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タイトル:特許公報(B2)_質量分析計用の高速組合せマルチモードイオン源
出願番号:2004509375
年次:2012
IPC分類:H01J 49/10,G01N 27/62


特許情報キャッシュ

バロー,マイケル・ピー JP 5073168 特許公報(B2) 20120831 2004509375 20030530 質量分析計用の高速組合せマルチモードイオン源 ウオーターズ・テクノロジーズ・コーポレイシヨン 509131764 川口 義雄 100062007 小野 誠 100114188 渡邉 千尋 100140523 金山 賢教 100119253 大崎 勝真 100103920 坪倉 道明 100124855 一入 章夫 100113332 バロー,マイケル・ピー US 60/385,419 20020531 20121114 H01J 49/10 20060101AFI20121025BHJP G01N 27/62 20060101ALI20121025BHJP JPH01J49/10G01N27/62 G H01J 49/00-49/48 G01N 27/62 特公昭56−021096(JP,B1) 特開平04−109160(JP,A) 特開平07−073848(JP,A) 特開平07−307139(JP,A) 特開平08−236064(JP,A) 特開平09−178705(JP,A) 特開2000−227417(JP,A) 特開2002−157971(JP,A) 15 US2003016892 20030530 WO2003102537 20031211 2005528746 20050922 18 20060517 松岡 智也(関連出願) 本出願は、2002年5月31日出願の米国特許仮出願番号第60/385,419号の発明の名称「質量分析計用の高速組合せマルチモード化学イオン源(A High Speed Combination Multi−Mode Chemical Ionization Source for Mass Spectrometers)」を基礎として優先権を主張するものであり、前記仮出願の全内容は参照により本明細書に引用したものとする。 本発明は一般に、例えば、分子分析に用いるエレクトロスプレー(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、およびサーモスプレーにより生成されるイオン化モードを組み合わせることに関する。詳細には、本発明は、既存の質量分析計と接続できる、APCIおよびESIを組み合わせる新規のイオン源の創案、ならびに、本発明のイオン源を用いる新規の質量分析計の創案に関する。本発明の有益な適用例は、薬剤、有機中間体の高速で高精度なサンプル特性決定の創案、ならびに、複合化学および高速処理の生物学的スクリーニングから作成されるサンプルライブラリの生成を含む。 質量分析法は、物質および物質の混合物の定性および定量化学分析に用いられる分析方法である。分析物、すなわち通常は有機、無機、生体分子または生物サンプルは、イオン源内で分析物の構成成分の帯電粒子に分解される。次に、分析物粒子は質量分析計(spectrometer)により、それぞれの質量対電荷比に基づいて分離される。次に、分離された粒子は検出され、物質の質量スペクトルが生成される。質量スペクトルは、サンプルを構成しているさまざまな分析物イオンの質量および量に関する情報を提供することによって分析される、サンプル材料の指紋(fingerprint)に類似する。例えば、質量分析法を用いて、分析物中の分子および分子フラグメントの分子量を決定する。さらに、質量分析法を用いて、分析物が粒子に分解されるときに発生する、フラグメントパターンに基づいて分析物の分子構造、下部構造および成分を特定する。質量分析法は、化学、生物学、材料科学、および多くの関連分野における有効な分析ツールである。 高感度、高分解能、高精度、および効率的なサンプル利用を備える質量分析計を実現するには多くの課題が残されている。課題の1つは、サンプルのイオン化の効率を最大にし、また使用される分析物サンプルのダイナミックレンジを利用できるようにすることである。 問題は、質量スペクトルに識別可能な差を生成するさまざまなイオン化方法によって発生していた。例えば、液体クロマトグラフィー/質量分析法(LC/MS)の利用においてさまざまな溶液化学を導入することにより、質量分析計イオン源内に1つまたは複数のイオンが同時に存在できるため、質量スペクトルに顕著な差を発生させる。エレクトロスプレーの間、液は非常に高い電圧を印加された金属毛細管を通して導入される。この環境は、結果として得られるスプレーまたは噴射またはジェットが、スプレーが反対電極方向に吸引されるときに、液がレイリーリミットを超える結果であるために、電気化学的電池を生成する。また、エレクトロスプレーの間の酸化還元作用が質量スペクトルに金属イオンM+Naの実例のような識別可能な差を生成する。既に実現されているイオン化には、いくつかの異なる方法がある。 イオン源はAPCI、ESI、サーモスプレーなどの方法を含む。一般に、APCIは液流を加熱し、エアロゾルを生成することでイオンを抽出する。APCIは前述のような実例を示さないが、APCIは対象の分析物に電荷を移動する媒体として溶剤を「用いる」ため、バックグラウンドイオン化を促進することは注目に値すべきである。例えば、ヒドロニウムイオンは、分析物がその中を移動してイオン化されるプラズマ中で生成され、液が酢酸アンモニウムを含む場合、M+NH4のような例証生成物が生成される。ESIは、過剰電荷の生成物としてエアロゾルまたは噴射を生成する。また、サーモスプレーはAPCIに関連する。一般に、サーモスプレーは高電圧(HV)を用いないAPCIであり、APCIニードルを使用しない。(MDS Parma ASMSポスター、2000を参照)。この方法においては、イオンは脱溶媒しないため、エアロゾル液滴を形成しない。 これらのイオン源の中でもエレクトロスプレーイオン源は最も優れたものである。エレクトロスプレーの基本的手法は以前から広く知られていたが、有機質量分析法に適合する最初の実用的イオン源設計は1984年に現われた(例えば、欧州特許出願公開第0123552号明細書参照)。この基本的エレクトロスプレーイオン源に対するさまざまな改良が提案されてきた。Bruinsら(34th Ann. Confr. on Mass Spectrometry and Allied Topics, Cincinnati, 1986, pp585−6)および(米国特許第4861988号明細書)は、圧縮空気式エレクトロスプレーイオン源を記載しており、この中では、基本的イオン源の毛細管の代わりに、不活性ガスを送り込まれる同軸噴霧器を用いて、エアロゾルの生成を容易にする。しかしながら、実際には、この方式のイオン源は多くの場合、質量分析計の光軸に対して一定角度、通常は約30度で傾斜し、開口方向に向く毛細管を用いて作動する。米国特許第5015845号明細書は、0.1から10トルの圧力で作動し、第1ノズルの下流側に配置された追加の加熱式脱溶媒段階を開示している。一方、米国特許第5,103,093号明細書、第4,977,320号明細書、およびLee, Henion, Rapid Commun. in Mass Spectrum. 1992, vol. 6 pp.727−733およびその他では、加熱式注入毛細管の使用を記載している。さらに、米国特許第5,171,990号明細書では、質量分析計に入る高速イオンおよび中性分子の数を低減するための、移送毛細管およびノズルスキマー(nozzle−skimmer)システムの軸外配置を記載しており、また米国特許第5,352,892号では、質量分析計の真空システムに流入する液滴の量を最少にする液遮蔽配置を開示している。 高分子量サンプルについてのエレクトロスプレーイオン源の好結果の主たる要因は、他の大部分のイオン源と異なり、イオン化が大気圧でなされるためであることが判明している。さらに、イオン化合物および有極化合物はESIによりイオン化し、一方、中性化合物および弱有極化合物は一般にイオン化しない。この理由のために、APCIイオン源における勢いの再生が生じ、通常<1000Daの高分子量の安定イオン特性の、熱的に不安定な種を生成することができる。そのようなイオン源は、一般的に、イオン化モード以外はエレクトロスプレーイオン源と同じである。 APCIは、コロナ放電により、イオン化の独自の方法を実現する(Yamashit & Fenn, J Phys Chem., 1984 参照)。APCIはコロナピンを高電位に維持し、APCIが電子源、例えばベータ放射体、通常ニッケル箔またはコロナ放電を実現できるようにする(McKeown, Siegel, American Lab. Nov. 1975 pp.82−99、およびHorning, Carrollらの、Adv. in Mass Spectrom. Biochem. Medicine, 1976 vol.1 pp.1−16;Carrol, Dzidic らの、Anal. Chem. 1975 vol.47(14)pp.2369参照)。初期のイオン源においては、高圧イオン化領域は、分析計の光軸上に配置された微細孔を有するダイヤフラムによって、質量分析計を含む高真空領域から分離されていた。最近のAPCIイオン源は、ダイヤフラムの代わりにノズルスキマー分離器システムを組み込んで開発されている(例えば、Kambaraらの、Mass Spectroscopy(Japan) 1976 vol.24(3) pp.229−236および英国特許出願公開第2183902号明細書を参照)。 質量分析計と接続される大気圧イオン源、詳細には、エレクトロスプレーおよび大気圧化学イオン化は、化合物の分析に広く利用されるようになってきた。高真空でなく大気圧でサンプルをイオン化するイオン源の特に優れた点は、完全な状態の熱的に不安定な高分子量イオンを生成することである。 従来の試みは、デュアルESI/APCIイオン源を生成することを述べてきた。詳細には、デュアルイオン源は切換ボックスに頼っている。これの修正形態により、ユーザは制御ボックスおよび2つの入力BNC(Bayonet Neill Concelman)コネクタを用いて、ESIおよびAPCIモードの電圧を手動でまたは自動で選択できる。デュアルESI/APCIの操作は、イオン源電圧の調整を必要とする。ESIおよびAPCIモードの両方は、同時に機能する。イオン源の動作を制御する最も重要なパラメータは、ガスの温度および流量である(Seigelらの、J. AM. Soc. Mass Spectrom. 1998, 1196−1203を参照)。 本発明、少なくとも発明の一部は、固体(solid−state)スイッチが電源からの電圧をエレクトロスプレープローブまたはコロナ放電ニードルのどちらかに導いて、マルチモードイオン源を生成できることを見出したことに基づいている。マルチモードイオン源は従来のイオン源および手法に比べて大きな利点を提供する。マルチモードイオン源は、結果を低下させることなく、および装置を変更する必要もなく、第1イオン化モードから第2イオン化モードに自動的に高速切換えできる。高速切換は固体切換装置を利用して実現される。さらに、イオン源の設計により、イオン化を達成するのに霧状ガスの温度を上げる必要がなくなり、イオン源は温度上昇を待つことなく、手法間を高速で切換えできる。マルチモードイオン源は、1回の動作の間、サンプルに適用される最適手法および条件を考慮に入れる。したがって、マルチモードイオン源は、効率を向上させると同時に、コストおよび時間の大幅な節減を可能にする。 1つの実施形態においては、質量分析計のイオン源はイオン経路を画定するイオンチャンバと、サンプルをイオン化するエレクトロスプレープローブと、大気圧化学イオン化を用いてサンプルをイオン化するコロナ放電ニードルとを含む。本発明は、電源を用いて、電源からの電圧を導くための固体スイッチにより作動される、エレクトロスプレープローブまたはコロナ放電ニードルに電圧を供給する。 さらに本発明により、サンプルをイオン化して質量分析計により分析する方法が開示される。この方法には、サンプルをプローブに導入し、第1イオン化モードを用いてサンプルをイオン化し、その後、第2イオン化モードに切り換えることを含む。1つの実施形態においては、サンプルのイオン化は1/10秒(0.1秒)未満の継続時間を有する。さらに、切換えまたはインタスキャン遅延は、所望の速度または忠実度に応じて、高速度または低速度にできる。 また本発明により、マルチモードイオン源を用いて、サンプルをイオン化するシステムが開示される。この方法には、マルチモードイオン源に関する情報の取得、およびマルチモードイオン源に関する情報に基づくサンプルのイオン化などの、コンピュータ実行ステップを含むことができる。本発明の別の実施形態は、コンピュータを使用するマルチモードイオン源を用いてサンプルをイオン化するシステムである。さらに別の実施形態においては、マルチモードイオン源は複数のイオン化モードを使用し、また、マルチモードイオン源に関する情報を表示するためのインタフェースを有することができる。 また本発明により、コンピュータ読取り可能媒体が開示され、この媒体により、例えばユーザはサンプルをイオン化して、グラフィックユーザインタフェースに入力される情報に応答してマルチモードイオン源を作動する命令を利用して、複数の異なるイオン化モードを用いて、質量分析計により分析できる。 本発明から利益を得る実際の用途の例には、薬剤、有機中間体の高速で高精度なサンプル特性決定の実現、ならびに、複合化学特性および高速処理の生物学的スクリーニングから作成されるサンプルライブラリの作成を含む。 本発明は、質量分析法による分析のためのサンプルをイオン化する、マルチモードイオン源を提供する。図1は本発明の実施形態を実現するのに適する質量分析計10の概略図である。質量分析計10は、大気圧または大気圧に近い圧力でイオンを生成し、かつそのイオンを真空囲い込み30に送るためのマルチモードイオン源100を備えており、イオンは加速されて、質量分析計内に集束する。次に質量分析計は、イオンの質量対電荷比に基づいてイオンを識別して検出する。イオン源は真空囲い込みに結合され、この囲い込みは四重極質量フィルタ31およびイオンビーム電流を測定するためのイオン検出器32を封入している。さらに、質量分析計のイオン源100と入口開口34の間に配置された静電六重極レンズ35を備え、イオン源100からのイオン透過の効率を上げる。これらの構成部品は従来部品であり、図1では概略だけを示す。質量フィルタおよび検出器の適正な動作に必要な他の従来の構成部品は、理解を容易にするために図では省略されている。質量分析計または分析器は、四重、質量磁気質量、TOF(飛行時間)、フーリェ変換、または当業者に公知の他の適正なタイプの質量分析計などの、いくつかのタイプであってもよい。 マルチモードイオン源100は、異なるイオン化手法を単一分析におけるサンプルに適用可能にする。マルチモードイオン源100は、異なるモードのイオン化でイオンを発生する能力を結合して単一イオン源とし、装置を変更することなく、また帯電した液滴の生成を容易にするために用いる霧状ガスを外部加熱する必要もなく、2つまたはそれ以上のイオン化モードを高速切換えできる。別の1つの実施形態においては、マルチモードイオン化温度の範囲は60から70℃である。マルチモードイオン源100はミリ秒オーダのモード間の遷移時間を有するが、正確な結果を提供する。これは、広範囲の速度および忠実度の相互領域の遅延条件の下において、高精度な結果を実現する利点を提供する。 図2A、2Bおよび2Cは、本発明の1つの実施形態によるマルチモードイオン源を示す。実例のイオン源100は組み合わされたAPCI−ESIイオン源であり、イオン源はAPCIとESIスキャン(正および負モードの両方において)間を交互に切換えできる。当業者には、代替のイオン化モード、例えば光イオン化を追加して実装、あるいはAPCIまたはESIモードの代わりに実装できることは理解されるであろう。マルチモードイオン源は質量分析計と接続して機能し、連続して流れる液サンプルからイオンを生成する。マルチモードイオン源100は、大気圧領域を画定するイオンチャンバを備える。このチャンバは、分子のエレクトロスプレーイオン化を実現するエレクトロスプレープローブ110と、鋭い先細の放電電極を形成するコロナ放電ニードル120とを収納し、分子の大気圧化学イオン化およびチャンバ160へのイオン入口19を備える。チャンバ160はイオンを質量分析計に移送するイオン経路を画定する。イオン源100は、電圧を発生し、その電圧をエレクトロスプレープローブ110、コロナ放電ニードル120またはその両方に供給する、電源130(図1に示す)に接続される。電源130は固体スイッチ150を含み、このスイッチにより、イオン源を異なるイオン化モードおよび極性間で容易に切り換えできる。マルチモードイオン源100はさらに、帯電した液滴の生成を容易にする噴霧ガス供給部170(図1に示される)と、イオン化されるサンプルを提供するための液体クロマトグラフィカラムなどのサンプル源180とを備える。液体クロマトグラフシステムの流量によるサンプルの導入量の範囲は、1nLから10mL/分である。特定の実施形態においては、本発明は液体クロマトグラフシステムを含むことができ、この液体クロマトグラフシステムは、約50uL/分から2mL/分の流量、好ましくは、約50uL/分から約1000uL/分の流量での流れ注入により、サンプルを導入する。 サンプル源をESIプローブ110に接続して、分析されるサンプルをESIプローブ110に送る、液入口ライン181が設けられる。イオン源はさらに、イオン化領域を加熱する複数のイオン源ブロックヒータ182と、プローブヒータ186とを備える。さらに、イオン源チャンバ101にイオン源排出口185が形成される。イオン源はさらに、エレクトロスプレープローブ110の出口端近くに形成される拡散バッフル115を備え、蒸発したサンプルの流れをプローブからイオンチャンバ入口19に誘導する。 図2Bに示されるとおり、イオン経路を画定するチャンバ160は、入口チャンバ3と、排出口4と、入口チャンバ3および排出口4に接続する小直径の抽出チャンバ15とを備える。排出口4は、約30m3/時間の能力の機械的真空ポンプなどの真空または他の適当な排出手段に通路6を通して接続される。真空は抽出チャンバ15を100mmHg未満、一般に1から10mmHgの圧力に維持する。入口チャンバ3への入口19は入口円錐体9により形成され、この円錐体はその先端に形成される約0.4から約1.0mmの直径の開口を有する。入口ポートは、イオンがイオン源チャンバ101からチャンバ160に通過するイオン入口を形成する。好ましくは、出口11はくぼみ内に取り付けられ、チャンバ160の本体から電気的に絶縁された中空円錐形部材12を備える。円錐形部材12はそれの先端に開口を有し、この開口を通り、イオン化工程で生成されたイオンが抽出チャンバ15から質量分析計に通過する。 チャンバ160は、参照により本明細書に引用したものとする、米国特許第5,756,994号に記載されたイオン源のイオン化経路と同様に構成できるが、本発明は説明したチャンバに限定されない。当業者には理解されるであろうが、イオンを質量分析計に移送するためのチャンバは、本発明の特許請求の範囲に述べるような脱アエロゾル溶媒効果を考慮に入れる、本発明の内容に従った任意の適正なサイズおよび構成を備えることができる。 ESIモードにおいては、以下に述べるように、スイッチ150は電源130をESIプローブに接続することにより、電源は高電圧をESIプローブ110に供給して、分子をイオン化する。APCIモードにおいては、以下に詳細に述べるように、スイッチ150は電源130をコロナ放電ニードルに接続することにより、電源は高電圧をコロナ放電ニードル120に供給して、分子をイオン化する。MassLynx(商標)システムなどのデータシステムは、異なるモードおよび極性間の自動切換えを可能にする。データシステムからの制御信号はさらに、動作方式およびパラメータを選択および制御する。 エレクトロスプレーイオン源は、高電界中で高度に帯電した液滴の微細噴霧液を生成することにより、溶液から直接イオンを発生させる。図3に詳細を示すエレクトロスプレープローブアセンブリ110は、出口端にノズル形成する、導電性毛細管111を備える。毛細管111はチャンバ160の入口19に近接し、それの外側に配置される。ESIモードの間、電源130が毛細管111に電圧を印加することにより、毛細管111はスイッチによって、チャンバ160に対して約3.5kVの電位に維持される。イオン化されるサンプルを含む溶液は、イオン源180から毛細管111を通り、大気圧バスガス(bath gass)にポンプで送られ、チャンバ160の入口19近くに、エアロゾルを発生させる。液滴のサイズが減少すると共に、液滴表面の電荷密度が増加する。この表面上の同一極性電荷間の相互反発力が極めて大きくなって、表面張力を超えると、イオンは「テーラーコーン(Taylor cone)」として公知の液滴から離れ始める。詳細には、電磁流体力学理論上の効力により、液滴は、半径が10μの点で蒸発し、遊離する。残りの液滴はさらに脱溶媒され、APCIを続行可能にする。次に、イオンは静電気で誘導されてチャンバ160を通過し、質量分析計に入る。エレクトロスプレープローブアセンブリ110は、スイッチ150を介して毛細管111に印加される電圧を反転することにより、正および負イオンを生成できる。 窒素などの霧状ガスの供給は、噴霧ガス源(図1の170)から、毛細管111を噴霧チャネルに接続するTコネクタ118まで、噴霧チャネル171を経由して供給される。噴霧ガスは管から出て、毛細管111から出る液サンプルの分解およびガス相イオン種の生成、溶液の静電的霧状化をさらに容易にする。本発明によれば、霧状ガスは周囲温度で噴出され、イオン化を達成するために加熱する必要はない。 エレクトロスプレープローブアセンブリはチャンバ160の入口19近くに固定されることにより、結果として得られるイオンは入口19を通過して、チャンバ160を通り、質量分析計に入る。 APCIモードにおいては、イオン化はコロナ放電またはプラズマにより発生し、サンプル蒸気から反応イオンを生成する。APCIモードにおいては、スイッチ150はコロナ放電ニードル120を作動させ、イオン源チャンバ/囲い込みおよびESIプローブのガスおよび熱力学の結果として液滴は脱溶媒され、その結果、周囲温度においてガス相分子を生成する。電源はコロナ放電ニードル120とチャンバ160の間でコロナ放電を発生させ、イオン化を実現する。プローブ110からの蒸発したサンプル分子はコロナ放電して、溶剤蒸気から反応イオンを生成し、このイオンはチャンバ160を通り、質量分析計に移送される。 図4は本発明の1つの実施形態によるスイッチ150の概略図であり、このスイッチによりイオン化モード間を高速切換えできる。スイッチ150は、電界効果トランジスタ(FET)スイッチなどの固体スイッチを備えることにより、電子部品を損傷することなく、また可動部品を一切使用せずに、ESIプローブおよびコロナ放電ニードルへの電流および電圧を調整する。電源130は、コロナ放電部に一定電流を選択的に供給する定電流供給源130aと、毛細管111に定電圧を選択的に供給する定電圧供給源130bとを含む。第1スイッチ150aは定電流供給源130aをコロナ放電部に選択的に接続し、第2スイッチ150bは定電圧供給源130bを毛細管111に選択的に接続する。V/Iビット信号は、スイッチに電圧または電流を選択的に印加することにより、イオン化モードを制御および変更する。スキャン進行(scan−in−progress)ビット信号は、正および負電圧の切換えを実行し、正および負イオンを生成することを可能にする。スイッチ150は、1秒未満、好ましくは、約100ミリ秒以下でイオン化モードを切り換えできる。 さらに別の実施形態においては、本発明のマルチモードイオン源を用いてサンプルをイオン化する工程は、MassLynx(商標)システムまたは他の適正なソフトウェアシステムにより自動的に制御される。図5および6はグラフィックユーザインタフェース(GUI)400および500を示しており、このインタフェースはそれぞれ、本発明の実施形態によるイオン化工程および分析を制御するのに適する。ユーザは選択したパラメータをGUIに入力し、メモリに格納されたプログラムを実行して、イオン化工程を制御する。ソフトウェアにより、オペレータはレンズおよび他の活動表面(温度およびガス)を観察して最適化し、他の分析物の存在およびサンプル中の化学物質の存在状態においてESIおよびAPCIの両方を最適化できる。図5を参照すると、ユーザはインタフェース400内のスキャン方法に対して、モードなどの選択したパラメータ、例えば、正エレクトロスプレー、負エレクトロスプレー、正APCIおよび負APCI、継続稼動時間および全体稼動時間を入力できる。システムはスイッチおよび他の素子を自動制御し、選択されたパラメータに従って作動する。図6を参照すると、別のインタフェース500を用いて、APCIおよびESIの両方についての動作パラメータを個々に最適化できる。例えば、第1フィールド501内に、ユーザは、ESIモードに対する毛細管111および中空円錐部材12に関する最適電圧を、それぞれキロボルトおよびボルトで入力できる。第2フィールド502内に、ユーザは、コロナ120に対する最適電流および中空円錐部材12に対する最適電圧を入力できる。フィールド503内に、ユーザは、抽出器および無線周波数(RF)レンズに対する最適電圧を入力できる。第4フィールド504内に、ユーザは、イオン源に対する最適温度および最適脱溶媒温度を入力できる。フィールド506内に、ユーザは、脱溶媒および中空円錐部材12に対するガス流量を、1時間当たりのリットル単位で入力できる。分析の間、システムは各モードに対してユーザにより選択されたパラメータで自動的に作動する。フィールド507内に、インタフェースは分析結果を表示する。 1つの好ましい実施形態においては、イオン源囲い込みの大きさは容積で53インチであり、現在形状および外形は動力学的に有利である。(図2Aから2Cを参照)。また、本発明のイオン源囲い込みは約60から75℃の低温度で、約60から70℃、例えば60から70℃を含むサンプルのイオン化を実現する。さらに、本発明の1つの好ましい実施形態においては、イオン源は金属で製作、さらに好ましくはアルミニウムで製作される。 マルチモードイオン源は従来のイオン源およびイオン化手法に比べて大きな利点を提供する。マルチモードイオン源は、結果を損なうことなく、かつ装置の変更を必要とせずに、第1イオン化モードから第2イオン化モードに自動的に高速切換えできる。高速切換は固体切換デバイスを利用して実現される。さらに、マルチモードイオン化は、クロマトグラフのピーク変化などの短時間の一定事象の間に、有効なデータを得る唯一の機会を可能にする。さらに、イオン化を達成するのに霧状ガスの温度を上げる必要がなくなり、イオン源は温度上昇を待つことなく、イオン化モード間を高速で切換えできる。マルチモードイオン源は、1回の動作の間、サンプルに適用される最適手法および条件を考慮に入れる。したがって、マルチモードイオン源は、効率を向上させると同時に、コストおよび時間の大幅な節減を可能にする。 ESIおよびAPCIの両方でイオン化される多くの化合物があるが、これら化合物は同等な好結果でイオン化されない。さらに、化合物によっては、ESIにより全くイオン化されない。本発明はこのような特性の化合物をイオン化する解決策を提供する。 例えば、ESCi(商標)イオン源を用いるZQ(商標)質量分析計では、多環式芳香族炭化水素(PAH)の良好な結果を得た。ナフタレンなどのPAHは、プロトンが結合してM+Hを形成する機会がないため、ESIによりイオン化されない。図7は、フルモードおよび極性切換え、−150から1000amu(2800amu/S)−0.1SISDにおけるイオン化されたジフェンヒドラミンおよびナフタレンの結果を示す。ESCiの結果は、ESIによりイオン化できない化合物の結果を明らかに取得している。ESCiは、代替のESI−、ESI+、APCI−およびAPCI+モード対して従来の方法による選択を可能にするか、またはモードのいずれか1つにおいて、常時作動することを要求する。 さらに、50ngのダイゼインイソフラボノイドを使用カラムに試した結果は、本発明の能力および多様性を示した。この例は、4つのモードすべての結果の精度および忠実度を示した。エレクトロスプレーの間にサンプルの予備加熱を実行することが通常であるが、この例では、ESCiは過度の加熱を導入した状態で、例外的に良好に進行していることを示す。実際には、この例では、加熱設定は通常のESI動作と同一であった。ESI脱溶媒温度は、標準MS構成で必要とされる400から600℃の範囲と異なり、約120℃であった。図8は、50ngのイソフラボノイドダイゼインによる良好な結果を示しており、極めて高いs/nが得られた。 この実施例は、新規のESCi手法を、GSK(RTP)オープンアクセスなどの現在の動作システムに容易に適合できることを示した。ここでは、出力は有効なMassLynx(商標)データファイルであり、このファイルにより、ESCi手法を透過的にオープンアクセスおよび高処理能力環境に追加できた。従来は、これらの環境は単一モードまたは異なる装置を用いる別の方法で動作する必要があった。これによりデータおよび結果の収集ならびに両方のモードを比較する重要な能力を可能にした(図9を参照)。 本発明の最も重要な用途はさまざまな結果を用いて、正確なサンプルライブラリを作成できることである。この実施例では、1年間で、70%より大きい純度レベルを保証する、500,000の化合物の特性決定を試みた。この結果を用いて、正および/または負の質量スペクトルの結果から決定される正しい分子量を表示する。 実験の詳細は短いLC勾配上で実施した。3分実行時間では、一般の2分勾配(0.05%ギ酸/MeCN)であった。流量は1ulの注入容積で0.7ml/分であった。化合物はUVの225から320nmで検出し、質量スペクトルは150から800amuで実施した。スキャンは0.2秒ISD(インタスキャン遅延)を用いて0.2秒(3250amu/秒)で実施した。 この実施例はさらに、小流量では、実行するESCiに必要な高温加熱が無いために、実際には収集時間は長くなる。したがって、ZQに組み込まれたPCの高速収集能力により、クロマトグラフピークまたはバンドの短い通過の間に、本発明の以前には普通であった速度よりはるかに高速でスキャンすることにより、さらに多くの機能を実行できる。 ここでの実施例は、150から500amuの分子量の範囲の各種の化合物を含む、96ウェルのテストプレートを用いて実施した。これら化合物は3つの状態、すなわち(a)従来のESIイオン源単独、(2)従来のAPCIイオン源単独、および(3)ESCi(商標)を用いる再分析手法により分析した。 この結果は、他の従来方法での分析に比較して、ESCi方法によるサンプルライブラリの結果の利点および改良を示した。図10から13においては、従来のESIおよびAPCI単独と比較して、本発明は高品質、高速および高精度のサンプルライブラリを生成した。スペクトルは各種モード全体にわたりすぐれた一致を示しているのは明らかであった。さらに、この実験では特定条件における感度が、APCI実験よりESCiで改良されたことを示した。この実験は、さらに適正な感度および優れた実用性を達成するのに向けられた。図13は、ESCi TIC比較がこれらの動作条件の下で同様の応答を示すことを表す。 図14は全スペクトルに対する、ESI対APCI対ESCiのデータ結果を示す。このデータは、APCIおよびESIの結果をESCiで得られた結果と比較することにより、ESCi方法によるデータ収集の好結果および高精度を明瞭に示す。 本発明の別の利点は、単一注入が複数データポイントを取得することである。図15に示すように、クロマトグラムはPDAにおける目的物および不純物のトレースを表していた。ESI−およびAPCI−は応答できなかったが、興味深いことに、APCI+トレースが目的物および不純物を示し、一方、ESI+トレースは、ほとんどの実験室では1つだけのトレースが多い不純物だけを示した。この実験は正確な化合物結果を収集する、有利な能力を示した。 この方法を用いる実験を実施し、光イオン化検出器(APPI)などの他の方式のイオン化を含むように、ESIおよびAPCI以外のイオン化モード能力を拡張した。APPIは弱有極または中性分析物、モノマー、炭化水素または有機ヘテロ原子種、および容易に「噴霧」されない他の化合物のイオン化を促進する。この装置は、ガスクロマトグラフィ(GC)カラムから出る分析物をイオン化する手段として紫外線を用いた。電極により、この工程で生成されるイオンを捕集した。したがって、発生電流は分析物濃度の評価基準となる。 ESCi(商標)マルチモードイオン化の別の利点は、ポリマー添加剤の比較により表わされる。図16に示すように、100mS ISDにおけるAPCIとESIとの切換えは、感度損失を示さない。データポイントは、4.6mm IDカラムを用いる1mL/分におけるAPCIと、2.1mm IDカラムを用いる0.25mL/分におけるESCi(商標)の間に示されており、および100mS ISDにおけるESCi(商標) APCI切換えは、目的化合物が感度のフロス(floss)を示さずに検出できることを表していた。この実験は、高速かつ高忠実度で正確な化合物結果を収集する有利な能力を示した。(図16参照)。 要約すると、本発明の利点は、ESCi装置が既存の質量分析計を利用したことである。装置の放電機構および電源の追加は、実験結果において優秀性を証明した。ESCiイオン源は、極性およびイオン化切換えに対しては100mSのインタスキャン遅延で実施した。これらの実験条件下では、ESIおよびAPCIの両方についての性能損失は発生しない。本発明は分析時間を短縮し、またオープンアクセス測定器に組み込まれた。(等価物) 当業者には、日常的な実験を用いることなく、本明細書に述べる本発明の特的実施形態に対する多くの等価物を認識または確認できるであろう。このような等価物は添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。 ここで引用したすべての参照、特許、および特許出願の全内容は、参照により本明細書に引用したものとする。本発明の実施形態を実現するのに適する質量分析計の概略図である。本発明の実施形態によるマルチモードイオン源を示す図である。イオン経路を画定するチャンバを示す図である。本発明の実施形態によるマルチモードイオン源を示す図である。エレクトロスプレーイオン化プローブを示す図である。毛細管/コロナピンHV出力の切換えの概略図であり、電源はFETスイッチを利用し、固体切換えが再現性よく、電子回路に損傷を与えずに可能になるように設計されていることを示す図である。本発明の1つの実施形態による、イオン化工程を制御し、分析するのに適するグラフィックユーザインタフェースを示す図である。本発明の1つの実施形態による、イオン化工程を制御し、分析するのに適するグラフィックユーザインタフェースを示す図である。APCIとESI性能との間で差がある多環式芳香族炭化水素(PAH)のエレクトロスプレー質量分析計スペクトルの結果を示す図である。100μ/sでの4つのモードにおいて高s/nを発生する、50ngのイソフラボノイドダイゼインの単一注入により示される応答結果を示す図である。マルチモードにおけるデータの同時収集を示すMassLynx(商標)データの出力の収集を示す図である。本発明が、従来のESIおよびAPCI単独に比べて高品質、高速および高精度のサンプルライブラリを生成することを示す図である。本発明が、従来のESIおよびAPCI単独に比べて高品質、高速および高精度のサンプルライブラリを生成することを示す図である。本発明が、従来のESIおよびAPCI単独に比べて高品質、高速および高精度のサンプルライブラリを生成することを示す図である。本発明が、従来のESIおよびAPCI単独に比べて高品質、高速および高精度のサンプルライブラリを生成することを示す図である。APCIおよびESIについての全スペクトルに対し、ESI対APCI対ESCiを比較するために実行されたマルチモードからのデータが、ESCiで得られたデータと一致することを示す図である。結果に表れたターゲット化合物および不純物を示す全モードの比較を示し、単一イオン源のイオン化モードにおける本発明の利点を示す図である。(1)Tinuvin 327、(2)Irganox 1010、(3)Irganox 1330の3つの混合ポリマー添加剤についての、APCI対ESCi(商標)対ESCiAPCIを比較したデータを示す図である。 1回の動作の中でサンプルに対し異なるイオン化技術を適用することができる質量分析計用のイオン源であって、 イオン経路と連通するイオン源チャンバと、 サンプルをイオン化して少なくとも部分的にイオン化された流れを生起するエレクトロスプレープローブと、 前記少なくとも部分的にイオン化された流れをイオン化する、エレクトロスプレー方式ではない非エレクトロスプレー装置と、 前記エレクトロスプレープローブおよび前記非エレクトロスプレー装置に対し電位を選択的に供給する電源と、を備えており、 前記電源が、1回の動作の中でサンプルに対し異なるイオン化技術を適用することができるように、該電源からの電位を、前記エレクトロスプレープローブ、前記非エレクトロスプレー装置、または、前記エレクトロスプレープローブおよび前記非エレクトロスプレー装置の両方に導く半導体スイッチを有している、前記質量分析計用のイオン源。 イオン源チャンバが、60から70℃の温度でサンプルのイオン化を可能にするように構成されている、請求項1に記載のイオン源。 前記半導体スイッチが電界効果トランジスタを備えている、請求項1に記載のイオン源。 前記非エレクトロスプレー装置が、光イオン化装置、大気圧化学イオン化を用いてサンプルをイオン化するコロナ放電ニードル、およびエレクトロスプレープローブからなるグループから選択されたものである、請求項1に記載のイオン源。 前記エレクトロスプレープローブがイオン源チャンバに入れられており、前記非エレクトロスプレー装置は、前記少なくとも部分的にイオン化された流れをイオン化するイオン源チャンバに入れられている、請求項1に記載のイオン源。 質量分析計による分析のためにサンプルをイオン化する方法であって、 サンプルをプローブに誘導し、 第1イオン化モードを用いてサンプルをイオン化し、 第2イオン化モードに切換え、 第2イオン化モードを用いてサンプルをイオン化する、方法であり、 1回の動作においてサンプルに対して生じる切換えステップが1秒未満の継続時間を有する、前記方法。 サンプルが、化合物のライブラリの一部を形成するために分析される、請求項6に記載の方法。 第2イオン化モードが光イオン化である、請求項6に記載の方法。 コンピュータを利用して、マルチモードイオン源を用いてサンプルをイオン化するシステムであって、 単一イオン源による第1のイオン化モードのみ、単一イオン源による第1のイオン化モードとは異なる単一イオン源による第2のイオン化モードのみ、単一イオン源による第1のイオン化モードおよび単一イオン源による第2のイオン化モードの両方を使用する第1の組合せイオン化モード、ならびに、単一イオン源による第1のイオン化モードと単一イオン源による第2のイオン化モードとを切り換えて交互に使用する第2の組合せイオン化モード、を用いてサンプルをイオン化する、マルチモードイオン源と、 マルチモードイオン源に関連する情報を表示するインタフェースと、を備えている、前記システム。 サンプルが、化合物のライブラリの一部を形成するために分析される、請求項9に記載のシステム。 質量分析計用のマルチモードイオン源であって、 複数のイオンを収容するチャンバを有しており、質量分析計と連通する排出口を画定するハウジングと、 前記チャンバに取り付けられており、サンプルを前記チャンバに導入して該サンプルを選択的にイオン化するエレクトロスプレープローブと、 前記チャンバに取り付けられており、サンプルを選択的にイオン化するコロナ放電ニードルと、 電位を供給する電源と、 前記電源からの電位を、エレクトロスプレープローブおよびコロナ放電ニードルに導く半導体スイッチと、を備えており、 前記半導体スイッチは、エレクトロスプレーイオン化およびコロナ放電イオン化の各特徴を持つサンプルの質量スペクトルを生成するように、1秒に1回よりも多い頻度で、エレクトロスプレープローブおよびコロナ放電ニードルを切り換えることができる、前記マルチモードイオン源。 前記エレクトロスプレープローブに霧状ガスを送り出す噴霧源をさらに備えている、請求項11に記載のマルチモードイオン源。 1回の動作の中でサンプルに対し異なるイオン化技術を適用する、質量分析計用のマルチモードイオン源であって、 イオン経路と連通するイオン源チャンバを画定するハウジングと、 イオン源チャンバに入れられており、サンプルをイオン化してイオン化された流れを生起するエレクトロスプレープローブと、を備えており、 前記ハウジングが、前記イオン化された流れの脱溶媒化を促進して、大気圧化学イオン化(APCI)を効率的に生じさせ、 マルチモードイオン源がさらに、前記イオン源チャンバに入れられており、前記脱溶媒化されたイオン化流れをイオン化する、APCIニードルを備えている、前記マルチモードイオン源。 前記イオン源チャンバを加熱するブロックヒータと、前記エレクトロスプレープローブを加熱するヒータとをさらに備えている、請求項13に記載のマルチモードイオン源。 前記ハウジングは、60から70℃の温度でのサンプルのイオン化を可能にする、請求項13に記載のイオン源。


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