生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_吸湿インジケータ機能付き乾燥剤
出願番号:2005110522
年次:2011
IPC分類:B01D 53/26,B32B 27/00,G09F 3/02,G01N 21/59


特許情報キャッシュ

千葉 英輔 小川 達也 小山 拓 小泉 真一 JP 4804783 特許公報(B2) 20110819 2005110522 20050407 吸湿インジケータ機能付き乾燥剤 共同印刷株式会社 000162113 藤井 紘一 100097021 依田 孝次郎 100090631 千葉 英輔 小川 達也 小山 拓 小泉 真一 20111102 B01D 53/26 20060101AFI20111013BHJP B32B 27/00 20060101ALI20111013BHJP G09F 3/02 20060101ALI20111013BHJP G01N 21/59 20060101ALI20111013BHJP JPB01D53/26 101AB32B27/00 ZG09F3/02 UG01N21/59 Z B01D 53/26−53/28 B32B 1/00−35/00 B29D 9/00 G01N 21/59 G09F 3/02 特開2002−206046(JP,A) 実開昭63−193527(JP,U) 実開平05−085424(JP,U) 特開平06−262028(JP,A) 7 2006289198 20061026 11 20080219 安積 高靖 本発明は、シート状、板状又は袋状の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤に関し、詳しくは主乾燥剤がシート状又はフィルム状、若しくは乾燥剤成型体からなり、このような乾燥剤の吸湿性能を指示するインジケータ機能付き乾燥剤に関するものである。 一般に、乾燥製品ではシリカゲル、塩化カルシウム等の乾燥剤を小袋に包装して包装体内に同封し利用しているが、包装の作業性が悪い。また、シリカゲル自体は白色の物質であり、外観からは吸湿性能を確認することができない。このようなことから吸湿性能を確認可能なもの、即ち吸湿インジケータ機能付きの乾燥剤とし、シリカゲルに塩化コバルトを混合し、乾燥状態では青色を呈し、大気中の湿気を吸収して桃色を呈するようにしたものがある。 例えば、吸湿機能を有する乾燥剤としては、図6に示す袋状の湿度インジケータ付き除湿剤がある。この除湿剤は吸湿剤シート1を不織布による袋4内に収納したものであり、吸湿剤シート1にはバリア性フィルム3で覆われた吸湿性湿度インジケータ2が貼着されている。吸湿性湿度インジケータ2には吸湿性湿度インジケータ2が塩化コバルトが含有し、また、バリア性フィルム3には微小孔が設けられ、この微小孔を通して吸湿性湿度インジケータ2が含水し色がブルーからピンクに変色し、乾燥時はピンクからブルーに変色することにより吸湿性能を視認することができる。(例えば、特許文献1参照)実開昭64−28934号公報(明細書全文,図面図1) 従来例の特許文献1は、吸湿インジケータ物質として塩化コバルトが使用されており、現在コバルトのような重金属を使用した吸湿インジケータ付き乾燥剤は、塵として排出されて焼却されると、重金属が生活環境空間に排出されることになり、環境面等から極力避けたいという事情があり、脱コバルトを目指した吸湿インジケータ機能を有する乾燥剤が開発されている。 本発明は、上述のような課題に鑑みなされたものであって、主乾燥剤層が設けられるとともに吸湿インジケータ機能を有し、人体に有害な重金属を用いることなく、乾燥剤を混合した樹脂フィルムが吸湿に伴って透明性を増すことを利用し、文字や数字或いは絵柄等による吸湿インジケータにより、外観から吸湿インジケータを視認することができるようにした吸湿インジケータ機能付き乾燥剤を提供することを目的とするものである。 本発明は、上記課題を達成したものであり、請求項1の発明は、水蒸気又はガスバリア性フィルム上に、吸湿インジケータ用のパターン印刷層と、吸湿前の該パターン印刷層の隠蔽性を与える吸湿性フィルムとを積層してインジケータフィルム層とし、該吸湿性フィルム上に該吸湿性フィルムの吸湿性能が飽和に達する時間を制御する透湿制御フィルムと、吸湿後は透明となる主乾燥剤層と、透明性を有する透湿性フィルムとを順次積層したことを特徴とする吸湿インジケータ機能付き乾燥剤である。なお、バリア性フィルムはアルミラミネートフィルム、アルミ蒸着フィルム、無機蒸着フィルム、若しくは無機酸蒸着フィルムである。また、パターン印刷層は、文字、数字、絵柄又はこれらを適宜複合した図柄を印刷したものである。また、主乾燥剤層には、熱可塑性樹脂に二酸化ケイ素(シリカゲル)、酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸塩化物、酸化バリウム、活性炭、粘土化合物等の乾燥剤が用いられる。なお、主乾燥剤層は、吸湿性能が未飽和状態の時、透明であってもよいが、透明である必要はなく、主乾燥剤層の吸湿性能が飽和状態に達した時点で透明であればよい。 また、請求項1の発明では、透湿制御フィルムが、例えば、熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET),ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリ塩化ビニル(PVC),ナイロン(Ny),エチレンビニルアセテート(EVA),ポリスチレン(PS),エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH),ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、若しくはセロハンが好ましい。透湿制御フィルムは、主乾燥剤層、或いは透明性乾燥剤フィルム又は透明性乾燥剤成型体の吸湿率が飽和に達する前に吸湿性フィルムの吸湿性能が飽和に達し、吸湿インジケータを外観から視認できないように、湿気から吸湿性フィルムを保護するためのフィルムである。なお、吸湿性フィルムの吸湿保持時間は、主乾燥剤層、或いは透明性乾燥剤フィルム又は透明性乾燥剤成型体の吸湿保持時間等の吸湿性能に応じて設定される。 また、請求項2の発明は、前記主乾燥剤層と前記吸湿性フィルムとの間に空間を形成し袋状部としたことを特徴とする請求項1に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤である。 また、請求項3の発明は、前記主乾燥剤層が、透明性乾燥剤フィルム又は透明性乾燥剤成型体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤である。 また、請求項4の発明は、前記主乾燥剤層が、粒状又は板状の乾燥剤若しくは潮解性乾燥剤であり、前記透湿性フィルムと前記透湿制御フィルムの周縁をシールして袋状部とし、該袋状部に該粒状又は板状の乾燥剤若しくは潮解性乾燥剤を内包したことを特徴とする請求項1に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤である。なお、粒状の乾燥剤としてはシリカゲル等が挙げられ、板状の乾燥剤はシリカゲル等を透明樹脂に含有させたものであり、また、潮解性乾燥剤としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、明礬石、硫酸マグネシウム、酸化リン等が例示される。 また、請求項5の発明は、前記吸湿性フィルムが、乾燥剤含有樹脂層と熱可塑性樹脂とを積層したものであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤である。 また、請求項6の発明は、前記吸湿性フィルムに混在する乾燥剤が、ゼオライト、シリカゲル、アルミナの少なくとも1種類以上を含有するものであることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤である。 また、請求項7の発明は、前記透湿制御フィルムが透明性フィルムであり、水蒸気透過度が0.01g/m2 ・day〜5000g/m2 ・dayであることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤である。 請求項1の発明では、水蒸気又はガスバリア性フィルム上に、吸湿インジケータ用のパターン印刷層と、吸湿前の該パターン印刷層の隠蔽性を与える吸湿性フィルムとを積層してインジケータフィルム層とし、該吸湿性フィルム上に該吸湿性フィルムの吸湿性能が飽和に達する時間を制御する透湿制御フィルムと、吸湿後は透明となる主乾燥剤層と、透明性を有する透湿性フィルムとを順次積層したことを特徴とする吸湿インジケータ機能付き乾燥剤であるので、人体に有害な物質である重金属の塩化コバルトを用いることなく、パターン印刷層により主乾燥剤層の吸湿性能を指示することができる利点があり、また、吸湿性フィルムの片側に吸湿インジケータ用のパターン印刷層を配し、さらに、バリア性フィルムで被覆することによって、主乾燥剤層側からの吸湿性能を指示し得る利点がある。さらに、主乾燥剤層の吸収性能が飽和に達すると、吸湿性フィルムに混合された乾燥剤も飽和に達して透明になり、この乾燥剤の外観からインジケータパターンを視認することが可能であり、この乾燥剤を容器等に投入するのみで、容器の内容物の湿気からの管理が容易である利点がある。また、インジケータパターンは、物品の保存限界を示す、例えば「保存限界に達しました」等と標記してもよいし、これらと絵柄を組み合わせたものであってもよいし、また、文字、数字等の印刷濃度の異なるものを用いて、濃度の濃いものから順次視認し得るようにして、保存限界を段階的に視認できるようにし、内容物の管理が効果的になし得るようにした乾燥剤である。 また、請求項1の発明では、吸湿性フィルム上に該吸湿性フィルムの吸湿性能が飽和に達する時間を制御する透湿制御フィルムを積層した吸湿インジケータ機能付き乾燥剤であり、透湿制御フィルムが介在することで、透湿性フィルムを通った水分を先ず主乾燥剤層が吸湿し、主乾燥剤層の吸湿性能が飽和に達した後に、透湿制御フィルムを通った水分により吸湿性フィルムが飽和するように制御して吸湿性フィルムの吸湿性能を任意に設定可能であり、主乾燥剤層が飽和に達した後の吸湿性能を制御することでインジケータパターンが視認可能となるようにしたものである。 また、請求項2発明では、前記主乾燥剤層と前記透湿制御フィルムとの間に空間を形成して袋状部としたことを特徴とする請求項1に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤であるので、人体に有害な物質を使用しなくとも主乾燥剤層の吸湿性能をインジケータパターンで指示することができる。また、袋状部には乾燥剤を収納することができるし、乾燥剤である旨を表示したシートを収納することもできる。 また、請求項3の発明では、前記主乾燥剤層が、透明性乾燥剤フィルム又は透明性乾燥剤成型体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤であるので、主乾燥剤層が透明性乾燥剤フィルムの場合、フィルム状やシート状にしたり、透明性乾燥剤成型体の場合、板状又はスティック状等の任意形状に成形したりして、この形状に合わせた乾燥剤を種々形状の容器や包装体に収納して、容器や包装体内の乾燥性能を指示することができる。 また、請求項4の発明では、前記主乾燥剤層が、粒状又は板状の乾燥剤若しくは潮解性乾燥剤であり、前記透湿性フィルムと前記透湿制御フィルムの周縁をシールして袋状部とし、該袋状部に該粒状又は板状の乾燥剤若しくは潮解性乾燥剤を内包したことを特徴とする請求項1に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤であるので、主乾燥剤層とし、乾燥性能を有する乾燥剤を収納することによって、乾燥剤として吸湿性能を高めることができる利点がある。この袋状部に収納される乾燥剤は透明であるか、吸湿状態が飽和状態に達した時点で透明であることが好ましいが、不透明なものでも乾燥剤の粒の間から背面のインジケータパターンを視認できる状態であればよい。 また、請求項5の発明では、前記吸湿性フィルムが、乾燥剤含有樹脂層と熱可塑性樹脂とを積層したものであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤であるので、吸湿性フィルム自体の機械的に十分な強度を得るし、吸湿性フィルムの表面の平滑性を高めることができる利点がある。 また、請求項6の発明では、前記吸湿性フィルムに混在する乾燥剤が、ゼオライト、シリカゲル、アルミナの少なくとも1種類以上を含有するものであることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤であるので、生活環境下に廃棄された場合に人体に悪影響を与えることがない。 また、請求項7の発明では、前記透湿制御フィルムが透明性フィルムであり、水蒸気透過度が0.01g/m2 ・day〜5000g/m2 ・dayであることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤であるので、透湿制御フィルムにより要求される乾燥剤としての吸湿性能を任意に設定できる利点がある。 以下、本発明に係る吸湿インジケータ機能付き乾燥剤の実施形態について、図面を参照して説明する。先ず、図1は、本発明に係る吸湿インジケータ機能付き乾燥剤の一実施形態を示す断面図であり、図2は本発明の他の実施形態を示す断面図である。図3(a),(b)は本発明の他の実施形態の断面図であり、これらの実施形態には袋状部を有する吸湿インジケータ機能付き乾燥剤である。図4(a),(b)は袋状部に乾燥剤を収納した実施形態を示す断面図であり、図5は図4(b)の実施形態の斜視図である。なお、図5は乾燥剤の吸湿性能が飽和に達する前は点線で図示したインジケータパタンを外観から視認することができない。(実施形態1) 図1を参照し、本発明の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤の一実施形態について説明する。本実施形態は、図1に示すように、インジケータフィルム層5上に主乾燥剤である透明性乾燥剤フィルム(主乾燥剤層)9を積層し、さらに透明性乾燥剤フィルム9上に透湿性フィルム10を積層したものであり、インジケータフィルム層5は、バリア性フィルム8上に吸湿インジケータ用のパターン印刷層7とゼオライトを含有する吸湿性フィルム6とが順次積層されている。透明性乾燥剤フィルム9は、インジケータフィルム層5の吸湿性フィルム6上に積層されている。 なお、バリア性フィルム8は、パターン印刷層7側から吸湿性フィルム6に及ぼす湿気を遮断するためのフィルムであり、例えばポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)またはポリエステルフィルムが用いられ、水蒸気やガスバリア性フィルムのものが好ましく、例えば、シリカやアルミナなどの蒸着フィルム、又は窒化物をスパッタリングしたフィルム、アルミ箔と熱可塑性フィルムを積層したフィルム、Kコートフィルム(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体ラックスを塗布したフィルム)、OPPフィルム(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)、OPEフィルム(延伸ポリエチレンフィルム)等が用いられる。また、共押出フィルム、ポリイミド、ポリカーボネート、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PES(ポリエーテルサルファイド)等のエンジニアプラスチック系フィルム、PTFE等のフッ素系樹脂フィルム等も使用できる。このバリア性フィルム8の防湿性能は、0.001〜100(g/m2 /day)が望ましい。 また、パターン印刷層7は、熱可塑性樹脂フィルム上に印刷を行ったものである。若しくは、吸湿性フィルム6の裏面側(インジケータパターンの反対面側)又はバリア性フィルム8上面に印刷してもよい。パターン印刷層7のインジケータパターンは、文字、数字、絵柄又はこれらを適宜複合した図柄を印刷したものである。なお、パターン印刷層7にインジケータパターンが形成された面に、インジケータパターンの背景色となる白、黒、赤、青、緑、黄、藍、シアン、マゼンダの何れか又はそれらを混合したインキを塗工してもよい。この背景色はインジケータパターンを視認する際の光濃度差を顕著なものとするものであり、背景色の色彩はインジケータパターンの色彩との兼ね合いで設定される。また、インジケータパターンの印刷に用いるインキは、樹脂に対する顔料或いは染料の重量比が、0.01〜200重量%で、その膜厚は0.3μm〜100μmの範囲のものを使用する。 吸湿性フィルム6には、ゼオライトを混合した樹脂組成物が用いられ、ゼオライトを含有する吸湿性フィルム6を成形する際に、その片面または両面にポリオレフィン(例えばLLDPE)を共押し出しで積層したものである。ゼオライトは、3Åから10Åの細孔径を有する粉末状の無機多孔性物質であり、好適な吸着剤として用いられる。その平均粒子径は、例えば10μm前後のものが好適に用いられる。ゼオライトは極性を有し、分子の大きさの違いによって物質を分離するのに用いられる多孔質の粒状物質であり、均一な細孔をもつ構造であり、細孔の空洞に入る小さな分子を吸収して一種のふるいの作用をする。また、吸湿性フィルム6に含有する乾燥剤は、ゼオライト以外に、酸化カルシウム、シリカゲル、塩化カルシウム、硫酸塩化合物、酸化バリウム、アルミナ、活性炭、粘度化合物の少なくとも1種類以上を含有するものであってもよいが、合成又は天然ゼオライトが最も好ましい。 吸湿性フィルム6は次のように製造する。先ず、ベース樹脂にゼオライトを5〜80重量%混合し、さらにこれらの親和性を高めるため添加剤としてエチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸共重合体等を混合比1〜20重量%を添加してフイルム状に成形する。乾燥剤含有樹脂のフイルム成形に際し、その片面または両面にポリオレフィン(例えばLLDPE)を共押し出しで積層する。なお、ゼオライトの混合比は、好ましくは、重量比で約40〜80重量%、さらに好ましくは重量比で約50〜80重量%とすることで、吸湿性フィルム自体の吸収性能を高いものとすることが可能となり、さらに、吸収前のインジケータパターンの隠蔽性を高めることができる。 また、このベース樹脂には熱可塑性樹脂が用いられ、例えばLDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、各種共重合体(コポリマー)として、アイオノマー、EAA、EMAA、EVA、EEA、EMA、EMMA等から1種又は複数種を混合して用いられ、このような樹脂の中から高MFR(メルトフローレート)、好ましくは温度190℃、荷重21.18Nの条件下で測定したMFR(g/10分)が10以上のものを含むように適宜選んで使用する。 また、主乾燥剤層である透明性乾燥剤フィルム9は、熱可塑性樹脂に二酸化ケイ素(シリカゲル)を混合したものが用いられ、二酸化ケイ素(シリカゲル)が最も好ましいが、他には酸化カルシウム、塩化カルシウム、硫酸塩化物、酸化バリウム化合物等の微粉末の乾燥剤が用いられる。 一方、本実施形態の変形例としては、主乾燥剤層である透明性乾燥剤フィルム9を透明性乾燥剤成形体に替えた吸湿インジケータ機能付き乾燥剤がある。この透明性乾燥剤成形体は、熱可塑性樹脂に、代表例として二酸化ケイ素(シリカゲル)を混合したものが用いられ、透明性乾燥剤成形体を成形金型を用いて成形する。透明性乾燥剤成形体にはシート状や板状、或いはスティック状のもの、さらには不定形形状のものが含まれる。スティック状の透明性乾燥剤成形体が、例えば、断面四角形であり、この透明性乾燥剤成形体の片面に透湿性フィルム10が積層され、他の片面にインジケータフィルム層5の吸湿性フィルム6側を向かい合わせて積層したものである。 これらの実施形態は、透明性乾燥剤フィルム9又は透明性乾燥剤成形体の吸湿性能が飽和状態に達するに連れて、パターン印刷層7のインジケータパターンが外観から視認できるようにした乾燥剤であり、外観からこのインジケータパターンが視認できた場合、乾燥剤の吸湿性能が飽和状態に達したことを意味している。(実施形態2) 本実施形態は、図2に示したように、上記実施形態の主乾燥剤層である透明性乾燥剤フィルム9又は透明性乾燥剤成形体と、吸湿性フィルム6との間に透湿制御フィルム11が積層されたものである。透湿制御フィルム11には、例えば、熱可塑性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)が用いられる。他の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリ塩化ビニル(PVC),ナイロン(Ny),エチレンビニルアセテート(EVA),ポリスチレン(PS),エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH),ポリ塩化ビニリデン(PVDC)が用いられる。さらに、透湿制御フィルム11としては、吸湿性及び透湿性に優れたセロハンを用いることができる。 透湿制御フィルム11には、上記の熱可塑性樹脂或いはセロハンが用いられ、主乾燥剤である透明性乾燥剤フィルム9又は透明性乾燥剤成型体の吸湿性能を持続している間は、主乾燥剤よりも先に吸湿性フィルム6の吸湿性能が先に飽和することを防ぐための保護膜である。吸湿性フィルム6は、透明性乾燥剤フィルム9又は透明性乾燥剤成形体の吸湿性能の持続時間が長いために透湿制御フィルム11を吸湿性フィルム6に被覆することによって、吸湿性フィルム6の吸湿性能の持続時間を制御しており、その持続時間の制御はセロハンを含めた樹脂の膜圧と、これらの材料の固有の吸湿率とから適宜選択して設定する。透湿制御フィルム11は透明性フィルムであり、透湿制御フィルム11の蒸気透過度が0.01g/m2 ・day〜5000g/m2 ・dayの範囲のものが選択することができ、吸湿インジケータ機能付き乾燥剤が要求される乾燥剤としての吸湿性能を任意に設定することができる利点がある。(実施形態3) 本実施形態は、図3(a)に示したように、積層間に空間を形成した袋状部12を設けたものである。図1の実施形態では、吸湿性フィルム6とパターン印刷層7とバリア性フィルム8とが積層されたインジケータフィルム層5の吸湿性フィルム6上に、順次透明性乾燥剤フィルム9と透湿性フィルム10とが積層されているが、図3(a)の実施形態では、吸湿性フィルム6と透明性乾燥剤フィルム9との間に袋状部12を設けたものである。本実施形態では、インジケータフィルム層5のシートと、透明性乾燥剤フィルム9と透湿性フィルム10とを積層したシートとを吸湿性フィルム6と透明性乾燥剤フィルム9とを向かい合わさせて各シートの周縁をヒートシールしたものである。 図3(b)の実施形態は、図2の実施形態において、透明性乾燥剤フィルム9と透湿制御フィルム11との間に袋状部12を設けたものであり、透湿性フィルム10と透明性乾燥剤フィルム9とを積層したシートと、インジケータフィルム層5に透湿制御フィルム11を積層したシートとを、透明性乾燥剤フィルム9と透湿制御フィルム11とを向かい合わさせて各シートの周縁をヒートシールしたものである。なお、図3(a),(b)の実施形態では、袋状部12を明確にするために湾曲形状としたが、外観形状はシート状のものである。(実施形態4) 本実施形態は、図4(a),(b)、及び図5に示したように、袋状部12に樹脂で成形した球状の透明なシリカゲル13を充填したものである。図4(a)は、インジケータフィルム5の吸湿性フィルム6と、透湿性フィルム10とにより袋状部12を形成し、この袋状部12内にシリカゲル13を充填したものである。また、図4(b)は、インジケータフィルム5の吸湿性フィルム6上に透湿制御フィルム11を積層したフィルムと、透湿性フィルム10とにより袋状部12を形成し、この袋状部12内にシリカゲル13を充填したものである。このシリカゲル13自体は透明であり、吸湿状態が飽和になったとしたとしても乾燥剤としての機能が失われたか否かを判断することができない。無論、シリカゲル13は柱状或いは板状であってもよい。パターン印刷層7には、「Kp」と印刷されたインジケータパタン7aが印刷され、吸湿性能を維持している間はインジケータパタン7aを視認することができないが、透明性乾燥剤フィルム9及び吸湿性フィルム6の吸湿性能が飽和に達すると「Kp」のインジケータパタン7aが視認することができ、乾燥剤としての機能が失われたことが判る。なお、パターン印刷層7のインジケータパタン7aは上記実施形態においても同様なものである。なお、袋状部12内に収納される乾燥剤は、透明である必要はないが、吸湿状態が飽和状態に達して時点で透明であるか、若しくは、袋状部12内に収納された時点で、その背面にあるインジケータパターンの一部が視認できれば、不透明な乾燥剤でもよい。 なお、インジケータパターン7aは、「Kp」等の文字が印刷されたものであるが、数字、絵柄、またはこれらを適宜複合した図柄を印刷したものであってもよく、吸湿性フィルム6は、吸湿性フィルム6に含有する乾燥剤が吸湿して飽和に達するに連れ透明性が増し、インジケータパターン7aを視認することができる。インジケータパターン7aは、例えば「保存限界に達しました」といった標記としてもよい。また、これらと絵柄を組み合わせたものであってもよい。また、文字、数字等の印刷濃度の異なるものを用いて、濃度の濃いものから順次視認し得るようにして、吸湿状態を段階的に視認できるようにしてもよい。 また、袋状部12には、乾燥剤としてシリカゲル13が充填されているが、それ以外に潮解性乾燥剤が使用できる。潮解性乾燥剤としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、明礬石、硫酸マグネシウム、酸化リン等が上げられる。潮解性乾燥剤は湿気を吸収し透明の液状になり、液状物質を通してインジケータパターン7aを視認することができる。なお、これらの乾燥剤は、吸湿性能が飽和状態に達すると透明になるものであればよい。 本発明の活用例としては、食品、電子部品、医薬品、書籍等の保管する際の容器内に投入し乾燥剤として利用することができる。本発明の一実施形態を示す断面図である。本発明の他の実施形態を示す断面図である。(a),(b)は本発明の他の実施形態を示す断面図である。(a),(b)は本発明の他の実施形態を示す断面図である。図4(b)の実施形態の斜視図である。従来の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤の概略断面図である。符号の説明 5 インジケータフィルム層 6 吸湿性フィルム 7 パターン印刷層 7a インジケータパターン 8 バリア性フィルム 9 透明性乾燥剤フィルム(主乾燥剤層) 10 透湿性フィルム 11 透湿制御フィルム 12 袋状部 13 シリカゲル 水蒸気又はガスバリア性フィルム上に、吸湿インジケータ用のパターン印刷層と、吸湿前の該パターン印刷層の隠蔽性を与える吸湿性フィルムとを積層してインジケータフィルム層とし、該吸湿性フィルム上に該吸湿性フィルムの吸湿性能が飽和に達する時間を制御する透湿制御フィルムと、吸湿後は透明となる主乾燥剤層と、透明性を有する透湿性フィルムとを順次積層したことを特徴とする吸湿インジケータ機能付き乾燥剤。 前記主乾燥剤層と前記透湿制御フィルムとの間に空間を形成して袋状部としたことを特徴とする請求項1に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤。 前記主乾燥剤層が、透明性乾燥剤フィルム又は透明性乾燥剤成型体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤。 前記主乾燥剤層が、粒状又は板状の乾燥剤若しくは潮解性乾燥剤であり、前記透湿性フィルムと前記透湿制御フィルムの周縁をシールして袋状部とし、該袋状部に該粒状又は板状の乾燥剤若しくは潮解性乾燥剤を内包したことを特徴とする請求項1に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤。 前記吸湿性フィルムが、乾燥剤含有樹脂層と熱可塑性樹脂とを積層したものであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤。 前記吸湿性フィルムに混在する乾燥剤が、ゼオライト、シリカゲル、アルミナの少なくとも1種類以上を含有するものであることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤。 前記透湿制御フィルムが透明性フィルムであり、水蒸気透過度が0.01g/m2 ・day〜5000g/m2 ・dayであることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の吸湿インジケータ機能付き乾燥剤。


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