| タイトル: | 再公表特許(A1)_過活動膀胱治療剤 |
| 出願番号: | 2005012402 |
| 年次: | 2008 |
| IPC分類: | A61K 31/4406,C07D 213/82,A61P 13/10,A61P 13/08,A61P 13/02 |
堀江 重郎 齋藤 敬司 石塚 宣彦 JP WO2006004115 20060112 JP2005012402 20050705 過活動膀胱治療剤 中外製薬株式会社 000003311 社本 一夫 100089705 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 千葉 昭男 100080137 富田 博行 100096013 堀江 重郎 齋藤 敬司 石塚 宣彦 JP 2004226177 20040705 A61K 31/4406 20060101AFI20080328BHJP C07D 213/82 20060101ALI20080328BHJP A61P 13/10 20060101ALI20080328BHJP A61P 13/08 20060101ALI20080328BHJP A61P 13/02 20060101ALI20080328BHJP JPA61K31/4406C07D213/82A61P13/10A61P13/08A61P13/02 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW 再公表特許(A1) 20080424 2006528912 22 4C055 4C086 4C055AA01 4C055BA01 4C055CA02 4C055CA58 4C055CB02 4C055CB08 4C055DA01 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC17 4C086MA01 4C086MA04 4C086NA06 4C086NA14 4C086ZA81 本発明はニコランジルを有効成分として含む過活動膀胱治療剤に関する。本発明は過活動膀胱治療剤に関し、特に尿意切迫を伴う頻尿、尿失禁の治療に関する発明である。 これまで泌尿器科領域で過活動膀胱という病態は、生命予後に関係することが少なく、ときには軽視されがちであったが、尿意切迫感、頻尿、尿失禁など深刻な症状をもたらすため、患者の社会活動やQOLを著しく損なうことが知られている。このような頻尿症状を訴える患者は高齢者層を中心に我国では700〜800万人存在し、高齢化が進む今日、患者数はますます増加している。高齢化社会を迎えた現在、生命の維持のみならず生活の質の向上への貢献も医学および医療の重要な使命と考えられるようになっている。 頻尿・尿失禁(切迫性)が発症する背景には、膀胱の過活動が考えられており、膀胱が蓄尿中に勝手に収縮してしまう病態、すなわち膀胱の不随意収縮があると言われている(非特許文献1)。この発症メカニズムとして(1)排尿中枢より上位の脳障害(脳血管障害性)および仙髄より上位の脊髄障害(脊髄損傷や多発性硬化症など)、(2)下部尿路閉塞患者(前立腺肥大症)、(3)高齢者、(4)膀胱知覚過敏症(慢性膀胱炎、間質性膀胱炎など)、(5)本態性過活動膀胱が挙げられる。過活動膀胱の中で最も患者数が多いのは、原因が不明の特発性(あるいはmixed type)のタイプである。また、節後ニューロンからの神経伝達物質の放出については、加齢に伴ってATPの放出が増加するのに対しアセチルコリン(ACh)の放出は減少すると報告されている。これらの所見は、加齢膀胱の不随意収縮を改善させるのには抗コリン薬だけでは不十分で、平滑筋弛緩効果を有するものも必要なことを示唆している。また、抗コリン薬投与による乏尿・尿閉という重篤な副作用のほか、口渇、便秘、目のかすみ等、服薬コンプライアンスを低下させる問題があった。 これまでに、ATP感受性カリウムチャネル(以下、KATPチャネルと略記)開口薬を用いた抗頻尿薬理効果が報告されている。これは、排尿筋弛緩を得ることにより膀胱内蓄尿量(膀胱蓄尿容積)の増加により排尿回数を減少させる臨床的目的を有すると考えられる。 最近では、KATPチャネル開口薬には膀胱平滑筋弛緩効果を持つことが報告され(例えば、特許文献1等)、開発されてきている。これまでに開発されてきたKATPチャネル開口薬は、膀胱平滑筋の弛緩により過活動膀胱の治療効果の有用性が認められている(非特許文献2,非特許文献3)。 一方、排尿開始時には膀胱頸部括約筋や尿道括約筋の弛緩が同時に認められるが、この反応は非アドレナリン性・非アセチルコリン性(non−adrenergic、non−cholinergic:NANC)である。排尿時の尿道弛緩にはNANC神経が主たる役割を果たしていると考えられている。血管系を含め末梢組織における平滑筋緊張の調節的役割を担うNANC神経としては、一酸化窒素(NO)作動性神経による弛緩反応が代表的である。下部尿路に於いて一酸化窒素合成酵素(NOS)活性は排尿筋に比較して前立腺と膀胱頚部で高いことが報告されている(非特許文献4)。膀胱においては、NOは直接膀胱の弛緩作用は有さないが、コリン作動性神経に作用して、AChの放出量を減少させることにより、間接的に蓄尿期に膀胱の弛緩や活動性の抑制に関係しているものと考えられている。また、NO放出量の低下が加齢や前立腺肥大症に伴う下部尿路症状を有する患者でみられ、これが前立腺尿道部のダイナミックな閉塞の一因となっている可能性も推察されている(非特許文献5)。尿路上皮から放出されるNOが蓄尿期の排尿筋弛緩のメディエイターである可能性があることも示唆されている(非特許文献6)。 このように、KATPチャネル開口作用または硝酸薬様作用それぞれ単独の作用を及ぼす薬剤にも、過活動膀胱の治療に対して一定の効果は望めると思われる。しかしながら、膀胱壁の収縮・弛緩と尿道括約筋の弛緩・収縮の運動は、反射的に協調していることから考えると、これらの作用を組み合わせて用いれば、さらなる相乗効果が望めるのではないかと予想される。そこでKATPチャネル開口作用と硝酸薬様作用を併せ持つ物質に注目した。 KATPチャネル開口作用と硝酸薬様作用を併せ持つものとしては、例えばニコランジル、KRN2391(非特許文献7)などが知られている。これらは2つの作用を併せ持っていることから、KATPチャネル開口単独作用だけでは望めないような、よりよい効果が期待できる。つまり、直接弛緩作用(主にKATPチャネル開口作用)による膀胱弛緩および排尿筋弛緩だけでなく、神経伝達障害改善効果(主に硝酸薬様作用)による膀胱頸部括約筋または前立腺への効果が予想された。実際に、KRN2391には頻尿改善効果があることが、すでに報告されている(非特許文献8)。 ところが実際、後述のデータで示すように、KRN2391には思わぬ点で望ましくない効果を有していることが分かってきた。 つまりKRN2391は水負荷後の排尿量を抑制しすぎる上に、1日排尿量も必要以上に抑制する傾向があることが明らかとなった(図5)。従って、乏尿・尿閉になる可能性、膀胱圧迫感、過剰弛緩作用、不完全排尿、残尿感等が考えられるほか、膀胱が正常レベルへ回復するまでに時間を要することも考えられ、患者の社会活動やQOLを損なう可能性がある。 さらに、KRN2391は強い降圧作用を有しており、循環器系への重篤な副作用も予想された。 一方、N−(2−ヒドロキシエチル)ニコチンアミド硝酸エステル(一般名:ニコランジル)は、古くから狭心症薬として市販されている公知化合物であり、例えば特許文献2等に記載されている。ニコランジルは抗狭心症作用のほかにいくつかの作用が知られており、例えば循環器疾患治療剤としての効果が特許文献3に、また気管支拡張作用が特許文献4に、それぞれ開示されている。加えて、特許文献5には、ニコランジルが脳虚血病変を伴う疾患治療剤として有用であることが開示されており、さらに特許文献6には、ニコランジルが水酸基ラジカル消去剤として有用であることが記載されている。最近では、不安神経症治療剤としての効果が特許文献7に開示されており、これによれば不安神経症の症状のひとつとして頻尿を有する旨の記載もされている。しかしながら、ニコランジルがとりわけ過活動膀胱に基づいた頻尿に対して改善効果を有することは知られていない。山口 脩 日薬理誌,2003,121:331−8特表2003−506355号公報Andersson,Urology,1997,50(Suppl 6A),74−84Lawson,Pharmacol Ther,1996,70,39−63Ehren Urology,1994,44:683吉田正貴 日薬理誌,2003,121:307−16Theobald RJ,Neurourol Urodyn,2003,22(1):62−9Muraki K. Brit,J Pharmac,2001,132,1154−1160Kotani H,Jpn J Pharmacol,1996,71(suppl 1),Abst p.221特開昭52−122373号公報特開昭53−9323号公報特開昭58−85819号公報特開昭63−152317号公報特開平3−101621号公報特開平9−110695号公報 上記従来技術において上述の問題点が存在するため、KRN2391は実際には臨床的に薬としては使えないことが示唆された。KATPチャネル開口作用と硝酸薬様作用を併せ持つ薬剤で、過活動膀胱治療剤として実際に販売されるに至ったものは、現在のところ存在しない。 こうした経緯から本発明は、KATPチャネル開口作用と硝酸薬様作用を併せ持つもので、さらに排尿と蓄尿において、腹壁および膀胱壁筋の収縮・弛緩と尿道括約筋の弛緩・収縮する運動が反射的に、かつ適切に協調する状態へと近づける改善効果が望め、乏尿・尿閉が惹起されず、かつ重篤な副作用を持たない過活動膀胱治療剤を提供することを目的とする。 そこで今回、本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ニコランジルが所望の目的、つまり排尿回数・排尿量を抑制しすぎず、乏尿・尿閉を惹起することのない排尿障害改善効果を有していることを見出し、本発明を完成させた。 すなわちニコランジルは過活動膀胱に基づく排尿障害に対して、改善効果(とりわけ頻尿改善効果)を有しているだけでなく、排尿回数および排尿量を過度に抑制することもなく、排尿および蓄尿の運動が協調的である改善効果があることを見出した。その上、投与量を増やしてもその排尿量抑制効果は目立って変化しなかった。従って、乏尿・尿閉を惹起する可能性は非常に低いことが考えられる。さらには、心配された循環器への副作用も非常に弱い。以上の結果から、患者の社会活動およびQOLの点からも、排尿障害治療薬として非常に有効であることを見出し、これにより上記目的が達成されることを見出し、本発明に至った。 すなわち、本発明は、ニコランジルまたはその薬学的に許容し得る塩を有効成分として含む過活動膀胱治療剤を提供する。 過活動膀胱は、例えば、脳障害、核上型脊髄障害、前立腺肥大症、膀胱知覚過敏症、または加齢に基づく過活動膀胱または本態性過活動膀胱である。 また、過活動膀胱に基づく排尿障害とは、例えば、尿意切迫の感覚、尿失禁、頻尿症、膀胱不安定症、夜尿症、膀胱反射亢進および遺尿症である。過活動膀胱に基づく排尿障害が尿意切迫感を伴う場合、症状として、例えば、頻尿症、夜尿症または尿失禁を伴う。 なお、上記特許文献7に記載されているニコランジルの不安神経症治療剤としての効果は、ニコランジルの中枢神経系に対する薬理作用に基づくものである。これに対して、本発明におけるニコランジルの過活動膀胱治療剤としての効果は、ニコランジルの中枢神経系に対する薬理作用に基づくものではなく、膀胱におけるニコランジルのKATPチャネル開口作用と硝酸薬様作用に基づくものであり、しかも過活動膀胱を適切な正常レベルに回復させる作用に基づくものである。したがって、本発明と特許文献7に記載されている発明は用途発明として全く相違するものである。 本発明は、ニコランジル、その医薬的に許容し得る塩を含む医薬組成物を有効成分として使用し、頻尿を改善または治療し、KATPチャネル開口作用により起こる降圧作用を副作用として持たない方法を提供する。 本明細書において定義する「ニコランジル」なる用語は、N−(2−ヒドロキシエチル)ニコチンアミド硝酸エステル(N−(2−Hydroxyethyl)nicotinamide nitrate)の一般名を指し、化学式(I)で表される。 本発明における薬効成分であるニコランジルは、狭心症治療薬として市販されている化合物であり、本発明に使用する場合、市販のニコランジル錠剤または注射用製剤をそのまま用いてもよいが、例えば、特開昭52−122373号公報等に記載された方法で製造したものを用いてもよい。 化合物(I)はフリー体であっても、医薬的に許容される塩であっても本発明に含まれる。このような「塩」とは、本発明に係る化合物(I)と塩を形成し、かつ医薬的に許容されるものであれば特に限定されず、たとえば、本発明の化合物(I)と、酸とが反応した酸塩、塩基とが反応した塩基塩などが挙げられる。 本発明で用いられる薬効成分であるニコランジルは薬剤的に許容しうる有機酸または無機酸と酸付加塩を形成することができ、これらの塩も本発明に用いることができる。このような酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、サリチル酸塩、安息香酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、ピバリン酸塩、ジエチル酢酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ピメリン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、スルファミン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、グルコン酸塩、アスコルビン酸塩、イソニコチン酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルオールスルホン酸塩、クエン酸、アジピン酸塩またはナフタリンジスルホン酸塩等があげられる。 また、本発明の化合物(I)が、大気中に放置しておくことにより水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となったりすることがある場合も本発明に包含される。 さらに、本発明の化合物(I)は、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような塩も本発明に包含される。ここでいう「溶媒和」とは、溶液中で溶質分子あるいはイオンがそれに隣接している溶媒分子を強く引き付け、一つの分子集団をつくる現象をいい、例えば溶媒が水であれば水和という。 本発明に係る化合物(I)またはその医薬的に許容しうる塩は、優れた頻尿改善効果を有し、さらに副作用として目立った降圧作用を有さない過活動膀胱治療薬として有用である。また、本発明に係る化合物(I)またはその医薬的に許容し得る塩は、膀胱平滑筋の弛緩およびNANC神経伝達障害の改善に基づくものと推測されることから、他の過活動膀胱疾患、すなわち、尿失禁、尿意切迫や不安定膀胱、夜間頻尿症、遺尿症、膀胱反射亢進に対する治療効果も期待できる。 ニコランジルは、過活動膀胱に基づく排尿障害に対して、改善効果(とりわけ頻尿改善効果)を有しているだけでなく、排尿回数および排尿量を過度に抑制することもなく、排尿および蓄尿の運動が協調的である改善効果を示す。さらに、ニコランジルは過活動膀胱治療剤として使用しても、重篤な副作用をもたらさないので、患者の社会生活およびQOLの点からも、過活動膀胱治療剤として臨床上非常に有用である。図1は、ニコランジル投与がnNOS−Knockoutマウスの排尿回数に及ぼす影響を示す図である。各個体の平均値±標準誤差を対象群、ニコランジル投与群についてプロットした。図2は、nNOS−Knockoutマウスにおけるニコランジル(SIG)、KRN2391(KRN)、オキシブチニン(OxyB)およびピナシジル(PIN)の頻尿改善効果の比較を示したものである。各個体の排尿回数を対照群(n=8)、ニコランジル(1mg/kg(n=8)、3mg/kg(n=8))、KRN2391(1mg/kg、n=6)、オキシブチニン(30mg/kg、n=6)及びピナシジル投与群(0.3mg/kg、n=5)についてプロットし、各群の平均値±標準誤差を各カラム右側に表示した。 なお、小さい各図形は、各nNOS−Knockoutマウスの個別の結果を示し、大きい●は平均値を表している。図3は、ラット尿道狭窄モデルにおけるニコランジルの頻尿抑制作用について示した図である。尿道狭窄45日後の頻尿ラット(>6回/210分)に水負荷(30ml/kg、po)した後の210分間排尿回数をVehicle投与群、ニコランジル投与群およびKRN2391投与群で比較した(n=5)。各個体の排尿回数を対象群(vehicle投与群)、ニコランジル投与群およびKRN2391投与群についてプロットした。 なお、各図形は、各nNOS−Knockoutマウスの個別の結果を表している。図4は、無麻酔覚醒ラットにおけるニコランジルとKRN2391の降圧作用(収縮期血圧:Systolic Blood Pressure(SBP))の比較を示したグラフである。各個体の平均値±標準誤差をニコランジル投与群、KRN2391投与群についてプロットした。図5の上段は、尿道狭窄ラットにおける水負荷後の排尿量に及ぼすニコランジルとKRN2391の抑制作用の比較を示すグラフである。図5の下段は、1日排尿量に及ぼすニコランジルとKRN2391の抑制作用の比較を示すグラフである。 なお、各図形は、各nNOS−Knockoutマウスの個別の結果を表している。 本発明における排尿障害とは、過膀胱活動に基づくものであり、過活動膀胱は脳障害、核上型脊髄障害、前立腺肥大症、膀胱知覚過敏症、または加齢により引き起こされるか、または本態性の過活動膀胱である。ここでいう排尿障害にみられる症状としては、尿意切迫の感覚、尿失禁、頻尿症、膀胱不安定症、夜尿症、膀胱反射亢進および遺尿症、夜間頻尿などを挙げることができる。本発明の硝酸薬様作用とKATPチャネル開口作用を併せ持つニコランジルを活性成分とする薬剤は、排尿障害、とりわけ頻尿、夜間頻尿の治療薬および予防薬として有用である。 これらの治療方法は、開示した化合物(I)またはその医薬的に許容し得る塩を含む医薬組成物の医薬的に有効な量を、このような治療を必要とするかまたはこのような疾患または状態にかかった患者に投与する工程を包含する。 本発明の医薬組成物を、過活動膀胱治療薬として使用する場合、その投与方法は、経口的、直腸的、非経口的(静脈内的、筋肉内的、皮下的)、槽内的、膣内的、腹腔内的、膀胱内的、局所的(点滴、散剤、軟膏、ゲルまたはクリーム)投与および吸入(口腔内または鼻スプレー)、などが挙げられる 本発明において、ニコランジルまたはその医薬的に許容される塩を排尿障害、ことに頻尿改善治療剤として使用する際は、適当な剤型に製剤化して用いるのが好ましく、例えば錠剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、カプセル剤、注射剤、乳剤、懸濁剤、坐剤、経皮吸収剤等の製剤で用いることができる。 このような製剤は、例えば特開昭57−145659号公報、同58−39618号公報、同61−143316号公報、同62−149630号公報、同62−161727号公報、同62−252722号公報、同62−252723号公報、同63−270624号公報等に記載された方法により製造することができる。具体的には錠剤としては、例えばニコランジルまたはその塩に、有機酸、例えば、フマル酸、シュウ酸、サリチル酸、酒石酸、グルタル酸等、並びにステアリン酸、パルミチン酸等の常温で固体の飽和高級脂肪酸もしくはセチルアルコール、ステアリルアルコール等の飽和高級アルコールの1種または2種以上の混合物を含有させる方法、ニコランジルまたはその塩にフマル酸及び/またはDL−トリプトファンを混合する方法等が挙げられる。ニコランジル錠剤の製造例としては、例えば特開平9−110695号公報等に記載された方法により製造することができる。 また注射剤としては、ニコランジルまたはその塩に、クエン酸、フマル酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、酒石酸等の有機酸のアルカリ金属塩を含有させる非溶液型の注射剤が用いられる。これらの製剤を製造する場合は、さらに賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、香料、着色剤等の薬学上許容しうる通常の担体を配合することが好ましく、このような担体の例としては、例えば乳糖、トウモロコシデンプン、マンニトール、カオリン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、タルク、クロスカルメロースナトリウム、無水リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。 本発明においてニコランジルまたはその塩の投与量は対象患者の状態、体型、体質、年齢、性別、また投与経路、剤型等で適宜選択することができるが、一般に経口投与の場合は、投与量の下限として1日1mg〜15mgの範囲、好ましくは5〜10mgの範囲、さらに好ましくは7.5mg程度から選択でき、投与量の上限としては、1日20mg〜80mg、好ましくは25mg〜60mgの範囲、さらに好ましくは30mg程度から選択でき、1〜4回に分けて経口投与することができる。また非経口的に投与する場合は、投与量の下限としては、1日0.1mg〜12mgの範囲、好ましくは0.5mg〜6mgの範囲、さらに好ましくは1mg〜2mgの範囲から適宜選択でき、上限としては10mg〜50mgの範囲、好ましくは20mg〜30mgの範囲、さらに好ましくは24mg程度から選択でき、1〜4回に分けて投与することができるほか、1日12mg〜288mgを持続静注することもできる。 本発明のニコランジル製剤は、さらに1種以上の他の排尿障害治療薬、またはその他の許容し得る薬剤を加えて用いても良く、またこれらの薬剤と併用して用いることもできる。適当な所望の成分または他の治療剤は、この性質の状態を治療するための慣用のものが包含され、なかでも、膀胱平滑筋弛緩薬(塩酸フラボキサート:商品名ブラダロン、日本新薬)、β2アドレナリン刺激薬(塩酸クレンブテロール:商品名スピロペント、帝人)、α1遮断薬(ウラピジル:商品名エブランチル、科研製薬 他)抗コリン薬(塩酸オキシブチニン:商品名ポラキス、アベンティスファーマ)、塩酸プロピベリン:商品名バップフォー、大鵬薬品・UCBジャパン)、酒石酸トルテロジン:商品名デトロール、ファイザー)等のこれまでに用いられている頻尿を主症状とする疾患に効果が期待できる薬剤、さらには遺伝子治療との併用も可能である。 ここで挙げられる排尿障害治療薬としては、排出障害に対する治療剤として例えば、コリン作動薬、コリンエステラーゼ阻害薬、尿道平滑筋に対する薬物としてα1遮断薬、横紋筋性括約筋に作用する薬物として中枢性筋弛緩薬、その他の作用機序の薬剤としてアンチアンドロゲン製剤であり、蓄尿障害に対する治療剤としては膀胱排尿筋に対する薬物としては頻尿・尿失禁治療剤及び抗不安薬・三環系抗うつ薬であり、尿道平滑筋に対する薬物としてα作動薬・交感神経賦活剤、横紋筋性括約筋に作用する薬物としてβ2アドレナリン刺激薬等であり、その他の薬剤としては中枢性筋弛緩薬・求心性神経遮断薬等が挙げられる。 本明細書において定義する「治療」なる用語は、本発明を実施することで、その疾患の原因となっている作用機構に直接または間接的に作用し、健常状態の機能にまで回復を促すことを目的とする処置を指す。 本明細書において定義する「頻尿」なる用語は、健常人の排尿回数が1日6〜8回、夜間就寝中は通常排尿しないのに対し、排尿回数が異常に増加した状態を指す。 本明細書において定義する「頻尿改善効果」なる用語は、本発明を実施することで、頻尿の原因となっている作用機構に直接または間接的に作用し、健常状態の機能に近づける状態を指す。 本明細書において定義する「頻尿抑制作用」なる用語は、本発明を証明するために頻尿モデル動物での実施例において、本発明実施により頻尿の原因となっている作用機構に直接または間接的に作用し、頻尿症状が抑制され健常状態にまで回復させる状態を指す。 本明細書において定義する「尿道狭窄」なる用語は、排尿困難に基づく頻尿症状を示す過活動膀胱において近位尿道が物理的に拡張不全を起し排尿時の膀胱からの尿排泄が抑制された状態を指す。 本明細書において定義する「過活動膀胱」なる用語は、2002年国際禁制学会(ICS)で提唱された疾患概念で、切迫性尿失禁の有無は問わず頻尿、夜間頻尿を伴う尿意切迫感を意味する。 本明細書において定義する「膀胱知覚過敏症」なる用語は、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎などの膀胱の炎症性変化により求心性膀胱知覚神経路の活動が過敏になって過活動膀胱になった状態を指す。 本明細書において定義する「本態性過活動膀胱」なる用語は、原因が特定できない特発性の過活動膀胱で筋因性及び神経因性の2つのメカニズムが同時に関与している状態を指す。 本明細書において定義する「尿閉」なる用語は、本明細書中において特に記載のない限り、尿が膀胱内に存在するにもかかわらず、排出することが困難な状態を指す。 本明細書において定義する「乏尿」なる用語は、本明細書中において特に記載のない限り、ヒトにおける1日排尿量が400mL/日以下に減少した状態を指す。 以下本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例1 (病態モデル) これまで、男性高齢者の頻尿を反映する病態モデル動物は確立されていない。種々情報を精査する中で、nNOS−Knockoutマウスが頻尿モデル(膀胱拡大、平滑筋の肥厚、弛緩反応の欠如、作成方法は非特許文献9に記載されている)としての可能性を持つことは1997年5月(非特許文献10)に指摘されているもののこれまで治療モデルとしては研究されていなかった。そこで、nNOS−Knockoutマウスの頻尿モデルとしての可能性について、マウスの排尿動態(排尿量および排尿回数)の計測機器(排尿行動観察装置、室町機械)を用いて検討した。 その結果、nNOS−Knockoutマウス(8−13月齢、体重30g、n=9)では膀胱が拡大し排尿平滑筋の肥大が見られ、通常動物(n=8)に比較して一回排尿量、1日排尿量は変化しないで排尿回数が有意に(p<0.01)増加していることを確認し、頻尿モデル動物となりうることを見出した。さらに、nNOS−Knockout動物に対して頻尿改善効果が考えられるテストステロン投与(エナルモンデポ3.6mg/kg/day、sc 7日間、n=5)すると、対照群(n=8)に比較して1日排尿量は変化しないが、一回排尿量の有意な増加(p<0.05)と排尿回数の有意な減少(p<0.05)が見られたことから、テストステロンは異常排尿の明らかな改善効果を示し、人の頻尿モデル動物として確立した。 ここでいうテストステロン投与の方法とは、具体的にはエナルモンデポ(一般名:エナント酸テストステロン、武田薬品工業)を一日3.6mg/kg、皮下注射にて7日間連続投与を行った。Huang PL, Cell, 1993 75:1273−86.Burnett AL, Nat Med, 1997 3:571−4実施例2 (薬理効果) 頻尿を惹起する原因としては、膀胱平滑筋の肥厚・強度収縮および膀胱平滑筋への神経伝達障害が考えられている。ニコランジルは先に示したようにKATPチャネル開口作用と硝酸薬様作用を併せ持つことから、膀胱平滑筋への直接弛緩作用(主にKATPチャネル開口作用)と神経伝達障害改善作用(主に硝酸薬様作用)を考え、頻尿改善に対する効果が通常のKATPチャネル開口薬より高いものと仮定し、検討を開始した。 ニコランジルをnNOS−Knockoutマウス(8−13月齢)に経口投与用ゾンデを用いて6mg/kg/day強制経口投与を7日間行い、その結果を図1に示した。排尿回数は非投与群(n=9)の5.22回/dayからニコランジル投与群(n=15)の3.47回/dayに有意に減少した(p<0.05)以上のようにニコランジルは人の頻尿モデル動物であるnNOS−Knockoutマウスにおいて、明らかな排尿回数の減少が認められ、頻尿改善効果が確認された。実施例3 (薬理効果比較) KRN2391はニコランジルをLead Compoundとして開発された類似骨格を有する血管拡張薬(非特許文献7、非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13)である。一方、KRN2391の泌尿器に対する効果も報告されている(非特許文献8、非特許文献14、非特許文献15、非特許文献16)。そこで、KRN2391を比較対照薬として、nNOS−Knockoutマウスの1日排尿回数に対する効果を比較してみると、ニコランジル(3mg/kg)およびKRN2391(1mg/kg)で有意な排尿改善効果が見られた(p<0.05、図2)。 一日の排尿回数は、排尿行動観察装置(室町機械)を用いて測定した。また、従来の抗コリン薬である塩酸オキシブチニン(SIGMA)とも排尿回数につき同様に比較を行った(図2)。 さらに、ニコランジルの硝酸薬様作用の関与を明らかにする目的で、純粋で強力なKATPチャネル開口薬であることが知られているピナシジルを用いて(SIGMA)排尿回数につき同様に比較を行った(図2)。ピナシジルにおけるマウスの循環器系に強い影響を与える用量(0.3mg/kg)を経口投与しても有意な排尿回数の減少は見られなかった。 以上のようにニコランジルはヒト病態に類似した頻尿モデル動物であるnNOS−Knockoutマウスにおいて、KRN2391と比較して1/3程度の強さで排尿回数の減少が確認された。また、抗コリン薬であるオキシブチニンとの比較においても、ニコランジルは10倍以上の強さで排尿回数の減少が確認された。 さらに、循環器系に影響を与える用量のKATPチャネル開口薬のピナシジルによっては有意な排尿改善効果が見られなかった。しかし、ニコランジルが排尿改善効果を示すことから、ニコランジルの過活動膀胱治療においてKATPチャネル開口作用と硝酸薬様作用を併せ持つことが重要であると確認された。Ishibashi T. et al. Archives Pharmac 1992,346,94−1−101石橋隆治ほか 血管 1993,16,61−71Ishibashi T. and Imai S. Caeduivascular Drug Ther 1994,12,136−151Nakamura Y. et al. Urol 2002,168,2275−2279Waldeck K. et al. Gen Pharmacol 1995,26,1559Kotani H. et al. Jpn J Pharmacol 1999,80,143−153実施例4 (薬理効果比較) 頻尿を惹起する原因としては、先に述べたように多くの原因があり、排尿困難に基づく頻尿も知られている。多くの頻尿改善薬の薬効検証モデルとしてラット尿道狭窄動物が報告されている(非特許文献17,非特許文献18)。そこで、ラット(9週令)をペントバルビタール麻酔下にて下腹部を正中切開し、近位尿道を3−0絹糸にてステンレスロッド(φ1mm)と一緒に結紮した後ロッドを引き抜いて尿道狭窄モデルを作成し、尿道狭窄45日後に水負荷(30ml/kg、po)して(ここでいう水負荷とはゾンデによる蒸留水の強制経口投与であることを指す)、210分間の排尿回数を観察し、正常動物での排尿回数(5回)以上の動物を頻尿動物として選別した。この動物に対しニコランジル(1mg/kg)及びKRN2391(1mg/kg)の経口投与後(水負荷用の蒸留水中に溶解して投与した)210分間の排尿回数を比較観察した(各n=5)。その結果、排尿回数はニコランジル投与では12.6±2.2→5.2±1.0回/210分間(p<0.05、43.8%減)、KRN2391投与では10.2±2.1→2.4±0.8回/210分間(p<0.05、34.3%減)にそれぞれ減少した(図3)。 以上のように、ニコランジルはヒトの頻尿モデル動物であるラット尿道狭窄ラットにおいて、KRN2391と比較して同程度の排尿回数の減少が確認された。Wojdan A et al, J Pharmac Exp Ther 1999 289:1410−18Pandita RK et al, J Urol 1999 162:943−8実施例5(副作用比較) KRN2391は、ニコランジルに対して25倍強いKATPチャネル開口作用により降圧作用を持つという報告(非特許文献7)があることから頻尿改善においては副作用と考えられる降圧作用について無麻酔覚醒ラット(ここでいう無麻酔覚醒ラットとは、予め麻酔下にて大腿動脈に血圧測定用カテーテルを挿入留置して血圧が観察できるようにしておいた動物を翌日麻酔覚醒後に使用することを指す)の血圧に対する両薬の経口投与での比較を行なった。ここでの経口投与の方法は、ゾンデを用いてKRN2391あるいは、ニコランジル溶液を強制経口投与した。血圧の測定方法は血圧測定用カテーテルを血圧トランスデューサー(日本光電)に接続し、ポリグラフ(日本光電)に入力して行なった。その結果、20mmHgだけ降圧させる投与量で比較すると、KRN2391が10倍少ない量で降圧作用を発現させることが明らかとなった(図4)。 以上のように、ニコランジルは頻尿改善において副作用となるラット降圧作用において、KRN2391と比較して1/10弱い副作用用量が確認された。実施例6 (副作用比較:尿閉・乏尿) 本実施例における尿閉とは、排尿量が3hr=0の状態を示す。 頻尿患者に於いては抗コリン薬投与による尿閉が重篤な副作用と考えられていることから、強い膀胱平滑筋直接弛緩作用(主にKATPチャネル開口作用)を持つKRN2391投与により膀胱内圧上昇の長時間抑制により乏尿・尿閉惹起作用が起こるものと仮定して検討した。 尿道狭窄(φ1mm、9週令のラットに尿道狭窄を行った)45日後のラットに対しニコランジル(3mg/kg)及びKRN2391(1mg/kg)の経口投与・水負荷(30ml/kg、po)後180分間の排尿量を比較観察した(各n=10)。その結果、図5上段に示すように排尿量(および無排尿動物数)はVehicle群では排尿量3.47±0.65mL(無排尿動物0匹)、ニコランジル群では排尿量1.86±0.48mL(無排尿動物0匹)であったのに対し、KRN2391群では排尿量は0.50±0.30ml(無排尿動物5匹)であった。KRN2391群では無排尿すなわち尿閉状態が観察され、さらにニコランジル群よりも排尿量が少なく、乏尿状態であった。 さらに、図5下段に示すようにKRN2391を比較対照薬としてnNOS−Knockoutマウス(12−16週令)での1日排尿量に対する効果を比較してみるとニコランジル(3mg/kg)では有意な影響は見られなかったがKRN2391(1mg/kg)で有意な1日排尿量の抑制(乏尿)効果が見られた(p<0.05)。これら薬物投与時から24時間後の結果について図示している。 以上のようにニコランジルは頻尿改善において副作用となるラット乏尿・尿閉惹起作用において、KRN2391と比較して弱い副作用発現が確認された。 本発明のニコランジルを主成分とする頻尿治療剤は実施例1〜3で示したように過活動膀胱の症状である頻尿に対する治療効果が期待できる。ニコランジルの過活動膀胱治療薬としての有効性は同じ構造をもつKRN2391に比較してほぼ同じ強さの効果をもつのに対して、実施例4〜6で示したように降圧作用、尿閉や乏尿などの副作用が非常に弱いことにある。 このニコランジルの効果は膀胱平滑筋の弛緩およびNANC神経伝達障害の改善に基づくものと推測されることから、他の過活動膀胱疾患、すなわち、尿失禁、尿意切迫や不安定膀胱、夜間頻尿症、遺尿症、膀胱反射亢進に対する治療効果も期待できる。本発明による治療は、従来の抗コリン薬(オキシブチニン、プロピベリン、トルテロジン)やβ刺激薬(クレンブテロール)による治療法と比較して安全かつ効果的である。また、頻尿に対する作用が知られている他のKチャネルであるKCaチャネル開口薬に比べ、循環器系に対する影響が少なく、硝酸薬に比べ連用耐性がない優れた作用を有する。 ニコランジルまたはその薬学的に許容し得る塩を有効成分として含む過活動膀胱治療剤。 過活動膀胱が脳障害、核上型脊髄障害、前立腺肥大症、膀胱知覚過敏症、または加齢に基づく過活動膀胱または本態性過活動膀胱である請求項1記載の過活動膀胱治療剤。 過活動膀胱に基づく排尿障害が、尿意切迫の感覚、尿失禁、頻尿症、膀胱不安定症、夜尿症、膀胱反射亢進および遺尿症である請求項2記載の過活動膀胱治療剤。 過活動膀胱に基づく排尿障害が、尿意切迫感を伴うものであり、症状として頻尿症または夜尿症、尿失禁を伴う請求項3記載の過活動膀胱治療剤。 本発明は、下記構造式で表されるニコランジルまたはその薬学的に許容し得る塩を有効成分とする過活動膀胱治療剤を提供する。 また、本発明の過活動膀胱治療剤は、有効成分のニコランジルがKATPチャネル開口作用と硝酸薬様作用を併せ持つものであり、また、前記過活動膀胱治療剤は、排尿と蓄尿において、腹壁および膀胱壁筋の収縮・弛緩と尿道括約筋の弛緩・収縮する運動が反射的に、かつ適切に協調する状態へと近づける改善効果が望め、乏尿・尿閉が惹起されず、かつ重篤な副作用を持たない。