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タイトル:特許公報(B2)_コンブチャ(kombucha)を含む化粧品または皮膚用薬組成物
出願番号:2004525474
年次:2008
IPC分類:A61K 8/99,A61Q 19/08


特許情報キャッシュ

カール リントナー JP 4099173 特許公報(B2) 20080321 2004525474 20030725 コンブチャ(kombucha)を含む化粧品または皮膚用薬組成物 セダーマ エスエーエス 503432445 清原 義博 100082072 カール リントナー FR 02/09710 20020730 20080611 A61K 8/99 20060101AFI20080522BHJP A61Q 19/08 20060101ALI20080522BHJP JPA61K8/99A61Q19/08 A61K 8/00-8/99 A61Q 1/00-99/00 JMEDPlus(JDream2) JST7580(JDream2) JSTPlus(JDream2) 特開2000−256142(JP,A) 国際公開第02/015871(WO,A1) 特開平07−010767(JP,A) 特開平07−008259(JP,A) 特開平07−051047(JP,A) 特開昭61−257179(JP,A) 特開平08−322555(JP,A) C. Dufresne et al,Tea, Kombucha, and health: a review,Food Research International,2000年,Vol.33,p.409-421 9 FR2003002368 20030725 WO2004012650 20040212 2005534691 20051117 13 20060330 原田 隆興 本発明はコンブチャ(kombucha=紅茶キノコ液)を含む化粧品または皮膚用薬組成物に関するとともに、皮膚、粘膜及び皮膚付属器の手入れや特に内的及び外的要因による老化現象を予防するために、コンブチャ及びこれを単独または組合せで含んだ化粧品または皮膚用薬組成物を利用することに関するものである。 皮膚、粘膜及び皮膚付属器は傷みやすい要素であり、最大の配慮に値する。確かに、これらの要素は、日光、風や寒さなどの有害な外的作用によりバランスが乱されやすい。皮膚の老化は、老化の外的徴候として最初に現れるもののひとつである。皮膚の老化は、時間の経過に伴い自然発生的に生じるいくつかの変質に伴うものであるが、外的要因によって引き起こされることもある(太陽光線、たばこの煙り、過度のアルコール摂取)。 老化現象は臨床的にはしわ及び小じわの出現、皮膚及び皮下組織の弛緩に伴う肌理の粗い皮膚、皮膚の細かな凹凸の弛緩、皮膚のハリの低下、弾力性の損失及び全体的に締まりがなく、くすんで、色艶に欠けた皮膚となって表れる。 老化はまた、毛髪の本数、太さや成長の低下、分泌物(皮脂及び発汗)の減少及び爪の構造や成長の変化となって表れる。生活を通して太陽に晒されてきた皮膚の各部(特に顔、首回り、両手及び前腕)には、色素過剰または色素脱失に伴う斑点が観察されることが多い。 こうした老化現象の中には、内因的または生理学的老化との結びつきが特に強いもの、つまり加齢に伴う老化がある一方、外因的老化、即ち一般的に環境要因により引き起こされた老化に特有の現象もある。これは特に、太陽光線またはその他の放射による照射に伴う光老化である。 本発明は、皮膚、粘膜及び皮膚付属器の老化対策全般に関するもので、中でも顔の色艶の改善や特にグリケーションの予防または軽減、皮膚脂肪細胞による脂質生成の活性化による対策に関するものである。 コラーゲンの糖化現象にはふたつの種類がある。ひとつは酵素による自然かつ必然的な糖化であり、これはコラーゲン形成の一段階である。もうひとつは非酵素的糖化(グリケーション)で、これは生体内部のほぼあらゆる箇所で、グルコースと長寿命たんぱく質などの各種生化学的成分との間で自然発生的に(酵素が関与することなく)生じる化学反応である [THORPE SR, 1996 ; NAGARAJ RH, 1996]。こうした自然発生的な反応は、メイラード反応の名前で知られている。この現象が原因となると現在知られている主な生理現象は、糖尿病(血糖値の異常な上昇)及び老化である。糖尿病以外に、グリケーションに起因する疾患としては、白内障、各種神経疾患、腎疾患、微小及び大血管症などがある。老化に関しては、良く見られる合併症がコラーゲンに影響を与える。年齢とともに、コラーゲンの伸長に対する抵抗が増加する。コラーゲン繊維及び結合組織成分全般のグリコシル化は、各種繊維間の架橋を形成し、これら繊維の硬直化及びこれに伴う皮膚の柔軟性及び弾力性の低下を引き起こす。 加齢に伴い、皮膚細胞(及び細胞外基質の主たる構成要素であるコラーゲン繊維)の再生は行いにくく、時間がかかるものとなる。真皮は薄くなるが、表皮層は死滅細胞の不完全な除去により厚くなる。 こうした観察結果に照らしてみると、皮膚コラーゲンのグリケーションを遅らせることで皮膚の柔軟性及び弾力性をうまく保ち、その外観や快適感を高めることができると考えられる。 従って、本特許出願の対象である発明はグリケーション防止効果に優れた製品に関するものである。 また、乳児の肌のような色艶のある肌は、光の反射の仕方が異なっていることが観察されている。こうした皮膚は滑らかで、肌理の細かな凹凸を備え、ハリがある。 皮膚に必要成分を再補給し、真皮の密度を回復することは、従って、しわや小じわを防止し、皮膚の色艶と若々しさを取り戻す上で有効なアプローチとなる。 この点は、コラーゲンやヒアルロン酸の皮内注入を行う皮膚科医が増えていることを見れば納得できる。今では、脂肪注入という新しい技術が存在している。これは患者自身から採取された脂肪を、しわの原因となる組織の空隙を塞ぐために再注入するものである。しかしながら、こうした方法はいずれも、程度の差はあれ、不都合な点をいくつか備えている。治療費の問題のほかに、注入された脂肪、コラーゲンまたはヒアルロン酸が体内で異物と認識され、当然ながら好ましくない炎症反応を引き起こすことがある。さらに、人工的に追加された生体材料は、早晩にも正常な酵素分解の対象となり、注入サイクルが次第に頻繁になる原因ともなる。 本特許出願の対象である発明は、美容整形を真似ることのできる製品にも関するものである。即ち、化粧品による「脂肪注入」を行うもので、脂肪細胞塊の増加により皮膚の充填が行われるが、組織自体により新生される脂肪細胞塊は、使用者に完全な耐性と無痛を保証しつつ、しわの解消または減少を行ってくれる。この化粧品による脂肪注入の原理は、皮膚脂肪細胞による脂質生成の活性化にある。こうした効果は、in vitro及びin vivoの双方で研究・実証済みとなっており、その内容は本特許出願に記載の利用例で明らかにする。 本特許の目的のひとつは、従って、皮膚及び毛髪の老化防止全般及び特に皮下脂質のグリケーション及び減少の防止に効果を有し、これといった副作用のない製品を提案することにある。 緑茶などの多くの自然製品が既に化粧品に利用され、皮膚のしわや小じわ対策、皮膚組織の引き締め、皮膚の色艶の再生に役立つとされている。しかし、こうした組成物は、外観の衰えに不完全かつ一時的に対処するものでしかなく、目立った効果を伴わないことが多い。例えば緑茶は、最終製品を黒ずませる傾向があり、その活性は限られている。緑茶の特性としては、抗フリーラジカル作用及び抗酸化作用のほか、緑茶エキスがカフェインを多く含む場合は、痩身効果も主張されている。 ところで、我々は意外なことにも、コンブチャ(kombucha)の局所塗布には興味深い美容効果があり、グリケーションを抑制することで老化現象を防止したり、皮膚の新陳代謝の欠如を防止し、皮膚の細かな凹凸を改善することを発見した。 コンブチャ(kombucha)とは、微生物により変質された茶である。この変質は、キシリヌム(Xylinum)菌により生成された多糖基質内に住み着くサッカロミセス系酵母の共生体による発酵である。この共生の正確な組成(特に各品種の割合)は、地理的及び気候条件によって変化し、酵母及びバクテリアの地方野生亜種に依存する。とは言え、完全ではないが、いくつかの例を挙げれば、Saccharomyces ludwigii、Saccharomyces apicalutus、Bacterium xylinoides、Bacterium gluconicum、分裂酵母Schizosaccharomyces pombe、Acetobacter ketogenum、トルラ(Torula)酵母、ピキア(Pichia)酵母などがある。コンブチャ(kombucha)に関する文献においては、酵母及び細菌からなるこの共生体は「キノコ」、「長寿キノコ」とも呼ばれ、その他の同義語も数多く存在する。 この発酵はきわめて特異なもので、酵母が糖を分解して作り出すアルコールは、微生物によりグルクロン酸、乳酸、ウスニン酸のほか、特に最終的なpHが2.5から4のコンブチャに特有の酸味を生み出す酢酸などの各種酸に変えられる。一方、「酢酸菌」とされているキシリヌム菌も、紅茶に含まれる糖を利用し、サッカロースをセルロース微繊維に変化させ、これにより作られた支持膜の中に酵母が住み着き、発達する。 酵母の代謝生成物はコンブチャ中に排出され、微生物の成長に必須の補酵素である、ビタミンB1、B2、B3及びB12などを多く含んでいる。 「長寿キノコ茶」とも呼ばれるコンブチャは、様々な名称で以前から知られている民間療法薬である [FRANK G., 1999]。黄褐色で、シードル(りんご酒)に似た甘酸っぱい味の清涼飲料である。コンブチャの効果は、特に東アジアを始めとし、多くの民族により幾世代にも渡って知られてきた。コンブチャの製造に用いられる茶は種類も由来も様々だが、特にシネンシス(Camellia sinensis var. sinensis) またはアッサムチャ(C. sinensis var. assamica)がある。コンブチャを作るには、各種の緑茶、半発酵茶、紅茶、薫製紅茶、黄茶、黒茶、白茶、植物や果実のハーブティーまたは煎じ茶を用いることができる。特に利用されることが多いのは、各種の緑茶、半発酵茶、紅茶、薫製紅茶、黄茶、黒茶、白茶(いずれもカメリア・シネンシス)で、中でも紅茶である。 時には、発酵茶という用語は誤解されていることがある。確かに、紅茶は「発酵」緑茶と呼べるものであるが、この変化は発酵そのものではなく、葉っぱを折ったり、切ったりした時に細胞が機械的に破断されることにより、ある種の成分と接触することで茶に生じる酸化作用である。一方、摘み取り後すぐに緑茶を作るためには、タンニンの酸化を防ぎ、クロロフィルを保存するために、茶葉を軽く蒸し、次に丸めて乾燥しなければならない。 コンブチャを作るためには、紅茶が最適の培養液となる。紅茶は、乳酸及びグルコン酸の濃度を高め、「キノコ」の成長に最適の条件を提供するとともに、プリンに富んでいる。 「キノコ」及びコンブチャの製法は、幾世代にも渡って受け継がれている。本発明を説明するため、参考として、コンブチャの製法が後述されている。 これと同様に、共生体である「長寿キノコ」も例えば、cajnyj grib(ロシア語)、日本または中国キノコ(champignon japonais ou chinois)、奇跡のキノコ(champignon miracle)、comboucha、combucha(日本語)、fungojapon、fungus japonicus(医薬名)、funko cinese(イタリア語)、ganoderma japonicum、japanischer Teepilz(ドイツ語)、kombucha、ling zhi(中国語)、mandschurischer Schwamm、russische Blume、tea fungus kombucha、Wolgaqualle(ドイツ語)、Zauberpilzなどと呼ばれている。 コンブチャは、抗生物質作用を備えた定義付けの難しい各種成分のほか、特にグルクロン酸、ビタミンB1、B2、B3、B6及びB12並びに葉酸及びD(+)乳酸を生成する。 本特許出願の対象は、適切に用意され、使用されたコンブチャは、前述の老化現象を防止する新たな方法となることを発見し、実証したことにある。 本特許出願に先立つ計画実施段階で、我々は、コンブチャが上述の用途において備えた有効な作用は、その成分組成により説明付けられることを発見した。即ち、コンブチャは、ビタミン、アミノ酸、糖類及びエピガロカテチンガラート(EGCG)を豊富に含んでいる。 そのため、コンブチャの局所塗布は、各種皮膚細胞(ケラチノサイト、メラノサイト、繊維芽細胞、脂肪細胞)を再活性化する。また、ランゲルハンス細胞の活性化により免疫活性を高めるほか、脂肪細胞の活性を高め、脂質生成を促進する。従って、コンブチャは、その栄養活性により老化を防止する再生剤と考えることができる。 事実、意外なことにも、我々はコンブチャは、局所塗布することで、グリケーション防止に効果を発揮することを観察し、実証した。即ち、コンブチャは、内的及び/又は外的要因により老化した皮膚の弾力性及び柔軟性の維持及び再生を行うことができる。 我々はまた、コンブチャは、局所塗布することで、皮膚脂肪細胞による脂質生成を活性化することを観察し、実証した。即ち、コンブチャは皮膚のしわ及び小じわの予防及び処置、顔、腰や臀部の皮膚組織の引き締め、皮膚の細かな凹凸の改善による皮膚の色艶の再生を行うことができる。 我々はまた、コンブチャは、局所塗布することで、化粧品による「脂肪注入」が行えることも観察し、実証した。 コンブチャはまた、皮膚の水分補給の向上やメラノサイト活性の調整を行うこともできる。 本発明の対象である化粧品及び皮膚用薬組成物に利用されるコンブチャは、各種の茶、ハーブティー、煎じ茶を用い、特に上述のものを始めとする各種菌類、酵母及び微生物の各種組合せによる発酵を通じて作ることができる。しかしながら、コンブチャの局所塗布はこれまでに説明されたことはない。従って、本発明は、コンブチャを含む化粧品または皮膚用薬組成物にも関するものである。 本発明の対象である組成物には、化粧品または皮膚用薬に適した、即ち皮膚組織と相容れる媒質が含まれる。従って、組成物は粘膜及び皮膚付属器を含むヒトの全身に塗布することができる。 コンブチャは例えば、組成物全重量の0.001%(p/p)から100%(p/p)、特に0.01%(p/p)から20%(p/p)の量で使用されることが多い。 組成物としては、例えば、エモリエント・ローション、乳液もしくはクリーム、スキンケアまたはヘアケア用乳液もしくはクリーム、クレンジング・クリーム、ローションもしくは乳液、ファンデーション下地、日焼け止めローション、乳液もしくはクリーム、人工日焼け用ローション、乳液もしくはクリーム、ひげ剃り用クリームもしくはムース、アフターシェーブ・ローション、シャンプー、口紅、マスカラまたはマニキュアがある。 こうした組成物は、唇の着色やひび割れ防止のためのリップスティック、アイメーク製品、おしろいまたはファンデーションの形を取ることもある。 本発明に基づく組成物がオイル・イン・ウォーターまたはウォーター・イン・オイル・タイプのエマルジョンの形をとる場合は、油相は基本的に抽出もしくは合成油脂混合物に少なくとも1種類のオイル及び、場合によっては、その他の油脂を加えたものとなる。エマルジョンの油相は、エマルジョン全重量の5から60%を構成することができる。 当該エマルジョンの水相は、エマルジョン全重量の30から85%を構成することが多い。乳化剤の割合は、エマルジョン全重量の1から20%の間で、特に2から12%のことが多い。本発明に基づく組成物がオイル、油性アルコールまたは水性アルコールを含むローションの場合は、例えば紫外線吸収剤を含んだ日焼け止めローション、皮膚柔軟化ローションなどとなる。尚、オイルローションは油溶性界面活性剤を含んだ発泡性オイル、浴用オイルなどを構成することができる。 本発明に基づく組成物に用いることのできる主な添加剤としては、MP-ジオル及びポリグリセリンを始めとする有機溶剤または水溶性のグリコール系溶剤、抽出もしくは合成油脂、イオン性もしくは非イオン性粘稠剤、柔軟化剤、混濁剤、安定化剤、エモリエント剤、シリコーン、α-またはβ-ヒドロキシ酸、消泡剤、保湿剤、ビタミン、香料、保存剤、隔離剤、着色剤、ゲル化及び増粘化ポリマー、界面活性剤及び乳化剤、水溶性または油溶性のその他有効成分、植物エキス、組織抽出物、海洋抽出物、紫外線吸収剤、抗酸化剤を挙げることができる。 特に好ましいモノまたはポリアルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、プロピレン・グリコール、グリセロール及びソルビトールがある。 油脂類に関しては、鉱物油としてはワセリン油を挙げることができる。動物油としては、鯨油、鮫油、アザラシ油、ニシン油、オヒョウ肝油、タラ油、マグロ油、タートル油、牛足油、馬足油、羊足油、ミンク油、カワウソ油、マーモット油などがあり、植物油としては、アーモンド油、小麦胚芽油、ホホバ油、ゴマ油、ヒマワリ油、パーム油、クルミ油、シア脂、フタバガキ油、マカデミアナッツ油、カシスシード油などがある。 脂肪酸エステルとしては、C12からC22の飽和または不飽和脂肪酸エステル、イソプロパノールやグリセロールなどの低級アルコールエステルまたはC8からC22の直鎖状または枝分かれ状の飽和または不飽和高級アルコールエステルのほか、C10からC22のアルカンジオル-1,2エステルを用いることができる。 また、油脂としては、ワセリン、パラフィン、ラノリン、水素添加ラノリン、獣脂、酢酸ラノリン、シリコーン油を用いることもできる。 ロウ類としては、シポルロウ、ラノリンロウ、蜜ロウ、キャンデリラロウ、モノクリスタランロウ、カルナウバロウ、鯨ロウ、カカオバター、シアバター、シリコーンロウ、25℃で凝固する水素添加油、スクログリセリドのほか、オレイン酸、ミリスチン酸、リノレイン酸及びステアリン酸カルシウム、マグネシウム及びアルミニウムを挙げることができる。 アルコールとしては、ラウリル、セチル、ミリスチル、ステアリル、パルミチル及びオレイルアルコールのほか、2-デシルテトラデカノールまたは2-ヘキシデカノールなどのゲルベ(GUERBET)アルコールがある。乳化剤に関しては、ポリオキシエチレン脂肪アルコールとしては、2から20molの酸化エチレンを含んだラウリル、セチル、ステアリル及びオレイルアルコール があり、グリセロールのアルキルエーテルとしては、2から10molのグリセロールを含んだC12からC18のアルコールがある。また、セルロース誘導体、ポリアクリル酸誘導体、グァーガム、イナゴマメガムまたはキサンタンガムなどの粘稠剤を用いることもできる。 本発明に基づく組成物には、化粧品や皮膚治療に通常用いられている添加物が含まれることもあり、例えば、保湿剤、柔軟化剤、皮膚用薬、紫外線吸収剤、殺菌剤、着色剤、保存剤、香料及び噴射剤などがある。 本発明に基づく組成物が分散液である場合は、界面活性剤を含んだレシチンの水分散液または封入された水相を備えた組織化分子膜からなる脂質小球の水分散液がある。これに関しては、脂質化合物としては、長鎖アルコール及びジオル、コレステロールなどのステロール、リン脂質、硫酸及びリン酸コレステリル、長鎖アミンとその第4級アンモニウム誘導体、ジヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪アミン、長鎖アミノアルコール・エステルとその塩類及び第4級アンモニウム誘導体、リン酸ジセチルまたはそのナトリウム塩などの脂肪アルコールリン酸エステル、セチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、脂肪酸の塩類やフランス国内特許番号2 315 991、1 477 048及び2 091 516または国際特許出願WO 83/01 571及びWO 92/08 685に記載のあるタイプの脂質を挙げることができる。 その他の脂質としては、12個から30個の炭素原子を有し、飽和または不飽和で、直鎖状または枝分かれ状になった親油性長鎖、例えばオレイン、ラノリン、テトラデシル、ヘキサデシル、イソステアリル、ラウリンまたはアルキルフェニルの長鎖を備えた脂質を用いることができる。こうした脂質の親油基は、イオン性のことも非イオン性のこともある。非イオン性の親油基としては、ポリエチレングリコール誘導体がある。また、ラメラ相を形成する脂質としては、フランス国内特許番号1 477 048、2 091 516、2 465 780及び2 482 128に記載のあるようなポリグリセロールエーテルも有効に利用することができる。 イオン性の親油基としては、両性、陰イオン性及び陽イオン性のものを有効に利用することができる。 国際特許出願WO 83/01 571にベシクル形成に利用できるものとして記載のあるその他の脂質としては、ラクトシルセラミド、ガラクトセレブロシド、ガングリオシド及びトリヘキソシルセラミドなどの糖脂質、フォスファチジルグリセロールやフォスファチジルイノシトールなどのリン脂質がある。 有効成分は、医薬品または食品として有効な成分または美容活性成分である。水溶性の有効成分は、均一に溶解されたり、ベシクル内に封入された水相にある。化粧品及び/又は医薬品としての活性を備えた水溶性成分は、皮膚や頭髪の手入れや治療用の製品でも良く、例えば次のものがある。グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトロール、ピロリドンカルボン酸及びその塩類などの保湿成分:ジヒドロキシアセトン、エリスリトール、グリセルアルデヒド、酒石酸アルデヒドを始めとするγ-ジアルデヒドなど、場合によっては着色剤と併用される人工日焼け成分:水溶性紫外線吸収剤:制汗剤、デオドラント、アストリンゼン、清涼剤、刺激剤、癒合剤、角質軟化剤、脱毛剤、芳香水:多糖などの植物組織抽出物:水溶性着色剤:ふけ防止剤:抗脂漏剤、過酸化水素水を始めとする脱色剤などの酸化剤:チオグリコール酸及びその塩類などの還元剤。 また、ビタミン、ホルモン、スーパーオキサイド・デスムターゼなどの酵素、ワクチン、ヒドロコルチゾンなどの抗炎症剤、抗生物質、殺菌剤、細胞毒性剤や抗腫瘍剤を挙げることができる。 有効成分が脂溶性の場合は、ベシクル膜内に入れることができる。脂溶性有効成分は、脂溶性紫外線吸収剤、皮膚の乾燥及び老化を改善する成分、トコフェロール、ビタミンE、FまたはA及びそのエステル、レチノイン酸、抗酸化剤、必須脂肪酸、グリシレチン酸、角質軟化剤及びカロテノイドなどの中から選ぶことができる。 コンブチャは、本発明に基づく化粧品組成物において、個別添加または適切な賦形剤に予め混合の上で利用することができ、溶液、分散液、エマルジョン、ペーストまたは粉末の形で用いることができる。また、マクロ、マイクロもしくはナノカプセル、リポソームまたはキロミクロン、マクロ、マイクロもしくはナノパーティクルまたはマイクロスポンジなどの化粧品用ベクターで、個別または一緒に輸送することができる。また、粉末状有機ポリマー、タルク、ベントナイトその他の鉱物性媒体に吸着させることもできる。 コンブチャは、何らかの形状を備えたあるいはマクロ、マイクロもしくはナノパーティクルまたはマクロ、マイクロもしくはナノカプセルに結合、添加、吸収また吸着された形で、合成・天然繊維、ウールを始めとし、昼または夜に身に付ける衣服や下着の製造に用いることができ、ストッキング、下着、ハンカチ、ウエットティッシュなど皮膚と直接接触することで、繊維と皮膚との接触を通じて美容効果を発揮し、連続的局所送達を行うことができるあらゆる素材の処理に用いることができる。 本発明はまた、化粧品または皮膚用薬としてもしくはその製造に当たって、皮膚、粘膜及び皮膚付属器の手入れのために、内的及び/又は外的要因による老化現象の予防を始めとし、特に皮膚の柔軟性及び弾力性の再生、皮膚の外観や快適感の向上、化粧品による「 脂肪注入」の実施、顔、腰や臀部の皮膚の引き締め、皮膚の肌理の活性化、皮膚成分の回復、若々しい顔だちの回復、皮膚の色艶の改善や回復、皮膚の輝きの増進のために、コンブチャを利用することに関するとともに、コンブチャを単独または組合せで含んだ化粧品及び皮膚用薬組成物を利用することにも関するものである。 本発明は、化粧品及び皮膚用薬組成物としてもしくはその製造に当たって、特にしわ及び/又は小じわ、顔、腰や臀部の皮膚及び/又は皮下の弛緩、皮膚の細かな凹凸の衰退(または崩壊)、たるんだ皮膚やくすんだ皮膚を処置するため、コンブチャを利用することに関するとともに、コンブチャを単独または組合せで含んだ化粧品及び皮膚用薬組成物を利用することにも関するものである。 本発明は、皮膚、粘膜及び皮膚付属器の手入れのためや、特に内的及び/又は外的要因による老化現象を防止するための医薬品調合に当たって、コンブチャを単独または化粧品または皮膚用薬組成物に添加して利用することにも関するものである。 参考のため、以下に限られる訳ではないが、本発明の利用例をいくつか紹介する。 例1:コンブチャの作り方 広口のガラス容器の中で1リットル当たり5g以上の茶葉(例えば紅茶)と1リットル当たり70g以上の砂糖からできた砂糖入りの茶を、例えばR.FRANK社(ドイツ、ビルケンフェルト)製の「コンブチャ入り長寿キノコ」(砂糖入り茶1リットル当たり25から100gを添加)などの共生体と一緒に発酵させる。発酵容器は温かい場所に数日間(5から12日)置いておく。濾過すればコンブチャが出来上がり、次回の発酵のために「キノコ」を回収する。コンブチャを作るに当たっては、発酵の開始を助けるため、砂糖入り茶及びキノコの混合物に、前回の作業で得られたコンブチャを10%添加しても良い。 例2:デイクリーム g/100g ボルポS20 2.4 ボルポS2 2.6 プロステアリル15 8.0 蜜ロウ 0.5 ステアロキシ・ジメチコン 3.0 プロピレン・グリコール 3.0 カルボメール 0.25 トリエタノールアミン 0.25 コンブチャ 3.0 水、保存剤、香料 qsp 100g このエマルジョンは、顔の皮膚を明るく、緻密にするために用いられる。 例3:ジェル g/100g カルボマー 0.3 プロピレン・グリコール 2.0 グリセリン 1.0 白色ワセリン 1.5 シクロメチコン 6.0 クロダコールC90 0.5 リュブラジェルR MS 10.0 トリエタノールアミン 0.3 コンブチャ 10.0 水、保存剤、香料 qsp 100g 即時調合されたこのジェルは、特に皮膚の輝きを増すため、顔の皮膚に毎日塗布することができる。 例4:シャンプー g/100g A ソルビン酸カリウム 0.1 水 qsp 100g B Empicol ESB3/M 30.0 INCRONAM 30 4.0 CROTHIX(液状) 2.0 Phenova 0.8 C 水酸化ナトリウム 0.1 水 1.0 D コンブチャ 0.5 例5:ヘアスプレー g/100g A 水 qsp 100g エタノール 10.0 ソルビン酸カリウム 0.1 B プロセチル AWS 0.6 Nipagine 0.2 ブチレングリコール 3.0 C コンブチャ 3.0 D 香料 0.1 製法:Aを計量する。Bを計量し、70℃に加熱して溶解させる。BをAに加え、撹拌する。40℃の温度でC及びDを加える。均一に混ぜる。 例6:グリケーション防止作用 原理:フルクトースを加えて培養された血清アルブミンからなるin vitro標準システムを3週間培養する。グリケーションは、一般的にはペントシドまたはFFI(フロイル-フラニル-イミダゾール)である蛍光物質の形成により観察される。 試験手順:血清アルブミン及びフルクトースの間で生ずる非酵素的グリケーションは、自然発生的でゆっくりとした反応で、温度によって速めることもできる。 我々の方法では、血清アルブミン(濃度2%)及び100mMのフルクトースは、pH7.4のリン酸緩衝液を50℃に保ち、1週間培養される。この場合、グリケーション後の終末糖化生成物(AGE)はFFIで、天然蛍光を備えており、その定量測定が行われる(λex=360nm及びλem=460nm)。1週間後のグリケーションの標準値(標準試料)は、血清アルブミンとフルクトースの培養液に関して求められる。グリケーション抑制のポジティブコントロール標準試料は、アミノグアニジン0.03%溶液を添加した培養により求められ、培養試験は異なった濃度のコンブチャを添加して行われる。 結果:各々の蛍光測定値に関し、標準試料に対する増減のパーセンテージが計算される。下表にまとめられた試験結果はn=4回の試験の場合の標準値である。 表1:コンブチャ添加の場合のAGE(FFI化合物)生成の抑制。 試験結果は、アミノグアニジンの優れたグリケーション抑制作用を示しており、これは文献の報告例に合致している[BROWNLEE, 1986]。 コンブチャに関しても、濃度の著しい影響はなく、きわめて高いグリケーション抑制作用が観察され、コンブチャの1及び3%添加によりAGEは、それぞれ-71%及び-79%の減少を見せた。 例7:脂肪細胞の分化促進原理:in vitroで培養された繊維芽細胞3T3 L1には、成分カクテル(ホルモン・メッセンジャー)の作用により、まず前駆脂肪細胞に、次に脂質を多く含んだ脂肪細胞に分化する特性がある。 培養は3段階で行われる。集団形成に到るまでの細胞増殖が行われる第1段階、初期前駆脂肪細胞を得るために分化カクテルが添加された後の第2段階(72時間)、そして脂質生成の活性化を伴う活発な分化が行われる第3段階(約72時間)である。これに伴い、脂質粒の明らかな蓄積が顕微鏡で明確に観察できる。 トリグリセリドの合成に欠かせない酵素G-3-PDH(グリセロール-3-リン酸デヒドロゲナーゼ)は、この脂質蓄積段階できわめて活発に発現される。 試料は、第2段階の始めに、分化カクテルと同時に添加される。 培養期間の終了後、標準前駆脂肪細胞と試料のある状態で培養された前駆脂肪細胞の間でG-3-PDHの活性を比較する。 分化を促進する試料ではG3PDHの活性が高まることが期待される。 試験手順:活発な分化の終了後(72時間)、分化カクテルではなく、異なった濃度のコンブチャを加えた培養液を新たに作る。これにより、前駆脂肪細胞は6日間、コンブチャと接触状態に置かれる。 培養の終了後、細胞は採取、分解され、細胞内含有物に関し酵素活性試験が行われる。 G3PDHの活性は、NADH(λ=340nm)の消滅により測定される。 試験結果:表2に示された結果は、n=4回の実施試験に関する平均値で、酵素活性値は細胞数に換算されている。 表2:培養された脂肪細胞の分化の活性化:異なった濃度のコンブチャにより処理された前駆脂肪細胞のG3PDH活性の増加 コンブチャは濃度に応じてG3PDHの活性を増加させる。 増加はきわめて著しく、コンブチャが3%の濃度で用いられた場合、136%に達する。G3PDH活性の増加は、脂肪細胞の分化に対するコンブチャの活性化作用の表れである。 前駆脂肪細胞に関する形態観察:コンブチャを添加した培養終了時に顕微鏡で観察された細胞形態は、標準細胞よりも大量で、脂質含有物を含んだ分化された脂肪細胞集団を示している。 コンブチャ(kombucha)と、化粧品または皮膚用薬に適する媒質及び/または化粧品に適した賦形剤を含んだ化粧品または皮膚用薬組成物であって、 前記コンブチャが、茶葉及び砂糖からなる茶に細菌及び酵母を含み、該細菌が生成した支持膜に住み着く該酵母が該茶を発酵させた後、この茶を濾過して得られるコンブチャであって、 前記コンブチャと前記媒質及び/または前記賦形剤を組み合わせることにより、液状、乳液状またはクリーム状とされてなることを特徴とする化粧品または皮膚用薬組成物。 前記茶が各種の緑茶、半発酵茶、紅茶、薫製紅茶、黄茶、黒茶、白茶、植物または果実のハーブティーまたは煎じ茶であることを特徴とする請求項1に記載の化粧品または皮膚用薬組成物。 前記茶が紅茶であることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧品または皮膚用薬組成物。 前記コンブチャ(kombucha)が0.01%(p/p)から20%(p/p)の濃度で用いられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の化粧品または皮膚用薬組成物。 前記コンブチャ(kombucha)が、 単体またはプレミックスとして、溶液、分散液、エマルジョン、ペーストまたは粉末の形で用いられる、 単体またはプレミックスの形で、マクロ、マイクロもしくはナノカプセル、リポソームまたはキロミクロン、マクロ、マイクロもしくはナノパーティクルまたはマイクロスポンジなどのベクターにより輸送される、または 粉末状有機ポリマー、タルク、ベントナイトその他の鉱物性媒体に吸着されているコンブチャのいずれかであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の化粧品または皮膚用薬組成物。 前記化粧品または皮膚用薬組成物が、エモリエント・ローション、乳液もしくはクリーム、スキンケアまたはヘアケア用乳液もしくはクリーム、クレンジング・クリーム、ローションもしくは乳液、ファンデーション下地、日焼け止めローション、乳液もしくはクリーム、人工日焼け用ローション、乳液もしくはクリーム、ひげ剃り用クリームもしくはムース、アフターシェーブ・ローション、シャンプー、口紅、マスカラまたはマニキュアであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の化粧品または皮膚用薬組成物。 前記コンブチャ(kombucha)が、単体または適切なプレミックスの形で、エモリエント・ローション、乳液もしくはクリーム、スキンケアもしくはヘアケア用乳液またはクリーム、クレンジング・クリーム、ローションもしくは乳液、ファンデーション下地、日焼け止めローション、乳液もしくはクリーム、人工日焼け用ローション、乳液もしくはクリーム、ひげ剃り用クリームもしくはムース、アフターシェーブ・ローション、シャンプー、口紅、マスカラ又はマニキュアなどの調整剤に適した賦形剤として用いられることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の化粧品または皮膚用薬組成物。 前記化粧品または皮膚用薬組成物が、化粧品に通常利用されている1または複数の成分を含み、 前記成分が、有機溶剤もしくは水溶性のグリコール系溶剤、抽出もしくは合成油脂、イオン性もしくは非イオン性粘稠剤、柔軟化剤、混濁剤、安定化剤、エモリエント剤、シリコーン、α-ヒドロキシ酸、消泡剤、保湿剤、ビタミン、香料、保存剤、隔離剤、着色剤、ゲル化及び増粘化ポリマー、界面活性剤及び乳化剤、その他の水溶性または脂溶性有効成分、植物エキス、組織抽出物、海洋抽出物、紫外線吸収剤、抗酸化剤から選ばれることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の化粧品または皮膚用薬組成物。 皮膚の老化の原因となるコラーゲンを始めとするたんぱく質のグリケーションの予防または抑制及び皮下脂質形成の活性化のために前記コンブチャ(kombucha)を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の化粧品または皮膚用薬組成物。するものである。


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