生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_ジアセレインの精製方法
出願番号:2004556176
年次:2006
IPC分類:C07C 67/58,C07C 69/16


特許情報キャッシュ

マッジ、 ドメニコ JP 2006508157 公表特許公報(A) 20060309 2004556176 20031124 ジアセレインの精製方法 シンテコ エッセ.ピ.ア. 501431707 SYNTECO S.P.A. 宮崎 昭夫 100123788 石橋 政幸 100106138 岩田 慎一 100120628 緒方 雅昭 100127454 マッジ、 ドメニコ IT MI2002A002535 20021129 C07C 67/58 20060101AFI20060210BHJP C07C 69/16 20060101ALI20060210BHJP JPC07C67/58C07C69/16 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IT,LU,MC,NL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SY,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW EP2003013194 20031124 WO2004050601 20040617 9 20050526 4H006 4H006AA01 4H006AA02 4H006AB22 4H006AD15 4H006AD16 4H006BB11 4H006BB12 4H006BB14 4H006BB16 4H006BB17 4H006BB31 4H006BB46 4H006BB47 4H006BD20 4H006BJ50 4H006BR80 4H006BS30 本発明はジアセレインの精製方法に関し、これはアロエエモジン含量が低い(100ppm未満、または望むなら0〜5ppm)ジアセレインを得ることを可能にし、かつ実施が容易である。 ジアセレイン(1,8−ジアセトキシ−3−カルボキシアントラキノン)は、抗関節炎活性を有する既知の化合物であり、様々な方法(メルクインデックス、13版、2979;EP0243698;EP0520414;EP636602;PCT EP00/03691、PCT EP01/06019参照)で得られ、一般にはアロイン(10−グルコピラノシル−1,8−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−9(10H)−アントラセノン、メルクインデックス、13版、304)をアセチル化し、次いでアセチル誘導体をクロム酸酸化することによって得られる。この方法は、約100年前にR.RobinsonおよびJ.L.Simonsen(Journal of the Chemical Society(Transaction)、1909、1085〜1095)で開示された。この論文中、アロインはその同義語によりバルバロイン(メルクインデックス、13版、304を参照されたい)と呼ばれており、また実質上同じ方法が前記EP0636602に開示されており、これにはアロエエモジン(1,8−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルアントラキノン)含量を70〜20ppm未満に減少させるために、得られた粗製ジアセレインを精製する方法も開示している。実際には、アロエエモジンは下剤化合物(メルクインデックス、13版、303)であるが、これには変異原性もあるとされているが、これに関しては確信的な証拠はまだ示されていない。現時点での優良製造規範(GPM)によれば、市販の薬剤製品は、不純物は実行可能な最小量で含まれていなければならない(これは、治療効果のない物質は、化学物質であるという事実だけで、有害であるという仮定に基づいている)。ジアセレインの場合、変異原性とされているアロインエモジンを最小限に減少させる多数の試み(例えば粗製ジアセレインを様々な溶媒から結晶化することによる)がされてきた。例えば、PCT/EP00/03691で開示のように、アロエエモジン含量は、無水酢酸と酢酸との混合物からの結晶化により50〜100ppmに減少させることができ、他方EP0636602(4頁、25〜28行)によれば、メトキシエタノールまたはジメチルアセトアミドからの粗製ジアセレインの結晶化により、70ppm未満のアロエエモジン含量が得られる。この特許はまた、20ppm未満のアロエエモジン含量(5頁、7〜9行)を報告しており、これは以下に要約されたように、4頁、5頁(1〜6行)、および実施例に記載の方法で得ることができる。EP0636602の実施例1による手順 a)酸化ステップからの粗製ジアセレインを、水の含量が1%未満になるまで乾燥すること、 b)塩化メチレン中でトリエチルアミンで塩化し、溶液をろ過すること、 c)ろ液を酢酸水溶液で酸性化し、32%塩酸でさらに酸性化すること、 d)遠心分離し、乾燥減量が0.5%未満になるまで70〜80℃で乾燥すること、 e)3時間加熱還流することにより2−メトキシエタノールから結晶化し、+5℃に冷却し、沈殿を遠心分離し、乾燥減量が0.5%未満になるまで乾燥すること、 f)110℃で30分間加熱することにより無水ジメチルアセトアミドから結晶化し、0℃に冷却し、遠心分離し、固体を脱イオン水中に再懸濁し、さらに遠心分離し、水で6回洗浄し、最終乾燥すること。ステップb)からf)までの全体の歩留まりは74%である。EP0636602の実施例2による手順 a)上記実施例1を参照、 b)100℃で15分間加熱することによりジメチルアセトアミドおよび無水酢酸から結晶化し、熱ろ過し、0〜2℃に冷却し、遠心分離し、乾燥すること、 c)b)に記載の通り、ジメチルアセトアミドから第2の結晶化をすること、 d)b)に記載の通り、ジメチルアセトアミドから第3の結晶化をすること、 e)還流するエチルアルコール中で1時間加熱することによって最終精製し、0〜2℃に冷却し、遠心分離し、脱イオン水で洗浄してアルコールの大部分を除去し、最終乾燥すること。ステップb)からe)まで全体の歩留まりは65%である。 実施例1により、または実施例2によりそれぞれ、70ppm未満(4頁、28行)、または20ppm(5頁、9行)のエモジンレベルが得られるか、あるいは逆も真であるかは明らかではない。とはいえ、両方の方法が面倒であり、粗製ジアセレインに対する純粋なジアセレインの歩留まりの著しい低下を引き起こすことは明らかである。さらに、これらは、純粋なジアセレインを得るためだけでなく、様々なステップ中で失われたジアセレインおよび大量のメトキシエタノールおよびジメチルアセトアミドを回収するために、溶媒、装置および時間という点からは非常に費用がかかる。 EP520414およびEP554880は、液液分離によりアロエエモジンの含量が非常に低いジアセレインを得られることを教示している。この方法は、ジアセレインおよびレイン−9−アントロン−8−グリコシド(このものはセンナから得られ、続いてジアセレインに変換される)のそれぞれについて実施される。両者の場合、歩留まりは高いが、液液分離手法は、特別の装置(60個の混合/分離ユニットを有する「ミキサーセトラー装置」)、ならびにアロエエモジンが抽出される混合物の体積当たり30倍の体積の有機相(アロエエモジンは、かなり希釈されている)の使用が必要である。さらに、この方法全体は(出発材料から純粋なジアセレインまで)少なくとも6ステップを含んでいる。 粗製ジアセレイン(Robinson e Simonsenにより記載された方法に従って、アロインから調製された)を弱塩基で塩化すること、この塩の有機水性溶液を、水と混和しないまたは混和しにくい溶媒中に不連続抽出または連続抽出にかけること、および酸性化により純粋なジアセレインを沈殿させることにより、アロエエモジンの含量が非常に低いジアセレインを得ることができることを見出した。 (詳細な説明) 本願では「アロエエモジン」という用語は、「アロエエモジン」それ自体、あるいは粗製ジアセレイン中にまた存在し得る、対応するモノ−、ジ−および/またはトリ−アセチル誘導体と混合したアロエエモジンを意味する。 弱塩基は、好ましくは弱有機塩基であり、より好ましくは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ピロリジン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。ジアセレイン/有機塩基のモル比は1:1〜1:1.15の範囲である。ジアセレインと有機塩基は、好ましくは実質上化学量論比にある。 水性有機溶媒は、アセトン、メチルエチルケトン、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、その他の水溶性溶媒、およびこれらの混合物からなる群から選択される溶媒と水との混合物である。水と溶媒(または溶媒混合物)との体積比は有機溶媒に応じて、20:80〜80:20、好ましくは60:40〜40:60の範囲である。 水と混和しないまたは混和しにくい適した溶媒は、低級アルコールのアセテートおよびプロピオネート、芳香族炭化水素、脂肪族または芳香族ハロ炭化水素(Halohydrocarbons)、およびこれらの混合物である。特に好ましいのは低級アルコールのアセテート、特に酢酸エチルおよび酢酸ブチル、トルエンおよびキシレンである。抽出ステップの数(これは溶媒および溶媒/ジアセレイン塩溶液の体積比により決まる)は、当業者により予備試験で、最終生成物中のアロエエモジン含量に応じて容易に決定され得る。抽出を連続抽出器中で実施する場合にも同様のことが当てはまる。 アロエエモジン含量の測定は、HPLCにより外部標準法で実施する。40mgのジアセレイン、10mgのアロエエモジン、および20mgのレインを50mlのジメチルアセトアミド中に正確に秤量することにより標準液を調製し、1mlの溶液を移動相(以下を参照されたい)で100mlに希釈する。クロマトグラフィーの条件は以下の通りである。 装置:パーキンエルマークロマトグラフシリーズ200、ダイオードアレイ付きポンプ、または同様の装置 カラム:Lichrosphere 100 RP−18(5(m)、250mm×4mm内径、またはその等価物 移動相:酢酸(pH=2.7)/アセトニトリル(53/47)溶液 流速:0.8ml/分 検出波長:254nm 注入量:20μl 分析時間:35分 インテグレーションパラメータ(Integration parameters):バンチングファクター(bunching factor)3−閾値域50/ノイズ100(これらの値は、指示的なものに過ぎず、統合を最適化するために、個別に調整するべきである) これらの条件において、以下の保持時間が得られた。 ジアセレイン:7.2 アロエエモジン:11.5 レイン:12.2 標準溶液(20μl)を注入し溶離する。クロマトグラムにおけるアロエエモジンとレインの間のピーク分解能が1.4未満の場合は、カラムを水(15分、流速1ml/分)、50/50の水/アセトニトリル混合物(15分、流速1ml/分)、アセトニトリル(15分、流速1ml/分)で洗浄し、試験を繰り返す。 精製されたジアセレインを、塩溶液から酸性化により(例えば塩酸またはリン酸を用いて)回収する。遠心分離、水洗、乾燥の後、PCT/EP00/03691およびPCT/EP01/06019に開示されたように、ジアセレインを酢酸/無水酢酸から結晶化させる。 以下の実施例により、本発明をより詳細に例示する。実施例1 80lのアセトンと80lの水の混合物中の約500ppmのアロエエモジンを含む15.6kgの粗製ジアセレインの懸濁液に、4.27kgのトリエチルアミンを加える。得られた溶液を、酢酸ブチルの4つのアリコート(各100l)で抽出する。有機相をプールし、酢酸ブチルを回収し、この工程に再循環する。ジアセレイン塩溶液を希HClで酸性化し、沈殿したジアセレインを遠心分離し、水で十分に洗浄し、乾燥して、2ppm以下のアロエエモジン含量の14.8kgのジアセレインを得る。続いて上記したことに従って、無水酢酸/酢酸からの結晶化を実施する。実施例2 抽出回数を3回(最終アロエエモジン含量:〜45ppm)、または2回(最終アロエエモジン含量=85ppm)に限定して、実施例1と同じ手順を実施する。実施例3 抽出溶媒としてトルエンを使用して、実施例1と同じ手順を実施する。その後の5回の抽出後、ジアセレインが含むアロエエモジンは3ppm以下である(4回の抽出後は約33ppm)。実施例4 抽出溶媒として塩化メチレンを使用して、実施例1と同じ手順を実施する。その後の4回の抽出後、アロエエモジン含量が約3ppmのジアセレインを得る。実施例5 塩基としてトリブチルアミン、および抽出溶媒として酢酸ブチルを使用して、前記実施例と同じ手順を実施する。アロエエモジン含量は2ppm未満である。実施例6 液−液抽出に適したソックスレー装置中に、100グラムの粗製ジアセレイン(約500ppmのアロエエモジン含量)の、500mlのメチルエチルケトン、500mlの水、27.5グラムのトリエチルアミンおよび50mlの塩化メチレン中の溶液を充填する。抽出溶媒用に1リットルの塩化メチレンを円底フラスコ中に充填し、還流温度まで加熱する。約1時間抽出を続け(水性アセトン相より高密度である抽出溶媒が、その中を通過して上昇し、ソックスレーの本体からオーバーフローし、塩化メチレンを入れたフラスコにサイフォン作用によって溢れ、それによって抽出されたアロエエモジンを除去する)、その後は、次いで抽出溶媒を500mlの新たな塩化メチレンで置き換え、抽出をもう1時間続ける。ジアセレイン塩の水/アセトン溶液を静置させ、次いで塩化メチレン相(エモジンの痕跡を含んだ)から分離し、ジアセレインを沈殿させるために希塩酸でpH1に酸性化する。ろ過、真空下60℃で乾燥の後、ジアセレイン(94グラム)は4ppm未満のアロエエモジンを含んでいる。意図した用途に対して十分に低いアロエエモジンのレベルに達した場合は、抽出を中断することもでき、新たな塩化メチレンの添加を回避することができる。 酢酸/無水酢酸(70/9体積/体積)から、非常に純粋なジアセレインを得ることができる。 弱塩基とのジアセレイン塩の水性有機溶液が、水と混和しないまたは混和しにくい溶媒で抽出されることを特徴とする、アロエエモジンならびにそのモノ−、ジ−およびトリ−アセチル誘導体の含量が100ppm未満のジアセレインを得る方法。 アロエエモジンならびにそのモノ−、ジ−およびトリ−アセチル誘導体の含量が、0から5ppmの範囲である、請求項1に記載の方法。 弱塩基が、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピロリジン、ter−ブチルアミン、その他の弱有機塩基、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機塩基であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。 有機水性溶媒が、水と、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、その他、およびこれらの混合物からなる群から選択される水混和性溶媒との混合物であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。 水と水混和性有機溶媒との体積比が、80:20から20:80の範囲であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。 体積比が60:40から40:60の範囲であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。 抽出溶媒が、C2〜C4アルコールのアセテート、プロピオネートまたはブチレート、芳香族炭化水素、脂肪族または芳香族ハロ炭化水素、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。 溶媒が、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、塩化メチレン、およびこれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。 抽出を不連続的に実施することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。 抽出を連続的に実施することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。 請求項1から10のいずれか一項に記載の方法で得た、0から100ppmのアロエエモジンを含むジアセレイン。 請求項1から10のいずれか一項に記載の方法で得た、0から5ppmのアロエエモジンを含むジアセレイン。 アロエエモジン含量が100ppm未満、好ましくは0〜5ppmのジアセレインを得る方法をここで開示する。この方法は、弱塩基とのジアセレイン塩の水性有機溶液を、トルエン、C2〜C4アルコールのアセテート、ハロ炭化水素等など、水と混和しないまたは水と混和しにくい溶媒で抽出することを含む。


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