タイトル: | 再公表特許(A1)_尿酸の定量方法 |
出願番号: | 2005017055 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C12Q 1/62,C12Q 1/28,C12Q 1/26 |
平尾 裕子 松井 寛史 JP WO2006030866 20060323 JP2005017055 20050915 尿酸の定量方法 デンカ生研株式会社 591125371 平木 祐輔 100091096 石井 貞次 100096183 藤田 節 100118773 田中 夏夫 100111741 平尾 裕子 松井 寛史 JP 2004270366 20040916 C12Q 1/62 20060101AFI20080418BHJP C12Q 1/28 20060101ALI20080418BHJP C12Q 1/26 20060101ALI20080418BHJP JPC12Q1/62C12Q1/28C12Q1/26 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,LY,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20080515 2006535202 15 4B063 4B063QA01 4B063QQ03 4B063QQ22 4B063QQ61 4B063QQ62 4B063QQ89 4B063QR02 4B063QR03 4B063QR41 4B063QR42 4B063QR50 4B063QR58 4B063QR66 4B063QS02 4B063QS36 4B063QX01 本発明は、尿酸の定量において正確に定量できる試薬およびその試薬を用いた尿酸の定量方法に関する。より詳しくは、本発明は尿酸の定量において低値を正確に定量できる試薬およびその試薬を用いた尿酸の低値の正確な定量方法に関する。 尿酸は、デオキシリボ核酸やリボ核酸などの核酸やエネルギーの担体であるATPおよび他のヌクレオチドの構成成分であるプリン体の最終代謝産物である。プリン体はヒト体内で主にアミノ酸および関連化合物を原料として合成され、プリン代謝は細胞の増殖にかかわり、また、生命の維持に中心的な役割を果たしている。 尿酸は生体内において一定の割合で生産され、体内に一時貯留した後、主として腎臓から尿中へ他の一部は腎外性処理として消化管や汗などに排泄される。生産と排泄はほぼ同量で、従って産生、貯留および排泄が平衡状態を成している。正常人では一日の産生・排泄量はほぼ700mgで、そのうち500mgが腎から尿中に、他の約200mgが腎外性処理により排泄される。腎外性処理は血清尿酸値の変動に並行して増減する。 生体内尿酸の代謝異常や排泄異常によって高尿酸血症や低尿酸血症となり、いずれも疾患の原因となる。 高尿酸血症は血液中に飽和になって尿酸塩が存在した状態であり、尿酸代謝異常や尿酸の排泄の低下が主な原因である。血清尿酸値が増加する代表的疾患として痛風があるが、癌、白血病、骨髄腫などでも増加する。 低尿酸血症の原因としては、尿酸の原料となるプリン体の摂取不足、全身の消耗性疾患による尿酸の産生低下、代謝疾患による尿酸の産生低下や尿酸排泄増加などがあげられる。代謝疾患としてはキサンチンオキシダーゼ欠損症、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症、5-ホスホリボシル-1-ピロリン酸(PRPP)合成酵素欠損症などがある。 血中および尿中の尿酸を正確に定量することは、これら疾患を診断あるいは予防する目的で重要な意義を持つ。 尿酸測定法を原理的に分類すると、アルカリ性下での尿酸の還元性を利用した還元法と、尿酸分解酵素ウリカーゼを用いた酵素的測定法に大別される。 還元法にはリンタングステン酸除蛋白法やリンタングステン直接法がある。ウリカーゼを用いた酵素的測定法にはウリカーゼ・カタラーゼ法、ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法およびウリカーゼ紫外部法がある。 かつてはリンタングステン酸除蛋白法が主流であったが、現在はウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法が主流である。これは、還元法が試料中の非尿酸還元性物質によって大きな正の誤差を生じたり、除蛋白等の前処理が必要となるため、簡便性、迅速性に欠けていたことによる。ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法が自動分析装置への適用に優れ、簡便性、迅速性にも優れていることから、現在、普及してきている。 ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法の具体的な原理としては、尿酸はウリカーゼで分解されると、アラントインになる。このときに生じた過酸化水素(H202)をペルオキシダーゼで呈色反応に導き、比色定量して尿酸量を求める。この方法は除蛋白や検体盲検が不要で、短時間に発色が終わる簡便な方法であり、各種の自動分析装置に適用が容易である。 前述の血清尿酸値の低下による疾患を診断するために、尿酸低値を正確に定量することが求められている。 ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法により尿酸を測定する試薬として、試薬調製の容易化の面から使用直前に希釈するための濃縮試薬が報告されている(特許文献1参照)。 また、低濃度の物質の測定において、ビリルビンの影響を軽減するための測定法が報告されている(特許文献2〜4参照)。特許第2862817号公報特許第3283348号公報特許第3520874号公報特許第3357667号公報 本発明の目的は、ペルオキシダーゼを用いた尿酸の定量方法において、低値での正確性に優れた定量方法と試薬組成物を提供することであり、また、広い測定域において正確性に優れた尿酸の定量方法と試薬組成物を提供することである。 本願発明者らは、ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法を用いた尿酸の定量において低値の正確性の問題について鋭意研究を行った結果、試薬中のペルオキシダーゼが尿酸と反応することにより尿酸とウリカーゼとの反応を阻害し、そのため低濃度域での尿酸が正確に定量できないことを見出した。 ペルオキシダーゼはキノン色素の生成に関わる試薬組成物であり通常ウリカーゼ酵素反応後に用いられる。通常ウリカーゼ酵素が第2試薬に添加されていることから、試薬全体の安定性や成分バランスより、第1試薬に添加されている場合が多い。本願発明者等が、上記問題点を見出すまでは、従来の試薬組成が有する問題点は見逃されていた。 本願発明者等は、上記問題点に鑑み、尿酸とウリカーゼが反応する前に尿酸とペルオキシダーゼが接触しないように、第1試薬からペルオキシダーゼを除き第2試薬へ移すことで、低濃度域での尿酸を正確に定量できることを見出し、本発明を完成した。 すなわち、本発明は以下の通りである。[1] 被検試料中の尿酸をウリカーゼ酵素によって過酸化水素とアラントインに分解し、その過酸化水素をペルオキシダーゼを用いて定量することによって被検試料中の尿酸を定量する方法であって、尿酸のウリカーゼ酵素による分解前に尿酸をペルオキシダーゼと接触させないことにより尿酸低値を正確に定量し得ることを特徴とする尿酸の定量方法、[2] 被検試料に水素供与化合物を含む第1試薬を添加し、次いでウリカーゼ、4−アミノアンチピリン、およびペルオキシダーゼを含む第2試薬を添加することを特徴とする[1]の尿酸の定量方法、[3] 第1試薬添加後、1〜10分後に第2試薬を添加することを特徴とする[1]または[2]の尿酸の定量方法、[4] 被検試料に4−アミノアンチピリンを含む第1試薬を添加し、次いで水素供与体、ウリカーゼ、およびペルオキシダーゼを含む第2試薬を添加することを特徴とする[1]の尿酸の定量方法、[5] 被検試料に水素供与化合物を含む第1試薬を添加し、次いで4−アミノアンチピリンを含む第2試薬を添加し、次いでウリカーゼおよびペルオキシダーゼを含む第3試薬を添加することを特徴とする[1]の尿酸の定量方法、[6] 被検試料に4-アミノアンチピリンを含む第1試薬を添加し、次いで水素供与化合物を含む第2試薬を添加し、次いでウリカーゼおよびペルオキシダーゼを含む第3試薬を添加することを特徴とする[1]の尿酸の定量方法、[7] 第1試薬にさらにアジ化ナトリウムを含む[2]から[6]のいずれかの尿酸の定量方法、[8] 水素供与体を含む第1試薬と、ペルオキシダーゼおよびウリカーゼを含む第2試薬を組合せてなる尿酸定量試薬であって、第1試薬にペルオキシダーゼを含まない尿酸定量試薬、ならびに[9] 第1試薬にさらにアジ化ナトリウムを含む[8]の尿酸定量試薬。 本発明の方法によって、低値での正確性に優れた尿酸の定量が可能となる。また、広い測定域において正確に尿酸を定量することができる。 本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2004-270366号の明細書に記載される内容を包含する。 本発明の原理は下記式に示される。 式に示すように本発明の方法は2段階の反応からなる。第1反応においては血清中および尿中の尿酸がウリカーゼによってアラントイン、二酸化炭素および過酸化水素に分解される。ここで生成された過酸化水素は第2反応によってペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン(4AA)ならびにフェノール系またはアニリン系水素供与体化合物の存在下で有色キノン(キノン色素)を生成する。 また、前記第一反応で生成された過酸化水素が、ペルオキシダーゼおよびロイコ色素の存在下でロイコ色素を酸化し青色色素を生成する反応系においても、本発明の方法は適用できる。臨床検査における自動分析装置では一般に、1つまたは複数の試薬を順に被検試料に所定量投入し、試薬投入一定時間後の一定波長の吸光度や散乱光等を測定し、所定の時間内の変化量や変化の速度等を求めることで、被検試料中の検査対象物質の存在量を定量することができる。 各試薬は反応順序や反応速度の調整が必要な場合、定量反応に必要な試薬組成物は複数試薬に任意に振り分けて構成されるが、各試薬は数ヶ月から数年の長期保存性を要求されるため、臨床検査に供される前に化学反応が進み、定量反応に必要な試薬組成物が分解され、あるいは定量反応を阻害するような組成物が生成されるような試薬組成物の組み合わせによる試薬構成とすることはできない。 また、被検試料中に定量反応を阻害する物質または定量反応における生成物と同じ物質が存在する場合は、これらの物質が正の誤差要因となるため、これらの物質の影響を回避するための仕組みを準備しておかなければならない。 本発明の方法は、尿酸とウリカーゼが反応する前に尿酸とペルオキシダーゼが接触しないように最初に被検試料に添加する試薬からペルオキシダーゼを除いた試薬を用いる尿酸の定量方法である。 最初に被検試料に添加する試薬からペルオキシダーゼを除いた場合の弊害として、被検試料中のヘモグロビンによる負の影響がある。鋭意検討の結果、最初に被検試料に添加する試薬にアジ化ナトリウムを加えることで、ペルオキシダーゼの弊害を回避することができる。従って、本発明の方法において、最初に被検試料に添加する試薬にアジ化ナトリウムが含まれていてもよい。 本発明の尿酸の定量法に用いる試薬の組成物は以下の要件(a)〜(d)を満たすように選択すればよい。 (a) 尿酸をウリカーゼによる分解の前にペルオキシダーゼと接触させない。(b) ウリカーゼによって尿酸が分解されたときに生成される過酸化水素は時間の経過と共に分解されるので、ウリカーゼとペルオキシダーゼは同一試薬に含めることが好ましい。(c) 水素供与化合物と4AAは、保存安定性確保のため同一試薬に含めない。(d) アジ化ナトリウムを最初に被検試料に添加する第1試薬に含むこともできる。 以下、具体的な試薬の構成例を各試薬の試薬組成物により示し、説明する。本発明において、上記式の反応が起こる反応系に添加する試薬を、添加する順番に第1試薬、第2試薬、第3試薬という。また、第1試薬と被検試料を混合し反応させる工程を第1工程といい、さらに第2試薬を添加し反応させる工程を第2工程という。第3試薬を用いる場合、第3試薬を添加し反応させる工程を第3工程という。 以下の試薬の構成例において、TOOSの代わりに他の水素供与化合物を用いることができ、また第一試薬にアジ化ナトリウムが含まれていなくてもよく、第2試薬および第3試薬の一方または両方にアジ化ナトリウムが含まれていても良い。ただし、アジ化ナトリウムはペルオキシダーゼの作用を阻害する作用があり、これらを同一試薬に含めておくとペルオキシダーゼの安定性が悪くなるので、ペルオキシダーゼを含む試薬にはアジ化ナトリウムを含まないことが好ましい。ウリカーゼによって尿酸が分解されたときに生成される過酸化水素は時間の経過と共に分解されるので、ウリカーゼとペルオキシダーゼは同一試薬に含めることが好ましいが、ウリカーゼとペルオキシダーゼを同一試薬に含めずに先の試薬でウリカーゼを添加し、後の試薬でペルオキシダーゼを添加することもできる。また、第1試薬、第2試薬および第3試薬のいずれか1つ、いずれか2つまたは3つに界面活性剤が含まれていてもよい。また、第1試薬、第2試薬および第3試薬のいずれか1つ、いずれか2つまたは3つにアスコルビン酸オキシダーゼが含まれても良い。(1)第1試薬:TOOS、アジ化ナトリウム第2試薬:ウリカーゼ、4-アミノアンチピリン、ペルオキシダーゼ(2)第1試薬:4-アミノアンチピリン、アジ化ナトリウム第2試薬:ウリカーゼ、TOOS、ペルオキシダーゼ (3)第1試薬:TOOS、アジ化ナトリウム第2試薬:4-アミノアンチピリン第3試薬:ウリカーゼ、ペルオキシダーゼ(4)第1試薬:4-アミノアンチピリン、アジ化ナトリウム第2試薬:TOOS第3試薬:ウリカーゼ、ペルオキシダーゼ 第1試薬に含まれるTOOSは水素供与化合物である。水素供与体化合物のうちアニリン系水素供与体化合物として、N‐(2‐ヒドロキシ‐3‐スルホプロピル)‐3,5‐ジメトキシアニリン(HDAOS)、N-エチル-N-スルホプロピル-3‐メトキシアニリン(ADPS)、N-エチル-N-スルホプロピルアニリン(ALPS)、N-エチル-N-スルホプロピル-3,5‐ジメトキシアニリン(DAPS)、N‐スルホプロピル‐3,5‐ジメトキシアニリン(HDAPS)、N-エチル-N-スルホプロピル‐3,5‐ジメチルアニリン(MAPS)、N-エチル-N-スルホプロピル-3‐メチルアニリン(TOPS)、N-エチル-N‐(2‐ヒドロキシ‐3‐スルホプロピル)‐3‐メトキシアニリン(ADOS)、N-エチル-N‐(2‐ヒドロキシ‐3‐スルホプロピル)アニリン(ALOS)、N-エチル-N‐(2‐ヒドロキシ‐3‐スルホプロピル)-3,5‐ジメトキシアニリン(DAOS)、N-エチル-N‐(2‐ヒドロキシ‐3‐スルホプロピル)-3,5‐ジメチルアニリン(MAOS)、N-エチル-N‐(2‐ヒドロキシ‐3‐スルホプロピル)‐3‐メチルアニリン(TOOS)およびN‐スルホプロピルアニリン(HALPS)等があり、いずれも本発明の水素供与体として使用可能である。また、フェノール系水素供与化合物の使用も可能である。 第1試薬に含めることができるアジ化ナトリウムは、被検試料中のヘモグロビンによる影響を回避するために添加するものである。第1試薬を検体試料に添加後、ヘモグロビンによる影響を回避するためには、一定時間反応させることが望ましい。 本発明の測定方法で用いられる被検試料は、血清、血漿、尿である。自動分析装置(日立製作所製、7150型)の場合、被検試料3〜20μLに対し第1試薬を270μL添加すればよい。用いる被検試料および試薬の量は用いる分析装置により適宜変更することができる。 第1工程の反応液中のアジ化ナトリウムの濃度は、0.1〜2g/L(0.01%〜0.2%(w/v))が望ましい。 第1工程は、pH6.0〜pH8.0の緩衝液中で行うことが好ましく、緩衝液はリン酸緩衝液やグッド緩衝液が好ましい。特にリン酸緩衝液やグッド緩衝液のN-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、N,N−ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)、3-モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、2-ヒドロキシ-3-モルホリノプロパンスルホン酸(MOPSO)、ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、及びN-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(TES)が好ましく、緩衝液の濃度は10〜200mM程度が好ましい。また、第1工程には界面活性剤が含まれていることが好ましい。第1工程に用いられる界面活性剤は非イオン系界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが挙げられる。第1工程の反応液中の上記界面活性剤の濃度は、0.1〜10g/L(0.01〜1%(w/v))程度が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5g/L(0.05〜0.5%(w/v))程度である。第1工程に用いる緩衝液および界面活性剤は第1試薬に含ませておいてもよいし、被検体を上記緩衝液および/または界面活性剤を含む溶液と混合した後に第1試薬を添加してもよい。 試薬構成が2試薬の場合、第1試薬を添加後、一定時間反応させた後、第2試薬を添加して第2工程の反応を行う。この際、反応時間(第1試薬を添加してから、第2試薬を添加するまでの時間)は1分から10分間程度でよく、5分間が好ましい。 試薬構成が3試薬の場合、第1試薬を添加後、上記時間反応させた後、第2試薬および第3試薬を順番に添加して、第2工程および第3工程の反応を行えばよい。第2試薬および第3試薬は同時に添加してもよいし、第2試薬添加後1〜10分後に第3試薬を添加してもよい。 第2試薬または第3試薬に含まれるウリカーゼによって上記式の第1反応に示すように、被検試料中の尿酸はウリカーゼの作用で、アラントイン、二酸化炭素および過酸化水素に分解される。 尿酸の定量は、第1反応で生成した過酸化水素をペルオキシダーゼによって4−アミノアンチピリンとアニリン系水素供与体化合物との酸化縮合反応により、有色キノンに転化し、波長400〜700nmで測定する方法によって行う。 第2工程および第3工程には界面活性剤が含まれていることが好ましい。第2工程および第3工程に用いられる界面活性剤は非イオン系界面活性剤のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが挙げられる。第2工程および第3工程の反応液中の上記界面活性剤の濃度は、0.1〜10g/L(0.01〜1%(w/v))程度が好ましく、さらに好ましくは0.5〜5g/L(0.05〜0.5%(w/v))程度である。 第2工程または第3工程の反応液中において過酸化水素をキノン色素に転化する場合のペルオキシダーゼの濃度は0.5〜10IU/mLが好ましく、4-アミノアンチピリンの濃度は0.1〜2.5mmol/Lが好ましく、アニリン系水素供与体化合物等の水素供与化合物の濃度は0.1〜5mmol/Lが好ましい。 また、ウリカーゼの濃度は50〜500IU/Lが望ましい。第2工程および第3工程のその他の好ましい反応条件は、第1工程における好ましい反応条件と同様である。 試薬構成が2試薬の場合は、第2工程終了後、試薬構成が3試薬の場合は、第3工程終了後、生成したキノン色素の量を試料中の550〜650nmにおける吸光度を測定することにより測定する。吸光度の測定は、吸光度計を用いて行えばよい。 本発明において、「試薬」とは、試薬組成物が含まれているものをいい、「試薬組成物」とは、試薬を構成している酵素や界面活性剤などの物質を言う。 本発明の説明においては便宜上、「第1工程」、「第2工程」、「第3工程」や「第1試薬」、「第2試薬」、「第3試薬」等、工程名および試薬名について算用数字1、2、3を用いて説明するが、これは工程や試薬の順番を示すものであり、工程数および試薬数を2または3に限定するものではなく、任意に工程数および試薬数を増やすことができる。 以下、本発明の実施例に基づき具体的に説明する。もっとも本発明は下記実施例に限定されるものではない。 第1工程および第2工程に用いる試薬組成物(それぞれ、第1試薬組成物および第2試薬組成物)を以下の組成になるように調製し、第1試薬および第2試薬とした。〔実施例1〕〔実施例2〕〔実施例3〕 尿酸濃度16.80mg/dLの管理検体を生理食塩水で希釈し、0.84、1.68、2.52、3.36、4.20、8.40、12.60、16.80mg/dLの尿酸濃度の試料を調製した。 測定には日立製作所製、7150型自動分析装置を使用した。 試料6μLに第1試薬組成物270μLを加え、37℃、5分間加温した後、第2試薬組成物90μLを加え37℃で5分間反応させ、試薬ブランクを対照に主波長600nm、副波長700nmで吸光度を測定し、試料由来の吸光度や電源変動に対する吸光度への影響を補正するために主波長から副波長を差し引いた吸光度を求め、あらかじめ作成した検量線より、試料中の尿酸濃度を求めた。 この際、対照として従来より用いられていた、ペルオキシダーゼを含む第1試薬を用いる方法で試料中の尿酸濃度を求めた。用いた第1試薬および第2試薬の試薬組成物は以下の通りであった。 結果を表1に示す。表には、本発明の方法(実施例1、実施例2、実施例3)および従来法における管理検体を希釈した試料の測定値を示す。 表1に示すように、本法は従来法に比べ、低値域での正確性に優れている。 本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。 被検試料中の尿酸をウリカーゼ酵素によって過酸化水素とアラントインに分解し、その過酸化水素をペルオキシダーゼを用いて定量することによって被検試料中の尿酸を定量する方法であって、尿酸のウリカーゼ酵素による分解前に尿酸をペルオキシダーゼと接触させないことにより尿酸低値を正確に定量し得ることを特徴とする尿酸の定量方法。 被検試料に水素供与化合物を含む第1試薬を添加し、次いでウリカーゼ、4−アミノアンチピリン、およびペルオキシダーゼを含む第2試薬を添加することを特徴とする請求項1記載の尿酸の定量方法。 第1試薬添加後、1〜10分後に第2試薬を添加することを特徴とする請求項1または2に記載の尿酸の定量方法。 被検試料に4−アミノアンチピリンを含む第1試薬を添加し、次いで水素供与体、ウリカーゼ、およびペルオキシダーゼを含む第2試薬を添加することを特徴とする請求項1記載の尿酸の定量方法。 被検試料に水素供与化合物を含む第1試薬を添加し、次いで4−アミノアンチピリンを含む第2試薬を添加し、次いでウリカーゼおよびペルオキシダーゼを含む第3試薬を添加することを特徴とする請求項1記載の尿酸の定量方法。 被検試料に4-アミノアンチピリンを含む第1試薬を添加し、次いで水素供与化合物を含む第2試薬を添加し、次いでウリカーゼおよびペルオキシダーゼを含む第3試薬を添加することを特徴とする請求項1記載の尿酸の定量方法。 第1試薬にさらにアジ化ナトリウムを含む請求項2から6のいずれか1項に記載の尿酸の定量方法。 水素供与体を含む第1試薬と、ペルオキシダーゼおよびウリカーゼを含む第2試薬を組合せてなる尿酸定量試薬であって、第1試薬にペルオキシダーゼを含まない尿酸定量試薬。 第1試薬にさらにアジ化ナトリウムを含む請求項8記載の尿酸定量試薬。 ペルオキシダーゼを用いた尿酸の定量方法において、低値での正確性に優れた定量方法と試薬組成物を提供することを目的とする。 被検試料中の尿酸をウリカーゼ酵素によって過酸化水素とアラントインに分解し、その過酸化水素をペルオキシダーゼを用いて定量することによって被検試料中の尿酸を定量する方法であって、尿酸のウリカーゼ酵素による分解前に尿酸をペルオキシダーゼと接触させないことにより尿酸低値を正確に定量し得ることを特徴とする尿酸の定量方法。