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タイトル:公開特許公報(A)_機能性を向上させた大豆加工品
出願番号:2005068130
年次:2006
IPC分類:A23L 1/20,A23L 1/30,A61K 36/48,A61P 3/10,A61P 9/12,A61P 35/00,A61P 39/06


特許情報キャッシュ

高井 東一郎 西 正人 天野 原成 粟津 透 JP 2006246795 公開特許公報(A) 20060921 2005068130 20050310 機能性を向上させた大豆加工品 株式会社高井製作所 591162631 小栗 昌平 100105647 本多 弘徳 100105474 市川 利光 100108589 高松 猛 100115107 高井 東一郎 西 正人 天野 原成 粟津 透 A23L 1/20 20060101AFI20060825BHJP A23L 1/30 20060101ALI20060825BHJP A61K 36/48 20060101ALI20060825BHJP A61P 3/10 20060101ALI20060825BHJP A61P 9/12 20060101ALI20060825BHJP A61P 35/00 20060101ALI20060825BHJP A61P 39/06 20060101ALI20060825BHJP JPA23L1/20 ZA23L1/30 BA61K35/78 JA61P3/10A61P9/12A61P35/00A61P39/06 6 OL 28 4B018 4B020 4C088 4B018MD58 4B018ME04 4B018ME06 4B018ME08 4B018MF04 4B020LB24 4B020LC05 4B020LG01 4B020LP03 4C088AB61 4C088AC04 4C088CA02 4C088ZA42 4C088ZB26 4C088ZC35 4C088ZC37 本発明は機能性を向上させた大豆加工品に関するものである。 特願2000−349594「オカラを含む食品原料の加工方法」や特願2000−289027「豆乳、豆腐またはその2次加工品の製造方法」には、大豆成分を亜臨界水または超臨界水を用いて加熱加工する方法が開示されている。また、大豆加工品には元々大豆の有する生理活性や種々の機能が含まれていることは周知の通りであり、納豆菌による発酵法に関しては特公平8−40「活性酸素抑制組成物及びその製造方法並びに血圧抑制剤」、特許3181650「動脈硬化予防食品」があり、そこには抗酸化物質、血清トリグリセライド上昇予防用または血清総コレステロール上昇予防用食品などがあり、大豆発酵産物を用いる方法として特開2003−300894「糖尿病合併症を予防する組成物」があり、そこにはオリゴペプチド;アルドース還元酵素阻害作用、タンパク質非酵素的糖化抑制作用、アンジオテンシン変換酵素阻害作用が記載されている。また、超臨界流体による抽出、大豆の乳酸菌・酵母菌発酵物を用いる方法として特開2003−335695「大豆発酵物よりなる免疫増強剤、抗腫瘍剤、加工食品および大豆発酵物の製造方法」、豆乳に乳酸菌をイソフラボン配糖体に作用させイソフラボン類を4倍以上にした癌予防食品として例えば特許3489930「癌予防食品」、またビフィドバクテリウム属微生物による発酵豆乳を用いる方法として特許3359827「脂質代謝改善剤及びそれを含有する食品」があり、そこには低比重リポタンパク質抗酸化剤;血中コレステロール上昇抑制作用、LDLに対する抗酸化性及び脂質の腸管からの吸収抑制作用が記載されている。また、大豆等由来のタンパク質に蛋白分解酵素を作用させる発酵物に関する特開平10−203994「生理活性作用組成物」(分子量500〜5,000のペプチドを含む)、オカラに繊維分解酵素を作用させエタノール抽出されたイソフラボンに関する特開平2002−65197「大豆蛋白質を主原料として食材及び機能食品製造方法」がある。また、加水分解に関しては特開平10−84911「血糖上昇抑制用食品素材」(オリゴペプチドを含む)、特開2003−321381「肝臓抗酸化酵素合成促進剤」(大豆タンパク質加水分解物を含む)や有効成分を添加する方法として特開2003−196「糖尿病の治療・予防用食品」(大豆由来のポリフェノール、イソフラボンを含む)、オカラから有機溶媒で抽出す方法として特開2000−290129「大豆中の生理活性物質の精製方法」(イソフラボンを含む)、大豆タンパク質を蛋白分解酵素で分解する方法として特許2627849「アンジオテンシン変換酵素阻害剤」(ペプチドを含む)がある。また、植物種子等を焙煎し酵素分解し、茶葉、柚汁、植物油を添加し溶媒抽出した抗活性酸素作用剤(特公平7−51510)などが挙げられる。しかしながら、効率的な工業化が可能な製法および得られた製品の生理活性・機能性効果を向上させることや、新たな生理学的作用効果については、前記先行文献には全く記載がない。また大豆蒸煮廃液等の熱水抽出液にアンジオテンシン変換酵素阻害活性を示すニコチアナミンの開示がある(特開平5−246865)。この方法の熱水温度は約0.2MPa、約120℃程の低圧水蒸気であり、本発明とは技術範囲が異なる。なお本発明者らは特願2004−304623において亜臨界水によるγ−アミノ酪酸(GABA)を増加させる方法を開示した。 以上述べたように、従来は大豆やその加工原料を、発酵、酵素処理、加水分解、溶媒抽出などの処理によって、その生理活性物質や機能性物質を製造または精製してきた。しかしながら、処理時間が長い、大量処理には大型反応槽を必要とし、精製工程が煩雑(廃棄物の発生)であるなどの点で、産業的に実用化するには、多くの問題点があった。 本発明の課題は従来技術における上記のような多くの問題点を排除して新たな機能性を発現させたか、または元来ある機能性を増大(増強)させた新規かつ有用な大豆加工品を提供することである。 請求項1記載の本発明によれば、大豆由来の原料(例えば丸大豆、生大豆、大豆・炒り豆を微粉砕した生大豆粉や圧偏した圧偏大豆、、脱脂大豆(粉)、浸漬し吸水した漬大豆、煮豆・炒り豆・発芽した大豆もやし、大豆を浸漬し挽き水とともに粗粉砕・微粉砕したご液や、豆乳、豆腐・油揚・湯葉などの大豆加工品、オカラ(生オカラ、乾燥オカラ、発酵オカラ、再生オカラなど)やそれに加水したスラリー、豆腐粕、大豆の莢・種皮・へそ・大豆の葉・茎・根などやその粉砕物。広義にはテンペ・納豆・味噌・醤油等やその粕、醤油やその粕などの発酵させたものも含む。)を使い、温度180℃以上、その温度の飽和水蒸気圧以上の圧力の、水の亜臨界または超臨界条件下で0.001秒〜60分間、水熱処理することによって得られた機能性を向上させた大豆加工品と、それを用いた加工食品が提供される。ここでいう機能性としては、(1)血糖値上昇抑制作用、(2)抗癌作用、(3)血圧上昇抑制作用、(4)抗酸化作用が挙げられる。本発明には、これら(1)〜(4)の機能性を1つまたは2つ以上兼ね備えた大豆加工品も含まれる。 本発明における水熱処理の程度は、大豆中の高分子成分(蛋白質、繊維質、糖質、脂肪を含む;多成分系)について、(1)殆ど全て加水分解する場合、(2)部分的な加水分解する場合、(3)主として高次構造の変性を起こす場合を含む。本発明の大豆加工品を食品素材として利用する目的の場合、(2)または(3)の程度の加工が適当であり、特に(3)の程度に加工することが好ましい。 本発明で、原料および用いる水は、pH3〜9の範囲でpH調製しておいてもよい。食品添加物であるクエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸三ナトリウムアンモニアなどの弱アルカリ成分や、少量の炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の強アルカリ成分を用いることによって原料液pHをアルカリ方向にpH9までの範囲に調製し、又は、主としてクエン酸や酢酸などの弱酸成分やそれらを含む食品素材や少量の塩酸(食品添加物適合品)などの強酸成分を利用して、原料液pHを酸性方向にpH3までの範囲に調製することによって、オカラピューレの食感や風味・色調等の物性改良や部分分解を有利に行うことができ、高温高圧加工の効果をより高め得る。 本発明において、大豆由来原料を温度180℃以上で、その温度の飽和蒸気圧力以上の圧力下で、水の亜臨界状態または超臨界状態で0.001秒〜60分間処理する装置はバッチ式でも連続式でもよいが、連続式が短時間に効率よく大量処理できる点で好ましい。反応時間は実質的には数秒〜数十秒間の処理時間を設定することが実用的である。なぜならば熱交換、熱伝達、混合効率などの諸条件によってある程度の反応時間が必要である。これよりも短時間過ぎると加熱ムラを起こし、長時間であれば反応温度は低くできるが、反応容器を大きくするか、処理能力を下げる対応になる。しかし長時間によって副産物が多くなり、有効成分の消失を招くことになる。ただし、急速昇温・急速冷却が可能な、効率のよい加熱手段(マイクロリアクター)によれば、0.1秒以下でもよく、例えば0.001秒〜0.1秒等では更に高温(300℃以上、例えば400〜600℃等)でもよい。 バッチ式の場合、大豆原料スラリーを反応槽に供給・排出する手段や装置を備えることが望ましく、反応槽は密閉できる耐圧耐熱容器であって、清水から熱水を発生させる熱水発生装置とその熱水を反応槽に供給する供給手段とを備えた直接加熱手段、または直接通電によるジュール加熱やマイクロ波加熱のような直接加熱手段を備えるか、または間接的に原料を加熱する加熱手段(直火、水蒸気、亜臨界流体、超臨界流体、電気炉、流動砂浴、溶融塩槽、オイルバス、電磁誘導加熱など)を備え、冷却手段とを備える。または所望により前記反応槽を間接的に加熱する多重構造のジャケット式タンクであってもよく、熱媒で間接的に加熱する加熱手段と冷却手段と、必要に応じて、掻き取り式撹拌装置などの攪拌手段を備えている。 連続式処理装置の場合、大豆原料を反応槽へ圧送する高圧ポンプ手段、前記熱水発生手段、熱水供給手段、冷却手段、耐圧耐熱性の反応槽、内圧を所定の圧力に保ち処理液を連続的またはバッチ連続的(交互)に排出する背圧手段が設けられる。または前記熱水発生装置および熱水供給手段の代替または併用して、所望により間接的に加熱する熱交換器(多重管式、多管式、プレート式、マイクロリアクターなど)を備えてもよい。その熱媒は、清水や水蒸気、オイル、原料でもよい。加熱済みの原料の熱量を加熱前の原料加熱に再利用すると効率がよい。大豆由来原料スラリーを得るための前処理として、大豆原料を微粉砕する手段(例えば高圧ホモジナイザーなど)を設けることができる。それによって、より短時間に正確な水熱反応を行い、大豆加工品も品質の制御が容易になる。高圧ホモジナイザーで高圧に昇圧された状態で、前記加熱手段によって加熱また後処理にも微粉砕手段を設けてもよい。それによって処理前に比べて一層、滑らかさや微粉砕効果が得られやすくなる。また連続排出時に急激に減圧(フラッシング)することによって、匂いや揮発性成分を除去することも可能である。発生した水蒸気は再び原料の予備加熱に利用できる。 なお、通常のオカラは水分70〜80%wtで、微粉砕することにより流動性も増すので、新たな加水がなくても十分に水熱反応を行なうことが可能である。 反応圧力は、熱水注入式の場合、熱水の温度における飽和蒸気圧以上が好ましく。熱水注入でない間接加熱方式の場合、反応部の最高温度における水の飽和蒸気圧力以上である。上限は特に規定しないが、現時点での技術水準において、常用圧力は10〜30MPaで、50MPa〜500MPaまで可能である。一般に高圧条件ほど水密度が高まり、物質との相互作用が強まり、反応の制御性を高めることができる。また同じ温度の水蒸気を発生する場合よりも、2〜3割少ない投入エネルギーで、熱水を得ることができる。 請求項2記載の発明は、大豆由来原料を温度180℃以上で、その温度の飽和蒸気圧力以上の圧力の水の亜臨界または超臨界条件下で、0.001秒〜60分間水熱処理することにより製造される、前記血糖値上昇抑制作用を有する大豆加工品である。ここで実用的には大豆原料を温度180〜300℃で0.01秒〜10分間処理することが好ましく、温度200〜240℃で0.1〜60秒処理することが更に好ましい。また、処理後の大豆加工品の粘度(硬さ)、粘性(弾性)が同じ濃度の未処理の大豆原料に比べて、増大するような条件が好ましく、具体的には、固形分約2%wt、5cPのオカラのスラリー未処理品(粘度5cP)を、圧力30MPa、温度180〜340℃で15〜18秒間処理して得たオカラピューレ処理品ではその粘度は10〜55cPとなり、未処理の粘度の2倍〜11倍になる。特にこの条件下では180〜260℃で増大しやすく、特に180〜220℃で最も粘度が増大する。低温または低圧で長時間の反応でも類似した製品を得ることができるが、前記のように副産物や副次的反応が起こりやすくなり、場合によっては焦げ臭や着色が発生し、食品素材としては好ましくない。固形分濃度が更に高ければ、2〜20%wtで10倍〜1,000倍、20%〜50%では100〜100,000倍にも増大し得る。この粘性や保水性の増大は食物繊維(セルロースやペクチン質、ウロン酸の一種で大豆に多いガラクチュロン酸など)の高分子構造や結晶構造がほぐれる(変性する)ことによるものと推定している。粘性が高まったオカラピューレについて、人や動物を用いたスクロースやブドウ糖などの負荷試験(in vivo)において、食事後、血糖値上昇速度が緩やかになり、最高血糖値が押さえられる。また220℃に限らず、180〜340℃の処理条件で、特に高温ほど、消化酵素(例えば体内の糖質消化酵素であるスクラーゼ、膵アミラーゼ、マルターゼなど)の活性を阻害する(in vitro)。これは食物繊維以外に消化酵素阻害活性のある低分子物質が生成している可能性を示している。またin vivoにおける試験で、糖尿病自然発症性マウス(や糖尿病患者)に対しても、長期的にも、血糖値上昇を抑制する傾向が期待される。本発明によれば元来食物繊維の有する腸管における糖吸収抑制効果や、消化酵素との接触阻害効果を更に大幅に増強できることがわかった。このような現象は前記した水熱処理により食物繊維の高分子構造や結晶構造がほぐされ、その結果粘性・保水性が増大させられることによるものと推定される。したがって、本発明の大豆加工品を摂取したときに、食後の糖質の消化・吸収が抑制され、血糖値上昇が遅延するものと考えられる。 請求項3記載の発明は、大豆由来原料を温度180℃以上で、その温度の飽和蒸気圧力以上の圧力の水の亜臨界または超臨界条件下で、0.001秒〜60分間水熱処理することにより製造される、前記抗癌作用を有する大豆加工品である。実用的には200〜600℃0.01秒〜10分間が好ましく、240〜400℃で0.1〜60秒間が更に好ましい。 例えば、250〜350℃(特に300〜340℃)で、1〜20秒間(特に2〜5秒間)処理した、前記オカラピューレについて、(1)白血病P388細胞によるスクリーニング試験、(2)マウスJB6 Cl 41細胞を用いた抗発癌プロモーション作用試験、(3)白血病P388細胞、マウス結腸癌colon 26/clone20細胞(C20細胞)を移植した担癌マウスによる抗腫瘍試験を行った。水溶性画分について白血病P388細胞によるスクリーニング試験を行うと未処理に比べて腫瘍細胞の増殖率が1%〜80%に低下する。また前記オカラピューレのジメチルスルホキシド(DMSO)抽出液について、マウスJB6 Cl 41細胞を用いた抗発癌プロモーション作用試験を行うと、JB6 Cl 41細胞の発癌プロモーター誘導コロニーの形成を有意に10〜90%抑制する。また前記オカラピューレについて、白血病細胞やマウス結腸癌細胞を移植した担癌マウスによる抗腫瘍試験を行うと、マウスの延命効果や癌細胞組織の減少が認められた。 大豆に元々含まれる、ダイジン、ダイゼイン、ゲニスチン、ゲニステインなどのイソフラボンは抗癌性を示すと言われている。またそれらの配糖体の糖が脱離したアグリコン態が腸管での吸収性が高く、より効果的とも言われている。本発明では、未処理に比べて高温域では、少し茶色く着色したりするが、有意に抗癌性または抗腫瘍性が高まることから、アグリコン態イソフラボンの増加や、多少加水分解も起きており、抗酸化性ペプチドやポリフェノール類(イソフラボン類)由来の生成物(メラノイジン等)が複合して関与しているものと考えられる。また元来大豆にはない、新規な抗発癌性または抗腫瘍性物質の生成(例えばシクロペンテノン類など)も関与している可能性がある。このように本発明は、水の亜臨界または超臨界条件で加工された大豆加工品に、in vitroやin vivo試験において抗癌性または抗発癌性または抗腫瘍性を発現・増大させたものである。 請求項4記載の発明は、大豆由来原料を温度180℃以上で、その温度の飽和蒸気圧力以上の圧力の水の亜臨界または超臨界条件下で、0.001秒〜60分間水熱処理することにより製造される、前記血圧上昇抑制作用を有する大豆加工品である。実用的には180〜600℃、0.01秒〜10分間が好ましく、240〜400℃で0.1〜60秒間が更に好ましい。 本発明では大豆加工品についてアンジオテンシン変換酵素(ACE)の阻害活性測定や動物試験を行い検討した。ACE阻害活性は未処理の大豆加工品には僅かしか認められないが、亜臨界水処理することによって顕著に発現する。また、亜臨界水の温度が高くなるに連れてACE阻害性は強くなり、特に260〜340℃の処理条件では、高温ほど、阻害性が非常に強くなる結果を得た。高温域では少し茶色く着色したり、多少加水分解も起きており、ペプチドやポリフェノール類(イソフラボン類)由来の新規な生成物が関与しているものと考えられる。 本発明は、大豆由来の原料を水の亜臨界または超臨界条件で加工さし、アンジオテンシン変換酵素阻害活性(in vitro)を新たに発現・増大させた大豆加工品である。 請求項5記載の発明は、大豆由来原料スラリーを温度180℃以上で、その温度の飽和蒸気圧力以上の圧力の水の亜臨界または超臨界条件下で、0.001秒〜60分間水熱処理することにより製造される、前記抗酸化作用を有する大豆加工品である。実用的には200〜600℃、0.01秒〜10分間が好ましく、240〜400℃で0.1〜60秒間が更に好ましい。 未処理の大豆スラリーについて抗酸化性は僅かしか認められないが、前記大豆スラリーは亜臨界水または超臨界水処理することによって顕著に発現する。また、亜臨界水の温度が300℃以上で著しく増大する。これにはペプチドやポリフェノール類(イソフラボン類)由来の新規な生成物が関与しているものと考えられる。 このように本発明は、水の亜臨界または超臨界条件で加工して、抗酸化性が増大した大豆加工品である。 また、請求項6に記載の発明によれば、前記請求項1〜5に記載する大豆加工品を、種々の食材に配合して優れた生理的機能を有する多くの食用調合品が提供される。用いる大豆加工品は、前記請求項2〜5に記載する機能性を少なくとも1つ以上有する同一の大豆加工品でもよい。また、それぞれの条件で製造された各機能を少なくとも1つ以上有する大豆加工品を配合した大豆加工混合品を用いてもよい。また大豆以外の諸原料についても本発明品(請求項1〜5)を応用した加工品であってもよい。機能性を発揮するため、前記食用調合品に占める前記大豆加工品の割合(重量割合)は、1%以上、好ましくは10%〜50%未満で、さらに好ましくは50%以上、例えば70〜100%未満ある。 大豆加工品を食品素材として利用するという目的を達成するには、風味、着色の少ない条件がよく、実用的には180〜400℃、0.01〜60秒間の処理が好ましく、200〜260℃で0.1〜5秒間が更に好ましい。場合によっては、少し焦げ臭が発生する300〜400℃の方が香ばしい風味(豆入りかきやま様の風味)を付けることができ、砂糖等の甘味料で甘みを付与すると、コーヒー牛乳風味で美味となり好都合である場合がある。 具体的には全粒豆腐、全粒豆乳、厚焼き卵(伊達巻き卵)、茶碗蒸し、カスタードプディング(プリン)、チーズケーキ、ハンバーグ、いわしのつみいれ、ふかし(白身魚のしんじょ)、蓮根蒸し、水羊羹(オカラ羊羹)、蒸しパン、団子(しん粉)、団子(もち粉)、マッシュポテト等が挙げられる。その他、豆乳、調整豆乳、豆乳飲料、高濃度の大豆タンパク溶液、生卵、卵白、卵豆腐や茶碗蒸しの仕込原料液、牛乳や牛乳加工飲料、寒天飲料、生澱粉液などのゾル状食品(飲料)寒天ゲル、ゼラチンゲル、こんにゃく、絹豆腐(絹ごし豆腐)・充填豆腐・木綿豆腐・寄せ豆腐(おぼろ豆腐)等の豆腐類、厚揚げ・生揚げ・薄揚げ・寿司揚げ・がんもどき等の油揚生地、凍り豆腐やその凍結前後の生地、寿司揚げ・厚揚げ・生揚げ・薄揚げ・がんもどき等の油揚類、湯葉や湯葉豆腐、大豆タンパク質ゲル・豆乳ヨーグルト、豆乳ゼリー等の大豆(国産大豆、輸入大豆、それらの大豆粉、分離大豆タンパク質、濃縮大豆タンパク質等含む)加工食品、蒲鉾・竹輪・揚げ蒲鉾・はんぺん、魚肉ソーセージ等の水産練り製品、ゆで卵、プリン、茶碗蒸し、メレンゲ等の卵製品、チーズ・ヨーグルト等の牛乳加工製品、ゼラチンやハムソーセージなどの畜肉加工食品、うどん・素麺・ラーメン・パスタ・生麩(乾燥麩)・グルテン・パン生地や焼成パン・ビスケット等の生地や焼成ビスケット等の小麦加工食品、蕎麦生地、ジャムやチョコレート、グミ等の菓子類などである。またデンプン・多糖類性ゲル(ゾル)状食品では胡麻豆腐、蒟蒻や蒟蒻ゼリー、ところてん、ういろう、羊羹、煎餅やかきやま、ケーキ等の菓子生地、餅、胡麻豆腐、杏仁豆腐や豆花等のゲル化剤を使用したゼリー状食品等も挙げられ、これらに限定されるものではない。 本発明によれば、大豆由来の原料から、元来大豆の有している生理機能を増強し、かつ処理前に全くなかった生理活性が発現される。しかも、必要に応じてpH調製剤を使用するが、それ以外は、大豆由来の原料と水と熱のみを使用するものであって操作および食品衛生上は安全であり、連続式にすれば、省スペースで極く短時間の処理で、大量に処理できるので、産業的にも大いに有利である。また高圧部分もコンパクトに設計することができるので、運転管理上、作業安全上、極めて有利なシステムが提供される。特に食品廃棄物(未利用資源、バイオマスでもある)、例えばオカラの有効利用をして、極めて付加価値の高い製品にできるので、環境負荷を軽減し、食糧不足対策にもなり、かつ健康を促進させる食用調合品を提供することができ、消費者にとっても大きな魅力が与えられるものである。大豆由来原料やオカラ等について大量処理が可能で、経済的かつ付加価値を高める技術として、高温高圧水による加工大量処理技術への期待が高まる。 以下の実施例によって本発明を更に詳しく説明する。 用語の説明:以下に本明細書中に使用する用語を簡単に説明する。 オカラピューレ:高温高圧水(亜臨界水)反応後のペーストまたは液状のオカラ AUC :吸収曲線下面積(吸収量に比例すると言われている。) 糖負荷試験 :特定の糖質の水溶液を一定量経口投与し(動物試験の場合、胃内へゾンデで投与)血糖値を経時的に調べる試験。 ACE :アンジオテンシン変換酵素 以下にオカラを原料にした実施例を示すが、本発明は、オカラと類似の成分を有する大豆由来の種々の加工品やその残さなどにも適用できる。また本発明を転用して、小豆やえんどう豆、ソラマメ等の豆類、ピーナッツ・胡麻・胡桃などの木の実類、米・小麦・大麦・ライ麦・胡麻などの穀類、リンゴ・ミカン・ブドウ等の果実類、ジャガイモ・サツマイモ等のイモ類、竹・竹の子などに由来する全ての食品原料を対象にしても、各々の処理条件は異なるが、同様な機能性を有する加工品を得ることは、容易に想到できるものである。 以下、まず代表的なオカラの調製およびその水熱処理方法を示すが、これに限定されるものではなく、一般的は大豆加工品の製造方法や装置や、一般的な水熱反応の方法や装置を適用することができる。 通常の豆腐製造工程に従って、まず大豆(H15年度石川県産 商品名「エンレイ」、水分10%wt)10kgを15℃で24時間浸漬し、豆乳プラント(高井製作所製NS−2000S)を用いて、湿式粉砕機(高井製作所製コニカルグラインダーG08型)で粗粉砕し、生ご液を得て、直ちに圧力釜内に移し、消泡剤を添加せずに生蒸気(3kg/cm2G≒0.3MPa)を直接吹き込み、攪拌機で攪拌しながら、5分間で102℃まで加熱し、煮沸液を得た。その煮沸液を直ちに搾り機(高井製作所製シリウス1連)を用いて、豆乳(固形分12%wt)55kgとオカラ(固形分20%wt)12kgとを分離した。そのオカラ12kgに清水12kgを添加しよく混練したのち、高圧ホモジナイザー(Niro Soavi社製,NS2000L PONY, MAX.150MPa,40l/H)を用いて、20MPa、40MPa、60MPa(あるいは100MPa)の圧力下で順次処理して、微粉砕し、オカラスラリーを得た。そのオカラスラリーを高圧ポンプで毎分10mlの割合で送液し、高温高圧処理装置(高井製作所製)を用いて30MPaで220℃、300℃、340℃でそれぞれ約2秒間処理した。こうして得られて本発明による水熱処理品を以下の実施例でサンプルとして使用した。<正常マウスに対するショ糖負荷試験、被験試料によるショ糖負荷血糖値への影響> CDF1雌性マウス(5〜12週齢、体重約20g;4週齢で三共ラボより購入し、固形飼料で1週間飼育した後、数回の実験に供した。)を一晩絶食させ、翌朝9時に220℃処理オカラピューレ(OPA)、300℃処理オカラピューレ(OPB)、340℃処理オカラピューレ(OPC)及び60(あるいは100)MPa処理オカラホモジナイズ(OH60あるいはOH100)を胃内ゾンデにて,それぞれ0.2ml(10ml/kg)投与した。対照には水道水を投与した(コントロール)。糖負荷試験を行うためにOPA、OPB、OPC、OH60(あるいはOH100)及び水道水投与30分後にショ糖を2g/kg(体重あたり)投与した(0.2g/mlを0.2ml)。OPA、OPC、OH60(あるいはOH100)及び水道水投与後の血糖値への影響をみるため、採血は被験試料投与前、投与30分後,ショ糖投与後30分ごとに120分まで尾静脈より行い血糖値を測定した。血糖値の測定には簡易血糖測定器アキュチェックアクティブ(許可番号14BY5011,三光純薬株式会社)を用いた。 糖負荷試験の結果を表1および表2に示す。 表1からわかるように、220℃処理のオカラピューレ(OPA)では、他の亜臨界水反応後のオカラピューレ、特にブランク(OH100)に比べ、血糖値の上昇ピークが低く、血糖値の上昇ピークタイムが遅くなる結果が得られた。 また、表2からわかるようにコントロールや精製水+ショ糖群と比較して、オカラピューレとショ糖を投与した群の方は、有意にAUCが低くなる結果を得た。一方、オカラ微粉砕物と精製水との比較では有意差が見られなかった。 このことはオカラピューレを主体とした調理品を考えた場合、血糖値抑制効果が認められ付加価値の高い食材ということができる。 以上のように、オカラスラリーを高温高圧処理、特に220℃処理において、オカラピューレの血糖値上昇抑制効果が大幅に増強されることが、本糖負荷試験(動物試験)によって確認された。また、結果は示していないが、30MPa、300℃および340℃処理のオカラピューレについて、マウスへの長期投与試験を実施し、HbA1cと体重の経時変化を調べた。[実施例2−1] 下記の条件で、オカラピューレの抗腫瘍効果の検討を行った。[オカラピューレの抗腫瘍効果の検討] 7週齢の雌BALB/cマウス(日本SLC)を購入後、1週間、水と餌を自由に与え飼育した。その後、各群の体重が均一になるように群分け(6匹/群)し、左足蹠にマウス結腸癌colon 26/clone 20(C20) 細胞(106個)に移植した。移植翌日(Day1)から1日1回(1 ml)蒸留水、コントロール(オカラ蒸留水抽出)、オカラピューレ(オカラ高温高圧処理; 310℃)を投与し、マウス左足蹠高および担癌マウスの生存日数を測定した。また、C20細胞は、colon 26細胞から高度に悪液質を誘導する細胞としてクローニングした細胞であり、悪液質の指標となる体重減少へのオカラピューレの効果も検討した。結果を表3、表4、および表5に示す。 マウスの生存日数は、オカラピューレ投与群で延長する傾向が認められた。移植後2週間までの体重には各群で著しい違いは認められないものの、足蹠高の減少傾向が認められることより、オカラピューレは悪液質の抑制ではなく、腫瘍の増殖を抑制すると考えられた。※悪液質;癌患者、特に末期癌患者では食欲不振、重篤な低アルブミン血症に起因する血漿の浸透圧の低下、体脂肪の喪失及び肝機能の低下などの症状が観察される。これらは癌悪液質と総称され、悪液質を発現している患者では予後の悪化、QOLの低下及び生存期間の短縮をまねく。 以上のように、高温高圧処理、特に340℃処理のオカラピューレには生存日数の観察、腫瘍細胞サイズ肥大抑制、体重減少抑制(悪液質化抑制)において、オカラピューレの機能として抗腫瘍効果において優位な差が確認された。すなわち高温高圧処理オカラピューレは調理品の有用な供給源であると同時に抗腫瘍効果の機能性が確認された。[実施例2−2] 下記の条件で、オカラピューレの抗腫瘍効果の検討を行った。使用細胞はマウス白血病細胞:mouse leukemia P388 cell (P388)を使用した。P388細胞はRPMI1640培地(5%牛胎児血清,20 μM 2-mercaptoethanol,30 μM kanamycin)で,37℃,5%CO2インキュベーター中で培養し,薬物感受性試験に使用した。[In Vitro 薬物感受性試験] 細胞懸濁液(3.0 × 104 cells/ml)を,96 well plateに100 μlずつ分注した。37℃, 5% CO2インキュベーター中で16時間培養後,種々の被験薬物濃度で44時間培養した。被験薬物は,ポアサイズ0.2 μmのフィルターを用い滅菌して用いた。その後,2 mg/mlに調整したMTT試薬のphosphate buffered saline溶液(PBS : pH 7.4)を1 well当たり25 μl加え4時間培養し,MTT-formazanを生成させた。上清を吸引除去しdimethylsulfoxide (DMSO) を200 μl加え,MTT-formazanの540 nmにおける吸光度を測定した。[被検試料]P220 オカラピューレ220℃亜臨界水処理 P260 オカラピューレ260℃亜臨界水処理 P320 オカラピューレ320℃亜臨界水処理 H60 オカラホモジナイズ60MPa x 2回通過、亜臨界水未処理 W 精製水 P220、P260、P320、およびH60は各1ml(各々につき4本ずつ)を13,000rpm,4℃,45minで遠心した。沈殿部,懸濁部,脂質膜の3層に分離したものの,懸濁部を0.5mlとり2本をあわせて1mlとして再度同条件で遠心した。同様に,分離した懸濁部0.8mlを無菌フィルター (0.2 μm) に付し,濾過滅菌した。なお、OCは一回目の遠心でほぼ分離したと考えられる。結果を表6に示す。 表6から分かるように、オカラピューレ340℃亜臨界水処理抽出液に強い抗癌性が認められた。本実施例でも、高温高圧処理、特に340℃処理のオカラピューレには抗腫瘍効果が有意に確認された。すなわち高温高圧処理オカラピューレは調理品の有用な供給源であると同時に抗腫瘍効果の機能性が確認された。[実施例2−3] 下記の条件で、オカラピューレ(30MPa、310℃、約3秒亜臨界水処理;凍結乾燥品)のオカラピューレ成分のコロニー形成抑制作用(抗発癌プロモーション作用)の検討を行った。各オカラピューレのdimethyl sulfoxide(DMSO)抽出は下記の通り行った。オカラピューレext.1は凍結乾燥したオカラピューレ50 mgを1 mlのDMSOに懸濁させた後、約2時間振盪し、15000 rpm で15分遠心した上清。オカラピューレext.1(1/10);オカラピューレext.1をDMSOで10倍希釈したもの。オカラピューレext.2は凍結乾燥したオカラピューレ50 mgを1 mlのDMSOに懸濁させた後、約30分振盪し、15000 rpm で15分遠心した上清。オカラピューレext.2(1/10)はオカラピューレext.2をDMSOで10倍希釈したもの。[コロニーアッセイ] 0.5%寒天を含むminimum essential medium (MEM)を下層に固化した後、上層にJB6細胞(104個)を懸濁した0.33%寒天MEMを重層する。(なお、両層の寒天培地は、(DMSO最終濃度が0.2%となるように) 500倍希釈したオカラピューレDMSO抽出液 [オカラピューレext.1, オカラピューレext.1(1/10), オカラピューレext.2, オカラピューレext.2 (1/10)]とtumor promoterとして用いた20 ng/mL epidermal growth factor (EGF) を含む。)その後、2−3週間後の寒天培地中に形成されるコロニーを顕微鏡下で計測した。結果を表7に示す。 表7から分かるように、オカラピューレDMSO抽出液は、有意にJB6 Cl 41細胞のEGFで誘導したコロニー形成を抑制した。その抑制の程度は、オカラピューレext.1>オカラピューレext.2であり、抽出時間に依存して抑制率が上昇した。[MTT (3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide)法] JB6細胞(5x103個)を96 wellプレートに撒き、翌日(DMSO最終濃度が0.2%となるように) 500倍希釈したオカラピューレDMSO抽出液 (オカラピューレext.1およびオカラピューレext.2)を原液(1)、10倍希釈(0.1)、100倍希釈(0.01)し処置する。3日間培養後、MTT試薬を添加し、4時間後に形成されるMTT formazanの比色値をマイクロプレートリーダー(540 nm)にて測定した。結果を表8に示す。 表8から分かるように、オカラピューレDMSO抽出液 は、JB6 Cl 41細胞の細胞増殖に対しては影響を与えないことから、前記コロニー形成抑制作用が増殖を抑制した結果ではないことが示された。※JB6 mouse epidermal cell (P-)のclone JB6 (P+)は、phorbol ester (TPA)やepidermal growth factor (EGF)といったtumor promoterによりin vitroでanchorage-independentに増殖 (cell transformation) する細胞であり、これらの細胞は、発癌過程のmolecular mechanismを研究するtoolとして確立されているcell systemである。※細胞癌化能の解析に用いられるコロニーアッセイとは、通常軟寒天内コロニー形成能のことをいう。寒天は一般に細胞の増殖を阻害するので正常細胞は増殖できない。従って、寒天内でもコロニーを形成し増殖できる細胞は増殖能力が高いと判断される。(anchorage independent growthを有する。)※MTTは、帯黄色の化合物で、生細胞のミトコンドリア中の呼吸鎖に作用し、存在する酵素によってテトラゾリウム環が開裂し、暗青色のMTT formazanを生成する。この生成量は細胞数をほぼ比例関係にあり、formazanはdimethyl sulfoxide(DMSO) 等によって分解・呈色するため、その比色値(540 nm)を測定し、比較することにより細胞増殖の指標とすることができる。 アンジオテンシン変換酵素(ACE;angiotensin converting enzyme)阻害能の測定を行った。<サンプル抽出方法> 遠沈管にサンプルを0.250gいれ、pH8.5リン酸bufferを10ml加えて、2時間浸透抽出した。抽出サンプルは、冷蔵庫で保存し、使用直前に、メンブランフィルターで2mlほど濾した。<酵素反応> メンブラン濾過した抽出液を5、10、20倍のpH8.5リン酸bufferで希釈し、よく攪拌する。試験管を8本横に並べ、順番にコントロール、コントロールブランク、サンプル1/5、サンプル1/5ブランク、サンプル1/10、サンプル1/10ブランク、サンプル1/20、サンプル1/20ブランク用の試験管とした。全ての試験管に50μlの基質をいれた。 pH8.5リン酸bufferを、コントロールの試験管に100μl、サンプルブランクの試験管に200μl、コントロールブランクの試験管に300μlを加える。 3つに希釈した抽出液を、サンプルの試験管とサンプルブランクの試験管にそれぞれ100μlずつ加えた。加え終わったら、全ての試験管を十分に攪拌し、ビー玉でふたをして、37℃のウォーターバスに試験管を立てて、5分ほどプレインキュベートしておいた。ストップウォッチをスタートさせ、30秒後からブランク以外の試験管にACEを200μl、30秒ごとに順次加えていく。反応時間は1時間。1時間後から、ACEを加えた試験管に3%メタリン酸ナトリウム溶液を100μl加えて反応を止めた。 ACEを加えた試験管の作業が終了したら、ブランクの試験管にも3%メタリン酸ナトリウム溶液を100μl加え、攪拌した。 得られた反応液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定し,酵素反応により生成した馬尿酸を定量し,ACEの活性を50%するIC50値を求めた。[HPLC条件] HPLC LC-10ADVP(島津製作所製) カラム STR ODS(4.6×250mm,SHINWA CHEMICAL) 移動相 A 0.01M potassium phosphate buffer (pH2.8) B 100% acetonitrile A:B=80:20 流 速 1.0 ml/min カラム温度 40℃ 検出波長 226nmそれぞれをバイアルに移し、高速液体クロマトグラフィーで分析した。 オカラ自体にはACE阻害活性があるが、これはオカラに含まれるポリフェノールが関与しているものと思われる。ACE阻害活性は処理温度に比例して増加しているので、熱処理により生成する褐変化物質(メラノイジン等)がACE阻害に関与していることが示唆される。結果を表9に示す。結果は示さないが、別途、動物試験も行った。 表9から分かるように、特定の亜臨界水条件で反応後のオカラピューレ(特に260〜340℃処理)に血圧上昇に関与するアンジオテンシン変換酵素の阻害性が強くなる結果を得た。高温高圧水(亜臨界水)の温度が高くなるに連れて、ACE阻害活性も強くなる。一方、オカラ微粉砕物にはACE阻害活性は見られなかった。ニコチアナミン等の増加なども考えられ、先行出願(特願2004−304623)で開示したGABA等、複数の物質との相乗作用によって、生体内においてもオカラピューレに血圧上昇を抑制する効果があるものと期待される。 抗酸化性はDPPH(1,1−Diphenyl−2−picrylhydrazyl)ラジカル消去能の測定によって評価した。<抽出方法>・被検試料(各オカラピューレの凍結乾燥品)をそれぞれ0.500g秤量し、50ml遠沈管に入れる。これにDIMS(Dimethyl Sulfoxide)か80%エタノールをホールピペットで25mlを加えて、密栓し、常温で振とう槽で強く振とうしながら2時間抽出を行った。抽出後ろ紙でろ過したろ液、または遠心分離(常温、3000rpm、5〜10分)した上澄液を被検液とした。 その被検液を、メンブランフィルター濾して、その抽出液を1mlとり、これに80%エタノールを1ml、MES(2−morpholinoethanesulphonic acid) buffer 1ml、100%エタノール1.7ml、蒸留水0.3ml加え、充分攪拌した。 予め、200μM DPPHはDPPH 3.94mgを100ml三角フラスコにいれ、そこに50mlの100%エタノールを加え、遮光しながら、1時間攪拌し、調製した。 次に6本の試験管全てに蒸留水を300μlと、MES bufferを300μlいれ、それぞれの試験管に50%エタノールを(1200−a)μl加え、試料量aμl加え、よく攪拌した。 各試験管に200μM DPPHを600μlを加え、素早く充分攪拌後、2分後に検出波長520nmで、蒸留水をブランクとして吸光光度を測定した。その値からDPPHラジカル消去能を計算した。結果を表10に示す。 表10から分かるように、亜臨界水(220℃、260℃、300℃)から抗酸化性が強まり、超臨界水状態付近(340℃)で最大となった。 以下に本発明の機能性を向上させた大豆加工品として、220℃処理オカラピューレを例にとって、それを用いて製造した食用調理品の実施例(5−1)〜(5−18)について説明する。なお、本実施例は北陸学院短期大学食物栄養科にて実施した結果である。官能評価は常温にて基本調理品との比較した。パネル数15名(北陸学院短期大学女子学生)でコメントを記録し集計した。(5−1)厚焼き卵(伊達巻き卵) 以下の材料を使用する。[調合例1] 卵 オカラピューレ (卵の)25% 調味料(卵+オカラピューレの)塩0.6%+醤油1.0%+砂糖8%+酒6%+だし汁6%[調合例2] 卵 オカラピューレ (卵の)12.5% 白身魚のすり身 (卵の)12.5% 調味料(卵+オカラピューレの)塩0.6%+醤油1.0%+砂糖8%+酒6%+だし汁6%[調合例3](基本調理品) 卵 白身魚のすり身 (卵の)25% 調味料(卵+オカラピューレの)塩0.6%+醤油1.0%+砂糖8%+酒6%+だし汁6%調合方法: オカラピューレ、すり身に卵1個分ずつ入れ、調味料を入れてよく攪拌した。卵焼き鍋に油を入れ、180℃に熱し、卵液を流し入れ、弱火で焼いた。表面がかわきかけたところで裏返し、さっと焼き上げた。(5−2)茶碗蒸し 以下の材料を使用する。[調合例1] 卵 オカラピューレ (卵の)25% 出し汁 (卵の)100% 調味料(卵+オカラピューレ+出し汁の)塩0.7%+砂糖1%[調合例2] 卵 オカラピューレ (卵の)200% 出し汁 (卵の)100% 調味料(卵+オカラピューレ+出し汁の)塩0.7%+砂糖1%[調合例3](基本調理品) 卵 出し汁 (卵の)300% 調味料(卵+オカラピューレ+出し汁の)塩0.7%+砂糖1%調合方法: 材料をよく混ぜて漉し、85〜90℃で蒸した。(5−3)カスタードプディング(オカラプディング) 以下の材料を使用する。[調合例1] 卵 オカラピューレ (卵の)100% 牛乳 (卵の)500% 砂糖 (卵の)100%[調合例2] 卵 オカラピューレ (卵の)50% 牛乳 (卵の)200% 砂糖 (卵の)50%[調合例3](基本調理品) 卵 オカラピューレ (卵の)50% 牛乳 (卵の)200% 砂糖 (卵の)50%調合方法: 材料をよく混ぜて漉し、天板に湯をはり、160℃のオーブンで蒸した。(5−4)チーズケーキ 以下の材料を使用する。[調合例1] 基本材料 115% オカラピューレ 115% 小麦粉(ふるっておく)30% 卵白(固く泡立てる) 40%[調合例2] 基本材料 160% オカラピューレ 70% 小麦粉(ふるっておく)30% 卵白(固く泡立てる) 40%[調合例3](基本調理品) 基本材料 230% 小麦粉(ふるっておく)30% 卵白(固く泡立てる) 40%基本材料はクリームチーズ250g+バター60g+砂糖60g卵黄30g+牛乳60gである。調合方法: (1)クリームチーズとバターを湯煎でクリーム状に練り、砂糖、卵黄、牛乳、オカラピューレを順に加えてよく練りまぜた。 (2)(1)にふるった小麦粉と卵白をさっと混ぜ、型に入れ、天板に湯をはり、160℃のオーブンで30〜40分焼いた。(5−5)ハンバーグ 以下の材料を使用する。[調合例1] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の20%[調合例2](基本調理品) 基本材料のみ 基本材料は合挽肉500g+玉ねぎ100g(みじん切りにし、炒めておく)+パン粉10g+卵50g+塩5g+トマトケチャップ20gである。調合方法: (1)合挽肉(または牛挽肉)に玉ねぎ、パン粉、卵、塩、トマトケチャップ、オカラピューレを加えて、よく練りまぜ、薄い楕円形に成形する。 (2)フライパンに油を熱し、両面強火でさっと焼き、あと弱火にして中まで火をとおす。(5−6)いわしの摘入れ 以下の材料を使用する。[調合例1] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の40%[調合例2] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の20%[調合例3](基本調理品) 基本材料のみ基本材料はいわしのすり身250g、味噌15g、小麦粉10g、卵黄15gである。調合方法: (1)いわしのすり身、味噌、小麦粉、卵黄、オカラピューレをよく混ぜる。 (2)お湯をわかし、その中に(1)を一口大くらいにして落としてゆでる。(5−7)ふかし 以下の材料を使用する。[調合例1] 白身魚のすり身 500g オカラピューレ 250g 卵白 50g[調合例2](基本調理品) 白身魚のすり身 500g だし汁 250g 卵白 50g調合方法: (1)白身魚のすり身にオカラピューレ、卵白を加えてよく混ぜ、型に詰める。 (2)強火で15〜20分蒸す。少し冷ましてから型より出し、適当な大きさに切る。(5−8)蓮根蒸し 以下の材料を使用する。[調合例1] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の40%[調合例2] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の20%[調合例3] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の10%[調合例4](基本調理品) 基本材料のみ基本材料は蓮根のすりおろし250g、卵白30g、塩0.5g、砂糖2g、片栗粉5gである。 他に、ウナギの色つけ、甘エビ、白身魚、シイタケ、ぎんなんなど調合方法: (1)蓮根に卵白、調味料とオカラピューレを混ぜ合わせた。 (2)(1)にウナギの色つけ、シイタケ、ぎんなんなどを混ぜ、器に入れて、強火で15〜20分蒸した。(5−9)水羊羹 以下の材料を使用する。[調合例1] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の50%[調合例2](基本調理品) 基本材料のみ 基本材料は寒天7g、水500ml(400gに煮詰める)、砂糖200g、生あん250gである。調合方法: (1)寒天を10分以上煮溶かし、400gまで煮詰め、砂糖、生あんを加えてさらに煮る。 (2)(1)にオカラピューレを加えて、型に流し、冷やし固め、適当な大きさに切る。(5−10)蒸しパン 以下の材料を使用する。[調合例1] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の100%[調合例2](基本調理品) 基本材料 牛乳 基本材料の100%基本材料は薄力粉150g、ベーキングパウダ大さじ1、卵1個、砂糖60g、サラダ油大さじ1.5である。 他に甘納豆、レーズン、さつまいもなどを加るとよい。調合方法: (1)卵に砂糖、サラダ油、オカラピューレを混ぜ、小麦粉を加えてよく混ぜた。 (2)(1)を型に入れ、強火で15〜20分蒸した。(5−13)団子(上しん粉) 以下の材料を使用した。[調合例1] 上しん粉 オカラピューレ 上しん粉の100%[調合例2] 上しん粉 湯 上しん粉の50% オカラピューレ 上しん粉の50%[調合例3](基本調理品) 上しん粉 湯 上しん粉の100%調合方法: 上しん粉に熱したオカラピューレを加えてよく混ぜ、強火で15分位蒸し、さらによくこねる。(5−12)団子(白玉粉、もち粉) 以下の材料を使用する。[調合例1] 白玉粉 オカラピューレ 白玉粉の80%[調合例2](基本調理品) 白玉粉 水 白玉粉の80%調合方法: 白玉粉にオカラピューレをよく混ぜて少しづつ丸め、熱湯でゆで、水にとる。(5−13)マッシュポテト 以下の材料を使用する。[調合例1] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の40%[調合例2] 基本材料 オカラピューレ 基本材料の10% 牛乳 基本材料の10%[調合例3](基本調理品) 基本材料 牛乳 基本材料の20%基本材料はじゃがいも200g、バター10g、塩少々である。調合方法: じゃがいもを茹でてうらごしし、熱いうちにバターと塩を混ぜ、オカラピューレを加える。(5−14)ドレッシングもどき 以下の材料を使用する。[調合例] オカラピューレ+塩1.5%+酢20%調合方法: よく混ぜてやさいなどにかける。(5−15)オカラ羹 以下の材料を使用する。[調合例] 粉寒天 4g 水 300ml 砂糖 100g オカラピューレ 200g調合方法: (1) 寒天を水に入れて火にかけて煮溶かし、砂糖とオカラピューレを加える。 (2) 型に流して冷やし固める。(5−16)卵巻き 以下の材料を使用する。 卵 オカラピューレ (卵の)40% 調味料(卵+オカラピューレの)塩0.6%+醤油1.0%+砂糖8%調合方法: (1) 卵にオカラペースト、調味料を入れて混ぜる。 (2) 卵焼き鍋に油を入れ、180℃に熱し、卵1個分位を流し入れ、半熟のところで4つ折にする。さらに、1個分の卵を入れて、上記を芯にして巻き、次の1個分も同様に巻く。(5−17)肉団子 以下の材料を使用する。 鶏挽肉 500g ねぎ 100g 卵 1個 生姜 10ml 片栗粉 15g 塩 (材料の0.7%) オカラピューレ 130〜150g 揚げ油 適宜調合方法: 材料を全部混ぜ合わせ、一口大にまるめて揚げる。(5−18)オカラケーキ 以下の材料を使用する。 卵 6個 砂糖 220g 油脂(バター) 100g 薄力小麦粉 220g ベーキングパウダと合わせてふるっておく ベーキングパウダ 5g オカラピューレ 300g調合方法: (1) 卵に砂糖を混ぜて固く泡立てる。 (2) (1)に小麦粉を加えてさっと混ぜ、油脂、オカラピューレを加えて型に入れ、160℃のオーブンで35分焼く。 以上の調理品の試食評価を表11に示す。オカラピューレ添加品は多少オカラ臭がするが、伊達巻き、茶碗蒸し、ふかし、蒸しパン、団子については基本調理品との差がほとんどなかった。中でも、オカラ羹はオカラピューレを最も多く用いる調理品であり、高い評価を得た。この点から、同様に寒天以外に、ゼラチン、カラギーナン等のゲル化剤でゼリー状にしたものや、生クリームを加えたムースやババロア風にしたもの、甘みだけでなく塩味を効かせた副菜的なものにも応用できる。 以下に本発明の機能性を向上させた大豆加工品として、220℃処理オカラピューレを例にとって、それを用いて製造した食用調理品の実施例(6−1)〜(6−6)について詳しく官能検査を実施した。なお、本実施例は北陸学院短期大学食物栄養科にて実施した結果である。官能評価は常温にてパネル数は30名(北陸学院短期大学女子学生)で、検査方法は5段階評点法とし、評価項目は次の5項目とした。 1)見た目はよいですか(悪い・良い) 2)おいしいですか(まずい・おいしい) 3)好きですか(嫌い・好き) 4)次に供されたら食べたいと思いますか(食べる気になれない・食べたい) 5)調理品としての総合評価(悪い・良い) 各回答の解析方法は数量化(5段階:非常に悪い、かなり悪い、普通、かなり良い、非常に良い)し、平均値および標準偏差を算出した。(1)ふかし すり身、オカラピューレ(すり身の)50%、卵白(すり身の)10%(2)蒸しパン オカラピューレ100g、(3)卵豆腐 卵、オカラピューレ(卵の)100%、 塩(全体の)0.6%、薄口しょう油(全体の)1%、みりん(全体の)2%(4)オカラ羹 粉寒天4g、水300ml、砂糖100g、 オカラピューレ200g(5)白玉団子 白玉粉、オカラピューレ(白玉粉の)100%(6)ドレッシングもどき オカラピューレ+塩1.5%+酢20% ※レタスを添える 以下、用いた調合を示した。調合方法は前記のとおりに行った。 以下の調合品を調製した。(6−1)[ふかし] すり身 オカラピューレ すり身の50% 卵白 すり身の10%(6−2)[蒸しパン] 薄力粉 150g ベーキングパウダ 大さじ1 卵 1個 砂糖 60g、 サラダ油 大さじ1.5 オカラピューレ 100g(6−3)[卵豆腐] 卵 オカラピューレ (卵の)100% 調味料(卵+オカラピューレの)塩0.6%、薄口しょう油1%、みりん2%調合方法: 材料をよく混ぜて漉し、型に入れて85〜90℃で蒸す。(6−4)[オカラ羹] 粉寒天 4g 水 300ml 砂糖 100g オカラピューレ 200g(6−5)[白玉団子] 白玉粉 200g オカラピューレ 200g(6−6)[ドレッシングもどき] オカラピューレ 200g 塩 3g 酢 40g 白玉粉 200g オカラピューレ 200g 評価の結果を表12に示す。表12から以下のことが明らかである。(1)ふかし 「外観」が3(普通)を下回り、今回取り上げた品目の中で最も悪かった。「おいしさ」は比較的評価が良い反面、調査者の年齢が若いためか「好き嫌い」や「食べる意欲」の評価はやや低くなっている。しかし、「総合評価」は高く、オカラピューレの利用が期待できるものと思われる。(2)蒸しパン 評価を担当したものの年齢が若いせいか、「外観」の評価が4を超え、今回取り上げた品目の中で最も高かった。「好き嫌い」についても同様に評価は高くなっている。それに比べて評価は低いものの「おいしさ」や「食べる意欲」の評価はやや低くなっている。しかし、「総合評価」3.00に留まっていたが、蒸しパンは材料に加えるものを工夫することにより、調理品としての価値を高めることはおおいに期待できると考えている。(3)卵豆腐 「外観」は平均的に普通の評価であるが、「好き嫌い」については一般に卵料理の嗜好が高いためか、今回取り上げた品目の中では最も高い評価であった。しかし、「おいしさ」「食べる意欲」は平均で普通を下回り、「総合評価」も2.90とそれほど高く評価されなかった。卵は安価な材料であり、卵を使った調理品の利用について今後もう少し工夫の必要があると考えている。(4)オカラ羹 「外観」「おいしさ」「好き嫌い」とも評価は高い。「食べる意欲」についてはややおちるものの(但し、ばらつきは大きい)、「総合評価」は3.63と今回取り上げた品目のなかでは最も高くなっていた。既存の調理品への添加ではなく、オカラピューレそのものを利用した調理品であり、ゲル化剤も寒天以外のものを利用したり、生クリームや他の材料の添加により、バリエーションが広がっていく可能性がある。(5)白玉団子 どの質問項目も平均的には普通を超えており、中でも「外観」はよい評価が得られている。「団子のみではおいしくない(小豆あんを添えて欲しい)」と感想に述べているものもあり、小豆あんなどを添えれば、まだまだ評価は高くなる可能性がある。団子は白玉粉の他、うるち米の粉であるしん粉への添加も考えられる。(6)ドレッシングもどき 「外観」は比較的評価が高かったが、あとの項目はどれも平均的に普通を下回り2台に留まってしまった。「総合評価」も2.20と低かった。 以上より、今回取りあげた6品目の中では「オカラ羹」が全般によい評価であり、次いで、「ふかし」の評価がよかった。「蒸しパン」は試作レベルでは評価が高いのではないかと期待したが、「パサパサする」「水分が少なく食べにくい」などの感想があり、それほど高い評価は得られなかった。 以上、オカラ羹、伊達巻き、卵巻き、茶碗蒸し、ふかし、蒸しパン、白玉団子、オカラケーキについてはオカラピューレの添加により、調理品としての食味の低下は少なく、有効な調理品と考えられた。 大豆由来の原料を温度180℃以上の、水の亜臨界または超臨界条件下で0.001秒〜60分間水熱処理して得られる、機能性を向上させた大豆加工品。 血糖値上昇抑制作用を有する請求項1に記載の大豆加工品。 抗癌作用を発現する請求項1に記載の大豆加工品。 血圧上昇抑制作用を有する請求項1に記載の大豆加工品。 抗酸化作用を有する請求項1に記載の大豆加工品。 請求項1から5に記載の大豆加工品を含む食用加工調理品。 【課題】 大豆由来の原料から生理学的に優れた多くの機能を有し、機能性を向上させた大豆加工品およびそのような大豆加工品を含む食用調合品を提供すること。【解決手段】 大豆由来の原料を温度180℃以上の、亜臨界又は超臨界条件下で0.001秒〜60分間水熱処理して得られる、機能性を向上させた大豆加工品およびこの大豆加工品を含む食用調合品によって上記課題が解決される。【選択図】 なし


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