タイトル: | 特許公報(B2)_高純度メチル−t−ブチルエーテルの製法 |
出願番号: | 2004520398 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 41/42,C07C 1/20,C07C 11/09,C07C 43/04 |
フリッツ オベナウス ヴィルヘルム ドロステ ベルンハルト ショルツ フランツ ニールリッヒ ライナー マルツコルン ウード ペータース ヨーヘン プレフケ リヒャルト フィリピアク ヨアヒム ノイマイスター JP 4376182 特許公報(B2) 20090918 2004520398 20030614 高純度メチル−t−ブチルエーテルの製法 エボニック オクセノ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 398054432 Evonik Oxeno GmbH 矢野 敏雄 100061815 山崎 利臣 100094798 久野 琢也 100099483 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 ラインハルト・アインゼル 230100044 フリッツ オベナウス ヴィルヘルム ドロステ ベルンハルト ショルツ フランツ ニールリッヒ ライナー マルツコルン ウード ペータース ヨーヘン プレフケ リヒャルト フィリピアク ヨアヒム ノイマイスター DE 10231051.3 20020710 20091202 C07C 41/42 20060101AFI20091112BHJP C07C 1/20 20060101ALI20091112BHJP C07C 11/09 20060101ALI20091112BHJP C07C 43/04 20060101ALI20091112BHJP JPC07C41/42C07C1/20C07C11/09C07C43/04 E C07C 1/20、11/09、41/42、43/04 特開平09−104650(JP,A) 特開平05−229965(JP,A) 9 EP2003006300 20030614 WO2004007412 20040122 2005532400 20051027 12 20051222 神野 将志 本発明は、有機合成のためにおよび特別な溶剤として使用するために好適な品質でメチル−t−ブチルエーテル(MTBE)を燃料品質のMTBEから製造する方法に関する。 工業用(technisches)MTBEはオクタン価を上昇させるためにガソリン機関用燃料中に需要の高い成分である。その際、純度に関しては極度に高い要求はない。メタノールおよびt−ブタノールの含量は、それぞれ1質量%まで許されている。更に、工業用MTBEはC4−〜C8−炭化水素を0.5質量%までおよび水を500ppmまで含有していてよい(Produktinformation MTBE, Oxeno GmbH, 3/2001)。 医薬分野および分析においては、溶剤としておよび抽出剤として高純度の溶剤が使用される。有機金属化合物、例えばグリニャール化合物の製造、およびその反応の際にはドナー特性を有する非プロトン溶剤を使用する。このためには、しばしば低分子量のエーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランまたはMTBEを使用する。最初に記載した3種のエーテルは低い発火温度および広い爆発域という欠点を有する。更に、これらは酸素の存在で著しく容易に過酸化物を形成する。過酸化物での事故、時には死に至る事故の例は、関連文献から公知である。多くの使用において最初に挙げたエーテルの代わりにMTBEを使用することができる。MTBEは過酸化物を形成しないという利点を有する。 MTBEをイソブテン含有C4−オレフィン混合物から、例えば水蒸気分解物またはFCC−単位から、C4−カットを獲得する。この混合物は、主にブタジエン、イソブテン、1−ブテンおよび両方の2−ブテン、並びに飽和炭化水素であるイソブタンおよびn−ブタンからなる。そのようなC4−カットのための通常広く実施されている後処理法は次の工程を有する:最初に大部分のブタンジエンを除去する。ブタジエンは十分に市販することができ、または独自の消費があるので、例えば抽出または抽出蒸留により分離される。その他の場合は1〜0.1質量%の濃度まで選択的に線状ブテンに水素化される。両方の場合に、炭化水素混合物が残り(ラフィネートIもしくは水素化クラック−C4)、これは飽和炭化水素(n−ブタンおよびイソブタン)の他に、オレフィン(イソブテン、1−ブテンおよび2−ブテン)を含有する。この炭化水素混合物を多くの場合固定床中に設けられた酸性触媒の存在下に、メタノールと反応させ、この際、イソブテンの大部分から平衡状態によりMTBEが生じる。この反応混合物の更なる後処理は、蒸留カラムまたは反応蒸留カラム中での蒸留により行われる。どちらの場合にも、ボトムスとして工業用MTBE(燃料品質)が得られる。 このようにして得られる工業用MTBEがより高い純度を満たすためには、不純物、主にメタノールおよびブタノールを分離しなければならない。 文献中には、MTBE−流からメタノールを分離する多くの方法が記載されている。幾つかの方法においては、MTBE−合成の反応混合物の蒸留分離の前、または蒸留分離の際にメタノールを除去する。他の方法においては、メタノールを直接工業用MTBEから分離する。 US3726942は、合成の後に蒸留により獲得した粗MTBEからメタノールを水での洗浄により除去するMTBE法を記載している。US3846088は、最初にメタノールを水での抽出により粗−MTBEから除去し、引き続きMTBE中に溶けている水をC5〜C10−パラフィンとの共沸蒸留により分離する方法を開示している。 US4334964およびUS4544776は、MTBE−合成の反応混合物から蒸留による分離の前に、メタノールを水で洗出する方法を記載している。 US4605787は、蒸留により得られた粗−MTBEからメタノールをゼオライトモレキュラーシーブ(0.3nm、0.4nm、0.5nm)に吸着させることにより分離する、MTBE法を開示している。 EP0317918によれば、蒸留によるMTBE−分離の前または分離の際にメタノールをメンブランを用いて除去する。 DE3015882によれば、メタノールを粗−MTBEから抽出蒸留により分離する。その際、抽出剤としては、二価または三価のアルコール、アミノアルコールまたはジメチルホルムアミドの群からの1種または複数種の化合物を使用する。 US4256465により、粗−MTBE中に存在するメタノールの十分な除去を、MTBE/メタノール−共沸混合物の留去による高純度MTBE−流の獲得下に実施している。共沸混合物はMTBE−合成反応器中に返流することができる。 前記の方法は、メタノールおよび場合により水を粗−MTBEから除去するが、他の混和物、例えばC8−オレフィン、t−ブタノール(TBA)または2−メトキシブタン(MSBE)を除去しない、という欠点を有している。このことは、公知蒸留法においては分離を、MTBEをボトムスとして(すなわち低沸点物として)およびメタノールおよびMTBEの共沸混合物もしくはC4−炭化水素とメタノールとの共沸混合物を塔頂留出物として獲得するというように実施することに起因すると思われる。MTBEおよびブテンのオリゴマー生成物(ジ−イソブテン)が許可できない量でMTBE中に残留するために、この分離は非常に純粋なMTBEを製造するためには好適ではない。 従って、工業用MTBE(約99%純度の燃料品質)から高純度メチル−t−ブチルエーテルを製造するための安価な方法を開発するという課題が生じている。 工業用MTBEを蒸留により3つのフラクション、すなわち低沸点フラクション、中間フラクション、高沸点フラクションに分離することにより、所望のMTBE純度を得ることができることが見いだされた。低沸点フラクションはMTBE、メタノール、水並びに僅かな量のC4−およびC5−成分を含有する。中間フラクションは所望の純度のMTBEからなる。高沸点フラクションは、MTBEの他に、t−ブチルアルコール(TBA)、ブテンのオリゴマー化により生じるオレフィン、このオレフィンの誘導体および/またはその他の副生成物を含有する。 従って、本発明の対象は工業用MTBEから分別蒸留により99.7%より高い純度のMTBEを製造する方法であり、その際、工業用MTBEをMTBE、メタノールおよび水を含有する低沸点フラクション、99.7%より高い純度でMTBEを含有する中間フラクションおよびブテンオリゴマーおよびTBAを含有する高沸点フラクションに分離する。 本発明の方法により、99.8%または99.9%より高純度のMTBEを製造することもできる。このパーセンテージに関する記載は常に質量%に関するものである。使用する工業用MTBEは通常燃料添加物として使用され、最高純度99.0%を有する。 分別蒸留は1つの、特に少なくとも2つのカラム中で実施することができる。少なくとも1つの隔壁カラムを使用するのが有利である。 隔壁カラムは、鉛直の壁により2つの部分に分離されているカラムである。これにより2つの蒸留工程を1つの装置中で実施することができ、こうして1つのカラム並びに1つまたは2つの熱交換装置を倹約することができる。 本発明による方法は次の利点を有する: 設備投資および作業費用が比較的低い。生じる低沸点および高沸点フラクションを損失することなく、工業用MTBE(燃料品質)の製造のための装置中に返流することができる。 燃料品質を有するMTBEに対する高純度MTBEの生産量比が僅かである場合、低沸点フラクションも高沸点フラクションも燃料−MTBE−流中に返流することができる。より大きな量比の場合には、低沸点フラクションをMTBE−合成に返流し、高沸点フラクションを燃料成分として使用することができる。 本発明により、高純度MTBEの分離を1つ以上の蒸留カラム中で実施する。幾つかの可能な実施法を図1〜3中に概略的に示す。 図1および2は、カラム中で高純度MTBEの獲得を実施する方法を明らかにしている。これらの両方の方法の差異は、図1による方法は通常の蒸留カラムを使用し、図2による方法は隔壁カラムを使用していることにある。MTBE(工業用MTBE)(1)を蒸留カラム(5)中に導入する。塔頂留出物(2)としてMTBE、メタノールおよび水が留出する。ボトムス(4)としてはMTBE、t−ブチルアルコール(TBA)、2−メトキシブタン(MSBE)および高級オレフィンが生じる。高純度MTBE(3)を側部取出し物として取り出す。 図3による方法においては、燃料品質のMTBE(1)を蒸留カラム(2)中に導入する。メタノールおよび水をMTBEの一部と一緒に塔頂留出物(3)としておよび高沸点混和物を塔底部(4)で分離する。側部取出し物(5)をサイドカラム(6)中で、高純度MTBE(7)およびボトムス(8)に分離し、ボトムス(8)を最初のカラム中に返流する。(その際、サイドカラム(6)の作動法により、側部取出し物(5)は供給部(1)の下方または上方で液状または蒸気状で取り出される)。 本発明方法により、燃料品質の粗−MTBEを高純度MTBEに後処理することができる。使用生成物としては混和物として低沸点物であるメタノールおよび水、並びに高沸点物であるTBA、C4−オレフィンのオリゴマー、これから誘導されたアルコールおよびメチルエーテルおよび2−メトキシブタン(MSBE)を含有していてよいMTBE−混合物が好適である。 本発明方法においてはラフィネートIまたは水素化クラック−C4と、メタノールとの公知法による反応により得られる粗−MTBEを使用するのが有利である。このMTBE(燃料品質)は代表的には、MTBE−含量:98〜99.0質量%、C8−炭化水素含量:0.5質量%未満、TBAの含量:1質量%未満、メタノールの含量:1質量%未満および水含量:0.05質量%未満、並びに2−メトキシブタン(MSBE)の含量:0.5質量%までを有している。 本発明による方法で、2−メトキシブタンの含量が500質量ppm未満、特に100〜300質量ppmである純粋なMTBE(99.7%より高い純度)を獲得することができる。このためには、2−メトキシブタンを0.3質量%未満の量で含有するMTBE−品質を出発物質として使用するのが有利ではあるが、このことは必須のことではない。2−メトキシブタン(MSBE)含量が0.25質量%未満のMTBE(燃料品質)の製造は、例えばDE10102082.1中に記載されている。 他の方法で製造された、例えばTBAおよびメタノールから製造された粗−MTBE−混合物も任意に使用することができる。 本発明方法により、その組成が種々の関連において前記のものに相当しない粗−MTBE−混合物も、高純度MTBEに後処理することができるということが示唆されるであろう。 高純度MTBEの蒸留による獲得は内部構造部材、トレー、回転構造部材、非規則および/または規則パック(Packung)からなる内部構造部材を備える1つ以上のカラム中で実施される。 カラムトレーにおいて次の型を使用することができる:− トレープレート中に孔またはスロットを有するトレー、− バブルキャップ、キャップまたはフードで覆われているネックまたは筒状部を有するトレー、− 可動の弁により覆われている、トレープレート中に孔を有するトレー、− 特別な構造を有するトレー。 回転する内部構造部材を備えるカラム中では、還流は回転するロート状物により噴霧されるかまたは回転体によりフィルムとして加熱した管壁上に広がる。 本発明による方法において使用するカラムは、種々の充填体を有する不規則なバラ積体を有していてよい。これはほとんど全ての材料、スチール、ステンレススチール、銅、炭素、セツ器用陶土、ポーセラン、ガラス、プラスチックなど、および種々の形、球、平坦なまたは異形の表面を有する環、内側スタッドを有するかまたは壁に孔を有する環、金網環、サドル型およびスパイラルであってよい。 規則的な形態を有するパックは、例えば金属板または織物からなる。そのようなパックの例は、Sulzer(Optiflow)、Montz(BSH)およびKuehni(Rombopack)からの金属またはプラスチックからなるSulzer Gewebepackungen BX、金属プレート、構造体パックからなるSulzer Lamellenpackiungen Mellapackである。 本発明による方法は真空、常圧または過圧で実施することができる。有利な圧力範囲は1.5〜10バール、特に2〜6バールである。 実質的にMTBE/メタノール−共沸混合物からなる低沸点フラクションは、蒸留圧においてMTBE/メタノール−共沸混合物の沸点とMTBEの沸点との間にある塔頂部温度で留出する。 実質的にMTBEとTBAとからなる低沸点フラクションは、蒸留圧においてMTBEの沸点とTBAの沸点との間にある温度で取り出される。 本発明の特別な実施形においては、主カラムとサイドカラムとからなる二本カラムシステムで分別蒸留し、その際、低沸点フラクションを主カラムの塔頂留出物として高沸点フラクションを主カラムのボトムスとして獲得し、中間フラクションをサイドカラム中で純度99.7%を有する所望のMTBEに精製する。 99.7%より高い純度のMTBEは、それぞれの実施法によりサイドカラムの塔頂留出物としてまたはボトムスとして得ることができる。所望のMTBEを含有しないそれぞれ他のフラクションは、場合によっては主カラム中に返流することができる。この方法は図3に図示されている。 供給トレーの上方に側部取出し口を配置する場合には、主カラムは有利に20〜100理論分離段数、特に35〜70理論分離段数を有する。原則的に5〜30理論分離段数、特に10〜20理論分離段数が濃縮部(Verstaerkungsteil)に割り当てられ、5〜20理論分離段数、特に5〜15理論分離段数が中間部(Mittelteil)に割り当てられ、10〜50理論分離段数、特に20〜35理論分離段数が蒸留分離部(Abtriebstteil)に割り当てられる。 主カラムは、有利に5〜80の返流比で、特に10〜50kg/kgの返流比で実施される。 サイドカラムは、多くの場合10〜50理論分離段数、特に20〜35理論分離段数を有する。このカラムは1〜20の返流比で、特に2〜10kg/kgの返流比で作動する。 主カラムの側部取出し口が供給トレーの下方部に設けられた場合、主カラムは有利に25〜130理論分離段数、特に50〜90理論分離段数を有する。そのうちの原則的に5〜30理論分離段数、特に10〜20理論分離段数が濃縮部(Verstaerkungsteil)に割り当てられ、10〜50理論分離段数、特に20〜35理論分離段数が中間部(Mittelteil)に割り当てられ、10〜50理論分離段数、特に20〜35理論分離段数が蒸留分離部(Abtriebstteil)に割り当てられる。 この配置においては、主カラムは、有利に30〜600の返流比で、特に60〜300kg/kgの返流比で実施される。 この際、サイドカラムは多くの場合5〜20理論分離段数、特に5〜15理論分離段数を有する。このカラムは有利に蒸発比(Aufdampfverhaeltnis)0.2〜2.5で、特に0.4〜1.5kg/kgの蒸発比で作動する。 分離した低沸点フラクションはMTBEを75%まで含有する。残りは実質的にメタノールである。更に、僅かな量の水並びにC4−およびC5−炭化水素を含有していてよい。この物質流はMTBE−プラントの合成反応器中に供給することができる。粗−MTBE(燃料品質)の少量部分のみをMTBE−プラントから高純度MTBEに後処理する場合に、低沸点フラクションを燃料成分として使用することができる。 低沸点および/または高沸点フラクションを、場合により部分流を放出下に、分別蒸留中に返流することができる。 高沸点フラクションは70%より多く、多くの場合85%を越えるMTBEからなる。更に、これはTBA、2−メトキシブタン、ブテンのオリゴマーおよびその誘導体を含有する。このフラクションを、場合によりその中に含有されるオレフィンを水素添加した後に、同様に燃料成分として使用することができる。 本発明による方法により得られた高純度MTBEは99.7%を越える、有利に99.8%、特に99.9%を越える純度を有する。炭化水素の含量は0.1質量%未満、有利に0.02質量%未満であり、TBAの含量は0.05質量%未満、有利に0.025質量%未満であり、メタノールの含量は0.02質量%未満、有利に0.01質量%未満でありかつ水の含量は200質量ppm未満、有利に100質量ppm未満である。その高い純度により、このMTBEは医薬分野で、分析に、溶剤および抽出剤として使用することができる。これは有機合成、例えば有機金属化合物の製造およびその反応の際の溶剤として特に好適である。2−メトキシブタンの含量が500質量ppm未満であるMTBEは、特に高純度イソブテンの、イソブテンおよびメタノールへの(分解による)、製造のために好適である。 そのような方法は本発明によるMTBE−精製法に続けるのが有利である。こうして、請求項1から10までのいずれか1項記載の99.7質量%より高い純度のMTBEを接触分解することにより高純度イソブテンを製造する方法は同様に本発明の対象である。 次に本発明を実施例につき説明するが、詳細な説明および特許請求の範囲により示される適用範囲を制限するものではない。 例1:粗−MTBE(燃料品質)から低沸点物の分離 低沸点物の蒸留による分離を、直径50mmを有する第1の工業カラム中で連続的に実施した。このカラムはGewebepackung Sulzer BXで充填され、25理論分離段数を有した。 カラム供給流、留出物およびボトムスの組成を第1表中にまとめた。 実質的に水およびメタノール不含のMTBEがボトムスとして分離された。 例2:高純度MTBEの分離 第1のカラムのボトムスから高純度MTBEを蒸留により獲得することは、直径50mmの第2の工業用カラム中で連続的に実施された。このカラムはGewebepackung Sulzer BXで充填され、理論分離段数50を有した。 カラム供給流、留出物およびボトムスの組成を第2表中にまとめた。 MTBEが留出物として99.9%を越える純度で得られる。プロトン性混和物(水、メタノール、t−ブタノール)の僅かな含量のために、このMTBEは特に有機金属合成のための良好な溶剤である。2−メトキシブタンの僅かな含量のために、このMTBEは高純度イソブテンの製造のために特に好適である。通常の蒸留カラムを使用して、高純度MTBEの獲得を実施する方法の概略図。隔壁カラムを使用して、高純度MTBEの獲得を実施する方法の概略図。サイドカラムを使用して、高純度MTBEの獲得を実施する方法の概略図。符号の説明 1 工業用MTBE、 2、3 塔頂留出物、 3、7 高純度MTBE、 4、8 ボトムス、 5 蒸留カラム、側部取出し物、 6 サイドカラム。 工業用MTBEから分別蒸留により99.7質量%より高い純度のMTBEを製造する方法において、工業用MTBEをMTBE、メタノールおよび水を含有する低沸点フラクション、99.7質量%より高い純度でMTBEを含有する中間フラクションおよびTBAおよびブテンオリゴマーを含有する高沸点フラクションに分離し、その際、分別蒸留を1つの主カラムおよび1つのサイドカラムからなる二本カラムシステム中で実施し、その際低沸点フラクションを主カラムの塔頂留出物としておよび高沸点フラクションを主カラムのボトムスとして獲得し、中間フラクションをサイドカラム中で精製して99.7質量%より高い純度のMTBEにすることを特徴とする、高純度のMTBEを製造する方法。 分別蒸留を少なくとも1つの隔壁カラム中で実施する、請求項1記載の方法。 99.7質量%より高い純度のMTBEをサイドカラムの塔頂留出物として獲得する、請求項1又は2記載の方法。 99.7質量%より高い純度のMTBEをサイドカラムのボトムスとして獲得する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。 99.7質量%より高い純度のMTBEを含有しないサイドカラムのフラクションを主カラム中に返流する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。 99.7質量%より高い純度のMTBEが2−メトキシブタンを500質量ppm未満の量で含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。 低沸点フラクションを分別蒸留中に返流する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。 高沸点フラクションを分別蒸留中に返流する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。 MTBEを請求項6記載の方法により製造し、引き続き接触分解することを特徴とする、高純度イソブテンの製法。