特許情報キャッシュ

村上 秀夫 向山 高広 JP 2006298860 公開特許公報(A) 20061102 2005125288 20050422 カチオン性化粧料用基剤 大阪有機化学工業株式会社 000205638 細田 芳徳 100095832 村上 秀夫 向山 高広 A61K 8/72 20060101AFI20061006BHJP A61K 8/00 20060101ALI20061006BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20061006BHJP JPA61K7/00 JA61K7/06 3 OL 12 4C083 4C083AD091 4C083AD092 4C083BB34 4C083CC01 4C083CC31 4C083CC32 4C083CC38 4C083CC39 4C083EE25 4C083EE28 4C083FF01 本発明は、カチオン性化粧料用基剤に関する。さらに詳しくは、シャンプー、リンス、毛髪化粧料などのカチオン性整髪用基剤などに好適に使用しうるカチオン性化粧料用基剤に関する。 一般に、ヘアコンディショナーなどの毛髪の補修を目的としたヘアケア化粧品には、毛髪が負に帯電していることから、カチオン性基を毛髪表面に吸着させるために、カチオン性ポリマーが用いられている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、これらのカチオン性ポリマーには、そのカチオン性ポリマーから形成されたフィルムが剛直であり、毛髪に用いたときに毛髪にゴワツキが生じるという欠点がある。 また、他のカチオン性ポリマーとして、塩化ジメチルジアリルアンモニウム−アクリルアミド共重合体やカチオン化セルロースなどが用いられた基剤が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、これらのカチオン性ポリマーには、毛髪に塗布した際にゴワツキが生じ、毛髪への付着力が不十分であるため、洗髪の際に毛髪上に残存しがたいことから、十分なコンディショニング効果が発現されないという欠点がある。特公昭56-4533号公報特表平11-500417号公報特開平08-231649号公報特開平06-107526号公報 本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、その使用時には毛髪にゴワツキを与えずに柔軟性を付与し、洗髪後には毛髪に摩擦感を与えずに柔軟性を維持するカチオン性化粧料用基剤を提供することを課題とする。 本発明は、式(I):(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R5は有機基、Aは酸素原子または−NH−基、B−は陰イオンを示す)で表されるモノマーを主成分として含有するモノマー組成物を重合させてなるポリマーからなるカチオン性化粧料用基剤に関する。 本発明のカチオン性化粧料用基剤は、その使用時には毛髪にゴワツキを与えずに柔軟性を付与し、洗髪後には毛髪に摩擦感を与えずに柔軟性を維持するという優れた効果を奏する。 式(I)で表されるモノマーは、毛髪のケラチンに吸着しやすいという性質を有する。したがって、該モノマーを含有するモノマー組成物を重合させて得られるポリマーは、毛髪との密着性に優れ、毛髪に使用した後に洗髪した場合であっても毛髪に残存しやすいので、毛髪に摩擦感を与えずに優れた柔軟性を付与する。 式(I) において、R1は、水素原子またはメチル基を示す。R2は、炭素数1〜4のアルキレン基を示す。R2のなかでは、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基およびイソプロピレン基が好ましい。 R3およびR4は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を示す。これらの基のなかでは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基およびn−ブチル基が好ましい。 R5は、有機基を示す。有機基の具体例としては、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数2〜6のカルボキシアルキル基、炭素数2〜6のカルボキシアルキレン基などが挙げられる。これらの基のなかでは、メチル基、エチル基、ベンジル基およびカルボキシメチル基が好ましい。 Aは、酸素原子または−NH−基を示す。B−は、陰イオンを示す。B−の好適な例としては、炭素数1〜4のアルキルクロライドイオン、アルキル基の炭素数が1〜4の1価のジアルキル硫酸イオン、炭素数6〜8のアリールクロライドイオン、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキル硫酸ハライド、ハロゲンイオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸水素イオン、重亜硫酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。前記ハライドにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。前記ハロゲンイオンにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。B−のなかでは、炭素数1〜4のアルキルクロライドイオン、アルキル基の炭素数が1〜4の1価のジアルキル硫酸イオンおよび炭素数6〜8のアリールクロライドイオンが好ましい。 式(I) で表されるモノマーの具体例としては、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのメチルクロライド塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのジメチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのベンジルクロライド塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのメチルクロライド塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのジメチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのベンジルクロライド塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのメチルクロライド塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのジメチル硫酸塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのジエチル硫酸塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートのベンジルクロライド塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのメチルクロライド塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのジメチル硫酸塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのジエチル硫酸塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのベンジルクロライド塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドのジメチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドのジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドのベンジルクロライド塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのジメチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのジエチル硫酸塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのベンジルクロライド塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドのジメチル硫酸塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドのジエチル硫酸塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドのベンジルクロライド塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのジメチル硫酸塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのジエチル硫酸塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのベンジルクロライド塩、N-(メタ)アクリロイルオキシメチル-N,N- ジメチルアンモニウム- α-N- カルボキシベタイン、N-(メタ)アクリロイルオキシエチル-N,N- ジメチルアンモニウム- α-N- カルボキシベタイン、N-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-N,N- ジメチルアンモニウム-α-N- カルボキシベタイン、N-(メタ)アクリロイルオキシメチル-N,N- ジエチルアンモニウム- α-N- カルボキシベタイン、N-(メタ)アクリロイルオキシエチル-N,N- ジエチルアンモニウム- α-N- カルボキシベタイン、N-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-N,N- ジエチルアンモニウム- α-N- カルボキシベタイン等が挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。 なお、本明細書において、「(メタ)アクリ」は、「アクリ」および/または「メタクリ」を意味する。 式(I) で表されるモノマーのなかでは、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのメチルクロライド塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのジエチル硫酸塩およびN,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド塩が好ましく、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。 なお、モノマー組成物には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、式(I) で表されるモノマー以外のモノマーが含有されていてもよい。 式(I) で表されるモノマー以外のモノマーの代表例としては、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーが挙げられる。エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーは、本発明の化粧料用基剤の用途や要求される物性に応じて適宜選択して用いることができる。 エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの代表例としては、エステル部分の炭素数が1〜24の(メタ)アクリル酸エステル、単官能モノマー、(メタ)アクリル系多官能モノマーなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。 エステル部分の炭素数が1〜24の(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩;(メタ)アクリル酸アンモニウム塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(-メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸エチルカルビトール、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸ベンジルなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。 単官能モノマーの具体例としては、(メタ)アクリルアミド;N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-オクチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその3級塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびその3級塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその3級塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびその3級塩、N-t- ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその3級塩、N-t- ブチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびその3級塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびその3級塩、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびその3級塩、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびその3級塩、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびその3級塩、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、スチレン、イタコン酸、イタコン酸メチル、イタコン酸エチル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。 (メタ)アクリル系多官能モノマーの具体例としては、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2-n-N-ブチル-2- エチル-1,3- プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メチレンビスアクリルアミド、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系多官能モノマーが挙げられ、これらのモノマーは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。 モノマー組成物は、式(I) で表されるモノマーを主成分とするものである。ここで、式(I) で表されるモノマーを主成分とするとは、モノマー組成物における式(I) で表されるモノマーを50重量%以上、好ましくは60重量%、より好ましくは80重量%以上含有することを意味する。その使用時には毛髪にゴワツキを与えず、また洗髪後には毛髪に摩擦感を与えずに柔軟性を維持する観点から、モノマー組成物における式(I) で表されるモノマーの含有量は、好ましくは60〜100 重量%、より好ましくは80〜99重量%である。 モノマー組成物における式(I) で表されるモノマー以外のモノマーの含有量は、その使用時には毛髪にゴワツキを与えず、洗髪後には毛髪に摩擦感を与えず、豊かな柔軟性を維持する観点から、0 〜20重量%であることが好ましい。また、式(I) で表されるモノマー以外のモノマーを用いることによる効果を十分に発現させる観点から、モノマー組成物における式(I) で表されるモノマーの含有量は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは60〜100重量%、さらに好ましくは80〜99重量%であり、式(I) で表されるモノマー以外のモノマーの含有量は、好ましくは0〜50重量%、より好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。 本発明のカチオン性化粧料用基剤は、例えば、モノマー組成物を水や有機溶媒などの溶媒中で溶液重合させることによって容易に得ることができる。さらに詳しくは、モノマー組成物を溶媒に十分に溶解させ、必要により加熱攪拌しながら重合開始剤を添加することにより、重合させることができる。 有機溶媒の種類には特に限定がないが、本発明のカチオン性化粧料用基剤が化粧料などの用途に使用されることを考慮すれば、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類が好ましい。 溶媒の量は、特に限定されないが、通常、モノマー組成物を溶解させた溶液におけるモノマー組成物の濃度が10〜80重量%程度となるように調整することが好ましい。なお、モノマー組成物の濃度が15重量%を超える場合には、重合の際に急激な発熱を発生するのを回避する観点から、モノマー組成物を分割し、徐々に添加しながら重合させることが好ましい。 重合開始剤は、一般に溶液重合の際に用いられているものであればよく、特に制限がない。重合開始剤の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸化合物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。 重合温度は、用いられる重合開始剤の種類などによって異なるが、通常、重合開始剤の10時間半減期温度付近とすることが望ましい。 また、重合雰囲気は、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性雰囲気であることが好ましい。 重合時間は、用いられるモノマーの種類および量、重合温度などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、未反応モノマーが残存するのを回避する観点および生産効率の観点から、5〜20時間程度であることが好ましい。 かくしてモノマー組成物を重合させることによって得られるポリマーの粘度平均分子量は、好ましくは1000〜5000000 であるが、その用途が化粧料である点を考慮すれば、より好ましくは10000〜2000000、さらに好ましくは10000〜1000000である。 なお、モノマー組成物を重合させることによって得られた反応混合物は、そのままの状態で化粧料用基剤として用いてもよく、反応混合物を溶媒で希釈した後に化粧料用基剤として用いてもよく、あるいは反応混合物から生成したポリマーを単離し、そのポリマーを水で溶解させたポリマー水溶液を化粧料用基剤として用いてもよい。 本発明の化粧料用基剤は、各種化粧料に好適に用いることができる。化粧料としては、例えば、整髪用スプレー、整髪用ジェル、整髪用ミスト、整髪用フォーム、整髪用クリーム、整髪用ワックス、整髪用カラースプレー、整髪用カラーフォーム、マスカラ、シャンプー、リンスなどの毛髪化粧料;ハンドクリームなどの皮膚化粧料、顔面パック、マニキュアなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。 本発明の化粧料用基剤の使用量は、その化粧料などの種類によって異なり、一概には決定することができないため、その種類に応じて適宜調整することが好ましい。 本発明の化粧料用基剤を、例えば、整髪用ジェルに用いる場合には、整髪用ジェルにおける化粧料用基剤の含有量(樹脂固形分量、以下同じ)は、好ましくは0.5 〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%である。整髪用ジェルに用いられる増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸の架橋物などのアニオン性のカルボキシルビニルポリマー、カチオン性のビニルピロリドン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、ノニオン性のヒドロキシエチルセルロース、ノニオン性のヒドロキシメチルセルロースなどが挙げられる。整髪用ジェルにおける増粘剤の含有量は、0.1 〜10重量%、好ましくは0.3 〜5重量%であることが望ましい。整髪用ジェルには、一般に整髪用ジェルに用いられている界面活性剤、キレート剤、香料、着色料などの成分が適宜用いられていてもよい。なお、整髪用ジェルの残部は溶媒である。溶媒としては、例えば、精製水、エタノール、グリセリン、1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコールなどが挙げられる。 本発明の化粧料用基剤を、例えば、整髪用フォームに用いる場合には、整髪用フォームにおける化粧料用基剤の含有量は、好ましくは0.5 〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%である。整髪用フォームには、一般に整髪用フォームに用いられているポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などのノニオン界面活性剤、セタノールなどの高級アルコール、流動パラフィン、シリコーン誘導体などの成分が適宜用いられていてもよい。なお、整髪用フォームの残部は溶媒である。溶媒としては、例えば、精製水、エタノーなどが挙げられる。 次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。実施例1 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド塩(以下、DMA-MCという) 90g 、アクリルアミド(以下、AAm という) 10g および精製水 200gを加えた後、さらにアゾビスイソブチロニトリル 0.1g を加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で78〜80℃の温度で6時間重合反応を行った。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、精製水 200g を加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤(毛髪用基剤)を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、80万であった。実施例2 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロライド塩(以下、DMMA-MC という) 95g 、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート(以下、DMA という) 3g、ジアセトンアクリルアミド(以下、DAAmという) 2gおよび精製水 250 g を加えた後、重合開始剤としてジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)〔和光純薬工業(株)製、品番:V-601〕0.5gを加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で68〜72℃の温度で8時間重合反応を行った。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、精製水200g を加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、70万であった。実施例3 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートのジエチル硫酸塩(以下、DMMA-DS という) 90g とN-ビニルピロリドン(以下、NVP という) 10g 、エタノール 200g およびアゾビスイソバレロニトリル 0.05gを加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で75〜80℃の温度で8時間重合反応を行なった。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、エタノール 200g を加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、10万であった。実施例4 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、DMMA-DS 90g、NVP 10g 、エタノール 200g およびアゾビスイソバロニトリル 0.05gを加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で75〜80℃の温度で8 時間重合反応を行なった。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、エタノール 200g を加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、50万であった。実施例5 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、DMA-MC 30g、N,N-ジエチルアミノプロピルメタクリルアミドのメチルクロライド塩(以下、DMAPMA-MC という) 55g 、DMA 10g 、AAm 5g、ブチルメタクリレート(以下、BMA という) 5g、エタノール 100g および重合開始剤として2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド〔和光純薬工業(株)製、品番:V-50〕 0.1g を加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で75〜80℃の温度で8時間重合反応を行なった。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、エタノール 300gを加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、15万であった。実施例6 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、DMA-MC 20g、NVP 3.3gおよび精製水 200gを加えた後、さらにアゾビスイソブチロニトリル 0.1gを加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で78〜80℃の温度で重合反応を30分間行なった。その後、DMA-MC 60gおよびNVP 16.7gを2時間かけて滴下した後、6時間重合反応を行なった。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、精製水 200gを加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、120万であった。実施例7 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、DMA 5gおよび精製水 200gを加えた後、さらにアゾビスイソブチロニトリル 0.1gを加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で78〜80℃の温度で重合反応を30分間行なった。その後、DMA-MC 60gおよびDMA 35gを2時間かけて滴下した後、6時間重合反応を行なった。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、精製水 200gを加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、140万であった。実施例8 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、DMMA-DS 99g とNVP1g 、エタノール 200g およびアゾビスイソバレロニトリル 0.05gを加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で75〜80℃の温度で8時間重合反応を行なった。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、エタノール 200g を加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、90万であった。比較例1 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、DMMA-DS 20g、NVP 80gおよび精製水 400gを加えた後、ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)〔和光純薬工業(株)製、品番:V-601〕 0.1gを加えて加熱攪拌しながら窒素気流下で68〜72℃の温度で8時間重合反応を行なった。 得られた反応混合物には、ポリマーが20重量%含まれており、この反応混合物を50℃まで冷却した後、エタノール300gを加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、50万であった。比較例2 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、DMA-MC 15gとAAm 85gおよびエタノール 100gを仕込み、均一に溶解させた後、得られたモノマー溶液の半量を抜き出し、アゾビスイソバレロニトリル 0.05gを加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で75〜85℃の温度で重合反応を行った。 次に、抜き出したモノマー溶液を2時間かけて反応容器内に滴下した。滴下終了後、8時間重合反応を行なった。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、エタノール 300gを加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、20万であった。比較例3 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた1L容の反応器内に、DMAPAA-DS 45gとAAm 15g、NVP 40g、精製水 300gおよび2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド〔和光純薬工業(株)製、品番:V-50〕0.5gを加え、加熱攪拌しながら窒素気流下で75〜80℃の温度で8時間重合反応を行なった。 得られた反応混合物を50℃まで冷却した後、精製水 100gを加えて均一な溶液となるまで攪拌し、ポリマーの含有量が20重量%の化粧料用基剤を得た。得られた化粧料用基剤に含まれているポリマーの粘度平均分子量をウベローデ粘度計で測定したところ、30万であった。 次に、各実施例および各比較例で得られた化粧料用基剤の物性を以下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。(1) 摩擦感 摩擦感の測定には、市販されている人毛〔(株)ビューラックス製、根元揃え〕を用いた。この人毛を市販のシャンプーで洗髪した後、200本の毛髪を幅2cm内に並べ、長さ5cmで固定し、毛髪サンプルを作製した。(a) 塗布前の毛髪サンプルの摩擦感(MIU)の測定 毛髪サンプルの摩擦感(MIU)を摩擦感テスター〔(株)カトーテック製、品番:KRS-SE〕で3回測定し、その平均値を求めた。(b) 塗布後の毛髪サンプルの摩擦感(MIU)の測定 各実施例または各比較例で得られた化粧料用基剤の1重量%水溶液を調製し、その水溶液 0.1gを前記毛髪サンプルに均一に塗布した後、50℃の温風で1時間乾燥し、前記と同様にして摩擦感(MIU)を3回測定し、その平均値を求めた。(c) 洗髪後の毛髪サンプルの摩擦感(MIU)の測定 前記(b)で得られた毛髪サンプルを5L/minの流水で1分間濯ぎ、50℃の温風で1時間乾燥した後、摩擦感(MIU)を3回測定し、その平均値を求めた。 次に、前記(a)〜(c)で得られた各摩擦感(MIU)を以下の評価基準に基づいて評価した。〔評価基準〕 ◎:MIU値が0.8未満 ○:MIU値が0.8以上0.9未満 △:MIU値が0.9以上1.0未満 ×:MIU値が1.0以上(2) 柔軟性 柔軟性の測定には、市販されている人毛〔(株)ビューラックス製、根元揃え〕を用いた。この人毛を長さ30cm、重さ2gに揃え、市販のシャンプーで洗髪した後、乾燥させ、評価用毛束を作製した。 各実施例または各比較例で得られた化粧料用基剤の1重量%水溶液を調製し、その水溶液0.1gを前記評価用毛束に均一に塗布し、50℃の温風で1時間乾燥させ、試験用サンプルを作製した。(a) 塗布後の柔軟性 前記で得られた試験用サンプルの感触を手指によって調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。(b) 洗髪後の柔軟性 前記で得られた試験用サンプルを5L/minの流水で1分間洗髪した後、50℃で1時間乾燥させた後、試験用サンプルの感触を手指によって調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。〔評価基準〕 ◎:柔軟性が非常に高い。 ○:柔軟性が高い。 △:柔軟性が低い。 ×:柔軟性が非常に低い。 表1に示された結果から、各実施例で得られた化粧料用基剤は、その使用時において毛髪にゴワツキを与えずに柔軟性を付与し、洗髪後でも毛髪に摩擦感を与えずに柔軟性を維持することがわかる。 本発明のカチオン性化粧料用基剤は、例えば、シャンプー、リンス、毛髪化粧料などのカチオン性整髪用基剤などに好適に使用することができる。 式(I):(式中、R1 は水素原子またはメチル基、R2 は炭素数1〜4のアルキレン基、R3 およびR4 はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R5 は有機基、Aは酸素原子または−NH−基、B− は陰イオンを示す)で表されるモノマーを主成分として含有するモノマー組成物を重合させてなるポリマーからなるカチオン性化粧料用基剤。 式(I) で表されるモノマーが、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのメチルクロライド塩、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートのジエチル硫酸塩およびN,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1記載のカチオン性化粧料用基剤。 モノマー組成物における式(I) で表されるモノマーの含有量が80〜99重量%である請求項1記載のカチオン性化粧料用基剤。 【課題】使用時には毛髪にゴワツキを与えずに柔軟性を付与し、洗髪後には毛髪に摩擦感を与えずに柔軟性を維持するカチオン性化粧料用基剤を提供すること。 【解決手段】式(I): 【化1】(式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜4のアルキレン基、R3およびR4はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、R5は有機基、Aは酸素原子または−NH−基、B-は陰イオンを示す)で表されるモノマーを主成分として含有するモノマー組成物を重合させてなるポリマーからなるカチオン性化粧料用基剤。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る