生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_コラーゲン合成促進剤
出願番号:2005082030
年次:2006
IPC分類:A61K 8/96,A61K 8/00,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

太刀川 雅美 唐木田 文仁 川上 善治 松浦 大輔 金谷 裕敏 JP 2006265120 公開特許公報(A) 20061005 2005082030 20050322 コラーゲン合成促進剤 株式会社ツムラ 000003665 本多 一郎 100096714 太刀川 雅美 唐木田 文仁 川上 善治 松浦 大輔 金谷 裕敏 A61K 8/96 20060101AFI20060908BHJP A61K 8/00 20060101ALI20060908BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20060908BHJP JPA61K7/00 KA61K7/48 4 OL 18 4C083 4C083AA111 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB032 4C083AB212 4C083AB232 4C083AB242 4C083AB312 4C083AB352 4C083AB432 4C083AB442 4C083AC022 4C083AC072 4C083AC102 4C083AC112 4C083AC122 4C083AC132 4C083AC172 4C083AC182 4C083AC242 4C083AC302 4C083AC342 4C083AC422 4C083AC442 4C083AC471 4C083AC482 4C083AC532 4C083AC542 4C083AC612 4C083AC642 4C083AD052 4C083AD072 4C083AD092 4C083AD152 4C083AD242 4C083AD272 4C083AD282 4C083AD332 4C083AD352 4C083AD512 4C083AD532 4C083AD622 4C083AD642 4C083AD662 4C083CC02 4C083CC04 4C083CC05 4C083CC25 4C083DD23 4C083DD27 4C083DD31 4C083EE12 本発明はコラーゲン合成促進剤に関し、詳しくは、繊維芽細胞のコラーゲン合成を促進させ、肌にみずみずしさ、ハリを与え、表皮の保水力を保持することを目的としたコラーゲン合成促進剤に関する。 コラーゲンは、動物の結合組織を構成する主要蛋白質であり、特にヒトの体の総蛋白質の30%近くをコラーゲンが占める。皮膚においてコラーゲンは肌のみずみずしさ、ハリを与え、表皮の保水力を保持し、肌の弾力を保持する機能を有している。しかし、加齢等の内的因子および紫外線、活性酸素等の外的因子により、皮膚の柔軟性、保湿力等は衰え、シワ、たるみ等の老化現象につながる。 これらは、真皮の細胞外マトリックスを産生する細胞数の減少、細胞分裂速度の衰え等の細胞機能の低下や、コラーゲン線維の減少および変性、皮下脂肪組織の減少等により、皮膚の弛緩及び弾力性の損失が起こることが原因となって発生する。 特にコラーゲンは皮膚の老化現象の抑制および回復に重要な役割を持つことが知られており、皮膚の老化現象の改善を目的として、コラーゲンを含有する組成物、またはコラーゲンの合成を促進する物質を含有する組成物を皮膚に塗布する方法が行われている。 コラーゲン合成を促進する物質として、アスコルビン酸リン酸、レチノイン酸等が知られている。アスコルビン酸リン酸はアスコルビン酸誘導体の一種であり、経皮吸収されることによりビタミンCに変換される。ビタミンCはコラーゲン合成を活性化するだけでなく、コラーゲンを骨格とする細胞間物質(細胞外マトリックス)を成熟させ、細胞の組織形成を誘導する細胞増殖因子の一つでもあることが、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルMg塩(APM)を使った細胞培養の実験により明らかにされている(非特許文献1参照)。 また、レチノイン酸はビタミンAの誘導体で、生理活性はビタミンAの約300倍であり、ビタミンA類の体内での生理活性の本体そのものである。米国ではシワ、ニキビの治療医薬品として、FDA(米食品医薬局)に認可されている。 更に、非特許文献2にはミロバラン(Terminalia chebula)の葉のアルコール抽出物が創傷治癒に対して、効果があることが報告されており、ラットを用いたin vivoの試験において、上皮化を有意に促進し、肉芽組織中のたんぱく質、DNA、コラーゲン成分の有意な増加が観察された。なお、ミロバランの葉からはケブラグ酸、ケブリン酸、コリラギン、没食子酸が単離されたとの報告もなされている(非特許文献3参照)。Eur.J.Biochem,174,p231(1988)Phytother.Res,16,p227(2002)Bull.Central Leather Res.Inst.,8,p230(1961) コラーゲンを皮膚に供給するためにコラーゲンを皮膚表面に塗布する方法は、コラーゲンが高分子構造を有し表皮のバリアー機能により吸収されないため、本質的に皮膚機能を改善するものではなかった。また、レチノイン酸等のコラーゲン合成促進物質は、効果の面で十分に満足できるものではなく、更なる向上が望まれる。 そこで、本発明の目的は十分なコラーゲン合成促進作用、高い整肌効果を有するコラーゲン合成促進剤を提供することにある。 本発明者は上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、ミロバラン(Terminalia chebula)の果実(訶子)が高いコラーゲン促進作用を有する成分を含有していること見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明のコラーゲン合成促進剤はミロバランの果実の抽出物(以下、「ミロバラン果実エキス」とも言う)を有効成分することを特徴とするものである。上述したようにミロバランの葉のアルコール抽出物が創傷治癒効果を有し、肉芽組織中のコラーゲン成分を有意に増加させることは知られているが、ミロバランの果実の抽出物がコラーゲン促進作用に対し、より優れた効果を有することは知られていなかった。また、ミロバランの葉のコラーゲン合成促進作用の程度に関し、詳細は不明であり、入手が困難であるという問題点も有している。更に、ミロバランの葉の抽出液に含まれる物質のうち、どの物質がコラーゲン合成に、より寄与しているかに関しても知られてはいなかった。 本発明の他のコラーゲン合成促進剤は、ケブラグ酸(chebulagic acid)、ケブリン酸(chebulinic acid)、没食子酸(gallic acid)およびコリラギン(corilagin)からなる群から選択される1種または2種以上を有効成分することを特徴とするものである。 更に、本発明のコラーゲン合成促進剤は皮膚外用剤として好適に使用することができ、また、用途に関しては、肌質改善剤として好適に使用することができる。 本発明のコラーゲン合成促進剤により、コラーゲンの合成を効果的に促進することができる。また、本発明のコラーゲン合成促進剤を皮膚外用剤として用いた場合には、肌にみずみずしさ、ハリを与え、キメを整え、また表皮の保水力を保持することが可能である。 以下、本発明の好適実施形態につき具体的に説明する。本発明のコラーゲン合成促進剤は、ミロバラン果実エキスを有効成分とするものであるが、ミロバラン果実エキスは常法により得ることができ、例えば、ミロバランの果実を抽出溶媒と共に浸漬または加熱還流した後、濾過し、得られた抽出液をそのまま、またはこれを濃縮して得ることができる。また、濃縮または乾燥させた抽出物を、再度溶媒に溶解させて用いることもできる。抽出溶媒としては、通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができ、例えば、水や、エタノール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、アセトン、メタノール、酢酸エチルなどの有機溶媒が挙げられ、それらから選ばれる何れか1種、または任意に組み合わせた2種以上を使用することができる。抽出の条件は特に限定されないが、例えば、ミロバランの果実1重量部に対し、溶媒2〜100重量部、その際の抽出時の温度及び時間は、0〜100℃の温度で10分〜1週間とすることができる。 また、本発明の他のコラーゲン合成促進剤は、ミロバラン果実エキスの含有成分であるケブラグ酸、ケブリン酸、没食子酸およびコリラギンからなる群から選択される1種または2種以上を有効成分とするものであるが、好ましくは、高いコラーゲン合成促進作用を示し、かつ含有量の多いケブラグ酸およびケブリン酸である。それぞれの成分は植物から抽出、単離することにより、または既知の方法により合成することにより得ることができる。上記の方法によりミロバランの果実からミロバラン果実エキスを抽出した後、単離することにより、それぞれ好適に得ることができる。単離方法は特に制限されるものではないが、液−液分配、各種クロマトグラフィー、再結晶化などの手法により好適に単離することができる。このようにして得られたミロバラン果実エキスおよびミロバラン果実エキスのそれぞれの含有成分は、優れたコラーゲン合成促進作用を有する。本発明のコラーゲン合成促進剤は、医薬品、医薬部外品、食品、化粧品等の各種分野において利用することができる。 上記本発明のコラーゲン合成促進剤を皮膚外用剤として使用する場合、ミロバラン果実エキスならびにミロバラン果実エキスの含有成分であるケブラグ酸、ケブリン酸、没食子酸およびコリラギンの配合量は、有効成分の種類、剤型等によっても異なるが、通常、好ましくは総量として外用剤全量中に乾燥重量として0.0001〜5%、より好ましくは0.001〜0.1%である。この範囲を下回るとコラーゲン合成促進効果が十分に発揮され難く、この範囲を超えて配合すると効果の上昇が期待できず、経済性に欠ける他、べたつき、生薬特有のにおい、使用感の低下、生薬による染着の問題などが起こるので好ましくない。 本発明の皮膚外用剤には、上記ミロバラン果実エキスに加えて、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧料や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の成分、例えば、保湿剤、油性成分、界面活性剤、ビタミン類、蛋白分解酵素、増粘剤、防腐剤、粉体、酸化防止剤、紫外線吸収剤、乳化剤、アルコール類、色材、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。 保湿剤としては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、ソルビット、マンニット等の糖アルコール、ヒアルロン酸塩、コンドロイチン硫酸塩、キトサン等の水溶性高分子、尿素、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸塩等が挙げられる。 油性成分としては、例えば、大豆油、ヌカ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成グリセリド、ジグリセリド等の油脂類、ホホバ油、カルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等のロウ類、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等の炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール、ホホバアルコール等の高級アルコール類、オクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸コレステロール等のエステル類、精油類およびシリコーン油類が挙げられる。 界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ショ糖脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加したアルキルエーテルカルボン酸塩又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、アミノ酸型界面活性剤、リン酸エステル型界面活性剤、タウリン型界面活性剤、アマイドエーテルサルフェート型界面活性剤等の陰イオン性界面活性剤、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸、スルホベタイン型等の両性界面活性剤および4級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤が挙げられるが、安全性の面から非イオン性界面活性剤が特に好ましい。 ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、リポ酸、オロット酸及びその誘導体等が挙げられる。蛋白分解酵素としては、例えば、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、カテプシン、パパイン、ブロメライン、フィシン及び細菌、酵母、カビ由来のプロテアーゼ等が挙げられる。 増粘剤としては、例えばカルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カラギーナン、ゼラチン、キサンタンガム、ポリアクリル酸塩等の水溶性高分子化合物、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の無機塩が挙げられる。防腐剤としては、例えばフェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。粉体としては、例えばタルク、セリサイト、マイカ、カオリン、シリカ、ベントナイト、バーミキュライト、亜鉛華、雲母、雲母チタン、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、酸化鉄、群青等が挙げられる。その他の成分としては、香料、色素、殺菌剤等を挙げることができる。 また、本発明の皮膚外用剤の剤型は任意であり、例えば化粧水、乳液、クリーム、軟膏、分散液、ゲル状、エアゾール、パック、入浴剤などにすることができる。 以下、本発明を実施例に従い、詳細に説明する。実験例1ミロバラン果実エキスの調製例 ミロバランの果実(乾燥品)20gに30%エタノール20mLを加えて2時間加熱し、放冷した。放冷後、濾過を行い、濾液を減圧乾固した。その結果、7.61gのミロバラン果実エキスを得ることができた。また、別に、60%アセトンにて室温抽出して得たミロバラン果実エキス50.28gから不溶物を濾去した後、Sephadex LH-20(ファルマシア製)、MCI gel CHP20P(三菱化学(株)製)やセルロース、ODSゲルを用いた各種カラムクロマトグラフィーに付すことにより分離精製した結果、下記の表1に示す収量にてケブラグ酸、没食子酸、ケブリン酸、ケブラニン(chebulanin)およびコリラギンが得られた。実験例2コラーゲン合成促進作用確認試験 10%FBS、1%NEAA、1mmol/Lピルビン酸ナトリウムを含むMEM培地により、37℃、5%CO2−95%airの条件下にて、ヒトの繊維芽細胞(Detroit551)を培養した。次に、トリプシン処理により細胞を集め2×105個/mLに調整し、96穴マイクロプレートに100μLずつ播種した。37℃、5%CO2−95%airの条件下にて一晩培養後、試料を含む0.5%FBS MEM培地(150μL)に交換し、37℃、5%CO2−95%airの条件下にて3日間培養した。なお、試料は、実施例としてミロバラン果実エキス(実施例1)、ミロバラン果実エキスの主要な含有物質であるケブラグ酸(実施例2)、没食子酸(実施例3)、ケブリン酸(実施例4)およびコリラギン(実施例5)、比較例としてケブラニン、参考例として従来からコラーゲン合成促進作用を有すると知られているL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルMg塩(APM)、レチノイン酸を用い、各試料を25、50、100ppmの濃度に調整し、使用した。 培養後の培養上清90μLをELISAプレートに移し、抗ヒトコラーゲンタイプ1抗体を用いたELISA法により、コラーゲン合成量を測定した。定量はヒトコラーゲンタイプ1を標準品とする検量線を用いた。コラーゲン産生促進率は、試料無添加時の値を100%として算出し、その結果を下記の表2に示す。 上記表2より、実施例すべてにおいて有意にコラーゲン合成促進作用を示し、ミロバランの果実の抽出物(実施例1)、ケブラグ酸(実施例2)、没食子酸(実施例3)およびケブリン酸(実施例4)は、参考例と比較してもより高いコラーゲン合成促進作用を有することが分かる。実験例3皮膚外用剤(クリーム製剤)の調製例 実験例1で得られたミロバラン果実を使用し、下記表3の処方(重量%)に従い、下記の製造例に準拠し、ミロバラン果実エキス0.5%配合クリーム製剤(以下、「ミロバラン配合クリーム」という)を調製した。 まず、流動パラフィン、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸、セタノール、モノステアリン酸グリセリン、ジメチルポリシロキサン、および一部のパラオキシ安息香酸エステルを混合し、加熱した。次に、残りのパラオキシ安息香酸エステル、1,3−ブチルグリコール、エデト酸二ナトリウム、トリエタノールアミン、精製水を混合し加熱し、先の混合物に加え乳化させた。冷却後、フェノキシエタノール、ミロバラン果実エキスを添加することによりクリームを調製した。実験例4入浴剤の調製例 下記表4の処方(重量%)に従い、すべての原料を均一に混合することによりミロバラン果実エキス配合粉体入浴剤を調製した。 下記表5の処方(重量%)に従い、A相およびB相を70℃に加熱し完全溶解させ、A相をB相に添加後、30℃まで冷却することによりミロバラン果実エキス配合液状入浴剤を調製した。実験例5化粧水の調製例 下記表6の処方(重量%)に従い、水相にアルコール相を添加し原液を調整し、その原液を缶に入れ、LPG、ブタン等のガスを充填することによりミロバラン果実エキス配合化粧水(エアゾール製品)を調製した。 下記表7の処方(重量%)に従い、水相にアルコール相を添加し、可溶化させることによりpH5.5のミロバラン果実エキス配合弱酸性化粧水(透明タイプ)を調製した。 下記表8の処方(重量%)に従い、水相にアルコール相を添加し、乳化させることによりpH7.5のミロバラン果実エキス配合化粧水(白濁タイプ)を調製した。 下記表9の処方(重量%)に従い、水相にアルコール相を添加して可溶化させた後、粉体相を添加することによりpH6.2の3層型のミロバラン果実エキス配合化粧水(分離型タイプ)を調製した。実験例6クリームの調製例 下記表10の処方(重量%)に従い、油相と水相をそれぞれ70℃に加熱し、完全溶解させた。水相に油相を添加して乳化させた後、冷却後、添加相を添加することによりpH6.1のミロバラン果実エキス配合ボディクリームを調製した。 下記表11の処方(重量%)に従い、油相と水相をそれぞれ70℃に加熱し、完全溶解させた。水相に油相を添加して乳化させた後、冷却後、添加相を添加することによりpH7.5のミロバラン果実エキス配合フェイスクリームを調製した。 下記表12の処方(重量%)に従い、油相と水相をそれぞれ70℃に加熱し、完全溶解させた。水相に油相を添加して乳化させた後、冷却後、微細に粉砕した粉体相および添加相を添加することによりSPF20のミロバラン果実エキス配合日焼け止めクリームを調製した。実験例7トニックの調製例下記表13の処方(重量%)に従い、まず、酢酸dl−α−トコフェロール、イソプロピルメチルフェノール、パントテニルアルコール、グリチルレチン酸、エタノール(99.5%)、ミリスチン酸オクチルドデシル、2−エチルヘンサン酸オクチル、香料、メントールを均一に混合した。次に、センブリエキス(抽出液)、ニンジンエキス(抽出液)、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、エデト酸4ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O)、ミロバラン果実エキス、精製水を均一に混合した。最後に両者を混合し、濾過して充填することによりミロバラン果実エキス配合液状型トニックを調製した。 下記表14の処方(重量%)に従い、まず、酢酸dl−α−トコフェロール、イソプロピルメチルフェノール、パントテニルアルコール、エタノール(99.5%)、香料、メントールを均一に混合した。次に、センブリエキス(抽出液)、ニンジンエキス(抽出液)、ジプロピレングリコール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、エデト酸4ナトリウム、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、モノラウリン酸デカグリセリル、ミロバラン果実エキス、精製水を均一に混合した。次に両者を混合し、濾過して原液とし、最後に、原液と噴射剤を充填処方に合わせて、缶に充填することによりミロバラン果実エキス配合エアゾール型トニックを調製した。実験例8皮膚外用剤としての適用例 実験例3にて得られたミロバラン果実エキス0.5%配合クリーム製剤および比較例として基剤のみをそれぞれ、30歳女性の左右の手背(手の甲)に1日3回、大豆大程度を塗布し、塗布前と1ヶ月間後の肌のツヤ、ハリ、柔軟性、カサカサ感、くすみ感、キメおよびシワを下記の評価基準に従い評価した。 (評価基準)ツヤ、ハリ、柔軟性:「ない(1)、あまりない(2)、どちらともいえない(3)、ややある(4)、ある(5)」カサカサ感:「カサカサする(1)、ややカサカサする(2)、どちらともいえない(3)、ややしっとりする(4)、しっとりする(5)」くすみ感:「ある(1)、ややある(2)、どちらともいえない(3)、あまりない(4)、ない(5)」キメ:「あらい(1)、ややあらい(2)、どちらともいえない(3)、やや細かい(4)、細かい(5)」シワ:「目立つ(1)、やや目立つ(2)、どちらともいえない(3)、あまり目立たない(4)、目立たない(5)」評価結果を下記表15に示す。 上記表15より、塗布前および基剤のみの塗布と比較して明らかなように、ミロバラン果実の抽出物は、ツヤ、ハリ、柔軟性、カサカサ感、くすみ感、キメおよびシワのいずれの項目において良好な効果を示すことがわかった。 また、1ヶ月塗布後の顕微鏡写真による結果を図1に示す。(a)はミロバラン果実エキスを含有する皮膚外用剤を塗布した場合、(b)は基剤のみを塗布した場合である。写真からも、基剤のみと比較して、ミロバラン果実エキスを含有する皮膚外用剤を使用した場合には、キメが細かく整っていることが分かる。また、保湿力およびハリが向上し、くすみがなくなった。(a)ミロバラン果実エキスを含有する皮膚外用剤を用いた場合の肌、(b)は基剤のみを塗布した場合の肌の顕微鏡写真である。 ミロバランの果実の抽出物を有効成分とすることを特徴とするコラーゲン合成促進剤。 ケブラグ酸、ケブリン酸、没食子酸およびコリラギンからなる群から選択される1種または2種以上を有効成分とすることを特徴とするコラーゲン合成促進剤。 皮膚外用剤である請求項1または2記載のコラーゲン合成促進剤。 肌質改善剤である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のコラーゲン合成促進剤。 【課題】 十分なコラーゲン合成促進作用、高い整肌効果を有するコラーゲン合成促進剤を提供する。【解決手段】 ミロバランの果実の抽出物を有効成分とするコラーゲン合成促進剤、ならびにケブラグ酸、ケブリン酸、没食子酸およびコリラギンからなる群から選択される1種または2種以上を有効成分とするコラーゲン合成促進剤である。本発明のコラーゲン合成促進剤は皮膚外用剤、肌質改善剤として好適に用いられ、肌にみずみずしさ、ハリを与え、キメを整え、また表皮の保水力を保持することが可能である。【選択図】 なし


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