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タイトル:特許公報(B2)_活性表面増強ラマン分光(SERS)基板としての金属被覆ナノ結晶性シリコン
出願番号:2004513716
年次:2009
IPC分類:G01N 21/65


特許情報キャッシュ

チャン セレナ バーリン アンドリュー ヤマカワ ミネオ JP 4347801 特許公報(B2) 20090724 2004513716 20030516 活性表面増強ラマン分光(SERS)基板としての金属被覆ナノ結晶性シリコン インテル・コーポレーション 591003943 龍華 明裕 100104156 チャン セレナ バーリン アンドリュー ヤマカワ ミネオ US 10/171,357 20020612 20091021 G01N 21/65 20060101AFI20091001BHJP JPG01N21/65 G01N 21/00-21/01 G01N 21/17-21/74 G01N 33/48-33/98 JSTPlus(JDream2) JMEDPlus(JDream2) JST7580(JDream2) 国際公開第00/031515(WO,A1) 特開2001−183292(JP,A) 特開2002−162346(JP,A) 特開2001−108619(JP,A) 特表2002−530668(JP,A) 国際公開第00/043754(WO,A1) 欧州特許出願公開第00984269(EP,A1) Tuan Vo-Dinh,Surface-enhanced Raman spectroscopy using metallic nanostructures,TRENDS IN ANALYTICAL CHEMISTRY,1998年,Vol.17/No.8-9,Page.557-582 45 US2003015277 20030516 WO2003106943 20031224 2005524857 20050818 20 20041108 横井 亜矢子 本発明の方法および装置300は、ラマン分光による分子の検出およびキャラクタリゼーションの分野に関する。具体的には、本明細書発明の方法および装置300は、表面増強ラマン分光(SERS)、表面増強共鳴ラマン分光(SRRRS)、ハイパーラマンおよび/またはコヒーレント反ストークスラマン分光(CARS)用の基板240、340としての金属被覆多孔質シリコンに関する。 生物試料およびその他の試料由来の1個の分子を感度良く正確に検出および/または同定することは、医療診断学、病理学、毒性学、環境サンプリング、化学分析、科学捜査その他の多数の分野で広く潜在的に求められてきたが達成しにくい目標と考えられてきた。この目標を達成するため、ラマン分光および/または表面プラズモン共鳴を使用することが試みられている。光が実際の媒体を通過する場合、光はある割合でその最初の方向を変えるが、これはラマン散乱と呼ばれる現象である。光の吸収とより高いエネルギー状態へ電子が励起されるため、散乱光の一部は最初の励起光と周波数が異なり、異なった波長で光を放出する。ラマン発光スペクトルの波長は、試料中の光吸収分子の化学組成と構造に特徴的であるが、光散乱強度は試料中の分子の濃度に依存する。 励起光線と試料中の各分子との間で生じるラマン相互作用の確率は極めて低いために感度が低く、ラマン分析の用途は限られる。銀の粗い表面近くの分子は、6から7倍のオーダーも大きい増強ラマン散乱を示すことが観察されている。この表面増強ラマン分光(SERS)効果は、プラズモン共鳴現象と関連しているが、金属中の伝導電子の総体的な結合により金属のナノ粒子が入射電磁波に応答して顕著な光共鳴を示す。要するに、金、銀、銅その他の金属は微小アンテナとして作用し、電磁波の局所効果を増強する事が出来る。この様な粒子の近傍に位置する分子は、ラマン分光分析に対しはるかに高い感度を示す。 SERSを分子の検出と分析に利用する事、具体的には基板の表面を金属ナノ粒子で被覆、または粗い金属フィルムを作成し、試料を金属被覆表面に載せる事が試みられている。しかしながら、平坦な表面に堆積できる金属粒子の数は限られ、SERSおよびこの様な表面を利用するラマン技術の増強因子は比較的低くなる。金属粒子の密度がより高いSERS活性基板の製造法、およびこの様な基板を備える装置が必要である。 以下の図面は本明細書の一部を形成し、本発明の開示された実施形態の特徴の一部をさらに説明するために記載される。本明細書に提示された具体的な実施形態の詳細な説明と組み合わせたこれらの本発明の実施形態のいくつかを参照することにより、本発明の実施形態をより良く理解されると考えられる。 開示された方法および装置300は、表面増強ラマン分光(SERS)、表面増強共鳴ラマン分光(SERRS)および/または反ストロークラマン分光(CARS)検出による被分析試料の検出および/または同定に有用である。既存の技術と比較して、開示された方法と装置300は、金属粒子密度が増加しSERS増強場がより深いSERS活性基板240、340を提供し、より効果的なラマン検出および/または同定分析を可能にする。 様々な分析のSERS検出の従来の方法は、例えば基板および/または支持体上に被覆した凝集銀ナノ粒子等のコロイド状金属粒子を使用してきた(例えば米国特許第5,306,403号;6,149,868号;6,174,677号;6,376,177号)。この様な構成はSERS検出の感度を106〜108倍に増加させることもあるが、本明細書に開示される様なヌクレオチド等の小さな被分析試料等の1個の分子を検出する事は出来ない。ラマン検出の感度増大は明らかにコロイド状粒子凝集物内で均一でなく、“ホットスポット”の存在に依存する。この様な“ホットスポット”の物理的な構造、感度増大を生じるナノ粒子からの距離の範囲、および感度増大が可能な凝集ナノ粒子と被分析試料間の空間的関係は明らかにされていない。さらに、凝集ナノ粒子は溶液中で本質的に不安定であり、単一分子の被分析試料検出の再現性に悪影響を及ぼす。本発明の方法および装置300はSERS検出のための安定なマイクロ環境を提供し、その中でラマン活性金属基板の物理的配座および密度を正確に制御でき、溶液中の被分析試料の再現性があり、感度が高く正確な検出を可能にする。 以下の詳細な説明には、本発明の開示された実施形態をより完全に理解するための様々な具体例が含まれる。しかしながら、本発明の実施形態はこれらの実施例がなくても実行可能であることは、当業者に自明であると思われる。他の実例では、公知の装置、方法、手順および個々の要素を本発明中で詳細に説明しない。 定義 本明細書に使用する単数形の名詞は、一つまたは一つ以上の品目を意味する。 本明細書では、“約”はその値の10パーセント以内を意味する。例えば“約100”は90〜110の値を意味する。 本明細書では、“被分析試料”と言う用語は検出および/または同定の対象としての任意の原子、薬剤、分子、化合物、組成物または凝集物を意味する。被分析試料の非限定例にはアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、糖、炭水化物、オリゴ糖、多糖、脂肪酸、脂質、ホルモン、代謝物、サイトカイン、ケモカイン、受容体、神経伝達物質、抗原、アレルゲン、抗体、基質、代謝物、コファクター、阻害剤、薬物、医薬品、栄養物質、プリオン、トキシン、毒素、爆発性物質、殺虫剤、化学兵器、生物兵器、放射性同位体、ビタミン、複素環式芳香族化合物、発癌性物質、突然変異原、麻酔剤、アンフェタミン、バルビツール酸塩、幻覚発現物質、廃棄物および/または汚染物が含まれる。本発明のある実施形態では、以下に開示する様に少なくとも1個の被分析試料が少なくとも1個のラマン標識物でラベルされる。 本明細書で用いられる“捕獲”分子とは、少なくとも1個の標的被分析試料と結合する任意の分子を意味する。“捕獲”分子の非限定例には抗体、抗体断片、遺伝子組み替え抗体、単一鎖抗体、受容体タンパク質、結合タンパク質、酵素、阻害タンパク質、レシチン、細胞付着タンパク質、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、核酸およびアプタマーが含まれる。 本明細書で用いる“ナノ結晶性シリコン”という用語は、ナノメートルスケール、具体的には1〜100ナノメートルのサイズの範囲のシリコン結晶を含むシリコンを意味する。“多孔質シリコン”110、210はエッチングまたは他の処理により多孔質構造となったシリコンを意味する。 本明細書で用いる“動作可能に結合する”とは、少なくとも2個の装置300および/またはシステムの機能的相互作用を意味する。例えば、コンピュータ160、395が検出器380によりラマン信号に関するデータを取得、処理、記憶および/または伝達し得る場合、ラマン検出器380はコンピュータ160、395と“動作可能に結合”し得る。ナノ結晶性多孔質シリコンナノ結晶性シリコン 本発明のある実施形態は少なくとも1層のナノ結晶性シリコンを有する装置300に関する。様々なナノ結晶性シリコン製造法が公知である(例えばペトロワ−コッホ(Petrova−Koch)ら、“迅速熱酸化多孔質シリコン−優れた燐光性Si(Rapid−thermal−oxidized porous silicon−the superior photoluminescent Si)”、アプライド フィジクス、レターズ(Appl.Phys.Lett.)、61:943、1992;エデルベルグ(Ederberg)ら、“プラズマ増強化学蒸着で製造されたナノ結晶性シリコンフィルムからの可視燐光(Visible luminescence from nanocrystalline silicon films produced by plasma enhanced vapor deposition”、アプライド フィジクス、レターズ(Appl.Phys.Lett.)、68:1415−1417、1996;シェーンフェルド(Schoenfield)ら、“ナノ結晶性シリコンにおけるSi量子ドットの作成(Foematon of Si quantum dots in nanocrystalline silicon)”、修飾された半導体構造に関する第7回国際会議プロシーディングス(Proc.7th Int.Conf.on Modulated Semiconductor Structures)、マドリッド(Madrid)、p605−608、1995;ザオ(Zao)ら、“ナノ結晶性Si:Si量子ドットで製造した材料(Nanocrystalline Si:a material constructed by Si quantum dots)”、低次元構造および装置に関する第1回会議(1st Con.on Low Dimensional Structure and Devices)、シンガポール(Singapore)、p467−471、1995;ルーツェン(Lutzen)ら、“非晶質シリコンのアニーリングで製造した超薄膜ナノ結晶性シリコンフィルムの構造的特徴(Structural characteristics of ultrathin mamocrystalline silicon films formed by annealing amorphous silicon)”、ジャーナル オフ バキューム サイエンス テクノロジー(J.Vac.Sci.Technology)、B16:282−05、1998;米国特許第5,770,022号;第5,994,164号;第6,268,041号;第6,294,442号;第6,300,193号)。本明細書に開示される方法と装置300はナノ結晶性シリコンの製造法に限られず、任意の方法も使用し得ると理解される。 ナノ結晶性シリコンの非限定的製造法の例にはシリコンリッチな酸化物中へのシリコン(Si)注入およびアニーリング;金属核形成触媒による固相結晶化;化学蒸着;PECVD(プラズマ増強化学蒸着法);ガス気化;気相熱分解;気相光熱分解;電気化学エッチング;シランおよびポリシランのプラズマ蒸着;高圧液相酸化還元反応;非晶質シリコン層の迅速アニーリング;LPCVD(低圧気相蒸着)による非晶質シリコン層の蒸着後のRTA(迅速化学アニーリング)サイクル;シリコン陽極を用いるプラズマ電気アークとシリコンの焼結(米国特許第5,770,022号;第5,994,164号;第6,268,041号;第6,294,442号;第6,300,193号)が含まれる。プロセスによっては、サイズが1〜100nm以上のいずれかのSi結晶をチップ上の薄層、独立層および/または凝集結晶として形成する。本発明のある実施形態では、基板層110、210に付着したナノ結晶性シリコンを含む薄層を使用し得る。 本発明の様々な実施形態において、ナノ結晶性シリコンを開示された方法および装置300で使用し得ることが予想される。しかしながら、実施形態は出発原料の組成に限定されず、本発明の他の実施形態では他の原料も使用し得ることが予想され、唯一の要請はその材料が、図2に示される様なラマン感受性金属で被覆し得る多孔質基板110、210を形成し得るものでなければならないことである。 本発明のある実施形態では、シリコン結晶および/または多孔質シリコンにおける細孔サイズをある限界内で、例えば金属被覆多孔質シリコン240、340のプラズモン共鳴周波数を最適化する様に選ばなければならない(例えば米国特許第6,334,272号参照)。プラズモン共鳴周波数は多孔質シリコン240、340を被覆する金属層の厚さでも調整し得る(米国特許第6,344,272号)。ナノスケールシリコン結晶のサイズを制御する技術は公知である(例えば米国特許第5,944,164号および第6,294,442号)。 多孔質シリコン 本発明のある実施形態は、ラマン活性金属被覆基板240、340を使用する装置300および方法に関する。様々な実施形態で、基板はナノ結晶性多孔質シリコン110、210を含む。上記の議論の如く、基板110、210は純シリコンに限定されず、窒化シリコン、ゲルマニウムおよび/またはチップ製造業者に公知の他の物質も包含し得る。金属核化触媒および/またはドーパント等の他の微量物質も存在し得る。唯一の要請は、基板物質が図2に例示する様にラマン感受性金属で被覆し得る多孔質基板110、210を形成し得るものでなければならないことである。多孔質シリコンは783m2/cm3もの大きな表面積を有し、表面増強ラマン分光技術のための極めて大きい表面を提供する。 多孔質シリコン110、210は1950年代の末に、希弗化水素酸水溶液中でのシリコンの電解研磨で発見された。公知の様に、多孔質シリコン110、210は、電気化学セル120中での希弗化水素酸(HF)150中でのシリコン基板110、210のエッチングによって製造し得る。場合によっては、低電流密度でシリコンを最初にHF150でエッチングしてもよい。最初の細孔形成後、シリコンを電気化学セル120から取り出し、電気化学セル120中で形成した細孔を広げるため、非常に希薄なHF150中でエッチングする。シリコンがドープされているかどうか、ドーパントのタイプおよびドーピングの程度に依存して、シリコン基板110、210の組成も細孔サイズに影響する。シリコン細孔サイズに対するドーピングの効果は公知である。大きな生物分子の検出および/または同定を含む本発明の実施形態では、約2nm〜100または200nmの細孔サイズが選ばれる。多孔質シリコン中の細孔の配向も、本発明の具体的な実施形態では選ばれる。例えば、エッチングした(1、0、0)結晶構造は結晶に垂直に配向した細孔を有するが、(1、1、1)または(1、1、0)結晶構造は結晶軸と対角線に配向した細孔を有する。細孔配向に対する結晶構造の効果は公知である。結晶組成と多孔質も、ラマン信号を増大しバックグラウンドの雑音を低減するために多孔質シリコンの光学的性質を変える様に制御し得る。多孔質シリコンの光学的性質は公知である(例えばクリス(Culliss)ら、ジャーナル オフ アプライド フィジクス(J.Appl.Phys.)、82:909−965;コリンズ(Collims)ら、フィジクス トゥデイ(Physics Today)、50:24−31、1977)。 多孔質シリコン基板製造用の方法および装置100の非限定例を図1に示す。シリコンウェーハ110が、不活性材料、例えばテフロン(登録商標)を備える電気化学セル120の内部に置かれる。ウェーハ110を定電流電源130の陽極と接続し、電気化学セルの陰極110とする。定電流電源130の陰極は白金陰極140等の陰極に接続される。電気化学セル120にHFの希エタノール溶液150を満たす。または、HFをペンタンまたはヘキサン等の公知のアルコールおよび/または界面活性剤に溶解してもよい。本発明のある実施形態では、コンピュータ160、395を定電通電源130に動作可能に結合し、電流、電圧および/または電気化学エッチング時間を制御する。電気化学セル120中でHF電解質150にさらされたシリコンウェーハ110はエッチングされて多孔質シリコン基板110、120を生成する。公知の様に、多孔質シリコン層210の厚さとシリコン210の多孔質度を陽極酸化の時間および/または電流密度、および電解質溶液中のHF150の濃度を調節して制御し得る(例えば米国特許第6,358,815号)。 本発明の様々な実施形態において、シリコンウェーハ110の一部をポリメチルメタクリレート等の公知のレジスト化合物で被覆してHF150によるエッチングから保護し得る。シリコンウェーハ110の選ばれた部分をHF150にさらするための、フォトリソグラフィー等のリソグラフ法は公知である。ラマン分光で用いられる多孔質Siチャンバーのサイズと形を制御するために、選択的エッチングは有用である。本発明のある実施形態では、直径約1μm(マイクロメートル)の多孔質シリコンチャンバーが用いられる。本発明の他の実施形態では、幅約1μmの多孔質シリコン溝またはチャネルが用いられる。多孔質シリコンチャンバーのサイズに制限はなく、任意のサイズまたは形の多孔質シリコンチャンバーを使用し得ると考えられる。例えば、1μmサイズのチャンバーをサイズが1μmである励起レーザーで使用し得る。 上記の方法の例は多孔質シリコン基板110、210の製造を制限するものではなく、公知の任意の方法を使用し得ると考えられる。多孔質シリコン基板110、210の非限定製造法の例にはシリコンウェーハ110の陽極エッチング、電気めっき、およびシリコン/酸素含有材料の蒸着後の制御アニーリングが含まれる(例えばカンハム(Canham)、“ウェーハの電気化学および化学溶解によるシリコン量子ワイヤアレイ製造(Silicon quantum wire array fabrication by electrochemical and chemical dissolution of wafers)”、Appl.Phys.Lett.、57:1046、1990;米国特許第5,561,304号;第6,153,489号;第6,171,945号;第6,322,895号;第6,358,613号;第6,358,815号;第6,359,276号)。本発明の様々な実施形態において、多孔質シリコン層210をバルクシリコン、石英、ガラスおよび/またはプラスチック等の少なくとも1つの支持層に付着し得る。ある実施形態では、窒化シリコン等のエッチング停止層をエッチングの深さを制御するために使用し得る。多孔質シリコン層を、チップ製造の公知の方法を用いて半導体チップ中に含ませる事も出来る。本発明のある実施形態では、金属被覆多孔質シリコン240、340チャンバーを組み込みチップの一部として設計し、様々なチャネル、マイクロチャネル、ナノチャネル、マイクロ流動チャネル、反応チャンバー等に接続し得る。また別な実施形態では、金属被覆多孔質シリコン基板240、340チャンバーをシリコンウェーハから切り出し、チップおよび/または他の装置に組み込む事が出来る。 また別な実施形態では、被覆前後に多孔質シリコン基板110、210の更なる変更が行えると考えられる。例えば、多孔質シリコン基板110、210をエッチング後、多孔質シリコン基板を公知の方法を用いて酸化シリコンおよび/または二酸化シリコンに酸化し得る。例えば酸化を多孔質シリコン基板110、210の機械的強度と安定性を増加させるために使用し得る。または、金属被覆シリコン基板240、340は、金属外皮を残したままシリコンを除去すべく更にエッチングされてよく、この金属外皮は中空のまま残されるか、若しくは追加のラマン活性金属などの他の材料で満たされてもよい。 多孔質シリコンの金属被覆 多孔質シリコン基板110、210を金、銀、白金、銅またはアルミニウム等のラマン活性金属で、公知の任意の方法で被覆し得る。この方法の非限定例には電気めっき、陰極電気移動、金属の蒸発とスパッタリング、メッキを触媒する種結晶の使用(即ち、金めっきのための銅/ニッケル種結晶の使用)、イオン注入、拡散、またはシリコン基板110、210、240、340上に金属薄膜をメッキするための任意の他の方法(例えばロペス(Lopez)およびフォーチェット(Fauchet)、“多孔質シリコン1次元フォトンバンドギャップ構造からのエルビウム放射(Erbium emission from porous silicon one dimensional photonic band gap structure)”、アプライド フィジクス レターズ(Appl.Phys.Lett.)、77:3740−6、2000;米国特許第5,561,304号;第6,171,945号;第6,359,276号参照)がある。金属被覆のその他の非限定例には無電解めっきがある(ゴール(Gole)ら、“直接電気接触のための無電解溶液から多孔質シリコンのパターン金属化(Patterned metallization of porous silicon from electroless solution for direct electrical contact)”、ジャーナル オフ エレクトロケミカル ソサイエティ(J.Electrochem.Soc.)、147:3785、2000)。金属層の組成および/または厚さを、金属被覆多孔質シリコン240、340のプラズモン共鳴周波数を最適化する様に制御する事が出来る。 本発明の別な実施形態では、被分析試料検出に用いられるラマン活性基板240、340は金属被覆ナノ結晶性多孔質シリコン基板240、340の異なったタイプの基板上に被覆された銀または金ナノ粒子等の固定化金属コロイド、および/または金属被覆ナノ結晶性多孔質シリコン基板240、340上に被覆された固定化金属コロイドを備える。後者の組成ではラマン活性金属の密度が極めて高いと思われ、溶液中の被分析試料が基板中に入るチャネルは相対的に小さい。このことは大きなタンパク質または核酸等の大きな被分析試料にとって不都合であるが、1個のヌクレオチドまたはアミノ酸等の小さな被分析試料の感度と検出が向上すると考えられる。 ナノ粒子 本発明のある実施形態では、金または銀ナノ粒子等のラマン活性金属粒子を、ラマン信号をさらに増強するため金属被覆多孔質シリコン基板240、340に添加する事が出来る。本発明の様々な実施形態では、直径1nm〜2μmのナノ粒子を使用し得る。本発明のまた別な実施形態では、直径2nm〜1μm、5nm〜500nm、10nm〜200nm、20nm〜100nm、30nm〜80nm、40nm〜70nm、または50nm〜60nmのナノ粒子が検討される。本発明のある実施形態では、平均直径10〜50nm、50〜100nmまたは約100nmのナノ粒子が考慮される。ナノ粒子のサイズは金属被覆多孔質シリコン240、340中の細孔の直径に依存し、ナノ粒子が最高の内部にはまり込む様に選ばれる。ナノ粒子の形はほぼ球形であるが、任意の形または不規則な形のナノ粒子を使用してもよい。ナノ粒子の製造法は公知である(例えば米国特許第6,054,495号;第6,127,120号;第6,149,868号;リー(Lee)およびマイセル(Meisel)、ジャーナル オフ フィジカル ケミストリー(J.Phys.Chem.)、86:3391−3395、1982)。ナノ粒子はまた、ナノプリズムの形でも製造し得る(ジン(Jin)ら、“銀ナノスフェアのナノプリズムへの光誘発転換(Photoinduced conversion of silver nanospheres to nanoprism)”、サイエンス(Science)、294:1901、2001)。市販品からナノ粒子を入手する事も出来る(例えばナノプローブ社(Nanoprobes、Inc.、)、ヤファンク(Yaphank)、NY;ポリサイエンス社(Polyscience、INC.)、ワーリントン(Warrington、PA)。 本発明のある実施形態では、ナノ粒子はナノ粒子の不規則な凝集体である(コロイド状ナノ粒子)。本発明の他の実施形態では、ナノ粒子を架橋して二量体、三量体、四量体その他の凝集体等のナノ粒子の粒子状凝集体を製造し得る。本発明の別な実施形態では、サイズの異なる凝集体の不均一混合物を使用し得るが、また別な実施形態ではナノ粒子凝集体の均一な集合を使用し得る。本発明のある実施形態では、蔗糖勾配溶液中の超遠心等の公知の技術により特定の数のナノ粒子を含む凝集体(二量体、三量体等)の割合を増加させるか、そのような凝集体が精製される。 ナノ粒子を架橋する方法は公知である(例えばフェルドハイム(Feldheim)、“分子架橋を用いる金属ナノ粒子アレーの集合体(Assembly of Metal Particle Array using molecular bridges)”、電気化学協会インターフェース(The Electrochemical Society Interface)、フォール(Fall)、2001、p22−25参照)。末端チオールまたはスルフヒドリル基を有するリンカー化合物と金ナノ粒子殿反応は公知である(フェルドハイム(Feldheim)、2001)。本発明のある実施形態では、1個のリンカー化合物が両端のチオール基で誘導体化される。金ナノ粒子と反応すると、リンカーはリンカーの長さで隔てられたナノ粒子二量体を形成する。本発明の他の実施形態では、3個、4個またはそれ以上のチオール基を有するリンカーを複数のナノ粒子に同時に付着させるために使用される(フェルドハイム(Feldheim)、2001)。リンカー化合物に対し過剰のナノ粒子を使用すると、重複架橋を形成しナノ粒子が沈殿することを防止できる。銀ナノ粒子の凝集体を公知の標準合成法で生成し得る。 本発明の具体的な実施形態では、金または銀ナノ粒子をアミノシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトシキシラン(GOP)またはアミノプロピルトリメトシキシラン(APTS)等のシラン誘導体で被覆し得る。シラン末端の反応性基をナノ粒子の架橋凝集体を生成するために使用する。リンカー化合物は殆ど任意の長さであると考えられ、その長さは0.05、0.1、0.2、0.5、0.75、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、27、30、35、40、45、50、55、60、65、70、90、90〜100nmまたはそれ以上の範囲である。本発明のある実施形態では長さが不均一なリンカーを使用し得る。 本発明の他の実施形態では、ナノ粒子をリンカー化合物と結合する前に様々な反応基を含む様に修飾し得る。ナノプローブ社(Nanoprobes、Inc.、ヤファンク(Yaphank)、NY)製のナノゴールド(登録商標)ナノ粒子等の修飾ナノ粒子は市販されている。ナノゴールド(登録商標)ナノ粒子はナノ粒子1個当たり1個または複数のマレイミド、アミンまたは他の基が結合したナノゴールド(登録商標)ナノ粒子が入手可能である。ナノゴールド(登録商標)ナノ粒子はまた、正または負に荷電した形で入手でき、電磁場中でナノ粒子を取り扱いやすくなる。この様な修飾ナノ粒子を様々な公知のリンカー化合物と結合させ、二量体、三量体その他のナノ粒子凝集体を調整し得る。 溶液中で沈殿しないナノ粒子の小さな凝集体を形成し得るかぎり、リンカー化合物のタイプは制限されない。本発明のある実施形態では、リンカー基はフェニルアセチレンポリマーを有する(フェルドハイム(Feldheim)、2001)。また、リンカー基はポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンその他の公知のポリマーでもよい。使用するリンカー化合物はポリマーに限られず、シラン、アルケン、シラン誘導体またはアルカン誘導体等の他のタイプの分子を含み得る。本発明の具体的な実施形態では、アルカンまたはシラン等の比較的簡単な化学構造のリンカー化合物が、被分析試料から放射されるラマン信号と干渉することを避けるために使用される。 マイクロ電気機械システム(MEMS) 本発明のある実施形態では、ラマン活性金属被覆多孔質シリコン基板230、340を大きな装置300および/またはシステムに組み込む事が出来る。ある実施形態では、基板230、340をマイクロ電気機械(MEMS)に組み込む事が出来る。MEMSは機械要素、センサー、アクチュエータおよび電子回路を備える複合システムである。これらの部品は全て、シリコン系または等価の基板でなる共通のチップ上に、公知のマイクロ加工技術により製造し得る(例えばボルドマン(Voldman)ら、アニューアル レビュー オフ バイオメディカル エンジニアリング(Ann.Rev.Biomed.Eng.)、1:401−425、1999)。MEMSのセンサー部品は機械的、熱的、生物学的、化学的、光学的および/または電磁現象を測定するために使用し得る。電子回路はセンサーからの情報を処理し、ポンプ、バルブ、ヒーター、クーラー、フィルター等のアクチュエータ部品を制御し、MEMSの機能を制御し得る。 MEMSの電子部品を集積回路(IC)プロセス(例えばCMOS、バイポーラーまたはBICMOSプロセス)を用いて製造する事が出来る。電子部品をコンピューターチップ製造業者に公知のフォトリゾグラフィーおよび/またはエッチング法を用いてパターン化する事が出来る。電気機械部品を、シリコンウェーハの一部を取り除くか、新しい構造層を付け加えて機械的および/または電気機械的部品を生成する互換性のある“マイクロ加工”プロセスを用いて製造し得る。 MEMS製造の基本技術には材料の薄膜の蒸着、フォトリゾグラフィーイメージングまたは他の公知のリゾグラフィー法によるフィルム上へのパターンマスク作成、およびフィルムの選択的エッチングが含まれる。薄膜は数ナノメートルから100マイクロメートルの範囲の厚さである。使用する蒸着技術には化学蒸着(CVD)、電気蒸着、エピタキシーおよび熱酸化等の化学処理法、および物理蒸着(PVD)およびキャスティング等の物理的処理法がある。ナノ電気機械システムの製造法は本発明のある実施形態で使用し得る(例えばクレイグヘッド(Craighead)、サイエンス(Science)、290:1532−36、2000参照)。 本発明のある実施形態では、金属被覆多孔質シリコン基板240、340をマイクロ流動チャネル、ナノチャネルおよび/またはマイクロチャネル等の様々な液体で満たされたコンパートメントに接続する。装置300のこれらの部品を例えば半導体チップおよび/またはマイクロキャピラリーまたはマイクロ流動チップ等の形の単一ユニットに形成し得る。または、金属被覆多孔質シリコン基板240、340をシリコンウェーハから取り外し、装置300の他の部品に取り付けてもよい。シリコン、二酸化シリコン、窒化シリコン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、プラスチック、ガラス、石英等の、この様なチップで用いる公知の任意の材料を開示された装置300に使用し得る。 チップのバッチ式製造技術はコンピューターチップ製造業者および/またはマイクロキャピラリーチップ製造業者の分野で公知である。この様なチップはフォトリゾグラフィーおよびエッチング、レーザー切削、射出成形、キャスティング、分子ビームエピタキシー、デイップペンナノリゾグラフィー、化学蒸着(CVD)、電子ビームまたは焦点イオンビーム技術または印刷技術等の公知の方法で製造し得る。非限定例にはプラスチックまたはガラス等の流動性で工学的に透明な材料による通常の成形体;二酸化シリコンのフォトリゾグラフィーおよび乾式エッチング;ポリメチルメタクリレートレジストを用いるエレクトロンビームリソグラフィーによる二酸化シリコン基板上のアルミニウムマスク形成および反応性イオンエッチングが含まれる。ナノ電気化学システムの製造法は本発明のある実施形態で使用される(例えばクレイグヘッド(Craighead)、サイエンス(Science)、290:1531−36、2000参照)。マイクロ加工チップの様々な形は、例えばカリパーテクノロジース社(Caliper Technologies Inc.、マウンテン ビュー(Mountain View、CA)およびACLARAバイオサイエンス社(Mountain View、CA)から市販されている。 本発明のある実施形態では、装置300の一部または全部をガラス、シリコン、石英またはその他任意の工学的に透明な材料等で、ラマン分光に用いられる励起および放射周波数で電磁波に透明である様に選ぶ事が出来る。タンパク質、ペプチド、核酸、ヌクレオチド等の様々な生物分子にさらされる液体を満たしたコンパートメントでは、例えば表面を疎水性から親水性表面に変える、および/または分子の表面への吸着を減少させるため、この様な分子にさらされる表面を被覆して修飾する事が出来る。ガラス、シリコン、石英および/またはPDMS等の通常のチップ材料の表面修飾は公知である(例えば米国特許第6,263,286号)。この様な修飾には市販のキャピラリー被覆剤(スペルコ(Sperco)、ベラフォンテ(Bellafonte)、PA)、ポリエチレンオキサイドまたはアクリルアミド等の様々な官能基を有するシランによる被覆、またはその他公知の任意の被覆が含まれる。 ラマン分光 ラマン検出器 本発明のある実施形態では、ラマン分光の任意の公知の方法で被分析試料を検出および/または同定する事が出来る。この様な実施形態において、ラマン活性基板240、340を少なことも1個のラマン検出ユニットと動作可能に結合させる事が出来る。ラマン分光による被分析試料の検出の様々な方法は公知である(例えば米国特許第6,002,471号;第6,040,191号;第6,149,868号;第6,173,677号;第6,313,914号参照)。表面増強ラマン分光(SERS)、表面増強共鳴ラマン分光(SERRS)、ハイパーラマン分光およびコヒーレント反ストークスラマン分光(CARS)の変法が開示されている。SERSおよびSERRSでは、ラマン検出の感度は銀、金、白金、銅またはアルミニウム表面等の粗い金属表面に吸着された分子で106倍以上に増加する。 ラマン検出ユニット360の非限定例は米国特許第6、002、471号に開示されている。励起光線390は波長532nmの周波数重複Nd:YAGレーザー370または波長365nmの周波数重複Ti:サファイアレーザーで発生する。パルスレーザー光線390が使用されても良いし、連続レーザー光線390が使用されても良い。励起光線390は共焦点光学系と顕微鏡対物レンズを通過し、少なくとも1個の被分析試料を含むラマン活性基板240、340上に焦点を結ぶ。被分析試料からのラマン発光は顕微鏡対物レンズと共焦点光学系で集められ、スペクトル分解のためのモノクロメーターと組み合わされる。共焦点光学系には二色性繊維、バリアフィルター、共焦点ピンホール、レンズおよび鏡の組み合わせが含まれ、バックグラウンド信号を低減する。標準的な全視野光学系が、共焦点光学系として同様に使用する事が出来る。ラマン発光信号は信号を計数しデジタル化するためのコンピュータ160、395で仲介されるアバランシェ(なだれ)フォトダイオードでなるラマン検出器380で検出される。 ラマン検出ユニット360の他の例は米国特許第5,306,403号に開示され、その一つはガリウム砒素光電子倍増管を装備した、単一フォトン係数モードで作動するモデル1403仕様二重格子分光光度計(RCAモデルC31034またはバールインダストリーズ(Burle Industries)モデルC3103404)である。励起光源は514.5nmのアルゴンイオンレーザー370(スペクトラルフィジクス(Spectral Physics)社製モデル166)、または641.7nmのクリプトンイオンレーザー370(イノバ(Innova)70、コヒーレント)である。 その他の励起光源には337nmの窒素レーザー370(レーザーサイエンス社(Laser Science Inc.)、325nmのヘリウム−カドミウムレーザー370(リンコノックス(Linconox);米国特許第6,174,677号)、発光ダイオード、ND:YLFレーザー370、および/または様々なイオンレーザー370、および/または染料レーザー370が含まれる。励起光線390はバンドパスフィルター(コリオン(Corion))でスペクトル的に純化され、6X対物レンズ(ニューポート(Newport)、モデルL6X)を用いてラマン活性基板240、3402上に焦点を結ぶ。対物レンズはホログラフビームスプリッター(カイザーオプティカルシステムズ社(Kaiser Optical Systems Inc.)、モデルHB647−26N18)を用い、励起光線390と発光ラマン信号を直角の位置関係にすることにより、被分析試料の励起と、ラマン信号の収集という2つの目的で使用される。ホログラフィックノッチフィルター(カイザーオプティカルシステムズ社)をレイリー散乱光を減少させるために使用できる。その他のラマン検出器380には赤色増強増幅電荷対装置(RE−ICCD)検出システム(プリンストンインスツルーメント社(Princeton Instrument、Inc.))を装備したISA HR−230分光光度計がある。フーリエ変換分光光度計(ミカエルソン(Michaelson)干渉計に基づく)、電荷注入装置、フォトダイオードアレー、INGaAS検出器、電子倍増CCD、増幅CCDおよび/またはフォトトランジスターアレー等のその他のタイプの検出器380も使用し得る。 任意の適当な形式または形態のラマン分光または公知の関連する技術を被分析試料の検出に使用でき、それらには通常のラマン散乱、共鳴ラマン散乱、表面増強ラマン散乱、表面増強共鳴ラマン散乱、コヒーレント反ストークスラマン分光(CARS)、誘導ラマン散乱、逆ラマン分光、誘導利得ラマン散乱、ハイパーラマン散乱、分子光学レーザー試験装置(MOLE)、またはラマンマイクロプローブ、ラマン顕微鏡、共焦点ラマン顕微鏡分光、三次元または走査ラマン、ラマン飽和分光、時間分解共鳴ラマン、ラマンデカップリング分光またはUV−ラマン顕微鏡が含まれるが、これらに限定されない。 ラマン標識 本発明のある実施形態には、少なくとも1個の被分析試料に標識を付着させ、ラマン検出ユニット360による測定を助長する方法が含まれる。ラマン分光に使用し得る標識の非限定例にはTRIT(テトラメチルローダミンイソチオール)、NBD(7−ニトロベンズ−オキサ−1、3−ジアゾール)、テキサスレッド染料、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、クレジルファストバイオレット、クレジルブルーバイオレット、ブリリアンクレジルブルー、パラアミノ安息香酸、エリスロシン、ビオチン、ジオキシゲニン、5−カルボキシ−4’、5’−ジクロロ−2’、7’−ジメトキシフルオレッセイン、5−カルボキシ−2’、4’、5’、7’−テトラクロロフルオレッセイン、5−カルボキシフルオレッセイン、5−カルボキシローダミン、6−カルボキシローダミン、6−カルボキシメチルアミノフタロシアニン、アゾメチン、シアニン、キサンチン、スクシニルフルオレッセイン、アミノアクリジン、カンタムドット、カーボンナノチューブおよびフレーレンが含まれる。これらの、またはそれ以外のラマン標識は市販されている(例えばモレキュラープローブ社(Molecular Probe Inc.、オイゲン(Eugen)、OR);シグマアルドリッチケミカル社(Sigma Aldrich Chemical Co.、セントルイス(St.Louice)、MO)および/または公知の方法で合成できる。 公知の如く、多環式芳香族化合物がラマン標識として機能し得る。本発明の具体的実施形態で使用し得るその他の標識にはサイアナイド、チオール、塩素、臭素、メチル、燐および硫黄がある。ラマン分光における標識の使用は公知である(例えば米国特許第5,306,403号および第6,174,677号)。当業者は、使用したラマン標識が識別可能なラマンスペクトルを生成し、異なったタイプの被分析試料と特異的に結合または関連していなければならないことを認識するであろう。 標識は被分析試料に直接結合するか、または様々なリンカー化合物を経由して結合し得る。解除された方法で有用な架橋剤およびリンカー化合物は公知である。被分析試料等の他の分子と共有結合反応する様に設計された反応性基を含むラマン標識は市販されている(例えばモレキュラープローブ社(Molecular Probe、オイゲン(Eugen)、OR)。標識被分析試料の調製法は公知である(米国特許第4,962,037号;第5,405,747号;第6,136,543号;第6,210,869号)。 コンピュータ 本発明のある実施形態では、装置100、300はコンピュータ160、395を包含し得る。実施形態はコンピュータ160、395のタイプに限定されない。コンピュータ160、395の例には情報を伝達するバス、および情報を処理する演算装置が含まれる。ある実施形態では、演算装置はインテル社(Intel Corp.、サンタクララ(Santa Clara)、CA)が市販するペンティアム(Pentium(登録商標))IIファミリー、ペンティアムIIIファミリーおよびペンティアムIVファミリーを含むペンティアムファミリーの演算装置から選ばれるが、それに限定されない。本発明の別な実施形態では、演算装置はセレロン(Celeron(登録商標))、イタニウム(Itanium(登録商標))、ペンティアムジオン(Pentium Xeon(登録商標))演算装置(インテル社(Intel Corp.)、サンタクララ(Santa Clara)、CA)である。本発明の様々な他の実施形態では、演算装置はインテルIA−32またはインテルIA−64等のインテル基本設計に基づくものである。または、他の演算装置も使用し得る。 コンピュータ160、395はさらにランダムアクセスメモリー(RAM)その他のダイナミック記憶装置、読み取り専用メモリー(ROM)その他の静的記憶装置、および磁気ディスクまたは光学ディスク等のデータ記憶装置および関連するドライブを有する。コンピュータ160、395はまた表示装置(例えばインキュベート曲線または液晶表示装置)、英数字入力装置(例えばキーボード)、カーソル制御装置(例えばマウス、トラックボールまたはカーソル方向キー)、および通信装置(例えばモデム、ネットワークインターフェース、またはイーサネット、トークンリングその他のネットワークに接続するインターフェース装置)を有する。 本発明の具体的な実施形態では、ラマン検出ユニット360はコンピュータ160、395と連結して作動し得る。検出ユニット360からのデータは演算装置と主記憶装置に記憶されたデータで処理されて良い。標準被分析試料の発光プロフィルに関するデータも主記憶装置またはROMに記憶されて良い。演算装置はラマン活性基板240、340中の被分析試料からの発光スペクトルを比較し、試料中の被分析試料のタイプを同定する。演算装置は検出ユニット360からのデータを解析し、様々な被分析試料の同一性および/または濃度を決定する。ある種の作業では別個に装備されたコンピュータ160、395を使用することが好ましい。従って、システムの形態は本発明の異なった実施形態では変化し得る。 本明細書に記載のプロセスはプログラムされた演算装置の制御で実行されるが、本発明の別な実施形態ではプロセス全体または一部を例えばフィールドプログラマブルゲートアレー(FPGA)、TTLロジックまたは特定用途向け集積回路(ASIC)等の任意のプログラム可能またはハードコードロジックで実行し得る。さらに、開示された方法はプログラムされた汎用コンピュータ160、395部品および/または顧客仕様ハードウエア部品の任意の組み合わせで実行し得る。 データ収集操作後、典型例ではデータをデータ解析操作に送る。解析操作を容易にするため、検出ユニット360で得たデータを典型例ではデジタルコンピューター160、395を用いて上記の様に解析する。具体的には、コンピュータ160、395は検出ユニット360からのデータを受け取り記憶すると同時に、収集したデータを解析し報告するために適当にプログラムされる。 本発明のある実施形態では、専用のソフトウエアパッケージを検出ユニット360からのデータを得るために使用し得る。本発明のまた別な実施形態では、コンピュータ160、395と公開されたソフトウエアパッケージを用いてデータ解析を行う事も出来る。 ラマン活性基板の作成多孔質ナノ結晶性シリコンの作成 ナノ結晶性多孔質シリコン基板110、210作成用の方法と装置100の例を図1に示す。ナノ結晶性多孔質シリコンの製造法は公知である(例えば米国特許第6,017,773号)。ペトロワ−コッホら(Appl.Phys.Lett.、61:943、1992)が開示した様に、ナノ結晶性多孔質シリコン層を電気化学的に生成する事が出来る。具体的な実施例では、エッチングに先立ってシリコンを高濃度または低濃度でp−ドープまたはn−ドープし、多孔質シリコン基板110、210の特性を制御する。単結晶シリコンインゴットを公知のチョクラルスキー(Czochralski)法で作成する(例えばhttp://www.msil.ab.psiweb.com/english/msilhist−e.html)。単結晶シリコンウェーハに希薄HF/エタノール150中で陽極エッチング処理を施し、ナノ結晶性多孔質シリコン基板110、210を作成する。または、陽極エッチングを行わず、ウェーハ150をHFおよび硝酸溶液中で化学エッチングする。 エッチング前にウェーハをポリメチルメタクリレートレジストまたは公知の任意のレジスト化合物で被覆する。ナノ結晶性多孔質シリコン基板110、210のパターンを標準のフォトリゾグラフィー技術で作成する。本発明の異なった実施形態では、ナノ結晶性多孔質シリコン基板110、210は円形、溝、チャネルまたはその他任意に選ばれた形である。ある実施形態では、1枚のシリコンウェーハ上に複数の多孔質基板を作成し、ラマン分析用の複数のサンプリングチャネルおよび/またはチャンバーとする事が出来る。各サンプリングチャネルおよび/またはチャンバーは少なくとも1台のラマン検出器380に連結して作動する。 レジスト被覆とリゾグラフィー後、図1に示す様にテフロン(登録商標)の電気化学セル120中でエタノールおよび/または蒸留水の約15〜50重量パーセントHF溶液150中にウェーハ110をさらす。本発明の別の実施形態では、レジスト被覆ウェーハ110全体をHF溶液150に浸漬する。また別の実施形態では、ウェーハ110を例えば合成ゴムワッシャーを用いて電気化学セル120の所定の場所に保持し、ウェーハ110の一部のみがHF溶液150にさらされる様にする(米国特許第6、322、895号)。いずれの場合もウェーハ110は定電流電源130の陽極に電気的に接続され、電気化学セルの陽極110となる。セル120の陰極140は白金電極である。ウェーハ110は暗所で、陽極酸化電流密度5〜250ミリアンペア/cm2で5秒〜30分間エッチングされるが、この条件は選ばれた多孔質度に依存する。本発明の具体例では、多孔質度10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%または90%が選ばれる。公知の様に、多孔質シリコン基板110、120を生成するのに必要な陽極酸化電流密度は、部分的には基板が低濃度または高濃度でp−またはn−ドープされているかという、使用したシリコン基板のタイプに依存する。 本発明のさらに別の実施形態では、ナノ結晶性多孔質シリコン基板110、210を、公知のチップ製造技術を用いて様々な検出器、センサー、電極、その他の電気部品、機械的アクチュエータ等でなるMEMS装置に組み込む事が出来る。ある実施形態では、この様な製造プロセスを多孔質シリコン基板110、210の作成および/またはラマン感受性金属被覆の前後で用いる事が出来る。 金属被覆 多孔質シリコン110、210を公知の技術(ロペス(Lopez)およびフォーチェット(Fauchet)、2000)を用いて陰極電気移動により金属被覆する事が出来る。本実施例の目的では金属被覆に銀が使用されるが、金または白金等の他の金属も使用し得る。多孔質シリコン表面110、210を洗浄し、ロペスおよびフォーチェットの方法に従って電気移動で銀を被覆する(アプライド フィジクス レターズ(Appl.Phys.Lett.)、75:3989、1999)。当業者は、公知の任意の多孔質シリコン基板110、210上に薄膜を生成する技術を、本発明の様々な実施形態で使用し得ることを理解できると思われる。 被分析試料のラマン検出 上記に開示された様に作成したラマン活性金属被覆基板240、340を、図3に示す被分析試料のラマン検出、同定および/または定量用の装置300中に組み込む。基板240、340を例えば入り口320および出口350チャネルに接続されたフロースルーセル330に組み込む。入り口チャネル320を、試料インジェクター310および/または反応チャンバー310等の少なくとも1台の他の装置310に接続する。被分析試料はフローセル330に入りラマン活性基板340を横切って流れ、ラマン検出ユニット360で検出される。検出ユニット360はラマン検出器380とレーザー370等の光源370を備える。レーザー370は励起光線390を放射し、被分析試料を活性化しラマン信号を放射する。ラマン信号は検出器380で検出される。本発明のある実施形態では、検出器380はコンピュータ395と接続されて作動し、試料中に存在する被分析試料に関するデータを処理、解析、記憶および/または転送する。 本発明の実施例では、励起光線390はチタン−サファイアレーザー370((スペクトラフィジクス(Spectral Physics)によるツナミ(Tsunami))、により近赤外波長(750〜950nm)で照射されるか、ガリウムアルミニウムダイオードレーザー370(PI−ECLシリーズ、プロセスインスツルーメント(Process Instrument))で785nmまたは830nmで照射される。パルスレーザー光線が使用されても良いし、連続レーザー光線が使用されても良い。励起光線は二色性ミラー(ホログラフノッチフィルター、カイザーオプティカル(Keiser Optical)、または干渉フィルター、クロマ(Chroma)またはオメガオプティカル(OmegaOprical)で収集光ビームと同一直線配置で反射される。反射光線390は顕微鏡対物レンズ(ニコン(Nikon)LUシリーズ)を通り、標的被分析試料が存在するラマン活性基板240、340上へ焦点を結ぶ。被分析試料からのラマン散乱光は同じ顕微鏡対物レンズで集められ、二色性ミラーを通ってラマン検出器380へ達する。ラマン検出器380は焦点レンズ、スペクトログラフおよびアレー検出器でなる。焦点レンズによりラマン酸乱光がスペクトログラフのエントランススリットを通って焦点を結ぶ。スペクトログラフ(ローパーサイエンティフィック(Roper Scientific)は光をその波長で散乱させる格子を備える。散乱した光はアレー検出器(バック照明深空乏CCDカメラ(ローパーサイエンティフィック(Roper Scientific))上で映像を形成する。アレー検出器はコントローラ回路と接続し、この回路はコンピュータ160、395に接続され検出器380機能のデータを転送し制御する。 本発明の様々な実施形態では、検出器ユニット360は様々な被分析試料を高い感度で、単一分子の検出および/または同定レベルで検出、同定および/または定量する事が出来る。本発明のある実施形態では、被分析試料はラマンラベルされた、またはラベルされていない単一ヌクレオチド分子である。他の実施形態では、識別可能なラマン標識でラベルされた、またはラベルされない少なくとも1個のオリゴヌクレオチドプローブが試料中の標的核酸とハイブリダイゼーションする事が出来る。標的核酸の存在は相補的なオリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションと、ラマン検出により図3の装置300を用いることにより検出される。また、アミノ酸、ペプチドおよび/またはタンパク質も開示された方法と装置300を用いて検出および/または同定されても良い。当業者は、この方法と装置300は検出される被分析試料のタイプに制限されず、標識の有無に拘わらず、ラマン検出で検出される任意の被分析試料を所有権を主張する主題の範囲で分析し得ることを実現できることが当業者であれば認識するであろう。 本発明のある実施形態では、少なくとも1個の“捕捉”分子をラマン活性基板240、340に共有結合または非共有結合で付着させ、被分析試料の感度および/または特異性を増進する事が出来る。例えば、選ばれた標的核酸に特異的なオリゴヌクレオチドを公知の技術で基板240、340の金属表面に付着させる事が出来る(例えばオリゴヌクレオチドを共有結合で修飾して、金被覆基板240、340と結合し得るスルフヒドリル基を含ませる事が出来る)。また、タンパク質、ペプチドその他の化合物に特異的な抗体を基板240、340に付着させる事も出来る。標的被分析試料の存在は、相補の核酸配列とのハイブリダイゼーションが行われ得る条件下の試料に基板240、340に付着したオリゴヌクレオチドをさらすことによって検出され得、その後洗浄され、結合した被分析試料が検出される。本発明のまた別な実施形態では、試料中の少なくとも1個の被分析試料をラマン活性基板240、340にさらす前に識別可能なラマン標識でラベルし、結合した被分析試料の検出を容易にする。同様な方法を抗体−光源ペア、リガンド−受容体ペアまたは相互に選択的および/または特異的結合を示すその他公知の被分析試料で用いる事が出来る。酸、水、有機溶剤または界面活性剤による洗浄、化学処理および/またはエキソヌクレアーゼおよび/またはプロテアーゼ等の加水分解酵素処理等、様々な試薬で処理し、結合した被分析試料および/または捕捉分子を除去することにより、基板240、340をリサイクルし再使用し得る。 本明細書に開示され、所有権が主張される全ての方法および装置は、本明細書の開示と照合して不適切な実験を行うことなく実施し使用することが可能である。所有権が主張される主題の概念、精神および範囲から逸脱せず、本明細書に記載された方法と装置の変更を行い得ることは、当業者にとって明らかである。具体的には、化学的および生理学的に関連する試薬を本明細書に記載の試薬と置き換え、同一または類似の結果が得られることは明らかである。当業者に自明のこの様な類似の置換および変更の全ては、所有権が主張される主題の精神、範囲および概念の範囲内であると見なされる。図1は(縮尺は異なる)装置100と多孔質シリコン基板110の製造法の例を示す。図2は金属被覆多孔質基板240、340の製造法の例である。図3は装置300と金属被覆SERS活性基板240、340を用いる検出および/または同定分析法を示す。 a)多孔質基板を得るべく結晶性の基板をエッチングし、当該エッチングにより細孔が形成された前記多孔質基板の表面を金属で被覆することにより金属被覆された結晶性多孔質基板を準備する段階と、 b)前記基板を少なくとも1個の被分析試料試を含む試料にさらす段階と、 c)少なくとも1個の被分析試料を検出および/または同定のためにレーザー励起および分光を用いる段階とを備える、方法。 前記結晶性の基板がナノ結晶性シリコン、単結晶シリコン、多結晶シリコンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。 金属ナノ粒子が前記金属被覆された結晶性多孔質基板に添加される、請求項1または請求項2に記載の方法。 前記金属被覆が銀、金、白金、銅および/またはアルミニウムを含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。 前記分光がラマン分光である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。 前記ラマン分光が表面増強ラマン分光(SRRS)、表面増強共鳴ラマン分光(SERRS)、ハイパーラマンおよび/または反ストークスラマン分光(CARS)である、請求項5に記載の方法。 前記被分析試料がアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、ヌクレオシド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、核酸、糖、炭水化物、オリゴ糖、多糖、脂肪酸、脂質、ホルモン、代謝物、サイトカイン、ケモカイン、受容体、神経伝達物質、抗原、抗体、基質、代謝物、コファクター、阻害剤、薬剤、医薬品、栄養物、プリオン、毒素、毒、爆発性物質、殺虫剤、化学兵器、生物兵器、バクテリア、ウイルス、放射性同位元素、ビタミン、複素環式芳香族化合物、発癌性物質、突然変異原、麻酔剤、アンフェタミン、バルビツール酸塩、幻覚発現物質、廃棄物および/または汚染物を含む群から選ばれる、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。 前記被分析試料がヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、アミノ酸、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質である、請求項7に記載の方法。 前記少なくとも1個の被分析試料が少なくとも1個のラマン標識でラベルされている、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の方法。 各被分析試料が識別可能なラマン標識でラベルされている、請求項9に記載の方法。 少なくとも1個の捕捉分子が前記金属被覆された結晶性多孔質基板に付着している、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。 前記捕捉分子がオリゴヌクレオチド、核酸、抗体、抗体断片、抗原、エピトープ、レシチン、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、受容体タンパク質、リガンド、ホルモン、ビタミン、代謝物、基質、阻害剤、コファクター、医薬品、アプタマー、サイトカインおよび神経伝達物質を含む群から選ばれる、請求項11に記載の方法。 前記金属被覆された結晶性多孔質基板を準備する段階は、前記結晶性の基板をエッチングした後、当該基板を酸化する段階を有する、 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法。 前記金属被覆された結晶性多孔質基板を準備する段階は、 前記結晶性の基板を電気化学セル中でエッチングして、前記細孔を形成する段階と、 前記細孔を形成する段階の後、当該基板をエッチングして、前記細孔を広げる段階と、 を有する、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の方法。 前記結晶性の基板が、シリコン、窒化シリコンおよびゲルマニウムからなる群から選択される請求項1に記載の方法。 前記多孔質基板における前記細孔は2nm〜200nmのサイズを有する請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の方法。 前記金属ナノ粒子は、前記金属被覆された結晶性多孔質基板の前記細孔の内部に入り込むことのできる直径を有する請求項3に記載の方法。 前記金属ナノ粒子は、直径1nm〜2μmの直径を有する請求項3または請求項17に記載の方法。 前記多孔質基板が、シリコン、酸化シリコン、二酸化シリコンおよび/または窒化シリコンを含む請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の方法。 a)多孔質基板を得るべく結晶性の基板をエッチングし、当該エッチングにより細孔が形成された前記多孔質基板の表面を金属で被覆することにより金属被覆された結晶性多孔質基板と、 b)前記金属被覆された結晶性多孔質基板へ励起光線を放射するレーザーと c)前記金属被覆された結晶性多孔質基板からのラマン信号を検出するラマン検出器とを備える、装置。 前記金属被覆が中空のまま残されるべく、前記多孔質基板を更にエッチングする段階を備える請求項20に記載の装置。 前記金属被覆の前記中空が前記金属とは異なる材料で満たされる請求項21に記載の装置。 金属ナノ粒子を更に有する、請求項20から請求項22のいずれか一項に記載の装置。 前記金属が銀、金、白金、銅および/またはアルミニウムを有する、請求項20から請求項23のいずれか一項に記載の装置。 前記ラマン検出器と動作可能に結合するコンピュータを更に備える、請求項20から請求項24のいずれか一項に記載の装置。 前記ラマン検出器と動作可能に結合するフロースルーセルを更に備え、前記フロースルーセルの内部の前記金属被覆された結晶性多孔質基板を通って流体が流れる、請求項20から請求項25のいずれか一項に記載の装置。 前記金属被覆された結晶性多孔質基板がマイクロ電気機械システム(MEMS)中に組み込まれる、請求項20から請求項26のいずれか一項に記載の装置。 前記金属被覆された結晶性多孔質基板が集積チップの一部として構成される、請求項27に記載の装置。 前記金属被覆された結晶性多孔質基板がウェーハから取り出され、MEMSに組み込まれる、請求項27に記載の装置。 前記結晶性多孔質基板が、前記結晶性の基板のエッチング後、当該基板を酸化して得られる、 請求項20から請求項29のいずれか一項に記載の装置。 前記多孔質基板は、前記結晶性の基板を電気化学セル中でエッチングして前記細孔を形成した後、前記基板をエッチングして前記細孔を広げることで得られる、 請求項20から請求項30のいずれか一項に記載の装置。 前記結晶性の基板が、シリコン、窒化シリコンおよびゲルマニウムからなる群から選択される請求項20に記載の装置。 前記多孔質基板における前記細孔は2nm〜200nmのサイズを有する請求項20から請求項32のいずれか一項に記載の装置。 前記金属ナノ粒子は、前記金属被覆された結晶性多孔質基板の前記細孔の内部に入り込むことのできる直径を有する請求項23に記載の装置。 前記金属ナノ粒子は、直径1nm〜2μmの直径を有する請求項23または請求項34に記載の装置。 前記多孔質基板が、シリコン、酸化シリコン、二酸化シリコンおよび/または窒化シリコンを含む請求項20から請求項35のいずれか一項に記載の装置。 多孔質層を得るべく結晶性の基板をエッチングし、当該エッチングにより細孔が形成された当該基板の表面を金属で被覆することにより得られた、金属被覆された結晶性多孔質層を備える基板。 前記金属被覆が銀、金、白金、銅および/またはアルミニウムを含む、請求項37に記載の基板。 前記多孔質層がシリコン、酸化シリコン、二酸化シリコンおよび/または窒化シリコンを含む、請求項37または請求項38に記載の基板。 前記多孔質層が金属で被覆される前に二酸化シリコンによって酸化される、請求項37から請求項39のいずれか一項に記載の基板。 前記多孔質層は、前記基板を電気化学セル中でエッチングして前記細孔を形成した後、当該基板をエッチングして前記細孔を広げることで得られる、 請求項37から請求項40のいずれか一項に記載の基板。 前記結晶性の基板が、シリコン、窒化シリコンおよびゲルマニウムからなる群から選択される請求項37に記載の基板。 前記多孔質層における前記細孔は2nm〜200nmのサイズを有する請求項37から請求項42のいずれか一項に記載の基板。 前記金属被覆された結晶性多孔質層の前記細孔の内部に入り込むことのできる直径を有する金属ナノ粒子が添加された請求項37から請求項43のいずれか一項に記載の基板。 前記金属ナノ粒子は、直径1nm〜2μmの直径を有する請求項44に記載の基板。


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