生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮改善剤及び飲食物
出願番号:2005029487
年次:2006
IPC分類:A61K 31/122,A23L 1/30,A61P 21/00,A61P 21/04


特許情報キャッシュ

内藤 裕二 青井 渉 高橋 二郎 JP 2006213667 公開特許公報(A) 20060817 2005029487 20050204 アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮改善剤及び飲食物 富士化学工業株式会社 390011877 内藤 裕二 504046142 内藤 裕二 青井 渉 高橋 二郎 A61K 31/122 20060101AFI20060721BHJP A23L 1/30 20060101ALI20060721BHJP A61P 21/00 20060101ALI20060721BHJP A61P 21/04 20060101ALI20060721BHJP JPA61K31/122A23L1/30 ZA61P21/00A61P21/04 4 OL 10 4B018 4C206 4B018LB08 4B018MD07 4B018ME14 4B018MF01 4C206AA01 4C206AA02 4C206CB25 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA94 本発明は、アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮改善剤及び飲食物に関する。更に具体的には、廃用性筋萎縮、例えば、老化よる筋萎縮、長期臥床後の骨格筋の萎縮及び微小重力暴露による筋萎縮、および進行性筋萎縮、例えば、進行性筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症並びに脊髄性進行性筋萎縮症などの改善・治療・予防剤に関するものである。 骨格筋等の筋肉萎縮は、廃用性筋萎縮と進行性筋萎縮がある。進行性筋萎縮には、シャルコー・マリー・トゥース病;先天性ミオパチー;デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー、肢体型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィー、遠位型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、筋強直性筋ジストロフィーなど進行性筋ジストロフィーのミオパチー、および筋萎縮性側索硬化症、脊髄性進行性筋萎縮症、ウェルドニッヒ・ホフマン病、クーゲルベルク・ウェランダー病などの運動ニューロン疾患がある。廃用性筋萎縮には、長期の不活動によって生じる骨格筋の顕著な変化であり、筋線維径の減少などの量的変化および筋線維,筋タンパク質レベルでのタイプ移行といった質的変化であり、例えば、長期間の安静臥床や骨折などによるギプス固定、微小重力暴露(宇宙空間等での生活)、加齢過程などによって生じる。 これまで、進行性筋萎縮においては、薬剤による治療が行われてきたが、発病の原因が不明であることにより薬効が効果的ではなく、また副作用の問題があった。廃用性筋萎縮は、今後高齢者の増加や、宇宙空間で長期滞在ないしは生活する上で解決しなければならない重要な課題のである。治療方法としては、充分な運動やリハビリテーションが行われてきたが、これらだけではその抑制に限界があった。薬剤による治療では、医師による投与方法の煩雑さの問題や副作用の問題があるため、天然由来で食事として摂取可能なものが求められており、ビタミンEやポリフェノールの投与が知られている(特許文献1、非特許文献1〜2)。 アスタキサンチンはβ−カロテノイドと同じカロテノイドの一種で、エビ、カニ等の甲殻類、サケ、タイ等の魚類、緑藻ヘマトコッカス等の藻類、赤色酵母ファフィア等の酵母類等、天然、特に海洋に広く分布する食経験豊かな赤色色素である。近年、アスタキサンチンが活性酸素種に対して強力な抗酸化作用を有することが見いだされ(ビタミンEの100〜1,000倍、β−カロテンの約40倍)、健康食品の素材として注目されている。アスタキサンチンの有するその他の機能特性として、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、糖尿病に対する作用、光障害に対する網膜保護作用、抗ストレス作用、精子の質向上作用等数多くの報告がなされている。特に、筋肉に関しては哺乳類の筋肉機能の持続時間を予防的および/もしくは治療的に改善、ウマの労作性横紋筋融解症治療するための方法が知られている(特許文献2参照)。 しかし、アスタキサンチン及び/又はそのエステルが筋萎縮の改善・治療・予防効果および筋萎縮による疾病に改善・治療・予防効果のあることは知られていない。日本国特開第2001−89387号公報日本国特表第2001−514215号公報医学のあゆみ、Vol.193、No.7、2000、医歯薬出版(株)Kondo H.et al, Acta.Physiol.Scand., 142, 527-528(1991) 本発明は、アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮の改善剤・治療剤・予防剤、およびアスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮の改善・治療・予防効果を有する飲食物を提供することを課題とする。その結果、老化や寝たきりなどによる筋力の低下の治療、改善、予防を課題とする。 本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アスタキサンチン及び/又はそのエステルが筋萎縮の改善・治療・予防の効果を示すことを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、(1)アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮障害改善剤であり、(2)筋萎縮が廃用性筋萎縮障害である(1)の筋萎縮改善剤であり、(3)筋萎縮が老齢による筋萎縮障害である(1)の筋萎縮改善剤であり(4)アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮障害改善作用を有する飲食物である。 本発明の天然由来で毒性のないアスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮障害改善剤、アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮障害改善効果を有する飲食物であり、筋萎縮障害が原因となっている疾病の治療・改善・予防をもすることができる。 本発明において「アスタキサンチン」とは、天然物由来のものまたは合成により得られるものを意味する。天然物由来のものとしては、例えば、エビ、オキアミ、カニなどの甲殻類の甲殻、卵および臓器、種々の魚介類の皮および卵、緑藻ヘマトコッカスなどの藻類、赤色酵母ファフィアなどの酵母類、海洋性細菌、福寿草および金鳳花などの種子植物から得られるものをあげることができる。天然からの抽出物および化学合成品は市販されており、入手は容易である。 アスタキサンチンは、例えば、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌などを、公知の方法に準拠して、適宜な培地で培養することにより得られる。培養や抽出のしやすさ、アスタキサンチンを最も高濃度で含有することや生産性の高さから緑藻ヘマトコッカスが最も好適である。ヘマトコッカス緑藻類のアスタキサンチン含量の高いものを得る培養方法としては、異種微生物の混入・繁殖がなく、その他の夾雑物の混入が少ない密閉型の培養方法が好ましく、例えば、一部解放型のドーム形状、円錐形状又は円筒形状の培養装置と装置内で移動自在のガス吐出装置を有する培養基を用いて培養する方法(国際公開第99/50384号公報)や、密閉型の培養装置に光源を入れ内部から光を照射して培養する方法、平板状の培養槽で培養する方法が適している。 前記培養物または前記甲殻類から抽出および精製する方法については、有機溶媒抽出や超臨界抽出など種々の方法が知られている。例えば、エステル型アスタキサンチンが油溶性物質であることから、アスタキサンチンを含有する天然物からアセトン、アルコール、酢酸エチル、ベンゼン、クロロホルムなどの油溶性有機溶媒でアスタキサンチン含有成分を抽出することができる。抽出後、常法に従って溶媒を除去してモノエステル型のアスタキサンチンとジエステル型のアスタキサンチンの混合濃縮物を得ることができる。得られた濃縮物は、所望により分離カラムやリパーゼ分解によりさらに精製してもよい。 アスタキサンチンの使用形態としては、前記方法で得たアスタキサンチンの抽出物およびそれらを含有した粉末や水溶液、または赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌などの乾燥品およびそれらの破砕品を用いることができる。 アスタキサンチンは、3,3'−ジヒドロキシ−β,β−カロテン−4,4'−ジオンであり、立体異性体を有する。具体的には、(3R,3'R)−アスタキサンチン、(3R,3'S)−アスタキサンチンおよび(3S,3'S)−アスタキサンチンの3種の立体異性体が知られているが、本発明にはそのいずれも用いることができる。 アスタキサンチンは変異原性が観察されず、安全性が高い化合物であることが知られて、食品添加物として広く用いられている(高橋二郎ほか:ヘマトコッカス藻アスタキサンチンの毒性試験―Ames試験、ラット単回投与毒性試験、ラット90日反復経口投与性毒性試験―,臨床医薬,20:867−881,2004.)。 本発明の記載で、特に記載がない限り、アスタキサンチンはアスタキサンチン及び/又はそのエステルを含む。さらに、アスタキサンチンのエステルにはモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。 本発明のアスタキサンチンを有効成分とする筋萎縮改善剤には、アスタキサンチンの遊離体、モノエステル体、ジエステル体の少なくとも一種を用いることができる。ジエステル体は2つの水酸基がエステル結合により保護されているため物理的に遊離体やモノエステル体よりも安定性が高く酸化分解されにくい。しかし、生体中に取り込まれると生体内酵素により速やかにアスタキサンチンに加水分解され、効果を示すものと考えられている。 アスタキサンチンのモノエステルとしては、低級または高級飽和脂肪酸、あるいは低級または高級不飽和脂肪酸によりエステル化されたエステル類をあげることができる。前記低級または高級飽和脂肪酸、あるいは低級または高級不飽和脂肪酸の具体例としては、酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、へブタデカン酸、エライジン酸、リシノール酸、ベトロセリン酸、バクセン酸、エレオステアリン酸、プニシン酸、リカン酸、パリナリン酸、ガドール酸、5−エイコセン酸、5−ドコセン酸、セトール酸、エルシン酸、5,13−ドコサジエン酸、セラコール酸、デセン酸、ステリング酸、ドデセン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エイコサオペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などをあげることができる。また、アスタキサンチンのジエステルとしては前記脂肪酸からなる群から選択される同一または異種の脂肪酸によりエステル化されたジエステル類をあげることができる。 さらに、アスタキサンチンのモノエステルとしては、グリシン、アラニンなどのアミノ酸;酢酸、クエン酸などの一価または多価カルボン酸;リン酸、硫酸などの無機酸;グルコシドなどの糖;グリセロ糖脂肪酸、スフィンゴ糖脂肪酸などの糖脂肪酸;グリセロ脂肪酸などの脂肪酸;グリセロリン酸などによりエステル化されたモノエステル類をあげることができる。なお、考えられ得る場合は前記モノエステル類の塩も含む。 アスタキサンチンのジエステルとしては、前記低級飽和脂肪酸、高級飽和脂肪酸、低級不飽和脂肪酸、高級不飽和脂肪酸、アミノ酸、一価または多価カルボン酸、無機酸、糖、糖脂肪酸、脂肪酸およびグリセロリン酸からなる群から選択される同一または異種の酸によりエステル化されたジエステル類をあげることができる。なお、考えられ得る場合は前記ジエステル類の塩も含む。 グリセロリン酸のジエステルとしては、グリセロリン酸の飽和脂肪酸エステル類、または高級不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸または飽和脂肪酸から選択される脂肪酸類を含有するグリセロリン酸エステル類などをあげることができる。 本発明のアスタキサンチンの筋萎縮改善・治療・予防効果を高めるために、生理活性剤を配合することができる。生理活性剤としては、例えば、SOD、マンニトール、ハイドロキノン、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、クエルシトリン、没食子酸、没食子酸誘導体、イチョウ抽出物などのフラボノイドを成分中に含む植物抽出物、ゴカヒ抽出物、ヤシャジツ抽出物、ジコッピ抽出物、ビタミンAアセテート、ビタミンAパルミテート等のビタミンA類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンB類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、リン酸−L−アスコルビルマグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、ビタミンCジパルミテート等のビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、ビタミンD類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンEアセテート等のビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、トコトリエノール及びその誘導体並びにそれらの塩、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、BHT及びBHAなどのビタミン類、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、グアニン、キサンチン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩などの核酸関連物質、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、胎盤抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリーなどの動物由来の抽出物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、霊芝抽出物などの微生物由来の抽出物、ニンジン抽出物、センブリ抽出物、ローズマリー抽出物、オウバク抽出物、ニンニク抽出物、ヒノキチオール、セファランチンなどの植物由来の抽出物、α−又はγ−リノレイン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、コハク酸及びその誘導体並びにそれらの塩、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、乳酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等があげられる。上記活性酸素除去剤のうち、好ましいものとしては、ビタミンC及びその誘導体並びにその塩、ビタミンE及びその誘導体並びにその塩、トコトリエノール及びその誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。 アスタキサンチンと生理活性剤の割合は、アスタキサンチン1重量部に対して生理活性剤が0.01〜100重量部でよく、好ましくはアスタキサンチン1重量部に対して生理活性剤が0.05〜50重量部であり、最も好ましくはアスタキサンチン1重量部に対して生理活性剤が0.1〜20重量部である。 本発明での筋萎縮改善効果とは、筋萎縮への改善・治療・予防の効果であり、廃用性筋萎縮ならびに進行性筋萎縮に効果がある。具体的な筋萎縮としては、例えば、加齢;長期臥床、外傷(例えば、骨折、靭帯もしくは腱の損傷、捻挫または脱臼などに起因する骨格固化)、脊髄損傷に起因する麻痺;神経外傷、変性性、代謝性または炎症性の神経障害、末梢神経障害、環境毒素または薬物によって生じる神経損傷に起因する除神経;筋萎縮性側索硬化症などの成人の運動ニューロン疾患、乳児脊髄性筋萎縮症および若年性脊髄性筋萎縮症、自己免疫性運動神経障害などの運動神経障害に起因する除神経;慢性疾患や内分泌障害(癌、糖尿病など)による代謝性ストレスまたは栄養不全;シャルコー・マリー・トゥース病;先天性ミオパチー;デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー、肢体型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィー、遠位型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、筋強直性筋ジストロフィーなど進行性筋ジストロフィーのミオパチー;筋萎縮性側索硬化症、脊髄性進行性筋萎縮症、ウェルドニッヒ・ホフマン病、クーゲルベルク・ウェランダー病などの運動ニューロン疾患などが挙げられる。 また、筋萎縮を改善することにより、筋萎縮により併発している疾患、例えば、糖尿病、動脈硬化、高血圧、ガン、高脂血症、リュウマチ、痛風、脳卒中、虚血性心疾患、肺気腫、胃潰瘍、膵炎、腎炎、白内障、アルツハイマー病、アレルギー性疾患、老化、多汗症、糖尿病の合併症である神経障害や網膜障害、腎症および血液疾患に関する疾病の治療・改善・予防効果も有している。神経障害においては、突発性の難聴、眼や顔面の異常(麻痺や痛み)、起立性低血圧、発汗の異常、下痢や便秘(消化器症状)、排尿障害、四肢の痛み、知覚の異常、筋肉の委縮、壊疽の治療・改善・予防に効果がある。網膜障害においては、黄斑変性、緑内障、白内障、単純網膜症、前増殖網膜症および増殖網膜症に効果がある。また、血液循環障害においては脳梗塞・心筋梗塞の治療・改善・予防にも効果がある。 本発明の筋萎縮改善剤は、常法により、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、粉剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、ナノカプセル剤、坐剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤、軟膏剤、貼付剤、パップ剤の形態に製剤化することができる。配合可能な製剤成分としては、製剤分野において通常用いられる各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、賦形剤、滑剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などを配合することができる。 賦形剤としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、マガルトレート、無水リン水素酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。結合剤としては、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、クロスボビドン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、寒天などが挙げられる。溶剤としては、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、グリセリン、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。緩衝剤としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEまたはこれらのビタミン誘導体、トコトリノール、システイン、グルタチオン、グルタチオンペルオキシターゼ、クエン酸類、リン酸類、ポリフェノール類、核酸類、漢方薬類、植物抽出物などが挙げられる。 製剤の製法としては、常法に従って製造することができる。アスタキサンチンと上記賦形剤やコート剤によって微粉末状とした後、各種剤形に配合することによって、アスタキサンチンの安定性と製剤工程を向上させることができる。コート剤としては、例えばカゼイン、ゼラチン、乳糖、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソリビトール、デキストリンなどの糖または糖アルコール類;ミツロウ、脂肪酸トリグリセリドなどの油脂類があげられる。微粉末の製法としては、例えば、噴霧乾燥法、流動層造粒法、混練造粒法、凍結乾燥法などが挙げられる。 また、必要に応じて、常法により口腔内速崩壊剤とすることができる。原料由来の苦みと臭いを抑制するため、アスタキサンチンを被覆することや、消化管内での放出を制御するために放出制御処理を行うことができる。 本発明の製剤型におけるアスタキサンチン量は0.01〜99.9重量%、好ましくは1〜90重量%の量で含有させることができる。本発明の製剤に配合されるアスタキサンチンまたはそのエステルの量は、アスタキサンチン遊離体換算量で、成人では1日あたり0.2〜100mg、好ましくは0.5〜20mgの服用量で経口投与または非経口投与で行う。投与量は、投与される患者の年齢、体重、症状の程度、投与形態によって異なる。 本発明は筋萎縮改善効果を有する飲食物としても用いることができる。 飲食物への添加例としては、マーガリン、バター、バターソース、チーズ、生クリーム、ショートニング、ラード、アイスクリーム、ヨーグルト、乳製品、ソース肉製品、水産加工品、魚製品、漬け物、麺類、フライドポテト、ポテトチップス、スナック菓子、ポップコーン、ふりかけ、チューインガム、チョコレート、プリン、ゼリー、グミキャンディー、キャンディー、ドロップ、キャラメル、パン、カステラ、ケーキ、ドーナッツ、ビスケット、クッキー、かきもち、クラッカーなど、マカロニ、パスタ、ラーメン、うどん、蕎麦、サラダ油、インスタントスープ、ドレッシング、卵、マヨネーズ、みそなど、または果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料などの炭酸系飲料または非炭酸系飲料など、茶、コーヒー、ココアなどの非アルコールまたはリキュール、薬用酒、果実酒などのアルコール飲料などの一般食品への添加例を挙げることができる。 本発明の飲食物は、アスタキサンチンまたはそのエステルを一般飲食物の原料と共に配合し、常法に従って加工製造することにより製造される。アスタキサンチンまたはそのエステルの配合量は飲食物の形態などにより異なり特に限定されるものではないが一般には0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%であり、改善作用を発揮するのに必要な量だけ含まれるように調製する。アスタキサンチンまたはそのエステルの使用量は当業者が飲食物の種類に応じて適宜選択でき、アスタキサンチン遊離体換算量で、成人1日摂取量あたり0.2〜100mg、好ましくは0.5〜20mg程度を、接収できるように配合する。 本発明の飲食物を栄養補助食品あるいは機能性食品として用いる場合、その形態は、上記医薬用製剤と同様の形態であってもよく、飲食物に通常使用可能な材料を配合することができる。例えば、乳蛋白質、大豆蛋白質、卵アルブミン蛋白質など、またはこれらの分解物である卵白オリゴペプチド、大豆加水分解物、アミノ酸単体の混合物を配合することができる。また、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料などを配合した自然流動食、半消化態栄養食および栄養食、ドリンク剤、カプセル剤、経腸栄養剤などの加工物を挙げることができる。ドリンク形態で提供する場合は、栄養バランス、摂取時の風味を良くするためにアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類などの栄養的添加物、甘味料、香辛料、香料および色素などを配合してもよい。本発明の食品の形態は、これらに限定されるものではない。 本発明をさらに詳細に説明にするために以下に実施例をあげるが、本発明がこの実施例のみに限定されないことはいうまでもない。 試験に供されたアスタキサンチンは緑藻類の一種ヘマトコッカス藻を密閉系の培養装置で培養したものから抽出・濃縮したアスタリールオイル50Fを粉末化したアスタリールパウダー〔富士化学工業(株)製、アスタキサンチン遊離体換算で1%含有〕である。 [実験方法] あらかじめ温度21−25℃、照明12時間−暗闇12時間の条件で、飼育用の普通食および水を自由に与えて飼育し環境に慣らした9週齢のWistar系雄ラットを10匹ずつ2群に分け、それぞれ普通食(対照群)およびアスタキサンチン添加食(Ax群)を自由摂取させて飼育した。アスタキサンチン添加食としては、アスタキサンチン遊離体0.02%となるように混合して与えた。アスタリールの添加開始1週間後に左肢座骨神経を切断して、左下肢筋肉を不活動状態にした。さらに2週間飼育を行なったあと屠殺し、下腿三頭筋(ヒフク筋、ヒラメ筋、足底筋)を左足(除神経肢)と右足(対照肢)からそれぞれ摘出し、ヒフク筋の湿重量を計測した。萎縮率は各群の右下肢ヒフク筋湿重量に対する左下肢ヒフク筋湿重量の差から算出した(表1)。 (表1) ヒフク筋の重量と萎縮率の変化 Ax群は、対照群に比べ萎縮率の値が小さく、Axの筋肉萎縮抑制効果が確認された。危険率5%以下であり、有意な結果であった。 [製造例1] 錠剤 下記成分を下記組成比(重量%)で均一に混合し、1粒180mgの錠剤とした。アスタキサンチン 5%乳糖 75%重質酸化マグネシウム 20% [製剤例2] カプセル剤 下記成分からなるソフトカプセル剤皮の中にヘマトコッカス藻抽出オイル(アスタキサンチンを10重量%含有)を常法により充填し、1粒100mgのソフトカプセルを得た。ゼラチン 70%グリセリン 23%パラオキシ安息香酸プロピル 0.5%水 適量計 100% [製剤例3] 口腔内速崩壊錠 下記成分を下記組成比(重量%)で均一に乾式混合し、常法により打錠して1粒200mgの錠剤とした。アスタリールパウダー 10.0%エフ−メルト 40.0%コーンスターチ 49.5%ステアリン酸マグネシウム 0.5%アスタリールパウダー〔富士化学工業(株)製〕はアスタキサンチンをフリー体換算で1%含有した粉末であり、エフ−メルト〔富士化学工業(株)製〕は糖アルコールを主成分とした賦形剤である。 [製剤例4] ドリンク剤 下記成分を配合し、常法に従って、水を加えてドリンク剤を調製した。アスタキサンチン 5g液糖 4kgDL−酒石酸ナトリウム 1gクエン酸 50gビタミンC 50gビタミンE 150gシクロデキストリン 25g塩化カリウム 5g硫酸マグネシウム 2g [製剤例5] 軟膏 下記成分を配合し、常法に従って軟膏を調製した。ステアリン酸 18kgセタノール 4kgグリセリン 5kgトリエタノールアミン 2kgサリチル酸ホモメンチル 1kgエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 20g精製水 70kg 本発明によれば、神経性障害、長期臥床や老齢などによって生じる筋萎縮障害を改善・治療・予防する薬剤および筋萎縮障害が原因で起因する疾病の改善・治療・予防する薬剤、ならびに筋萎縮障害を改善・治療・予防効果を有する飲食物を提供することができる。アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮障害改善剤。筋萎縮が廃用性筋萎縮障害である請求項1の筋萎縮改善剤。筋萎縮が老齢による筋萎縮障害である請求項2の筋萎縮改善剤。アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮障害改善作用を有する飲食物。 【課題】 神経性障害、長期臥床や老齢などによって生じる筋萎縮障害を改善・治療・予防する薬剤および筋萎縮障害が原因で起因する疾病の改善・治療・予防する薬剤、ならびに筋萎縮障害を改善・治療・予防効果を有する飲食物を提供することを目的とする。【解決手段】 色素として広く使われ、高い酸化能で注目されているアスタキサンチンを筋萎縮障害への改善剤として提供することにより、アスタキサンチンを有効成分とする筋萎縮障害の改善・治療・予防剤ならびにアスタキサンチン有効成分とする筋萎縮障害の改善・治療・予防効果のある飲食物を提供することができた。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る

特許公報(B2)_アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮改善剤及び飲食物

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮改善剤及び飲食物
出願番号:2005029487
年次:2013
IPC分類:A61K 31/122,A61P 21/00


特許情報キャッシュ

内藤 裕二 青井 渉 高橋 二郎 JP 5196708 特許公報(B2) 20130215 2005029487 20050204 アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮改善剤及び飲食物 富士化学工業株式会社 390011877 内藤 裕二 504046142 内藤 裕二 青井 渉 高橋 二郎 20130515 A61K 31/122 20060101AFI20130418BHJP A61P 21/00 20060101ALI20130418BHJP JPA61K31/122A61P21/00 A61K 31/00 − 31/327 A23L 1/27 − 1/308 A61K 35/00 − 35/76 A61P 1/00 − 43/00 CA/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開2004−210725(JP,A) 特表2001−514215(JP,A) 米国特許第06258855(US,B1) 国際公開第2005/074907(WO,A1) Kondo H et al.,Oxidative stress in skeltal muscle atrophied by immobilization,Acta Physiol Scand,1991年,Vol.142,pp.527-528 近藤久雄,廃用性筋萎縮における活性酸素発生機構の解明とその予防,(財)総合健康推進財団 第9回 研究助成 平成4年度 研究報告書,1996年 2月23日,pp.164-177 Miki W,Biological functions and activities of animal carotenoids,Pure & Appl. Chem.,1991年,Vol.63 no.1,pp.141-146 八藤 眞,最強抗酸化力を持つアスタキサンチン,食の科学,2003年 6月,Vol.304,pp.68-74 石川愛子ら,Disuse syndrome(廃用症候群)とSarcopenia,Geriatric Medicine,2004年 7月,Vol.42 No.7,pp.895-902 Aoi W et al.,Astaxanthin limits exercise-induced skeletal and cardiac muscle damage in mice.,Antioxid Redox Signal. ,2003年 2月,Vol.5 no.1,pp.139-144 2 2006213667 20060817 10 20080123 川嵜 洋祐 本発明は、アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮改善剤及び飲食物に関する。更に具体的には、廃用性筋萎縮、例えば、老化よる筋萎縮、長期臥床後の骨格筋の萎縮及び微小重力暴露による筋萎縮、および進行性筋萎縮、例えば、進行性筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症並びに脊髄性進行性筋萎縮症などの改善・治療・予防剤に関するものである。 骨格筋等の筋肉萎縮は、廃用性筋萎縮と進行性筋萎縮がある。進行性筋萎縮には、シャルコー・マリー・トゥース病;先天性ミオパチー;デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー、肢体型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィー、遠位型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、筋強直性筋ジストロフィーなど進行性筋ジストロフィーのミオパチー、および筋萎縮性側索硬化症、脊髄性進行性筋萎縮症、ウェルドニッヒ・ホフマン病、クーゲルベルク・ウェランダー病などの運動ニューロン疾患がある。廃用性筋萎縮には、長期の不活動によって生じる骨格筋の顕著な変化であり、筋線維径の減少などの量的変化および筋線維,筋タンパク質レベルでのタイプ移行といった質的変化であり、例えば、長期間の安静臥床や骨折などによるギプス固定、微小重力暴露(宇宙空間等での生活)、加齢過程などによって生じる。 これまで、進行性筋萎縮においては、薬剤による治療が行われてきたが、発病の原因が不明であることにより薬効が効果的ではなく、また副作用の問題があった。廃用性筋萎縮は、今後高齢者の増加や、宇宙空間で長期滞在ないしは生活する上で解決しなければならない重要な課題のである。治療方法としては、充分な運動やリハビリテーションが行われてきたが、これらだけではその抑制に限界があった。薬剤による治療では、医師による投与方法の煩雑さの問題や副作用の問題があるため、天然由来で食事として摂取可能なものが求められており、ビタミンEやポリフェノールの投与が知られている(特許文献1、非特許文献1〜2)。 アスタキサンチンはβ−カロテノイドと同じカロテノイドの一種で、エビ、カニ等の甲殻類、サケ、タイ等の魚類、緑藻ヘマトコッカス等の藻類、赤色酵母ファフィア等の酵母類等、天然、特に海洋に広く分布する食経験豊かな赤色色素である。近年、アスタキサンチンが活性酸素種に対して強力な抗酸化作用を有することが見いだされ(ビタミンEの100〜1,000倍、β−カロテンの約40倍)、健康食品の素材として注目されている。アスタキサンチンの有するその他の機能特性として、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、糖尿病に対する作用、光障害に対する網膜保護作用、抗ストレス作用、精子の質向上作用等数多くの報告がなされている。特に、筋肉に関しては哺乳類の筋肉機能の持続時間を予防的および/もしくは治療的に改善、ウマの労作性横紋筋融解症治療するための方法が知られている(特許文献2参照)。 しかし、アスタキサンチン及び/又はそのエステルが筋萎縮の改善・治療・予防効果および筋萎縮による疾病に改善・治療・予防効果のあることは知られていない。日本国特開第2001−89387号公報日本国特表第2001−514215号公報医学のあゆみ、Vol.193、No.7、2000、医歯薬出版(株)Kondo H.et al, Acta.Physiol.Scand., 142, 527-528(1991) 本発明は、アスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮の改善剤・治療剤・予防剤を提供することを課題とする。その結果、老化や寝たきりなどによる筋力の低下の治療、改善、予防を課題とする。 即ち、本発明は(1)アスタキサンチン及び/又はその脂肪酸エステルを有効成分とする廃用性筋萎縮障害(ただし固定によるものを除く)の改善用医薬品であり、(2)アスタキサンチン及び/又はその脂肪酸エステルが、ヘマトコッカス藻抽出物である(1)に記載の医薬品である。 本発明の天然由来で毒性のないアスタキサンチン及び/又はそのエステルを有効成分とする筋萎縮障害改善剤であり、筋萎縮障害が原因となっている疾病の治療・改善・予防をもすることができる。 本発明において「アスタキサンチン」とは、天然物由来のものまたは合成により得られるものを意味する。天然物由来のものとしては、例えば、エビ、オキアミ、カニなどの甲殻類の甲殻、卵および臓器、種々の魚介類の皮および卵、緑藻ヘマトコッカスなどの藻類、赤色酵母ファフィアなどの酵母類、海洋性細菌、福寿草および金鳳花などの種子植物から得られるものをあげることができる。天然からの抽出物および化学合成品は市販されており、入手は容易である。 アスタキサンチンは、例えば、赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌などを、公知の方法に準拠して、適宜な培地で培養することにより得られる。培養や抽出のしやすさ、アスタキサンチンを最も高濃度で含有することや生産性の高さから緑藻ヘマトコッカスが最も好適である。ヘマトコッカス緑藻類のアスタキサンチン含量の高いものを得る培養方法としては、異種微生物の混入・繁殖がなく、その他の夾雑物の混入が少ない密閉型の培養方法が好ましく、例えば、一部解放型のドーム形状、円錐形状又は円筒形状の培養装置と装置内で移動自在のガス吐出装置を有する培養基を用いて培養する方法(国際公開第99/50384号公報)や、密閉型の培養装置に光源を入れ内部から光を照射して培養する方法、平板状の培養槽で培養する方法が適している。 前記培養物または前記甲殻類から抽出および精製する方法については、有機溶媒抽出や超臨界抽出など種々の方法が知られている。例えば、エステル型アスタキサンチンが油溶性物質であることから、アスタキサンチンを含有する天然物からアセトン、アルコール、酢酸エチル、ベンゼン、クロロホルムなどの油溶性有機溶媒でアスタキサンチン含有成分を抽出することができる。抽出後、常法に従って溶媒を除去してモノエステル型のアスタキサンチンとジエステル型のアスタキサンチンの混合濃縮物を得ることができる。得られた濃縮物は、所望により分離カラムやリパーゼ分解によりさらに精製してもよい。 アスタキサンチンの使用形態としては、前記方法で得たアスタキサンチンの抽出物およびそれらを含有した粉末や水溶液、または赤色酵母ファフィア、緑藻ヘマトコッカス、海洋性細菌などの乾燥品およびそれらの破砕品を用いることができる。 アスタキサンチンは、3,3'−ジヒドロキシ−β,β−カロテン−4,4'−ジオンであり、立体異性体を有する。具体的には、(3R,3'R)−アスタキサンチン、(3R,3'S)−アスタキサンチンおよび(3S,3'S)−アスタキサンチンの3種の立体異性体が知られているが、本発明にはそのいずれも用いることができる。 アスタキサンチンは変異原性が観察されず、安全性が高い化合物であることが知られて、食品添加物として広く用いられている(高橋二郎ほか:ヘマトコッカス藻アスタキサンチンの毒性試験―Ames試験、ラット単回投与毒性試験、ラット90日反復経口投与性毒性試験―,臨床医薬,20:867−881,2004.)。 本発明の記載で、特に記載がない限り、アスタキサンチンはアスタキサンチン及び/又はそのエステルを含む。さらに、アスタキサンチンのエステルにはモノエステル体及び/又はジエステル体を含む。 本発明のアスタキサンチンを有効成分とする筋萎縮改善剤には、アスタキサンチンの遊離体、モノエステル体、ジエステル体の少なくとも一種を用いることができる。ジエステル体は2つの水酸基がエステル結合により保護されているため物理的に遊離体やモノエステル体よりも安定性が高く酸化分解されにくい。しかし、生体中に取り込まれると生体内酵素により速やかにアスタキサンチンに加水分解され、効果を示すものと考えられている。 アスタキサンチンのモノエステルとしては、低級または高級飽和脂肪酸、あるいは低級または高級不飽和脂肪酸によりエステル化されたエステル類をあげることができる。前記低級または高級飽和脂肪酸、あるいは低級または高級不飽和脂肪酸の具体例としては、酢酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトオレイン酸、へブタデカン酸、エライジン酸、リシノール酸、ベトロセリン酸、バクセン酸、エレオステアリン酸、プニシン酸、リカン酸、パリナリン酸、ガドール酸、5−エイコセン酸、5−ドコセン酸、セトール酸、エルシン酸、5,13−ドコサジエン酸、セラコール酸、デセン酸、ステリング酸、ドデセン酸、オレイン酸、ステアリン酸、エイコサオペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などをあげることができる。また、アスタキサンチンのジエステルとしては前記脂肪酸からなる群から選択される同一または異種の脂肪酸によりエステル化されたジエステル類をあげることができる。 さらに、アスタキサンチンのモノエステルとしては、グリシン、アラニンなどのアミノ酸;酢酸、クエン酸などの一価または多価カルボン酸;リン酸、硫酸などの無機酸;グルコシドなどの糖;グリセロ糖脂肪酸、スフィンゴ糖脂肪酸などの糖脂肪酸;グリセロ脂肪酸などの脂肪酸;グリセロリン酸などによりエステル化されたモノエステル類をあげることができる。なお、考えられ得る場合は前記モノエステル類の塩も含む。 アスタキサンチンのジエステルとしては、前記低級飽和脂肪酸、高級飽和脂肪酸、低級不飽和脂肪酸、高級不飽和脂肪酸、アミノ酸、一価または多価カルボン酸、無機酸、糖、糖脂肪酸、脂肪酸およびグリセロリン酸からなる群から選択される同一または異種の酸によりエステル化されたジエステル類をあげることができる。なお、考えられ得る場合は前記ジエステル類の塩も含む。 グリセロリン酸のジエステルとしては、グリセロリン酸の飽和脂肪酸エステル類、または高級不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸または飽和脂肪酸から選択される脂肪酸類を含有するグリセロリン酸エステル類などをあげることができる。 本発明のアスタキサンチンの筋萎縮改善・治療・予防効果を高めるために、生理活性剤を配合することができる。生理活性剤としては、例えば、SOD、マンニトール、ハイドロキノン、ビリルビン、コレステロール、トリプトファン、ヒスチジン、クエルセチン、クエルシトリン、没食子酸、没食子酸誘導体、イチョウ抽出物などのフラボノイドを成分中に含む植物抽出物、ゴカヒ抽出物、ヤシャジツ抽出物、ジコッピ抽出物、ビタミンAアセテート、ビタミンAパルミテート等のビタミンA類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンB類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、リン酸−L−アスコルビルマグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、ビタミンCジパルミテート等のビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩、ビタミンD類及びそれらの誘導体並びにそれらの塩、ビタミンEアセテート等のビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、トコトリエノール及びその誘導体並びにそれらの塩、グルタチオン及びその誘導体並びにそれらの塩、BHT及びBHAなどのビタミン類、デオキシリボ核酸及びその塩、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸などのアデニル酸誘導体及びそれらの塩、リボ核酸及びその塩、グアニン、キサンチン及びそれらの誘導体並びにそれらの塩などの核酸関連物質、血清除蛋白抽出物、脾臓抽出物、胎盤抽出物、鶏冠抽出物、ローヤルゼリーなどの動物由来の抽出物、酵母抽出物、乳酸菌抽出物、ビフィズス菌抽出物、霊芝抽出物などの微生物由来の抽出物、ニンジン抽出物、センブリ抽出物、ローズマリー抽出物、オウバク抽出物、ニンニク抽出物、ヒノキチオール、セファランチンなどの植物由来の抽出物、α−又はγ−リノレイン酸、エイコサペンタエン酸及びそれらの誘導体、コハク酸及びその誘導体並びにそれらの塩、エストラジオール及びその誘導体並びにそれらの塩、乳酸、グリコール酸、クエン酸、リンゴ酸、サリチル酸などのα−ヒドロキシ酸及びそれらの誘導体並びにそれらの塩等があげられる。上記活性酸素除去剤のうち、好ましいものとしては、ビタミンC及びその誘導体並びにその塩、ビタミンE及びその誘導体並びにその塩、トコトリエノール及びその誘導体並びにそれらの塩が挙げられる。 アスタキサンチンと生理活性剤の割合は、アスタキサンチン1重量部に対して生理活性剤が0.01〜100重量部でよく、好ましくはアスタキサンチン1重量部に対して生理活性剤が0.05〜50重量部であり、最も好ましくはアスタキサンチン1重量部に対して生理活性剤が0.1〜20重量部である。 本発明での筋萎縮改善効果とは、筋萎縮への改善・治療・予防の効果であり、廃用性筋萎縮ならびに進行性筋萎縮に効果がある。具体的な筋萎縮としては、例えば、加齢;長期臥床、外傷(例えば、骨折、靭帯もしくは腱の損傷、捻挫または脱臼などに起因する骨格固化)、脊髄損傷に起因する麻痺;神経外傷、変性性、代謝性または炎症性の神経障害、末梢神経障害、環境毒素または薬物によって生じる神経損傷に起因する除神経;筋萎縮性側索硬化症などの成人の運動ニューロン疾患、乳児脊髄性筋萎縮症および若年性脊髄性筋萎縮症、自己免疫性運動神経障害などの運動神経障害に起因する除神経;慢性疾患や内分泌障害(癌、糖尿病など)による代謝性ストレスまたは栄養不全;シャルコー・マリー・トゥース病;先天性ミオパチー;デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、エメリ・ドレフュス型筋ジストロフィー、肢体型筋ジストロフィー、先天性筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィー、遠位型筋ジストロフィー、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、筋強直性筋ジストロフィーなど進行性筋ジストロフィーのミオパチー;筋萎縮性側索硬化症、脊髄性進行性筋萎縮症、ウェルドニッヒ・ホフマン病、クーゲルベルク・ウェランダー病などの運動ニューロン疾患などが挙げられる。 また、筋萎縮を改善することにより、筋萎縮により併発している疾患、例えば、糖尿病、動脈硬化、高血圧、ガン、高脂血症、リュウマチ、痛風、脳卒中、虚血性心疾患、肺気腫、胃潰瘍、膵炎、腎炎、白内障、アルツハイマー病、アレルギー性疾患、老化、多汗症、糖尿病の合併症である神経障害や網膜障害、腎症および血液疾患に関する疾病の治療・改善・予防効果も有している。神経障害においては、突発性の難聴、眼や顔面の異常(麻痺や痛み)、起立性低血圧、発汗の異常、下痢や便秘(消化器症状)、排尿障害、四肢の痛み、知覚の異常、筋肉の委縮、壊疽の治療・改善・予防に効果がある。網膜障害においては、黄斑変性、緑内障、白内障、単純網膜症、前増殖網膜症および増殖網膜症に効果がある。また、血液循環障害においては脳梗塞・心筋梗塞の治療・改善・予防にも効果がある。 本発明の筋萎縮改善剤は、常法により、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、粉剤、カプセル剤、マイクロカプセル剤、ナノカプセル剤、坐剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射剤、軟膏剤、貼付剤、パップ剤の形態に製剤化することができる。配合可能な製剤成分としては、製剤分野において通常用いられる各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、賦形剤、滑剤、結合剤、崩壊剤、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などを配合することができる。 賦形剤としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ハイドロタルサイト、マガルトレート、無水リン水素酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。結合剤としては、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。崩壊剤としては、デンプン、クロスボビドン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、寒天などが挙げられる。溶剤としては、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、グリセリン、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。溶解補助剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。懸濁化剤としては、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。等張化剤としては、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。緩衝剤としては、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンEまたはこれらのビタミン誘導体、トコトリノール、システイン、グルタチオン、グルタチオンペルオキシターゼ、クエン酸類、リン酸類、ポリフェノール類、核酸類、漢方薬類、植物抽出物などが挙げられる。 製剤の製法としては、常法に従って製造することができる。アスタキサンチンと上記賦形剤やコート剤によって微粉末状とした後、各種剤形に配合することによって、アスタキサンチンの安定性と製剤工程を向上させることができる。コート剤としては、例えばカゼイン、ゼラチン、乳糖、白糖、ブドウ糖、D−マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソリビトール、デキストリンなどの糖または糖アルコール類;ミツロウ、脂肪酸トリグリセリドなどの油脂類があげられる。微粉末の製法としては、例えば、噴霧乾燥法、流動層造粒法、混練造粒法、凍結乾燥法などが挙げられる。 また、必要に応じて、常法により口腔内速崩壊剤とすることができる。原料由来の苦みと臭いを抑制するため、アスタキサンチンを被覆することや、消化管内での放出を制御するために放出制御処理を行うことができる。 本発明の製剤型におけるアスタキサンチン量は0.01〜99.9重量%、好ましくは1〜90重量%の量で含有させることができる。本発明の製剤に配合されるアスタキサンチンまたはそのエステルの量は、アスタキサンチン遊離体換算量で、成人では1日あたり0.2〜100mg、好ましくは0.5〜20mgの服用量で経口投与または非経口投与で行う。投与量は、投与される患者の年齢、体重、症状の程度、投与形態によって異なる。 本発明は筋萎縮改善効果を有する飲食物の形態としても用いることができる。 飲食物への添加例としては、マーガリン、バター、バターソース、チーズ、生クリーム、ショートニング、ラード、アイスクリーム、ヨーグルト、乳製品、ソース肉製品、水産加工品、魚製品、漬け物、麺類、フライドポテト、ポテトチップス、スナック菓子、ポップコーン、ふりかけ、チューインガム、チョコレート、プリン、ゼリー、グミキャンディー、キャンディー、ドロップ、キャラメル、パン、カステラ、ケーキ、ドーナッツ、ビスケット、クッキー、かきもち、クラッカーなど、マカロニ、パスタ、ラーメン、うどん、蕎麦、サラダ油、インスタントスープ、ドレッシング、卵、マヨネーズ、みそなど、または果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料などの炭酸系飲料または非炭酸系飲料など、茶、コーヒー、ココアなどの非アルコールまたはリキュール、薬用酒、果実酒などのアルコール飲料などの一般食品への添加例を挙げることができる。 本発明の飲食物は、アスタキサンチンまたはそのエステルを一般飲食物の原料と共に配合し、常法に従って加工製造することにより製造される。アスタキサンチンまたはそのエステルの配合量は飲食物の形態などにより異なり特に限定されるものではないが一般には0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%であり、改善作用を発揮するのに必要な量だけ含まれるように調製する。アスタキサンチンまたはそのエステルの使用量は当業者が飲食物の種類に応じて適宜選択でき、アスタキサンチン遊離体換算量で、成人1日摂取量あたり0.2〜100mg、好ましくは0.5〜20mg程度を、接収できるように配合する。 本発明の飲食物を栄養補助食品あるいは機能性食品として用いる場合、その形態は、上記医薬用製剤と同様の形態であってもよく、飲食物に通常使用可能な材料を配合することができる。例えば、乳蛋白質、大豆蛋白質、卵アルブミン蛋白質など、またはこれらの分解物である卵白オリゴペプチド、大豆加水分解物、アミノ酸単体の混合物を配合することができる。また、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料などを配合した自然流動食、半消化態栄養食および栄養食、ドリンク剤、カプセル剤、経腸栄養剤などの加工物を挙げることができる。ドリンク形態で提供する場合は、栄養バランス、摂取時の風味を良くするためにアミノ酸、ビタミン類、ミネラル類などの栄養的添加物、甘味料、香辛料、香料および色素などを配合してもよい。本発明の食品の形態は、これらに限定されるものではない。 本発明をさらに詳細に説明にするために以下に実施例をあげるが、本発明がこの実施例のみに限定されないことはいうまでもない。 試験に供されたアスタキサンチンは緑藻類の一種ヘマトコッカス藻を密閉系の培養装置で培養したものから抽出・濃縮したアスタリールオイル50Fを粉末化したアスタリールパウダー〔富士化学工業(株)製、アスタキサンチン遊離体換算で1%含有〕である。 [実験方法] あらかじめ温度21−25℃、照明12時間−暗闇12時間の条件で、飼育用の普通食および水を自由に与えて飼育し環境に慣らした9週齢のWistar系雄ラットを10匹ずつ2群に分け、それぞれ普通食(対照群)およびアスタキサンチン添加食(Ax群)を自由摂取させて飼育した。アスタキサンチン添加食としては、アスタキサンチン遊離体0.02%となるように混合して与えた。アスタリールの添加開始1週間後に左肢座骨神経を切断して、左下肢筋肉を不活動状態にした。さらに2週間飼育を行なったあと屠殺し、下腿三頭筋(ヒフク筋、ヒラメ筋、足底筋)を左足(除神経肢)と右足(対照肢)からそれぞれ摘出し、ヒフク筋の湿重量を計測した。萎縮率は各群の右下肢ヒフク筋湿重量に対する左下肢ヒフク筋湿重量の差から算出した(表1)。 (表1) ヒフク筋の重量と萎縮率の変化 Ax群は、対照群に比べ萎縮率の値が小さく、Axの筋肉萎縮抑制効果が確認された。危険率5%以下であり、有意な結果であった。 [製造例1] 錠剤 下記成分を下記組成比(重量%)で均一に混合し、1粒180mgの錠剤とした。アスタキサンチン 5%乳糖 75%重質酸化マグネシウム 20% [製剤例2] カプセル剤 下記成分からなるソフトカプセル剤皮の中にヘマトコッカス藻抽出オイル(アスタキサンチンを10重量%含有)を常法により充填し、1粒100mgのソフトカプセルを得た。ゼラチン 70%グリセリン 23%パラオキシ安息香酸プロピル 0.5%水 適量計 100% [製剤例3] 口腔内速崩壊錠 下記成分を下記組成比(重量%)で均一に乾式混合し、常法により打錠して1粒200mgの錠剤とした。アスタリールパウダー 10.0%エフ−メルト 40.0%コーンスターチ 49.5%ステアリン酸マグネシウム 0.5%アスタリールパウダー〔富士化学工業(株)製〕はアスタキサンチンをフリー体換算で1%含有した粉末であり、エフ−メルト〔富士化学工業(株)製〕は糖アルコールを主成分とした賦形剤である。 [製剤例4] ドリンク剤 下記成分を配合し、常法に従って、水を加えてドリンク剤を調製した。アスタキサンチン 5g液糖 4kgDL−酒石酸ナトリウム 1gクエン酸 50gビタミンC 50gビタミンE 150gシクロデキストリン 25g塩化カリウム 5g硫酸マグネシウム 2g [製剤例5] 軟膏 下記成分を配合し、常法に従って軟膏を調製した。ステアリン酸 18kgセタノール 4kgグリセリン 5kgトリエタノールアミン 2kgサリチル酸ホモメンチル 1kgエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 20g精製水 70kg 本発明によれば、神経性障害、長期臥床や老齢などによって生じる筋萎縮障害を改善・治療・予防する薬剤および筋萎縮障害が原因で起因する疾病の改善・治療・予防する薬剤、ならびに筋萎縮障害を改善・治療・予防効果を有する飲食物を提供することができる。アスタキサンチン及び/又はその脂肪酸エステルを有効成分とする廃用性筋萎縮障害(ただし固定によるものを除く)の改善用医薬品。アスタキサンチン及び/又はその脂肪酸エステルが、ヘマトコッカス藻抽出物である請求項1に記載の医薬品。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る